JP2009115429A - 熱交換用パイプ、熱交換器及び自然冷媒ヒートポンプ装置 - Google Patents

熱交換用パイプ、熱交換器及び自然冷媒ヒートポンプ装置 Download PDF

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Yasushi Murakoshi
康司 村越
Naotaka Iwazawa
直孝 岩澤
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Abstract

【課題】簡単な構成にて、自然冷媒から水への熱伝達性能が高い熱交換用パイプ、熱交換量が増大された熱交換器、及び、成績係数が向上した自然冷媒ヒートポンプ装置を提供する。
【解決手段】熱交換用パイプ(40)は、自然冷媒ヒートポンプ装置における水と自然冷媒との熱交換に使用される。熱交換用パイプ(40)は、自然冷媒のための内部流路を有する2本以上のインナチューブ(82)と、並列に配置された2本以上のインナチューブ(82)を囲み、インナチューブ(82)の外側に水の流路を規定するアウタチューブ(80)と、アウタチューブ(80)内におけるインナチューブ(82)の周囲の空間に変位可能に挿通されている少なくとも1本のワイヤ(88)とを有する。
【選択図】図8

Description

本発明は、熱交換用パイプ、該熱交換用パイプを用いた熱交換器、及び自然冷媒ヒートポンプ装置に関する。
近年、地球温暖化を防止すべく、自然冷媒ヒートポンプ装置を利用した給湯システムの普及が推進されている。自然冷媒ヒートポンプ装置は、冷媒である二酸化炭素が流れる循環路に、圧縮機、熱交換器、膨張器及び蒸発器が順次介挿され、熱交換器において、冷媒と水との熱交換が行われる。
熱交換器には、例えば二重管を用いたものがあり、二重管は、インナチューブと、インナチューブを囲むアウタチューブとからなる(例えば特許文献1)。
特開2006−145156号公報
二重管を用いた熱交換器においては、例えば、インナチューブ内を冷媒が流れ、アウタチューブ内におけるインナチューブの周りの空間を水が流れる。ここで、水の流れが遅い場合、水は層流状態で流れる。層流状態では、インナチューブ内の冷媒は、インナチューブの外周面の近傍を流れる水と専ら熱交換し、インナチューブの外周面から離れた領域を流れる水とは熱交換し難い。
このため、アウタチューブ内に2本以上のインナチューブが並列に配置され、インナチューブの周囲に規定される空間が大きいとき、インナチューブの外周面から離れた領域を流れる水には、熱が伝達され難い。この結果として、熱交換器における熱交換量が制限され、自然冷媒ヒートポンプ装置における成績係数の向上が妨げられていた。
本発明は上述した事情に基づいてなされ、その目的とするところは、簡単な構成にて、自然冷媒から水への熱伝達性能が高い熱交換用パイプ、熱交換量が増大された熱交換器、及び、成績係数が向上した自然冷媒ヒートポンプ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、本発明によれば、自然冷媒ヒートポンプ装置における水と自然冷媒との熱交換に使用される熱交換用パイプにおいて、自然冷媒のための内部流路を有する2本以上のインナチューブと、並列に配置された2本以上の前記インナチューブを囲み、前記インナチューブの外側に水の流路を規定するアウタチューブと、前記アウタチューブ内における前記インナチューブの周囲の空間に変位可能に挿通されている少なくとも1本のワイヤとを備えることを特徴とする熱交換用パイプが提供される(請求項1)。
好ましくは、前記ワイヤは相互に離間した複数の扁平部を有する(請求項2)。
好ましくは、前記ワイヤは螺旋形状を有する(請求項3)。
また、本発明によれば、請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱交換用パイプを有する熱交換器であって、前記熱交換用パイプの少なくとも一部が曲がっていることを特徴とする熱交換器が提供される(請求項4)。
好ましくは、前記水の流路の入口側に配置される前記アウタチューブの一端部において、前記ワイヤの端縁は、前記水の流動方向でみて、前記アウタチューブの端縁よりも下流に位置している(請求項5)。
