JP2009111075A - 多層プリント配線板用樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物は、(A)軟化点、または融点が50℃以下の熱硬化性樹脂に、(B)有機着色剤を加熱溶融混合させてなる溶融混合物を含むことを特徴する。
【選択図】 なし
Description
例えば、半導体搭載用パッケージ等の用途に用いられる多層プリント配線板は、黒色を基調とするものが主流となっている。多層プリント配線板を黒色にする手法の一つに、多層プリント配線板を構成する樹脂組成物に黒色の有機着色剤等を配合する手法が知られている。
しかしながら、これら有機着色剤は一般的に有機溶剤に対する溶解性が低いことから、多層プリント配線板を構成する樹脂組成物が均一な色にできない問題があった。
そのため、有機着色剤を含む樹脂組成物を用いてなるプリプレグ、又は絶縁樹脂シートは、外観に凝集物やムラが発生する問題があった。
また、近年の電気・電子機器の小型、薄型化に伴いプリプレグ、又は絶縁樹脂シートが薄くなることで、外観に凝集物やムラがより顕著に現れるようになった。
[1](A)軟化点、又は融点が50℃以下の熱硬化性樹脂に、(B)有機着色剤を加熱溶融混合させてなる溶融混合物を含むことを特徴とする多層プリント配線板用樹脂組成物。
[2]前記(B)有機着色剤は、260℃における昇華、又は分解による重量減少が10%以下である[1]に記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
[3]前記(B)有機着色剤は、アントラキノン系化合物である請求項[1]または[2]に記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
[4]前記溶融混合物を、(C)有機溶剤と(D)無機充填材とを混合してなるスラリーに分散させてなる[1]ないし[3]のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
[5]前記(D)無機充填材は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、焼成タルク、及びアルミナからなる群より選ばれた少なくとも1種類以上を含むものである[4]に記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
[6][1]ないし[5]のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物からなる絶縁樹脂層を熱可塑性樹脂フィルム上、または金属箔上に形成してなる絶縁樹脂シート。
[7][1]ないし[5]のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物を基材に含浸させてなるプリプレグ。
[8][7]に記載のプリプレグを1枚以上重ね合わせ加熱加圧成形してなる積層板。
[9][8]に記載の積層板を内層回路基板に用いてなる多層プリント配線板。
[10][6]に記載の絶縁樹脂シート、および/または[7]に記載のプリプレグを用いてなる多層プリント配線板。
[11][10]に記載の多層プリント配線板に半導体素子を実装してなる半導体装置。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上とを併用したりすることもできる。
更に平均粒子径5.0μm以下の球状シリカが好ましく、特に平均粒子径0.01〜3μmの球状溶融シリカが好ましい。これにより、無機充填材の充填性を向上させることができる。尚、平均粒子径は、例えば粒度分布計(HORIBA製、LA−500)により測定することができる。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。これらの中でもビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂等のようなメチレン結合を有するノボラック型エポキシ樹脂が、耐熱性、難燃性、吸水性の点で優れ、その中でもビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂が好ましい。これにより、吸湿半田耐熱性および難燃性を向上させることができる。
なお、本発明の絶縁樹脂シートを製造するにあたっては、絶縁樹脂層と接合される側の熱可塑性樹脂フィルム、または金属箔表面の凹凸は極力小さいものであることが好ましい。これにより、本発明の作用を効果的に発現させることができる。
前記金属箔は、例えば、銅、銅系合金、アルミ、アルミ系合金、銀、銀系合金、金、金系合金、亜鉛、亜鉛系合金、ニッケル、ニッケル系合金、錫、錫系合金、鉄、鉄系合金等の金属箔が挙げられる。
なお、内層回路部分は、黒化処理等の粗化処理したものを好適に用いることができる。また開口部は、導体ペースト、または樹脂ペーストで適宜埋めることができる。
B1:ペリノンおよびアントラキノン系染料
(商品名Kayaset Black A−N(日本化薬社製))
260℃における重量減少率 1.5%
B2: メチンおよびアントラキノン系染料
(商品名Kayaset Black G(日本化薬社製))
260℃における重量減少率 1.5%
B3:有機着色剤
(商品名Sudan Black 141(中央合成化学社製))
260℃における重量減少率 4.4%
重量減少率は、TG−DTA(示差熱熱重量同時測定)により、使用した着色剤を、30℃から450℃まで10℃/分の条件で昇温させ、試料の重量変化を追跡し、((30℃の試料重量)−(260℃の試料重量))/(30℃の試料重量)×100で求まる値とした。
[工程A]((A)熱硬化性樹脂と(B)有機着色剤との加熱溶融混合工程)
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製 プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃で溶融し、(B)有機着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加し、100℃で1時間加熱溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は500rpmであった。
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部をメチルエチルケトン(MEK)に分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
