JP2009113075A - 鋳造方法、鋳型ユニット及び鋳造装置 - Google Patents

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兼一 谷口
Kiichi Komada
紀一 駒田
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Abstract

【課題】溶湯が鋳型に接触しても長時間にわたって高品質の鋳塊を製出することが可能な鋳造方法、及びこれに用いられる鋳型ユニット及び鋳造装置を提供する。
【解決手段】鋳型20の一方側から溶湯1を供給し、凝固して得られた鋳塊2を鋳型20の他方側へ向けて製出する鋳造方法であって、鋳型20は、鋳塊2の製出方向に分割された複数の鋳型ユニット21を有し、一の鋳型ユニット21を鋳塊2とともに他方側へ移動させるとともに、溶湯1が供給される前記一方側から他の鋳型ユニット21を順次送り込んでいくことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばシリコンなどの溶湯を凝固させて得られた鋳塊を製出するための鋳造方法、これに用いられる鋳型ユニット及び鋳造装置に関するものである。
太陽電池用素材として用いられるシリコンは、凝固時に膨張する金属であるため、鋳造を行う場合、溶湯が鋳塊の内部に残存しないように一方向凝固させることが求められる。また、一方向凝固することにより、不純物元素が固相(鋳塊)から液相(溶湯)に排出されるため、純度の高い鋳塊を得ることが可能となる。
従来、シリコンの鋳造装置として、例えば特許文献1に開示されているように、石英や黒鉛からなる鋳型を有し、この鋳型の底面側を冷却するとともに上面側を加熱して、底面側から上面側に向けて一方向凝固させるものが提案されている。
また、特許文献2には、筒状をなす鋳型(ルツボ)の上方開口部から溶湯を供給して鋳型(ルツボ)の下方開口部から鋳塊を下方に向けて引き抜く構成とされた鋳造装置が提案されている。この鋳造装置では、鋳型(ルツボ)が周方向に分割された水冷銅によって形成されており、電磁力によってシリコン溶湯が鋳型(ルツボ)と非接触で保持されるように構成されている。
特開平11−092284号公報 特開2001−019593号公報
ところで、シリコン溶湯は反応性が高いため、シリコン溶湯と鋳型とが接触することによって、鋳型が劣化しやすく長時間の鋳造に耐えることができないものであった。このため、特許文献2のように、筒状の鋳型(ルツボ)を用いて連続的に長時間にわたってシリコン鋳塊を製出するためには、鋳型(ルツボ)とシリコン溶湯との接触を防止するために電磁力を用いる必要があり、鋳造装置の構成が非常に複雑となってしまうといった問題があった。また、凝固した鋳塊が鋳型と摺動することで、鋳塊の表面に欠陥が生じるおそれがあった。
なお、このような課題はシリコンの鋳造に限らず、他の材質の鋳塊を得る場合にも問題となる。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、溶湯が鋳型に接触しても長時間にわたって高品質の鋳塊を製出することが可能な鋳造方法、及びこれに用いられる鋳型ユニット及び鋳造装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明に係る鋳造方法は、鋳型の一方側から溶湯を供給し、凝固して得られた鋳塊を前記鋳型の他方側へ向けて製出する鋳造方法であって、前記鋳型は、前記鋳塊の製出方向に分割された複数の鋳型ユニットを有し、一の鋳型ユニットを前記鋳塊とともに他方側へ移動させるとともに、溶湯が供給される前記一方側から他の鋳型ユニットを順次送り込んでいくことを特徴としている。
