JP2009115261A - ギヤ噛み合い装置および手動変速装置 - Google Patents

ギヤ噛み合い装置および手動変速装置 Download PDF

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Abstract

【課題】軸心に沿って移動するリバースアイドラギヤを、リバースドライブギヤおよびリバースドリブンギヤに順に噛合させていく場合に、簡単な構成で高いシフト荷重効率を得ることができるギヤ噛み合い装置および手動変速装置を提供する。
【解決手段】リバースシフト操作時、リバースアイドラギヤ10cがリバースドライブギヤ10aに噛み合うタイミングで、これらの噛み合い点Aの近傍位置を押圧する第1押圧部28bと、リバースアイドラギヤ10cがリバースドリブン10bに噛み合うタイミングで、これらの噛み合い点Bの近傍位置を押圧する第2押圧部28cとをリバースアーム28に備えさせる。これにより、何れのギヤ噛み合い動作においても高いシフト荷重効率を得ることができ、簡単な構成でシフト荷重の軽減を図ることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、ギヤ噛み合い装置および自動車等に搭載される手動変速装置(マニュアルトランスミッション)に係る。特に、本発明は、ギヤ同士の噛み合い時におけるシフト荷重効率の向上を図るための対策に関する。
従来より、車両用の手動変速装置においては、互いに平行に配置されたインプットシャフト、アウトプットシャフト、アイドラギヤシャフト(リバースシャフト)を備え、後進段を成立させるための構成として、上記インプットシャフトにはリバースドライブギヤが、アウトプットシャフトにはリバースドリブンギヤが、アイドラギヤシャフトにはリバースアイドラギヤがそれぞれ備えられている。
そして、後進段を成立させる場合、上記リバースドライブギヤとリバースドリブンギヤとに亘ってリバースアイドラギヤを噛合させる。つまり、上記リバースドライブギヤの回転をリバースアイドラギヤによって逆転させてリバースドリブンギヤに伝達可能な構成とすることで後進段を成立させている。
具体的には、運転席近傍に配設されたシフトレバーをドライバ(運転者)がリバースシフト操作すると、このシフトレバーに連繋されたリバースアームが回動する。そして、この回動するリバースアームが、リバースアイドラギヤをアイドラギヤシャフトの軸心に沿う方向に押圧し、このリバースアイドラギヤを、例えば上記リバースドライブギヤ、リバースドリブンギヤの順で噛合させることで後進段が成立する。
ところで、従来の一般的な手動変速機では、リバースアームによるリバースアイドラギヤに対する押圧点が適正に設定されておらず、上記リバースシフト操作時において、リバースアイドラギヤがリバースドライブギヤやリバースドリブンギヤに噛合する際に拗れが発生していた。このため、リバースアイドラギヤとアイドラギヤシャフトとの間の拗れによる摺動抵抗が大きくなり、このリバースシフト操作に必要な操作力(以下、シフト荷重と呼ぶ)が大きくなり、ドライバの大きな負担になっていた。
この点に鑑みられたものとして、下記の特許文献1および特許文献2が提案されている。
特許文献1では、リバースアイドラギヤを移動させるための押圧部をリバースアームの2箇所に設けると共に、これら押圧部を、アイドラギヤシャフトを挟んで相互に反対側に配置している。これにより、アイドラギヤシャフト上でのリバースアイドラギヤの傾倒(拗れ)を防止している。
また、特許文献2では、リバースアームに形成される押圧部として、リバースアイドラギヤおよびリバースドリブンギヤの噛合点とアイドラギヤシャフトの軸心とを結ぶ直線上の1箇所に設定している。
特開平8−166060号公報 特開平5−263930号公報
しかしながら、上記各特許文献にあっては以下に述べるような課題があり、未だ改良の余地があった。
つまり、特許文献1のものでは、ドライバからシフトレバーに与えられた操作力(リバースシフト操作力)を効果的に各ギヤ同士を噛み合わせるための力として利用することはできておらず、シフト荷重効率の観点では効率が低く、依然として大きなシフト荷重を必要とするものとなっている。また、リバースアームの形状としては、アイドラギヤシャフトを挟むように二股形状に形成された分割アームを必要とし、リバースアームが大型化するばかりでなく、その重量も大幅に増大し、この重量物であるリバースアームを回動させることから、必要となるシフト荷重の大幅な増大を招いてしまい、シフト荷重の軽減効果を期待することはできない。
一方、特許文献2のものでは、リバースアームに形成されている押圧部の押圧位置としては、上記シフト荷重効率の高い位置に設定されているものの、この特許文献2の構成は、リバースドリブンギヤに対してリバースアイドラギヤを噛合させる場合についてのみシフト荷重効率を高める構成である。つまり、リバースドライブギヤに対してリバースアイドラギヤを噛合させる場合についてのシフト荷重効率については何ら考慮されていない。この特許文献2の技術的思想を用いて、リバースドライブギヤに対してリバースアイドラギヤを噛合させる場合のシフト荷重効率を高めようとすると、リバースアイドラギヤおよびリバースドライブギヤの噛合点とアイドラギヤシャフトの軸心とを結ぶ直線上の1箇所に押圧部を有する第2のリバースアームを新たに備えさせる必要がある。これでは、構成の複雑化や大型化、更には2本のリバースアームを連動させるための新たな機構が必要になるため、実用性に欠けるものとなってしまう。
