JP2009113998A - 光学素子成形装置用の成形履歴表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の成形工程を対象として複数の履歴データを視覚的に容易に比較可能な、光学素子成形装置用の成形履歴表示システムを提供する。
【解決手段】一連の成形工程を処理する光学素子成形装置により生成され、成形工程に関する所定の制御パラメータの時系列変化を各々に表す複数の履歴データを、基準時点として指定された成形工程の開始時点または終了時点を基準として時系列的に重合せて表示する、光学素子成形装置用の成形履歴表示システム100が提供される。かかる構成によれば、成形工程に関する所定の制御パラメータの時系列変化を各々に表す複数の履歴データが、基準時点となる特定の成形工程の開始時点または終了時点を基準として時系列的に重合せて表示される。これにより、ユーザは、特定の成形工程を対象として複数の履歴データを視覚的に容易に比較することができる。
【選択図】図2
【解決手段】一連の成形工程を処理する光学素子成形装置により生成され、成形工程に関する所定の制御パラメータの時系列変化を各々に表す複数の履歴データを、基準時点として指定された成形工程の開始時点または終了時点を基準として時系列的に重合せて表示する、光学素子成形装置用の成形履歴表示システム100が提供される。かかる構成によれば、成形工程に関する所定の制御パラメータの時系列変化を各々に表す複数の履歴データが、基準時点となる特定の成形工程の開始時点または終了時点を基準として時系列的に重合せて表示される。これにより、ユーザは、特定の成形工程を対象として複数の履歴データを視覚的に容易に比較することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、光学素子成形装置用の成形履歴表示システムに関する。
近年、レンズ、プリズムや光通信部品など、高い光学特性を要求されるガラス製の光学素子がプレス成形により大量生産されている。プレス成形では、溶融ガラスを型内で冷却して成形素材(プリフォーム)を作製し、成形素材を高精度の成形面を備えた成形型内に配置する。そして、成形型を介して成形素材を硝材の屈伏点付近の温度まで加熱した後にプレスし、成形面の形状を成形素材に転写することで光学素子が成形される。
光学素子のプレス成形は、一般に専用のプレス成形装置を用いて行われる。プレス成形装置は、一般に、パージ、加熱、プレス、冷却を含む一連の成形工程を1成形バッチとして処理する。成形装置は、各成形工程に応じて、例えば、冷却ガスの供給量、成形型の温度、プレス時のプレス圧およびプレスストロークなどの所定のパラメータによって、動作を制御される。
光学素子の生産管理において、生産管理者であるユーザは、例えば、成形装置に内蔵されたモニタ、成形装置に外付けされたモニタなどに表示される、所定のパラメータの時系列変化を表す履歴データを通して成形工程を管理している。成形工程の管理に際しては、例えば、プレス工程など、特定の成形工程を対象として、複数の成形バッチに関する履歴データを比較したい場合がある。特に、成形工程の管理に用いられる標準履歴データと、成形バッチ毎の履歴データとを比較したい場合がある。
この場合、従来の成形装置は、特定の成形工程を対象として、複数の履歴データを重合せて表示する機能を有しておらず、結果として、ユーザは、成形バッチに含まれる一連の成形工程を対象として、複数の履歴データを比較することになる。
しかしながら、例えば、成形バッチの開始時点での成形型の温度、成形素材として用いる硝材の熱特性、成形装置の周辺温度、冷却ガスの温度、成形装置間での構成ユニットまたは装置全体の特性などに応じて、各工程の所要時間にバラツキが生じてしまう。このため、成形バッチ毎に各成形工程の開始時点が異なることになり、結果として、ユーザは、特定の成形工程を対象として複数の履歴データを視覚的に比較することが困難となる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定の成形工程を対象として複数の履歴データを視覚的に容易に比較可能な、新規かつ改良された光学素子成形装置用の成形履歴表示システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、一連の成形工程を処理する光学素子成形装置により生成され、成形工程に関する所定の制御パラメータの時系列変化を各々に表す複数の履歴データを、基準時点として指定された成形工程の開始時点または終了時点を基準として時系列的に重合せて表示する、光学素子成形装置用の成形履歴表示システムが提供される。
かかる構成によれば、成形工程に関する所定の制御パラメータの時系列変化を各々に表す複数の履歴データが、基準時点となる特定の成形工程の開始時点または終了時点を基準として時系列的に重合せて表示される。これにより、ユーザは、特定の成形工程を対象として複数の履歴データを視覚的に容易に比較することができる。
また、上記基準時点は、パージ工程、加熱工程、プレス工程、冷却工程のうちいずれかの成形工程の開始時点または終了時点として指定されてもよい。かかる構成によれば、パージ工程、加熱工程、プレス工程、冷却工程のうちいずれかの成形工程を対象として、複数の履歴データを視覚的に容易に比較することができる。これにより、ユーザは、パージ工程、加熱工程、プレス工程、冷却工程の少なくともいずれかに関して、成形工程を容易に管理することができる。
また、上記複数の履歴データは、少なくとも2つ以上の光学素子成形装置により生成されたデータでもよい。かかる構成によれば、特定の成形工程を対象として、少なくとも2つ以上の光学素子成形装置により生成された複数の履歴データを視覚的に容易に比較することができる。これにより、ユーザは、少なくとも2つ以上の成形装置間において、成形工程を容易に管理することができる。