この構成の鋳造方法においては、溶湯が供給される鋳型が、鋳塊の製出方向に分割された複数の鋳型ユニットで構成されており、鋳型ユニットが溶湯が供給される前記一方側から順次送り込まれてくるので、溶湯が供給される部分の鋳型ユニットが常に更新されることになり、鋳型の劣化による鋳塊品質の低下を防止できる。また、鋳型ユニットが鋳塊とともに移動されるので、鋳型と鋳塊との摺動が防止され、鋳塊の表面欠陥の発生を防止できる。また、鋳型ユニットが順次更新されることによって、溶湯と鋳型とが接触しても鋳造時間の経過による鋳型の劣化がなく鋳造を続行することができるので、長時間にわたって高品質の鋳塊を製出することができる。
ここで、前記鋳型の溶湯が供給される前記一方側の温度を、前記鋳型の他方側の温度よりも高く設定することにより、前記溶湯を一方向凝固させる構成としてもよい。
この場合、溶湯が供給される鋳型の一方側の温度を他方側よりも高くなるように設定することで、凝固を鋳型の他方側から一方側に向けて進行させることが可能となる。このように一方向凝固させることで、固相(鋳塊)から液相(溶湯)へと排出される不純物元素が鋳型の一方側に濃縮されることになり、高純度の鋳塊を得ることが可能となる。また、シリコン等の凝固膨張するものであっても良好に鋳造を行うことができる。
また、隣接する前記鋳型ユニット同士を熱溶着させてもよい。
この場合、隣接する鋳型ユニット同士を溶着させて一体化させることで、鋳型ユニット同士の間に空隙が形成されることを防止でき、溶湯が前記空隙に入り込む等のトラブルを未然に防止することができ、安定した鋳造を行うことができる。なお、鋳型ユニット同士を熱溶着させる方法としては、例えば、電磁コイルを設けて加熱する方法や電子ビームを照射する方法等が考えられる。
さらに、前記鋳型ユニットの外面に、前記鋳塊の製出方向に沿った溝部を形成してもよい。
この場合、溶湯が凝固する際の凝固収縮や凝固膨張、あるいは、鋳塊の熱変形によって鋳型ユニットに応力が作用しても、この溝部によって応力を吸収することができ、鋳型ユニットの破損を防止できる。
また、前記溶湯をシリコン溶湯とし、前記鋳型ユニットの少なくとも内面をシリコン化合物で構成してもよい。
この場合、溶湯が接触する鋳型ユニットを石英(SiO)、窒化珪素(Si)等のシリコン化合物で構成しているので、不純物がシリコン溶湯中に混入することを極力防止することができる。また、鋳型ユニットとシリコン溶湯とが反応しても、鋳型ユニットを鋳塊とともに移動させるので、安定して鋳造を続行することが可能となる。
本発明の鋳型ユニットは、シリコンの鋳造方法に用いられる鋳型ユニットであって、石英で構成されていることを特徴としている。
この場合、シリコン溶湯と鋳型ユニットとが接触した部分で反応しても、シリコン溶湯の一部が酸化されるのみであって、他の不純物がシリコン溶湯中に混入することを抑制できる。
また、本発明の鋳型ユニットは、シリコンの鋳造方法に用いられる鋳型ユニットであって、内面に、150〜200メッシュの微細溶融シリカ砂を有する内層シリカ層が形成されていることを特徴としている。
この場合、内層シリカ層の境界部分で剥離が生じやすくなり、凝固時や製出時にシリコン鋳塊に応力が作用することを防止できる。なお、150メッシュよりも細かい微細溶融シリカ砂を有しているので、鋳型ユニットの内面の表面粗さが粗くなることを防止して鋳塊の表面品質の向上を図ることができる。一方、200メッシュよりも粗い微細溶融シリカ砂を有しているので、内層シリカ層の剥離しやすくなって前述した効果を確実に奏功せしめることができる。
また、例えば、安価な黒鉛部材の内面に内層シリカ層を設けることでシリコンの鋳造に使用することができ、この鋳型ユニットを低コストで製作することができる。
また、本発明の鋳型ユニットは、シリコンの鋳造方法に用いられる鋳型ユニットであって、内面に、粒径50〜300μmの微細溶融シリカ砂が、0.2〜4.0μmの窒化ケイ素粉末:75〜90重量%および残部:ナトリウム10〜6000ppm含有のシリカからなる混合体素地により結合された構造の内層が形成されていることを特徴とする。
