JP2009116116A - 液晶表示パネル及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール強度及びシール形成の精度を向上しつつ、外形サイズを縮小化することが可能である液晶表示パネル及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】一対の基板と、上記一対の基板の外周部に設けられたシール材とを備える液晶表示パネルであって、上記一対の基板の一方は、第一配線層、無機絶縁膜、第二配線層及び有機絶縁膜がこの順に積層されるとともに、第一配線層及び/又は第二配線層から構成された第一配線及び第二配線を有し、上記第一配線は、一方の基板の外形に沿って設けられるとともに、第二配線層を含んで構成される上層配線部を有し、上記第二配線は、第一配線層から形成されるとともに、第一配線の上層配線部の内側に沿って設けられ、上記有機絶縁膜は、第二配線と重なる領域の少なくとも一部が除去されることによって形成された除去領域を有し、上記シール材は、有機絶縁膜の除去領域内で無機絶縁膜に接する液晶表示パネルである。
【選択図】図1−a

Description

本発明は、液晶表示パネル及び液晶表示装置に関する。より詳しくは、アクティブマトリクス型の液晶表示パネル及び液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、液晶表示パネルと、バックライトとを備える表示装置であり、薄型、軽量及び低消費電力化が可能であることから、近年、テレビ、パソコン用ディスプレイ、携帯端末用ディスプレイ等の幅広い用途に利用されている。
液晶表示パネルは、電極等が形成された一対の基板(例えば、アクティブマトリクス型液晶表示パネルの場合、素子基板及び対向基板)を、その外周部にシール材を設けて接着し、液晶材料を注入することにより構成される。
素子基板は、信号線及び走査線をマトリクス状に配置し、更に、その交差部に薄膜トランジスタからなる画素スイッチング素子と、画素電極とを配置することにより形成される。
一方、対向基板は、画素電極と対向する位置に赤(R)、緑(G)及び青(B)のいずれかのカラーフィルタ(CF)層を配置し、各CF層間にブラックマトリクス(BM)層を設け、CF層及びBM層を共通電極である透明電極によって覆うことにより形成される。
更に、液晶表示パネルは、通常、素子基板の信号線、走査線等の配線上を有機絶縁膜からなる平坦化膜で覆うことによって、セルギャップが均一になるように設定されている。しかしながら、有機絶縁膜とシール材とは、密着力が低いため、この場合、シール強度が低下してしまうことがあった。他方、無機絶縁膜とシール材とは、有機絶縁膜及びシール材に比べて、密着力が高いため、無機絶縁膜とシール材とが接するように、有機絶縁膜を部分的に除去し、有機絶縁膜の除去領域を形成することによってシール強度を向上する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
特開2003−167258号公報 特開平10−48611号公報 特開2006−178368号公報
ところで昨今、液晶表示パネルの外形(額縁)サイズの縮小化の要望がますます強くなってきている。信頼性の観点より、有機絶縁膜の除去領域を配置する箇所として、ドライバ領域上は好ましくないため、外周全部ではなく、例えば、パネルの隅部に配置する方法も考えられているが、外形(額縁)サイズの縮小化にともない、パネルの隅部にも入力保護回路や信号線等を配置する必要が出てきている。
図6−a、7及び8は、従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す平面模式図である。また、図6−bは、従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す断面模式図であり、図6−a中の6X−6Y線における断面を表す。なお、図6−a、7及び8中、破線は、有機絶縁膜の除去領域のエッジを示し、二点差線は、シール材の外側のエッジを示し、太線は、ブラックマトリクスの外側のエッジを示す。従来の液晶表示装置は、図6−a、7及び8に示すように、基板の最外周に設けられ、隅部122が下層配線であるゲートメタル配線116により形成されるとともに、隅部122以外の中心部123が上層配線であるソースメタル配線117により形成された対向配線(TCOM配線)121と、擬似静電保護素子124と、ソースメタル配線117により形成された信号線119とが設けられた素子基板と、ブラックマトリクス132が設けられた対向基板と、両基板の外周部を貼り合わせるシール材120とを備える。
なお、上層配線であるソースメタル配線117と画素電極との間の絶縁膜として有機絶縁膜118しか形成していない場合、画素電極のエッチング時にソースメタル配線117までエッチングされるのを防ぐため、有機絶縁膜118が除去された除去領域141の下にはソースメタル配線117を配置できない。したがって、この場合、図6−aに示すように、対向配線121と信号線119との間にはある程度の間隔を設ける必要があるため、外形(額縁)サイズの縮小化が更に困難になる。
