JP2009113330A - インクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 顔料インクと該顔料インクと相反応する染料インクを搭載した記録ヘッドと、該相反応するインクを同時に一括吸引回復する共通キャップとで構成したインクジェット記録装置において、該キャップ内でインクが増粘、堆積することを防止する。
【解決手段】 顔料ブラックインク吐出口部1Aaと、顔料ブラックインクと相反応する染料カラーインク吐出口部1Baと、顔料ブラックインク吐出口部1Aaと染料カラーインク吐出口部1Baを同時に一括吸引回復する際に用いる内部に吸収部材9を備えたキャップ4と、予備吐出されたインクを受けて貯留する予備吐出受け手段16とを備える。顔料ブラックインク吐出口部1Aaから行う全ての予備吐出は予備吐出受け手段16に、染料カラーインク吐出口部1Baから行う全ての予備吐出はキャップ内に吐出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被記録材上に高品位を得ることができるインクジェット記録装置に関し、詳しくは、インクの吐出の際に被記録材上でブラックインクとカラーインクを反応させて固着させるインクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法、および記録装置に関するものである。
インクジェット記録装置には、被記録材の搬送方向と交差する方向に主走査しながら記録していくシリアル型の記録装置と被記録材の所定幅の範囲をカバーするように定位置に保持された所定長さの記録ヘッドを用いて記録するライン型の記録装置とに大別できる。本発明はシリアル型の記録装置において適用可能なものである。シリアル型のインクジェット記録装置においては、通常、被記録材を所定の記録位置にセットした後、被記録材に沿って移動するキャリッジ上に搭載した記録ヘッドによって画像を記録し、所定量の紙送りを実行することにより被記録材に画像が形成される。
上記インクジェット記録装置においては、記録動作によって記録ヘッドのヘッド面にインク滴、ごみ、ほこり、紙粉等の異物が付着することがあり、これらの異物を除去するためにワイピング部材でヘッド面を摺擦して拭き取るワイピングが行われている。前記ワイピング部材としては、通常、ゴム状弾性材から成るゴムブレード等の可撓性部材が使用される。また、記録ヘッドの吐出口近傍のインクが乾燥し、インクの増粘、固着により吐出口の目詰まりが生じることがある。さらに、吐出口内部に発生した気泡やゴミ等によっても吐出口の目詰まりが生じることがある。これらの目詰まりを回復する方法として、例えば、キャップを用いてインクの吐出口部に密閉系を形成し、ポンプを用いて吐出口面に所定の負圧吸引力を発生させることにより吐出口よりインクを強制的に排出するという吸引回復方法が採られている。また、吸引回復によってヘッド面に付着したインクを除去するために、ワイピング部材により該ヘッド面をワイピングすることも行われている。
図2及び図3を用いて、従来のインクジェット記録装置のヘッド回復装置及びヘッド回復方法について説明する。図2は従来のインクジェット記録装置のヘッド回復装置を前面方向から見て示す模式的正面図であり、図3は図2のヘッド回復装置を側面から見て示す模式的側面図である。図2及び図3において、1Aはブラックの顔料インクを吐出するブラックヘッド(顔料ブラックインクヘッド)であり、1Bはカラー(例えばシアン、マゼンタ、イエロー)の染料インクを吐出するカラーヘッド(染料インクヘッド)である。2はブラックヘッド1A及びカラーヘッド1Bを位置決め保持する主走査キャリッジであり、3は記録方向である矢印A方向に往復移動可能な状態で主走査キャリッジ2を案内保持する主走査レールである。さらに、4Aはブラックヘッド1Aの吐出口部1Aaに密閉系を形成する顔料ブラックインクヘッド用のキャップであり、4Bはカラーヘッド1Bの吐出口部1Baに密閉系を形成する染料インクヘッド用のキャップである。これらのキャップ4A、4Bは、不図示の駆動源によりキャッピング方向(矢印B方向)及び非キャッピング方向(矢印C方向)に移動可能に不図示のホルダ部材に位置決め保持されている。
図2及び図3において、前記キャップ4A、4Bのそれぞれの内部には、インクを吸収保持するためのキャップ吸収部材9A、9Bが設けられている。また、吐出口部1Aa、1Baにインクが増粘して固着堆積することを防止するために、記録中でも、これらの吐出口から所定の時間間隔でキャップ吸収部材9A、9Bに対して予備吐出が行われる。
5Aはブラックヘッド用の吸引ポンプであり、5Bはカラーヘッド用の吸引ポンプである。キャッピング状態で吐出口部1Aa、1Baに所定の負圧を発生させ、第1チューブ6A、6Bを介して吐出口部1Aa、1Baより強制的にインクを吸引し、吸引したインクを第2チューブ7A、7Bを介して廃インク処理部材8へ排出する吸引回復を行う。吸引回復後は吐出口内に混色インクが残り、該混色インクを排出するために予備吐出を行う。