また、上記成形履歴表示システムは、基準時点を指定するための基準時点指定部と、履歴データを取得する履歴データ取得部と、各成形工程の開始時点および/または終了時点を表す基準信号を取得する基準信号取得部と、取得した履歴データを取得した基準信号と時系列的に関連付けて記憶する履歴データ記憶部と、取得した複数の履歴データを、指定された基準時点を表す基準信号を基準として時系列的に重合せる履歴データ処理部と、重合せた複数の履歴データを表示する履歴データ表示部と、を備えてもよい。かかる構成によれば、取得した複数の履歴データが、指定された基準時点を表す基準信号を基準として時系列的に重合せて表示されるので、ユーザは、特定の成形工程を対象として複数の履歴データを視覚的に容易に比較することができる。
また、上記成形履歴表示システムは、光学素子成形装置の外部に設けられてもよく、光学素子成形装置の内部に設けられてもよい。
本発明によれば、特定の成形工程を対象として複数の履歴データを視覚的に容易に比較可能な光学素子成形装置用の成形履歴表示システムを提供することができる。
以下に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(光学素子成形装置の構成)
初めに、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る成形履歴表示システムが適用される光学素子成形装置について説明する。
初めに、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る成形履歴表示システムが適用される光学素子成形装置について説明する。
図1に示すように、成形装置は、プレス部を構成する上型10、下型20、固定軸30、移動軸40および駆動装置60など、加熱部を構成する加熱ユニット70、給排気部を構成するガス給気路P1、P2、ガス排気路P3、排出路P4、ガス貯蔵タンク92および真空排気装置98など、を含んで構成される。また、成形装置は、プレス部、給排気部、および加熱部などを制御する制御部80、および各種の入出力処理を行う入力部82および出力部84を含んで構成される。
上型10は、フレーム2の上部から下方に延設された固定軸30の下端面に断熱筒32を介して装着されている。上型10は、コア金型12、金型プレート14、コア金型12を金型プレート14に固定するモールド(固定)金型16で構成される。下型20は、上型10に対向するように、フレーム2の下部から上方に延設された移動軸40の上端面に断熱筒42を介して装着されている。下型20は、コア金型22、金型プレート24、コア金型22を金型プレート24に固定するモールド(移動)金型26で構成される。断熱筒32、42は、上型10および下型20と、固定軸30および移動軸40との間の熱伝達を抑制する。
固定軸30は、上部プレート34に設けられた開口部を貫通しており、上部プレート34が上下方向に駆動される。開口部にはシーリングが施されており、上部プレート34は、固定軸30との間で気密性を保持しながら上下方向に摺動する。移動軸40は、下部フレーム4に設けられた開口部を貫通しており、下部プレート44が下部フレーム4に固定される。開口部にはシーリングが施されており、移動軸40は、下部フレーム4との間で気密性を保持しながら上下方向に摺動する。
上型10、下型20、断熱筒32、42、固定軸30の下端部および移動軸40の上端部は、熱伝達性を有する石英などで形成された内筒52により囲まれ、気密性が保持された成形室50を構成するように密閉されている。
駆動装置60は、モータ62などを駆動源としており、移動軸40の移動量を検出する位置センサ(不図示)が設けられ、移動軸40の下端に荷重検出器64を介して接続されている。駆動装置60は、位置、速度(プレス力の変化勾配)、および軸加重(プレス力)を制御されながら、移動軸40を上下方向に移動させる。
加熱ユニット70は、内筒52の周囲に配置された外筒54に装着され、例えば、赤外線ランプ、ハロゲンランプなど、熱線を放射するランプ72、および反射ミラー74を含む。加熱ユニット70は、上型10および下型20に装着された温度測定用の熱電対(不図示)を通じて、熱線の輻射熱による温度および温度変化(温度変化勾配)を制御されながら、ランプ72の出力を調節する。加熱ユニット70は、ランプ72から上型10、下型20の外周面に熱線を放射し、熱線の輻射熱により上下型10、20を加熱し、加熱された上下型10、20からの熱伝達によって成形素材を加熱する。
ガス給気路は、ガス貯蔵タンク92から固定軸30を通じて断熱筒32の給気口33に至る給気路P2、ガス貯蔵タンク92から移動軸40を通じて断熱筒42の給気口43に至る給気路P1で構成される。また、上部プレート34には、排気口35が設けられ、排気口35から取込バルブ95を介してガス貯蔵タンク92に接続された排気路P3が形成されている。下部プレート44には、排出口45が設けられ、排出口45から真空バルブ99を介して真空排気装置98に接続された排出路P4が形成されている。ガス貯蔵タンク92の給気口は、給気バルブ93、94を介して給気路P1、P2に接続されている。排気口35と取込バルブ95とを結ぶ流路の途中には分岐管が接続され、分岐管の先に排気バルブ96が設けられている。
給気バルブ93、94は、制御チャンネルC3を介して制御部80により制御され、成形室50への所定のガス(例えば窒素ガスなどの不活性ガス)の供給量を調節する。取込バルブ95および排気バルブ96は、制御チャンネルC4を介して制御部80により制御され、成形室50からの所定のガスの取込および排気を調節する。また、真空バルブ99は、制御チャンネルC4を介して制御部80により制御され、成形室50内の真空度を調節する。
制御部80は、例えば、マイクロコントローラなどの制御装置で構成され、成形工程毎の経過時間を計数する、例えばタイマーなどの計数部を含む。制御部80は、プレス部、給排気部、および加熱部などに接続され、後述する制御条件テーブルなどとして予め設定された制御条件に基づいて、成形装置の各構成要素を制御する。
入力部82は、例えば、操作パネル、データ入力ポートなどの入力インターフェースで構成され、例えば、制御条件テーブル、制御命令などの直接入力、外部装置からの入力など、成形工程に関する各種入力処理を行う。
出力部84は、例えば、モニタ、データ出力ポートなどの出力インターフェースで構成され、例えば、制御条件テーブルの外部出力、後述する履歴データおよび基準信号の出力など、成形工程に関する各種出力処理を行う。
