JP2009114237A - 加湿エレメントおよび加湿装置 - Google Patents

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Naoki Matsuoka
直樹 松岡
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Abstract

【課題】工業的に生産が可能で、連続空孔を持ち、吸水機能の長期持続性と低溶出性を兼ね備え、成形性、耐衝撃性、機械的強度および吸水時の寸法安定性に優れた加湿エレメントおよびそれを用いた加湿装置の提供。
【解決手段】加湿エレメントを構成する多孔質体がポリオレフィン樹脂粒子の焼結体であって、ホスホリルコリン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基またはその塩から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせた親水性ポリオレフィン焼結体であることを特徴とする加湿エレメント。
【選択図】なし

Description

本発明は加湿エレメントおよび加湿装置に関する。さらに詳しくは、工業的に生産が可能で、連続空孔を持ち、吸水機能の長期持続性と低溶出性を兼ね備え、成形性、耐衝撃性、機械的強度および吸水時の寸法安定性に優れた加湿エレメントおよびそれを用いた加湿装置に関する。
連続空孔を有するポリオレフィン樹脂粒子の多孔質焼結体は、流体の濾過機能、透過機能、誘導機能等の優れた特徴を有しており、フィルター、散気管、液体の誘導材等として広く利用されている。特に、親水化されたポリエチレンを主体とする親水性多孔質焼結体は、その吸水機能を利用して、水の吸収、拡散、発散、透過、誘導等の用途に役立てられており、特許文献1に記載のポリオレフィン焼結体等が例示される。
ところで、吸水機能を有する多孔質体としては、親水化を施された合成繊維の布や不織布、アスベスト布あるいは天然繊維の布帛、紙等の繊維素材、親水化を施された熱可塑性樹脂の中空糸膜や微多孔膜、金属やセラミックスの焼結体、吸水性高分子材料等も挙げられるが、ポリオレフィン樹脂粒子の多孔質焼結体は、吸水時の膨潤等による寸法変化が極めて小さい、成形体としての高い強度を維持する、複雑な形状にも対応できる等の利点が全て備わっていることから、加湿エレメントを構成する多孔質体として、さらなる展開が期待されている。
一方、ポリオレフィン樹脂粒子の多孔質焼結体は元々が疎水性であることから、吸水機能を持続させるための方法がこれまでにも提案されてきた。
特許文献2および特許文献3においては、粒子表面がスルホン化されたポリエチレン系樹脂粒子の焼結体が記載されている。しかし、発煙硫酸や熱濃硫酸等でスルホン化するという過酷な製造方法のために酸化、脱水等に伴う副生成物が多く、さらに、ポリオレフィン樹脂の変色や劣化を招くことや、非常に危険な化学反応であることが課題となっている。
特許文献4においては、ポリオレフィン樹脂粒子にグラフト重合鎖を導入し、その表面に官能基を置換した焼結体が記載されている。この方法では、ポリオレフィン樹脂の変色や劣化は抑制できるものの、官能基がポリオレフィンに直接グラフトされていないので、官能基が親水性を有する場合であっても吸水機能の持続性はポリオレフィンよりも不安定なグラフト重合鎖の物性に委ねられてしまう。
特許文献5においては、焼結体の表面をプラズマ等で活性化した後、コーティング材料によって親水化する方法が記載されている。この方法では、高エネルギー活性化によって、コーティング材料の接着性が高められている。しかし、吸水機能の持続性を飛躍的に向上するまでには至っていない。
この他にも、高分子材料を親水化する方法としては、例えば特許文献6や特許文献7等に記載されているように、電離放射線によって官能基をグラフトさせる方法が提案されている。しかしながら、加湿エレメントの吸水機能としては、単に濡れ性を向上させるだけでなく、成形体としての強度および吸水時の寸法安定性を保ちながら毛細管現象を利用して自発的に水を吸い上げ保持し、かつ繰り返し使用できることが求められており、これらの要求を満たすためには、吸水機能の向上と成形体としての基本物性の双方からアプローチする必要があった。
特公平4−28021号公報 特公平3−28457号公報 特公平3−63577号公報 WO2003/14205 特表2005−510608号公報 特開平5−156057号公報 特開2004−35582号公報
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであって、工業的に生産が可能で、連続空孔を持ち、吸水機能の長期持続性と低溶出性を兼ね備え、成形性、耐衝撃性、機械的強度および吸水時の寸法安定性に優れた加湿エレメントおよびそれを用いた加湿装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、加湿エレメントを構成する多孔質体として、特定の親水性ポリオレフィン焼結体を用いることによって、優れた性能を有する加湿エレメントが容易に得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)加湿エレメントを構成する多孔質体がポリオレフィン樹脂粒子の焼結体であって、該焼結体がホスホリルコリン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基またはその塩から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせた親水性ポリオレフィン焼結体であることを特徴とする加湿エレメント。
(2)親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーのグラフト率が、0.01〜50%であることを特徴とする、上記(1)に記載の加湿エレメント。
(3)ホスホリルコリン基を有する親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーが、下記一般式(1)
Figure 2009114237
(上記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、nは2〜10の整数である。)
で示されるメタクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン又はアクリロイルオキシアルキルホスホリルコリンから選ばれる少なくとも1種のモノマーであることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の加湿エレメント。
