JP2009111168A - 半導体レーザ駆動回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体レーザの温度変動に起因する出力光の周波数特性の変動を低減することが可能な半導体レーザ駆動回路を提供する
【解決手段】本発明の一実施形態に係る半導体レーザ駆動回路1は、半導体レーザ5に並列に接続された第1のトランジスタ18をスイッチングして該半導体レーザ5に供給されるバイアス電流を分流することにより、該半導体レーザ5の出力光を変調するシャント駆動型の半導体レーザ駆動回路において、分流したバイアス電流を第1のトランジスタ18に導くように、第1のトランジスタ18に直列に接続された第2のトランジスタ20を備え、第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンスを半導体レーザ5の温度に応じて変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザを駆動するための駆動回路に関するものである。
半導体レーザを駆動する駆動回路として、シャント駆動型の半導体レーザ駆動回路が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。シャント駆動型の半導体レーザ駆動回路は、半導体レーザに並列に接続されたトランジスタを備え、このトランジスタをスイッチングして半導体レーザに供給されるバイアス電流を分岐することにより、半導体レーザの出力光を変調する。
この種の半導体レーザ駆動回路では、トランジスタと半導体レーザとの間の接続配線の寄生容量などに起因して、半導体レーザの出力光の周波数特性が低下してしまう。この点に関し、特許文献3には、トランジスタと半導体レーザとの間に線路インダクタンスを備え、この線路インダクタンスとトランジスタの出力容量との共振により、半導体レーザの出力光の周波数特性を改善する半導体レーザ駆動回路が記載されている。
特開昭61−144924号公報 米国特許第6618408号明細書 特開2005−057206号公報
しかしながら、特許文献3に記載の半導体レーザ駆動回路では、半導体レーザの温度変動に起因して、半導体レーザの出力光の周波数特性を変動させてしまう。
詳説すれば、半導体レーザでは、温度に依存して寄生抵抗の値が変動する。具体的には、半導体レーザの寄生抵抗値は、低温になるほど大きくなる。この半導体レーザの寄生抵抗値は、線路インダクタンスとトランジスタの出力容量との共振を抑制(ダンピング)するように作用するので、半導体レーザの温度が低くなるほど、半導体レーザの寄生抵抗値が大きくなり、線路インダクタンスとトランジスタの出力容量との共振が弱まってしまう。その結果、半導体レーザの出力光の周波数帯域が狭くなってしまう。
このように、特許文献3に記載の半導体レーザ駆動回路では、半導体レーザの温度に依存して、出力光の周波数特性が変動してしまう。
そこで、本発明は、半導体レーザの温度変動に起因する出力光の周波数特性の変動を低減することが可能な半導体レーザ駆動回路を提供することを目的としている。
本発明の半導体レーザ駆動回路は、半導体レーザに並列に接続された第1のトランジスタをスイッチングして該半導体レーザに供給されるバイアス電流を分流することにより、該半導体レーザの出力光を変調するシャント駆動型の半導体レーザ駆動回路において、分流したバイアス電流を第1のトランジスタに導くように、第1のトランジスタに直列に接続された第2のトランジスタを備え、第2のトランジスタの伝達コンダクタンスを半導体レーザの温度に応じて変更することを特徴としている。
この半導体レーザ駆動回路では、第1及び第2のトランジスタから構成される直列回路と半導体レーザとの間のインダクタ成分(伝送線路の寄生インダクタやインダクタ素子など)と、第1及び第2のトランジスタから構成される直列回路の出力容量とが共振し、この共振は、半導体レーザの寄生抵抗と第1及び第2のトランジスタから構成される直列回路の出力抵抗とによって抑制(ダンピング)されることとなる。
この半導体レーザ駆動回路によれば、第2のトランジスタが第1のトランジスタに対してカスコード接続されているので、第1のトランジスタの出力抵抗の値をRds1、第2のトランジスタの出力抵抗の値をRds2、第2のトランジスタの伝達コンダクタンスをgm2とすると、第1及び第2のトランジスタから構成される直列回路の出力抵抗の値は、