以上の課題は、車両用の手動変速装置において後進段を成立させる場合ばかりでなく、その他のギヤ噛み合い装置、つまり、第1のギヤを、互いに軸心位置の異なる第2のギヤおよび第3のギヤに順に噛合させるようにしたギヤ噛み合い装置においても同様に生じるものである。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軸心に沿って移動するギヤ(例えば上記リバースアイドラギヤ)を異なる複数のギヤ(例えば上記リバースドライブギヤおよびリバースドリブンギヤ)に順に噛合させていく場合に、簡単な構成で高いシフト荷重効率を得ることができるギヤ噛み合い装置および手動変速装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、リバースシフト操作時に、リバースアイドラギヤに対するリバースアームの押圧位置が変化していくよう、リバースアームに複数の押圧部を設けておき、リバースアイドラギヤが複数のギヤに順に噛み合っていく場合に、その噛み合い位置に応じた押圧点を上記押圧部によって押圧できるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、回動支点を中心に回動する作動部材からの押圧力により第1のギヤをその軸心に沿って移動させ、この第1のギヤを、互いに軸心位置の異なる第2のギヤおよび第3のギヤに順に噛合させるようにしたギヤ噛み合い装置を前提とする。このギヤ噛み合い装置に対し、上記作動部材に第1の押圧部と第2の押圧部とを備えさせている。第1の押圧部は、上記移動する第1のギヤが第2のギヤに噛み合う際に、その噛み合い位置と第1のギヤの軸心とを結ぶ直線上であって、これら噛み合い位置と第1のギヤの軸心との間に存在する位置、または、その位置の近傍を押圧するものである。第2の押圧部は、上記移動する第1のギヤが第3のギヤに噛み合う際に、その噛み合い位置と第1のギヤの軸心とを結ぶ直線上であって、これら噛み合い位置と第1のギヤの軸心との間に存在する位置、または、その位置の近傍を押圧するものである。
上記解決手段の技術的思想を、自動車等に搭載される手動変速装置の後進段を成立させるための手段として適用した場合には以下の構成となる。つまり、回動支点を中心に回動するリバースアームからの押圧力によりリバースアイドラギヤをその軸心に沿って移動させ、このリバースアイドラギヤを、互いに軸心位置の異なるリバースドライブギヤおよびリバースドリブンギヤに順に噛合させることで後進段を成立させる手動変速装置を前提とする。この手動変速装置に対し、上記リバースアームに第1の押圧部と第2の押圧部とを備えさせている。第1の押圧部は、上記移動するリバースアイドラギヤがリバースドライブギヤに噛み合う際に、その噛み合い位置とリバースアイドラギヤの軸心とを結ぶ直線上であって、これら噛み合い位置とリバースアイドラギヤの軸心との間に存在する位置、または、その位置の近傍を押圧するものである。第2の押圧部は、上記移動するリバースアイドラギヤがリバースドリブンギヤに噛み合う際に、その噛み合い位置とリバースアイドラギヤの軸心とを結ぶ直線上であって、これら噛み合い位置とリバースアイドラギヤの軸心との間に存在する位置、または、その位置の近傍を押圧するものである。
これら特定事項により、第1のギヤ(リバースアイドラギヤ)を第2のギヤ(リバースドライブギヤ)および第3のギヤ(リバースドリブンギヤ)に噛合させる場合(手動変速機にあっては後進段を成立させる場合)、先ず、第1のギヤが第2のギヤに噛み合う際には、回動する作動部材(リバースアーム)の第1の押圧部により、第1のギヤが第2のギヤに噛み合うように押圧力が作用する。この作用点は、これらギヤの噛み合い位置と第1のギヤの軸心とを結ぶ直線上であって、これら噛み合い位置と第1のギヤの軸心との間に存在する位置、または、その位置の近傍であるため、第1のギヤとそれを支持しているシャフトとの間での拗れは生じ難く、高いシフト荷重効率での噛み合いが可能である。その後、第1のギヤが第3のギヤに噛み合う際には、作動部材の第2の押圧部により、第1のギヤが第3のギヤに噛み合うように押圧力が作用する。この作用点は、これらギヤの噛み合い位置と第1のギヤの軸心とを結ぶ直線上であって、これら噛み合い位置と第1のギヤの軸心との間に存在する位置、または、その位置の近傍であるため、この場合にも、第1のギヤとそれを支持しているシャフトとの間での拗れは生じ難く、高いシフト荷重効率での噛み合いが可能である。このように、本解決手段によれば、一つの作動部材(リバースアーム)のみで、何れのギヤ噛み合い動作においても高いシフト荷重効率を得ることができ、簡単な構成でシフト荷重の軽減を図ることができる。
また、上記第1の押圧部および第2の押圧部の具体的な構成としては以下のものが挙げられる。先ず、上記第1の押圧部を、第2の押圧部よりも作動部材(リバースアーム)の回動支点に近い側に設ける。そして、上記回動支点を通り作動部材(リバースアーム)の長手方向に延びる中心線と第2の押圧部の先端との間の距離を、この中心線と第1の押圧部の先端との間の距離よりも短く設定している。
これにより、作動部材(リバースアーム)の回動量が比較的小さい状態では、第1の押圧部が第1のギヤ(リバースアイドラギヤ)を押圧する状態にあり、この状態は、第1のギヤ(リバースアイドラギヤ)が第2のギヤ(リバースドライブギヤ)に噛み合うまで継続される。そして、作動部材(リバースアーム)の回動量が比較的大きくなっていくと、第1の押圧部に代わって第2の押圧部が第1のギヤ(リバースアイドラギヤ)を押圧する状態となり、この状態で、第1のギヤ(リバースアイドラギヤ)が第3のギヤ(リバースドリブンギヤ)に噛み合うことになる。つまり、上述した如く第1の押圧部および第2の押圧部の構成を特定することで、第1の押圧部による押圧動作と第2の押圧部による押圧動作とを切り換えることができ、一つの作動部材(リバースアーム)のみで、何れのギヤ噛み合い動作においても高いシフト荷重効率を得ることができる。
本発明では、ギヤ同士の噛み合い時に、第1のギヤ(リバースアイドラギヤ)に対する作動部材(リバースアーム)の押圧位置が変化していくよう、作動部材(リバースアーム)に複数の押圧部を設けておき、第1のギヤ(リバースアイドラギヤ)が複数のギヤに順に噛み合っていく場合に、その噛み合い位置に応じた押圧点を上記押圧部によって押圧できるようにしている。このため、一つの作動部材(リバースアーム)のみで、何れのギヤ噛み合い動作においても高いシフト荷重効率を得ることができ、簡単な構成でシフト荷重の軽減を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両に搭載された、前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機(マニュアルトランスミッション)に本発明を適用した場合について説明する。
