JP2009115135A - スラストすべり軸受及びこのスラストすべり軸受を有するスクロール型圧縮機。 - Google Patents

スラストすべり軸受及びこのスラストすべり軸受を有するスクロール型圧縮機。 Download PDF

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正人 小村
Shigeki Iwanami
重樹 岩波
Hiroshi Ichiyanagi
博 一柳
Susumu Kusada
享 草田
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Abstract

【課題】見かけ上の負クリアランス発生を防止して焼き付き等を生じさせないスラストすべり軸受及びこのスラストすべり軸受を有するスクロール型圧縮機を提供する。
【解決手段】このスラストすべり軸受11は、第1のプレート13と、この第1のプレート13と摺動する第2のプレート15とを有し、第1のプレート13は、その背面13bを第1の支持体17に固定されており、その前面に摺動面13aが形成されている。
第2のプレート15は、第1のプレート13の摺動面13aと摺動する摺動面19aを有する摺動板19とこの摺動板19の背面側に設けられた弾性を有するプレート21とを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばスクロール圧縮機等で使用されるスラストすべり軸受及びこのスラストすべり軸受を有するスクロール型圧縮機に関する。
従来、スクロール圧縮機等で使用されるスラストすべり軸受としては、特許文献1に開示されているものが知られている。このスラストすべり軸受は、摺動面に潤滑油を引き込み、油膜を形成することにより焼付きを防止するものである。また、本願の出願人による出願である特願2006−229764号においても、通常の運転において摺動面への潤滑を確保して油膜を形成しやすい工夫がなされている。
しかし、スクロール圧縮機のスラスト荷重は均一に作用するものではなく、ガス圧縮荷重や、周辺部品の熱変形などで不均一な状態となっている。そして、すべり軸受は、見かけ上の負クリアランスに対する吸収代が小さい。すなわち、スラストすべり軸受の場合は、図5に示すように、ある板厚のプレート5で構成され、摺動面の耐磨耗性を確保するため剛性の高いプレートを使用している。そのため、周辺部品の熱変形や圧力変形によってスラスト方向のクリアランスが詰まって、負荷される荷重が不均一となり、見かけ上のクリアランスが負となると、これの吸収代が少ない。このため、過大な荷重が発生し、焼き付きにより信頼性が低下するという問題があった。また、プレート摺動面や反摺動面に摩耗粉やゴミなどの異物の噛み込みにより設定クリアランスが変化するため、部分的に過大な荷重が発生する。特にCO2サイクルでは、ガス定数が大きく、温度上昇、圧力上昇が激しいため、基本的にスラスト荷重が高く、その影響が大である。
一方で、スラスト方向のクリアランスは、スクロール圧縮機のシール性にも影響を及ぼすため必要以上に大きくすることもできず、信頼性と性能の相反する要素から最適な剛性とする必要がある。
特許第3426720号公報
本発明は、上記問題点を解決することをその課題とし、見かけ上の負クリアランス発生を防止して焼き付き等を生じさせない高い信頼性と良好な性能を有するスラストすべり軸受及びこのスラストすべり軸受を有するスクロール型圧縮機を提供する。
上記課題を解決するため、第1のプレート(13)と、この第1のプレート(13)と対向して摺動する第2のプレート(15)とを備え、これら第1のプレート(13)と第2のプレート(15)のうち、少なくとも第2のプレート(15)は、第1のプレート(13)と摺動する摺動部(19)と、反摺動側にスラスト荷重を受け、変形し、荷重の均一化を行なう弾性体(21)とを有する手段を採用することができる。
この手段によると、性能が良好なスラストクリアランスに設定した場合でも全体的もしくは局所的に変形が発生し、見かけ上の負クリアランスが発生しても、弾性部で変形を吸収することによって、均一荷重で良好な摺動面が確保でき焼き付き等を防止することができる。
特に、ガス圧縮や、熱による変形を起こしやすい支持体側のプレートの反摺動面側に、弾性部を設ければ、変形により発生した部分荷重による、摺動部への悪影響が発生せず、良好な潤滑状態および摺動が可能となる。また、各部位のばね定数を、プレート、支持体・加重体、弾性体の順に大きくすることで、スラスト軸受けが安定し、特性向上が可能となる。
上記課題を解決するため、弾性体(21)は、摺動部(19)とは別体になされている手段を採用することができる。したがって、摺動部に対して弾性体を容易に交換することができ幅の広い対応が可能になる。
