JP2009113263A - 液滴吐出ヘッド及びその製造方法、液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合部に吐出液が浸透することを防止し、液滴吐出ヘッドの耐久性を向上させ、吐出液の種類が制限されない液滴吐出ヘッド及びその製造方法、液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】液体Lを液滴として吐出するノズル開口147が形成されたノズル基板143と、ノズル開口147に連通する液体Lの流路Rが形成された流路基板142と、流路Rの壁面を構成する振動板141と、が積層されて接着剤を介して接合され、ノズル基板143、流路基板142、および前記振動板141の前記液体Lとの接液面143r,142r,141rに液体Lに耐性を有する耐液性膜Cが連続して形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】液体Lを液滴として吐出するノズル開口147が形成されたノズル基板143と、ノズル開口147に連通する液体Lの流路Rが形成された流路基板142と、流路Rの壁面を構成する振動板141と、が積層されて接着剤を介して接合され、ノズル基板143、流路基板142、および前記振動板141の前記液体Lとの接液面143r,142r,141rに液体Lに耐性を有する耐液性膜Cが連続して形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
この発明は、液滴吐出ヘッド及びその製造方法、液滴吐出装置に関するものである。
従来から、ノズルプレートがヘッド本体の先端面にエポキシ樹脂等の接着剤で接着されることに形成されたインクジェットヘッドが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、シリコン基板を液室形成部材に用いて液流路壁面に耐液性薄膜(耐インク薄膜)としての酸化膜や窒化チタン膜を成膜し、シリコンがインクに溶出することを防止すると共に、耐液性薄膜の内部応力によって液室形成部材全体に反りが生じることを防止することができるインクジェット記録装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−223316号公報
特開2003−276192号公報
しかしながら、上記従来の液滴吐出装置では、液滴吐出ヘッドのノズルプレート、液室形成部材等の接合にエポキシ、アクリル等の接着剤を用いるため、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(N-methylpyrrolidone:NMP)、ブチルセロソルブ、γブチルラクトン等の溶剤インク、アルカリ性インク等の吐出液の充填や吐出の際に、接合部に吐出液が浸透して接着剤が膨潤するという課題がある。このため、液滴吐出ヘッドの耐久性が低下して寿命が短くなり、頻繁に交換しなくてはらならないという問題がある。また、接着剤の溶出による吐出液の汚染を防止するために、吐出液の溶媒の種類が制限されるという問題がある。
そこで、この発明は、接合部に吐出液が浸透することを防止し、液滴吐出ヘッドの耐久性を向上させ、吐出液の種類が制限されない液滴吐出ヘッド及びその製造方法、液滴吐出装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明の液滴吐出ヘッドは、液体を液滴として吐出するノズル開口が形成されたノズル基板と、前記ノズル開口に連通する前記液体の流路が形成された流路基板と、前記流路の壁面を構成する振動板と、が積層されて接着剤を介して接合され、前記ノズル基板、前記流路基板、および前記振動板の前記液体との接液面に前記液体に耐性を有する耐液性膜が連続して形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、液体の流路においてノズル基板と流路基板との接合部、および流路基板と振動板との接合部が連続する耐液性膜によって覆われて、各接合部に流路内の液体が接触しなくなる。これにより、各接合部の隙間に流路内の液体が浸入したり、各接合部の流路側に露出した接着剤に液体が接触したりすることが防止される。このため、接着剤に液体が浸透して接着剤が膨潤することを防止でき、液滴吐出ヘッドの耐久性を向上させることができる。また、接着剤が液体から隔離されるので、接着剤の溶出による液体の汚染が防止され、接着剤の材質により吐出できる液体の種類が制限されることがない。
また、本発明の液滴吐出ヘッドは、前記流路に設けられた圧力室の容積を、前記振動板を介して変化させる圧電素子を保持すると共に、前記流路へ前記液体を供給するための液体供給流路が形成されたケーシングを備え、前記振動板に前記ケーシングが接着剤を介して接合され、前記液体供給流路に面する前記ケーシングの表面が、前記振動板の接液面から連続する前記耐液性膜により覆われていることを特徴とする。
このように構成することで、液体供給流路においてケーシングと振動板との接合部が耐液性膜によって覆われて、接合部に流路内の液体が接触しなくなる。これにより、接合部の隙間に液体供給流路内の液体が浸入したり、接合部の流路側に露出した接着剤に液体が接触したりすることが防止される。このため、接合部に液体が浸透して接着剤が膨潤することを防止でき、液滴吐出ヘッドの耐久性を向上させることができる。また、接着剤が液体から隔離されるので、接着剤の溶出による液体の汚染が防止され、接着剤の材質により吐出液の種類が制限されることがない。