(4)ホスホリルコリン基を有する親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーが、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンであることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の加湿エレメント。
(5)親水性ポリオレフィン焼結体が、平均空孔率20〜60容積%、平均空孔径1〜150μmの連続空孔を有することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の加湿エレメント。
(6)親水性ポリオレフィン焼結体を構成するポリオレフィン樹脂粒子が、エチレンの単
独重合体又はエチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体であることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の加湿エレメント。
(7)親水性ポリオレフィン焼結体が、平均粒径10〜350μm、90重量%以上の粒径が1〜500μmの範囲内、嵩密度0.20〜0.55g/cm、密度0.850〜0.970g/cm、かつ、粘度平均分子量5万〜700万のポリオレフィン樹脂粒子の焼結体であることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の加湿エレメント。
(8)親水性ポリオレフィン焼結体の水滴吸収時間が30秒以下、水の吸い上げ高さが1分間で5mm以上であることを特徴とする、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の加湿エレメント。
(9)60℃温水可溶成分を除去した後の親水性ポリオレフィン焼結体の水滴吸収時間が30秒以下、水の吸い上げ高さが1分間で5mm以上であることを特徴とする、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の加湿エレメント。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の加湿エレメントを使用することを特徴とする加湿装置。
本発明によって、工業的に生産が可能で、連続空孔を持ち、吸水機能の長期持続性と低溶出性を兼ね備え、成形性、耐衝撃性、機械的強度および吸水時の寸法安定性に優れた加湿エレメントおよびそれを用いた加湿装置が容易に得られる。
以下、本願発明について具体的に説明する。なお、本発明において「重合」という語は単独重合のみならず共重合を包含した意味で用いられることがあり、また、「重合体」という語は単独重合体のみならず、共重合体を包含した意味で用いられることがある。
本発明における加湿エレメントとは加湿機能を有する部品のことであり、多孔質体によって構成されている。また、本発明において加湿エレメントを構成する多孔質体は、ポリオレフィン樹脂粒子の焼結体であることを特徴としている。
なお、本発明では、加湿エレメントを構成する多孔質体としてポリオレフィン樹脂粒子の焼結体を単独で使用することもできるし、樹脂、金属またはセラミックから少なくとも1種をポリオレフィン樹脂粒子の焼結体と組み合わせて使用することもできる。本発明における金属多孔質体として、特に制限はないが、ステンレス、チタン、ニッケル等の耐腐食性の金属が好ましい。本発明におけるセラミック多孔質体として、特に制限はないが、アルミナ、シリカ等が好ましい。
本発明において、グラフトとは幹となるポリオレフィンの分子鎖に任意のエチレン性不飽和基含有モノマーが化学的に結合する反応を意味する。
本発明に用いるポリオレフィン樹脂粒子としては、粒子状のポリオレフィンであれば特に限定されないが、焼結成形に好適な粒子が容易に得られる、焼結成形が容易であり賦形性に優れる、適度に柔らかく適度に剛性がある、耐薬品性に優れる、焼結体に成形した後も加工性に優れる、素材の吸湿性および吸水性が低いことにより吸水時の寸法安定性に優れる、エチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせる際のラジカル保持率に優れる等の理由から、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の単独重合体、エチレンやプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸およびこれらのエステルとの共重合体であることが好ましく、エチレンの単独重合体あるいはエチレンと炭素数3以上のオレフィンとの共重合体であることが特に好ましい。
エチレンと共重合する炭素数3以上のオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが特に好ましい。このうちのいくつかを組み合わせて、エチレンと共重合することもできる。また、ブタジエン、イソプレン等のジエンの共存下にオレフィンを重合することも可能であり、さらにはジエンを重合することも可能である。
本発明に用いるポリオレフィン樹脂粒子は、重合によって得られた樹脂粒子をそのまま用いても良いし、分級して用いても良い。また、粒子以外の形状に賦形した物を機械粉砕、冷凍粉砕、化学粉砕等の公知の方法によって粉砕し、得られた樹脂粒子をそのまま用いても良いし、分級して用いても良い。
本発明に用いるポリオレフィン樹脂粒子の形状について、特に制限はない。真球状でも不定形でもよく、一次粒子からなるものでも、一次粒子が複数個凝集し一体化した二次粒子でも、二次粒子をさらに粉砕したものでも構わない。
本発明に用いるポリオレフィン樹脂粒子の製造方法について特に制限はなく、一般的に用いられている溶液法、高圧法、高圧バルク法、スラリー法、気相法のいずれの製造方法を用いても良いが、オレフィン重合触媒を用いた重合によって直接ポリオレフィン樹脂粒子が得られるスラリー法または気相法を用いることが好ましく、特にスラリー法を用いることが好ましい。製造時の重合圧力について特に制限はなく、通常はゲージ圧として0.1MPa〜300MPaであるが、スラリー法の場合には常圧〜10MPaが好ましい。重合温度について特に制限はなく、通常は25℃〜300℃であるが、スラリー法の場合には25℃〜120℃が好ましく、50℃〜100℃が特に好ましい。スラリー法の溶媒としては、通常使用される不活性炭化水素溶媒が用いられ、例えば、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、または、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。