上記課題を解決するため、弾性体(21)は、第2のプレート(15)を支持する側に設けられている手段を採用することができ、構造を簡略化することができる。
上記課題を解決するため、上記スラストすべり軸受(11)を有することを特徴とするスクロール型圧縮機(101)を採用することができる。したがって、見かけ上の負クリアランスによるスラスト軸受の焼き付き等を防止し、信頼性を向上させることができる。
上記課題を解決するため、スクロール型圧縮機(101)は、作動圧が高い、すなわちスラスト荷重が大きく、潤滑状態が厳しいCO2用圧縮機に採用することができる。したがって、見かけ上の負クリアランスが生じやすいCO2用圧縮機においても信頼性を向上させることができる。
上記課題を解決するため、スクロール型圧縮機(101)はヒートポンプシステム(215)に適用する手段を採用することで、膨張弁などのシステムを構成する高精度部品への摩耗粉によるダメージを軽減することができる。したがって、高信頼性を有するヒートポンプシステムを提供することができる。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施の形態について図1ないし図5を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態であるスラストすべり軸受11を示す。このスラストすべり軸受11は、第1のプレート13と、この第1のプレート13と摺動する第2のプレート15とを有している。
第1のプレート13は、その背面13bを第1の支持体17に固定されており、その前面に摺動面13aが形成されている。
第2のプレート15は、第1のプレート13の摺動面13aと摺動する摺動面19aを有する摺動板19とこの摺動板19の背面側に設けられた波板状プレート21とを有しており、この波板状プレート21は、背後側の第2の支持体23によって支持されている。
この波板状プレート21は、図1(b)に示すように、摺動面に垂直方向に弾性変形可能になされている。したがって、第2の支持体23が外力等によって中央部が凸となるように変形しても、その軸方向の変形量tが波板状プレート21の軸方向の変形代T以内であれば、その変形を吸収することができる。また、図1(c)に示すように、第1の支持体17が外力等によって中央部が凸となるように変形しても、同様にその変形を吸収することができる。
図2は、運転中の実クリアランスと、通常荷重からの荷重比を示したものである。
スラストすべり軸受11のばね定数は、図2に示すように、その下限を耐焼付き性を確保するため、1/3に設定し、その上限を性能劣化に影響を与えないようにするため、1/270に設定する。なお、弾性部を有しない従来のすべり軸受の場合は、図2に示すように、僅かな見かけ上の負クリアランスで急激に荷重が増大する。
このように、このスラストすべり軸受11にあっては、板状の摺動板19と支持体23との間にスラスト方向に弾性を有する波板状プレート21を有しているから、全体として、あるいは図1(b)及び(c)に示すように、局所的に見かけ上の負クリアランスtが発生しても、その負クリアランスtが波板状プレートの変形代T以内であれば、波板状プレート21が変形することで均一化することができる。したがって、見かけ上の負クリアランスによる急激な荷重の増大を防止して作用面圧を低減でき、焼き付き等を防止することができる。
これに対して、似たような形状として摺動面側に溝を設ける例はある。しかしながら、これは潤滑油を保持するためのものであって、その深さや摺動面に占める溝部の割合は非常に小さく弾性体としての機能はない。また、摺動面に占める溝部の割合を大きくすることも考えられるが、溝部の割合を大きくすると摺動部面積が小さくなるため、同一荷重に対する負荷面圧は上昇する。したがって、見かけ上の負クリアランスによる急激な荷重の増大を防止することができず、焼付き面圧に対する余裕度も低下してしまう。
一方、見かけ上の負クリアランスによる荷重の増大を防止するには、スラスト軸受に特別な構成を加えなくても、軸受以外の部分に十分な変形代があれば、同様な効果が期待できるはずである。したがって、軸受を支持する部材がスラスト方向に変形代を有していれば、スラスト軸受自体が剛体でもかまわないことになる。
しかしながら、後述するように、軸受を支持する部材は通常ハウジング等に強固に固定されている場合が多く、その変形量は小さいのが普通である。また、変形できたとしも、変形の範囲、方向、程度等の制御がむずかしく、本来変形しては困る部分まで変形してしまい、機構全体に悪影響を及ぼす場合が多い。