([工程A]で得られた溶融混合物、及び[工程B]で得られたスラリーとその他の成分とを分散させる工程)
工程Aで得られた溶融混合物を前記[工程B]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
前記の多層プリント配線板用樹脂組成物をガラス織布(厚さ94μm、日東紡績製、WEA−2116)に含浸し、150℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中の多層プリント配線板用樹脂組成物固形分が約50重量%のプリプレグを得た。
前記のプリプレグを、両面に18μmの銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形することによって、厚さ0.1mmの銅箔を両面に有する積層板を得た。
前記で得られた多層プリント配線板用樹脂組成物を、厚さ25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後の絶縁フィルムの厚さが60μmとなるように塗工し、これを160℃の乾燥装置で10分間乾燥して、絶縁樹脂シートを作製した。
前記の両面に銅箔を有する積層板をドリル機で開口後、無電解めっきで上下銅箔間の導通を図り、前記両面の銅箔をエッチングすることにより内層回路を両面に形成した。(L/S=120/180μm、クリアランスホール1mmφ、3mmφ、スリット2mm)
次に内層回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO−G)をスプレーにて吹きつけることにより粗化処理による凹凸形成を行った。その後、前記で得られた絶縁樹脂シートを内層回路上に真空積層装置を用いて積層し、PETアフィルムを剥離し、温度170℃、時間60分間加熱し、絶縁樹脂層を半硬化させた。尚、絶縁樹脂シートを積層する条件は、温度100℃、圧力1MPa、時間30秒とした。次に、炭酸レーザー装置を用いてφ60μmの開口部(ブラインド・ビアホール)を形成し、70℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に10分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に20分浸漬後、中和して粗化処理を行った。次に脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅メッキ皮膜を約0.5μmの給電層を形成した。次にこの給電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライフィルム(旭化成社製AQ−2558)をホットロールラミネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着マスク(トウワプロセス社製)を使用して、位置を合わせ、露光装置(ウシオ電機社製UX−1100SM−AJN01)にて露光、炭酸ソーダ水溶液にて現像し、めっきレジストを形成した。
次に、給電層を電極として電解銅めっき(奥野製薬社製81−HL)を3A/dm2、30分間行って、厚さ約25μmの銅配線を形成した。ここで2段階剥離機を用いて、前記めっきレジストを剥離した。各薬液は、1段階目のアルカリ水溶液層にはモノエタノールアミン溶液(三菱ガス化学社製R−100)、2段階目の酸化性樹脂エッチング剤には過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムを主成分とする水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9275、9276)、中和には酸性アミン水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9279)をそれぞれ用いた。
次に、給電層を過硫酸アンモニウム水溶液(メルテックス(株)製AD−485)に浸漬処理することで、エッチング除去し、配線間の絶縁を確保した。次に絶縁樹脂層を温度200℃時間60分で最終硬化させ、最後に回路表面にソルダーレジスト(太陽インキ社製PSR4000/AUS308)を形成し、露光・現像により、半導体素子の半田バンプ配列に相当するニッケル金メッキ処理が施された接続用電極部を設け、ニッケル金メッキ処理が施し、50mm×50mmの大きさに切断し多層プリント配線板を得た。
半導体装置に用いる半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚み0.8mm)は、Sn/Pb組成の共晶で形成された半田バンプを有するものを用いた。
また半導体素子の回路保護膜は、ポジ型感光性樹脂(住友ベークライト社製CRC−8300)で形成されたものを使用した。半導体装置の組み立ては、まず、前記半導体素子の半田バンプにフラックス材を転写法により均一に塗布し、次にフリップチップボンダー装置を用い、前記で得られた多層プリント配線板上に加熱圧着により搭載し、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、液状封止樹脂を硬化させることで半導体装置を得た。尚、液状封止樹脂の硬化条件は、温度150℃、120分の条件であった。
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)49.2重量部を80℃で融解し、(B)有機着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)1.2重量部を添加し、80℃で1時間加熱溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は500rpmであった。
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、工程Aで得られた混合物にメチルイソブチルケトンを加え、50℃、500rpmで30分間撹拌した。その後、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)28.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH;軟化点103℃、150℃において3.0〜5.0Pa・s)21.6重量部を添加して、50℃、回転数1000rpmで1時間撹拌して、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