好ましくは、更に、前記熱交換用パイプと直列に連結された二重管を備え、前記二重管は、前記水の流路の出口側に配置されている(請求項6)。
好ましくは、前記熱交換用パイプにおける前記水の流動方向は前記自然冷媒の流動方向とは反対であり、且つ、前記自然冷媒はCOである(請求項7)。
更に、本発明によれば、請求項4乃至7の何れか1項に記載の熱交換器を備えたことを特徴とする自然冷媒ヒートポンプ装置が提供される(請求項8)。
本発明の請求項1の熱交換用パイプでは、ワイヤが変位可能に挿通されているため、熱交換用パイプの横断面でみたときのワイヤの位置(以下、面内位置という)が、熱交換用パイプの長手方向の位置に応じて変化する。このため、アウタチューブ内におけるインナチューブの外側の空間を流れる水は、流速が遅くても、ワイヤとの衝突によって乱流状態となり、空間を流れる全ての水に対して、インナチューブ内の冷媒から熱が効率的に伝達される。
また、ワイヤは、変位可能に挿通されていることによって、インナチューブの外周面に直接接触する部分を有する。このためワイヤを介して、インナチューブの外周面から離れた領域を流れる水に対して、熱が効率的に伝達される。
これらの結果として、この熱交換用パイプは、高い熱伝達効率を有する。
請求項2の熱交換用パイプでは、ワイヤが、複数の扁平部分を有することによって、水の流れがより乱され、一層熱伝達効率が高くなる。
請求項3の熱交換用パイプでは、ワイヤが螺旋形状を有することによって、水の流れがより乱され、一層熱伝達効率が高くなる。
請求項4の熱交換器では、熱交換用パイプの一部が曲がっていることによって、空間内をワイヤが大きく蛇行するように延びる。この結果として、熱交換用パイプにおける熱伝達効率が確実に高くなり、熱交換器における熱交換量が増大する。
請求項5の熱交換器では、アウタチューブの端縁から、ワイヤの端縁が下流に位置付けられていることによって、アウタチューブの端縁から流入した水が、ワイヤの端面に衝突する。この衝突によって水の流れが乱流状態となり、熱交換用パイプにおける熱伝達効率が一層高くなり、熱交換器における熱交換量が更に増大する。
請求項6の熱交換器では、熱交換用パイプと直列に連結された二重管が、水の流路の出口側に配置されている。この場合、最も高温になった水が2重管を流れ、相対的に低温の水が熱交換用パイプを流れる。この結果として、この熱交換器では、熱交換用パイプにおける析出物の発生が少なく、ワイヤが挿通されていても、熱交換用パイプのスケール詰まりが防止される。
請求項7の熱交換器は、水の流動方向と冷媒の流動方向とが反対である対向流方式に、自然冷媒としてCOを採用するのに適している。これは以下の理由による。
従来の対向流方式の熱交換器では、自然冷媒がCOであると、COの相変化に伴い、水の出口側よりも入口側で、熱交換量が少なくなる傾向があった。
これに対し、請求項7の熱交換器では、水の入口側に配置された熱交換用パイプの熱伝達効率が高いため、COの相変化に伴う熱交換量の減少が補償される。この結果として、この熱交換器によれば、対向流方式にCOを採用しても、熱交換量が増大する。
請求項8の自然冷媒ヒートポンプ装置によれば、熱交換用パイプの熱伝達効率が高く、熱交換器における熱交換量が大きいため、高い成績係数が実現される。
図1は、給湯システムの概略構成を示し、給湯システムは、一実施形態の自然冷媒ヒートポンプ装置2と、給湯装置4とを有する。ヒートポンプ装置2と給湯装置4は、ガスクーラ6を共通に含み、ガスクーラ6を介して互いに熱的に接続されている。
詳しくは、ヒートポンプ装置2は、例えばCOが冷媒として流れる冷媒循環経路8を有し、この冷媒循環経路8には、大気と冷媒との間で熱交換を行う蒸発器10、圧縮機12、ガスクーラ(熱交換器)6の高温部及び膨張器14等が順次介挿されている。
一方、給湯装置4は、水が流れる貯湯循環経路16を有し、この貯湯循環経路16にガスクーラ6の低温部、貯湯タンク18及び循環ポンプ20等がそれぞれ介挿されている。
また、給湯装置4は、貯湯タンク18に給水する給水経路22及び貯湯タンク18から給湯する給湯経路24を有する。給水経路22及び給湯経路24は、冷媒循環経路8及び貯湯循環経路16と同様に、ステンレスや銅等の金属製の管によって構成することができる。
図2は、ガスクーラ6の側面図である。ガスクーラ6によって、給湯装置4の水と、ヒートポンプ装置2のCOとの間で熱交換が行われる。