また、本発明の液滴吐出ヘッドは、前記耐液性膜が親液性を有する材料により形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、液滴吐出ヘッドの内部の液体に接する部分の濡れ性を向上させ、ノズルから液滴を吐出する際に、液体のメニスカスを整えることができる。これにより、液滴の吐出性能を向上させることができる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドは、前記耐液性膜が撥液性を有する材料により形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、耐液性膜が液体を接合部から隔離する性能が向上し、耐液性膜を薄膜化することができる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドは、前記耐液性膜の膜厚が一分子層以上かつ1μm以下であることを特徴とする。
このように構成することで、耐液性膜が液体の隔離性能を十分に発揮することができ、かつ液体の吐出に影響を及ぼすことを防止できる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、液体を液滴として吐出するノズル開口が形成されたノズル基板と、前記ノズル開口に連通する前記液体の流路が形成された流路基板と、前記流路の壁面を構成する振動板と、を積層させて接着剤を介して接合する組立工程と、前記流路に、耐液性膜材料液を充填する材料液充填工程と、前記耐液性膜材料液を前記流路から排出し、前記ノズル基板、前記流路基板、および前記振動板の前記流路に面する各表面に前記耐液性膜材料液を付着させた状態で、前記耐液性膜材料液を加熱乾燥させて、前記各表面に前記液体に対する耐性を有する耐液性膜を連続させて形成する耐液性膜形成工程と、を有することを特徴とする。
このように製造することで、ノズル基板と流路基板との接合部、および流路基板と振動板との接合部が連続する耐液性膜によって覆われる。このため、液滴の吐出時に流路に液体を充填しても、各接合部に流路内の液体が接触しなくなる。これにより、各接合部の隙間に流路内の液体が浸入したり、各接合部の流路側に露出した接着剤に液体が接触したりすることが防止される。このため、接着剤に液体が浸透して接着剤が膨潤することを防止でき、液滴吐出ヘッドの耐久性を向上させることができる。また、接着剤が液体から隔離されるので、接着剤の溶出による液体の汚染が防止され、接着剤の材質により吐出できる液体の種類が制限されることがない。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記流路に設けられた圧力室の容積を、前記振動板を介して変化させる圧電素子を保持すると共に、前記流路へ前記液体を供給するための液体供給流路を有するケーシングを、前記組立工程において前記振動板に接着剤を介して接合し、前記材料液充填工程において、前記流路と前記液体供給流路に前記耐液性膜材料液を充填し、前記耐液性膜形成工程において、前記液体供給流路に面する前記ケーシングの表面に前記耐液性膜材料液を付着させた状態で、前記耐液性膜材料液を加熱乾燥させて、前記流路に面する前記振動板の表面から前記液体供給流路に面する前記ケーシングの表面まで連続する前記耐液性膜を形成することを特徴とする。
このように製造することで、ケーシングと振動板との接合部が耐液性膜によって覆われる。このため、液滴の吐出時に流路に液体を充填しても、接合部に流路内の液体が接触しなくなる。これにより、接合部の隙間に流路内の液体が浸入したり、接合部の流路側に露出した接着剤に液体が接触したりすることが防止される。このため、接合部に液体が浸透して接着剤が膨潤することを防止でき、液滴吐出ヘッドの耐久性を向上させることができる。また、接着剤が液体から隔離されるので、接着剤の溶出による液体の汚染が防止され、接着剤の材質により吐出液の種類が制限されることがない。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、前記材料液充填工程においてSiを含む前記耐液性膜材料液を用いることを特徴とする。
このように製造することで、耐液性膜形成工程において形成される耐液性膜は、例えば、SiOX等の親液性を有する耐液性膜となる。これにより、液滴吐出ヘッドの内部の液体に接する部分の濡れ性を向上させ、ノズルから液滴を吐出する際に、液体のメニスカスを整えることができる。これにより、液滴の吐出性能を向上させることができる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、耐液性膜形成工程において、フッ素系、シリコーン系、フッ素含有オルガノポリシロキサン系の材料液を用いることを特徴とする。
このように製造することで、耐液性膜形成工程において形成される耐液性膜は撥液性を有する耐液性膜となる。これにより、耐液性膜が液体を接合部から隔離する性能を向上させ、耐液性膜を薄膜化することができる。
また、本発明の液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを備えている。