Rds1+Rds2+gm2・Rds1・Rds2
となる。
そして、この半導体レーザ駆動回路によれば、第2のトランジスタの伝達コンダクタンスgm2を半導体レーザの温度に応じて変更するので、半導体レーザの寄生抵抗値が温度変動しても、第1及び第2のトランジスタから構成される直列回路の出力抵抗を変更することによって、半導体レーザの温度変動に起因する共振の強弱の変動を低減することができ、半導体レーザの出力光の周波数特性の変動を低減することができる。
本発明の別の半導体レーザ駆動回路は、半導体レーザに並列に接続された第1のトランジスタをスイッチングしてバイアス電流源から該半導体レーザに供給されるバイアス電流を分流することにより、該半導体レーザの出力光を変調するシャント駆動型の半導体レーザ駆動回路において、分流したバイアス電流を第1のトランジスタに導くように、第1のトランジスタに直列に接続された第2のトランジスタを備え、第2のトランジスタの伝達コンダクタンスをバイアス電流に応じて変更することを特徴としている。
この別の半導体レーザ駆動回路でも、上記したように、第1及び第2のトランジスタから構成される直列回路と半導体レーザとの間のインダクタ成分(伝送線路の寄生インダクタやインダクタ素子など)と、第1及び第2のトランジスタから構成される直列回路の出力容量とが共振し、この共振は、半導体レーザの寄生抵抗と第1及び第2のトランジスタから構成される直列回路の出力抵抗とによって抑制(ダンピング)されることとなる。
また、この別の半導体レーザ駆動回路でも、第2のトランジスタが第1のトランジスタに対してカスコード接続されているので、上記したように、第1及び第2のトランジスタから構成される直列回路の出力抵抗の値は、
Rds1+Rds2+gm2・Rds1・Rds2
となる。
ところで、半導体レーザ駆動回路では、APC(Auto-Power Control)回路が備えられていることがある。APC回路は、半導体レーザの温度変動に起因して変動する出力光の強度を一定にするようにバイアス電流を変更する。
この別の半導体レーザ駆動回路によれば、第2のトランジスタの伝達コンダクタンスをバイアス電流に応じて変更するので、半導体レーザの寄生抵抗値が温度変動しても、第1及び第2のトランジスタから構成される直列回路の出力抵抗を変更することによって、半導体レーザの温度変動に起因する共振の強弱の変動を低減することができ、半導体レーザの出力光の周波数特性の変動を低減することができる。
本発明の別の半導体レーザ駆動回路は、半導体レーザの出力光の一部を受けて、該出力光に応じた電流を流す受光素子と、受光素子の出力を受け、半導体レーザの出力光が一定となるようにバイアス電流を調整するためのAPC信号をバイアス電流源に供給するAPC回路と、第2のトランジスタに駆動信号を供給してその伝達コンダクタンスを変更する制御回路と、を更に備え、制御回路はバイアス電流を検知して駆動信号を制御することが好ましい。この構成によれば、第2のトランジスタの伝達コンダクタンスを半導体レーザの温度に応じて自立的に変更することができる。
また、本発明の別の半導体レーザ駆動回路は、半導体レーザの出力光の一部を受けて、該出力光に応じた電流を流す受光素子と、受光素子の出力を受け、半導体レーザの出力光が一定となるようにバイアス電流を調整するためのAPC信号をバイアス電流源に供給するAPC回路と、第2のトランジスタに駆動信号を供給してその伝達コンダクタンスを変更する制御回路と、を更に備え、制御回路はAPC信号に応じて駆動信号を制御することが好ましい。この構成によれば、第2のトランジスタの伝達コンダクタンスを半導体レーザの温度に応じて自立的に変更することができる。
本発明によれば、半導体レーザの温度変動に起因する出力光の周波数特性の変動を低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。なお、図1には、半導体レーザ駆動回路1と共に半導体レーザ5が示されている。半導体レーザ駆動回路1は、バイアス電流源12と、インダクタ14,16と、第1及び第2のトランジスタ18,20と、抵抗素子22と、温度検出部24と、制御回路26とを備えている。
バイアス電流源12は、半導体レーザ5にバイアス電流を供給する。バイアス電流源12は、高電位側の電源2と半導体レーザ5のアノードとの間に接続されており、半導体レーザ5のカソードは、低電位側(例えば接地側)の電源3に接続されている。バイアス電流源12と半導体レーザ5との間には、インダクタ14,16が接続されている。