−手動変速機のギヤレイアウト−
図1は本実施形態に係る手動変速機のギヤレイアウトの一部を断面で示した側面図である。この図1に示すギヤレイアウトは、図示しないトランスミッションケース内に収容されていると共に、互いに平行に配置されたインプットシャフト1、アウトプットシャフト2およびリバースシャフト3(図1では2点鎖線で示している)が、トランスミッションケースによって回転自在に支持されている。
上記インプットシャフト1は、図示しないエンジンのクランクシャフトにクラッチ機構を介して連結されており、このクラッチ機構の係合動作によりエンジンの回転駆動力が入力されるようになっている。
上記インプットシャフト1とアウトプットシャフト2との間には、前進1速段〜前進6速段および後進段の各変速段を成立させるための複数の変速ギヤ列4〜10が設けられている。具体的には、前進段用のギヤ列として、図1において右側から軸線方向左側に向かって、1速ギヤ列4、2速ギヤ列5、3速ギヤ列6、4速ギヤ列7、5速ギヤ列8および6速ギヤ列9が順に配設されている。また、後進段用のギヤ列として、リバースギヤ列10が配設されている。
1速ギヤ列4は、インプットシャフト1に回転一体に取り付けられた1速ドライブギヤ4aと、アウトプットシャフト2に対して相対回転自在に組み付けられた1速ドリブンギヤ4bとを備えており、これら1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとは互いに噛み合っている。
2速ギヤ列5は、インプットシャフト1に回転一体に取り付けられた2速ドライブギヤ5aと、アウトプットシャフト2に対して相対回転自在に組み付けられた2速ドリブンギヤ5bとを備えており、これら2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとは互いに噛み合っている。
3速ギヤ列6は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた3速ドライブギヤ6aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた3速ドリブンギヤ6bとを備えており、これら3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとは互いに噛み合っている。
4速ギヤ列7は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた4速ドライブギヤ7aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた4速ドリブンギヤ7bとを備えており、これら4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとは互いに噛み合っている。
5速ギヤ列8は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた5速ドライブギヤ8aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた5速ドリブンギヤ8bとを備えており、これら5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとは互いに噛み合っている。
6速ギヤ列9は、インプットシャフト1に相対回転自在に組み付けられた6速ドライブギヤ9aと、アウトプットシャフト2に回転一体に取り付けられた6速ドリブンギヤ9bとを備えており、これら6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとは互いに噛み合っている。
上記各変速ギヤ列の切り換え動作(変速動作)は、3つのシンクロメッシュ機構(同期装置)11,12,13によって行われる。尚、本実施形態では周知のダブルコーン式のものを例に挙げて図示している。
第1のシンクロメッシュ機構11は、1速ドリブンギヤ4bと2速ドリブンギヤ5bとの間におけるアウトプットシャフト2上に設けられている。つまり、この第1のシンクロメッシュ機構11が1速ドリブンギヤ4b側に作動すると、この1速ドリブンギヤ4bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結され、1速ドライブギヤ4aと1速ドリブンギヤ4bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第1変速段の成立)。一方、第1のシンクロメッシュ機構11が2速ドリブンギヤ5b側に作動すると、この2速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結され、2速ドライブギヤ5aと2速ドリブンギヤ5bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第2変速段の成立)。
第2のシンクロメッシュ機構12は、3速ドライブギヤ6aと4速ドライブギヤ7aとの間におけるインプットシャフト1上に設けられている。つまり、この第2のシンクロメッシュ機構12が3速ドライブギヤ6a側に作動すると、この3速ドライブギヤ6aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、3速ドライブギヤ6aと3速ドリブンギヤ6bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第3変速段の成立)。一方、第2のシンクロメッシュ機構12が4速ドライブギヤ7a側に作動すると、この4速ドライブギヤ7aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、4速ドライブギヤ7aと4速ドリブンギヤ7bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第4変速段の成立)。