本発明におけるポリオレフィン樹脂粒子の平均粒径とは累積重量が50%となる粒子径、すなわちメディアン径であり、特に制限はないが、加湿エレメントを構成する多孔質体として十分な吸水量を確保し、かつ、毛細管現象による吸水機能を十分に発揮するには、10〜350μmの範囲にあることが好ましく、30〜350μmの範囲にあることが特に好ましい。また、90重量%以上の粒径が1〜500μmの範囲内であることが好ましい。ここで、本発明において90重量%以上の粒径が1〜500μmの範囲内であるためには、平均粒径を測定する際に別途算出した1〜500μmの範囲の累積重量が測定粒子全体の90重量%以上となれば良い。
本発明におけるポリオレフィン樹脂粒子の嵩密度とは、該ポリオレフィン樹脂粒子に滑剤等の添加剤を添加することなくJIS K 6892に準じて測定した値であり、特に制限はないが、加湿エレメントを構成する多孔質体として十分な吸水量を確保し、かつ、毛細管現象による吸水機能を十分に発揮するには、0.20〜0.55g/cmの範囲にあることが好ましく、0.22〜0.50g/cmの範囲にあることが特に好ましい。
本発明におけるポリオレフィン樹脂粒子の密度とは、ポリオレフィン樹脂粒子のプレスシートから切り出した切片を用い、JIS K 7112に準じて測定した値であり、特に制限はないが、加湿エレメントを構成する多孔質体としての柔軟性を損なわずに剛性や耐薬品性を確保するには、0.850〜0.970g/cmの範囲にあることが好ましく、0.920〜0.960g/cmの範囲にあることが特に好ましい。
本発明におけるポリオレフィン樹脂粒子の融点は、PERKIN ELMER社製示差走査熱量分析装置Pyris1を用いて測定した。サンプル8.4mgを50℃で1分保持した後、10℃/分の速度で200℃まで昇温し、その際に得られる融解曲線において最大ピークを示す温度を融点とした。
本発明におけるポリオレフィン樹脂粒子の粘度平均分子量とはポリマー溶液の比粘度から求めた極限粘度を粘度平均分子量に換算した値であり、特に制限はないが、焼結成形時に空孔の形成を阻害する要因となる樹脂の流動が少なく、かつ、隣り合うポリオレフィン樹脂粒子の融着性に優れるため、5万〜700万の範囲にあることが好ましく、10万〜500万の範囲にあることがより好ましく、20万〜400万の範囲にあることが特に好ましい。
本発明における焼結体は、ポリオレフィン樹脂粒子を所望の形状に堆積もしくは金型内に充填した後、粒子間に間隙を残しつつ無加圧または加圧の状態で融点以上に加熱することによって得られる。ポリオレフィン樹脂粒子の表層が加熱融着することによって、連続空孔を容易に形成することができる。焼結体の形状について、特に制限はないが、例えば板状、円筒状、円柱状、角柱状、球状、直方体、立方体、その他異形品等の形状にすることが可能である。金型内に充填する方法としては、例えばバイブレートリパッカー等の振動式の充填装置を用いることができる。振動充填させる際の振幅が粒子に与える影響は比較的少ないものの、長時間の振動負荷によって粒径の小さな粒子が下部に沈み込むという粒子の再分配を引き起こす可能性があることから、振動充填に要する時間は充填装置に合わせて必要最小限にすることが好ましい。金型の材質について特に制限はなく、例えば鉄、ステンレス、真鍮、アルミニウム等が用いられるが、耐久性があり、熱容量が小さく、軽量で取扱いが容易であることから、アルミニウムが好ましい。金型の形状は、2枚の平板を平行に配した板用の物、直径の異なる円筒状のものを二重に配した円筒用の物等、粒子の充填が可能であれば特に制限はない。
本発明において焼結成形を行う際の加熱方法としては、温度制御が可能であれば特に制限はなく、例えば熱風乾燥機、電気誘電加熱、電気抵抗加熱等の方法を用いることができる。加熱温度は、ポリオレフィン樹脂粒子の融点付近で、粒子同士が十分に溶着する温度で、かつ、樹脂が流動し、粒子間隙を埋めることのない温度であれば特に制限はない。例えば、ポリエチレンの場合、110〜220℃の範囲にあることが好ましく、120〜180℃の範囲にあることが特に好ましい。
本発明における焼結体の表面あるいは内部に、布、織物、編み物、不織布、穴あきフィルム、微多孔膜、金網等、本発明の吸水機能を阻害しないものを複合化することも可能である。また、一部分に非透湿性あるいは非透水性のフィルム、膜等を設けて、吸収した水分の影響を周囲に及ぼさないようにすることも可能である。さらに、着色、印刷等により意匠性を持たせることも可能である。なお、必要に応じて、熱安定剤、耐候剤、吸臭剤、脱臭剤、防かび剤、抗菌剤、香料、フィラー等を添加して焼結成形しても良い。これら添加剤を加える際には、流動パラフィン等の展着剤を用いることも可能である。
本発明における親水性ポリオレフィン焼結体の連続空孔とは、焼結体のある面からその他の面へ連続している空孔である。この空孔は、直線的であっても曲線的であっても良い。また、全体が均一な寸法であっても良いし、例えば表層と内部、あるいは一方の表層と他方の表層とで空孔の寸法を変えたものであっても良い。
本発明における親水性ポリオレフィン焼結体の平均空孔率とは、以下の式に従って算出された値であり、特に制限はないが、加湿エレメントを構成する多孔質体として十分な吸水量と強度を確保し、かつ、毛細管現象による吸水機能を十分に発揮するには、20〜60容積%であることが好ましく、25〜55容積%であることが特に好ましい。
平均空孔率(容積%)=[(真の密度−見掛けの密度)/真の密度]×100
ここで、真の密度(g/cm)とはポリオレフィン樹脂粒子の密度であり、見かけの密度(g/cm)とは焼結体の重量を焼結体の外寸から算出した容積で割った値である。なお、焼結体の空孔は全体に均一であっても良いし、不均一であっても良い。
本発明における親水性ポリオレフィン焼結体の平均空孔径とは、水銀圧入法により測定
した値であり、特に制限はないが、加湿エレメントを構成する多孔質体として十分な吸水量と強度を確保し、かつ、毛細管現象による吸水機能を十分に発揮するには、1〜150μmであることが好ましく、10〜100μmであることが特に好ましい。
本発明における親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーとは、大気圧下で25℃の純水に0.5重量%混合した際に均一溶解し、かつ、エチレン性不飽和基、すなわちグラフト反応が生じるための重合性二重結合を有しているモノマーである。また、少なくとも1つ以上の重合性二重結合を有する化合物であれば良く、それ自身が重合してマクロマーとなるものであっても良い。