インダクタ14は、半導体レーザ5を変調する際に、第1のトランジスタ18のスイッチングに影響を受けることなく、バイアス電流源12からのバイアス電流を安定化するために設けられている。
一方、インダクタ16は、第1及び第2のトランジスタ18,20の直列回路の出力容量と共振して、半導体レーザの出力光の周波数特性を改善するために設けられている。なお、インダクタ16は、インダクタ素子であってもよいし、第1及び第2のトランジスタ18,20の直列回路と半導体レーザ5との間の伝送線路の寄生インダクタ成分であってもよい。
第1及び第2のトランジスタ18,20は、半導体レーザ5に並列に接続されると共に、互いに直列に接続されている。本実施形態では、第1及び第2のトランジスタ18,20は、電界効果トランジスタである。
第1のトランジスタ18のソースは低電位側の電源3に接続されており、第1のトランジスタ18のドレインは第2のトランジスタ20のソースに接続されている。第1のトランジスタ18のゲートと低電位側の電源3との間には、すなわち第1のトランジスタ18のゲートとソースとの間には、抵抗素子22が接続されており、ゲートには変調信号Smが入力される。このようにして、第1のトランジスタ18は、入力される変調信号Smに応じてスイッチングし、バイアス電流源12から半導体レーザ5に供給されるバイアス電流を分流することにより、半導体レーザ5から出力される出力光を変調する。
第2のトランジスタ20のドレインは、インダクタ14とインダクタ16との間のノードに接続されている。すなわち、第2のトランジスタ20のドレインは、インダクタ14を介してバイアス電流源12に接続されると共に、インダクタ16を介して半導体レーザ5のアノードに接続されている。第2のトランジスタ20のゲートには制御回路26からの制御信号が入力される。このようにして、第2のトランジスタ20は、分流したバイアス電流を第1のトランジスタ18に導く。
温度検出部24は、半導体レーザ5の周囲温度を検出して、検出した周囲温度に応じた大きさの温度信号を生成する。温度検出部24は、例えば、半導体レーザ5に隣接したサーミスタを備え、温度に応じて変動するサーミスタの両端電圧、又は、サーミスタに流れる電流に応じた温度信号を生成する。温度検出部24は、生成した温度信号を制御回路26へ出力する。
制御回路26は、第2のトランジスタ20を駆動するための制御信号(駆動信号)を生成し、この制御信号の大きさを温度検出部24からの温度信号の大きさに応じて変更する。具体的には、制御回路26は、半導体レーザ5の温度が低下して寄生抵抗が大きくなる場合に、第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンスを大きくするように制御信号の大きさを変更する。一方、半導体レーザ5の温度が上昇して寄生抵抗が小さくなる場合には、制御回路26は、第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンスを小さくするように制御信号の大きさを変更する。
次に、比較例の半導体レーザ駆動回路を用いて、第1の実施形態の半導体レーザ駆動回路1の作用効果について説明する。
図2は、比較例に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。半導体レーザ駆動回路1Xは、半導体レーザ駆動回路1において第2のトランジスタ20と、温度検出部24と、制御回路26とを備えていない点で第1の実施形態の半導体レーザ駆動回路と異なっている。
図3は、比較例の半導体レーザ駆動回路1X及び半導体レーザ5を等価的に示す小信号等価回路図である。図3において、Rldは半導体レーザ5の微分抵抗(寄生抵抗)であり、Cldは半導体レーザ5の微分容量である。このように、半導体レーザ5は、RldとCldとの並列回路によって等価的に表すことができる。
また、図3において、Cgs、Cgd及びCdsは、それぞれ、第1のトランジスタ18のゲート−ソース間の寄生容量、ゲート−ドレイン間の寄生容量、ドレイン−ソース間の寄生容量である。また、Rdsは第1のトランジスタ18のドレイン−ソース間の寄生抵抗であり、gmV1は、入力電圧をV1としたときの第1のトランジスタ18の増幅率を表している。