第3のシンクロメッシュ機構13は、5速ドライブギヤ8aと6速ドライブギヤ9aと間におけるインプットシャフト1上に設けられている。つまり、この第3のシンクロメッシュ機構13が5速ドライブギヤ8a側に作動すると、この5速ドライブギヤ8aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、5速ドライブギヤ8aと5速ドリブンギヤ8bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第5変速段の成立)。一方、第3のシンクロメッシュ機構13が6速ドライブギヤ9a側に作動すると、この6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1に回転一体に連結され、6速ドライブギヤ9aと6速ドリブンギヤ9bとの間で、インプットシャフト1からアウトプットシャフト2への動力伝達が行われることになる(第6変速段の成立)。
このようにして、前進時には、シフトチェンジ動作時を除いて、上記インプットシャフト1の回転駆動力が、上述したシンクロメッシュ機構11,12,13のうちの何れか一つの作動によって選択された一つの変速ギヤ列4〜9を介してアウトプットシャフト2へ伝達される。尚、シンクロメッシュ機構11,12,13としてはダブルコーン式のものに限定されず、他の方式のものを採用してもよい。
一方、リバースギヤ列10は、上記インプットシャフト1に回転一体に取り付けられたリバースドライブギヤ10aと、アウトプットシャフト2に回転一体に組み付けられたリバースドリブンギヤ10bと、上記リバースシャフト3に対してスライド移動自在に組み付けられたリバースアイドラギヤ10c(図1では2点鎖線で示している)とを備えている。これらギヤ10a,10b,10cは前進時には動力伝達を行っておらず、後進時においては、全てのシンクロメッシュ機構11,12,13が中立状態に設定され、リバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸線方向に沿って移動することにより、上記リバースドライブギヤ10aとリバースドリブンギヤ10bとの両方に噛み合うことで、リバースドライブギヤ10aの回転方向を逆転させてリバースドリブンギヤ10bに伝達することになる。これにより、アウトプットシャフト2が上記前進段の場合とは逆方向に回転し、駆動輪は後退方向に回転する。尚、上記リバースドリブンギヤ10bは上記第1のシンクロメッシュ機構11の外周側に回転一体に配設されている。
また、後進段が成立していない状態(図1に示す状態)において、上記リバースドライブギヤ10aとリバースアイドラギヤ10cとの間の距離(軸心に沿う方向の距離)は、リバースドリブンギヤ10bとリバースアイドラギヤ10cとの間の距離(軸心に沿う方向の距離)よりも短くなっている。つまり、後進段を成立させるべく、リバースアイドラギヤ10cが、リバースシャフト3の軸線方向に沿って、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bに向かって移動する場合には、リバースアイドラギヤ10cは、先ず、リバースドライブギヤ10aに噛み合う。そして、更に、リバースアイドラギヤ10cが移動することで、上記リバースドライブギヤ10aとの噛み合い状態を維持したまま、リバースドリブンギヤ10bに噛み合って後進段が成立するようになっている。
このようにして所定の変速比で変速または逆回転されてアウトプットシャフト2に伝達された回転駆動力は、ファイナルドライブギヤ15aとファイナルドリブンギヤ15bとから成るファイナルリダクションギヤ列15の終減速比によって減速された後、ディファレンシャル装置16へ伝達される。これによって、駆動輪(図示省略)が前進方向または後進方向に回転する。
−シフトパターン−
図2は、本実施形態における6速マニュアルトランスミッションのシフトパターン(シフトゲート形状)の概略を示している。このシフトゲート形状としては、図中2点鎖線で示すシフトレバーLが、図2に矢印Xで示す方向のセレクト操作と、このセレクト操作方向に直交する矢印Yで示す方向のシフト操作とが行い得る形状となっている。
セレクト操作方向には、1速−2速セレクト位置P1,3速−4速セレクト位置P2,5速−6速セレクト位置P3およびリバースセレクト位置P4が一列に並んでいる。
上記1速−2速セレクト位置P1でのシフト操作(矢印Y方向の操作)により、シフトレバーLを1速位置1stまたは2速位置2ndに動かすことができる。1速位置1stに操作された場合、上記第1のシンクロメッシュ機構11は1速ドリブンギヤ4b側に作動し、この1速ドリブンギヤ4bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結される。また、2速位置2ndに操作された場合、上記第1のシンクロメッシュ機構11は2速ドリブンギヤ5b側に作動し、この2速ドリブンギヤ5bがアウトプットシャフト2に回転一体に連結される。
同様に、3速−4速セレクト位置P2でのシフト操作により、シフトレバーLを3速位置3rdまたは4速位置4thに動かすことができる。3速位置3rdに操作された場合、上記第2のシンクロメッシュ機構12は3速ドライブギヤ6a側に作動し、この3速ドライブギヤ6aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。また、4速位置4thに操作された場合、上記第2のシンクロメッシュ機構12は4速ドライブギヤ7a側に作動し、この4速ドライブギヤ7aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。