この場合、シリコン溶湯が接触する内面に設けられた内層が、シリカと窒化ケイ素との混合体とされているので、シリコン溶湯中への酸素の混入を防止できる。なお、粒径300μmよりも細かい微細溶融シリカ砂を有しているので、鋳型ユニットの内面の表面粗さが粗くなることを防止して鋳塊の表面品質の向上を図ることができる。一方、粒径50μmよりも粗い微細溶融シリカ砂を有しているので、内層が剥離しやすくなって凝固時や製出時にシリコン鋳塊に応力が作用することを防止できる。さらに、ナトリウムを10〜6000ppm含有しているので、シリカと窒化ケイ素との密着性を確保することができるとともに、ナトリウムがシリコン鋳塊中に不純物として混入することを防止できる。なお、ナトリウムの一層好ましい範囲は、500〜6000ppmである。
また、例えば、安価な黒鉛部材の内面に前記内層を設けることでシリコンの鋳造に使用することができ、この鋳型ユニットを低コストで製作することができる。
また、本発明の鋳造装置は、鋳型の一方側から溶湯が供給されるとともに、得られた鋳塊が鋳型の他方側に向けて製出される鋳造装置であって、前記鋳型は、前記鋳塊の製出方向に分割された複数の鋳型ユニットを有し、一の鋳型ユニットが前記鋳塊とともに他方側に向けて製出されるとともに、溶湯が供給される前記一方側から他の鋳型ユニットが順次送り込まれていく構成とされていることを特徴としている。
この構成の鋳造装置によれば、溶湯が供給される鋳型が、鋳塊の製出方向に分割された複数の鋳型ユニットで構成されており、鋳型ユニットが溶湯が供給される前記一方側から順次送り込まれてくるので、溶湯が供給される部分の鋳型ユニットが常に更新されることになり、電磁コイル等の機構を備えることなく簡単な構成で、長時間にわたって高品質の鋳塊を製出することができる。
本発明によれば、溶湯が鋳型に接触しても長時間にわたって高品質の鋳塊を製出することが可能な鋳造方法、及びこれに用いられる鋳型ユニット及び鋳造装置を提供することができる。
以下に、本発明の第1の実施形態について添付した図面を参照して説明する。図1に、本発明の第1の実施形態である鋳造装置を示す。
本実施形態である鋳造装置10は、太陽電池用素材として用いられる6〜7Nクラスの純度のシリコン鋳塊2を製出するためのものであり、一方側(図1において上側)から他方側(図1において下側)に向けて延在する概略筒状をなす鋳型20を備えている。
鋳型20の上方には、金属シリコン粉末3を溶解してシリコン溶湯1を生成する溶解炉5と、溶解炉5と鋳型20との間での熱の伝達を遮断するための断熱手段8とが配設されている。
溶解炉5は、分割された水冷銅ルツボを用いて金属シリコン粉末3を誘導加熱する、いわゆるスカル溶解炉とされており、耐火物を使用しないため、シリコン溶湯1への不純物の混入が抑制されている。この溶解炉5の底部には、鋳型20に向けてシリコン溶湯1を出湯するための出湯口6が設けられており、この出湯口6にシリコン溶湯1の出湯状態を調整する電磁凍結弁7が配備されている。
鋳型20は、図1に示すように、上方開口部と下方開口部とを備えた無底筒状をなしており、上方開口部からシリコン溶湯1が供給され、下方開口部からシリコン鋳塊2が連続的に製出される構成とされている。
そして、この鋳型20は、シリコン鋳塊2の製出方向(図1において矢印X方向)、すなわち、鋳型20の延在方向に分割された複数の鋳型ユニット21を備えている。
本実施形態においては、鋳型ユニット21は石英(SiO)で構成されており、図2に示すように、鋳型ユニット21の外面に、鋳型20の延在方向、つまり、シリコン鋳塊2の製出方向(図2において上下方向)に沿って延びる複数の溝部22が形成されている。このような鋳型ユニット21が複数(本実施形態では図1に示すように10個)、シリコン鋳塊2の製出方向に積層されているのである。なお、これら積層されて隣接する鋳型ユニット21同士は、後述する溶着手段(溶着用加熱コイル13)によって熱溶着されている。
鋳型20の外周側には、鋳型ユニット21を支持する筒状のガイド部材11が配設されている。鋳型ユニット21は、シリコン溶湯1が供給される鋳型20の一方側(上側)からこのガイド部材11の中に逐次送り込まれていくように構成されている。そして、このガイド部材11の他方側(下側)からシリコン鋳塊2と鋳型ユニット21がともに引き抜かれていく構成とされている。
また、図1に示すように、鋳型20の外周側には、この鋳型20の延在方向における温度分布を調整するための温度制御手段12が設けられている。
温度制御手段12の一方側(上側)部分には、積層された鋳型ユニット21同士を熱溶着するための溶着手段として、溶着用加熱コイル13が配設されている。この溶着用加熱コイル13の他方側(下側)には、鋳型20内に供給されたシリコン溶湯1の温度を調整する溶湯温度調整用コイル14が配設されている。また、ガイド部材11の他方側端部(下端部)及び他方側(下側)には、シリコン鋳塊2の温度分布を調整するための鋳塊温度調整用コイル15が配設されている。
次に、本実施形態である鋳造装置10を用いたシリコンの鋳造方法について説明する。
溶解炉5に供給された金属シリコン粉末3が、誘導加熱によって溶融されてシリコン溶湯1が生成される。そして、電磁凍結弁7を操作することで、溶解炉5の底部に設けられた出湯口6からシリコン溶湯1が鋳型20内へと供給される。
ここで、鋳型ユニット21が、シリコン溶湯1が供給される鋳型20の一方側(上側)からガイド部材11内に送りこまれ、この送り込まれた鋳型ユニット21と隣接する鋳型ユニット21とが溶着用加熱コイル13によって熱溶着されて一体化される。
その後、鋳型20(鋳型ユニット21)は他方側(下側)へと移動していくとともに、鋳型20の上方開口部からシリコン溶湯1が供給される。
鋳型20内に供給されたシリコン溶湯1は、図3に示すように、溶湯温度調整用コイル14によってシリコンの融点(T)よりも高い温度で保持されることになる。そして、溶湯温度調整用コイル14の下方側部分から徐々に温度が降下していき、凝固界面近傍では、シリコンの融点(T)近傍で安定する。
また、ガイド部材11の下端部及び下方側に配設された鋳塊温度調整用コイル15によって、シリコン鋳塊2の温度が急激に変化しないように調整されており、この温度調整により、凝固界面においてはシリコン鋳塊2側から上方に向けて凝固が一方向に進行するように構成されている。なお、本実施形態では、図1に示すように、凝固界面が上方に向けて凸となる凸曲面状をなしている。
このようにして得られたシリコン鋳塊2は、鋳型ユニット21とともに下方へと引き抜かれていき、凝固界面への影響がない部分においてシリコン鋳塊2を強制冷却するとともに、鋳型ユニット21を破壊することでシリコン鋳塊2が連続的に製出される。そして、所望の長さとなったところで図示しない切断装置によってシリコン鋳塊2を切断することで、任意の長さのシリコン鋳塊2が得られる。
本実施形態である鋳造装置10を用いた鋳造方法によれば、シリコン溶湯1が供給される鋳型20が鋳型20の延在方向、つまり、シリコン鋳塊2の製出方向(図1において矢印X方向)に分割された複数の鋳型ユニット21を有し、この鋳型ユニット21がシリコン溶湯1が供給される側から順次送り込まれてくる構成とされているので、シリコン溶湯1が供給される部分の鋳型ユニット21が常に更新されることになり、シリコン溶湯1との反応による鋳型20の劣化がなく、鋳型20の劣化に伴うシリコン鋳塊2品質の低下を防止することができる。
また、鋳型ユニット21がシリコン鋳塊2とともに引き抜かれていくので、鋳型ユニット21とシリコン鋳塊2との摺動がなく、シリコン鋳塊2の表面欠陥の発生を防止できる。さらに、シリコン溶湯1と鋳型ユニット21とが反応して、シリコン鋳塊2と鋳型ユニット21とが固着してしまっても鋳造を安定して続行することができる。また、最終的に鋳型ユニット21を破壊してシリコン鋳塊2を製出するので、シリコン鋳塊2の表面品質の向上を図ることができる。