なお、入力部82および出力部84は、例えばコンパクトディスク、USBメモリ、フラッシュメモリなどの補助記憶装置(不図示)に接続され、成形工程に関する各種入出力データを入出力可能なように構成されてもよい。
プレス成形に際して、出力部84は、例えば、冷却ガスの供給量、成形型の温度、プレス時のプレス圧およびプレスストロークなど、所定のパラメータの時系列変化を表す履歴データを周期的に外部に出力することができる。また、出力部84は、例えば、パージ、加熱(昇温、均熱)、プレス、冷却(徐冷、急冷)の各成形工程の開始時点および/または終了時点を表す基準信号を外部に出力することができる。履歴データは、例えば、供給バルブ、熱電対、荷重検出器64および位置センサの状態に応じて変化する電流値または電圧値などとして出力される。また、基準信号は、制御部80による成形工程の制御結果に応じて、パルス信号などとして出力される。
(成形履歴表示システムの構成)
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係る成形履歴表示システムについて説明する。
次に、図2を参照しながら、本実施形態に係る成形履歴表示システムについて説明する。
図2に示すように、成形履歴表示システム100(以下では、表示システムとも称する。)は、少なくとも1つ以上の成形装置に接続されて使用される。表示システム100は、入力部110、記憶部120、出力部130、および制御部140を含んで構成される。
入力部110は、例えば、キーボード、入力ポートなどの入力インターフェースで構成され、成形履歴表示に関する各種入力処理を行う。入力部110は、基準時点指定部112、履歴データ取得部114、および基準信号取得部116を含む。基準時点指定部112は、ユーザが基準時点を指定するための機能構成部である。履歴データ取得部114は、成形装置から履歴データを取得するための機能構成部である。基準信号取得部116は、各成形工程の開始時点および/または終了時点を表す基準信号を成形装置から取得するための機能構成部である。なお、複数の成形装置に接続して使用される場合など、必要に応じて、複数の入力ポートが設けられてもよい。
記憶部120は、例えば、ROM、RAMなどの主記憶装置、ハードディスク、コンパクトディスクなどの補助記憶装置などで構成され、成形履歴表示に関する各種記憶処理を行う。記憶部120は、成形装置から取得した履歴データを、成形装置から取得した基準信号と時系列的に関連付けて記憶するための履歴データ記憶部122を含む。また、記憶部120には、表示システム100の全体を制御するための処理プログラム、各種データなどが記憶される。
出力部130は、例えば、モニタ、プリンタ、出力ポートなどの出力インターフェースで構成され、成形履歴表示に関する各種出力処理を行う。出力部130は、後述する履歴データ処理部142により重合せられた複数の履歴データを表示するための履歴データ表示部132を含む。
制御部140は、例えば、CPUなどの制御装置などで構成され、表示システム100の全体の制御を行う。制御部140は、成形装置から取得した複数の履歴データを、成形装置から取得した、指定された基準時点を表す基準信号を基準として、時系列的に重合せるための履歴データ処理部142を含む。
なお、入力部110および出力部130は、例えばコンパクトディスク、USBメモリ、フラッシュメモリなどの補助記憶装置(不図示)に接続され、記憶媒体に記憶された履歴データなど、成形履歴表示に関する各種データを入出力可能なように構成されてもよい。
(成形履歴表示システムの動作手順)
次に、図3および図4を参照しながら、本実施形態に係る成形履歴表示システム100の動作手順について、光学素子成形装置の動作に沿って説明する。図3には、本実施形態に係る成形履歴表示システム100が適用される成形装置で用いられる制御条件テーブルが示されている。図4には、同様に、成形装置の動作手順が示されている。
次に、図3および図4を参照しながら、本実施形態に係る成形履歴表示システム100の動作手順について、光学素子成形装置の動作に沿って説明する。図3には、本実施形態に係る成形履歴表示システム100が適用される成形装置で用いられる制御条件テーブルが示されている。図4には、同様に、成形装置の動作手順が示されている。
制御条件テーブルは、成形工程の制御条件を設定するデータからなり、予め設定されて記憶部(不図示)などに記憶されている。図3に例示する制御条件テーブルは、例えば、行方向および列方向を制御項目および成形工程により各々に区分し、成形工程毎に設定される制御項目の制御条件を表形式で表すものである。
制御項目として、C1)「温度:上型(℃)」、C2)「温度:下型(℃)」、C3)「温度変化勾配(℃/秒)」、C4)「工程時間(秒)」、C5)「プレス量/目標位置(mm)」、C6)「プレス力(kN)」、C7)「プレス力変化勾配(kN/秒)」、C8)「工程終了条件(優先順)」、C9)「窒素供給量:P1(L/分)」、C10)「窒素供給量:P2(L/分)」、C11)「プレス量/目標位置到達確認」が示されている。また、成形工程として、P1)「パージ」、P2)「昇温」、P3)「均熱」、P4)「プレス」、P5)「徐冷」、P6)「急冷」が示されている。そして、成形工程毎に設定される制御項目の制御条件が示されている。
図4に示すように、プレス成形に際して、制御部80は、制御条件テーブルの制御条件を成形工程毎に読取る(ステップS10)。制御条件を読取ると、制御部80は、該当する成形工程を開始し、C8)工程終了条件の制御条件に基づいて、当該条件を満たしているかを確認する。ここで、各成形工程の開始に際して、成形装置は、制御部80によって、成形工程の開始時点を表す基準信号を、出力部84を通じて表示システム100に対して出力可能である。なお、制御部80は、ステップS10の終了後、ステップS20、ステップS30、ステップS40およびステップS50を並列的に処理する。
例えば、C8)工程終了条件が「C9」(窒素供給量P1)または「C10」(窒素供給量P2)である場合には、制御部80は、給気バルブ93、94、取込バルブ95や排気バルブ96の開度を通じて、現在の窒素供給量が所定の設定値を満たしているかを確認し(S20)、所定の設定値を満たすまで、給気バルブ93、94や取込バルブ95を制御する(S22)(ループ1)。ここで、成形装置は、制御部80によって、窒素ガスの供給量(給気バルブ93、94および排気バルブ96の開度)の時系列変化を表す履歴データを、所定の周期で出力部84を通じて表示システム100に対して出力可能である。