また、変形の範囲、方向、程度等を限定できたとしも、見かけ上の負クリアランスの発生自体は、スラスト軸受内部やその近傍における歪や異物の噛み込みによる場合が多い。これら歪や噛み込みに対して、瞬時にきめ細かく変形して対応するには、見かけ上の負クリアランス吸収機能をできるだけ軸受の近くに設ける必要がある。
このようなことから、この実施の形態のスラストすべり軸受11にあっては、摺動板19と支持体23との間にスラスト方向に弾性を有する波板状プレート21を配設しているから、摺動面13aや19aはその全面にわたって摺動することができ、したっがって、焼付き面圧に対して十分な余裕度を確保することができる。また、スラストすべり軸受11自体に波板状プレート21を有しているから、周囲の基本的構造に影響を与えることなく、スラスト軸受の内部や近傍で発生した歪や異物の噛み込みに対して、迅速かつきめ細かく対応することができ、荷重の均一化を行うことができる。
また、小さな変動にも敏感に対応することができるから、摺動面の面粗さが多少粗い場合や、板厚偏差が大きい場合でも、負荷荷重を分散することができる。したがって、摺動面の加工精度をある程度低く設定することが可能になり、加工性を向上させるとともにコストの削減を図ることが可能になる。
さらに、このような構成にすることによって、スラスト方向のクリアランスを常に0以上に調整することができる。
なお、上記実施の形態においては、第1のプレート13を摺動板のみで構成し第2のプレート15に波板状プレート21を設けているが、これに限る必要はなく、第1のプレート、第2のプレート双方に波板状プレートを設け、両プレートに荷重均一化機能を付与してもよい。
図3は、上記実施の形態が適用されるスクロール型圧縮機101を示している。以下二酸化炭素冷媒を使用し、吐出される二酸化炭素の圧力が臨界圧力を超える冷凍回路中で用いられる給湯機用の圧縮機を例にして説明するが、これに限定されるものではない。
このスクロール型圧縮機101は、密閉容器113内に電動機部127と圧縮機構部110とを収容した密閉型電動圧縮機である。
密閉容器113は、円筒形をなす円筒ケース113aと、この円筒ケース113aの両端に組みつけられた電動機側端部ケース113b、圧縮機構側端部ケース113cとを備えている。
電動機部127は、円筒ケース113aの内周面に固定された固定子125と、電動機部127によって回転駆動されるシャフト121に固定される回転子123とを備えている。
圧縮機構部110は、円筒ケース113a内において上記固定子125に隣接する位置に固定されたミドルハウジング115と、ミドルハウジング115に設けられた主軸受117によって支持されたクランク機構128により公転する可動スクロール132と、ミドルハウジング115の固定子125と反対の側において、円筒ケース113aに固定され、可動スクロール132と対向配置されて共に後述する作動室145を形成する固定スクロール138とを備えている。
尚、シャフト121は、円筒ケース113a内において、固定子125と電動機側端部ケース113bとの間に設けられた円盤状の支持部材114に固定された副軸受119と、上記主軸受117とによって略水平に支持されている。
可動スクロール132は、略円盤状の可動側板133と、可動側板133の端面から固定スクロール138側に向かってインボリュート曲線状に立設した可動側渦巻141と、可動側渦巻141と反対側の端面からミドルハウジング115側に向かって円筒状に立設したボス部135を備える。
固定スクロール138は、円筒ケース113aに固定された固定側板139と、固定側板139の可動スクロール132側の端面に設けられた渦巻状の溝によって形成された固定側渦巻143を備える。
ミドルハウジング115は、電動機部127側から固定スクロール138側に向かって、順次径が大きくなる3段円筒状をなしており、電動機部127に近い最も小径の円筒115aは主軸受117を構成し、真ん中の円筒115bはクランク機構128を収容するクランク室129を構成し、固定スクロール138に近い最も大径の円筒115cは内部に可動スクロール132を収容するスクロール収納部131を形成すると共に、円筒ケース113aの内周面に焼き嵌めなどの固定手段によって固定されている。
クランク機構128は、シャフト121の圧縮機構部110側の端部に一体に設けられた偏心軸137と可動スクロール132のボス部135によって構成されている。偏心部137は、上記主軸受117及び副軸受119の軸中心から所定量だけ偏心するように設けられている。