このように、鋳型ユニット21が順次更新されることによって、反応性の高いシリコン溶湯1と鋳型ユニット21とが接触しても鋳造時間の経過による鋳型20の劣化がなく鋳造を続行することができるので、長時間にわたって高品質のシリコン鋳塊2を製出することができる。
鋳型20の外周側に、鋳型20の延在方向における温度分布を調整するための温度制御手段12が設けられており、この温度制御手段12に配設された溶湯温度調整用コイル14及び鋳塊温度調整用コイル15によって、鋳型20の一方側(上側)の温度が他方側(下側)の温度よりも高く設定されているので、鋳型20内での凝固が、シリコン鋳塊2側から鋳型20の一方側(上側)に向けて一方向に進行することになる。このように一方向凝固させることで、不純物元素が固相(シリコン鋳塊2)から液相(シリコン溶湯1)へと排出されて鋳型20の一方側(上側)に濃縮されることになり、高純度のシリコン鋳塊2を得ることが可能となる。また、シリコンは凝固時に膨張することになるが、液相と固相とが混在する部分がないのでシリコン鋳塊2に割れが生じることを防止でき、高品質のシリコン鋳塊2を製出することができる。
温度制御手段12には、積層された鋳型ユニット21同士を熱溶着するための溶着手段として、溶着用加熱コイル13が配設されているので、鋳型20の上方から送り込まれた鋳型ユニット21とこれに隣接する鋳型ユニット21との界面を加熱して熱溶着させることができる。このように熱溶着して隣接する鋳型ユニット21同士を一体化させることで、鋳型ユニット21同士の間に空隙が形成されることを防止でき、シリコン溶湯1がこの空隙に入り込む等のトラブルを未然に防止することができ、安定して鋳造を続行することができる。
本実施形態では、図2に示すように、鋳型ユニット21の外面に、シリコン鋳塊2の製出方向に沿った溝部22が形成されているので、シリコン溶湯1が凝固する際の凝固膨張やシリコン鋳塊2の熱変形によって鋳型ユニット21に応力が作用しても、この溝部22によって応力を吸収することができ、鋳型ユニット21の破損を防止できる。これにより、安定して鋳造を続行することができる。
また、鋳型ユニット21が石英(SiO)で構成されているので、シリコン溶湯1と鋳型ユニット21とが接触した部分で反応しても、シリコン溶湯1の一部が酸化されるのみであって、不純物がシリコン溶湯1中に混入することを抑制できる。また、鋳型ユニット21とシリコン溶湯1とが反応して固着しても、鋳型ユニット21とシリコン鋳塊2をともに引き抜くので、安定して鋳造を続行することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について添付した図面を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図4に、本発明の第2の実施形態である鋳造装置を示す。
第2の実施形態である鋳造装置30においては、鋳型40は有底筒状をなしており、鋳型40(鋳型ユニット41)がシリコン鋳塊2とともに下方へと移動される構成とされている。
鋳型40の下方側には、昇降可能なシャフト部37とシャフト部37の上端に接続されたプレート部38とを有する昇降装置36が設けられている。また、プレート部38には、冷却手段(図示なし)が備えられている。
鋳型40の最も下方側に位置する鋳型ユニット41は底板43を備えており、プレート部38の上にこの底板43を備えた鋳型ユニット41が載置されているのである
また、本実施形態である鋳型ユニット41は、図5に示すように、黒鉛からなるユニット本体44と、このユニット本体44の内面側に形成された内層シリカ層45とで構成されている。この内層シリカ層45は、150〜200メッシュの微細溶融シリカ砂を有するものであり、ユニット本体44の内面に、平均粒径1〜100μmの溶融シリカ粉末とコロイダルシリカからなるスラリーを塗布又は吹き付けてスラリー層を形成し、このスラリー層の表面に150〜200メッシュの微細溶融シリカ砂を散布してスタッコ層を形成することを繰り返した後、焼成することで成形されている。