そのため、液滴吐出ヘッドの接合部に吐出液が浸透することが防止され、液滴吐出ヘッドの耐久性を向上され、吐出液の種類が制限されない液滴吐出装置を提供することができる。
そのため、液滴吐出ヘッドの接合部に吐出液が浸透することが防止され、液滴吐出ヘッドの耐久性を向上され、吐出液の種類が制限されない液滴吐出装置を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、液滴吐出装置10の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、液滴吐出装置(液体噴射装置)10は、ベース31と、基板移動手段32と、ヘッド移動手段33と、液滴吐出ヘッド34と、インク供給部35と、制御装置40とを備えて構成されている。ベース31の上には、基板移動手段32と、ヘッド移動手段33とが設置されている。
また、液滴吐出装置10は、クリーニングユニット53と、キャッピングユニット55とを備えている。
図1は、液滴吐出装置10の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、液滴吐出装置(液体噴射装置)10は、ベース31と、基板移動手段32と、ヘッド移動手段33と、液滴吐出ヘッド34と、インク供給部35と、制御装置40とを備えて構成されている。ベース31の上には、基板移動手段32と、ヘッド移動手段33とが設置されている。
また、液滴吐出装置10は、クリーニングユニット53と、キャッピングユニット55とを備えている。
基板移動手段32はベース31上に設けられ、Y軸方向に沿って配置されたガイドレール36を有している。この基板移動手段32は、例えばリニアモータ(図示せず)により、スライダ37をガイドレール36に沿って移動させるよう構成されている。
スライダ37上にはステージ39が固定されており、このステージ39は、基板Pを位置決めして保持するためのものである。即ち、このステージ39は、公知の吸着保持手段(図示せず)を有し、この吸着保持手段を作動させることにより、基板Pをステージ39の上に吸着保持するように構成されている。基板Pは、例えばステージ39の位置決めピン(図示せず)により、ステージ39上の所定位置に正確に位置決めされ、保持されるようになっている。
スライダ37上にはステージ39が固定されており、このステージ39は、基板Pを位置決めして保持するためのものである。即ち、このステージ39は、公知の吸着保持手段(図示せず)を有し、この吸着保持手段を作動させることにより、基板Pをステージ39の上に吸着保持するように構成されている。基板Pは、例えばステージ39の位置決めピン(図示せず)により、ステージ39上の所定位置に正確に位置決めされ、保持されるようになっている。
ヘッド移動手段33は、ベース31の後部側に立てられた一対の架台33a、33aと、これら架台33a、33a上に設けられた走行路33bを備え、この走行路33bをX軸方向、即ち前記の基板移動手段32のY軸方向と直交する方向に沿って配置したものである。走行路33bは、架台33a、33a間に渡された保持板33cと、この保持板33c上に設けられた一対のガイドレール33d、33dとを備え、ガイドレール33d、33dの長さ方向に液滴吐出ヘッド34を搭載するキャリッジ42を移動可能に保持している。キャリッジ42は、リニアモータ(図示せず)等の作動によってガイドレール33d、33d上を走行し、これにより液滴吐出ヘッド34をX軸方向に移動させるように構成されている。
ここで、このキャリッジ42は、ガイドレール33d、33dの長さ方向、即ちX軸方向に、例えば、1μm単位で移動可能になっている。キャリッジ42のこのような移動はコンピュータ等からなる制御装置40によって制御可能に構成されている。
制御装置40は、液滴吐出ヘッド34の位置情報、即ち液滴吐出ヘッド34のガイドレール33d、33d上での位置(X座標)とそのときの各ノズルの位置(X座標)とを検知して記憶するものである。
制御装置40は、液滴吐出ヘッド34の位置情報、即ち液滴吐出ヘッド34のガイドレール33d、33d上での位置(X座標)とそのときの各ノズルの位置(X座標)とを検知して記憶するものである。
液滴吐出ヘッド34は、キャリッジ42に取付部43を介して回動可能に取り付けられたものである。取付部43にはモータ44が設けられており、液滴吐出ヘッド34はその支持軸(図示せず)がモータ44に連結している。このような構成のもとに、液滴吐出ヘッド34はその周方向に回動可能となっている。また、モータ44も制御装置40に接続されており、これによって液滴吐出ヘッド34はその周方向への回動が、制御装置40に制御されるようになっている。
インク供給部35は、インクLが充填されたインク供給容器45と、このインク供給容器45から液滴吐出ヘッド34にインクLを送るためのインク供給チューブ46とを備えたものである。
クリーニングユニット53は、液滴吐出ヘッド34のノズル等のクリーニングを基板Pの製造工程中や待機時に定期的にあるいは随時に行うことができる。
なお、インクLを基板Pに吐出する際には、クリーニングユニット53は液滴吐出ヘッド34に干渉しない位置に保持される。
なお、インクLを基板Pに吐出する際には、クリーニングユニット53は液滴吐出ヘッド34に干渉しない位置に保持される。