ミドルハウジング115を構成する上記大径の円筒115cと真ん中の円筒115bとを繋ぐ円板部115dの可動スクロール132側の端面(以下、円板部スクロール側端面115eと称する)には、図示しないオルダムカップリングが配置されており、可動スクロール132の自転を防止している。これにより、可動スクロール132は公転のみが許容されている。圧縮機構部110は、可動側渦巻141と固定側渦巻143の噛み合いによって形成される複数の作動室145が、可動スクロール132が固定スクロール138に対して旋回することで体積を縮小することにより固定側渦巻143の最外周側に連通する吸入室146に供給された冷媒を圧縮する。
ここで、円板部スクロール側端面115eと、可動スクロール132のボス部135が設けられた側の端面(以下、可動スクロール背面132aと称する)との間に、上述のスラストすべり軸受11,31,41,51が配置されている。このスラスト軸受11,31,41,51は、冷媒を圧縮する時の圧縮反力と、可動スクロール背面132a側の圧力によるスラスト方向の力との差によって結果として可動側板133が受ける軸方向の力(本実施形態においては固定スクロール138側から円板部115dに向けて可動側板133を押す力)を受けながら可動スクロール背面132aと円板部スクロール側端面115eとを摺動させるすべり軸受である。
上記吸入室146は、固定側板139の側面に設けられており、円筒ケース113aを貫通し、密閉容器113外部の冷媒回路から冷媒を吸入する吸入管147が接続されている。
固定側渦巻143の中心部には、固定側板139を軸方向に貫通する吐出口149が設けられている。可動スクロール132と固定スクロール138とによって圧縮された冷媒はこの吐出口149から吐出室150に吐出される。
吐出室150は、固定側板139の可動スクロール132と反対の側の端面(以下、固定スクロール背面138aと称する)と、該固定スクロール背面138aに固定されたセパレータブロック155の固定側板139側の端面に設けられた凹部によって構成されている。尚、吐出室150内には吐出された冷媒が逆流することを防止する吐出弁161が配置されている。
吐出室150に吐出された高温高圧の冷媒は、吐出室150から上方に延びる冷媒流路157を経てオイルセパレータ163に導かれる。
オイルセパレータ163は、内筒163aと外筒163bとを有する遠心分離式のオイルセパレータであり、2重円筒状をなしている。
冷媒流路157は、吐出室150から固定スクロール背面138aに沿って上方に延びた後、遠心分離式のオイルセパレータ163の内筒163aと外筒163bの間の空間に概略接線方向に接続している。内筒163aと外筒163bの間の空間に流入した冷媒は、内筒163aと外筒163bの間の空間を旋回し、冷媒に含まれていたオイルが遠心分離された後、内筒163a内を通り、吐出管159を経て密閉容器113外部の冷媒回路へと送られる。尚、セパレータブロック155と圧縮機構側端部ケース113cとの間の空間は吐出される冷媒の圧力に比べて低圧の雰囲気となっている。
オイルセパレータ163によって分離されたオイルは、小径孔164を介して高圧貯油室165に貯えられる。
高圧貯油室165に貯えられたオイルは、オイル戻し通路167を通ってオイル通路169に導かれる。尚、オイル戻し通路167の出口には、小径の絞り部167aが設けられている。オイル通路169の出口は、シャフト121の端部とボス部135の底面との間の空間に連通するようにボス部135の内壁に開口している。
シャフト121の端部とボス部135の底面との間の空間に導かれたオイルは、シャフト121内部を軸方向に貫通するオイル通路171に流入する。
オイル通路171を通過したオイルは、密閉容器113内において、電動機側端部ケース113bと支持部材114との間に導かれる。支持部材114、ミドルハウジング115、固定側板139には、円筒ケース113aとの間に図示しない隙間があり、電動機側端部ケース113bと支持部材114との間に導かれたオイルは、密閉容器113内の全領域において下方に貯留される。密閉容器113内の全領域の下方は低圧貯油室166を構成している。
低圧貯油室166に貯留されたオイルは、ミドルハウジング115の下方に設けられたオイル戻し孔173を通ってスクロール収納部131に至る。
オイル通路171には、主軸受117及び副軸受119に対応する部位に径方向孔171a、171bがオイル通路171から分岐するように設けられている。
径方向孔171aの出口はシャフト121に設けられたシャフト溝121aに連通しており、径方向孔171aに流入したオイルは、主軸受117、クランク機構128、スラスト軸受153を潤滑した後、スクロール収納部131に至る。尚、真ん中の円筒115bには、シャフト121よりも上部のスラスト軸受153へオイルを導くため、シャフト121よりも上部において、径方向孔171aとスラスト軸受153とを連通させるオイル溝172が形成されている。