ガスクーラ6の構成は、大まかに3段に分けることができ、第1段は、図3に示したように、二重管式の1本の熱交換用パイプ30を有し、熱交換用パイプ30は、渦巻き状に曲げられている。熱交換用パイプ30の外端には端末モジュール32が取り付けられ、一方、熱交換用パイプ30の内端には、水用(アウタチューブ用)の連結部材34及び冷媒用(インナチューブ用)の連結部材36が取り付けられている。
第2段は、図2及び図4に示したように、二重管式の2本の熱交換用パイプ40を有し、これらの熱交換用パイプ40の各々は、渦巻き状に曲げられている。2本の熱交換用パイプ40は、第1段と第2段の積層方向にて重ねられ、これらの熱交換用パイプ40の内端には、水用の連結部材34及び冷媒用の連結部材36が取り付けられている。
つまり、第1段の熱交換用パイプ30と、第2段の熱交換用パイプ40とは、水用の連結部材34及び冷媒用の連結部材36によって連結されている。一方、これらの熱交換用パイプ40の外端には、水用の連結部材44及び冷媒用の連結部材46が取り付けられている。
第3段は、図2及び図5に示したように、二重管式の2本の熱交換用パイプ50を有し、これらの熱交換用パイプ50の各々は、渦巻き状に曲げられている。2本の熱交換用パイプ50は、第2段と第3段の積層方向にて重ねられ、これらの熱交換用パイプ50の外端には、水用の連結部材44及び冷媒用の連結部材46が取り付けられている。
つまり、第2段の熱交換用パイプ40と、第3段の熱交換用パイプ50とは、水用の連結部材44及び冷媒用の連結部材46によって連結されている。一方、これらの熱交換用パイプ50の内端には、端末モジュール62が取り付けられている。
図6に示したように、第1段の熱交換用パイプ30は、アウタチューブ70と、アウタチューブ70によって囲まれた2本のインナチューブ72とからなる。インナチューブ72は、相互に平行に配置されている。各インナチューブ72の内部は冷媒の流路として規定され、アウタチューブ70内におけるインナチューブ72の周囲の空間は、水の流路として規定される。
図7は図6中の領域VIIを拡大して示している。インナチューブ72は、漏洩検知タイプであり、本体74と、本体の外周面を覆うシース76とからなる。シース76の内周面には、複数の溝78が形成されており、本体74から漏出した冷媒は、溝78を流れてシース76の末端から流出する。
図8は、第2段の熱交換用パイプ40の横断面を示しており、熱交換用パイプ40は、アウタチューブ80と、アウタチューブ80によって囲まれた2本のインナチューブ82とからなる。インナチューブ82は、相互に平行に配置されている。各インナチューブ82の内部は冷媒の流路として規定され、アウタチューブ80内におけるインナチューブ72の周囲の空間は、水の流路として規定される。換言すれば、アウタチューブ80は、並列に配置された2本のインナチューブ82を囲み、インナチューブ82の外側に水の流路を規定している。
インナチューブ82も漏洩検知タイプであり、本体84と本体を覆うシース86とからなる。そして、シース86の内周面には複数の溝が形成されている。
熱交換用パイプ40は、更に、2本のワイヤ88を有する。例えば、アウタチューブ80の内径は9mm以上16mm以下の範囲にあり、インナチューブ82の外径は4.0mm以上6.0mm以下の範囲にあり、ワイヤ88の直径は1.0mm以上2.0mm以下の範囲にある。この場合、アウタチューブ80内は、2本のインナチューブ82によって2つの空間に仕切られ、各空間に1本のワイヤ88が挿通される。ワイヤ88は、アウタチューブ80及びインナチューブ82の材料と同じ金属からなり、例えば銅製である。
なお、第3段の熱交換用パイプ50は、第2段の熱交換用パイプ40と構成が同一であるため、説明を省略する。
図9は、第1段の熱交換用パイプ30と第2段の熱交換用パイプ40の連結構造を示している。熱交換用パイプ30,40の端部は、末端処理が施されており、アウタチューブ70,80の端縁からは、各インナチューブ72,82が突出し、インナチューブ72,82のシース76,86の端縁からは、本体74,84が突出している。
そして、熱交換用パイプ30,40端部には、アウタチューブ70,80の端縁を気密に囲むように水用の連結部材34が取り付けられ、インナチューブ72,82の本体74,84の端縁を気密に囲むように冷媒用の連結部材36が取り付けられている。連結部材34及び連結部材36は、内部流路34a,36aをそれぞれ有し、熱交換用パイプ30,40の水の流路が内部流路34aを介して連通し、冷媒の流路が内部流路36aを介して連通する。