(A)熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(大日本インキ化学社製、850S;常温で液状、25℃において1100Pa・s〜1500Pa・s)24.6重量部を50℃に加熱し、(B)有機着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加、80℃、回転数500rpmで1時間溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は、500rpmであった。
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部をメチルイソブチルケトンに分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで30分撹拌して得た。
前記[工程A]得られた溶融混合物、及び前記[工程B]で得られたスラリーを混ぜ撹拌し、次にエポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、高速撹拌装置を用いて常温、回転数1000rpmで1時間撹拌し、分散させ、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃に溶融し、(B)有機着色剤としてB2:メチンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black G)0.6重量部を添加し、80℃で1時間加熱溶融混合した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は、500rpmであった。
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部をメチルエチルケトン(MEK)に分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
前記[工程A]で得られた溶融混合物と、前記[工程B]で得られスラリーを、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
[工程A]
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃に加熱融解し、(B)B3:有機着色剤(中央合成化学社製、Sudan Black 141)0.6重量部を添加後、80℃で1時間、回転数500rpmで撹拌し、分散させた後、50℃まで冷却した。
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部をメチルエチルケトン(MEK)に分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
前記[工程A]で得られた溶融混合物を、前記[工程B]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)24.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃で融解し、(B)有機着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部添加し、80℃で1時間加熱溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は、500rpmであった。
(C)有機溶剤としてジメチルアセトアミド(DMAc)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部をジメチルアセトアミドに分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
前記[工程A]で得られた溶融混合物を、前記[工程B]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
[工程A]((A)熱硬化性樹脂と(B)有機着色剤との加熱溶融混合工程)
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製 プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃で溶融し、(B)有機着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加し、100℃で1時間加熱溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は500rpmであった。
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として水酸化アルミニウム(昭和電工社製、H−42M、平均粒径1.1μm)49.8重量部をメチルエチルケトン(MEK)に分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
([工程A]で得られた溶融混合物、及び[工程B]で得られたスラリーとその他の成分を分散させる工程)
工程Aで得られた溶融混合物を前記[工程B]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
多層プリント配線板用樹脂組成物の作製方法を以下のようにした以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、メチルエチルケトン(MEK)溶剤中にエポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(日本化薬株式会社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、 ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)24.6重量部を添加し、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌した。
前記[工程E]で得られた混合物に、(C)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)49.8重量部とカップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.2重量部、(B)着色剤としB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで10分間、撹拌して、固形分50重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