また、5速−6速セレクト位置P3でのシフト操作により、シフトレバーLを5速位置5thまたは6速位置6thに動かすことができる。5速位置5thに操作された場合、上記第3のシンクロメッシュ機構13は5速ドライブギヤ8a側に作動し、この5速ドライブギヤ8aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。また、6速位置6thに操作された場合、上記第3のシンクロメッシュ機構13は6速ドライブギヤ9a側に作動し、この6速ドライブギヤ9aがインプットシャフト1に回転一体に連結される。
更に、リバースセレクト位置P4でのシフト操作により、シフトレバーLをリバース位置REVに動かすことができる。このリバース位置REVに操作された場合、上記全てのシンクロメッシュ機構11,12,13が中立状態となると共に、上記リバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸線方向に沿って移動して上記リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bに噛み合うことになる。
−セレクト・シフト機構−
次に、上述したシフトレバーLを操作することで前進1速段〜前進6速段および後進段の各変速段を成立させるために、シフトレバーLの操作力を各シンクロメッシュ機構11,12,13やリバースアイドラギヤ10cに選択的に伝達するためのセレクト・シフト機構について説明する。
図3は、このセレクト・シフト機構における各前進段用係合部22,23,24の周辺部をシフトセレクトシャフト20の軸線方向から見た断面図である。尚、この図3において、符号22は1速−2速用フォークシャフト51に設けられた1速−2速用の前進段用係合部、符号23は3速−4速用フォークシャフト52に設けられた3速−4速用の前進段用係合部、符号24は5速−6速用フォークシャフト53に設けられた5速−6速用の前進段用係合部である。図4は、各フォークシャフト51,52,53に設けられたシフトフォーク31,32,33およびその周辺部をシフトセレクトシャフト20の軸線方向から見た断面図である。
これらの図に示すように、セレクト・シフト機構では、シフトレバーLが図示しないセレクトケーブルおよびシフトケーブルによりシフトセレクトシャフト20に操作力の伝達が可能に連結されている。これにより、シフトセレクトシャフト20は、シフトレバーLのセレクト操作に応じて軸線回り(図3および図4に矢印Mで示す方向)に回動し、シフトレバーLのシフト操作に応じて軸線方向(図3および図4における紙面垂直方向)ヘスライド移動するようになっている。すなわち、シフトレバーLに対するセレクト操作力(図2に矢印Xで示す方向の操作力)がセレクトケーブルを経てシフトセレクトシャフト20の軸線回りの回動力として、また、シフトレバーLに対するシフト操作力(図2に矢印Yで示す方向の操作力)がシフトケーブルを経てシフトセレクトシャフト20の軸線方向のスライド移動力としてそれぞれ伝達される。尚、図3における符号27は、シフトレバーLのセレクト操作力を、セレクトケーブルを介して受け、シフトセレクトシャフト20に対して軸線回りの回動力を与えるためのセレクトインナレバーである。
また、各シンクロメッシュ機構11,12,13に備えられている各スリーブにはそれぞれに対応して配設されたシフトフォーク31,32,33が係合されており、これらシフトフォーク31,32,33の基端部分は、それぞれに対応して設けられた前進段用のフォークシャフト51,52,53によってそれぞれ支持されている。そして、シフトレバーLのセレクト操作に応じたシフトセレクトシャフト20の軸線回りの回動によって1本のフォークシャフト51(52,53)がシフト操作力の伝達が可能に選択され、シフトレバーLのシフト操作に応じたシフトセレクトシャフト20のスライド移動によって、選択された1本のフォークシャフト51(52,53)が軸線方向にスライド移動し、このフォークシャフト51(52,53)に設けられた1本のシフトフォーク31(32,33)を介して所定の一つのシンクロメッシュ機構11(12,13)を作動させるようになっている。
図3に示すように、1本のフォークシャフト52(51,53)を選択するためのシフトインナレバー21は、シフトセレクトシャフト20の外周に外嵌固定された筒部(基部)21aと、この筒部21aから径方向に延在したアーム部21bとを有している。また、上記シフトセレクトシャフト20から筒部21aに亘って係合ピンPが挿通されており、シフトインナレバー21はシフトセレクトシャフト20に対して回転一体且つスライド移動一体に連結されている。
上記シフトインナレバー21の筒部21aには、軸線方向に相対移動可能に且つ軸線回りに相対回動不能にインターロックプレート(インターロック部材)26が外嵌されている。このインターロックプレート26には、シフトインナレバー21のアーム部21bの回動方向両側に摺接する相対向する一対の案内面からなる係合片通路26cが軸線方向に延在して形成されている。そして、この係合片通路26cの案内面同士の間隔は、シフトインナレバー21のアーム部21bに係合されて軸線方向に移動されるヘッド22a,23a,24aが同時に複数個通過することを規制するもの、つまり、1つのヘッド23a(22a,24a)の通過のみを許容するものとなっている。なお、インターロックプレート26は、上記したように、シフトインナレバー21の筒部21aに対して軸線方向に相対移動可能であるが、トランスミッションケースに対しては軸線方向に移動不能に設けられている。
また、シフトレバーLが、図2に矢印Xで示すセレクト方向にセレクト操作されると、その操作力がセレクトケーブルにより上記セレクトインナレバー27を介してシフトセレクトシャフト20に伝達されて、このシフトセレクトシャフト20は回動され、そのシフトレバーLの操作位置に応じた回動位置となる。図3では、シフトレバーLが3速−4速セレクト位置P2に操作されたときのシフトセレクトシャフト20およびシフトインナレバー21の回動位置を示している。
また、シフトレバーLが、図2に矢印Yで示すシフト方向にシフト操作されると、その操作力がシフトケーブルによりシフトセレクトシャフト20に伝達されて、このシフトセレクトシャフト20が軸線方向(図3および図4の紙面に直交する方向)にスライド移動し、そのシフトレバーLの操作位置に応じたスライド位置となる。