有機絶縁膜118の除去領域141の下に配線を配置するためには、図7に示すように、信号線119の隅部をソースメタル配線117からゲートメタル配線116に切り替えることも可能であるが、ゲートメタル配線116は、ソースメタル配線117に比べて抵抗が高いため、例えば、映像信号線のように低抵抗化を要求される場合には適さない。
ソースメタル配線117の位置を変更しない場合は、図8に示すように、有機絶縁膜118の除去領域141を縮小すれば良いが、この場合、無機絶縁膜とシール材120との接触面積が小さくなり、シール強度が低下することがあり、シール強度を向上するという点で改善の余地があった。
また、ソースメタル配線117と画素電極との間の絶縁膜として、有機絶縁膜118以外の無機絶縁膜を形成する場合、無機絶縁膜を形成する工程が増加するだけでなく、ソースメタル配線117と画素電極とを導通させるためのコンタクトを形成する工程も増加することになる。
更に、外形(額縁)サイズの縮小化を実現するためには、シール幅(シール材の延伸方向と直交する方向における長さ)を縮小するとともに、シール材120の位置をより外側に設定する必要があるが、そのためにはシール形成の精度を向上させる(シール幅及びシール材120の位置のばらつきを抑える)必要があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、シール強度及びシール形成の精度を向上しつつ、外形サイズを縮小化することが可能である液晶表示パネル及び液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、シール強度及びシール形成の精度を向上しつつ、外形サイズを縮小化することが可能である液晶表示装置について種々検討したところ、対向配線の中心部等の基板の外形に沿って設けられた上層配線(第二配線)と、その上層配線の内側に沿って設けられた擬似静電保護素子のゲート電極等の下層配線(第一配線)とに着目した。そして、有機絶縁膜は、第二配線と重なる領域の少なくとも一部が除去されることによって形成された除去領域を有し、シール材は、有機絶縁膜の除去領域内で無機絶縁膜に接することにより、シール強度を向上できるとともに、シール幅が増加するのを抑制でき、更に、第二配線が配置可能な領域をより外側にまで広げることができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、対向する一対の基板と、上記一対の基板の外周部に設けられるとともに、上記一対の基板を貼り合わせるシール材と、上記一対の基板間に狭持された液晶層とを備える液晶表示パネルであって、上記一対の基板の一方は、絶縁基板の液晶層側に、第一配線層、無機絶縁膜、第二配線層及び有機絶縁膜が絶縁基板側からこの順に積層された構造を有するとともに、第一配線層及び第二配線層の少なくとも一方から構成された第一配線及び第二配線を有し、上記第一配線は、一方の基板の外形に沿って設けられるとともに、第二配線層を含んで構成される上層配線部を有し、上記第二配線は、第一配線層から形成されるとともに、第一配線の上層配線部の内側に沿って設けられ、上記有機絶縁膜は、第二配線と重なる領域の少なくとも一部が除去されることによって形成された除去領域を有し、上記シール材は、有機絶縁膜の除去領域内で無機絶縁膜に接する液晶表示パネルである。
これにより、上記シール材は、密着性に優れた無機絶縁膜に接することができるので、シール強度を向上することができる。
また、上記除去領域以外の除去領域を設けないか、又は、上記除去領域以外の除去領域を小さくしたとしても、充分なシール強度を保つことができる。より具体的に説明すると、例えば、基板の隅部には、通常、コモン転移部が設けられ、このコモン転移部において対向する基板同士は接続される。したがって、コモン転移部と重なる領域の有機絶縁膜にも、通常、除去領域が形成されが、上述のように、本発明によれば、第二配線に重なる領域に除去領域が設けられていることから、コモン転移部の除去領域を小さくしたとしても、必要なシール強度を維持することができる。その結果、第二配線を配置することが可能な領域をより外側まで広げることができるので、外形(額縁)サイズを縮小することができる。
更に、狭額縁化に伴い、シール幅も縮小する必要があるが、シール描画装置の能力には限界があり、シール幅が細くなるほど、そのばらつきは、大きくなる傾向にある。しかしながら、本発明によれば、有機絶縁膜の除去領域を増加することができるので、第二配線と重なる領域の少なくとも一部が除去されることによって形成された除去領域の断面積の分だけシール材の断面積を増加させることができる。したがって、シール幅が目標値より太くなるのを防ぐことができ、その結果、シール形成の精度の向上が可能になる。
そして、上記第一配線及び第二配線は、一方の基板の外形に沿って設けられる。すなわち、上記除去領域も、基板の外周、すなわちシール材に沿って形成することができるので、均等にシール強度を向上し、信頼性に優れた液晶表示パネルを実現することができる。また、同様にして、広い範囲に渡って、シール形成の精度を向上することができる。
