JP2009112121A - 回転子およびそれを含むモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで、表面磁束密度を大きくするとともに好ましい表面磁束密度分布を得ることができ、かつ機械的に高い強度を得ることができる、回転子およびそれを含むモータを提供する。
【解決手段】モータ10は、回転子12および固定子14を含む。いわゆるIPM型の回転子12は、ヨーク16、複数の第1永久磁石18および複数の第2永久磁石20を含む。ヨーク16の外周には、複数の溝24が設けられることによって複数の磁極面26が設けられる。複数の磁極面26にはそれぞれ、2つの第1永久磁石18によって矢印B方向に交互に極性の異なる磁極が設けられる。第2永久磁石20は、溝24の第2配置部30に配置される。第2永久磁石20の磁化方向は、S極を有する磁極面26からN極を有する磁極面26に向けてヨーク16の内周側に湾曲して延びる向きに設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転子およびそれを含むモータに関し、より特定的には、ヨークの外周に磁極面が設けられる回転子およびそれを含むモータに関する。
一般に、エアコンのコンプレッサや電気自動車等のモータには、ヨーク内に永久磁石が配置されることによってヨークの外周に磁極面が設けられる回転子を用いることが知られている。このようないわゆる永久磁石埋め込み(IPM:Interior Permanent Magnet)型の回転子は、表面磁石(SPM:Surface Permanent Magnet)型の回転子に比べて、高強度である反面、ヨーク内で磁束が短絡してしまうために表面磁束密度が小さくなるという欠点がある。
従来、IPM型の回転子において表面磁束密度を大きくするために、たとえば図13に示す回転子1aや図14に示す回転子1b等が提案されている。図13の回転子1aでは、ヨーク2a内で周方向に並ぶ複数の永久磁石3aの間にヨーク2aの外周側から切り欠き4が設けられる。これによって、ヨーク内での磁束の短絡を抑えることができる。また、図14の回転子1bでは、ヨーク2b内で周方向に並ぶ複数の永久磁石3bにおいて、外周側に開くV字状に配置される2つの永久磁石3bの間に空隙5が設けられる。これによって、ヨーク内での磁束の短絡を抑えることができる。しかし、これらの技術では、切り欠き4や空隙5を設けることによって、ヨークの機械的な強度が低くなるという問題があった。このように、IPM型の回転子では、表面磁束密度を大きくするとともに機械的に高い強度を得ることが困難であった。
また、一般に、回転子の表面磁束密度分布が正弦波状に近いほど、トルク脈動が少なく効率のよいモータが得られることが知られている。通常、IPM型の回転子には、表面磁束密度を大きくするために磁力の大きい希土類焼結磁石が用いられる。製造方法等の理由から、希土類焼結磁石は単純な直方体等に形成されることが多く、希土類焼結磁石の磁化方向はその表面に対して垂直または平行であることが多い。このような単純な形状および磁化方向の希土類焼結磁石が用いられる回転子では、希土類焼結磁石の位置やヨークの形状のみでは表面磁束密度分布を正弦波状にすることが困難であった。つまり、IPM型の回転子では、表面磁束密度を大きくするとともに好ましい表面磁束密度分布を得ることが困難であった。
上述の課題を解決するために、焼結磁石とボンド磁石とを使用した種々の回転子が提案されている。たとえば、特許文献1には、それぞれ極異方性を有する複数の円弧状の焼結磁石を回転軸の外周に配置し、これらをボンド磁石で覆った回転子が開示されている。また、特許文献2には、回転軸の外周に極異方性を有する多磁極のボンド磁石を設け、当該ボンド磁石に焼結磁石を嵌合させた回転子が開示されている。特許文献1および2の回転子では、表面磁束密度を大きくするとともに好ましい表面磁束密度分布を得ることができ、かつ機械的に高強度を得ることができると考えられる。
また、特許文献3には、外周側に円弧状に膨らむようにヨークに形成された貫通孔において、内周側に焼結磁石を配置するとともに外周側にボンド磁石を配置することによって、表面磁束密度分布を正弦波状にする回転子が開示されている。さらに、特許文献4には、ヨークに形成された貫通孔において、外周側にナノコンポジット磁石粉末を用いたボンド磁石を配置するとともに内周側に焼結磁石を配置する回転子が開示されている。
特開2005−57955号公報 特開2004−242378号公報 特開2004−215395号公報 特許第3541582号公報
しかし、特許文献1および2の回転子では、大量のボンド磁石が必要であるのでコストが上昇してしまう。特許文献3の回転子では、正弦波状の表面磁束密度分布は得られるものの従来と同様にヨーク内で磁束が短絡してしまうので表面磁束密度が小さくなってしまう。また、特許文献4の回転子は、弱め界磁制御を容易にするためのものであって、表面磁束密度を大きくするとともに正弦波状の表面磁束密度分布を得ることや機械的に高い強度を得るという課題を解決するものではない。