C8)工程終了条件が「C1」(温度上型)または「C2」(温度下型)である場合には、制御部80は、熱電対を通じて、現在の温度が所定の設定値を満たしているかを確認し(S30)、所定の設定値を満たすまで、ランプ72の出力を制御する(S32)(ループ2)。なお、C3)温度変化勾配が設定されている場合には、制御部80は、所定の設定値を満たすようにランプ72の出力を制御する。ここで、成形装置は、制御部80によって、成形型10、20の温度の時系列変化を表す履歴データを、所定の周期で出力部84を通じて表示システム100に対して出力可能である。
C8)工程終了条件が「C5」(プレス量・目標位置)である場合には、制御部80は、まず、「C6」(プレス力)の制御条件が設定されているかを確認する(S40)。ここで、制御部80は、プレス力が設定されていれば、設定されている所定のプレス力を採用し(S42)、プレス力が設定されていなければ、別途に設定されているプリセット値Ppを採用する(S44)。プリセット値Ppは、下型20の昇降時における駆動装置60の駆動力を規定する。そして、位置センサを通じて、現在のプレス量・位置が所定の設定値を満たしているかを確認し(S46)、所定の設定値を満たすまで、モータ62の出力を制御する(S48)。なお、C7)プレス力変化勾配が設定されている場合には、制御部80は、荷重検出器64を通じて、所定の設定値を満たすようにモータ62の出力を制御する。さらに、C11)プレス量/目標位置到達確認が設定されている場合には、制御部80は、設定に応じて所定のプレス量/目標位置に到達しているかを確認する(ループ3)。ここで、成形装置は、制御部80によって、プレス圧およびプレスストロークの時系列変化を表す履歴データを、所定の周期で出力部84を通じて表示システム100に対して出力可能である。
C8)工程終了条件が「C4」(工程時間)である場合には(S50)、制御部80は、タイマーによる計数を開始し(S52)、現在の計数値が所定の設定値を満たしているかを確認し(S54)、所定の設定値を満たすまで、計数を継続する(ループ4)。そして、計数値が所定の設定値を満たしている場合には、制御部80は、計数値を初期化し(S56)、後続の処理(S60)を行う。
C8)工程終了条件の制御条件が満たされる場合には、制御部80は、処理中の成形工程を終了させるために、前述のループ1〜4の全ての処理に対して終了割込を行う(S60)。ここで、各成形工程の終了に際して、成形装置は、制御部80によって、成形工程の終了時点を表す基準信号を、出力部84を通じて表示システム100に対して出力可能である。
終了割込を行うと、制御部80は、まず、前述の処理が正常終了したかを確認する(S70)。制御部80は、処理が異常終了した場合には、各種エラー処理を行い(S72)、成形工程を終了する。一方、処理が正常終了した場合には、制御条件テーブルを参照して、後続の成形工程が設定されているかを確認する(S74)。そして、後続の成形工程が設定されている場合には、制御部80は、後続の成形工程に関する制御条件を制御条件テーブルから読取る(S10)。一方、後続の成形工程が設定されていない場合には、制御部80は、成形処理を終了する。
前述したように、成形装置では、成形工程毎にプレス部、加熱部、給排気部および計数部が並列的に処理を行う。そして、成形装置では、C8)工程終了条件の少なくともいずれかの制御条件が満たされる場合に、制御部80によって、実行中の処理が中断され、後続の成形工程の処理に移行される。
一方、表示システム100では、履歴データ取得部114によって、所定のパラメータの時系列変化を表す履歴データが成形装置から取得され、取得された履歴データの時系列に従って、成形バッチ単位で履歴データ記憶部122に記憶される。また、基準信号取得部116によって、成形工程の開始時点および終了時点を表す基準信号が成形装置から取得され、取得された履歴データの時系列に関連付けて、成形バッチ単位で履歴データ記憶部122に記憶される。
(成形工程毎の動作)
次に、図2に示す制御条件テーブルを用いる場合を一例として、本実施形態に係る光学素子成形装置の具体的な動作について説明する。なお、下型20には、成形素材が予め配置されているものとする。
次に、図2に示す制御条件テーブルを用いる場合を一例として、本実施形態に係る光学素子成形装置の具体的な動作について説明する。なお、下型20には、成形素材が予め配置されているものとする。
<成形工程P1>
制御部80は、まず、成形工程P1)「パージ」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C4)工程時間:「120秒」、C8)工程終了条件「C4」、C9)窒素供給量P1:「30L/分」、C10)窒素供給量P2:「30L/分」が設定されている。
制御部80は、まず、成形工程P1)「パージ」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C4)工程時間:「120秒」、C8)工程終了条件「C4」、C9)窒素供給量P1:「30L/分」、C10)窒素供給量P2:「30L/分」が設定されている。
本成形工程では、制御部80は、まず、真空バルブ99を制御し、成形室50内の大気を真空排気装置98により排出口45から排出する。次に、給気バルブ93、94を制御し、窒素ガスをガス貯蔵タンク92から給気路P1、P2を介して成形室50内に供給する。ここで、給気バルブ93、94は、タイマーが「120秒」を計数するまで、窒素ガスを「30L/分」で供給するように制御される。これにより、成形室50内の大気が窒素ガスにより置換(パージ)される。
<成形工程P2>
次に、制御部80は、成形工程P2)「昇温」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C1)温度上型:「520℃」、C2)温度下型:「518℃」、C3)温度変化勾配:「2.0℃/秒」、C4)工程時間:「300秒」、C5)プレス量・目標位置:「41.0mm」、C8)工程終了条件:「C1&C2&C5/C4」、C9)窒素供給量P1:「5L/分」、C10)窒素供給量P2:「5L/分」が設定されている。