本発明の液晶表示パネルの構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。
本発明の液晶表示パネルにおける好ましい形態について以下に詳しく説明する。なお、以下に示す各種の形態は、組み合わせて用いられてもよい。
シール強度をより向上する観点からは、上記有機絶縁膜は、第二配線と重なる領域が線状に除去されることが好ましい。
上記一対の基板の他方は、絶縁基板の液晶層側に、ブラックマトリクスを有し、上記シール材の外側の境界は、ブラックマトリクスの外側の境界よりも外側に配置された形態(以下、「第一形態」ともいう。)であってもよい。これにより、シール材を、通常、ガラス等の無機絶縁物からなる絶縁基板に接触させることができるので、シール強度をより向上させることができる。
このような観点からは、上記絶縁基板は、少なくとも液晶層側の表面が無機絶縁物であることが好ましい。
上記第一形態において、上記除去領域(第二配線と重なる領域の少なくとも一部が除去されることによって形成された除去領域)は、ブラックマトリクスの外側の境界よりも外側に配置されることがより好ましい。これにより、除去領域が配置された領域において、シール材は、一方の基板側で無機絶縁膜に接触するとともに、他方の基板側で絶縁基板に接触することができるので、シール強度を更に向上させることができる。
上記第一形態において、上記ブラックマトリクスは、樹脂を含んでもよい。すなわち上記ブラックマトリクスは、樹脂BMであってもよい。樹脂BMとシール材とでは密着力が弱いため、上記ブラックマトリクスが樹脂を含む形態において、特に効果的にシール強度を向上することができる。
上記第一配線としては、対向配線が好適である。
上記第二配線としては、第一配線と重なる領域に設けられた複数の擬似静電保護素子に共通のゲート電極が好適である。
本発明はまた、本発明の液晶表示パネルを備える液晶表示装置でもある。これより、シール強度及びシール形成の精度を向上しつつ、外形サイズを縮小化することが可能である液晶表示装置を実現することができる。
本発明の液晶表示パネル及び液晶表示装置によれば、シール強度及びシール形成の精度を向上しつつ、外形サイズを縮小化することが可能である。
以下に実施形態を掲げ、本発明を図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
(実施形態1)
本実施形態の液晶表示装置は、液晶表示パネルと、液晶表示パネルの後方に配置されたバックライトユニットとを備える。液晶表示パネルは、対向する一対の基板である平面視矩形状の素子基板及び対向基板を有し、両基板間の外周部に設けられたシール材によって、両基板間に液晶層が狭持された構造を有する。
図2は、本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の概略を示すブロック図である。素子基板上には、図2に示すように、ソースドライバ51と、ゲートドライバ52と、画素アレイ53と、複数の端子58が設けられた端子部59とが配置されている。ソースドライバ51は、モノリシック化されている場合、対向基板よりも内側に配置されている。素子基板の最外周には対向基板に設けられた対向電極に所定電位を供給するための対向配線(TCOM配線)21が素子基板の輪郭線に沿って矩形状に引き回しされていて、素子基板の四隅には、対向基板上に形成された対向電極と対向配線21とを導通するためのコモン転移部54が配置されている。最外周の対向配線21の外側は、分断時に割れ欠けのおそれがあるため、無効領域として、駆動回路等の素子は配置されない禁止領域となっている。また、素子基板と対向基板とは、シール材によって接着されているが、ソースドライバ51及びゲートドライバ52は、シール材よりも内側に配置されている。そのため、ソースドライバ51及びゲートドライバ52は、シール材又は液晶材料で覆わることになるので、外気に曝されることがなく、ソースドライバ51及びゲートドライバ52の腐食を防止することが可能となっている。なお、ソースドライバ51は、モノリシック化されていてもよいし、COG(Cip On Glass)チップが用いられてもよい。
図3は、本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置におけるゲートドライバ及びソースドライバの構成と、ゲートドライバ及びソースドライバ及び画素の接続関係と示す概念図である。本実施形態の液晶表示装置においては、制御回路55からゲートドライバ用スタートパルスSPG、クロックCKG及び走査方向切り替え信号UDがゲートドライバ52に供給され、順次ゲートバスラインGL1,GL2,・・・,GLmが走査されていく。ソースバスラインSL1,SL2,・・・,SLlについても同様に、制御回路55からソースドライバ用スタートパルスSPS、クロックCKS及び走査方向切り替え信号LRが供給され、シフトレジスタ56によりサンプリング部57のサンプリングスイッチが順次動作されていくとともに、制御回路55から映像信号DATをサンプリングして、各ソースバスラインSL1,SL2,・・・,SLlへ映像信号DATが出力されていく。走査信号が供給されると、ゲートバスラインGL1,GL2,・・・,GLmに接続された画素スイッチング素子が書き込み可能な状態となり、ソースバスラインSL1,SL2,・・・,SLlに供給された映像信号DATが画素電極PIXに書き込まれることになる。