本発明における親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーは、ホスホリルコリン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基またはその塩から選ばれる少なくとも1種の官能基を有することを特徴としている。
本発明におけるホスホリルコリン基を有する親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーとは、
Figure 2009114237
で示されるリン脂質類似構造を有し、かつ、エチレン性不飽和基、すなわちグラフト反応が生じるための重合性二重結合を有しているモノマーである。また、少なくとも1つ以上の重合性二重結合を有する化合物であれば良く、それ自身が重合してマクロマーとなるものであっても良い。ホスホリルコリン基は、細胞膜を構成する脂質の極性基と同様の化学構造を有していることから、親水性に優れるとともに、良好な生体親和性を示す。
本発明におけるホスホリルコリン基を有する親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーとしては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、3−メタクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン、3−アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、4−アクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、5−メタクリロイルオキシペンチルホスホリルコリン、5−アクリロイルオキシペンチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、6−アクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、7−メタクリロイルオキシヘプチルホスホリルコリン、7−アクリロイルオキシヘプチルホスホリルコリン、8−メタクリロイルオキシオクチルホスホリルコリン、8−アクリロイルオキシオクチルホスホリルコリン、9−メタクリロイルオキシノニルホスホリルコリン、9−アクリロイルオキシノニルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシデシルホスホリルコリン、10−アクリロイルオキシデシルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン等のメタクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン又はアクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシジエトキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシジエトキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシトリエトキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシトリエトキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシテトラエトキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシテトラエトキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシペンタエトキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシペンタエトキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシヘキサエトキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシヘキサエト
キシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシヘプタエトキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシヘプタエトキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシオクタエトキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシオクタエトキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシノナエトキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシノナエトキシエチルホスホリルコリン、ビニルホスホリルコリン、アリルホスホリルコリン、ブテニルホスホリルコリン、ペンテニルホスホリルコリン、ヘキセニルホスホリルコリン、ヘプテニルホスホリルコリン、オクテニルホスホリルコリン、ノネニルホスホリルコリン、デセニルホスホリルコリン、ω−メタクリロイルオキシエチレンホスホリルコリン、ω−アクリロイルオキシエチレンホスホリルコリン、ω−メタクリロイルポリオキシエチレンホスホリルコリン、ω−アクリロイルポリオキシエチレンホスホリルコリン、2−アクリルアミドエチルホスホリルコリン、3−アクリルアミドプロピルホスホリルコリン、4−アクリルアミドブチルホスホリルコリン、5−アクリルアミドペンチルホスホリルコリン、6−アクリルアミドヘキシルホスホリルコリン、7−アクリルアミドヘプチルホスホリルコリン、8−アクリルアミドオクチルホスホリルコリン、9−アクリルアミドノニルホスホリルコリン、10−アクリルアミドデシルホスホリルコリン、ω−メタクリルアミドポリオキシエチレンホスホリルコリン、ω−アクリルアミドポリオキシエチレンホスホリルコリン、2−(p−スチリルオキシ)エチルホスホリルコリン、4−(p−スチリルオキシ)ブチルホスホリルコリン、2−(p−スチリル)ホスホリルコリン、2−(p−スチリルメチル)ホスホリルコリン、2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチルホスホリルコリン、2−(p−ビニルベンジル)エチルホスホリルコリン、2−(p−ビニルベンゾイルオキシ)エチルホスホリルコリン、2−(ビニルオキシカルボニル)エチルホスホリルコリン、2−(アリルオキシカルボニル)エチルホスホリルコリン等が挙げられるが、下記一般式(1)
Figure 2009114237
(上記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、nは2〜10の整数である。)