なお、シース76,86の端縁は露出しており、本体74,84に亀裂が生じてそこから冷媒が漏れた場合、シース76,86の端縁から外部への冷媒の流出を発見することで、冷媒の漏洩を検知可能である。
図10は、第2段の熱交換用パイプ40と第3段の熱交換用パイプ50の連結構造を示している。この場合も、4本のアウタチューブ80の端縁を気密に囲むように水用の連結部材44が取り付けられ、4本のインナチューブ82の本体84の端縁を気密に囲むように冷媒用の連結部材46が取り付けられている。そして、熱交換用パイプ40,50の水の流路が内部流路44aを介して連通し、冷媒の流路が内部流路46aを介して連通する。
図11は、第3段の熱交換用パイプ50と端部と端末モジュール62との連結構造を示している。端末モジュール62は、連結部材94、給水管95、連結部材96及び冷媒排出管97を有する。熱交換用パイプ50の水の流路は、連結部材94の内部流路94aを通じて給水管95と連通し、熱交換用パイプ50の冷媒の流路は、連結部材96の内部流路96aを通じて冷媒排出管97と連通している。
なお、端末モジュール32の構成は、端末モジュール62と略同一であるため、詳細な説明を省略するが、端末モジュール32は、給水管95に代えて排水管を有し、冷媒排出管97に代えて冷媒供給管を有する。つまり、ガスクーラ6において、端末モジュール32は、冷媒の流路の入口及び水の流路の出口に位置し、端末モジュール62は、冷媒の流路の出口及び水の流路の入口に位置する。
上述した熱交換用パイプ30は、アウタチューブ70にインナチューブ72を挿通することにより製造される。また、熱交換用パイプ40,50は、アウタチューブ80にインナチューブ82及びワイヤ88を挿通することにより製造される。ワイヤ88は、アウタチューブ80及びインナチューブ82に対して特に固定されておらず、アウタチューブ80内において、アウタチューブ80の径方向及び周方向に変位可能に挿通されている。なお、インナチューブ82及びワイヤ88を挿通する順序は特に限定されない。
ガスクーラ6を製造するには、熱交換用パイプ30,40,50をそれぞれ渦巻き状に曲げてから端末処理し、連結部材34,36,44,46及び端末モジュール32,62を蝋付けすればよい。
以下、上述した給湯システムの動作について説明する。
ヒートポンプ装置2の圧縮機12に動力を供給すると、圧縮機12は冷媒を吸入して圧縮し、圧縮された冷媒を吐出する。吐出された冷媒は、ガスクーラ6を流れる間に水に熱を奪われた後、膨張器14を通過するときに膨張する。膨張した冷媒は、蒸発器10を通過する際に大気から熱を吸収した後、圧縮機12によって再び圧縮される。
一方、給湯装置4にあっては、貯湯タンク18の下部の水がガスクーラ6に供給され、ガスクーラ6を通過する間に加熱される。加熱された水は、貯湯タンク18に戻り、必要に応じて使用される。
より詳しくは、ガスクーラ6では、端末モジュール32から第1段に流入した冷媒は、第2段及び第3段を順次流れて、端末モジュール62から流出する。このとき第1段では、1本の熱交換用パイプ30が冷媒の経路を形成し、第2段階及び第3段階では、2本の熱交換用パイプ40,50が冷媒の経路を形成している。このような経路の構成を1パス2パス2パスとも称する。
一方、端末モジュール62から第3段に流入した水は、第2段及び第1段を順次流れて、端末モジュール32から流出する。第2段及び第3段の熱交換用パイプ40,50における水の流速は、例えば、5cm/秒以上20cm/秒以下の範囲にある。
つまり、各熱交換用パイプ30,40,50においては、冷媒の流動方向と水の流動方向が反対であり、ガスクーラ6は対向流方式の熱交換器である。
上述した熱交換用パイプ40,50では、ワイヤ88が変位可能に挿通されているため、熱交換用パイプ40,50の横断面でみたときのワイヤ88の位置(以下、面内位置という)が、熱交換用パイプ40,50の長手方向の位置に応じて変化する。つまり、図12に示したように、空間内をワイヤ88が蛇行しながら延び、アウタチューブ80の軸線方向に対してワイヤ88が傾いている。このため、アウタチューブ80内におけるインナチューブ82の外側の空間を流れる水は、流速が遅くても、ワイヤ88との衝突によって乱流状態となり、空間を流れる全ての水に対して、インナチューブ82内の冷媒から熱が効率的に伝達される。
