JP2009111075A - 多層プリント配線板用樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置 - Google Patents

多層プリント配線板用樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、溶剤溶解性の低い着色剤、無機充填剤を含有しても、均一な多層プリント配線板用樹脂組成物を提供するものであり、また当該多層プリント配線板用樹脂組成物を用いた凝集物が無く、外観にムラや凝集物がないプリプレグ、及び樹脂シートを提供するものである。
【解決手段】本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物は、(A)軟化点、または融点が50℃以下の熱硬化性樹脂に、(B)有機着色剤を加熱溶融混合させてなる溶融混合物を含むことを特徴する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多層プリント配線板用樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置に関するものである。
近年、前記多層プリント配線板は、電気・電子機器の小型、薄型化に伴い、様々な特性が必要とされている。
例えば、半導体搭載用パッケージ等の用途に用いられる多層プリント配線板は、黒色を基調とするものが主流となっている。多層プリント配線板を黒色にする手法の一つに、多層プリント配線板を構成する樹脂組成物に黒色の有機着色剤等を配合する手法が知られている。
しかしながら、これら有機着色剤は一般的に有機溶剤に対する溶解性が低いことから、多層プリント配線板を構成する樹脂組成物が均一な色にできない問題があった。
そのため、有機着色剤を含む樹脂組成物を用いてなるプリプレグ、又は絶縁樹脂シートは、外観に凝集物やムラが発生する問題があった。
また、近年の電気・電子機器の小型、薄型化に伴いプリプレグ、又は絶縁樹脂シートが薄くなることで、外観に凝集物やムラがより顕著に現れるようになった。
特開2001-163969
本発明は、溶剤溶解性の低い着色剤、無機充填剤を含有しても、均一な多層プリント配線板用樹脂組成物を提供するものであり、また当該多層プリント配線板用樹脂組成物を用いた凝集物が無く、外観上ムラがないプリプレグ、及び樹脂シートを提供するものである。
このような目的は下記[1]〜[11]により達成される。
[1](A)軟化点、又は融点が50℃以下の熱硬化性樹脂に、(B)有機着色剤を加熱溶融混合させてなる溶融混合物を含むことを特徴とする多層プリント配線板用樹脂組成物。
[2]前記(B)有機着色剤は、260℃における昇華、又は分解による重量減少が10%以下である[1]に記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
[3]前記(B)有機着色剤は、アントラキノン系化合物である請求項[1]または[2]に記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
[4]前記溶融混合物を、(C)有機溶剤と(D)無機充填材とを混合してなるスラリーに分散させてなる[1]ないし[3]のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
[5]前記(D)無機充填材は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、焼成タルク、及びアルミナからなる群より選ばれた少なくとも1種類以上を含むものである[4]に記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
[6][1]ないし[5]のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物からなる絶縁樹脂層を熱可塑性樹脂フィルム上、または金属箔上に形成してなる絶縁樹脂シート。
[7][1]ないし[5]のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物を基材に含浸させてなるプリプレグ。
[8][7]に記載のプリプレグを1枚以上重ね合わせ加熱加圧成形してなる積層板。
[9][8]に記載の積層板を内層回路基板に用いてなる多層プリント配線板。
[10][6]に記載の絶縁樹脂シート、および/または[7]に記載のプリプレグを用いてなる多層プリント配線板。
[11][10]に記載の多層プリント配線板に半導体素子を実装してなる半導体装置。
本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物は、溶剤溶解性の低い着色剤、無機充填剤を含有しても、均一な多層プリント配線板用樹脂組成物であり、外観にムラの無いプリプレグ及び絶縁樹脂シートを得ることができる。
以下、本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置ついて説明する。
本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物は、(A)軟化点または融点が50℃以下の熱硬化性樹脂(以下、(A)熱硬化性樹脂と記載する。)に、(B)有機着色剤を加熱溶融混合させてなる溶融混合物を含むことを特徴する。
(A)熱硬化性樹脂に(B)有機着色剤を加熱溶融混合する際の温度は、(A)熱硬化性樹脂の軟化点、又は融点以上、120℃以下であることが好ましい。加熱温度が前記(A)熱硬化性樹脂の軟化点、又は融点以下であると溶融粘度が十分に下がらないために分散性が悪くなり、多層プリント配線板用樹脂組成物中に凝集物が存在する場合がある。120℃より高い温度であると、(B)有機着色剤の種類によっては、多層プリント配線板用樹脂組成物の硬化性に影響を及ぼし、成形性が悪化する場合がある。
また撹拌条件としては、回転数が300rpm以上で1時間以上撹拌することが好ましい。回転数や撹拌時間が前記以下でると、前記同様、分散性が悪くなる場合があり、多層プリント配線板用樹脂組成物中に凝集物が存在する場合がある。