それゆえに、本発明の主たる目的は、低コストで、表面磁束密度を大きくするとともに好ましい表面磁束密度分布を得ることができ、かつ機械的に高い強度を得ることができる、回転子およびそれを含むモータを提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の回転子は、筒状に形成され、軸方向に延びる複数の溝と前記溝を介して隣り合う複数の磁極面とを外周に有するヨーク、前記複数の磁極面にそれぞれ交互に極性の異なる磁極を設けるように前記ヨークに配置される複数の第1永久磁石、および前記複数の溝にそれぞれ配置され、それぞれの磁化方向が負極を有する前記磁極面から正極を有する前記磁極面に向けて延びる向きに設定される複数の第2永久磁石を備える。
請求項2に記載の回転子は、請求項1に記載の回転子において、前記第2永久磁石を前記ヨークの径方向に位置決めするために、前記溝および前記第2永久磁石には、一方に凸部が設けられ他方に前記凸部に対応する凹部が設けられることを特徴とする。
請求項3に記載の回転子は、請求項1または2に記載の回転子において、前記溝には、表面粗化処理が施されることを特徴とする。
請求項4に記載の回転子は、請求項1から3のいずれかに記載の回転子において、前記第2永久磁石は、ハード磁性相とソフト磁性相とを有するナノコンポジット磁石粉末を含むボンド磁石であることを特徴とする。
請求項5に記載の回転子は、請求項1から4のいずれかに記載の回転子において、前記第2永久磁石は、射出成形によって得られるボンド磁石であることを特徴とする。
請求項6に記載のモータは、請求項1から5のいずれかに記載の回転子を含むことを特徴とする。
請求項1に記載の回転子では、ヨークの外周に軸方向に延びる複数の溝が設けられ、溝を介して隣り合う2つの磁極面に互いに極性の異なる磁極が設けられる。このように2つの磁極面が溝に配置された第2永久磁石を介して隣り合うことによって、第1永久磁石からの磁束がヨーク内で当該第1永久磁石または他の第1永久磁石に収束することを抑えることができる。つまり、ヨーク内での磁束の短絡を抑えることができる。したがって、ヨークの表面磁束密度を大きくできる。また、ヨークの各溝に配置される第2永久磁石の磁化方向が負極(S極)を有する磁極面から正極(N極)を有する磁極面に向けて延びるように設定されることによって、ヨーク内において負極を有する磁極面から正極を有する磁極面により多くの磁束を案内することができる。これによって、隣り合う2つの磁極面の一方からより多くの磁束を放出させて他方に収束させることができ、表面磁束密度をより大きくできる。また、その磁化方向が上述のように設定される第2永久磁石が各溝に配置されることによって、ヨークの表面磁束密度分布を滑らかにでき、ヨークの表面磁束密度分布を正弦波状に近づけることができる。さらに、各溝に第2永久磁石が配置されることによって、各第2永久磁石がヨークの補強部材としても機能し、ヨークの強度を溝がない場合と同程度にできる。このように、大量のボンド磁石を用いずともヨークの溝に第2永久磁石を配置するのみで、低コストで、表面磁束密度を大きくするとともに好ましい表面磁束密度分布を得ることができ、かつ機械的に高い強度を得ることができる。
請求項2に記載の回転子では、ヨークの溝および第2永久磁石の一方に設けられる凸部が他方に設けられる凹部に嵌合することによって、第2永久磁石がヨークの径方向に位置決めされる。これによって、回転に伴う遠心力によって第2永久磁石が外れることを防止できる。
請求項3に記載の回転子では、ヨークの溝に表面粗化処理が施されることによって、ヨークの溝と第2永久磁石との密着強度が大きくなり、第2永久磁石をヨークの溝に対してずれにくくできる。
請求項4に記載の回転子では、第2永久磁石として、高保磁力のハード磁性相と高残留磁束密度のソフト磁性相と有するナノコンポジット磁石粉末を含むボンド磁石が用いられる。このようなボンド磁石では、ナノコンポジット磁石粉末におけるソフト磁性相の体積比率を調整することによってリコイル透磁率を容易に大きくできる。したがって、このようなボンド磁石を第2永久磁石として用いることによって、小さな反磁界で容易に表面磁束密度を小さくできる。ひいては、後述のようにモータにおいて弱め界磁制御を容易にできる。
請求項5に記載の回転子では、射出成形によって得られる高強度なボンド磁石を第2永久磁石として用いることによって、ヨークひいては当該回転子を機械的により高強度にできる。
請求項6に記載のモータでは、本発明の回転子を用いることによって、容易に、高出力を得ることができるとともに高い耐久性を得ることができ、かつ効率よく駆動できる。
本発明によれば、低コストで、表面磁束密度を大きくするとともに好ましい表面磁束密度分布を得ることができ、かつ機械的に高い強度を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1に本発明の一実施形態のモータ10を示す。モータ10は、回転子(ロータ)12および固定子(ステータ)14を含む。