次に、制御部80は、成形工程P2)「昇温」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C1)温度上型:「520℃」、C2)温度下型:「518℃」、C3)温度変化勾配:「2.0℃/秒」、C4)工程時間:「300秒」、C5)プレス量・目標位置:「41.0mm」、C8)工程終了条件:「C1&C2&C5/C4」、C9)窒素供給量P1:「5L/分」、C10)窒素供給量P2:「5L/分」が設定されている。
本成形工程では、制御部80は、窒素ガスを供給しながら、下型20を上昇させ、成形素材の昇温を行う。窒素ガスの供給に関して、制御部80は、給気バルブ93、94を制御し、所定量の窒素ガスを成形室50内に供給する。下型20の上昇に関して、制御部80は、位置センサの計測値を参照しながらモータ62の出力を制御し、移動軸40を上昇させることで、下型20を目標位置「41.0mm」まで上昇させる。一方、成形素材の昇温に関して、制御部80は、熱電対の測定値を参照しながらランプ72の出力を制御することで、上型10および下型20の温度を各々に「520℃」および「518℃」になるまで加熱する。ここで、ランプ72の出力は、温度変化勾配「2.0℃/秒」を満たすように適切に制御される。
本成形工程では、工程終了条件が「C1&C2&C5/C4」に設定されているので、制御部80は、上型10および下型20の温度が「520℃」および「518℃」に達し、かつ、下型20が目標位置「41.0mm」に到達するまで、上記処理を継続する。なお、温度および目標位置の制御条件が満たされる前に、タイマーが「300秒」を計数している場合には、所定の警告処理を行う。これにより、成形素材が所定の温度まで昇温される。
<成形工程P3>
次に、制御部80は、成形工程P3)「均熱」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C1)温度上型:「520℃」、C2)温度下型:「518℃」、C4)工程時間:「60秒」、C5)プレス量・目標位置:「41.0mm」、C8)工程終了条件:「C4」、C9)窒素供給量P1:「5L/分」が設定されている。
次に、制御部80は、成形工程P3)「均熱」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C1)温度上型:「520℃」、C2)温度下型:「518℃」、C4)工程時間:「60秒」、C5)プレス量・目標位置:「41.0mm」、C8)工程終了条件:「C4」、C9)窒素供給量P1:「5L/分」が設定されている。
本成形工程では、制御部80は、窒素ガスを供給しながら、成形素材の均熱を行う。窒素ガスの供給に関して、制御部80は、給気バルブ93、94を制御し、所定量の窒素ガスを成形室50内に供給する。成形素材の均熱に関して、制御部80は、ランプ72の出力を制御し、上型10および下型20の温度が各々に「520℃」および「518℃」になるように調節する。ここで、本成形工程は、タイマーが「60秒」を計数するまで行われる。これにより、成形素材が後続のプレス工程時に要求される所定の温度に均熱される。
<成形工程P4>
次に、制御部80は、成形工程P4)「プレス」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C1)温度上型:「520℃」、C2)温度下型:「518℃」、C4)工程時間:「200秒」、C5)プレス量・目標位置:「50.0mm」、C6)プレス力:「3.6kN」、C7)プレス力変化勾配:「0.1kN/秒」、C8)工程終了条件:「C5/C4」、C9)窒素供給量P1:「5L/分」、C11)プレス量/目標位置到達確認:「到達確認あり」が設定されている。
次に、制御部80は、成形工程P4)「プレス」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C1)温度上型:「520℃」、C2)温度下型:「518℃」、C4)工程時間:「200秒」、C5)プレス量・目標位置:「50.0mm」、C6)プレス力:「3.6kN」、C7)プレス力変化勾配:「0.1kN/秒」、C8)工程終了条件:「C5/C4」、C9)窒素供給量P1:「5L/分」、C11)プレス量/目標位置到達確認:「到達確認あり」が設定されている。
本成形工程では、制御部80は、窒素ガスを供給しながら、下型20を上昇させて成形素材をプレスする。窒素ガスの供給に関して、制御部80は、給気バルブ93、94を制御し、所定量の窒素ガスを成形室50内に供給する。下型20の上昇に関して、モータ62の出力を制御し、下型20をプレス量「50.0mm」まで上昇させる。また、成形素材のプレスに関して、制御部80は、荷重検出器64の検出値を参照しながら、モータ62の出力を制御し、移動軸40を上昇させることで、成形素材に「3.6kN」のプレス力を加える。ここで、モータ62の出力は、プレス力変化勾配「0.1kN/秒」を満たすように適切に制御される。
本成形工程では、工程終了条件が「C5/C4」に設定されているので、制御部80は、下型20がプレス量「50.0mm」に到達するか、または、タイマーが「200秒」を計数するまで、上記処理を継続する。なお、「到達確認あり」が設定されているので、工程時間として設定されている「200秒」以内に、下型20がプレス量「50.0mm」に到達しない場合には、所定の警告処理を行う。これにより、成形素材が所定のプレス力でプレスされる。
<成形工程P5>
次に、制御部80は、成形工程P5)「徐冷」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C1)温度上型:「480℃」、C2)温度下型:「480℃」、C3)温度変化勾配:「−0.2℃/秒」、C5)プレス量・目標位置:「51.0mm」、C6)プレス力:「0.3kN」、C7)プレス力変化勾配「−0.05kN/秒」、C8)工程終了条件:「C2/C5」、C9)窒素供給量P1:「10L/分」、C11)プレス量/目標位置到達確認:「到達確認なし」が設定されている。