図4は、比較例の半導体レーザ駆動回路1X及び半導体レーザ5の周波数特性を示す図である。詳説すれば、図4には、図3に示す等価回路における半導体レーザ5の駆動電流の周波数応答のシミュレーション結果が示されている。
このシミュレーションでは、抵抗素子22の抵抗値を50Ω、インダクタ16のインダクタンスを300pH、第1のトランジスタ18の寄生容量値及び寄生抵抗値をそれぞれCgs=250fF、Cgd=100fF、Cds=400fF、Rds=100Ω、半導体レーザ5の微分容量値をCld=5pFとした。
そして、半導体レーザ5の微分抵抗値をRld=4Ωとした結果が曲線51Xであり、Rld=8Ωとした結果が曲線52Xである。曲線51Xによれば、インダクタ16と第1のトランジスタ18の出力容量Cdsとの共振により、7.5GHz付近に周波数ピーキングが観測される。
一方、曲線52Xによれば、半導体レーザ5の微分抵抗成分Rldが大きくなると、共振の効果が抑制され(ダンピングされ)、周波数帯域が狭くなってしまうことがわかる。
半導体レーザでは、温度に依存して微分抵抗Rldの値が変動するので、比較例の半導体レーザ駆動回路1Xでは、半導体レーザの温度に依存して出力光の周波数特性が変動してしまう。
また、半導体レーザの動作温度が高温になる程リーク電流が増大し、微分抵抗Rldの値が小さくなってしまう。このように、発光に寄与しないリーク電流の存在により、半導体レーザの動作温度に依存して出力光の周波数特性が変動する場合がある。
次に、図5に、比較例の半導体レーザ駆動回路1X及び半導体レーザ5の別の周波数特性を示す。図5には、図3に示す等価回路における半導体レーザ5の駆動電流の周波数応答の別のシミュレーション結果が示されている。
このシミュレーションでは、上記と同様に、抵抗素子22の抵抗値を50Ω、インダクタ16のインダクタンスを300pH、第1のトランジスタ18の寄生容量値及び寄生抵抗値をそれぞれCgs=250fF、Cgd=100fF、Cds=400fF、半導体レーザ5の微分容量値をCld=5pFとした。
そして、図4と同様に、半導体レーザ5の微分抵抗値をRld=4Ω、第1のトランジスタ18の出力抵抗値をRds=100Ωとした結果が曲線51Xである。また、半導体レーザ5の微分抵抗値をRld=8Ω、第1のトランジスタ18の出力抵抗値をRds=1000Ωとした結果が曲線52である。曲線52によれば、半導体レーザ5の微分抵抗Rldの値が大きくなったときには、第1のトランジスタ18の寄生抵抗Rdsの値を大きくすれば、周波数特性の劣化を抑制することができることがわかる。
次に、第1の実施形態の半導体レーザ駆動回路1を解析する。第1の半導体レーザ駆動回路1では、第1及び第2のトランジスタ18,20から構成される直列回路と半導体レーザ5との間のインダクタ16と、第1及び第2のトランジスタ18,20から構成される直列回路の出力容量とが共振し、この共振は、半導体レーザ5の寄生抵抗と第1及び第2のトランジスタ18,20から構成される直列回路の出力抵抗とによって抑制(ダンピング)されることとなる。
ここで、第1及び第2のトランジスタ18,20のカスコード回路の出力インピーダンスZoutは、下式(1)で表すことができる。
Zout=Rds1+Rds2+gm2・Rds1・Rds2 ・・・(1)
Rds1:第1のトランジスタ18の出力抵抗値
Rds2:第2のトランジスタ20の出力抵抗値
gm2:第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンス
上記(1)式より、第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンスgm2を変更することによって、第1及び第2のトランジスタ18,20のカスコード回路の出力インピーダンスZoutを調整することができることがわかる。具体的には、半導体レーザ5の動作温度が低く、寄生抵抗Rldの値が大きい場合には、第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンスgm2が大きくなるように第2のトランジスタ20のゲートバイアス電圧を調整すれば、第1及び第2のトランジスタ18,20のカスコード回路の出力インピーダンスZoutを大きくすることができる。