図1−aは、本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す平面模式図である。また、図1−bは、本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す断面模式図であり、図1−a中の1X−1Y線における断面を表す。なお、図1−a中、破線は、有機絶縁膜の除去領域のエッジを示し、二点差線は、シール材のエッジを示し、太線は、ブラックマトリクスの外側のエッジを示す。素子基板は、絶縁基板11の液晶層側に、ベースコート層12と、多結晶シリコン層と、ゲート絶縁膜14と、第一配線層(下層配線)であるゲートメタル配線16と、無機絶縁膜である層間絶縁膜15と、第二配線層(上層配線)であるソースメタル配線17と、有機絶縁膜18と、画素電極とが絶縁基板11側からこの順に積層された構造を有する。また、素子基板の隅部には、最外周の対向配線21と、対向配線21の内側に配置され、ソースメタル配線17から形成された信号線19とが設けられている。対向配線21は、ゲートメタル配線16から形成された隅部22と、ソースメタル配線17から形成された中心部23とから構成され、隅部22と中心部23とは、層間絶縁膜15に設けられたコンタクトホール(図示せず)において接続されている。また、対向配線21は、低抵抗化のために、中心部23がソースメタル配線17から形成されている。
また、配線及び電極をエッチングするときに溜まるチャージアップ、並びに、ラビング処理時に発生する静電気等、製造工程中に発生するESD(Electr Static Discharge)対策のため、対向配線21の中心部23の両端にはそれぞれ、擬似静電保護素子24が対向配線21と重なるように配置されるとともに、対向配線21の中心部23の内側には、放電突起28が設けられている。擬似静電保護素子24は、パネル各辺の両端に配置されており、擬似静電保護素子24のゲート電極25は、ゲートメタル配線16から形成されるとともに、放電突起28の内側に、対向配線21の中心部23と平行となるように引き回しされ、また、パネル各辺の両端に配置された擬似静電保護素子24同士で接続されていて、更に、電位的にはフローティングの状態になっている。擬似静電保護素子24のソース・ドレインは共に、層間絶縁膜15に設けられたコンタクトホール27を介して対向配線21に接続されている。素子基板を製造する際に、エッチング時のチャージアップやラビング処理時の静電気によって、擬似静電保護素子24のゲート電極25に電荷が所定以上に溜まると、その電荷は、擬似静電保護素子24の活性層26を介して、対向配線21に排出されたり、放電突起28の先端における微小な放電によって排出されたりすることにより、製造工程中において静電気放電破壊が発生するのを抑制している。なお、放電突起28は、擬似静電保護素子24のゲート電極25に形成されてもよい。
図1−cは、図1−aにおいて、素子基板側の配向膜と、対向基板側の配向膜と、透明電極とを配置した場合を示す平面模式図である。なお、図1−c中、破線は、有機絶縁膜の除去領域のエッジを示し、二点差線は、シール材のエッジを示す。対向基板は、絶縁基板31の液晶層側に、ブラックマトリクス32と、カラーフィルタと、対向電極(透明電極)33と、配向膜34とが絶縁基板31側からこの順に積層された構造を有する。ブラックマトリクス32は、画素アレイ53における各サブ画素間を区画する領域と、画素アレイ53の周囲とに設けられている。カラーフィルタは、各サブ画素に対応して設けられている。対向電極33は、素子基板に設けられた配線パターンよりも一回り大きいパターンになっている。配向膜34については、素子基板及び対向基板が貼り合わられた状態では、素子基板側と対向基板側とで共通の配置(パターン)となっている。また、素子基板及び対向基板間でコモン転移を取る必要があるため、配向膜34は、対向電極33のコモン転移部54に対応する領域には重ならないような形状になっている。なお、図1−cでは、シール強度を向上するため、配向膜34とシール材20との位置関係は、いわゆる「セミホール構造(シール材20の内側の一部は配向膜34と重なっているが、外側では配向膜34と重ならない構造)」になっているが、本実施形態においては、「ホール構造(コモン転移部54のみの配向膜34が抜かれた構造)」や「アウト構造(配向膜34をシール材20より内側に配置する、すなわち配向膜34とシール材20とが重ならない構造)」とすることも可能である。