[工程G]
(軟化点、又は融点が50℃以上の熱硬化性樹脂に(B)着色剤を加熱溶融混合する工程)
ビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)14.0重量を80℃に加熱融解し、(B)着色剤としB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加し、80℃で1時間加熱溶融混合した。尚、過熱溶融混合の際の撹拌回転数500rpmであった。
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部を分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
次に、前記[工程G]で得られた混合物を前記[工程B]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
その後、シアネート樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)24.6重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃で溶融し、(B)有機着色材として着色剤としB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加し、80℃で1時間加熱溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は、500rpmであった。
(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部を蒸留水に分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
前記[工程A]で得られた混合物を前記[工程H]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、高速撹拌装置を用いて常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
作製した多層プリント配線板用樹脂組成物を400メッシュで濾過し、無機充填剤、着色剤、その他樹脂成分の残渣の有無を目視にて確認実施した。
粒度分布計(島津製作所社製、SALD−7000−WJA1)を用いて、作製した多層プリント配線板用樹脂組成物の粒度分布測定を屈折率1.60−0.10iの条件下にて行った。体積換算にて平均粒径および、90%粒子径の測定を行った。
E型粘度計を用いて、多層プリント配線板用樹脂組成物の粘度測定を回転数100rpmの条件下にて25℃における粘度を測定した。
作製したプリプレグにおいて、無機充填剤や有機化合物の凝集による外観ムラの有無を目視にて確認実施した。
作製した絶縁樹脂シートにおいて、無機充填剤や有機化合物の凝集による外観ムラの有無を目視にて確認実施した。
絶縁樹脂シートを内層基板に積層し、粗化処理した際の外観を金属顕微鏡により観察し、粗化ムラや、ひび割れ等外観不良が無いか観察を行った。
得られた積層板の熱膨張係数を、TMA装置(TAインスツルメント社製)を用いて、10℃/分で昇温して測定した。MD方向について測定を行った。
上述の多層プリント配線板の中央部を切り出し、断面を金属顕微鏡で観察した。絶縁樹脂層に均一な樹脂層が形成されているか否かを確認した。
耐湿信頼性は、前記で得られた半導体装置を、温度85℃、湿度85%の雰囲気下で100時間放置後、260℃リフローを3回行い、超音波深傷検査装置で半導体素子裏面の剥離、および半田バンプの欠損を価した。
各符号は以下の通りである。
○:実質上問題なし アンダーフィル周辺に微小剥離のみ、バンプ欠損なし
×:実質上使用不可 10%以上の剥離およびバンプ欠損
前記の半導体装置の導通を確認後、−50℃で10分、125℃で10分を1サイクルとする温度サイクル(TC)試験を実施した。TC試験1000サイクル後の断線不良有無を評価した。
比較例2は、軟化点が50℃を超える熱硬化性樹脂を用いた例であるが、加熱溶融混合の際に十分粘度が下がらないために比較例1と同様、プリプレグや絶縁樹脂シートを作製した際に、凝集物が見られる結果となり、粗化処理において粗化ムラが生じる結果となった。
比較例3は有機溶剤を用いず、蒸留水を溶剤として用いた例であるが、比較例1、及び2と同様無機充填剤や着色剤の凝集による外観ムラ、粗化ムラが生じる結果となった。
Claims (11)
- (A)軟化点、又は融点が50℃以下の熱硬化性樹脂に、(B)有機着色剤を加熱溶融混合させてなる溶融混合物を含むことを特徴とする多層プリント配線板用樹脂組成物。
- 前記(B)有機着色剤は、260℃における昇華、又は分解による重量減少が10%以下である請求項1に記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
- 前記(B)有機着色剤は、アントラキノン系化合物である請求項1または2に記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
- 前記溶融混合物を、(C)有機溶剤と(D)無機充填材とを混合してなるスラリーに分散させてなる請求項1ないし3のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
- 前記(D)無機充填材は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、焼成タルク、及びアルミナからなる群より選ばれた少なくとも1種類以上を含むものである請求項4のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物からなる絶縁樹脂層を熱可塑性樹脂フィルム上、または金属箔上に形成してなる絶縁樹脂シート。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物を基材に含浸させてなるプリプレグ。
- 請求項7に記載のプリプレグを1枚以上重ね合わせ加熱加圧成形してなる積層板。
- 請求項8に記載の積層板を用いてなる多層プリント配線板。
- 請求項6に記載の絶縁樹脂シート、および/または請求項7に記載のプリプレグを用いてなる多層プリント配線板。
- 請求項10に記載の多層プリント配線板に半導体素子を実装してなる半導体装置。
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