キャッピングユニット55は、キャップ部47と、液体吸引チューブ48と、液体吸引チューブ48に接続される吸引ポンプ51とを有している。キャッピングユニット55は、液滴吐出ヘッド34のノズル開口面143a(図3参照)が乾燥しないようにするために、基板Pに対するインクLの吐出工程中や待機時に、ノズル開口面143aにキャップ部47を被着させるものである。
また、キャッピングユニット55は、液滴吐出ヘッド34にインクLを初期充填する機能も有している。この初期充填の際にも、ノズル開口面143aにキャップ部47を被着させるようになっている。
また、キャッピングユニット55は、液滴吐出ヘッド34にインクLを初期充填する機能も有している。この初期充填の際にも、ノズル開口面143aにキャップ部47を被着させるようになっている。
キャップ部47は、例えば、液滴吐出装置10内に設けられたガイド(図示せず)などに沿って上下方向に移動することで、液滴吐出ヘッド34のノズル開口面143aに当接し、これに被着されるよう構成されたものである(図4参照)。キャップ部47は、シリコーン、フッ素樹脂等からなり、液体吸引チューブ48を介して、インクLを吸引する吸引ポンプ51に接続されている。
また、吸引ポンプ51には、インクLを吸引する減圧度を調整するための、圧力調整弁等からなる調整機構(図示せず)が設けられている。そして、この圧力調整弁は制御装置40に接続されており、これによって圧力の増減圧が制御されるようになっている。
なお、インクLを基板Pに吐出する際には、キャッピングユニット55は液滴吐出ヘッド34に干渉しない位置に保持される。
また、吸引ポンプ51には、インクLを吸引する減圧度を調整するための、圧力調整弁等からなる調整機構(図示せず)が設けられている。そして、この圧力調整弁は制御装置40に接続されており、これによって圧力の増減圧が制御されるようになっている。
なお、インクLを基板Pに吐出する際には、キャッピングユニット55は液滴吐出ヘッド34に干渉しない位置に保持される。
図2は液滴吐出ヘッド34の構成を説明する断面図、図3は液滴吐出ヘッド34の要部断面図である。
この実施の形態における液滴吐出ヘッド34は、導入針ユニット117、ヘッドケース118(ケーシング)、流路ユニット119及びアクチュエータユニット120を主な構成要素としている。
導入針ユニット117の上面にはフィルタ121を介在させた状態で2本のインク導入針122が横並びで取り付けられている。これらのインク導入針122には、サブタンク102がそれぞれ装着される。また、導入針ユニット117の内部には、各インク導入針122に対応したインク導入路123が形成されている。
このインク導入路123の上端はフィルタ121を介してインク導入針122に連通し、下端はパッキン124を介してヘッドケース118内部に形成されたケース流路125(液体供給流路)と連通する。
この実施の形態における液滴吐出ヘッド34は、導入針ユニット117、ヘッドケース118(ケーシング)、流路ユニット119及びアクチュエータユニット120を主な構成要素としている。
導入針ユニット117の上面にはフィルタ121を介在させた状態で2本のインク導入針122が横並びで取り付けられている。これらのインク導入針122には、サブタンク102がそれぞれ装着される。また、導入針ユニット117の内部には、各インク導入針122に対応したインク導入路123が形成されている。
このインク導入路123の上端はフィルタ121を介してインク導入針122に連通し、下端はパッキン124を介してヘッドケース118内部に形成されたケース流路125(液体供給流路)と連通する。
フィルタ121は、インクLに含まれる異物を除去するために配設され、その材質は、例えば、ステンレス鋼であって、メッシュ状に形成されている。
サブタンク102は、ポリプロピレン等の樹脂製材料によって成型されている。このサブタンク102には、インク室127となる凹部が形成され、この凹部の開口面に弾性シート126を貼設してインク室127が区画されている。
また、サブタンク102の下部にはインク導入針122が挿入される針接続部128が下方に向けて突設されている。サブタンク102におけるインク室127は、底の浅いすり鉢形状をしている。インク室127の側面における上下中央よりも少し下の位置には、針接続部128との間を連通する接続流路129の上流側開口が臨んでおり、この上流側開口にはインクLを濾過するタンク部フィルタ130が取り付けられている。
また、サブタンク102の下部にはインク導入針122が挿入される針接続部128が下方に向けて突設されている。サブタンク102におけるインク室127は、底の浅いすり鉢形状をしている。インク室127の側面における上下中央よりも少し下の位置には、針接続部128との間を連通する接続流路129の上流側開口が臨んでおり、この上流側開口にはインクLを濾過するタンク部フィルタ130が取り付けられている。
針接続部128の内部空間にはインク導入針122が液密に嵌入されるシール部材131が嵌め込まれている。このサブタンク102には、図4に示すように、インク室127に連通する連通溝部132aを有する延出部132が形成されており、この延出部132の上面にはインク導入口133が突設されている。
インク導入口133には、インク供給部35のインク供給容器45に貯留されたインクLを供給するインク供給チューブ46が接続される。従って、インク供給チューブ46を通ってきたインクLは、このインク導入口133から連通溝部132aを通ってインク室127に流入する。