で示されるメタクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン又はアクリロイルオキシアルキルホスホリルコリンが好ましく、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが特に好ましい。これらのエチレン性不飽和基含有モノマーは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明におけるヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基またはその塩から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、各種脂肪酸変性グリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノアクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モ
ノアクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノメタクリレート、3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール等のヒドロキシル基を有するモノマー、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有するモノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等のアミド基を有するモノマー、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸リチウム、スチレンスルホン酸アンモニウム等のスルホン酸基またはその塩を有するモノマー等が挙げられ、これらのエチレン性不飽和基含有モノマーは1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルソルベート、グリシジルメタイタコナート、エチルグリシジルマレアート、グリシジルビニルスルホナート等のエポキシ基を有するモノマー、酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸のエステル、アクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミド、メタクリル酸クロリド、メタクリル酸ブロミド等のアクリル酸またはメタクリル酸のハライド、アクロレイン等の不飽和アルデヒド等を用いても良く、グラフトさせた後にこれらのモノマーに含まれる活性官能基を親水性官能基によって置換しても良い。
本発明における親水性ポリオレフィン焼結体は、ポリオレフィン樹脂粒子を焼結成形した後に親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせて得ても良いし、あらかじめポリオレフィン樹脂粒子に親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせた後に焼結成形して得ても良い。なお、あらかじめポリオレフィン樹脂粒子に親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせた後に焼結成形する場合には、溶着力を高めるために親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせていないポリオレフィン樹脂粒子を混合してから焼結成形しても良い。
親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせたポリオレフィン樹脂粒子とグラフトさせていないポリオレフィン樹脂粒子との混合は、ヘンシェルミキサー、タンブラー混合機、レディースミキサー、高速流動型混合機、V型混合機等を用いて実施することができるが、混合の際に粒子が帯電しないように装置、混合条件等を選択することが好ましい。粒子が帯電すると粒子同士の凝集が発生しやすくなり、均一な混合が難しくなることがある。アースや送風式除電装置等によって粒子搬送時の静電気を除電することが好ましい。
親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせたポリオレフィン樹脂粒子とグラフトさせていないポリオレフィン樹脂粒子との混合比率について特に制限はないが、加湿エレメントを構成する多孔質体としての強度と吸水機能を両立するには、前者が10〜70重量%の範囲にあることが好ましく、30〜60重量%の範囲にあることが特に好ましい。
本発明において親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせる方法としては、ラジカルを開始点として親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーを導入し得る方法であれば特に制限はなく、例えば、コロナ放電やグロー放電により発生するプラズマによる方法、オゾンに代表されるような活性ガスによる方法、ベンゾフェノン、アセトフェノン等の光増感剤と紫外線等の活性光線による方法、電離放射線による方法、各種ラジカル開始剤による方法等が挙げられるが、均一性に優れることから活性光線又は電離放射線の照射によってラジカルを生成させる方法が好ましい。なお、本発明における電離放射線とは、物質と作用して電離現象を起こすことができる放射線であり、例えば、γ線、X線、β線、電子線、α線等が挙げられるが、工業生産に向いており、かつ、特に均一にラジカルを生成させることができるγ線が好ましい。
本発明における電離放射線の照射線量は、親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせるのに十分なラジカルの生成量が得られ、不必要な架橋や部分的な分解が起こらない経済的な照射線量であれば特に制限はないが、ラジカルが均一に生成し、加湿エレメントを構成する多孔質体の剛性や耐薬品性に及ぼす影響も少ないことから、1kGy〜1000kGyの範囲にあることが好ましく、5kGy〜500kGyの範囲にあることがより好ましく、10kGy〜300kGyの範囲にあることが特に好ましい。
本発明において電離放射線を照射する方法としては、ポリオレフィン樹脂粒子またはその焼結体と親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーの共存下に電離放射線を照射する同時照射法と、あらかじめポリオレフィン樹脂粒子またはその焼結体に電離放射線を照射した後、親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーと接触させる前照射法に大別され、特に制限はないが、モノマーの単独重合物の生成が少ない前照射法が好ましい。