これによれば、半導体レーザ5の動作温度が低く、寄生抵抗Rldの値が大きい場合には、図5における曲線52のように第1のトランジスタ18の出力抵抗値Rds1を大きくする代わりに、第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンスgm2が大きくなるように第2のトランジスタ20のゲートバイアス電圧を調整すれば、第1及び第2のトランジスタ18,20のカスコード回路の出力インピーダンスZoutを大きくすることができるので、周波数特性の劣化を抑制することができることがわかる。
一方、半導体レーザ5の動作温度が高く、寄生抵抗Rldの値が小さい場合には、第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンスgm2が小さくなるように第2のトランジスタ20のゲートバイアス電圧を調整すれば、第1及び第2のトランジスタ18,20のカスコード回路の出力インピーダンスZoutを小さくすることができる。
この第1の半導体レーザ駆動回路1によれば、第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンスgm2を半導体レーザ5の温度に応じて変更するので、半導体レーザ5の寄生抵抗値Rldが温度変動しても、第1及び第2のトランジスタ18,20から構成される直列回路の出力抵抗Zoutを変更することによって、半導体レーザ5の温度変動に起因する共振の強弱の変動を低減することができ、半導体レーザ5の出力光の周波数特性の変動を低減することができる。その結果、広い動作温度範囲にわたって、半導体レーザ5の出力光の周波数特性を安定化させることが可能となる。
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。なお、図6には、半導体レーザ駆動回路1Aと共に半導体レーザ5が示されている。半導体レーザ駆動回路1Aは、半導体レーザ駆動回路1においてバイアス電流源12、温度検出部24及び制御回路26に代えてバイアス電流源12A及び制御回路26Aを備えており、更に受光素子28及びAPC回路30を備えている構成で第1の実施形態と異なっている。
受光素子28は、半導体レーザ5からの出力光の一部を受けて、出力光の強度に応じた大きさの電流を流す。受光素子28には、例えばフォトダイオードが用いられる。
APC回路30は、受光素子28に流れる電流に応じて、APC信号を生成する。具体的には、APC回路30は、半導体レーザ5の出力光が一定になるように、バイアス電流を制御するためのAPC信号を生成する。
バイアス電流源12Aは、APC回路30からのAPC信号の大きさに応じてバイアス電流の大きさを変更する。
制御回路26Aは、第2のトランジスタ20を駆動するための制御信号(駆動信号)を生成し、この制御信号の大きさをバイアス電流源12Aからのバイアス電流の大きさに応じて変更する。具体的には、制御回路26Aは、バイアス電流の値が増減した場合に、第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンスを変更するように制御信号の大きさを変更する。
この第2の半導体レーザ駆動回路1Aでも、上記したように、第1及び第2のトランジスタ18,20から構成される直列回路と半導体レーザ5との間のインダクタ成分(伝送線路の寄生インダクタやインダクタ素子など)と、第1及び第2のトランジスタ18,20から構成される直列回路の出力容量とが共振し、この共振は、半導体レーザ5の寄生抵抗と第1及び第2のトランジスタ18,20から構成される直列回路の出力抵抗とによって抑制(ダンピング)されることとなる。
そして、この第2の半導体レーザ駆動回路1Aでも、第2のトランジスタ20が第1のトランジスタ18に対してカスコード接続されているので、上記(1)式のように、第1及び第2のトランジスタ18,20のカスコード回路の出力インピーダンスZoutを調整することができる。
ところで、第2の半導体レーザ駆動回路1Aでは、APC回路30が、半導体レーザ5の温度変動に起因して変動する出力光を一定にするようにバイアス電流を変更し、制御回路26Aがこのバイアス電流に応じて第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンスを変更するので、半導体レーザ5の寄生抵抗値Rldが温度変動しても、第1及び第2のトランジスタ18,20から構成される直列回路の出力抵抗Zoutを変更することによって、半導体レーザ5の温度変動に起因する共振の強弱の変動を低減することができ、半導体レーザの出力光の周波数特性の変動を低減することができる。
