JP2009111538A - 聴覚感度補正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カットオフ周波数を変更することなくオーディオ信号を帯域分割し、分割されたオーディオ信号の合成時の干渉を低減させ、好適なラウドネス特性を付加すること。
【解決手段】聴覚感度補正装置1は、オーディオ信号を帯域毎に分割するための複数の帯域別フィルタ5〜8と、帯域別フィルタ5〜8によりフィルタ処理されたオーディオ信号にゲイン補正を行うゲイン調整手段11、12と、ゲイン調整11、12が行われた各オーディオ信号の合成処理を行う合成処理手段15、16と有するフィルタ手段3、4と、ゲイン調整手段11、12において調整されるゲイン値を、帯域別フィルタ5〜8毎に算出するゲイン計算手段2とを備える。帯域別フィルタ5〜8は、フィルタ処理されたオーディオ信号を合成した場合に干渉が生じないようにフィルタ特性が設定される。ゲイン計算手段2は、フィルタ手段3、4の設置数に応じて、ゲイン値を帯域種別毎に分配する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、聴覚感度補正装置に関し、より詳細には、オーディオ信号を帯域別にフィルタ処理した後に合成することによって、オーディオ信号にラウドネス特性を付加することが可能な聴覚感度補正装置に関する。
一般的なオーディオ再生装置には、スピーカから出力される音量を調節するための音量調節部が設けられており、ユーザは音量調節部を操作することによって、スピーカ等から出力される音量を好適に調節することが可能となっている。
しかしながら、一般的な音量調節部では、一定量(例えば、+6dB〜12dB程度)しか音量調節を行うことができず、これ以上の調節が必要な場合や、十分なラウドネス特性を備えた音質を得たい場合には、音量調節部の操作によって要求を満たすことができないという問題があった。
このような要求を満たすために、出力音の音量に対する聴覚感度の補正を行うラウドネス制御装置(聴覚感度補正装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ラウドネス制御装置は、オーディオ信号を低域、中域、高域に帯域分割し、音量調節部の操作量に連動させて低域、中域、高域のゲインを変更させつつそれぞれの帯域のオーディオ信号を合成してスピーカ等から出力させ、聴覚感度補正を行うものである。
特開2000−197182号公報(第4−5頁、第1図)
ところで、上述したラウドネス制御装置では、帯域分割した音域毎の信号を合成させる場合に、帯域間の位相の差異により信号の干渉が発生して合成信号の波長にディップ(歪み)などが発生する場合があり得る。このようなディップが発生した場合、上述したラウドネス制御装置では、補正レベルに応じてフィルタのカットオフ周波数を変化させることによって、ラウドネス特性を滑らかにする処理を行っている。
しかしながら、レベルに応じてフィルタのカットオフ周波数を変化させるためには、ラウドネス制御装置において複数のフィルタ係数を備える必要が生ずるため、多くの係数データを格納するための手段が必要になるという問題があった。
また、帯域分割フィルタとしてIIR(無限インパルス応答)フィルタを使用する場合に、オーディオ信号の再生を行いながらフィルタ係数を変更させると、フィードバック動作中に係数が変化することによって、音響処理動作が不安定になったり、異音が発生して聞こえてしまったりするおそれがあった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、オーディオ信号に対してカットオフ周波数を可変させることなくフィルタ処理を施して帯域分割し、分割された帯域毎のオーディオ信号を合成する場合に各帯域の信号の干渉を低減させることによって、好適なラウドネス特性を出力音に付加することが可能な聴覚感度補正装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る聴覚感度補正装置は、オーディオ信号を帯域毎に分割するための複数の帯域別フィルタと、該複数の帯域別フィルタにより帯域毎に分割されたオーディオ信号に対して各々のオーディオ信号毎にゲイン調整を行うゲイン調整手段と、ゲイン調整が行われた各オーディオ信号の合成処理を行う合成処理手段とを有するフィルタ手段と、前記ゲイン調整手段において調整されるゲイン値を、オーディオ信号の信号レベルまたはユーザによって設定される音量レベルに応じて前記帯域別フィルタ毎に算出するゲイン計算手段とを備え、該帯域別フィルタは、各帯域別フィルタによりフィルタ処理されたオーディオ信号を前記合成処理手段で合成した場合において、合成されたオーディオ信号に干渉が生じないように各帯域別フィルタのフィルタ特性が設定され、前記フィルタ手段が複数設けられると共に、該複数のフィルタ手段がカスケード接続され、前記ゲイン計算手段は、カスケード接続される前記フィルタ手段の設置数に応じて、前記帯域別フィルタ毎に調整されるゲイン値を、前記帯域別フィルタの帯域種別毎に分配することを特徴とする。
本発明に係る聴覚感度補正装置によれば、フィルタ手段に設けられる帯域別フィルタのフィルタ特性が、各帯域別フィルタによりフィルタ処理されたオーディオ信号を合成処理手段で合成した場合において、信号間の干渉が生じないように設定されているので、ラウドネス補正が行われた信号の干渉を抑制することができる。このため、音にひずみやノイズなどの障害が生ずることのない最適なラウドネス効果をオーディオ信号に付加することが可能となる。
また、それぞれのフィルタ部の音響補正特性を考慮した(変化させた)上で、各フィルタ部をカスケード接続により組み合わせて接続させることによって、従来のラウドネス制御装置のように帯域別フィルタのカットオフ周波数を可変させることなく滑らかなラウドネス特性をオーディオ信号に付加させることができる。また、カットオフ周波数を個別に可変させる必要がないため、多数の係数データを格納しておく必要がない。
さらに、ゲイン計算手段が、音量レベルまたはオーディオ信号のレベルに応じて、ラウドネス効果を付加するためのゲイン値を分配・調整するので、音量レベルまたはオーディオ信号のレベルに応じて最適かつ効果的なラウドネス補正をオーディオ信号に付加することが可能となり、聴取者に対して良質な音質(ラウドネス特性)を備えた音楽を提供することが可能となる。
特に、本発明に係る帯域別フィルタを用いてフィルタ処理されたオーディオ信号は、合成された場合において信号に干渉が発生しない。このため、ゲイン計算手段が、フィルタ手段の設置数に応じてゲイン値を帯域種別毎に分配することによって、合成時に干渉等を生じさせることなく効果的にゲイン調整を行うことが可能となり、結果として最適なラウドネス効果をオーディオ信号に付加することが可能となる。
また、上述した聴覚感度補正装置の帯域別フィルタとして、1次のIIRフィルタであるハイパスフィルタまたはローパスフィルタを用いることが好ましい。
このように、帯域別フィルタに1次のIIRフィルタであるハイパスフィルタまたはローパスフィルタを用いる場合には、ハイパスフィルタおよびローパスフィルタによってフィルタ処理が施されたオーディオ信号の位相を±90度以内に納めることが可能となる。このため、それぞれのフィルタによりフィルタ処理されたオーディオ信号を合成しても、合成されたオーディオ信号における干渉の発生を抑制すること可能となり、滑らかなラウドネス特性をオーディオ信号に付加させることができる。
さらに、上述した聴覚感度補正装置の帯域別フィルタとして、2次のIIRフィルタであるピーキングフィルタを用いることが好ましい。
このように、帯域別フィルタの特定帯域用のフィルタとしてピーキングフィルタを用いる場合には、ピーキングフィルタを用いてフィルタ処理が施されたオーディオ信号と、他の帯域用のフィルタ、例えば、1次のIIRフィルタとしてのハイパスフィルタやローパスフィルタなどによってフィルタ処理が施されたオーディオ信号とを合成処理した場合であっても、合成されたオーディオ信号における干渉の発生を抑制することができ、オーディオ信号に滑らかなラウドネス特性を付加することが可能となる。