本発明の前照射法において、ラジカルが生成したポリオレフィン樹脂粒子またはその焼結体と親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーとの接触は、気相で行っても液相で行っても良く、特に制限はないが、より均一にグラフトさせることができる液相で行う方法が好ましい。また、均一性を高めるために、親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーはあらかじめ溶媒中に溶解させてから用いることが好ましい。
本発明において親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーを溶解させる溶媒としては、均一溶解できるものであれば良く、特に制限はないが、ポリオレフィン樹脂の膨潤度が小さいものを用いることが好ましい。中でも、膨潤度が10%以下の溶媒が好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトンや2−ブタノン等のケトン類、水、あるいはそれらの混合物等が挙げられる。なお、本発明における膨潤度とは、溶媒中に1時間浸漬したポリオレフィン樹脂粒子の平均粒径と、浸漬前のポリオレフィン樹脂粒子の平均粒径との差を、浸漬前のポリオレフィン樹脂粒子の平均粒径で割った値である。
本発明の前照射法においてラジカルを生成させたポリオレフィン樹脂粒子の焼結体は、親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーと接触させる前に、反応容器中で脱気することが好ましい。脱気した反応容器に親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーを吸引導入することにより、焼結体の空孔内部にまで均一にグラフトさせることができる。脱気する際の反応容器内の真空度は0〜1340Paの範囲にあることが好ましく、0〜134Paの範囲にあることがより好ましく、0〜13.4Paの範囲にあることが特に好ましい。
本発明において電離放射線を照射する際の温度について、特に制限はないが、生成したラジカルの失活が抑制されるため、−150〜0℃の範囲にあることが好ましく、−100〜−30℃の範囲にあることが特に好ましい。なお、本発明の前照射法においてラジカルを生成させた後は、親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーと接触させるまでの間、−10℃以下の低温に保つことが好ましい。低温に保たない場合には、ラジカルが急速に減衰し、例えば、25℃の室温で30分経過するとその数は半分になる。さらに、ラジカ
ルが微量の吸着酸素と反応し、焼結体の耐熱性や耐薬品性を損なうこともある。
本発明において親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせる際の温度は、ポリオレフィン樹脂粒子の融点未満であれば特に制限はないが、0〜100℃の範囲にあることが好ましく、5〜90℃の範囲にあることがより好ましく、10〜80℃の範囲にあることが特に好ましい。グラフトさせる際の温度が0℃より低い場合には、反応速度が遅く、反応が不均一に進行することがある。グラフトさせる際の温度が100℃よりも高い場合には、モノマーの単独熱重合物が生成して、焼結体の空孔が閉塞することがあり、さらにはそれらが使用時に流出する恐れもある。
本発明においてラジカルが生成したポリオレフィン樹脂粒子またはその焼結体と親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーとを液相で接触させる場合、親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーの液相濃度について特に制限はないが、親水性ポリオレフィン焼結体の空孔を閉塞させずに十分な親水性を得るには、0.3〜30容積%の範囲にあることが好ましく、1.0〜20容積%の範囲にあることがより好ましく、2.0〜15容積%であることが特に好ましい。なお、液相の量について特に制限はないが、工業生産の観点からポリオレフィン樹脂粒子またはその焼結体1gに対して2×10−6〜5×10−3の割合で用いることが好ましく、3×10−6〜2×10−3の割合で用いることが特に好ましい。
本発明では、ポリオレフィン樹脂粒子からなる多孔質焼結体の実用的な透過性能を維持したまま、吸水機能の発現に十分な量のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせる。従って、グラフト率は0.01〜50%の範囲にあることが好ましく、0.05〜40%の範囲にあることがより好ましく、0.10〜30%の範囲にあることが特に好ましい。
本発明におけるグラフト率とは、以下の式に従って算出された値である。
グラフト率(%)=[(グラフト後の重量−グラフト前の重量)/グラフト前の重
量]×100
なお、溶着力を高めるために親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせていないポリオレフィン樹脂粒子を混合してから焼結成形する場合は、上記式における分母の「グラフト前の重量」をグラフトさせていないポリオレフィン樹脂粒子も含めたポリオレフィン樹脂粒子の総重量とする。
本発明における水滴吸収時間とは、大気圧下、25℃にて、水平に静置した縦50mm、横50mm、厚さ2mmの焼結体の中央に、高さ20mmの位置から35μlの水滴を滴下し、全量が焼結体内部に吸収されるまでに要する時間である。本発明における水滴吸収時間について、特に制限はないが、加湿エレメントを構成する多孔質体として吸水機能を十分に発揮するには、30秒以下であることが好ましく、10秒以下がより好ましく、5秒以下が特に好ましい。
また、本発明における水の吸い上げ高さとは、大気圧下、25℃にて、厚さ2mm、幅10mm、高さ100mmの焼結体の下部20mmを25℃の水中に垂直に浸漬し、浸漬してから1分後の毛細管現象による水の吸い上げ距離を測定した値である。本発明における水の吸い上げ高さについて、特に制限はないが、加湿エレメントを構成する多孔質体として吸水機能を十分に発揮するには、1分間で5mm以上であることが好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上が特に好ましい。