回転子12は、いわゆる永久磁石埋め込み(IPM:Interior Permanent Magnet)型に構成され、ヨーク(ロータコア)16、複数(ここでは16個)の第1永久磁石18および複数(ここでは8個)の第2永久磁石20を含む。
なお、図1には、第1永久磁石18および第2永久磁石20にそれぞれの磁化方向が実線矢印で示されている。また、図1には、理解を容易にするために固定子14の一部のみが示されている。
さらに図2を参照して、回転子12について詳細に説明する。回転子12のヨーク16は、中空円板状の珪素鋼板22を複数(たとえば500枚)積層することによって円筒状に形成される。軟磁性材料である複数の珪素鋼板22はそれぞれ、矢印Aで示すヨーク16の軸方向(図2参照)に直交する両主面にそれぞれ絶縁皮膜を有する。これによって、回転子12の回転に伴うヨーク16内での渦電流の発生を抑えることができ、渦電流損を低減できる。
なお、図2には、簡略化のために一部の珪素鋼板22のみが示されている。
円筒状のヨーク16の内周側には、回転軸(不図示)が挿通される。また、ヨーク16の外周には、それぞれ矢印Aで示す軸方向に延びる複数(ここでは8個)の溝24が矢印Bで示す周方向に等間隔に設けられる。このように、ヨーク16に複数の溝24が設けられることによって、ヨーク16の外周には複数(ここでは8個)の磁極面26が矢印Bで示す周方向に等間隔に設けられる。
複数の溝24はそれぞれ、第1永久磁石18をそれぞれ配置するための2つの第1配置部28、および第2永久磁石20を配置するための第2配置部30を含む。
図1に示すように、溝24の2つの第1配置部28は、V字状を呈するようにそれぞれヨーク16の内周側に延びた後に、他方の第1配置部28とは反対側にヨーク16の矢印Cで示す径方向に略直交する方向に延びる。図2に示すように、溝24の2つの第1配置部28にはそれぞれ、直方体(板状)に形成される第1永久磁石18が配置される。したがって、図1に示すように、1つの溝24に配置される2つの第1永久磁石18は、ヨーク16の内周側に開くV字状を呈する。
なお、ヨーク16の径方向は、図1および図2に矢印Cで示す方向に限定されない。矢印Aで示す軸方向(図2参照)に直交するようにヨーク16の主面(端面)の中心から外周側に向けて延びる方向の或る方向が径方向であることはいうまでもない。
第1永久磁石18は、たとえば接着剤等を用いて第1配置部28に固定される。第1配置部28の内周側端部が矢印Cで示す径方向に略直交する方向に延びることによって、ヨーク16と第1永久磁石18との間には空隙32(図1参照)が形成される。それぞれ別の溝24に配置され、空隙32を介して隣り合う2つの第1永久磁石18は、ヨーク16の外周側に開くV字状を呈する。
第1永久磁石18には、残留磁束密度(Br)が1.1〜1.5T(好ましくは1.2〜1.3T)であり、保磁力(HcJ)が1500〜3000kA/m(好ましくは2000〜2500kA/m)である希土類焼結磁石が用いられる。具体的には、第1永久磁石18として、Nd−Fe−B系の希土類焼結磁石の一例であるNEOMAX(登録商標:日立金属株式会社製)等が用いられる。
図1に示すように、第1永久磁石18の磁化方向は、端面の短手方向に延びる向きに設定される。1つの溝24に配置される2つの第1永久磁石18の磁化方向は、一方の第1永久磁石18の磁化方向が外周向きであれば他方の第1永久磁石18の磁化方向が内周向きになるように設定される。また、空隙32を介して隣り合う2つの第1永久磁石18の磁化方向は、互いに外周向きまたは互いに内周向きになるように設定される。複数の第1永久磁石18はそれぞれ、予め着磁しておいてもよいし、ヨーク16に配置した後に着磁するようにしてもよい。ヨーク16への配置後に第1永久磁石18を着磁するようにすれば、回転子12の組み立てを容易にできる。
このようにヨーク16に複数の第1永久磁石18が設けられることによって、複数の磁極面26にはそれぞれ、矢印Bで示す周方向に交互に極性の異なる磁極が設けられる。詳しくは、空隙32を介して隣り合う2つの第1永久磁石18の磁化方向が外周向きであれば、当該2つの第1永久磁石18の外周側の磁極面26には正極(N極)が設けられ、当該磁極面26からは図1に破線で示すように磁束が放出される。一方、空隙32を介して隣り合う2つの第1永久磁石18の磁化方向が内周向きであれば、当該2つの第1永久磁石18の外周側の磁極面26には負極(S極)が設けられ、当該磁極面26には図1に破線で示すように磁束が収束する。