[第3の実施形態]
図7は、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。半導体レーザ駆動回路1Bは、半導体レーザ駆動回路1Aにおいて制御回路26Aに代えて制御回路26Bを備えている。
制御回路26Bは、第2のトランジスタ20を駆動するための制御信号(駆動信号)を生成し、この制御信号の大きさをAPC回路30からのAPC信号の大きさに応じて変更する。具体的には、制御回路26Bは、バイアス電流の値が増減した場合に、第2のトランジスタ20の伝達コンダクタンスを変更するように制御信号の大きさを変更する。
この第3の実施形態の半導体レーザ駆動回路1Bでも、第2の実施形態の半導体レーザ駆動回路1Aと同様の利点を得ることができる。
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。
本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。 比較例に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。 比較例の半導体レーザ駆動回路及び半導体レーザを等価的に示す小信号等価回路図である。 比較例の半導体レーザ駆動回路及び半導体レーザの周波数特性を示す図である。 比較例の半導体レーザ駆動回路及び半導体レーザの別の周波数特性を示す。 本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ駆動回路を示す回路図である。
符号の説明
1,1A,1B…半導体レーザ駆動回路、5…半導体レーザ、12,12A…バイアス電流源、14,16…インダクタ、18,20…第1及び第2のトランジスタ、22…抵抗素子、24…温度検出部、26,26A,26B…制御回路、28…受光素子、30…APC回路。

Claims (4)

  1. 半導体レーザに並列に接続された第1のトランジスタをスイッチングして該半導体レーザに供給されるバイアス電流を分流することにより、該半導体レーザの出力光を変調するシャント駆動型の半導体レーザ駆動回路において、
    分流したバイアス電流を前記第1のトランジスタに導くように、前記第1のトランジスタに直列に接続された第2のトランジスタを備え、
    前記第2のトランジスタの伝達コンダクタンスを前記半導体レーザの温度に応じて変更することを特徴とする、半導体レーザ駆動回路。
  2. 半導体レーザに並列に接続された第1のトランジスタをスイッチングしてバイアス電流源から該半導体レーザに供給されるバイアス電流を分流することにより、該半導体レーザの出力光を変調するシャント駆動型の半導体レーザ駆動回路において、
    分流したバイアス電流を前記第1のトランジスタに導くように、前記第1のトランジスタに直列に接続された第2のトランジスタを備え、
    前記第2のトランジスタの伝達コンダクタンスを前記バイアス電流に応じて変更することを特徴とする、半導体レーザ駆動回路。
  3. 前記半導体レーザの出力光の一部を受けて、該出力光に応じた電流を流す受光素子と、
    前記受光素子の出力を受け、前記半導体レーザの出力光が一定となるように前記バイアス電流を調整するためのAPC信号を前記バイアス電流源に供給するAPC回路と、
    前記第2のトランジスタに駆動信号を供給してその伝達コンダクタンスを変更する制御回路と、を更に備え、
    前記制御回路は前記バイアス電流を検知して前記駆動信号を制御することを特徴とする、請求項2に記載の半導体レーザ駆動回路。
  4. 前記半導体レーザの出力光の一部を受けて、該出力光に応じた電流を流す受光素子と、
    前記受光素子の出力を受け、前記半導体レーザの出力光が一定となるように前記バイアス電流を調整するためのAPC信号を前記バイアス電流源に供給するAPC回路と、
    前記第2のトランジスタに駆動信号を供給してその伝達コンダクタンスを変更する制御回路と、を更に備え、
    前記制御回路は前記APC信号に応じて前記駆動信号を制御することを特徴とする、請求項2に記載の半導体レーザ駆動回路。
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