10Aはブラックヘッド用のワイピング部材であり、10Bはカラーヘッド用のワイピング部材であり、これらのワイピング部材はウレタン、ブチル、シリコン等のゴム部材又は多孔質のスポンジ系の材質等で形成されている。ワイピング部材10A、10Bは不図示の駆動源により矢印D及び矢印Eの方向に移動可能であり、矢印D方向の移動により吐出口部1Aa,1Baを含むヘッド面に摺擦して((1)→(2)→(3)点線部)ワイピングを行う。ワイピングが終了した後さらに矢印D方向に移動すると、ワイピング部材10A、10Bはクリーナ11A、11Bに当接する((4)点線部)。この当接により、ヘッド面から掻きとられてワイピング部材10A、10Bに付着したインク滴、ごみ、ほこり、紙粉等は、対応するクリーナ11A、11Bに転写されることで回収される。この時、キャップ4A、4Bは、不図示の駆動源により矢印C方向に後退し、ワイピング手段のワイピング部材10A、10Bと干渉しない位置(不図示)まで退避している。また、ワイピング後の不吐を解消するために予備吐出を行う。
以上のように、印字中、吸引回復後、ワイピング後に予備吐出を行うインクジェット記録装置が一般的である。この予備吐出はブラックヘッド1Aの吐出口部1Aaから行う予備吐出はブラックインクヘッド用のキャップ4A内に、カラーヘッド1Bの吐出口部1Baから行う予備吐出はカラーインクヘッド用のキャップ4Bへ同時に所定吐出数だけ行う。
これ以外の予備吐出として、記録が終了した段階で、記録ヘッドからキャップに一定量のインク滴を吐出させてから該記録ヘッドをキャッピングするように構成されたインクジェット記録装置が提案されている(特許文献1参照)。この手段によれば、キャッピング状態で長期間放置する場合でも、記録手段の吐出口及びその近傍の乾燥を防止することで、記録再開時の記録手段の回復動作をより経済的、安定的に行うことができる。
しかし、これらの予備吐出において、染料系インクを用いる場合には装置各部における耐久性の問題は生じないが、顔料インクを用いる場合には、インクが増粘したり固着したりするまでの経過時間が染料インクを用いる場合より短い。そのため、顔料インクが顔料ブラックインクヘッド用のキャップ4Aのキャップ吸収部材9A内で増粘、固着堆積し、吸引性能の低下や、堆積物が吐出口に接触して吐出不良を引き起こす等の問題が生じた。そこで、所定の回復動作時には、染料インクヘッドから顔料ブラックインクヘッド用のキャップへ染料インクの予備吐出を行い、固着堆積した顔料インクを、染料インクを用いて溶解させ吸引する手段が提案されている(特許文献2参照)。
また、高記録品位の要求に応じた記録ヘッドの構成として、例えば、色材として顔料を用いたインク組成物とこのインク組成物中の色材を不安定化させる反応液とを使用し、2液の反応を利用して色材を凝集させ、ブリードを抑制するインクが提案されている(特許文献3)。また、色材として顔料を用い、更にインク中に特定の塩を含有させ、ブリードを抑制するインクおよびインクセットも提案されている(特許文献4参照)。このような、反応性のインクを搭載した場合、例えば、相反応するインクを分けた個別のキャップを設置して、吸引回復及び予備吐出を別キャップで行うような構成が考えられる(特許文献5参照)。この構成では相反応するインクがキャップ内で混合しないので問題は生じない。
特開平2-102058号公報 特開2003-154681号公報 特開2000-63719号公報 特開2000-1988955号公報 特開平8-281968号公報
しかし、特許文献5に示されるように、ブラックとカラー2つの個別キャップを設けるとブラックの吐出口部とカラーの吐出口部の間にキャップしろを確保する必要があるためにヘッドの小型化に制約を受ける。すなわち、この構成ではインクジェットヘッドが大型化してしまうと同時にインクジェットプリンタのコストも増大してしまうという問題がある。そこで、ブラックの吐出口部とカラーの吐出口部を1つの共通キャップで密閉するような構成であればブラックの吐出口部とカラーの吐出口部の間にキャップしろを確保する必要が無いためによりヘッドの小型化が可能となる。さらには、同一ヘッド、同一記録素子上にブラックの吐出口部とカラーの吐出口部を設ければより小型化、低コスト化が可能となる。
そこで、顔料ブラックインクと顔料ブラックインクと相反応する染料カラーインクを用い、ブラックとカラーの吐出口部を同時に密閉し吸引回復及び予備吐出する共通キャップで構成したインクジェット記録装置で印字検討を行った。その結果、キャップ内に予備吐出された混合インクが乾燥することで増粘、堆積して印字不良を引き起こす問題が生じた。
以下、図4及び図5を用いてこれを詳細に説明する。ヘッド1には、顔料ブラック、染料シアン、染料マゼンタ、染料イエローの4種類のインクを搭載している。また、顔料ブラックの色材は自己分散顔料であり、染料イエローインクが顔料ブラックインクと相反応するインクである。ここで、本件で適用している相反応するインクについて以下言及しておく。本発明者が、画像濃度やブリード性能など画像性能の一層の向上を目指しつつ、インクの改良に関して鋭意検討した結果、水分蒸発等で瞬時に分散安定性が低下したり粘度が上昇したりするインクほど、高い画像性能が得られることがわかった。この粘度増加は、アニオン−カチオンの静電気的な中和反応とは異なり、急速な凝集反応ではないのでインク液中の水分量が減少した場合にのみ大きな効果を発揮するものである。よって、顔料インクを吐出する吐出口列と染料インクを吐出する吐出口列が一体となったヘッドを吸引回復しても、顔料と染料の混合インクは増粘、析出、固着は生じない。すなわち、水分の蒸発や拡散による乾燥が進行しなければ、分散安定性が低下せず混合インクは低粘度に保たれ吸引回復になんら不具合をもたらすことはない。ここで搭載している顔料ブラックと染料イエローインクが上述したような相反応インクである。