溝24の第2配置部30は、2つの第1配置部28にそれぞれ第1永久磁石18を配置した状態で、外周側の開口部から内周側に向かうにつれて矢印Bで示す周方向の寸法が小さくなった後に、第1永久磁石18の角部よりも内周側において、内周側に向かうにつれて矢印Bで示す周方向の寸法が大きくなるように設けられる。これによって、第2配置部30には、2つの第1配置部28にそれぞれ第1永久磁石18を配置した状態で、矢印Bで示す周方向に並ぶ2つの凹部34が設けられる。さらに、第2配置部30には、2つの凹部34よりも内周側に凹部36が設けられる。凹部36は、矢印Bで示す周方向の寸法が内周側に向かうにつれて大きくなるように設けられる。
第2配置部30の表面には、ブラスト処理やピーニング処理等の物理的な表面粗化処理、および燐酸塩処理等の化学的な表面粗化処理の少なくともいずれか一方が施される。本実施形態では、ブラスト処理の後に燐酸塩処理が施され、第2配置部30の表面が梨地状になる。
このような第2配置部30には、第2永久磁石20が配置される。第2永久磁石20は、第2配置部30の形状に対応し、第2配置部30の2つの凹部34にそれぞれ嵌合する2つの凸部38、および第2配置部30の凹部36に嵌合する凸部40を有する。また、第2永久磁石の一側面(外周面の一部)は、ヨーク16の磁極面26と面一になる。
第2永久磁石20は、たとえば、ヨーク16を金型の一部として射出成形されたボンド磁石であり、次のようにして得られる。まず、溝24の2つの第1配置部28にそれぞれ第1永久磁石18を配置した状態で、溝24をヨーク16の外周側および一方端面側から塞ぐことによってキャビティを形成する。そして、磁石粉末、熱可塑性樹脂バインダ、および微量の滑剤を混合したコンパウンドを加熱して当該キャビティに加圧注入する。このような射出成形によって、第2配置部30に嵌合する第2永久磁石20が得られる。このようにヨーク16を金型の一部として用いることによって、容易に第2永久磁石20を射出成形でき、第2永久磁石20を第2配置部30に配置する手間を省くことができる。
第2永久磁石20の材料であるコンパウンドには、成形の容易性等の観点から高い流動性が要求されるとともに磁気特性の観点から磁石粉末の高い充填率が要求される。このために、コンパウンドには、その平均粒径が10〜100μm(好ましくは30〜80μm)の磁石粉末が用いられる。また、コンパウンドに用いられる磁石粉末には、第2永久磁石20の電気抵抗を高めるために絶縁皮膜処理が施される。さらに、コンパウンドに用いられる磁石粉末には、粒度分布を調整するためにカップリング剤(分散剤)が塗布される。二次凝集を抑えるためのカップリング剤としては、シラン系やチタネート系のものが好適に用いられる。なお、磁石粉末への絶縁皮膜処理は省略してもよい。磁石粉末へのカップリング剤の塗布についても同様である。
本実施形態においては、コンパウンドひいては第2永久磁石20の磁石粉末として、ハード磁性相(硬磁性相)とソフト磁性相(軟磁性相)とがナノメータ単位で混在するナノコンポジット磁石粉末が用いられる。具体的には、第2永久磁石20の磁石粉末として、Nd2Fe14B型結晶相からなるハード磁性相と、α−FeやFe3B等のソフト磁性相とを有するSPRAX(登録商標:日立金属株式会社製)が用いられる。このような希土類ナノコンポジット磁石粉末を用いた第2永久磁石20では、残留磁束密度(Br)が0.4〜0.8T(好ましくは0.5〜0.6T)になり、第2永久磁石20の保磁力(HcJ)が400〜1000kA/m(好ましくは600〜800kA/m)になる。
また、第2永久磁石20では、このようなナノコンポジット磁石粉末におけるソフト磁性相の体積比率を調整することによって、容易にリコイル透磁率を調整できる。図3に、R1で第1永久磁石18のリコイル線を示し、R2で第2永久磁石20のリコイル線を示す。略Nd2Fe14B(ハード磁性相)のみからなる第1永久磁石18では、リコイル透磁率(磁束密度/反磁界の強度)が1.05程度である。これに対して、第2永久磁石20では、ナノコンポジット磁石粉末におけるソフト磁性相の体積比率を大きくすることによって、リコイル透磁率が1.3程度に調整される。このように、ナノコンポジット磁石粉末を用いた第2永久磁石20では、容易にリコイル透磁率を大きくできる。
また、コンパウンドひいては第2永久磁石20の熱可塑性樹脂バインダとしては、ポリアミド(PA)またはポリフェニレンサルファイド(PPS)等の熱可塑性樹脂を含有するものが好適に用いられる。熱可塑性樹脂バインダにおける樹脂の含有率は、磁気特性と第2永久磁石20の機械的な強度とを考慮して、5〜15wt%に調整され、より好ましくは5〜10wt%に調整される。
本実施形態では、複数の第2永久磁石20がそれぞれヨーク16を金型の一部として射出成形された後に着磁され、図1に示すように、複数の第2永久磁石20の磁化方向がそれぞれ、S極を有する磁極面26からN極を有する磁極面26に向けてヨーク16の内周側に湾曲して延びる向きに設定される。
固定子14は、円筒状に形成され、回転子12を収容するヨーク(ステータコア)40を含む。ヨーク40の内周面には、T字状のティース42が矢印Bで示す周方向に等間隔に設けられる。ティース42の周囲にはコイル44が巻き付けられる。