上記の弾性シート126は、インク室127を収縮させる方向と膨張させる方向とに変形可能である。そして、この弾性シート126の変形によるダンパ機能によって、インクLの圧力変動が吸収される。即ち、弾性シート126の作用によってサブタンク102が圧力ダンパとして機能する。従って、インクLは、サブタンク102内で圧力変動が吸収された状態で液滴吐出ヘッド34側に供給される。
上記の弾性シート126は、インク室127を収縮させる方向と膨張させる方向とに変形可能である。そして、この弾性シート126の変形によるダンパ機能によって、インクLの圧力変動が吸収される。即ち、弾性シート126の作用によってサブタンク102が圧力ダンパとして機能する。従って、インクLは、サブタンク102内で圧力変動が吸収された状態で液滴吐出ヘッド34側に供給される。
ヘッドケース118は、合成樹脂製の中空箱体状部材であり、下端面に接着剤を介して流路ユニット119を接合し、内部に形成された収容空部137内にアクチュエータユニット120を収容し、流路ユニット119側とは反対側の上端面にパッキン124を介在した状態で導入針ユニット117を取り付けるようになっている。
このヘッドケース118の内部には、高さ方向を貫通してケース流路125が設けられている。このケース流路125の上端は、パッキン124を介して導入針ユニット117のインク導入路123と連通するようになっている。
また、ケース流路125の下端は、流路ユニット119内の共通インク室144に連通するようになっている。従って、インク導入針122から導入されたインクLは、インク導入路123及びケース流路125を通じて共通インク室144側に供給される。
このヘッドケース118の内部には、高さ方向を貫通してケース流路125が設けられている。このケース流路125の上端は、パッキン124を介して導入針ユニット117のインク導入路123と連通するようになっている。
また、ケース流路125の下端は、流路ユニット119内の共通インク室144に連通するようになっている。従って、インク導入針122から導入されたインクLは、インク導入路123及びケース流路125を通じて共通インク室144側に供給される。
ヘッドケース118の収容空部137内に収容されるアクチュエータユニット120は、図3に示すように、櫛歯状に列設された複数の圧電振動子138と、この圧電振動子138が接合される固定板139と、制御装置40からの駆動信号を圧電振動子138に供給する配線部材としてのフレキシブルケーブル140とから構成される。各圧電振動子138は、固定端部側が固定板139上に接合され、自由端部側が固定板139の先端面よりも外側に突出している。即ち、各圧電振動子138は、所謂片持ち梁の状態で固定板139上に取り付けられている。
また、各圧電振動子138を支持する固定板139は、例えば、厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。そして、アクチュエータユニット120は、固定板139の背面を、収容空部137を区画するケース内壁面に接着することで収容空部137内に収納・固定されている。
流路ユニット119は、振動板141、流路基板142及びノズル基板143からなる流路ユニット構成部材を積層した状態で接着剤を介して接合して一体化することにより作製されている。これらは、共通インク室144からインク供給口145及び圧力室146を通りノズル147に至るまでの一連のインク流路Rを形成する部材である。
圧力室146は、ノズル147の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。
また、共通インク室144は、ケース流路125と連通し、インク導入針122側からのインクLが導入される室である。そして、この共通インク室144に導入されたインクLは、インク供給口145を通じて各圧力室146に分配供給される。
圧力室146は、ノズル147の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。
また、共通インク室144は、ケース流路125と連通し、インク導入針122側からのインクLが導入される室である。そして、この共通インク室144に導入されたインクLは、インク供給口145を通じて各圧力室146に分配供給される。
ここで、この実施の形態では、ノズル基板143、流路基板142、および振動板141のインクLに対する接液面であるインク流路Rに面する各表面143r,142r,141rにインクLに耐性を有する耐液性膜Cが連続して形成されている。また、ケース流路125に面するヘッドケース118の表面118aが、インク流路Rに面する振動板141の表面141rから連続する耐液性膜Cにより覆われている。
耐液性膜Cは、例えば、SiO2等のSi酸化物により形成された親液性を有する膜である。また、耐液性膜Cの膜厚は、例えば、一分子層以上かつ1μm以下に形成されている。
耐液性膜Cは、例えば、SiO2等のSi酸化物により形成された親液性を有する膜である。また、耐液性膜Cの膜厚は、例えば、一分子層以上かつ1μm以下に形成されている。