記録素子12には吐出口部1Aa(ブラック)、1Ba(カラー)が各色256ノズル配列され、1ノズル/1発あたり約5ngの各インクが吐出される。このインクジェット記録装置で連続印字耐久試験を行った。印字中は約5秒毎にホームポジションにあるキャップ4内に全色全ノズルから15発の予備吐出を行うことでノズル内のインクが乾燥することによる吐出不良を防止している。1枚印字中に全色合計約0.2mgのインクがキャップ内に吐出される。そして、17枚印字が終了した後に吸引ポンプ5を駆動させて空吸引することでキャップ内に溜まったインクを廃インク処理部材8に排出する。17枚印字するのに要する時間は約15分である。この印字動作を繰り返し続けて行ったところ図5(c)のようにキャップ内に増粘物が堆積し、ヘッド1にキャップ4を当接させるキャッピング状態時に前記増粘物が吐出口部に付着してしまい印字不良を引き起こす問題が生じた。これは、図5(a)のように予備吐出された顔料ブラックインクと顔料ブラックインクと相反応する染料イエローインクがキャップ内で混合した状態で空吸引されるまでの間放置され、図5(b)のようにその間に水分が蒸発する過程で増粘物が形成される。本検討では、空吸引が実行される1サイクルの間隔は約15分なので、1サイクルで形成される増粘物は僅かでも繰り返し数百枚印字を行うと徐々に増粘物が蓄積、堆積して図5(c)のようにキャップ上面部まで到達する。以上の課題は、顔料ブラックインクと相反応する染料インクが少なくとも1色あり、同一キャップに予備吐出を行う構成であれば色の配列によらず発生した。また、本検討では印字中にキャップ内に予備吐出を行ったことで問題が起きたが、背景技術で挙げた、吸引回復後予備吐出、ワイピング後予備吐出、キャッピング前予備吐出を図4の構成で行うと同様の問題が生じる。すなわち、キャップ内に相反応するインク同士が混合して貯留された状態で乾燥するような構成において増粘物が形成され上記問題が起きる。また、吸引回復は顔料ブラックインクと染料カラーインクを同一キャップで行っているが、吸引回復後にキャップ内に残存する混合インクは極僅かであり乾燥した場合でもインクが増粘、堆積して吸引性能低下や吐出不良を引き起こすまでには至らない。また、染料イエローインクを顔料ブラックと相反応しないインクに変えて同様の実験を行うと増粘物が形成されず上記のような問題は生じなかった。ここで、顔料ブラックと相反応しないインクとは顔料ブラックインクと混ぜて粘度を測定した場合に、その粘度が両単独インクの粘度のいずれよりも高くならないようなインクである。これはすなわち、非反応インクでは上記問題は発生しないことを示している。
上記課題を解決するために、顔料ブラックインクと染料カラーインクが互いに非反応性のインクを用いて、顔料インクと、染料インクの吐出口部が一体となったヘッド及び同一キャップで吸引回復、予備吐出すれば、増粘、固着を防止することが可能である。しかし、顔料ブラックと染料カラーインク間でブリードが生じてしまうという問題が生じる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、顔料インクと顔料インクと相反応する染料インクを同時に一括吸引回復する共通キャップで構成した場合においても上記問題を解決することである。そして、より信頼性の高い、安価なインクジェット記録装置を提供することである。
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、ブラックインクを吐出するブラックインク吐出口部と、ブラックインクと相反応するカラーインクを吐出するカラーインク吐出口部と、該ブラックインク吐出口部と該カラーインク吐出口部を同時に一括吸引回復する際に用いる内部に吸収部材を備えたキャップと、画像形成とは無関係に該ブラックインク吐出口部及び該カラーインク吐出口部から前記インクを吐出する予備吐出を行う手段と、該予備吐出されたインクを受けて貯留する予備吐出受け手段とを備えたインクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法であって、前記ブラックインク吐出口部から行う予備吐出は前記予備吐出受け手段に、前記カラーインク吐出口部から行う予備吐出は前記キャップ内に吐出することを特徴とするインクジェット記録ヘッド回復方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために請求項2の発明は、前記ブラックインクの色材は顔料、前記カラーインクの色材は染料であるインクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために請求項3の発明は、該予備吐出受け手段のインクを受ける部分には吸収部材が具備されていないインクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために請求項4の発明は、記録ヘッドには1つの記録素子を備えており、前記ブラックインク吐出口部と前記カラーインク吐出口部は該1つの記録素子に配列されているインクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために請求項5の発明は、ブラックインクを吐出するブラックインク吐出口部と、ブラックインクと相反応するカラーインクを吐出するカラーインク吐出口部と、該ブラックインク吐出口部と該カラーインク吐出口部を同時に一括吸引回復する際に用いる内部に吸収部材を備えたキャップと、画像形成とは無関係に該ブラックインク吐出口部及び該カラーインク吐出口部から前記インクを吐出する予備吐出を行う予備吐出手段と、該予備吐出されたインクを受けて貯留する予備吐出受け手段とを備えたインクジェット記録装置であって、前記ブラックインク吐出口部から行う予備吐出は前記予備吐出受け手段に、前記カラーインク吐出口部から行う予備吐出は前記キャップ内に吐出することを特徴とするインクジェット記録装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために請求項6の発明は、前記ブラックインクの色材は顔料、前記カラーインクの色材は染料であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために請求項7の発明は、該予備吐出受け手段のインクを受ける部分には吸収部材が具備されていないことを特徴とする請求項5又は、請求項6に記載のインクジェット記録装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために請求項8の発明は、記録ヘッドには1つの記録素子を備えており、前記ブラックインク吐出口部と前記カラーインク吐出口部は該1つの記録素子に配列されていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載のインクジェット記録装置を提供するものである。
本発明によれば、顔料ブラックインクの予備吐出は予備吐出受け手段に、顔料ブラックインクと相反応する染料インクの予備吐出はキャップ内に相反応するインクが混合しないように分離して予備吐出を行うので、キャップ内のインクが乾燥しても増粘、堆積しない。よって、ブリード性能等の画像品位を向上できる前記相反応するインクを搭載しても容易に吸引性能低下、吐出不良を防止できる。さらには、顔料ブラックインクと顔料ブラックインクと相反応する染料インクを同時に一括吸引回復する共通の1つのキャップとしたので記録ヘッド及びインクジェット記録装置の小型化、低コスト化が可能となる。また、キャップ内に予備吐出するインクは単独インクで乾燥時に増粘、堆積しにくい染料インクを吐出するので、キャップ内にインクを貯留した状態でキャッピングを行い長期放置してもキャップ内で増粘、堆積は起きない。よって、吐出不良や吸引性能低下を起こすことなく吐出口内のインクの乾燥を防止し、記録再開時の記録手段の回復動作をより経済的、安定的に実行できる。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1(a)、図1 (b)は本発明を適用した実施例1のインクジェット記録装置の概略構成を示す模式的断面図である。図1(a)、図1 (b)において、主走査キャリッジ2にはブラック顔料インクとシアン、マゼンタ、イエローの染料インクを一体的に搭載した記録ヘッド1が位置決めされて搭載されている。これらのインクは解決しようとする課題で挙げたインクと同じであり、顔料ブラックの色材は自己分散顔料で、染料イエローインクが顔料ブラックインクと相反応するインクである。このような、顔料ブラックインクおよび顔料ブラックインクと相反応する染料カラーインクについて、以下詳細に説明する。
ブリード性能を向上させた顔料ブラックインクとしては、例えば、色材として、親水性を有する官能基を直接若しくは他の原子団を介して結合している自己分散顔料(カーボンブラック等)を用い、さらに複数の水溶性有機溶剤として少なくとも1種類が、この顔料の分散安定性を低下させる特性を有する貧溶媒である水溶性有機溶剤を用いたものである。上記のようなインクを記録媒体に付与した場合、水分が蒸発するにつれ顔料に対する貧溶媒の比率が高まるため、記録媒体の上層部で顔料同士が凝集し始める。その結果、単体としても周辺に他のインクがあってもブリードを抑制できる効果がある。さらに顔料ブラックインクの色材としては、顔料表面に結合させる親水性を有する基の顔料表面に対し高密度とした顔料を色材として使用する場合、色材構造による立体障害の影響により、従来の自己分散顔料に比べてインク中の溶剤が顔料と溶媒和しにくくなり、わずかな水分蒸発で顔料の分散安定性が低下する傾向を示す。その結果、ブリードをより緩和させる効果がある。
なお、本件で述べている貧溶媒とは、「判定しようとする溶媒50質量%程度を含み、且つインクに用いる色材を分散状態で含む顔料分散液を、60℃で、48時間保存したときの当該液体中の粒子径が、判定しようとする溶媒を含まない、もしくは少量含み、かつ当該インクに用いる水不溶性色材を分散状態で含む顔料分散液の粒径と比較して大きい」とういう特性を示す溶媒である。
更に、水の蒸発に伴い増粘や粒径が増大するインク、より具体的には、液体から水分が40%蒸発した時に、蒸発前後での平均粒径が25%以上変化してしまうインクなどはブリードをより緩和させることが可能となる。
また、顔料ブラックインクと染料カラーインクを混ぜて粘度を測定した場合に、その粘度が顔料ブラックインクと染料カラーインクの粘度のいずれよりも高くなるようなインクであるような場合にはブリードをより緩和させる効果がある。このような染料カラーインクの例を示す。例えば、染料カラーインク中に、顔料ブラックインク中に含まれる顔料に対する貧溶媒となる溶剤を含有させた場合、さらには、色材として端部にベンゼン環を有する構造をもつ色材を少なくとも色材として有するインク等が挙げられる。端部にベンゼン環を有する構造をもつ色材は、一般的に顔料へ吸着しやすい性質を持つ。このような染料カラーインクが顔料インクと混合した場合、顔料の分散安定性を阻害する。本件では、このような染料インクのことを顔料ブラックインクと相反応する染料カラーインクと表現している。