次に、制御部80は、成形工程P5)「徐冷」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C1)温度上型:「480℃」、C2)温度下型:「480℃」、C3)温度変化勾配:「−0.2℃/秒」、C5)プレス量・目標位置:「51.0mm」、C6)プレス力:「0.3kN」、C7)プレス力変化勾配「−0.05kN/秒」、C8)工程終了条件:「C2/C5」、C9)窒素供給量P1:「10L/分」、C11)プレス量/目標位置到達確認:「到達確認なし」が設定されている。
本成形工程では、制御部80は、成形素材をプレスしながら、成形素材を徐冷する。成形素材のプレスに関して、制御部80は、モータ62の出力を制御し、下型20をプレス量「51.0mm」まで上昇させ、成形素材に「0.3kN」のプレス力を加える。ここで、モータ62の出力は、プレス力変化勾配「−0.05kN/秒」を満たすように制御される。成形素材の徐冷に関して、制御部80は、ランプ72の出力を制御し、上型10および下型20の温度を「480℃」まで降温させるとともに、給気バルブ93、94を制御し、所定量の窒素ガスを成形室50内に供給する。ここで、ランプ72の出力は、温度変化勾配「−0.2℃/秒」を満たすように適切に制御される。
本成形工程では、工程終了条件が「C2/C5」に設定されているので、制御部80は、下型20が「480℃」まで降温されるか、または、下型20がプレス量「51.0mm」に到達するまで、上記処理を継続する。なお、「到達確認なし」が設定されているので、下型20が「480℃」に降温するまでに、下型20がプレス量「51.0mm」に到達していない場合でも、所定の警告処理を行わない。これにより、成形素材が所定の温度まで徐冷される。
<成形工程P6>
次に、制御部80は、成形工程P6)「急冷」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C1)温度上型:「300℃」、C2)温度下型:「300℃」、C3)温度変化勾配:「−1.0℃/秒」、C5)プレス量・目標位置:「45.0mm」、C8)工程終了条件:「C1&C2」、C9)窒素供給量P1:「30L/分」、C10)窒素供給量P2:「30L/分」、C11)プレス量/目標位置到達確認:「確認なし」が設定されている。
次に、制御部80は、成形工程P6)「急冷」の制御条件を制御条件テーブルから読出す。ここで、制御条件としては、C1)温度上型:「300℃」、C2)温度下型:「300℃」、C3)温度変化勾配:「−1.0℃/秒」、C5)プレス量・目標位置:「45.0mm」、C8)工程終了条件:「C1&C2」、C9)窒素供給量P1:「30L/分」、C10)窒素供給量P2:「30L/分」、C11)プレス量/目標位置到達確認:「確認なし」が設定されている。
本成形工程では、制御部80は、成形素材を急冷しながら、プレス力を低下させる。成形素材の急冷に関して、制御部80は、ランプ72の出力を制御するとともに、給気バルブ93、94を制御して所定量の窒素ガスを成形室50内に供給することで、上型10および下型20の温度を「300℃」まで降温させる。ここで、ランプ72の出力は、温度変化勾配「−1.0℃/秒」を満たすように適切に制御される。プレス力の低下に関して、制御部80は、モータ62の出力を制御し、下型20をプレス量「45.0mm」まで下降させ、成形素材に対するプレス力を低下させる。
本成形工程では、工程終了条件が「C1&C2」に設定されているので、制御部80は、上型10が「300℃」まで降温され、かつ、下型20が「300℃」まで降温されるまで、上記処理を継続する。なお、「確認なし」が設定されているので、上型10および下型20の温度が「300℃」に降温するまでに、下型20がプレス量「45.0mm」に到達していない場合でも、所定の警告処理を行わない。これにより、成形素材が所定の温度まで急冷される。
以上で、図3に示す制御条件テーブルを用いた場合における成形装置の動作が終了し、他の終了処理が適切に行われた後に、成形された光学素子が成形装置から取出される。
(成形履歴表示)
次に、図5を参照しながら、図2に示す制御条件テーブルを用いる場合を一例として、履歴データに基づく成形履歴表示について説明する。
次に、図5を参照しながら、図2に示す制御条件テーブルを用いる場合を一例として、履歴データに基づく成形履歴表示について説明する。
図5には、成形履歴表示の一例が示されている。成形履歴表示では、横軸に時間軸t(秒)が設けられ、縦軸に各種パラメータの値を表す数量軸D1、D2、D3が設けられている。縦軸には、数量軸D1により成形型(上型)の温度(℃)、数量軸D2によりプレス圧(kN)、および数量軸D3によりプレスストローク(mm)が各々に表されている。なお、数量軸により、例えば、冷却ガスの供給量など、他のパラメータが表されてもよい。
図5には、互いに異なる2つの成形バッチに関して、成形型の温度D1、プレス圧D2、およびプレスストロークD3の時系列変化を表す履歴データA、Bが示されている。ここで、例えば、履歴データAが成形工程の管理に用いられる標準履歴データを表し、履歴データBが任意の成形バッチに関する履歴データを表している場合を想定する。なお、2つの履歴データA、Bは、例えば、互いに異なる成形バッチに関するデータの組合せ、互いに異なる成形装置による成形バッチに関するデータの組合せなどでもよい。また、成形履歴表示では、2つ以上の成形バッチに関する履歴データが表示されてもよい。
2つの履歴データA、Bは、各々の成形バッチの開始時点を基準(t=0)として、時系列的に表示されている。なお、図5には、標準となる履歴データAに関して、各成形工程の区分が示されている。ここで、2つの履歴データA、Bは、パージ開始時点からの経過時間で表示されているので、例えば、加熱、プレス、冷却などの各成形工程に関して互いに時間軸方向にズレた状態で表示されている。
複数の履歴データA、Bの時間軸方向のズレは、例えば、成形バッチの開始時点での成形型の温度、成形素材として用いる硝材の熱特性、成形装置の周辺温度、冷却ガスの温度、成形装置間での構成ユニットまたは装置全体の特性などに応じて、各工程の所要時間にバラツキが生じることに起因している。