流路ユニット119の底部に配置されるノズル基板143は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル147を列状に開設した金属製の薄い板材である。この実施の形態のノズル基板143は、ステンレス鋼の板材によって作製され、この実施の形態においてはノズル147の列(即ち、ノズル列)が、各サブタンク102に対応して合計22列並設されている。そして、1つのノズル列は、例えば、180個のノズル147によって構成される。
ノズル基板143と振動板141との間に配置される流路基板142は、インク流路となる流路部、具体的には、共通インク室144、インク供給口145及び圧力室146となる空部が区画形成された板状の部材である。
ノズル基板143と振動板141との間に配置される流路基板142は、インク流路となる流路部、具体的には、共通インク室144、インク供給口145及び圧力室146となる空部が区画形成された板状の部材である。
この実施の形態において、流路基板142は、結晶性を有する基材であるSiウェハーを異方性エッチング処理することによって作製されている。振動板141は、ステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート加工した二重構造の複合板材である。この振動板141の圧力室146に対応する部分には、エッチングなどによって支持板を環状に除去することで、圧電振動子138の先端面が接合される島部148が形成されており、この部分はダイヤフラム部として機能する。即ち、この振動板141は、圧電振動子138の作動に応じて島部148の周囲の弾性フィルムが弾性変形するように構成されている。また、振動板141は、流路基板142の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部149としても機能する。このコンプライアンス部149に相当する部分についてはダイヤフラム部と同様にエッチングなどにより支持板を除去して弾性フィルムだけにしている。
そして、上記の液滴吐出ヘッド34において、フレキシブルケーブル140を通じて駆動信号が圧電振動子138に供給されると、この圧電振動子138が素子長手方向に伸縮し、これに伴い島部148が圧力室146に近接する方向或いは離隔する方向に移動する。これにより、圧力室146の容積が変化し、圧力室146内のインクLに圧力変動が生じる。この圧力変動によってノズル147から液滴状となったインクLが吐出される。
この実施の形態において用いるインクLは、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(N-methylpyrrolidone:NMP)、ブチルセロソルブ、γブチルラクトン等の溶剤インク、アルカリ性インク等である。
次に、この実施の形態の作用について説明する。
図3に示すように、ノズル基板143と流路基板142との接合部A1のインク流路R側、および流路基板142と振動板141との接合部A2のインク流路R側が連続する耐液性膜Cによって覆われている。このため、インク流路R内のインクLが耐液性膜Cによって遮断され、各接合部A1,A2にインクLが接触しなくなる。これにより、各接合部A1,A2の隙間にインク流路R内のインクLが浸入したり、各接合部A1,A2のインク流路R側に露出した接着剤にインクLが接触したりすることが防止される。このため、各接合部A1,A2の接着剤にインクLが浸透して接着剤が膨潤することを防止でき、流路基板142と振動板141およびノズル基板143が剥離することを防止できる。したがって、流路ユニット119の耐久性を向上させ、液滴吐出ヘッド34の耐久性を向上させることができる。
図3に示すように、ノズル基板143と流路基板142との接合部A1のインク流路R側、および流路基板142と振動板141との接合部A2のインク流路R側が連続する耐液性膜Cによって覆われている。このため、インク流路R内のインクLが耐液性膜Cによって遮断され、各接合部A1,A2にインクLが接触しなくなる。これにより、各接合部A1,A2の隙間にインク流路R内のインクLが浸入したり、各接合部A1,A2のインク流路R側に露出した接着剤にインクLが接触したりすることが防止される。このため、各接合部A1,A2の接着剤にインクLが浸透して接着剤が膨潤することを防止でき、流路基板142と振動板141およびノズル基板143が剥離することを防止できる。したがって、流路ユニット119の耐久性を向上させ、液滴吐出ヘッド34の耐久性を向上させることができる。
また、ヘッドケース118と振動板141との接合部A3が耐液性膜Cによって覆われて、接合部A3にケース流路125内のインクLが接触しなくなる。これにより、接合部A3の隙間にケース流路125内のインクLが浸入したり、接合部A3のケース流路125側に露出した接着剤にインクLが接触したりすることが防止される。このため、接合部A3にインクLが浸透して接着剤が膨潤することを防止でき、ヘッドケース118と流路ユニット119とが剥離することを防止できる。したがって、液滴吐出ヘッド34の耐久性を向上させることができる。
また、接合部A1,A2,A3が耐液性膜CによってインクLから隔離され、各接合部A1,A2,A3に用いられた接着剤がインクLと接触することが防止されるので、接着剤の溶出によるインクLの汚染が防止される。したがって、接着剤の材質により吐出できるインクLの種類が制限されることがない。