モータ10では、各ティース42のコイル44に交番電流を通電することによって回転磁界を発生させる。そして、回転磁界とヨーク16の表面に生じる磁界との相互作用によって、回転子12を矢印Bで示す周方向の一方向に回転させるマグネットトルクを発生させる。また、回転磁界にヨーク16の磁極面26(突極)が吸引されることによって、回転子12を矢印Bで示す周方向の一方向に回転させるリラクタンストルクが発生する。したがって、モータ10では、マグネットトルクとリラクタンストルクとの合成トルクによって回転子12を矢印Bで示す周方向の一方向に回転させる。このようなモータ10では、マグネットトルクとリラクタンストルクとによって回転子12を回転させることができるので、表面磁石(SPM:Surface Permanent Magnet)型の回転子を用いることでリラクタンストルクを発生させることができないモータに比べて効率よく駆動できる。
このようなモータ10の回転子12では、2つの磁極面26が溝24に配置される第2永久磁石20を介して隣り合うことによって、第1永久磁石18からの磁束がヨーク16内で当該第1永久磁石18または他の第1永久磁石18に収束することを抑えることができる。つまり、ヨーク16内での磁束の短絡を抑えることができる。したがって、ヨーク16の外周近傍の磁束密度(以下、表面磁束密度という)を大きくできる。また、各溝24に配置される第2永久磁石20の磁化方向が、S極を有する磁極面26からN極を有する磁極面26に向けて延びるように設定されることによって、ヨーク16内においてS極を有する磁極面26からN極を有する磁極面26により多くの磁束を案内することができる。これによって、隣り合う2つの磁極面26の一方からより多くの磁束を放出させて他方に収束させることができ、ヨーク16の表面磁束密度をより大きくできる。また、各溝24にその磁化方向が上述のように設定される第2永久磁石20の一側面が磁極面26と面一になるように配置されることによって、ヨーク16の表面磁束密度分布を滑らかにでき、ヨーク16の表面磁束密度分布を正弦波状にできる。さらに、各溝24に第2永久磁石20を配置することによって、各第2永久磁石20がヨーク16の補強部材としても機能し、ヨーク16の強度を溝がない場合と同程度にできる。このように、ヨーク16の溝24に第2永久磁石20を配置するのみで、低コストで、表面磁束密度を大きくするとともに好ましい表面磁束密度分布を得ることができ、かつ機械的に高い強度を得ることができる。
また、ヨーク16と第1永久磁石18との間に空隙32が設けられることによっても、ヨーク16内での磁束の短絡を抑えることができ、ヨーク16の表面磁束密度を大きくできる。
さらに、空隙32を介して隣り合う2つの第1永久磁石18をV字状に配置することによって、その磁化方向に直交する側面の面積が大きな第1永久磁石18をヨーク16内に配置でき、ヨーク16の表面磁束密度を大きくできる。
溝24の2つの凹部34に第2永久磁石20の2つの凸部38がそれぞれ嵌合しかつ溝24の凹部36に第2永久磁石20の凸部40が嵌合することによって、第2永久磁石20が矢印Cで示す径方向に位置決めされる。これによって、回転子12の回転に伴う遠心力によって第2永久磁石20が外れることを防止できる。
溝24の第2配置部30にブラスト処理および燐塩酸処理が施されることによって、第2配置部30の表面と第2永久磁石20との密着強度が大きくなり、第2永久磁石20を溝24に対してずれにくくできる。
第1永久磁石18として強力な磁力を有する希土類焼結磁石を用いることによって、ヨーク16の表面磁束密度を大きくでき、モータ10の出力を大きくできる。また、モータ10では、所定の回転数以上になれば回転数をより大きくするために、コイル44に通電する電流を逆位相に制御することによってヨーク16の表面の磁界強度を小さくする弱め界磁制御が行われる。第2永久磁石20がナノコンポジット磁石粉末を用いたリコイル透磁率の大きいボンド磁石であることによって、弱め界磁制御の際に強度の小さな反磁界で、ヨーク16の表面磁束密度を小さくでき、ヨーク16の外周近傍の磁界強度をより小さくできる。このように強度の小さな反磁界で容易に弱め界磁制御できるので、第2永久磁石20としてリコイル透磁率が小さな希土類焼結磁石等を用いる場合に比べて、第1永久磁石18の減磁を抑えることができる。
また、渦電流は主にヨーク16の外周近傍で発生することから、絶縁皮膜を有する磁石粉末を用いることで電気抵抗が高められた第2永久磁石20をヨーク16の外周に露出させることによって、渦電流損を低減できる。
第2永久磁石20が射出成形によって得られる高強度なボンド磁石であることによって、ヨーク16ひいては回転子12を機械的により高強度にできる。
モータ10では、回転子12を用いることによって、容易に、高出力を得ることができるとともに高い耐久性を得ることができ、かつ効率よく駆動できる。