そして、成形バッチ毎で各工程の所要時間にバラツキが生じることにより、成形バッチ毎で各成形工程の開始時点が異なることになり、結果として、ユーザは、特定の成形工程を対象として複数の履歴データA、Bを重ねた状態で視覚的に比較することが困難となる。
上記のような問題点を解消するために、本実施形態に係る成形履歴表示システム100では、成形工程に関する所定の制御パラメータの時系列変化を各々に表す複数の履歴データを、基準時点となる特定の成形工程の開始時点または終了時点を基準として時系列的に重合せて表示する。
(成形履歴表示システム)
以下では、図6を参照しながら、本実施形態に係る成形履歴表示システムの動作手順について説明する。
以下では、図6を参照しながら、本実施形態に係る成形履歴表示システムの動作手順について説明する。
図6には、表示システム100により処理される、互いに異なる成形バッチに関する2つの履歴データA、Bの一例が基準信号CTLとともに示されている。図6に示す履歴データは、パラメータ(成形型の温度D1、プレス圧D2、プレスストロ−クD3)の時系列変化を表している。
パラメータの時系列変化は、プレス成形のバッチ処理の進行に従って、所定の周期で成形装置から順次出力され、例えば、A/D変換など所定の処理を施され、表示システム100により取得されてサンプリングされる。ここで、履歴データに関して、成形装置からの出力周期が、表示システム100によるサンプリング周期と異なる場合には、サンプリング周期に応じたサンプリング処理が行われる。なお、以下では、出力周期およびサンプリング周期がいずれも1秒である場合を想定して説明する。
取得された履歴データは、取得(出力)順序に従って履歴データ記憶部122に記憶される。なお、図6では、説明の便宜上、成形バッチの開始時点からの時間経過を表す時系列番号t(t=1秒とする。)を用いて、パラメータの時系列変化を表している。時系列番号tは、パラメータの取得順序を表すために用いられており、履歴データが取得順序に従って記憶されている場合には、データとして履歴データ記憶部122に記憶される必要はない。
履歴データは、基準信号CTLに関連付けて記憶される。基準信号CTLは、プレス成形のバッチ処理の進行に従って、各成形工程の開始時点および/または終了時点に成形装置から出力され、表示システム100により取得される。基準信号CTLは、成形装置によって、履歴データの出力周期と同一の周期で出力の必要性が判定され、必要に応じて出力される。出力された基準信号は、表示システム100によって、同一時点に取得された履歴データに関連付けて記憶される。
基準信号CTLは、各成形工程の開始時点もしくは終了時点の有無として出力されてもよく、または、各成形工程の開始時点もしくは終了時点に応じて異なる形式で出力されてもよい。すなわち、前者の場合には、成形装置と表示システム100との間で、成形バッチに含まれる成形工程に関する情報が共有されており、各成形工程の開始時点もしくは終了時点の有無を表す、例えば、2値表示のフラグ情報(例えば、開始/終了時点に該当する場合に“1”、該当しない場合に“0”)が成形装置から出力される。後者の場合には、各成形工程の開始時点もしくは終了時点に応じて、例えば、各成形工程の種類を表す情報(例えば、パージ工程、昇温工程の開始時点に該当する場合に“1”、“2”など)が成形装置から出力される。
なお、図6は、前者の場合に該当し、各成形工程の開始時点を表す基準信号が、フラグ情報“1”として示されている。表示システム100では、制御部140によって、基準信号を取得した場合には“1”、取得しない場合には“0”が、履歴データと時系列的に関連付けて、履歴データ記憶部122に記憶される。例えば、図6に示す履歴データAでは、パージ工程の開始時点(t=0)、昇温工程の開始時点(t=120)、均熱工程の開始時点(t=320)、プレス工程の開始時点(t=380)、徐冷工程の開始時点(t=570)、急冷工程の開始時点(t=800)、成形バッチの終了時点(t=1000)を表す基準信号CTLが出力されている。
ここで、図5に示すように、履歴データBに対応する成形バッチでは、昇温工程の開始時点における成形型の温度(20℃)が基準温度(120℃)よりも低く、標準履歴データに比して、昇温工程の所要時間が延長されている。なお、以下では、特定の成形工程の所要時間が延長されている場合について説明するが、所要時間が短縮されている場合についても同様に説明される。
よって、図6に示す履歴データBでは、パージ工程の開始時点(t=0)、昇温工程の開始時点(t=120)、均熱工程の開始時点(t=370)、プレス工程の開始時点(t=430)、徐冷工程の開始時点(t=620)、急冷工程の開始時点(t=850)、成形バッチの終了時点(t=1050)を表す基準信号CTLが出力されている。
結果として、プレス工程の開始時点を表す基準信号は、履歴データAでは、t=320の時点で記憶されているが、履歴データBでは、t=370の時点で記憶されている。よって、履歴データBは、プレス工程の開始時点を表す基準信号を基準とした場合に、履歴データAに比して、履歴データが時間軸の経過方向にt=50だけズレた状態で記憶されていることになる。このため、表示システム100は、成形バッチ毎に異なる各成形工程の開始時点を調整するために、以下のような処理を行う。
まず、表示システム100は、基準時点指定部112によって、ユーザにより指定された基準時点を取得する。ここで、基準時点は、パージ工程、加熱(昇温もしくは均熱)工程、プレス工程、冷却(徐冷もしくは急冷)工程のうちいずれかの成形工程の開始時点または終了時点として指定される。なお、以下では、基準時点としてプレス工程の開始時点が指定された場合を想定する。また、基準時点は、ユーザにより指定される代わりに、例えば、プリセット値などとして、表示システム100により予め設定されていてもよい。
次に、表示システム100は、履歴データ処理部142によって、図6に示す、履歴データA、Bおよび基準信号を履歴データ記憶部122から読出す。