本発明に係るラウドネス制御装置では、帯域別フィルタのフィルタ特性が、各帯域別フィルタによりフィルタ処理されたオーディオ信号を合成処理手段で合成した場合において、信号間の干渉が生じないように設定がなされている。このため、聴覚感度補正装置を用いることによって、ラウドネス補正がなされた信号の干渉を抑制することができ、音にひずみやノイズなどの障害が生ずることのない最適なラウドネス効果をオーディオ信号に付加することが可能となる。
また、複数のフィルタ手段をカスケード接続によって接続させることによって、オーディオ信号にラウドネス補正を施すので、各々のフィルタ手段の周波数特性を考慮して(変化させて)、フィルタ手段を組み合わせることにより、フィルタ手段毎にカットオフ周波数を変更させることなくオーディオ信号に好適なラウドネス補正を施すことが可能となる。
さらに、ゲイン計算手段が、音量レベルまたはオーディオ信号のレベルに応じて、ラウドネス効果を付加するためのゲイン値を分配・調整するので、音量レベルまたはオーディオ信号のレベルに応じて最適かつ効果的なラウドネス補正をオーディオ信号に付加することが可能となり、聴取者に対して良質な音質(ラウドネス特性)を備えた音楽を提供することが可能となる。
以下に、本発明に係る聴覚感度補正装置について説明を行う。
図1は、聴覚感度補正装置の概略構成を示したブロック図である。聴覚感度補正装置1は、ゲイン計算部(ゲイン計算手段)2と、カスケード接続された複数のラウドネスフィルタ部(フィルタ手段)3、4とを備えている。本実施の形態に示す聴覚感度補正装置1では、説明の便宜上、図1に示すように2つのラウドネスフィルタ部3、4が接続された場合を一例として用いて説明するが、ラウドネスフィルタ部の接続数は2つに限定されるものではなく、3つ以上のラウドネスフィルタ部を連結させることによって構成されるものであってもよい。
ラウドネスフィルタ部3、4は、ラウドネスフィルタとして、1次もしくは2次のIIRフィルタ(帯域別フィルタ)5〜8と、それぞれのフィルタによりフィルタ処理されたオーディオ信号に対して、ゲイン調整を行うための積算器(ゲイン調整手段)11〜14と、各積算器11〜14においてゲイン調整されたオーディオ信号の合成処理を行う加算器15(合成処理手段)15、16とによって構成されている。
具体的には、ラウドネスフィルタとして、1次のIIRフィルタを用いる場合には、低域通過フィルタ(以下、「LPF」という)や高域通過フィルタ(以下、「HPF」という)を用い、ラウドネスフィルタとして、2次のIIRフィルタを用いる場合には、ピーキングフィルタを適用する。
1次のIIRフィルタとしてLPFやHPFを用いた場合、あるいは、2次のIIRフィルタとしてピーキングフィルタを用いた場合には、フィルタ処理された各帯域のオーディオ信号の位相変化を最大±90度以内に収めることができる。従って、全ての周波数に対して各帯域(例えば、低域および高域)のゲインを合成した場合であっても、合成されたオーディオ信号において干渉を生ずるおそれが低いという特徴を備えている。
例えば、ラウドネスフィルタ部3のラウドネスフィルタとして1次のIIRフィルタを用いる場合において、カットオフ周波数が90HzのLPF(例えば、バタワースフィルタ)5と、カットオフ周波数9kHzのHPF(例えば、バタワースフィルタ)6とを使用し、ゲインをそれぞれ10dBとした場合のフィルタの振幅特性を図2に示し、位相特性を図3に示す。
このように、1次のIIRフィルタとしてLPF5やHPF6を使用し、帯域毎の周波数および合成された周波数の位相特性を図3から判断すると、全帯域において、低域の周波数および高域の周波数の位相差は±90度以内になっており、各帯域の周波数を合成した場合であっても、図2に示す振幅特性より明らかなように、各帯域の周波数をほとんど干渉させることなく全ての周波数を合成させることが可能となる。従って、所望のラウドネス特性に応じてLPF5およびHPF6のフィルタ特性を考慮(調節・変更)して、各帯域のゲインを合成させることによって、干渉をほとんど発生させることなく好適なラウドネス特性を得ることが可能となる。
本発明に係る聴覚感度補正装置1では、各帯域の周波数を合成した場合であっても干渉することなく合成を行うことが可能なフィルタ特性をラウドネスフィルタとして用いる。このため、各帯域の周波数を合成した場合に干渉を生じてしまうようなフィルタ特性を備えたフィルタをラウドネスフィルタとして用いることはできない。