一方、径方向孔171bに流入したオイルは、副軸受119を潤滑した後、低圧貯油室166内に落下し、オイル戻し孔173によってスクロール収納部131に至る。
オイル戻し通路167、オイル通路169、171、径方向穴171aは、オイルセパレータ163によって分離されたオイルの圧力とスラスト軸受153が配置される部位の圧力との圧力差によってスラスト軸受153にオイルを供給するオイル供給手段をなしている。
スクロール収納部131に至ったオイルは、可動スクロール132と固定スクロール138の摺動面に供給され、作動室145で冷媒と共に圧縮され、再びオイルセパレータ163によって冷媒から分離される。
以上説明したように、このスクロール型圧縮機101にあっては、ミドルハウジング115の円板部スクロール側端面115eと可動スクロール132の可動スクロール背面132aとの間にスクロールすべり軸受11が設けられ、それぞれ、弾性部としての波板状プレート21を有している。したがって、周辺部品の熱変形や圧力変形によって、スラスト方向に、全体的、もしくは局所的に負のクリアランスが発生しても、弾性部としての波板状プレート21等によってこれを吸収することができる。したがって、軸受間の過大な荷重の発生を防ぎ、焼き付き等の発生を防止することができる。
ここで、このようなスクロール圧縮機において、ミドルハウジング115や固定スクロール138にある程度の弾性をもたせ、これらの変形によって負のクリアランスを吸収する方法も考えられる。しかしながら、ミドルハウジング115は、強固に密閉容器113に固定されており、その変形量は小さい。また、ミドルハウジング115は、可動スクロール132の支持のみならず、シャフト121の軸支やクランク機構128等をガイドしている。また、可動スクロール132は固定スクロール138との噛み合いによって作動室145を気密に構成している。したがって、これらミドルハウジング115や可動スクロール132に弾性をもたせると、シャフト121の軸支やクランク機構128に支障をきたし、また作動室145の気密が維持できなくなる惧れがある。
さらに、負クリアランスの発生自体は、スラスト軸受内部やその近傍における歪や異物の挟み込みによる場合が多い。したがって、これら歪や挟み込みに対して、瞬時にきめ細かく変形して対応するには、負クリアランス吸収機能をできるだけ軸受の近くに設ける必要がある。
このようなことから、この実施の形態のスクロール型圧縮機101にあっては、上記のようなスラストすべり軸受11を、ミドルハウジング115の円板部スクロール側端面115eと可動スクロール132の可動スクロール背面132aとの間に設け、負のクリアランスによる焼き付き等を防止し、信頼性の向上を図っている。
なお、上記スラストすべり軸受11をスクロール型圧縮機に適用する場合、第1のプレートを可動スクロール132側、第2のプレートをミドルハウジング115側としてもよいし、逆に第1のプレートをミドルハウジング115側、第2のプレートを可動スクロール132側としてもよい。
図4は、上記スクロール圧縮機101を使用した貯油式給湯装置201を示す。
この貯湯式給湯装置201は、主に貯湯タンク213、ヒートポンプ装置215、制御装置217から構成されている。
貯湯タンク213は、給湯用の高温の湯を保温することができるようになっており、その底面には、この貯湯タンク213内に水道水を導入する導入管221が接続されている。導入管221には、サーミスタ223が設けられており、導入管221を流れる水道水の温度情報を制御装置217に出力するようになっている。
一方、貯湯タンク213の最上部には、貯湯タンク213内の高温の湯を導出するための導出管227が接続されている。この導出管227には、水道水の給水配管229が接続されており、この給水配管229との合流点には混合弁231が配置されている。そして、貯湯タンク213からの湯と水道水との混合比を調節することにより、下流側にあるシャワー、風呂等に適温の湯を供給するようにしている。
また、貯湯タンク213の下部には冷水出口233が設けられ、また貯湯タンク213の上部には、貯湯タンク213内に湯を流入させる温水入口235が設けられている。冷水出口233と温水入口235とは循環回路237で接続されており、この循環回路237にはポンプ239とヒートポンプ装置215の水熱交換器241が直列に接続されている。そして、貯湯タンク213下部の冷水をポンプ239によって循環させ、水熱交換器241で加熱して貯湯タンク213に戻すようになっている。