一方、各シンクロメッシュ機構11,12,13に対応して配設された各フォークシャフト51,52,53には、シフトインナレバー21のアーム部21bの回動経路を挟んで軸線方向の両側に配設された各一対のヘッド(前進段用係合片)22a,23a,24aを有する上記前進段用係合部22,23,24がそれぞれ配置されている。また、各フォークシャフト51,52,53から各前進段用係合部22,23,24に亘ってそれぞれ係合ピンPが挿通されており、各前進段用係合部22,23,24は各フォークシャフト51,52,53に対してスライド移動一体に連結されている。
また、上記各ヘッド22a,23a,24aは、セレクト操作に応じてシフトインナレバー21のアーム部21bが選択的に係合可能な位置に配置され、選択されたヘッド22a,23a,24aは、このアーム部21bによってシフトセレクトシャフト20の軸線方向に係合移動されるようになっている。各一対のヘッド22a,22a、23a,23a、24a,24aの中立位置から上記軸線方向への移動、つまり、各一対のヘッド22a,22a、23a,23a、24a,24aを有する各前進段用係合部22,23,24の中立位置から上記軸線方向への移動は、シンクロメッシュ機構11,12,13の作動およびその後の前進段への変速動作の実行にそれぞれ連動されるようになっている。
さらに、図4に示すように、上記シフトセレクトシャフト20には、リバース用レバー25が回転一体且つスライド移動一体に設けられている。また、このシフトセレクトシャフト20が回動する際のリバース用レバー25の回動軌跡上に隣接してリバースヘッド28aを備えたリバースアーム(後進段用シフト部材)28が配設されている。このリバースアーム28は、リバースヘッド28aが形成されている側とは反対側の先端部分が上記リバースアイドラギヤ10cに当接可能となっている(この当接部分の詳細な構成については後述する)。また、このリバースアーム28の延長方向の中間位置は、トランスミッションケース等によって回動自在に支持されている(この支持位置の詳細についても後述する)。
このため、シフトレバーLが、図2におけるリバースセレクト位置P4までセレクト操作された場合には、リバース用レバー25がリバースヘッド28aに対向する位置まで回動されることになる(図4の仮想線を参照)。この状態からシフトレバーLがリバース位置REVにシフト操作されると、例えばリバース用レバー25が図4において紙面手前側に移動され、リバース用レバー25がリバースヘッド28aに当接してリバースアーム28に押圧力を付与する。この押圧力により、リバースアーム28は、上記支持位置を回動中心として回動し、上記リバースアイドラギヤ10cに対して、リバースシャフト3の軸心に沿う方向の付勢力を与える。このようにして、リバースアイドラギヤ10cがリバースシャフト3の軸線方向に移動して上記リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bに噛み合うようになっている。
−リバースアーム28−
次に、本実施形態において特徴とする部材である上記リバースアーム(作動部材)28について説明する。
図5は、上記インプットシャフト1に回転一体に設けられたリバースドライブギヤ(本発明でいう第2のギヤ)10a、アウトプットシャフト2に回転一体に設けられたリバースドリブンギヤ(本発明でいう第3のギヤ)10b、リバースシャフト3にその軸心方向への移動が自在に組み付けられたリバースアイドラギヤ(本発明でいう第1のギヤ)10c、このリバースアイドラギヤ10cを移動させるためのリバースアーム28それぞれの配置状態を示す、各ギヤの軸心方向から見た図である。また、図6(a)〜図6(c)は、リバースアーム28の回動動作に伴ってリバースアイドラギヤ10cが軸心に沿う方向に移動して、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bに噛み合っていく状態を示す図である。
図5にあっては、リバースアーム28は、図中の直線(回動支点)L0を回動軸として、図5の紙面の奥側に向けて回動することで、リバースアイドラギヤ10cを、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bに向けて移動させる。また、図6にあっては、図6(a)、(b)、(c)の順で、リバースアーム28の回動量が増大していくことで、リバースアイドラギヤ10cを、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bに向けて移動させている。
また、図5における点Aは、リバースアイドラギヤ10cが軸心に沿う方向に移動してリバースドライブギヤ10aに噛み合う際における、これらギヤ10c,10a同士の噛み合い点である。また、図5における点Bは、リバースアイドラギヤ10cが軸心に沿う方向に更に移動してリバースドリブンギヤ10bに噛み合う際における、これらギヤ10c,10b同士の噛み合い点である。
また、図5における直線L1は、リバースアイドラギヤ10cおよびリバースドライブギヤ10aの噛み合い点Aと、リバースアイドラギヤ10cの軸心O1(リバースシャフト3の軸心)とを結ぶ直線である。更に、図5における直線L2は、リバースアイドラギヤ10cおよびリバースドリブンギヤ10bの噛み合い点Bと、リバースアイドラギヤ10cの軸心O1(リバースシャフト3の軸心)とを結ぶ直線である。
図6に示すように、リバースアーム28には、上記リバースアイドラギヤ10cに押圧力を作用させるための2つの押圧部28b,28cが一体形成されている。具体的に、これら押圧部28b,28cは半球面形状または半円柱形状(所謂、蒲鉾形状)の突起として形成されている。
そして、これら押圧部28b,28cの形成位置としては、リバースアーム28の先端位置と、この先端位置から所定寸法だけ上記回動軸L0側の位置とに設定されている。後者の位置に形成された押圧部が第1押圧部28bであり、前者の位置に形成された押圧部が第2押圧部28cである。