また、ワイヤ88は、変位可能に挿通されていることによって、インナチューブ82の外周面に直接接触する部分を有する。このためワイヤ88を介して、インナチューブ82の外周面から離れた領域を流れる水に対して、熱が効率的に伝達される。
これらの結果として、熱交換用パイプ40,50は、高い熱伝達効率を有する。
そして、上述したガスクーラ6では、熱交換用パイプ40,50の少なくとも一部が曲がっていることによって、空間内をワイヤ88が大きく蛇行しながら延びる。この結果として、熱交換用パイプ40,50における熱伝達効率が確実に高くなり、ガスクーラ6における熱交換量が増大する。
また、ガスクーラ6では、熱交換用パイプ40,50と直列に連結された熱交換用パイプ30が、水の流路の出口側に配置されている。この場合、最も高温になった水が熱交換用パイプ30を流れ、相対的に低温の水が熱交換用パイプ40,50を流れる。この結果として、このガスクーラ6では、熱交換用パイプ40,50における析出物の発生が少なく、ワイヤ88が挿通されていても、熱交換用パイプ40,50のスケール詰まりが防止される。
更に、ガスクーラ6は、水の流動方向と冷媒の流動方向とが反対である対向流方式に、自然冷媒としてCOを採用するのに適している。これは以下の理由による。
従来の対向流方式の熱交換器では、自然冷媒がCOであると、COの相変化に伴い、水の出口側よりも入口側で、熱交換量が少なくなる傾向があった。
これに対し、ガスクーラ6では、水の入口側に配置された熱交換用パイプ40,50の熱伝達効率が高いため、COの相変化に伴う熱交換量の減少が補償される。この結果として、このガスクーラ6によれば、対向流方式にCOを採用しても、熱交換量が増大する。
かくして、上述した自然冷媒ヒートポンプ装置2によれば、熱交換用パイプ40,50の熱伝達効率が高く、ガスクーラ6における熱交換量が大きいため、高い成績係数が実現される。
本発明は、上述した一実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能である。
例えば、一実施形態では、熱交換用パイプ40,50に適用されたワイヤ88の横断面形状が一定の円形であったけれども、ワイヤ88に代えて、図13に一部を示したワイヤ98を用いてもよい。ワイヤ98は、ワイヤ88に対してつぶし加工を施すことにより得られ、相互に離間した複数の扁平な部分98aを有する。この場合、複数の扁平部分98aを有することによって、水の流れがより乱され、一層熱伝達効率が高くなる。
一実施形態では、熱交換用パイプ40,50に可撓性を有する直線形状のワイヤ88を用いたけれども、図14に一部を示した螺旋形状のワイヤ99を用いてもよい。この場合、ワイヤ99が螺旋形状を有することによって、水の流れがより乱され、一層熱伝達効率が高くなる。
一実施形態では、アウタチューブ80内に2本のインナチューブ82が配置され、インナチューブ82によって仕切られた2つの空間に1本ずつワイヤ88が挿通されていたけれども、片方の空間にのみワイヤ88を挿通してもよい。ただし、熱伝達効率を高めるには、各空間に1本ずつワイヤを挿通するのが好ましい。
一実施形態では、アウタチューブ80内に2本のインナチューブ82が配置されていたけれども、3本以上のインナチューブが配置されていてよい。例えば3本の場合、アウタチューブ内には、インナチューブによって3つの空間が形成されるけれども、これら3つの空間にワイヤ88を挿通してもよい。
一実施形態では、ワイヤ88が、アウタチューブ80と略同一の長さを有していたが、アウタチューブ80よりも短くてもよい。ワイヤ88がアウタチューブ80よりも短い場合には、図15に示しように、水の流路の入口側に位置づけられる熱交換用パイプ40,50の端部において、ワイヤ88の端部が、水の流動方向でみて、アウタチューブ80の端縁から下流に置付けられていることが好ましい。
この場合、アウタチューブ80の端部から流入した水が、ワイヤ88の端面に衝突し、この衝突によって水の流れが乱流状態となる(前縁効果)。この結果として、熱交換用パイプ40,50における熱伝達効率が一層高くなり、ガスクーラ6における熱交換量が更に増大する。