例えば、2次のIIRフィルタとして、カットオフ周波数90HzのLPF(例えば、バタワースフィルタ)と、カットオフ周波数9kHzのHPF(例えば、バタワースフィルタ)とを使用し、ゲインをそれぞれ10dBとした場合のフィルタの振幅特性を図4に示し、位相特性を図5に示す。
図5に示す位相特性をみると、低域および高域の位相差が最大で±180度となっており、各帯域の周波数を合成することによって、図4に示す振幅特性より明らかなように、干渉に伴うディップが発生する。このように、2次のIIRフィルタにおいてLPFおよびHPFを用いると位相差が±90度以上となってしまうため、2次のIIRフィルタを用いる場合には、ピーキングフィルタを用いる。ピーキングフィルタを2次のIIRフィルタとして用いることにより、合成された周波数の干渉を回避することが可能となる。
例えば、ラウドネスフィルタ部4のラウドネスフィルタとして2次のIIRフィルタを用いる場合、図6に示すように、中心周波数が40Hz、選択度Qが1のピーキングフィルタ7を用いることによって低域の周波数を中心としたフィルタ処理を施すことができる。なお、本実施の形態では、ピーキングフィルタ7を、低域の周波数を中心とした低域用のフィルタとして使用するが、ピーキングフィルタは必ずしも低域用のフィルタとして用いる場合には限定されず、中域用や高域用のフィルタとして用いることも可能である。
さらに、本実施の形態に係る聴覚感度補正装置1では、ラウドネスフィルタ部4のラウドネスフィルタとして、上述したピーキングフィルタ7に加えて1次のIIRフィルタを用いることにする。1次のIIRフィルタとしてカットオフ周波数12kHzのHPF(例えば、バタワースフィルタ)8を、高域用のフィルタとして使用し、ピーキングフィルタ7およびHPF8のゲインをそれぞれ10dBとした場合のフィルタの振幅特性を図6に示す。また、上述したラウドネスフィルタ部3とラウドネスフィルタ部4とをカスケード接続したトータルのラウドネス特性を、図7に示す。
上述したように、ラウドネスフィルタ部3においては、1次のIIRフィルタとしてLPF5やHPF6を用いることにより、合成された周波数の干渉を防止することができ、さらにラウドネスフィルタ部4においては、2次のIIRフィルタとしてピーキングフィルタ7を用い、さらに、1次のIIRフィルタとしてHPF8を用いることによって、合成された周波数の干渉を防止することができる。
さらに、干渉を防止することが可能なラウドネスフィルタ部3とラウドネスフィルタ部4とをカスケード接続により接続させて、各ラウドネスフィルタ部3、4でフィルタ処理されたオーディオ信号の周波数を合成することによって、全体として干渉をほとんど発生させることなく所望のラウドネス特性を得ることが可能となる。
特に、各ラウドネスフィルタ部3、4のカットオフ周波数等のパラメータは、それぞれ予め独立して任意に設定することができるため、パラメータを好適に設定しておくことによって、所望のラウドネス特性を簡易かつ効果的に得ることが可能となる。
なお、本実施の形態では、2個のラウドネスフィルタ部3、4をカスケード接続させることによって聴覚感度補正装置1が構成される場合について説明を行うが、上述したような干渉を防止することが可能な複数(3個以上)のラウドネスフィルタ部をカスケード接続することで、より効果的なラウドネス特性を得ることが可能となる。
次に、ゲイン計算部2について説明を行う。ゲイン計算部2は、ユーザが設定・操作する音量調整部(図示せず)の音量レベルに応じて、もしくはオーディオ信号のレベルに応じて、信号の低域のゲインと高域のゲインとを計算する役割を有している。
図8は、音量調整部によって調整される音量レベルや、オーディオ信号のレベルに応じて算出されるゲイン補正量を示している。図8に示すように、レベルが0dBの場合には、各フィルタ部のゲインが低域、高域ともに0dBとなり、レベルが−30dBの場合には、低域のゲインは24dB、高域のゲインは20dBとなるようにゲイン補正(ゲイン調整)がなされている。