より具体的には、上記第1押圧部28bは、図5における上記直線L1上であって、上記点Aの近傍位置に設けられている。つまり、リバースアイドラギヤ10cおよびリバースドライブギヤ10aの噛み合い点Aと、リバースアイドラギヤ10cの軸心O1とを結ぶ直線L1上であって、上記点Aの近傍位置に設けられている。一方、上記第2押圧部28cは、図5における上記直線L2上であって、上記点Bの近傍位置に設けられている。つまり、リバースアイドラギヤ10cおよびリバースドリブンギヤ10bの噛み合い点Bと、リバースアイドラギヤ10cの軸心O1とを結ぶ直線L2上であって、上記点Bの近傍位置に設けられている。
また、これら各押圧部28b,28cの先端位置(リバースアイドラギヤ10cの端面に当接する位置)としては、図6(a)に示すように、上記回動軸L0を通りリバースアーム28の長手方向に延びる中心線L3と第2押圧部28cの先端との間の距離(図中の距離α)が、この中心線L3と第1押圧部28bの先端との間の距離(図中の距離β)よりも短くなるように設定されている。
より具体的には、各押圧部28b,28cが形成されているリバースアーム28の押圧作用面(上記リバースアイドラギヤ10cに対向する面)は、上記回動軸L0から第1押圧部28bの形成位置までの間(図6(a)における領域T1)は、上記中心線L3と平行に延びている。つまり、この間では、リバースアーム28の厚さ寸法は均一である。
これに対し、上記第1押圧部28bの形成位置から第2押圧部28cの形成位置までの間(図6(a)における領域T2)は、上記中心線L3に対して傾斜する傾斜面として形成されている。具体的には、第2押圧部28cの形成位置に向かうに従って中心線L3に向けて傾斜する傾斜面となっている。つまり、この間では、リバースアーム28の厚さ寸法は、先端側に向かって次第に小さくなっている。
そして、上記各押圧部28b,28cの形状は互いに略同一であるため、上述した如く、上記中心線L3と第2押圧部28cの先端との間の距離αは、この中心線L3と第1押圧部28bの先端との間の距離βよりも短くなっている。つまり、図6(a)および図6(b)に示す回動位置では、第2押圧部28cの先端位置が、第1押圧部28bの先端位置よりも、上記リバースアイドラギヤ10cの端面(リバースアーム28からの押圧力を受ける面)に対して後退した位置となっている。これに対し、図6(c)に示す回動位置では、第2押圧部28cの先端位置が、第1押圧部28bの先端位置よりも、上記リバースアイドラギヤ10cの端面(リバースアーム28からの押圧力を受ける面)に対して前進した位置となっている。つまり、図6(b)に示す回動位置では、第1押圧部28bによってリバースアイドラギヤ10cに押圧力が作用するのに対し、図6(c)に示す回動位置では、第2押圧部28cによってリバースアイドラギヤ10cに押圧力が作用する構成となっている。
以上の構成により、本手動変速機におけるリバースシフト操作時には以下の動作により後進段が成立する。
先ず、ドライバによってリバースシフト操作が行われ、その操作力がリバース用レバー25からリバースアーム28に伝達されると、このリバースアーム28は、上記回動軸L0を回動中心として回動し、図6(a)に示す位置から図6(b)に示す位置に向けて移動(回動)する。この回動に伴い、リバースアーム28の第1押圧部28bがリバースアイドラギヤ10cに当接して、このリバースアイドラギヤ10cを軸心に沿う方向に移動させるための押圧力が作用する。
このリバースアイドラギヤ10cの移動により、リバースアイドラギヤ10cはリバースドライブギヤ10aに噛み合うことになる。この噛み合い時、上記回動するリバースアーム28の第1押圧部28bによりリバースアイドラギヤ10cに押圧力が作用することになる(このとき、第2押圧部28cはリバースアイドラギヤ10cに押圧力を作用させない)。この押圧力の作用点は、上述した如く、これらギヤ10c,10aの噛み合い位置Aとリバースアイドラギヤ10cの軸心O1とを結ぶ直線L1上であって、上記点Aの近傍位置である。つまり、リバースアイドラギヤ10cがリバースドライブギヤ10aに噛み合う位置の近傍を押圧する。このため、リバースアイドラギヤ10cがリバースドライブギヤ10aに対して拗れる方向への押圧力は作用しない状態でこれらギヤが10c,10aが噛み合うことになり、リバースアイドラギヤ10cとリバースシャフト3との間での拗れが生じ難くなって、高いシフト荷重効率での噛み合いが行われる。
その後、リバースアーム28が更に回動し、リバースアイドラギヤ10cがリバースドリブンギヤ10bに噛み合う際には、図6(c)に示すように、上記回動するリバースアーム28の第2押圧部28cによりリバースアイドラギヤ10cに押圧力が作用することになる(このとき、第1押圧部28bはリバースアイドラギヤ10cに押圧力を作用させない)。この押圧力の作用点は、上述した如く、これらギヤ10c,10bの噛み合い位置Bとリバースアイドラギヤ10cの軸心O1とを結ぶ直線L2上であって、上記点Bの近傍位置である。つまり、リバースアイドラギヤ10cがリバースドリブン10bに噛み合う位置の近傍を押圧する。このため、この場合にも、リバースアイドラギヤ10cがリバースドリブンギヤ10bに対して拗れる方向への押圧力は作用しない状態でこれらギヤが10c,10bが噛み合うことになり、リバースアイドラギヤ10cとリバースシャフト3との間での拗れが生じ難くなって、高いシフト荷重効率での噛み合いが行われる。