そして、有機絶縁膜18は、対向配線21の隅部22に対応する領域と、擬似静電保護素子24のゲート電極25に対応する領域とが除去されている。すなわち、有機絶縁膜18には、対向配線21の隅部22に対応する領域が除去された略L字状の隅部除去領域41と、擬似静電保護素子24のゲート電極25に重なる領域が除去された線状のゲート電極除去領域42とが設けられている。このゲート電極除去領域42においては、無機絶縁膜からなる層間絶縁膜15が露出されるとともに、シール材20が層間絶縁膜15に接触している。これにより、無機絶縁膜とシール材20との接触面積を増加させることができるため、シール強度を向上させることができる。また、所定のシール強度を維持しつつ、隅部除去領域41を小さくすることができるので、ソースメタル配線17を用いて形成される必要性が高い信号線19や回路等を対向配線21ぎりぎりにまで配置することができるので、外形(額縁)サイズの縮小化を実現することが可能である。更に、本実施形態において、疑似静電保護素子24は、対向配線21に重複して配置されることから、外形(額縁)サイズの更なる縮小化が可能である。そして、シール材20の断面積も増加させることができるため、シール形成の精度も向上させる(シール幅を目標値より太くなるのを防ぐ)こともできるようになる。
以下に、本実施形態の液晶表示装置の製造方法について説明する。
まず、ガラス基板等の透明かつ絶縁性の絶縁基板11の表面に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いてベースコート層12を堆積する。次に、LPCVD法やPCVD法等を用いてベースコート層12上にアモルファスシリコン膜(図示せず)を堆積した後、レーザアニール法等を用いてアモルファスシリコン膜を結晶化させる。続いて、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて多結晶シリコン膜をパターニングして画素スイッチング素子や擬似静電保護素子24の活性層26として機能する多結晶シリコン層を形成する。
次に、CVD法を用いてベースコート層12及び多結晶シリコン層上に酸化シリコン膜等からなるゲート絶縁膜14を形成し、多結晶シリコン層をゲート絶縁膜14で覆う。次に、不純物がドープされた多結晶シリコン膜及びシリサイド膜をゲート絶縁膜14上に形成し、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いてパターニングしてゲートメタル配線16を形成する。
次に、ゲートメタル配線16をマスクとして多結晶シリコン層に高濃度の不純物を選択的にドーピングする。これにより、多結晶シリコン膜にソース・ドレインと、チャネル領域とをそれぞれ形成する。その後、600℃程度の温度で基板のアニールを行い、ドーピングした不純物の活性化を行う。
次に、CVD法を用いて、ゲート絶縁膜14及びゲートメタル配線16上に、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜等の無機系絶縁材料からなる層間絶縁膜15を形成し、ゲート絶縁膜14及びゲートメタル配線16を覆う。次いで、フォトリソグラフィ技術ならびにエッチング技術を用いて多結晶シリコン膜のソース・ドレイン上の層間絶縁膜15及びゲート絶縁膜14を選択的に除去し、画素スイッチング素子や擬似静電保護素子24のコンタクトホール27を形成する。このとき、対向配線21の隅部22となるゲートメタル配線16の両端上の層間絶縁膜15及びゲート絶縁膜14も選択的に除去する。続いて、スパッタ法により層間絶縁膜15上にアルミニウム膜を堆積し、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてアルミニウム膜をパターニングしてソースメタル配線17を形成する。ソースメタル配線17は、擬似静電保護素子24のコンタクトホール27の内部にも形成され、擬似静電保護素子24の活性層26のソース・ドレインに電気的に接続される。また、ソースメタル配線17から形成される対向配線21の中心部23は、隅部22と電気的に接続されることになる。
次に、塗布法を用いて層間絶縁膜15及びソースメタル配線17上にアクリル、エポキシ系等の有機系絶縁材料からなる有機絶縁膜18を形成する。なお、有機絶縁膜18は、基板表面を平坦化する平坦化膜としても機能する。
次に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、画素スイッチング素子等のソース・ドレインに接続されたソースメタル配線17上の一部の有機絶縁膜18を選択的に除去し、ソースメタル配線17を露出させるコンタクトホールを形成する。このとき、擬似静電保護素子24のゲート電極25上と、対向配線21の隅部22上との有機絶縁膜18も選択的に除去し、層間絶縁膜15を露出させることによって、隅部除去領域41及びゲート電極除去領域42を形成する。次いで、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、隅部除去領域41について、更に層間絶縁膜15のエッチングを行い、コモン転移部54となるゲートメタル配線16から形成された対向配線21の隅部22を露出させる。次いで、画素アレイ53の各サブ画素の有機絶縁膜18上にITO膜を形成し、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、ITO膜をパターニングして画素電極を形成する。この画素電極は、コンタクトホールの内部にも形成されてソースメタル配線17を介して画素スイッチング素子等のソース・ドレインに電気的に接続される。そして、隅部除去領域41及びゲート電極除去領域42よりも内側の有機絶縁膜18や画素電極上にポリイミド膜を塗布又は転写法によって配設して配向膜を形成し、本実施形態の素子基板が形成される。