図8に示されるにようにしてゲイン補正がなされた帯域別フィルタのゲインは、設定される帯域別フィルタの数に対応させてそれぞれ分配され、図1に示す積算器11、12により補正処理が行われる。例えば、本実施の形態に示すように、2個のラウドネスフィルタ部3、4が接続されている場合には、それぞれの高域用のフィルタ(HPF6およびHPF8)と低域用のフィルタ(LPF5とピーキングフィルタ7)とに対して、補正されたゲインを、均等になるように分配する。
レベルが−30dBの場合には、図8に示すように、低域のゲインは24dB、高域のゲインは20dBとなる。このため、これらのゲインを均等に分配する場合には、それぞれ低域用のフィルタ(LPF5とピーキングフィルタ7)の補正ゲインは12dBとなり、高域用のフィルタ(HPF6とHPF8)の補正ゲインは10dBとなる。
このような条件において、オーディオ信号としてホワイトノイズとピンクノイズを設定し、各ノイズのレベルを0dB、−12dB、−24dB、−36dBとした場合の聴覚感度補正装置1の出力周波数特性を、図9、図10、図11、図12に示す。
図9は、聴覚感度補正装置1を用いたラウドネス補正を行っていないホワイトノイズの周波数特性を示しており、図10は、聴覚感度補正装置1を用いたラウドネス補正を行ったホワイトノイズの周波数特性を示している。また、図11は、聴覚感度補正装置1を用いたラウドネス補正を行っていないピンクノイズの周波数特性を示しており、図12は、聴覚感度補正装置1を用いたラウドネス補正を行ったピンクノイズの周波数特性を示している。
図9〜図12に示す周波数特性から明らかなように、聴覚感度補正装置1を用いてオーディオ信号の補正を行うことによって、各帯域に応じて低域の周波数のゲインと高域の周波数のゲインとが増強されると共に、合成されたオーディオ信号の干渉を防止して信号にディップを発生させることなくラウドネス効果を付加することが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態に係る聴覚感度補正装置1では、聴覚感度補正装置1をカスケード接続された複数のラウドネスフィルタ部3、4により構成し、各ラウドネスフィルタ部3、4が、異なる帯域毎にフィルタ処理を行うための複数のラウドネスフィルタ5〜8を備え、さらに、当該ラウドネスフィルタとして、フィルタ処理された各帯域のオーディオ信号を合成させても干渉の生ずることのないフィルタを用いるので、結果として音にひずみやノイズなどの障害が生ずることのない最適なラウドネス効果をオーディオ信号に付加することが可能となる。
さらに、音量調節部の音量レベルまたはオーディオ信号のレベルに応じて、ラウドネス効果を付加するためのゲインを分配・調整することによって、音量調節部のレベルまたはオーディオ信号のレベルに応じて最適なラウドネス補正を行うことが可能となり、聴取者に対して良質な音質(ラウドネス特性)を備えた音楽を提供することが可能となる。
以上、本発明に係る聴覚感度補正装置について、図面を用いて詳細に説明したが、本発明に係る聴覚感度補正装置は上述した実施の形態に限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本実施の形態に示した聴覚感度補正装置1では、ラウドネスフィルタ部3のラウドネスフィルタとして低域用フィルタおよび高域用フィルタに1次のIIRフィルタを用い、ラウドネスフィルタ部4のラウドネスフィルタとして低域用フィルタに2次のIIRフィルタを用い、高域用フィルタとして1次のIIRフィルタを用いたが、高域用フィルタと低域用フィルタの組み合わせは、上述した実施の形態に係る組み合わせに限定されない。例えば、ラウドネスフィルタ部4の低域用フィルタに、1次のIIRフィルタとしてLPFを用い、高域用フィルタに、2次のIIRフィルタとしてピーキングフィルタを用いる組み合わせであってもよい。さらにラウドネスフィルタ部に用いられるフィルタは、必ずしもIIRフィルタには限定されず、FIRフィルタ等を用いるものであってもよい。