顔料ブラックインクと相反応するインクの色材の具体例として以下の構造式(1)、構造式(2)で示す色材が挙げられる。
Figure 2009113330
(構造式(1)中、R1は、水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノもしくはジアルキルアミノアルキル基、またはシアノ低級アルキル基を示し、Yは、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、またはモノもしくはジアルキルアミノ基(アルキル基上にスルホ基、カルボキシル基、およびヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい)を示し、R2、R3、R4、R5、R6は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、またはカルボキシル基(但し、R2、R3、R4、R5、R6のすべてが水素原子である場合を除く。)を示す。)構造式(1)で表される化合物の具体例としては、遊離酸の形で下記の構造となる例示化合物が挙げられ、特にM7の例示化合物が好ましく用いられる。
Figure 2009113330
Figure 2009113330
(構造式(2)中、l=0〜2、m=1〜3、n=1〜3、但し、l+m+n=3〜4であり、置換基の置換位置は、4もしくは4’位を表し、Mはアルカリ金属またはアンモニウムを示し、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、スルホ基、またはカルボキシル基(但し、R1、R2は、同時に水素原子となる場合を除く。)を示し、Yは、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、またはモノもしくはジアルキルアミノ基を示す。)
構造式(2)で示す色材は4−スルホフタル酸誘導体又は、4−スルホフタル酸誘導体と(無水)フタル酸誘導体を金属化合物の存在下に反応させる事で得られるフタロシアニン化合物を原料に用い、スルホン基をクロロスルホン基に変換した後、有機アミン存在下にアミノ化剤を反応させたフタロシアニン化合物、すなわち、構造式(2)中の4及び4’位置(構造式(2)中のR2、R3、R6、R7、R10、R11、R14、R15)に限定して無置換スルファモイル基(−SO2NH2)と置換スルファモイル基(下記構造式(3))を導入したフタロシアニン化合物であるという特徴を持ち、かかる化合物を色材として用いたインクが極めて耐環境ガス性が優れている。
Figure 2009113330
構造式(3)で表される化合物の具体例としては、遊離酸の形で下記の構造となる例示化合物が挙げられ、特にC1の例示化合物が好ましく用いられる。
Figure 2009113330
上記のような特性を有する顔料ブラックインク及び、染料カラーインクを用いることで、ブリード性能を従来のインクに比べ格段に向上させることが可能となる。
本実施例で使用した顔料ブラックインクと染料イエローインクの作製法を以下説明する。
(ブラックインク用顔料分散体の作製)
5.5gの水に5gの濃塩酸を溶かした溶液に、5℃に冷却した状態で4−アミノ−1,2−ベンゼンジカルボン酸1.5gを加えた。次に、この溶液の入った容器をアイスバスに入れて液を撹拌することにより溶液を常に10℃以下に保った状態とし、これに5℃の水9gに亜硝酸ナトリウム1.8gを溶かした溶液を加えた。この溶液を更に15分間撹拌後、比表面積が220m2/gでDBP吸油量が105mL/100gであるカーボンブラック6gを撹拌下で加えた。その後、更に15分間撹拌した。得られたスラリーをろ紙(商品名:標準用濾紙No.2;アドバンテック製)でろ過した後、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、自己分散型カーボンブラックを調製した。さらに、得られた自己分散型カーボンブラックに水を加えて顔料濃度が10質量%となるように分散させ、分散液を調製した。上記の方法により、カーボンブラック粒子表面に−C63−(COONa)2基が導入されてなる自己分散型カーボンブラックが水中に分散された状態の顔料分散液を得た。
(インクの作製)
・顔料ブラックインクの作製;
上記顔料分散液(35質量部)、グリセリン(7.0質量部)、ジエチレングリコール(6質量部)、フタル酸2アンモニウム(0.5質量部)、アセチレノール(登録商標)E100(川研ファインケミカル社製、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)(0.2質量部)、および水(45.3質量部)を混合し、1時間攪拌した。その後、フィルター(富士フィルム製 FR20)で加圧ろ過し、ブラックインク1を調製した。ブラックインク1の25℃における粘度は2.3mPa・sであった。
・染料イエローインクの作製;