本発明における親水性ポリオレフィン焼結体の特徴として挙げられる吸水機能の持続性を確認するには、例えば、60℃温水可溶成分を除去した後の水滴吸収時間と水の吸い上げ高さを測定すれば良い。ここで、60℃温水可溶成分を除去する方法について説明する。まず、ユニット型恒温槽が備え付けられた60℃の温水循環槽中に測定対象となる焼結体を7時間浸漬する。その後、焼結体の空孔に残存した水分を除去し、乾燥させる。この操作を計3回繰り返すことによって60℃温水可溶成分を除去する。界面活性剤や親水性
ポリマー等の60℃温水可溶成分をコーティングすることによって親水性ポリオレフィン焼結体を得た場合には、この除去方法によって吸水機能が失われることになる。
本発明における60℃温水可溶成分を除去した後の水滴吸収時間について、特に制限はないが、加湿エレメントを構成する多孔質体として吸水機能を十分に発揮するには、30秒以下であることが好ましく、10秒以下がより好ましく、5秒以下が特に好ましい。
本発明における60℃温水可溶成分を除去した後の、本発明における水の吸い上げ高さについて、特に制限はないが、加湿エレメントを構成する多孔質体として吸水機能を十分に発揮するには、1分間で5mm以上であることが好ましく、10mm以上がより好ましく、15mm以上が特に好ましい。
本発明において使用する水は、ろ過、蒸留、逆浸透、およびイオン交換のいずれか、または、これらの組み合わせによって不純物や金属イオン等を除去し、抵抗率で5万Ω・cm以上の純水を用いることが望ましい。
上記のようにして作られた加湿エレメントは、例えば平板状等、所望の形状に成形される。成形の際に最初から希望の形状、寸法の金型を用いて成形し、成形後のものをそのまま用いても良いし、ある形状に成形したものを打ち抜き等の加工によって二次成形したものでも良い。本発明の加湿エレメントを加湿装置として作用させるには、例えば水を入れた容器内に平板状のエレメントを立て、毛細管現象により水を吸い上げた状態で板の表面に空気を送って、エレメントの表面から蒸発を起こし、加湿された空気を得ても良いし、平板状に成形したエレメントの上部に水を供給して空気を送り、加湿された空気を得ても良い。この時、本発明のエレメントは平板状である場合、立てるための治具、例えば両側にエレメントを挿入できる溝を設けそれに差し込んで立てることも可能であるし、平板状のエレメントにスリットを設けてお互いのエレメントを差し込んで立体的に組み立てることも可能である。また、平板状以外の形状では、例えば、レンコン状に穴をあけた成形品を作り、該成形品に水を供給して濡らし、レンコン状の穴に空気を通して加湿された空気を得ることも可能である。さらには、フィン状物を有する形状に成形し、成形品に水を供給して空気を送り、フィン状物の表面から蒸発させても良い。
なお、本発明の加湿エレメントは、必要な蒸発量を得るためにその表面積を制御することが好ましい。例えば、平板状のエレメントを使用する場合には、平板の寸法と設置する枚数を制御することで蒸発面積を容易に変えられる。
次に、実施例および比較例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[焼結体の作成]
本発明の実施例および比較例における焼結体の作成は、以下の方法によって行った。まず、厚さ2mmのアルミニウム板を用いて、外寸が厚さ6mm、幅112mm、高さ108mm、内寸が厚さ2mm、幅100mm、高さ100mmの金型を作成した。金型の上蓋となるアルミニウム板を外し、30秒間バイブレーターで振動を与えながらポリオレフィン樹脂粒子を充填した。上蓋を元に戻した後、150℃のオーブンで25分間加熱して平板状の焼結体を得た。
[平均空孔率の測定]
本発明の実施例および比較例における平均空孔率は、以下の式に従って算出した。
平均空孔率(容積%)=[(真の密度−見掛けの密度)/真の密度]×100
ここで、真の密度(g/cm)とはポリオレフィン樹脂粒子の密度であり、見かけの密度(g/cm)とは焼結体の重量を焼結体の外寸から算出した容積で割った値である。[平均空孔径の測定]
本発明の実施例および比較例における平均空孔径は、株式会社島津製作所製自動ポロシ
メータオートポアIV9510を用いて求めた。測定条件は、低圧部測定範囲0.54〜40psia、低圧部測定点数46点、高圧部測定範囲50〜6000psia、高圧部測定点数43点とした。
[60℃温水可溶成分の除去]
本発明の実施例および比較例における60℃温水可溶成分の除去は、以下の方法によって行った。まず、タイテック株式会社製サーモミンダーSH−12を取り付けた、縦335mm、横190mm、深さ155mmの内容積を有するポリ水槽に、8000cmの水を入れて60℃に設定し、この温水循環槽中に測定対象となる焼結体を7時間浸漬した。その後、焼結体の空孔に残存した水分を除去し、乾燥させた。この操作を計3回繰り返すことによって60℃温水可溶成分を除去した。なお、本発明の実施例および比較例における水は、イオン交換水(岡山汽水工業有限会社製、採水時の抵抗率が200万Ω・cm以上)を使用した。
[水滴吸収時間の測定]
本発明の実施例および比較例における水滴吸収時間は、大気圧下、25℃にて、水平に静置した縦50mm、横50mm、厚さ2mmの焼結体の中央に、エッペンドルフ株式会社製マイクロピペットを用いて高さ20mmの位置から35μlの水滴を滴下し、全量が焼結体内部に吸収されるまでの時間を測定することによって求めた。
[水の吸い上げ高さの測定]
本発明の実施例および比較例における水の吸い上げ高さは、大気圧下、25℃にて、厚さ2mm、幅10mm、高さ100mmの焼結体の下部20mmを25℃の水中に垂直に浸漬し、浸漬してから1分後の毛細管現象による水の吸い上げ距離を測定することによって求めた。
[平均粒径の測定]
本発明におけるポリオレフィン樹脂粒子の平均粒径とは累積重量が50%となる粒子径、すなわちメディアン径である。
本発明の実施例および比較例におけるポリオレフィン樹脂粒子の平均粒径は、株式会社島津製作所製SALD−2100を用い、メタノールを分散媒として測定することによって求めた。また、1〜500μmの範囲の累積重量を算出し、測定粒子全体の90重量%以上であるか否かを判定した。
[嵩密度の測定]
本発明の実施例および比較例におけるポリオレフィン樹脂粒子の嵩密度は、該ポリオレフィン樹脂粒子に滑剤等の添加剤を添加することなく、JIS K 6892に準じて測定することによって求めた。
[密度の測定]
本発明の実施例および比較例におけるポリオレフィン樹脂粒子の密度は、ポリオレフィン樹脂粒子のプレスシートから切り出した切片を120℃で1時間アニーリングし、その後25℃で1時間冷却したものを密度測定用サンプルとして用い、JIS K 7112に準じて測定することによって求めた。なお、ポリオレフィン樹脂粒子のプレスシートは、縦60mm、横60mm、厚み2mmの金型を用い、ASTM D 1928 Procedure Cに準じて作成した。