なお、第2永久磁石20のリコイル透磁率は、第1永久磁石18のリコイル透磁率よりも大きければ特に限定されず、たとえば1.2〜1.7の範囲で任意に設定できる。リコイル透磁率を大きくしすぎると減磁しやすくなってしまうので、弱め界磁制御の容易さと減磁のしにくさとを考慮して、第2永久磁石20のリコイル透磁率は1.3〜1.5に設定することが好ましい。
また、上述の実施形態では、表面粗化処理として溝24の第2配置部30にブラスト処理および燐酸塩処理を施す場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。ブラスト処理やピーニング処理等の物理的な表面粗化処理、および燐塩酸処理等の化学的な表面粗化処理のいずれか一方のみを第2配置部30に施すようにしてもよいし、表面粗化処理を第2配置部30に施さないようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、ヨーク16を金型の一部として第2永久磁石20を射出成形する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば別の射出成形装置によって射出成形された第2永久磁石20をヨーク16の溝24に嵌合するようにしてもよい。この場合、第2永久磁石20は、予め着磁しておいてもよいし、ヨーク16に配置した後に着磁するようにしてもよい。ヨーク16への配置後に第2永久磁石20を着磁するようにすれば、回転子12の組み立てを容易にできる。
さらに、複数の第2永久磁石20は、ヨーク16の一方の主面側に配置される環状部45(図2に二点鎖線で示す)によって互いに連結されていてもよい。つまり、複数の第2永久磁石20は一体的に設けられていてもよい。第1永久磁石18についても同様である。
なお、ヨークの複数の磁極面に極性の異なる磁極を交互に設けることができる限り、第1永久磁石の配置態様、ヨークの外周に設けられる溝の形状ひいては第2永久磁石の形状、および第1永久磁石と第2永久磁石との位置関係は任意に設定できる。
たとえば、以下に説明する回転子12aのように構成してもよい。
図4に本発明の回転子の他の例であるIPM型の回転子12aを示す。回転子12aは、ヨーク16a、複数(ここでは8個)の第1永久磁石18aおよび複数(ここでは8個)の第2永久磁石20aを含む。
さらに図5を参照して、上述のヨーク16と同様に、ヨーク16aは複数の珪素鋼板22aを積層することによって円筒状に形成され、ヨーク16aの外周には矢印Aで示す軸方向に延びる複数の溝24aおよび複数の磁極面26aが設けられる。また、ヨーク16aには、隣り合う2つの溝24aの間に矢印Aで示す軸方向に延びる貫通孔46が設けられる。貫通孔46の開口部は、隣り合う2つの溝24aの一方から他方に向けて矢印Cで示す径方向に略直交する方向に延びるように設けられる。このような貫通孔46には、板状の第1永久磁石18aが配置(挿入)される。第1永久磁石18aには、上述の第1永久磁石18と同じ種類の磁石が用いられる。
第1永久磁石18aの磁化方向は、端面の短手方向に延びる向きに設定される。また、矢印Bで示す周方向に隣り合う2つの第1永久磁石18aの磁化方向は、一方の第1永久磁石18aの磁化方向が外周向きであれば他方の第1永久磁石18aの磁化方向が内周向きになるように設定される。これによって、複数の磁極面26aにはそれぞれ矢印Bで示す周方向に交互に極性の異なる磁極が設けられる。
図4に示すように、溝24aは、外周側の開口部から内周側に向かうにつれて矢印Bで示す周方向の寸法が大きくなった後に、貫通孔46ひいては第1永久磁石18aを避けて矢印Bで示す周方向の寸法が小さくなるように設けられる。これによって溝24aには、第1永久磁石18aよりも外周側に矢印Bで示す周方向に並ぶ2つの凹部34aが設けられる。さらに、溝24aには、第1永久磁石18aよりも内周側に凹部36aが設けられる。凹部36aは、矢印Bで示す周方向の寸法が内周側に向かうにつれて大きくなるように設けられる。溝24aには、上述の第2配置部30と同様の表面粗化処理が施される。
第2永久磁石20aは、上述の第2永久磁石20と同様に射出成形され、溝24aの2つの凹部34aにそれぞれ嵌合する2つの凸部38a、および凹部36aに嵌合する凸部40aを有する。第2永久磁石20の材料としては、上述の第2永久磁石20と同じ種類のナノコンポジット磁石粉末と熱可塑性樹脂バインダとが用いられる。
第2永久磁石20aの磁化方向は、上述の第2永久磁石20と同様に、S極を有する磁極面26aからN極を有する磁極面26aに向けて内周側に湾曲して延びる向きに設定される。
このような回転子12aも上述の回転子12と同様の効果を奏する。ヨークの磁極面が少数である場合は、各磁極面の面積が大きくなり、ヨークの径方向に直交する方向に第1永久磁石の寸法を大きくできる。したがって、第1永久磁石18aが矢印Cで示す径方向に略直交する方向に延びる回転子12aの構成は、ヨークに少数の磁極面を設ける場合に好適に用いられる。
また、以下に説明する回転子12bのように構成してもよい。