そして、表示システム100は、履歴データ処理部142によって、履歴データA、Bをプレス工程の開始時点を表す基準信号を基準として時系列的に重合せる。具体的には、履歴データA、Bの間におけるプレス工程の開始時点に関するズレ(t=50に相当する。)を解消するために、履歴データBに対応する成形バッチの開始時点をt=−50に設定することによって、履歴データBを時間軸の基準方向にt=50に相当する分だけシフトさせた履歴データB’を定義する。
最後に、表示システム100は、履歴データ表示部132によって、履歴データAと履歴データB’とを時系列的に重ねて表示する。すなわち、履歴データAの成形バッチの開始時点をt=0、履歴データBの成形バッチの開始時点をt=−50に設定した状態(履歴データB’に相当する。)で、図7に示すように、履歴データA、Bを時系列的に重合せて表示する。
図7に示す成形履歴表示では、複数の成形バッチに関する所定の制御パラメータの時系列変化を各々に表す履歴データA、Bが、プレス工程の開始時点を基準として時系列的に重合せて表示されている。これにより、履歴データA、Bがプレス工程の開始時点を基準として時系列的に重合せて表示されるので、ユーザは、プレス工程を対象として履歴データA、Bを視覚的に容易に比較することができる。
これにより、ユーザは、プレス工程において、例えば、製造・搬入ロットにより変動する硝材の熱特性に応じて、成形型の温度、プレス圧、プレスストロークなどの制御条件の適否を判断し、判断結果を成形工程の管理に用いることができる。
以上では、プレス工程を基準として、複数の履歴データを重合せて表示する場合について説明した。しかし、本実施形態に係る表示システム100は、プレス工程の代わりに、パージ工程、加熱(昇温もしくは均熱)工程、冷却(徐冷もしくは急冷)工程を基準として、履歴データを重合せて表示してもよい。
これにより、ユーザは、パージ工程においては、例えば、不活性ガスの供給量などの制御条件の適否を判断することができる。また、ユーザは、加熱工程においては、例えば、工程開始時点での成形型の温度、硝材の熱特性、成形装置の周辺温度などに応じて、成形型の温度などの制御条件の適否を判断することができる。また、ユーザは、冷却工程においては、硝材の熱特性、成形装置の周辺温度、冷却ガスの温度などに応じて、冷却ガスの供給量などの制御条件の適否を判断することができる。そして、ユーザは、得られた判断結果を成形工程の管理に用いることができる。
さらに、ユーザは、成形装置間での構成ユニットまたは装置全体の特性などに応じて、各種の制御条件の適否を判断し、判断結果を成形工程の管理に用いることができる。また、ユーザは、各種パラメータの履歴データに応じて、構成ユニットまたは装置全体の動作状態(劣化、損耗など)を判断し、判断結果を成形装置の維持管理に用いることができる。また、ユーザは、成形履歴表示により得られた判断結果を、他の成形バッチまたは他の成形装置に適応することで、各成形工程に関する制御条件の最適化を図り、生産工程を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る成形履歴表示システム100によれば、成形工程に関する所定の制御パラメータの時系列変化を各々に表す複数の履歴データが、基準時点となる特定の成形工程の開始時点または終了時点を基準として時系列的に重合せて表示される。これにより、ユーザは、特定の成形工程を対象として複数の履歴データを視覚的に容易に比較することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、成形履歴表示システム100(表示システム)が、成形装置と別体として構成され、成形装置に接続されて用いられる場合について説明した。しかしながら、本願発明は、表示システムが、成形装置と一体的に構成されて用いられる場合についても同様に適用可能である。この場合、成形装置と表示システムとの間では、制御部、入力部、出力部が各々に一体的に構成されてもよい。
100 成形履歴表示システム
112 基準時点指定部
114 履歴データ取得部
116 基準信号取得部
122 履歴データ記憶部
132 履歴データ表示部
142 履歴データ処理部
112 基準時点指定部
114 履歴データ取得部
116 基準信号取得部
122 履歴データ記憶部
132 履歴データ表示部
142 履歴データ処理部
Claims (6)
- 一連の成形工程を処理する光学素子成形装置により生成され、成形工程に関する所定の制御パラメータの時系列変化を各々に表す複数の履歴データを、基準時点として指定された成形工程の開始時点または終了時点を基準として時系列的に重合せて表示することを特徴とする、光学素子成形装置用の成形履歴表示システム。
- 前記基準時点は、パージ工程、加熱工程、プレス工程、冷却工程のうちいずれかの成形工程の開始時点または終了時点として指定されることを特徴とする、請求項1に記載の光学素子成形装置用の成形履歴表示システム。
- 前記複数の履歴データは、少なくとも2つ以上の前記光学素子成形装置により生成されたデータであることを特徴とする、請求項1または2に記載の光学素子成形装置用の成形履歴表示システム。
- 前記基準時点を指定するための基準時点指定部と、
前記履歴データを取得する履歴データ取得部と、
各成形工程の開始時点および/または終了時点を表す基準信号を取得する基準信号取得部と、
前記取得した履歴データを前記取得した基準信号と時系列的に関連付けて記憶する履歴データ記憶部と、
前記取得した複数の履歴データを、前記指定された基準時点を表す基準信号を基準として時系列的に重合せる履歴データ処理部と、
前記重合せた複数の履歴データを表示する履歴データ表示部と、
を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子成形装置用の成形履歴表示システム。 - 前記光学素子成形装置の外部に設けられたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子成形装置用の成形履歴表示システム。
- 前記光学素子成形装置の内部に設けられたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子成形装置用の成形履歴表示システム。
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