C.I.ダイレクトイエロー132(4質量部)、グリセリン(7質量部)、ポリエチレングリコール600(4質量部)、2−ピロリドン(5質量部)、アセチレノールE100(川研ファインケミカル社製、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)(1質量部)、および水(79質量部)を混合し、1時間攪拌した。その後、フィルター(富士フィルム製 FR20)で加圧ろ過し、イエローインク1を調製した。イエローインク1の25℃における粘度は2.0mPa・sであった。
また、上記、顔料ブラックインクと染料イエローインクとを1:1で混合し、十分攪拌した。その後、その混合液の25℃における粘度を測定したところ、3.0mPa・sであり、2つのインクを混合することで、増粘していることがわかった。
以下、図1(a)、図1(b)を参照して、実施例1のインクジェット記録装置の構成と動作を説明する。主走査キャリッジ2は主走査レール3に沿って往復移動可能に案内支持されており、不図示の駆動源により主走査方向に往復駆動される。記録用紙等の被記録材13は、給紙ローラ(不図示)によって装置本体内に送り込まれ、紙送りローラ(不図示)、排紙ローラ14、拍車15により挟持、紙送りされ、記録情報に基づいて記録ヘッド1を駆動することにより画像を記録する。
記録ヘッド1には顔料ブラックインク吐出口部1Aa及び染料インク吐出口部1Baが配列された記録素子12が設置されている。記録素子12は熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備え、印加される熱エネルギーによってインク内に膜沸騰を生じさせて吐出口よりインクを吐出させる方式のものである。記録方式は、これに限らず例えば圧電方式などどのような吐出方式であっても良い。
主走査キャリッジ2の移動範囲内であって、記録領域を外れた図示の右側端部には、該主走査キャリッジ2のホームポジションが設定されている。前記ホームポジションには、記録ヘッド1のフェイス面(吐出口が形成された面)に当接して顔料ブラックインク吐出口部1Aa及び染料インク吐出口部1Baを同時に密封することが可能なゴム状弾性材のキャップ4を有するキャッピング手段を備えている。また、キャップ4の内部にはキャップ内のインクを吸収、保持するキャップ吸収部材9が設置されており、多孔質材料やスポンジ材料などで形成される。さらに、キャッピング状態で該キャップ4を介して前記吐出口に負圧を発生させる吸引ポンプ5、記録ヘッド1のフェイス面に摺擦してインクやほこり等の付着物を拭き取るためのワイピング部材10とを備えたヘッド回復装置が配設されている。これは、ヘッドの吐出口部1Aa、1Baをキャッピングした状態で吸引ポンプによりキャップ4内に負圧を発生させ、吐出口からインクとともに増粘インク、気泡、固着インク、異物等を吸引して排出除去することでインク吐出性能を回復させるためのものである。この吸引回復は1つのキャップ4で顔料ブラックインク及び染料インクを吸引する構成であるため吸引回復実行中はキャップ4内には相反応する混合インクで満たされる。しかし、吐出口部1Aa及び吐出口部1Baから所望のインクを排出するだけ吸引を行ったら、キャップ内を大気連通してキャップ内のインクを廃インク処理部材8へ排出する。大気連通手段は不図示の大気連通弁等で制御し、一般的なインクジェット記録装置の吸引回復はこのような空吸引動作を行っている。このため、キャップ内に残存する混合インクは極僅かであり乾燥した場合でもインクが増粘、堆積して吸引性能低下や吐出不良を引き起こすまでには至らない。
また、前記ヘッド回復装置と被記録材13が配送される記録領域の間には容器状の予備吐出受け手段が記録ヘッド1のフェイス面に対向する方向に開口されて、インクジェット記録装置本体と一体的に形成されている。この予備吐出受け手段の底面部から記録ヘッド1のフェイス面までの距離はキャップ吸収部材9の上面部から記録ヘッド1のフェイス面までの距離と比べて十分に大きい。背景技術で示した図2及び図3と異なる構成は、顔料ブラックと染料インクが同一ヘッドに搭載、各吐出口部が同一記録素子に配列、キャップ、吸引ポンプ、チューブ、ワイピング部材、クリーナが顔料ブラックインク、染料インク共通の1つの部材で構成され、予備吐出受け手段を設置している点である。また、キャッピング動作、吸引回復動作、ワイピング動作等は図2、図3の背景技術で示した動作と同様に動作する。
本発明の特徴とするところは、図1のように構成されたインクジェット記録装置において複数種類の予備吐出全てを、染料インクはキャップ4内に、顔料ブラックインクは予備吐出受け手段16に行うことでキャップ内のインク増粘、堆積を防止することである。
本インクジェット記録装置は被記録材へ記録するためにインクを吐出する以外に、吐出口内の増粘インク、気泡、混色インクの排出、吐出口付近の濡れインク、ゴミ等の除去のために予備吐出を行う。本実施例による予備吐出を行うタイミングは大きく分けて3種類あり、以下これを説明する。
予備吐出1(吸引回復後):前回の印字終了からある所定時間経過した時の印字開始前、連続して所定量記録を行った記録中、記録ヘッド交換後、操作パネル上の回復キーを操作したとき等吸引回復動作が行われる。吸引回復動作後は吐出口内に混色インクが残り、該混色インクを排出するために予備吐出を行う。
予備吐出2(ワイピング後):所定量連続印字を行った時の吐出口部付近へのインクミスト付着や吸引回復後に吐出後部付近がインクで濡れることで吐出不良が生じる。これを防止するために、所定のタイミングでワイピングを行う。ワイピング後の不吐を解消するために予備吐出を行う。