図6に本発明の回転子のその他の例であるIPM型の回転子12bを示す。回転子12bは、ヨーク16b、複数(ここでは8個)の第1永久磁石18bおよび複数(ここでは8個)の第2永久磁石20bを含む。
さらに図7を参照して、上述のヨーク16と同様に、ヨーク16bは複数の珪素鋼板22bを積層することによって円筒状に形成され、ヨーク16bの外周には矢印Aで示す軸方向に延びる複数の溝24bおよび複数の磁極面26bが設けられる。
溝24bは、第1永久磁石18bを配置するための第1配置部28a、および第2永久磁石20bを配置するための第2配置部30aを含む。
溝24bの第1配置部28aは、外周側に開口する第2配置部30aから矢印Cで示す径方向に延びる。第1永久磁石18bは、板状に形成され、第1配置部28aから半分程度が第2配置部30aにはみ出すように第1配置部28aに配置される。第1永久磁石18bには、上述の第1永久磁石18と同じ種類の磁石が用いられる。
第1永久磁石18bの磁化方向は、端面の短手方向に延びる向きに設定される。また、隣り合う2つの第1永久磁石18bの磁化方向は、一方の第1永久磁石18bと他方の第1永久磁石18bとで矢印Bで示す周方向において互いに逆向きになるように設定される。これによって、複数の磁極面26bにはそれぞれ矢印Bで示す周方向に交互に極性の異なる磁極が設けられる。
図6に示すように、溝24bの第2配置部30aは、外周側の開口部から内周側に向かうにつれて矢印Bで示す周方向の寸法が小さくなるように設けられる。また、第2配置部30aには矢印Bで示す周方向に並ぶ2つの凸部48が設けられる。第2配置部30aには、上述の第2配置部30と同様の表面粗化処理が施される。
第2永久磁石20bは、上述の第2永久磁石20と同様に射出成形され、第2配置部30aの2つの凸部48がそれぞれ嵌合される2つの凹部50を有する。第2永久磁石20bの材料としては、上述の第2永久磁石20と同じ種類のナノコンポジット磁石粉末と熱可塑性樹脂バインダとが用いられる。
第2永久磁石20bの磁化方向は、上述の第2永久磁石20と同様に、S極を有する磁極面26bからN極を有する磁極面26bに向けて内周側に湾曲して延びる向きに設定される。
このような回転子12bも上述の回転子12と同様の効果を奏する。ヨークに多数の磁極面を設ける場合は、各磁極面の面積が小さくなり、ヨークの径方向に直交する方向に第1永久磁石の寸法を大きくできなくなる。したがって、第1永久磁石18bが矢印Cで示す径方向に延びる回転子12bの構成は、ヨークに多数の磁極面を設ける場合に好適に用いられる。
さらに、図8に示す回転子12cのように、回転子12bに第1永久磁石52を追加するようにしてもよい。回転子12cにおいて、回転子12bと同様に構成される部分については回転子12bと同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
ヨーク16cには、第1永久磁石52を配置するための貫通孔54が設けられる。貫通孔54の開口部は、隣り合う第1永久磁石18bの間で矢印Cで示す径方向に略直交する方向に延びるように設けられる。貫通孔54に配置される第1永久磁石52は板状に形成され、第1永久磁石52の磁化方向は端面の短手方向に延びる向きに設定される。複数の第1永久磁石52の磁化方向はそれぞれ、その外周側の磁極面26bがN極を有していれば外周向きに設定され、その外周側の磁極面26bがS極を有していれば内周向きに設定される。このように第1永久磁石52を追加することによって、表面磁束密度をより大きくできる。
なお、上述の各実施形態では、珪素鋼板を積層することによってヨークを構成する場合について説明したが、ヨークはこれに限定されない。たとえば、ヨークとして、軟磁性体粉末と樹脂バインダとを含むコンパウンドを射出成形することによって得られる圧粉磁心を用いてもよい。このような圧粉磁心では、軟磁性体粉末に絶縁皮膜を施すことによってあらゆる方向に電気的絶縁性を持たせることができ、渦電流損をより低減できる。また、このような圧粉磁心と第2永久磁石とを同時に射出成形することによって、ヨーク(圧粉磁心)と第2永久磁石とを一体的に設けてもよい。この場合、第2永久磁石がヨークから外れることはないので、第2永久磁石をたとえば直方体状等の単純な形状にできる。
また、複数の磁石片を接着することによって第1永久磁石を構成するようにしてもよい。この場合、接着剤として電気的絶縁性を有するものを用いることによって、渦電流損をより低減できる。
さらに、上述の各実施形態では、第1永久磁石として希土類焼結磁石を用い、第2永久磁石として希土類ナノコンポジット磁石粉末を含むボンド磁石を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。第1永久磁石に用いる永久磁石の種類、および第2永久磁石に用いる永久磁石の種類は任意に選択できる。
なお、上述の各実施形態では、8個の磁極面を設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。回転子に設ける磁極面ひいては磁極の数は任意に設定できる。