また、耐液性膜Cは親液性を有するSiO2等の材料により形成されているので、液滴吐出ヘッド34のインク流路RのインクLに接する部分の濡れ性を向上させ、ノズル147からインクLの液滴を吐出する際に、液滴のメニスカスを整えることができる。これにより、インクLの液滴の吐出性能を向上させることができる。
また、耐液性膜Cの膜厚を、一分子層以上かつ1μm以下に形成することで、耐液性膜CがインクLに対する耐液性および隔離性能を十分に発揮することができる。また、膜厚が十分に薄いため、インクLの吐出に影響を及ぼすことを防止できる。
また、耐液性膜Cの膜厚を、一分子層以上かつ1μm以下に形成することで、耐液性膜CがインクLに対する耐液性および隔離性能を十分に発揮することができる。また、膜厚が十分に薄いため、インクLの吐出に影響を及ぼすことを防止できる。
以上説明したように、この実施の形態の液滴吐出ヘッド34によれば、接合部A1,A2,A3にインクLが浸透することが防止され、耐久性を向上させることができ、インクLの種類が接着剤によって制限されない。また、この実施の形態の液滴吐出装置10は、上記の液滴吐出ヘッド34を備えているので、液滴吐出ヘッド34の接合部A1,A2,A3にインクLが浸透することを防止でき、液滴吐出ヘッド34の耐久性を向上させることができ、インクLの種類が接着剤によって制限されない。
(液滴吐出ヘッドの製造方法)
次に、図5(a)〜図5(c)を用いて液滴吐出ヘッド34の製造方法を説明する。図5(a)〜図5(c)では耐液性膜Cの製造工程を中心に説明し、他の工程の説明は適宜省略する。なお、耐液性膜Cの製造工程以外の工程については、公知のものを採用することができる。
次に、図5(a)〜図5(c)を用いて液滴吐出ヘッド34の製造方法を説明する。図5(a)〜図5(c)では耐液性膜Cの製造工程を中心に説明し、他の工程の説明は適宜省略する。なお、耐液性膜Cの製造工程以外の工程については、公知のものを採用することができる。
まず、ノズル基板143と流路基板142と振動板141とを積層させて、それぞれ接着剤を介して接合する。接着剤としては、例えば、エポキシ、アクリル等の接着剤を用いることができる。次いで、振動板141に接着剤を介してヘッドケース118を接合する(組立工程)。
次に、図5(a)に示すように、ノズル147を上方に向けた状態でヘッドケース118のケース流路125から耐液性膜Cの材料液B(耐液性膜材料液)を注入し、ヘッドケース118のケース流路125と流路ユニット119のインク流路Rとに材料液Bを充填する(材料液充填工程)。
材料液Bとしては、例えば、SiO2ゾルゲル、Siアルコキサイド、シランカップリング剤(HMDS)、シラノール化合物等、Siを含み焼成後にSiOXとなる液体を用いる。また、材料液Bの粘度は、形成する耐液性膜Cの膜厚に応じて調整する。
材料液Bとしては、例えば、SiO2ゾルゲル、Siアルコキサイド、シランカップリング剤(HMDS)、シラノール化合物等、Siを含み焼成後にSiOXとなる液体を用いる。また、材料液Bの粘度は、形成する耐液性膜Cの膜厚に応じて調整する。
次に、図5(b)に示すように、材料液Bをケース流路125およびインク流路Rから排出する。これにより、ノズル基板143、流路基板142、および振動板141のインク流路Rに面する各表面143r,142r,141rと、ヘッドケース118のケース流路125に面する表面118aとに、材料液Bが粘度に応じた所定の膜厚で付着した状態となる。この状態で、材料液Bを加熱乾燥させる(耐液性膜形成工程)。
これにより、図5(c)に示すように、インクLに対する耐性を有する耐液性膜Cがインク流路Rおよびケース流路125に面する各表面143r,142r,141r,118aに連続して形成された液滴吐出ヘッド34を製造することができる。
この実施の形態の液滴吐出ヘッド34の製造方法によれば、ノズル基板143と流路基板142との接合部A1、および流路基板142と振動板141との接合部A2が、各表面143r,142r,141rに連続する耐液性膜Cによって覆われる。このため、液滴の吐出時にインク流路RにインクLを充填しても、各接合部A1,A2にインク流路R内のインクLが接触しなくなる。これにより、各接合部A1,A2の隙間にインク流路R内のインクLが浸入したり、各接合部A1,A2のインク流路R側に露出した接着剤にインクLが接触したりすることが防止される。このため、接着剤にインクLが浸透して接着剤が膨潤することを防止でき、液滴吐出ヘッド34の耐久性を向上させることができる。
また、インク流路Rに面する振動板141の表面141rからケース流路125に面するヘッドケース118の表面118aまで連続する耐液性膜Cが形成され、ヘッドケース118と振動板141との接合部A3が耐液性膜Cによって覆われる。このため、液滴の吐出時にケース流路125にインクLを充填しても、接合部A3にケース流路125内のインクLが接触しなくなる。これにより、接合部A3の隙間にケース流路125内のインクLが浸入したり、接合部A3のケース流路125側に露出した接着剤にインクLが接触したりすることが防止される。このため、接合部A3にインクLが浸透して接着剤が膨潤することを防止でき、液滴吐出ヘッド34の耐久性を向上させることができる。
また、各接合部A1,A2,A3に用いられる接着剤がインクLから隔離されるので、接着剤の溶出によるインクLの汚染が防止され、接着剤の材質によりインクLの種類が制限されることがない。