この鋳造装置30によって鋳造する場合には、鋳型40の上側から鋳型ユニット41を順次送り込むとともにシリコン溶湯1を供給し、昇降装置36を下降させることでシリコン鋳塊2と鋳型ユニット41とを下方に向けて移動する。そして、昇降装置36を所定の高さまで降下させた時点で鋳造を終了し、シリコン鋳塊2を鋳型ユニット41とともに外部に取り出した後に、鋳型ユニット41を破壊してシリコン鋳塊2を得るものである。
この構成の鋳造装置30によれば、第1の実施形態と同様に、シリコン溶湯1が供給される部分の鋳型ユニット41が常に更新されることになり、シリコン溶湯1との反応による鋳型40の劣化がなく、鋳型40の劣化に伴うシリコン鋳塊2の品質低下を防止することができる。また、鋳型ユニット41がシリコン鋳塊2とともに移動されるので、鋳型ユニット41とシリコン鋳塊2との摺動がなく、シリコン鋳塊2の表面欠陥の発生を防止できる。
さらに、本実施形態においては、鋳型ユニット41が、黒鉛からなるユニット本体44と、このユニット本体44の内面側に形成された内層シリカ層45とで構成されているので、内層シリカ層45の境界部分で剥離が生じやすくなり、凝固時や製出時にシリコン鋳塊2に応力が作用することを防止できる。
また、内層シリカ層45が150〜200メッシュの微細溶融シリカ砂を有するものとされているので、鋳型ユニット41の内面の表面粗さが粗くなることを防止してシリコン鋳塊2の表面品質の向上を図ることができるとともに、内層シリカ層45を剥離しやすくして、凝固時や製出時にシリコン鋳塊2に応力が作用することを確実に防止することができる。
さらに、安価な黒鉛によってユニット本体44が構成されており、このユニット本体44の内面に内層シリカ層45を設けているので、この鋳型ユニット41を低コストで製作することができる。
さらに、本実施形態においては、製出されるシリコン鋳塊2を昇降装置36によって支持することになるので、簡単な構成の設備でシリコン鋳塊2を効率良く製出することができる。また、プレート部38に冷却手段(図示なし)が備えられているので、上方に向けて一方向凝固させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、太陽電池用のシリコン鋳塊を製出するものとして説明したが、これに限定されることはなく、その他の金属や半導体等を一方向凝固させた鋳塊を製出するものであってもよい。
また、鋳型ユニットを石英で構成したものや黒鉛からなるユニット本体の内面に内層シリカ層を設けたものとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば図6及び図7に示すように、鋳型ユニット51を、ユニット本体54の内面に、粒径50〜300μmの微細溶融シリカ砂58が、0.2〜4.0μmの窒化ケイ素粉末57:75〜90重量%および残部:ナトリウム10〜6000ppm含有のシリカ56からなる混合体素地により結合された構造の内層55が形成されたものとしてもよい。この鋳型ユニット51を用いてシリコンを鋳造した場合、シリコン溶湯が接触する内面に設けられた内層55が、シリカ56と窒化ケイ素粉末57との混合体とされているので、シリコン溶湯中への酸素の混入を防止できる。さらに、ユニット本体も黒鉛で構成されたものに限定されることはなく、その他の材質で構成されていてもよい。
鋳型ユニットの材質や構造は、供給される溶湯の性質等を考慮して適宜選択することが好ましい。
また、鋳型の上方開口部から溶湯を供給し、鋳塊を下方に製出するものとして説明したが、鋳塊の製出方向に限定はなく、横方向や斜め方向に鋳塊を製出するものであってもよい。