他方、対向基板については、ガラス基板等の透明かつ絶縁性の絶縁基板31上に、アクリル系等の黒色樹脂膜を形成し、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて黒色樹脂膜をパターニングしてブラックマトリクス32を形成する。次いで、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて、各サブ画素に対応してブラックマトリクス32により区画された領域内に、アクリル系等の着色樹脂からなる赤、緑及び青のカラーフィルタを順次形成する。そして、スパッタ法によりITO膜を堆積し、フォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてITO膜をパターニングして対向電極33を形成した後、対向電極33上にポリイミド膜を塗布又は転写法によって配設して配向膜34を形成することよって、本実施形態の対向基板が形成される。
その後、素子基板と対向基板とをシール材20で貼り合わせ、素子基板と対向基板との間に液晶材料を封入することによって本実施形態の液晶表示パネルを製造する。そして、液晶表示パネルと、バックライトユニット、筐体等とを組み合わせることによって、本実施形態のアクティブマトリクス型の液晶表示装置が完成する。
本実施形態によれば、ソースメタル配線17上には有機絶縁膜18を形成するだけでよいので、上述の効果に加えて、ソースメタル配線17上に無機絶縁膜と有機絶縁膜とを積層形成した場合に比べて、製造プロセスの簡略化が可能となる。
以下に、本実施形態の変形例について説明する。
図4−aは、本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の変形例の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す平面模式図である。図4−bは、本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の変形例の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す断面模式図であり、図4−a中の4X−4Y線における断面を表す。なお、図4−a中、破線は、有機絶縁膜の除去領域のエッジを示し、二点差線は、シール材のエッジを示し、太線は、ブラックマトリクスの外側のエッジを示す。図4−a及び4−bに示すように、シール材20の外側の境界は、ブラックマトリクス32の外側の境界よりも外側に配置されてもよい。これにより、対向基板側においても、ガラス等からなる絶縁基板11とシール材20とを接触することができ、シール強度をより向上させることができる。
図5−aは、本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の変形例の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す平面模式図である。図5−bは、本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の変形例の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す断面模式図であり、図5−a中の5X−5Y線における断面を表す。なお、図5−a中、破線は、有機絶縁膜の除去領域のエッジを示し、二点差線は、シール材のエッジを示し、太線は、ブラックマトリクスの外側のエッジを示す。図5−a及び5−bに示すように、ゲート電極除去領域42は、ブラックマトリクスの外側の境界よりも外側に配置されてもよい。これにより、素子基板及び対向基板の両側ともにおいて、ガラス等からなる絶縁基板11とシール材20とを接触することができ、シール強度を更に向上させることができる。
本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す平面模式図である。 本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す断面模式図であり、図1−a中の1X−1Y線における断面を表す。 図1−aにおいて、素子基板側の配向膜と、対向基板側の配向膜と、透明電極とを配置した場合を示す平面模式図である。 本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の概略を示すブロック図である。 本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置におけるゲートドライバ及びソースドライバの構成と、ゲートドライバ及びソースドライバ及び画素の接続関係と示す概念図である。 