また、前記材料液BとしてSiを含む液体を用いることで、耐液性膜CはSiOX等の親液性を有する材料により形成される。これにより、液滴吐出ヘッド34の内部のインクLに接する部分の濡れ性を向上させ、ノズル147から液滴を吐出する際に、インクLの液滴のメニスカスを整えることができる。これにより、インクLの液滴の吐出性能を向上させることができる。
また、前記材料液BとしてSiを含む液体を用いることで、耐液性膜CはSiOX等の親液性を有する材料により形成される。これにより、液滴吐出ヘッド34の内部のインクLに接する部分の濡れ性を向上させ、ノズル147から液滴を吐出する際に、インクLの液滴のメニスカスを整えることができる。これにより、インクLの液滴の吐出性能を向上させることができる。
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、例えば、耐液性膜形成工程において、フッ素系、シリコーン系、フッ素含有オルガノポリシロキサン系の材料液を用いてもよい。これにより、耐液性膜形成工程において形成される耐液性膜は撥液性を有する耐液性膜となる。耐液性膜を撥液性の材料により形成することで、耐液性膜がインクを接合部から隔離する性能を向上させ、耐液性膜を薄膜化することができる。
10 液滴吐出装置、34 液滴吐出ヘッド、118 ヘッドケース(ケーシング)、118a 表面、125 ケース流路(液体供給流路)、138 圧電振動子(圧電素子)、141 振動板、142 流路基板、143 ノズル基板、141r,142r,143r 表面(接液面)、146 圧力室、147 ノズル(ノズル開口)、B 材料液(耐液性膜材料液)、C 耐液性膜、L インク(液体)R インク流路(流路)
Claims (10)
- 液体を液滴として吐出するノズル開口が形成されたノズル基板と、
前記ノズル開口に連通する前記液体の流路が形成された流路基板と、
前記流路の壁面を構成する振動板と、が積層されて接着剤を介して接合され、
前記ノズル基板、前記流路基板、および前記振動板の前記液体との接液面に前記液体に耐性を有する耐液性膜が連続して形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記流路に設けられた圧力室の容積を、前記振動板を介して変化させる圧電素子を保持すると共に、前記流路へ前記液体を供給するための液体供給流路が形成されたケーシングを備え、
前記振動板に前記ケーシングが接着剤を介して接合され、
前記液体供給流路に面する前記ケーシングの表面が、前記振動板の接液面から連続する前記耐液性膜により覆われていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記耐液性膜が親液性を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記耐液性膜が撥液性を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記耐液性膜の膜厚が一分子層以上かつ1μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッド。
- 液体を液滴として吐出するノズル開口が形成されたノズル基板と、
前記ノズル開口に連通する前記液体の流路が形成された流路基板と、
前記流路の壁面を構成する振動板と、を積層させて接着剤を介して接合する組立工程と、
前記流路に、耐液性膜材料液を充填する材料液充填工程と、
前記耐液性膜材料液を前記流路から排出し、前記ノズル基板、前記流路基板、および前記振動板の前記液体との接液面に前記耐液性膜材料液を付着させた状態で、前記耐液性膜材料液を加熱乾燥させて、前記各接液面に前記液体に対する耐性を有する耐液性膜を連続させて形成する耐液性膜形成工程と、
を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記流路に設けられた圧力室の容積を、前記振動板を介して変化させる圧電素子を保持するとともに前記流路へ前記液体を供給するための液体供給流路を有するケーシングを、前記組立工程において前記振動板に接着剤を介して接合し、
前記材料液充填工程において、前記流路と前記液体供給流路に前記耐液性膜材料液を充填し、
前記耐液性膜形成工程において、前記液体供給流路に面する前記ケーシングの表面に前記耐液性膜材料液を付着させた状態で、前記耐液性膜材料液を加熱乾燥させて、前記流路に面する前記振動板の表面から前記液体供給流路に面する前記ケーシングの表面まで連続する前記耐液性膜を形成することを特徴とする請求項6記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記材料液充填工程においてSiを含む前記耐液性膜材料液を用いることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記材料液充填工程において、フッ素系、シリコーン系、フッ素含有オルガノポリシロキサン系の前記耐液性膜材料液を用いることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置。
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