更に、貯湯タンク213の外壁面には、複数のサーミスタ243が縦方向に配置され、貯湯タンク213内の各水位レベルにおける温度情報を制御装置217に出力するようになっている。
ヒートポンプ装置215は、COを冷媒とする加熱手段であり、上述のスクロール型圧縮機101、水熱交換器241、膨張弁247、送風機249を有する室外側熱交換器251が、この順に冷媒配管253によって接続され、閉回路を構成している。スクロール圧縮機101には、インバータ255が接続されており電動圧縮機245に供給する電力を可変するようになっている。また、室外側熱交換器251には、外気温センサ257が設けられており、室外側熱交換器251に流入する外気の温度情報を制御装置217に出力する。
このようなヒートポンプ装置215のスクロール圧縮機101は、ミドルハウジングと可動スクロールとの間にスクロールすべり軸受11が設けられ、それぞれ、弾性部としての波板状プレート21を有している。したがって、周辺部品の熱変形や圧力変形によって、スラスト方向に、全体的、もしくは局所的に負のクリアランスが発生しても、弾性部によってこれを吸収することができる。したがって、圧縮機としての信頼性を向上させることができ、ヒートポンプ装置215全体の信頼性を向上させることができる。
このヒートポンプ装置215は、冷媒をスクロール圧縮機101で高温高圧にして水熱交換器241に送り、ここで貯湯タンク213から供給される冷水(水道水)を加熱して所定温度の湯に沸き上げ、高温の湯を貯湯タンク213内に戻すようになっている。水熱交換機241で放熱した冷媒に対しては、室外側熱交換器251によって外気から吸熱させるようになっている。
制御装置217は、主にスクロール圧縮機101とポンプ239との作動を制御するものである。制御装置217には、上記外気温センサ257からの温度情報、サーミスタ223、243からの温度情報が入力される。また、制御装置217には、複数のサーミスタ243からの温度、水位情報が入力される。そして、これらの情報を基に、スクロール圧縮機101とポンプ239を適宜駆動させ、貯湯タンク213に所定温度、所定量以上の湯を供給するようになっている。
このように、この貯油式給湯装置201にあっては、貯湯タンク213、ヒートポンプ装置215、制御装置217とを備え、ヒートポンプ装置215はCO2冷媒を使用し、上述したスラストすべり軸受11を有する上述のスクロール型圧縮機101を有しているから、高い信頼性を有する貯湯式給湯装置201を実現することができる。
なお、上記実施の形態においては、スラストすべり軸受をスクロール型圧縮機に適用した場合について説明しているが、これに限る必要はなく、スラスト軸受を必要とする他の圧縮機に適用できるのは勿論である。
本発明の一実施の形態のスラストすべり軸受を示し、(a)はその断面図、(b)は第2の支持体が外力により凸状に変形した場合の断面図、(c)は第1の支持体が凸状に変形した場合の断面図。 スラストすべり軸受の弾性部のばね定数を示す図。 図1に示すスラストすべり軸受が適用されたスクロール型圧縮機を示す断面図。 図3に示すスクロール型圧縮機が適用された貯湯式給湯装置を示す概略図。 負のクリアランスの状態を示す図であって、すべり軸受の場合を示す断面図。
符号の説明
11 スラストすべり軸受
13 第1のプレート
15 第2のプレート
19 摺動板
21 波板状プレート
101 スクロール型圧縮機
215 ヒートポンプ装置

Claims (5)

  1. 第1のプレート(13)と、この第1のプレート(13)と対向して摺動する第2のプレート(15)とを備え、これら第1のプレート(13)と第2のプレート(15)のうち、少なくとも第2のプレート(15)は、前記第1のプレート(13)と摺動する摺動部(19)と、反摺動側に、スラスト荷重を受け、変形し、荷重の均一化を行なう弾性体(21)と、を有することを特徴とするスラストすべり軸受(11)。
  2. 前記弾性体(21)は、前記第2のプレート(15)を支持する側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスラストすべり軸受(11)。
  3. 請求項1又は2に記載のスラストすべり軸受(11)を有することを特徴とするスクロール型圧縮機(101)。
  4. 前記スクロール型圧縮機(101)は、作動圧が高く潤滑状態が厳しいCO2用圧縮機であることを特徴とする請求項3に記載のスクロール型圧縮機(101)。
  5. 請求項3又は4に記載のスクロール型圧縮機はヒートポンプシステム(215)に適用するものであることを特徴とするスクロール型圧縮機(101)。
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