本発明に用いる(A)熱硬化性樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、大日本インキ化学社製の商品名EPICLON840、商品名EPICLON840−S、商品名EPICLON850、商品名EPICLON850−S、商品名EPICLON850−CRP、商品名EPICLPN850−LC、商品名EPICLON860等、ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート825、商品名エピコート827、商品名エピコート828、商品名エピコート828EL、商品名エピコート828XA、商品名エピコート834等が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、大日本インキ化学社製の商品名EPICLON830、商品名EPICLON830−S、商品名EPICLON830−LVP、商品名EPICLPN835、商品名EPICLPN835−LV等、ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート806、商品名エピコート806L、商品名エピコート807等が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、大日本インキ化学社製の商品名EPICLON EXA−7240、ジャパンエポキシレジン社製の商品名エピコート152、商品名エピコート154等が挙げられ、ナフタレン型エポキシ樹脂としては、大日本インキ化学社製の商品名EPICLON HP−4032D、水添型エポキシ樹脂としては、大日本インキ化学社製の商品名EPICLON EXA−7015、ジャパンエポキシレジン社製の商品名YX−8000、商品名YX−8034、商品名RXE21などが挙げられる。ビスマレイミド樹脂としては大日本インキ化学社製の商品名EPICLON EXA−7163、シアネート樹脂としては、Lonza社製の商品名PRIMASET PT−30、商品名PRIMASET PT−15等、チバガイギー社製の商品名B−40S等が挙げられる。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上とを併用したりすることもできる。
これらの中でも、特にシアネート樹脂のLonza社製の商品名PRIMASET PT−30、商品名PRIMASET PT−15、チバガイギー社製の商品名B−40Sが好ましい。これにより、プリプレグの熱膨張係数を小さくすることができる。さらに、プリプレグの電気特性(低誘電率、低誘電正接)、機械強度等にも優れる。
(A)熱硬化性樹脂は、さらに溶融粘度が低いことが好ましく、80℃〜150℃において0.1Pa・s以下の粘度領域が存在することが好ましい。これにより、(B)有機着色剤と加熱溶融させる際に溶融させるのが容易となる。溶融粘度は、例えば、コーンプレート(ICI)高温粘度計などで測定することができる。
本発明に用いる(B)有機着色剤は、特に限定されないが、アントラキノン系化合物が好ましい。アントラキノン系化合物としては、例えば、Kayaset Black A−N(日本化薬社製)、Kayaset Black G(日本化薬社製)、Sudan Black 141(中央合成化学社製)等が挙げられる。(B)有機着色剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用しても良い。
前記(B)着色剤の中でも、260℃における昇華、又は分解による重量減少が10%以下であるものが好ましい。260℃における昇華、又は分解による重量減少が10%以下である着色剤としては、Kayaset Black A−N(日本化薬社製)、Kayaset Black G(日本化薬社製)が挙げられる。これにより、樹脂組成物を用い製造される積層板の高温時における重量減少を少なくでき、半田耐熱性に優れるものとなる。尚、260℃での重量減少は、TGA(熱重量測定装置)を用い、試料を10℃/分で昇温させたときの、260℃における重量減少を測定することにより確認できる。
本発明に用いる(B)有機着色剤の含有量は、特に限定されないが、(A)熱硬化性樹脂に100重量部対し、0.5〜5重量部含有することが好ましく、さらに好ましくは1〜4重量部含有することである。前記重量部未満であると、得られる多層プリント配線板の外観にムラがあり、前記重量部より多いと着色剤の種類によっては硬化性に影響を及ぼし、成形性が悪化する場合がある。
前記(A)熱硬化性樹脂に(B)有機着色剤を加熱溶融混合させてなる溶融混合物は、さらに(C)有機溶剤と(D)無機充填材とを混合してなるスラリーに分散させてなる多層プリント配線板用樹脂組成物であることが好ましい。
前記スラリーの作製方法は、特に限定されないが、例えば無機充填剤と溶剤とを混合し、高速攪拌機、またはホモミキサーで攪拌、分散させることにより作製される。
前記スラリーを作製するのに用いる(C)有機溶剤は、特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶剤、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソールなどを挙げることができる。その中でも特にケトン系溶剤、アミド系溶剤が、(A)熱硬化性樹脂との反応性が少ないという点で好ましい。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
前記(D)無機充填材は、特に限定されないが、例えば、タルク、焼成タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。これらの中でも水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、溶融シリカ、タルク、焼成タルク、アルミナが好ましく、特に溶融シリカが低熱膨張性に優れる点で好ましい。その形状は破砕状、球状があるが、繊維基材への含浸性を確保するために樹脂組成物の溶融粘度を下げるには球状シリカを使う等、その目的にあわせた使用方法が採用される。
また前記(D)無機充填材は、特に限定されないが、平均粒子径が単分散の無機充填材を用いることもできるし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いることができる。さらに平均粒子径が単分散及び/または、多分散の無機充填材を1種類または2種類以上とを併用したりすることもできる。
前記(D)無機充填材の含有量は、特に限定されないが、(C)有機溶剤100重量部に対し、50〜300重量部が好ましく、特に100〜240重量部が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に低熱膨張、低吸水とすることができる。