このように、本実施形態では、1本のリバースアーム28におけるリバースアイドラギヤ10cに対する押圧位置を、各ギヤ10c,10a,10bの噛み合いタイミングに応じて変化させることで、その噛み合い動作に適した押圧点を各押圧部28b,28cによって押圧できるようにしている。このため、何れのギヤ噛み合い動作においても高いシフト荷重効率を得ることができ、簡単な構成でシフト荷重の軽減を図ることができる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、FF車両に搭載され、前進6速段、後進1速段の同期噛み合い式手動変速機に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両等、その他の形態の車両に搭載された手動変速機にも適用可能である。また、上記段数の異なる変速機(例えば前進5速段、後進1速段のもの)に対しても適用可能である。更には、ドライバのシフトチェンジ操作に連動するアクチュエータを備え、このアクチュエータによって変速動作を行う構成とされた変速機(所謂AMT:オートマチック・マニュアル・トランスミッション)に対しても本発明は適用可能である。また、本発明は、自動車に搭載される手動変速装置ばかりでなく、その他のギヤ噛み合い装置、つまり、一つのギヤを、互いに軸心位置の異なる2つのギヤに順に噛合させるようにしたギヤ噛み合い装置に対しても適用可能である。
また、上記実施形態では、リバースアーム28に設けられる第1押圧部28bおよび第2押圧部28cを共に、半球面形状または半円柱形状の突起として形成していた。本発明は、これに限らず、図7(a)〜図7(c)に示すように、リバースアーム28においてリバースアイドラギヤ10cに対向する面(上記押圧作用面)を円弧面または曲面(図7に示すように、上記回動軸L0に沿う方向から見た面が円弧面または曲面)で成る連続面で形成し、この連続面上の一部が上記第1押圧部28bおよび第2押圧部28cとして機能するようにしてもよい。この図7(a)〜図7(c)は、リバースアーム28の回動動作に伴ってリバースアイドラギヤ10cが軸心に沿う方向に移動して、リバースドライブギヤ10aおよびリバースドリブンギヤ10bに噛み合っていく状態を示す図であって、図中の点Cおよびその周辺部が第1押圧部28bとして機能し(図7(b)を参照)、図中の点Dおよびその周辺部が第2押圧部28cとして機能している(図7(c)を参照)。尚、この図7では、上述した実施形態に係るリバースアーム28の形状を二点鎖線で重ねて示している。この二点鎖線の形状からも明らかなように、図中の点Cは上記第1押圧部28bの先端位置に対応した位置となっており、図中の点Dは上記第2押圧部28cの先端位置に対応した位置となっている。
実施形態に係るマニュアルトランスミッションのギヤレイアウトを示す断面図である。 6速マニュアルトランスミッションのシフトパターンの概略を示す図である。 セレクト・シフト機構における各前進段用係合部およびその周辺部をシフトセレクトシャフトの軸線方向から見た断面図である。 各シフトフォークおよびその周辺部をシフトセレクトシャフトの軸線方向から見た断面図である。 各ギヤおよびリバースアームの配置状態を示す、各ギヤの軸心方向から見た図である。 リバースアームの回動動作に伴ってリバースアイドラギヤが軸心に沿う方向に移動していく状態を示す図である。 他の実施形態における図6相当図である。
符号の説明
10a リバースドライブギヤ(第2のギヤ)
10b リバースドリブンギヤ(第3のギヤ)
10c リバースアイドラギヤ(第1のギヤ)
28 リバースアーム(作動部材)
28b 第1押圧部
28c 第2押圧部
O1 軸心
A,B 噛み合い位置
L0 回動軸(回動支点)
L1、L2 直線
L3 中心線

Claims (4)

  1. 回動支点を中心に回動する作動部材からの押圧力により第1のギヤをその軸心に沿って移動させ、この第1のギヤを、互いに軸心位置の異なる第2のギヤおよび第3のギヤに順に噛合させるようにしたギヤ噛み合い装置において、
    上記作動部材には、
    上記移動する第1のギヤが第2のギヤに噛み合う際に、その噛み合い位置と第1のギヤの軸心とを結ぶ直線上であって、これら噛み合い位置と第1のギヤの軸心との間に存在する位置、または、その位置の近傍を押圧する第1の押圧部と、
    上記移動する第1のギヤが第3のギヤに噛み合う際に、その噛み合い位置と第1のギヤの軸心とを結ぶ直線上であって、これら噛み合い位置と第1のギヤの軸心との間に存在する位置、または、その位置の近傍を押圧する第2の押圧部とを備えていることを特徴とするギヤ噛み合い装置。
  2. 上記請求項1記載のギヤ噛み合い装置において、
    上記第1の押圧部は、第2の押圧部よりも作動部材の回動支点に近い側に設けられており、
    上記回動支点を通り作動部材の長手方向に延びる中心線と第2の押圧部の先端との間の距離は、この中心線と第1の押圧部の先端との間の距離よりも短く設定されていることを特徴とするギヤ噛み合い装置。
  3. 回動支点を中心に回動するリバースアームからの押圧力によりリバースアイドラギヤをその軸心に沿って移動させ、このリバースアイドラギヤを、互いに軸心位置の異なるリバースドライブギヤおよびリバースドリブンギヤに順に噛合させることで後進段を成立させる手動変速装置において、
    上記リバースアームには、
    上記移動するリバースアイドラギヤがリバースドライブギヤに噛み合う際に、その噛み合い位置とリバースアイドラギヤの軸心とを結ぶ直線上であって、これら噛み合い位置とリバースアイドラギヤの軸心との間に存在する位置、または、その位置の近傍を押圧する第1の押圧部と、
    上記移動するリバースアイドラギヤがリバースドリブンギヤに噛み合う際に、その噛み合い位置とリバースアイドラギヤの軸心とを結ぶ直線上であって、これら噛み合い位置とリバースアイドラギヤの軸心との間に存在する位置、または、その位置の近傍を押圧する第2の押圧部とを備えていることを特徴とする手動変速装置。
  4. 上記請求項3記載の手動変速装置において、
    上記第1の押圧部は、第2の押圧部よりもリバースアームの回動支点に近い側に設けられており、
    上記回動支点を通りリバースアームの長手方向に延びる中心線と第2の押圧部の先端との間の距離は、この中心線と第1の押圧部の先端との間の距離よりも短く設定されていることを特徴とする手動変速装置。
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