[粘度平均分子量の測定]
本発明の実施例および比較例におけるポリオレフィン樹脂粒子の粘度平均分子量は、以下に示す方法によって求めた。まず、20cmのデカリン(デカヒドロナフタレン)にポリマー10mgをいれ、150℃で2時間攪拌してポリマーを溶解させた。その溶液を135℃の恒温槽で、ウベローデタイプの粘度計を用いて、標線間の落下時間(t)を
測定した。同様に、ポリマー5mgの場合についても測定した。ブランクとしてポリマーを入れていない、デカリンのみの落下時間(t)を測定した。以下の式に従って求めたポリマーの比粘度(ηsp/C)をそれぞれプロットして濃度(C)とポリマーの比粘度(ηsp/C)の直線式を導き、濃度0に外挿した極限粘度(η)を求めた。
ηsp/C=(t/t−1)/0.1
この極限粘度(η)から以下の式に従い、粘度平均分子量(Mv)を求めた。
Mv=5.34×10η1.49
[実施例1]
平均粒径が277μm、粒径が1〜500μmの範囲内の累積重量が90重量%以上、嵩密度が0.45g/cm、密度が0.955g/cm、粘度平均分子量が30万である高密度ポリエチレンパウダー(旭化成ケミカルズ株式会社製サンファインTM SH821)を用いて平板状の焼結体を作成した。ベンゾフェノン(アルドリッチ社製)1gをアセトン1000cmに溶解した溶液に上記の焼結体を1分間遮光下で浸漬した後、取り出した焼結体を遮光した状態で1時間減圧乾燥した。2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(日本油脂株式会社製)の0.25mmol/cm水溶液を作成し、40℃にて30分間窒素バブリングして溶存酸素を除去した。この溶液1200cm中にベンゾフェノンのアセトン溶液で処理した上記の焼結体を固定して60℃とし、高圧水銀ランプUVL−400HA(理工科学産業株式会社製)を用いて紫外線を90分間照射した。その後、蒸留水1200cmとメタノール(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)1200cmにそれぞれ25℃で8時間浸漬させて洗浄し、この洗浄操作を計3回繰り返した後、乾燥させることによって、グラフト率0.40%の親水性多孔質焼結体を得た。
この親水性多孔質焼結体を計4枚作成し、それぞれ幅60mm、高さ95mmの大きさに切り、これを平行に4枚並べて長辺の下端15mmを水中に浸漬した。23℃、50%RHの雰囲気下において、この平行に並べた板の間隙にブロワーで0.8m/秒の風速の風を当てることにより、加湿された空気が得られた。
本発明によって得られる加湿エレメントは、工業的に生産が可能で、連続空孔を持ち、吸水機能の長期持続性と低溶出性を兼ね備え、成形性、耐衝撃性、機械的強度および吸水時の寸法安定性に優れており、例えば、冷蔵庫の野菜室やチルド室等の加湿エレメント、家庭用あるいは業務用エアコン等の加湿エレメント、燃料電池用加湿エレメント等の用途において利用可能である。

Claims (10)

  1. 加湿エレメントを構成する多孔質体がポリオレフィン樹脂粒子の焼結体であって、該焼結体がホスホリルコリン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、スルホン酸基またはその塩から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーをグラフトさせた親水性ポリオレフィン焼結体であることを特徴とする加湿エレメント。
  2. 親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーのグラフト率が、0.01〜50%であることを特徴とする、請求項1に記載の加湿エレメント。
  3. ホスホリルコリン基を有する親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーが、下記一般式(1)
    Figure 2009114237

    (上記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基、nは2〜10の整数である。)
    で示されるメタクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン又はアクリロイルオキシアルキルホスホリルコリンから選ばれる少なくとも1種のモノマーであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の加湿エレメント。
  4. ホスホリルコリン基を有する親水性のエチレン性不飽和基含有モノマーが、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の加湿エレメント。
  5. 親水性ポリオレフィン焼結体が、平均空孔率20〜60容積%、平均空孔径1〜150μmの連続空孔を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の加湿エレメント。
  6. 親水性ポリオレフィン焼結体を構成するポリオレフィン樹脂粒子が、エチレンの単独重合体又はエチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の加湿エレメント。
  7. 親水性ポリオレフィン焼結体が、平均粒径10〜350μm、90重量%以上の粒径が1〜500μmの範囲内、嵩密度0.20〜0.55g/cm、密度0.850〜0.970g/cm、かつ、粘度平均分子量5万〜700万のポリオレフィン樹脂粒子の焼結体であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の加湿エレメント。
  8. 親水性ポリオレフィン焼結体の水滴吸収時間が30秒以下、水の吸い上げ高さが1分間で5mm以上であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の加湿エレメント。
  9. 60℃温水可溶成分を除去した後の親水性ポリオレフィン焼結体の水滴吸収時間が30秒以下、水の吸い上げ高さが1分間で5mm以上であることを特徴とする、請求項1〜8
    のいずれかに記載の加湿エレメント。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の加湿エレメントを使用することを特徴とする加湿装置。
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