ついで、本発明の回転子12と図14に示す従来技術の回転子1bとの表面磁束密度分布の比較例について説明する。
図9に回転子12の表面磁束密度分布を示し、図10に回転子1bの表面磁束密度分布を示す。図9に示す表面磁束密度分布は、図1の状態から矢印Bで示す周方向の反時計回りに回転子12を回転させて、外周側に1mm離れた位置P(図1参照)で磁束密度を測定することによって得られたものである。図10に示す表面磁束密度分布についても同様である。
図9に示すように、回転子12では、各溝24に第2永久磁石20を配置することによって、隣り合う2つの磁極面26の間(回転角度0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°および360°付近の部分)でも表面磁束密度を滑らかに推移させることができ、表面磁束密度分布を正弦波状にできた。その結果、モータ10において、誘起電圧を図11に示すように正弦波状に推移させることができ、トルク脈動を低減することができた。つまり、モータ10を効率よく駆動させることができた。
一方、回転子1bでは、ヨーク2bの外周の磁極間近傍(図14において一点鎖線で囲む部分)において、N極を設けるための第1永久磁石3bからの磁束がヨーク2b内で当該第1永久磁石3bに収束し、また、S極を設けるための第1永久磁石3bに磁束が集中してしまう。このために、図10に示すように、回転角度0°,45°,90°,135°,180°,225°,270°,315°および360°付近の部分で磁束密度が脈動し、表面磁束密度分布が正弦波状にならなかった。その結果、図12に示すように、回転子1bを用いたモータでは、固定子の鎖交磁束量の時間変化率が大きく変動し、誘起電圧が大きく歪んだ。
また、図9と図10とを比較して、回転子12では、効率よくN極を有する磁極面26から磁束を放出させS極を有する磁極面26に収束させることができるので、回転子1bに対して表面磁束密度の最大値を10%程度大きくできた。
このように、回転子12では、表面磁束密度を大きくするとともに好ましい表面磁束密度分布を得ることができた。その結果、モータ10を高出力にかつ高効率に駆動させることができた。
本発明の一実施形態を示す平面図解図である。 本発明の回転子の一例を示す斜視図である。 第1永久磁石のリコイル線と第2永久磁石のリコイル線とを示すグラフである。 本発明の回転子の他の例を示す平面図解図である。 図4の回転子の斜視図である。 本発明の回転子のその他の例を示す平面図解図である。 図6の回転子の斜視図である。 本発明の回転子のその他の例を示す平面図解図である。 図1の回転子の表面磁束密度分布を示すグラフである。 従来技術の回転子の表面磁束密度分布を示すグラフである。 図1のモータにおける回転子の回転角度と誘起電圧との関係を示すグラフである。 従来技術の回転子を用いたモータにおける回転子の回転角度と誘起電圧との関係を示すグラフである。 従来技術の回転子の一例を示す平面図である。 従来技術の回転子の他の例を示す平面図である。
符号の説明
10 モータ
12,12a〜12c 回転子
14 固定子
16,16a〜16c,40 ヨーク
18,18a,18b,52 第1永久磁石
20,20a,20b 第2永久磁石
24,24a,24b 溝
26,26a,26b 磁極面
28,28a 第1配置部
30,30a 第2配置部
34,34a,36,36a,50 凹部
38,38a,40,40a,48 凸部
44 コイル
45 環状部
46,54 貫通孔

Claims (6)

  1. 筒状に形成され、軸方向に延びる複数の溝と前記溝を介して隣り合う複数の磁極面とを外周に有するヨーク、
    前記複数の磁極面にそれぞれ交互に極性の異なる磁極を設けるように前記ヨークに配置される複数の第1永久磁石、および
    前記複数の溝にそれぞれ配置され、それぞれの磁化方向が負極を有する前記磁極面から正極を有する前記磁極面に向けて延びる向きに設定される複数の第2永久磁石を備える、回転子。
  2. 前記第2永久磁石を前記ヨークの径方向に位置決めするために、前記溝および前記第2永久磁石には、一方に凸部が設けられ他方に前記凸部に対応する凹部が設けられる、請求項1に記載の回転子。
  3. 前記溝には、表面粗化処理が施される、請求項1または2に記載の回転子。
  4. 前記第2永久磁石は、ハード磁性相とソフト磁性相とを有するナノコンポジット磁石粉末を含むボンド磁石である、請求項1から3のいずれかに記載の回転子。
  5. 前記第2永久磁石は、射出成形によって得られるボンド磁石である、請求項1から4のいずれかに記載の回転子。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の回転子を含む、モータ。
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