予備吐出3(印字中):印字中に吐出口内のインクが乾燥することによる不吐を解消するために所定時間毎に予備吐出を行う。
以上の予備吐出を行う動作方法を図1(a)、図1 (b)を参照して説明する。図1(a)は、本発明による染料インクを予備吐出するときの記録ヘッドの位置、図1(b)は、顔料ブラックインクを予備吐出するときの記録ヘッドの位置を示している。吸引回復後及びワイピング後の予備吐出の動作を説明する。吸引回復またはワイピング後は図1(a)に示すように記録ヘッド1がキャップ4に対向する位置で行われ、各動作終了後ヘッド1のフェイス面とキャップは離れた位置で静止する。この後、シアン、マゼンタ、イエローの各染料インクの吐出口部1Ba全吐出口から所定吐出数の予備吐出を行う。この時、顔料ブラックインクの吐出口部1Aaからの予備吐出は行はない。次に主走査キャリッジ2を移動させて図1(b)に示すように記録ヘッド1が予備吐出受け手段16に対向する位置で静止させる。この後、顔料ブラックの吐出口部1Aaから所定吐出数の予備吐出を行う。この時、染料インクの吐出口部1Baからの予備吐出は行はない。また、印字中予備吐出も図1(a)、図1 (b)と同様の位置で実行する。本実施例では、印字時間を短縮するために図1(b)で予備吐出を行う時はキャリッジを静止させずに移動させながら所定吐出数予備吐出受け手段に吐出する。以上のようにキャップ内に予備吐出を行い、所定量以上のインクがキャップ内に貯留されるとキャッピングしない状態で吸引ポンプを駆動させてキャップ内のインクを廃インク処理部材へ排出する。また、印字終了後はキャップ内に所定量以下のインクが貯留された状態でキャッピングを行い次回の印字まで待機する。これにより、キャップ内は保湿されて吐出口内のインクの蒸発を抑制できるので記録再開時の記録手段の回復動作をより経済的、安定的に実行することができる。上述したように予備吐出を行うので、キャップ内には非反応であるシアン、マゼンタ、イエローの染料インクのみの混合インクが貯留される。そして、キャップ内の混合インクの揮発成分が蒸発した場合においてもキャップ内に増粘、堆積物は生成されないので吸引性能低下やキャッピング時に記録ヘッドのフェイス面に増粘物が付着することによる吐出不良は生じない。また、揮発成分が蒸発した場合、顔料インク単独が増粘したり固着したりするまでの経過時間は染料インク単独のそれより短いため顔料インクはキャップ内に予備吐出するよりも予備吐出受け手段に行う方が好ましい。本実施例における予備吐出受け手段の底面部から記録ヘッド1のフェイス面までの距離はキャップ吸収部材9の上面部から記録ヘッド1のフェイス面までの距離と比べて十分に大きい。よって、予備吐出受け手段に貯留した顔料ブラックインクが時間経過とともに増粘、堆積しても記録ヘッド1のフェイス面まで到達することは無い。また、予備吐出受け手段の廃インク貯留部に吸収部材等を配置すると吸収部材上で増粘、固着して吸収性能が失われることがあり廃インク収容量が減少するので廃インク吸収部材等は設置しない方が好ましい。予備吐出手段の構成材料や形状は特に限定されるものでなく、例えば、プラスチック部材、金属部材等で予備吐出受け手段のインクを受ける部分を斜面にする等にしても良い。本実施例では、顔料ブラックインクと相反応するインクは染料イエローインクであるが、これに限らず染料シアンでも染料マゼンタでもすべての染料インクでも良い。また、本実施例で挙げた予備吐出は吸引回復後、ワイピング後、印字中に行うものを代表的に挙げたが、本件で適用している予備吐出はこれに限らず、被記録材に記録するために行う吐出以外の全ての吐出を示している。よって、これら全ての予備吐出を上述した方法で実行することで、十分な効果が得られる。
図6(a)、図6 (b)は本発明を適用した実施例2のインクジェット記録装置の概略構成を示す模式的断面図である。また、図6(a)は、染料インクを予備吐出するときの記録ヘッドの位置、図6(b)は、顔料ブラックインクを予備吐出するときの記録ヘッドの位置を示している。
図6(a)、図6 (b)において、図1(a)、図1 (b)と異なる構成は、顔料ブラックヘッド1Aと染料カラーヘッド1Bの2つのヘッドが主走査キャリッジ2に搭載されている。そして、それぞれのヘッドに記録素子12及びブラックヘッド1Aには顔料ブラックインク吐出口部1Aa、染料カラーヘッドには染料インク吐出口部1Baが配列されている。さらに、予備吐出受け手段16は、主走査キャリッジの動作範囲内の記録領域を挟んでホームポジションと反対側に設置されている。
このように、顔料ブラックインク吐出口部1Aaと染料カラーインク吐出口部1Baを同時に一括吸引回復するキャップ4であれば、ヘッドはどのような構成でも適用できる。また、予備吐出受け手段を設置する場所は、主走査キャリッジの動作範囲内で記録領域以外であれば任意の場所で良い。
その他の構成は実施例1で述べた構成と同様であり、また、全ての印字動作、回復動作も実施例1と同様に実行する。予備吐出は以下のように行う。シアン、マゼンタ、イエローの各染料インクの吐出口部1Baからの予備吐出は図6(a)の位置でキャップ4内に行い、顔料ブラックインクの吐出口部1Aaからの予備吐出は行はない。顔料ブラックインクの吐出口部1Aaからの予備吐出は図6(b)の位置で予備吐出受け手段に行い、染料インクの吐出口部1Baからの予備吐出は行はない。