本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の変形例の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す平面模式図である。 本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の変形例の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す断面模式図であり、図4−a中の4X−4Y線における断面を表す。 本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の変形例の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す平面模式図である。 本発明の実施形態1であるアクティブマトリクス型液晶表示装置の変形例の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す断面模式図であり、図5−a中の5X−5Y線における断面を表す。 従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す平面模式図である。 従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す断面模式図であり、図6−a中の6X−6Y線における断面を表す。 従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す平面模式図である。 従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の対向配線上の放電突起部及び擬似静電保護素子部が設けられた領域近傍を示す平面模式図である。
符号の説明
11、111:絶縁基板
12、112:ベースコート層
14、113:ゲート絶縁膜
15、115:層間絶縁膜
16、116:ゲートメタル配線
17、117:ソースメタル配線
18、118:有機絶縁膜
19、119:信号線
20、120:シール材
21、121:対向配線(TCOM配線)
22、122:隅部
23、123:中心部
24、124:擬似静電保護素子
25:ゲート電極
26:活性層
27:コンタクトホール
28:放電突起
31、131:絶縁基板
32、132:ブラックマトリクス
33:対向電極(透明電極)
34:配向膜
41:隅部除去領域
42:ゲート電極除去領域
51:ソースドライバ
52:ゲートドライバ
53:画素アレイ
54:コモン転移部
55:制御回路
56:シフトレジスタ
57:サンプリング部
58:端子
59:端子部
141:有機絶縁膜の除去領域

Claims (7)

  1. 対向する一対の基板と、該一対の基板の外周部に設けられるとともに、該一対の基板を貼り合わせるシール材と、該一対の基板間に狭持された液晶層とを備える液晶表示パネルであって、
    該一対の基板の一方は、絶縁基板の液晶層側に、第一配線層、無機絶縁膜、第二配線層及び有機絶縁膜が絶縁基板側からこの順に積層された構造を有するとともに、第一配線層及び第二配線層の少なくとも一方から構成された第一配線及び第二配線を有し、
    該第一配線は、一方の基板の外形に沿って設けられるとともに、第二配線層を含んで構成される上層配線部を有し、
    該第二配線は、第一配線層から形成されるとともに、第一配線の上層配線部の内側に沿って設けられ、
    該有機絶縁膜は、第二配線と重なる領域の少なくとも一部が除去されることによって形成された除去領域を有し、
    該シール材は、有機絶縁膜の除去領域内で無機絶縁膜に接することを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 前記一対の基板の他方は、絶縁基板の液晶層側に、ブラックマトリクスを有し、
    前記シール材の外側の境界は、ブラックマトリクスの外側の境界よりも外側に配置されることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
  3. 前記除去領域は、ブラックマトリクスの外側の境界よりも外側に配置されることを特徴とする請求項2記載の液晶表示パネル。
  4. 前記ブラックマトリクスは、樹脂を含むことを特徴とする請求項2記載の液晶表示パネル。
  5. 前記第一配線は、対向配線であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
  6. 前記第二配線は、第一配線と重なる領域に設けられた複数の擬似静電保護素子に共通のゲート電極であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
  7. 請求項1記載の液晶表示パネルを備えることを特徴とする液晶表示装置。
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