さらに、溶着用加熱コイルによって隣接する鋳型ユニット同士を熱溶着させる構成として説明したが、溶着方法に限定はなく、例えば鋳型ユニットの外側から電子ビームを照射して熱溶着してもよい。
また、金属シリコン粉末を、いわゆるスカル溶解炉で溶解してシリコン溶湯を生成するように構成したもので説明したが、これに限定されることはなく、その他の溶解方法で原料を溶解して溶湯を生成してもよい。
本発明の第1の実施形態である鋳造装置の概略説明図である。 図1に示す鋳造装置に用いられる鋳型ユニットの部分断面図である。 図1に示す鋳造装置において鋳型内の温度分布を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態である鋳造装置の概略説明図である。 図3に示す鋳造装置に用いられる鋳型ユニットの断面図である。 鋳型ユニットの他の例を示す断面図である。 図6に示す鋳型ユニットの拡大断面図である。
符号の説明
1 シリコン溶湯(溶湯)
2 シリコン鋳塊(鋳塊)
10、30 鋳造装置
20、40、50 鋳型
21、41、51 鋳型ユニット
22 溝部
45 内層シリカ層
55 内層
56 シリカ
57 窒化ケイ素粉末
58 微細溶融シリカ砂

Claims (9)

  1. 鋳型の一方側から溶湯を供給し、凝固して得られた鋳塊を前記鋳型の他方側へ向けて製出する鋳造方法であって、
    前記鋳型は、前記鋳塊の製出方向に分割された複数の鋳型ユニットを有し、一の鋳型ユニットを前記鋳塊とともに他方側へ移動させるとともに、溶湯が供給される前記一方側から他の鋳型ユニットを順次送り込んでいくことを特徴とする鋳造方法。
  2. 前記鋳型の前記一方側の温度を、前記鋳型の他方側の温度よりも高く設定することにより、前記溶湯を一方向凝固させることを特徴とする請求項1に記載の鋳造方法。
  3. 隣接する前記鋳型ユニット同士を熱溶着させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋳造方法。
  4. 前記鋳型ユニットの外面に、前記鋳塊の製出方向に沿った溝部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の鋳造方法。
  5. 前記溶湯がシリコン溶湯であり、前記鋳型ユニットの少なくとも内面がシリコン化合物で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の鋳造方法。
  6. 請求項5に記載の鋳造方法に用いられる鋳型ユニットであって、石英で構成されていることを特徴とする鋳型ユニット。
  7. 請求項5に記載の鋳造方法に用いられる鋳型ユニットであって、内面に、150〜200メッシュの微細溶融シリカ砂を有する内層シリカ層が形成されていることを特徴とする鋳型ユニット。
  8. 請求項5に記載の鋳造方法に用いられる鋳型ユニットであって、内面に、粒径50〜300μmの微細溶融シリカ砂が、0.2〜4.0μmの窒化ケイ素粉末:75〜90重量%および残部:ナトリウム10〜6000ppm含有のシリカからなる混合体素地により結合された構造の内層が形成されていることを特徴とする鋳型ユニット。
  9. 鋳型の一方側から溶湯が供給されるとともに、凝固して得られた鋳塊が前記鋳型の他方側に向けて製出される鋳造装置であって、
    前記鋳型は、前記鋳塊の製出方向に分割された複数の鋳型ユニットを有し、一の鋳型ユニットが前記鋳塊とともに他方側に向けて移動されるとともに、溶湯が供給される前記一方側から他の鋳型ユニットが順次送り込まれていく構成とされていることを特徴とする鋳造装置。
JP2007288285A 2007-11-06 2007-11-06 鋳造方法、鋳型ユニット及び鋳造装置 Withdrawn JP2009113075A (ja)

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