以上により、本実施例によるインクジェット記録装置においても、実施例1と同等の効果が得られる。また、実施例1と実施例2の構成を組み合わせても良く、同等の効果が得られる。
本発明を適用した実施例1のインクジェット記録装置の概略構成を示す模式的断面図 従来のインクジェット記録装置のヘッド回復装置を示す模式的正面図 図2のヘッド回復装置を側面から見て示す模式的側面図 解決しようとする課題を説明する従来のインクジェット記録装置のヘッド回復装置を示す模式的正面図 解決しようとする課題を説明する従来のインクジェット記録装置のヘッド回復装置を示す模式的正面図 側面図本発明を適用した実施例2のインクジェット記録装置の概略構成を示す模式的断面図
符号の説明
1 記録ヘッド(顔料、染料インクヘッド)
1A ブラックヘッド(顔料ブラックインクヘッド)
1B カラーヘッド(染料インクヘッド)
1Aa 顔料ブラックインク吐出口部
1Ba 染料インク吐出口部
2 主走査キャリッジ
3 主走査レール
4 キャップ(顔料、染料インク共通)
4A 顔料ブラックインクヘッド用のキャップ(キャッピング手段)
4B 染料インクヘッド用のキャップ(キャッピング手段)
4Aa、4Ab ヘッド面当接部(キャップAの)
4Ac、4Ad ヘッド面当接部(キャップAの)
5、5A、5B 吸引ポンプ
6、6A、6B 第1チューブ
7、7A、7B 第2チューブ
8 廃インク処理部材
9、9A、9B キャップ吸収部材
10 ワイピング部材(顔料、染料インク共通)
10A 顔料ブラックインクヘッド用のワイピング部材(ワイピング手段)
10B 染料インクヘッド用のワイピング部材(ワイピング手段)
11A、11B クリーナ
12 記録素子
13 被記録材
14 排紙ローラ
15 拍車
16 予備吐出受け手段

Claims (8)

  1. ブラックインクを吐出するブラックインク吐出口部と、
    ブラックインクと相反応するカラーインクを吐出するカラーインク吐出口部と、
    該ブラックインク吐出口部と該カラーインク吐出口部を同時に一括吸引回復する際に用いる内部に吸収部材を備えたキャップと、
    画像形成とは無関係に該ブラックインク吐出口部及び該カラーインク吐出口部から前記インクを吐出する予備吐出を行う予備吐出手段と、
    該予備吐出されたインクを受けて貯留する予備吐出受け手段とを備えたインクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法であって、
    前記ブラックインク吐出口部から行う予備吐出は前記予備吐出受け手段に、前記カラーインク吐出口部から行う予備吐出は前記キャップ内に吐出することを特徴とするインクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法。
  2. 前記ブラックインクの色材は顔料、前記カラーインクの色材は染料であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法。
  3. 該予備吐出受け手段のインクを受ける部分には吸収部材が具備されていないことを特徴とする請求項1又は、請求項2に記載のインクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法。
  4. 記録ヘッドには1つの記録素子を備えており、前記ブラックインク吐出口部と前記カラーインク吐出口部は該1つの記録素子に配列されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録装置の記録ヘッド回復方法。
  5. ブラックインクを吐出するブラックインク吐出口部と、
    ブラックインクと相反応するカラーインクを吐出するカラーインク吐出口部と、
    該ブラックインク吐出口部と該カラーインク吐出口部を同時に一括吸引回復する際に用いる内部に吸収部材を備えたキャップと、
    画像形成とは無関係に該ブラックインク吐出口部及び該カラーインク吐出口部から前記インクを吐出する予備吐出を行う予備吐出手段と、
    該予備吐出されたインクを受けて貯留する予備吐出受け手段とを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記ブラックインク吐出口部から行う予備吐出は前記予備吐出受け手段に、前記カラーインク吐出口部から行う予備吐出は前記キャップ内に吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 前記ブラックインクの色材は顔料、前記カラーインクの色材は染料であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 該予備吐出受け手段のインクを受ける部分には吸収部材が具備されていないことを特徴とする請求項5〜請求項6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 記録ヘッドには1つの記録素子を備えており、前記ブラックインク吐出口部と前記カラーインク吐出口部は該1つの記録素子に配列されていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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