本実施の形態に係る聴覚感度補正装置の概略構成を示したブロック図である。 本実施の形態に係るラウドネスフィルタとして1次のIIRフィルタを用い、カットオフ周波数が90HzのLPFと、カットオフ周波数9kHzのHPFとを使用し、ゲインをそれぞれ10dBとした場合のフィルタの振幅特性を示した図である。 本実施の形態に係るラウドネスフィルタとして1次のIIRフィルタを用い、カットオフ周波数が90HzのLPFと、カットオフ周波数9kHzのHPFとを使用し、ゲインをそれぞれ10dBとした場合のフィルタの位相特性を示した図である。 ラウドネスフィルタとして2次のIIRフィルタを用い、カットオフ周波数90HzのLPFと、カットオフ周波数9kHzのHPFとを使用し、ゲインをそれぞれ10dBとした場合のフィルタの振幅特性を示した図である。 ラウドネスフィルタとして2次のIIRフィルタを用い、カットオフ周波数90HzのLPFと、カットオフ周波数9kHzのHPFとを使用し、ゲインをそれぞれ10dBとした場合のフィルタの位相特性を示した図である。 ラウドネスフィルタとして2次のIIRフィルタであって、中心周波数が40Hz、選択度Qが1のピーキングフィルタ7を低域用フィルタとして用い、1次のIIRフィルタであって、カットオフ周波数12kHzのHPFを高域用のフィルタとして使用し、ゲインをそれぞれ10dBとした場合のフィルタの振幅特性を示す図である。 本実施の形態に係るラウドネスフィルタ部3とラウドネスフィルタ部4とをカスケード接続した場合におけるトータルのラウドネス特性を示した図である。 本実施の形態に係るゲイン計算部において、音量調整部において調整されるレベルや、オーディオ信号のレベルに応じて算出されるゲイン補正量を示した図である。 本実施の形態に係る聴覚感度補正装置を用いたラウドネス補正を行っていないホワイトノイズの周波数特性を示している。 本実施の形態に係る聴覚感度補正装置を用いたラウドネス補正を行ったホワイトノイズの周波数特性を示している。 本実施の形態に係る聴覚感度補正装置を用いたラウドネス補正を行っていないピンクノイズの周波数特性を示している。 本実施の形態に係る聴覚感度補正装置を用いたラウドネス補正を行ったピンクノイズの周波数特性を示している。
符号の説明
1 …聴覚感度補正装置
2 …ゲイン計算部(ゲイン計算手段)
3、4 …ラウドネスフィルタ部(フィルタ手段)
5 …LPF(帯域別フィルタ、ローパスフィルタ)
6、8 …HPF(帯域別フィルタ、ハイパスフィルタ)
7 …ピーキングフィルタ(帯域別フィルタ)
11〜14 …積算器(ゲイン調整手段)
15、16 …加算器(合成処理手段)

Claims (3)

  1. オーディオ信号を帯域毎に分割するための複数の帯域別フィルタと、
    該複数の帯域別フィルタにより帯域毎に分割されたオーディオ信号に対して各々のオーディオ信号毎にゲイン調整を行うゲイン調整手段と、
    ゲイン調整が行われた各オーディオ信号の合成処理を行う合成処理手段と
    を有するフィルタ手段と、
    前記ゲイン調整手段において調整されるゲイン値を、オーディオ信号の信号レベルまたはユーザによって設定される音量レベルに応じて前記帯域別フィルタ毎に算出するゲイン計算手段と
    を備え、
    該帯域別フィルタは、各帯域別フィルタによりフィルタ処理されたオーディオ信号を前記合成処理手段で合成した場合において、合成されたオーディオ信号に干渉が生じないように各帯域別フィルタのフィルタ特性が設定され、
    前記フィルタ手段が複数設けられると共に、該複数のフィルタ手段がカスケード接続され、
    前記ゲイン計算手段は、カスケード接続される前記フィルタ手段の設置数に応じて、前記帯域別フィルタ毎に調整されるゲイン値を、前記帯域別フィルタの帯域種別毎に分配すること
    を特徴とする聴覚感度補正装置。
  2. 前記帯域別フィルタには、1次のIIRフィルタとしてハイパスフィルタまたはローパスフィルタが用いられることを特徴とする請求項1に記載の聴覚感度補正装置。
  3. 前記帯域別フィルタには、2次のIIRフィルタとしてピーキングフィルタが用いられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の聴覚感度補正装置。
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