一実施形態では、ワイヤ88が、アウタチューブ80及びインナチューブ82に対して全く固定されていなかったが、アウタチューブ80内におけるワイヤ88の変位又は蛇行を妨げない程度であれば、ワイヤ88の数箇所をアウタチューブ80及びインナチューブ82に対して固定してもよい。ただし、簡単な構成で最大の効果を得るためには、ワイヤ88をアウタチューブ80及びインナチューブ82に対して固定しないのが好ましい。
一実施形態では、インナチューブ82が漏洩検知タイプのものであったが、単なる管であってもよい。ただし、冷媒には潤滑油が含まれるため、水への潤滑油の混入を防止するために、インナチューブは漏洩検知タイプであるのが好ましい。
一実施形態では、ガスクーラ6は水とCOとの熱交換に用いられたが、水と他の自然冷媒との熱交換にも使用可能である。
最後に、本発明に係る熱交換用パイプ、ガスクーラ(熱交換器)、及び、自然冷媒ヒートポンプ装置は、給湯システムの他、温水暖房システムにも適用可能である。
本発明の一実施形態の自然冷媒ヒートポンプポンプ装置を採用した給湯システムの概略構成を示す図である。 図1中のガスクーラの側面図である。 図2中のガスクーラにおける第1段の平面図である。 図2中のガスクーラにおける第2段の平面図である。 図2中のガスクーラにおける第3段の平面図である。 図3の第1段に用いられた熱交換用パイプの横断面図である。 図6中の領域VIIの拡大図である。 図4の第2段及び図5の第3段に用いられた熱交換用パイプの横断面図である。 第1段と第2段との連結構造を示す図である。 第2段と第3段との連結構造を示す図である。 第3段における、熱交換用パイプと端末モジュールとの連結構造を示す図である。 図4の第2段及び図5の第3段に用いられた熱交換用パイプの一部の縦断面図である。 変形例に係るワイヤの一部を示す平面図である。 他の変形例に係るワイヤの一部を示す平面図である。 変形例に係るワイヤの配置を説明するための図である。
符号の説明
2 自然冷媒ヒートポンプ装置
4 給湯装置
6 ガスクーラ(熱交換器)
30 熱交換用パイプ(二重管)
40,50 熱交換用パイプ
80 アウタチューブ
82 インナチューブ
88 ワイヤ

Claims (8)

  1. 自然冷媒ヒートポンプ装置における水と自然冷媒との熱交換に使用される熱交換用パイプにおいて、
    自然冷媒のための内部流路を有する2本以上のインナチューブと、
    並列に配置された2本以上の前記インナチューブを囲み、前記インナチューブの外側に水の流路を規定するアウタチューブと、
    前記アウタチューブ内における前記インナチューブの周囲の空間に変位可能に挿通されている少なくとも1本のワイヤと
    を備えることを特徴とする熱交換用パイプ。
  2. 前記ワイヤは相互に離間した複数の扁平部を有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換用パイプ。
  3. 前記ワイヤは螺旋形状を有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換用パイプ。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱交換用パイプを有する熱交換器であって、前記熱交換用パイプの少なくとも一部が曲がっていることを特徴とする熱交換器。
  5. 前記水の流路の入口側に配置される前記アウタチューブの一端部において、前記ワイヤの端縁は、前記水の流動方向でみて、前記アウタチューブの端縁よりも下流に位置していることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
  6. 更に、前記熱交換用パイプと直列に連結された二重管を備え、前記二重管は、前記水の流路の出口側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の熱交換器。
  7. 前記熱交換用パイプにおける前記水の流動方向は前記自然冷媒の流動方向とは反対であり、且つ、前記自然冷媒はCOであることを特徴とする請求項6に記載の熱交換器。
  8. 請求項4乃至7の何れか1項に記載の熱交換器を備えたことを特徴とする自然冷媒ヒートポンプ装置。
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