前記(D)無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、0.005〜10μmが好ましく、特に0.01〜3μmが好ましい。無機充填材の粒径が前記下限値未満であると多層プリント配線板用樹脂組成物の粘度が高くなるため、プリプレグ作製時の作業性に影響を与える場合がある。また、前記上限値を超えると、多層プリント配線板用樹脂組成物中で無機充填剤の沈降等の現象が起こる場合がある。
更に平均粒子径5.0μm以下の球状シリカが好ましく、特に平均粒子径0.01〜3μmの球状溶融シリカが好ましい。これにより、無機充填材の充填性を向上させることができる。尚、平均粒子径は、例えば粒度分布計(HORIBA製、LA−500)により測定することができる。
本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物は、さらに、その他熱硬化性樹脂(実質的にハロゲンを含まない)を併用することもできる。併用することもできる熱硬化性樹脂組成物は、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。これらの中でもビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂等のようなメチレン結合を有するノボラック型エポキシ樹脂が、耐熱性、難燃性、吸水性の点で優れ、その中でもビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂が好ましい。これにより、吸湿半田耐熱性および難燃性を向上させることができる。
本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物では、(A)熱硬化性樹脂、(B)着色剤以外に、さらに(A)熱硬化性樹脂の硬化剤を併用しても良い。例えば、(A)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂やシアネート樹脂であれば、フェノール樹脂やエポキシ樹脂やシアネート樹脂の硬化促進剤を用いることができる。前記フェノール樹脂は、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、アリールアルキレン型ノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。これらの中でも特に、アリールアルキレン型フェノール樹脂が好ましい。これにより、さらに吸湿半田耐熱性を向上させることができる。
前記硬化促進剤は、特に限定されないが、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、1−ベンジルー2−メチルイミダゾール、1−ベンジルー2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチルー2−エチルー4−メチルイミダゾール、1−シアノエチルー2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール、2,3−ジヒドロー1H−ピロロ(1,2−a)ベンズイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等、またはこの混合物が挙げられる。これらの中の誘導体も含めて1種類を単独で用いることもできるし、これらの誘導体も含めて2種類以上を併用したりすることもできる。
本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物は、特に限定されないが、更にカップリング剤を含有することが好ましい。
前記カップリング剤は、樹脂と無機充填剤との界面の濡れ性を向上させることにより、基材に対して樹脂および充填剤を均一に定着させ、耐熱性、特に吸湿後の半田耐熱性を改良するために配合する。
前記カップリング剤は、特に限定されないが、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。これにより、無機充填材の界面との濡れ性を高くすることができ、それによって耐熱性をより向上させることできる。
前記カップリング剤の添加量は、特に限定されないが、無機充填材100重量部に対して0.05〜3重量部が好ましく、特に0.1〜2重量部が好ましい。含有量が前記下限値未満であると無機充填材を十分に被覆できないため耐熱性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると反応に影響を与え、曲げ強度等が低下する場合がある。
本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物は、多層プリント板製造時に多層プリント配線板用樹脂組成物からなる絶縁樹脂層を形成した際、絶縁樹脂層と導体層との密着性が向上するような成分を含有しても良い。例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、導体層を構成する金属との密着性を向上させるカップリング剤等が挙げられ、これらの中でも特に密着性に優れ、硬化反応速度に与える影響が少ないという点でフェノキシ樹脂が好ましい。前記フェノキシ樹脂は、例えばビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ノボラック骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。また、これらの骨格を複数種類有した構造のフェノキシ樹脂を用いることもできる。
また、本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物は、必要に応じて、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の上記成分以外の添加物を添加しても良い。
次に、本発明の絶縁樹脂シートについて説明する。
本発明の絶縁樹脂シートは、前記多層プリント配線板用樹脂組成物よりなる絶縁樹脂層を熱可塑性樹脂フィルム上、または金属箔上に形成してなるものである。ここで、前記絶縁樹脂層を基材に形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、多層プリント配線板用樹脂組成物を各種コーター装置を用いて熱可塑性樹脂フィルム上、または金属箔上に塗工した後、これを乾燥する方法、多層プリント配線板用樹脂組成物をスプレー装置を用いて基材に噴霧塗工した後、これを乾燥する方法、などが挙げられる。これらの中でも、コンマコーター、ダイコーターなどの各種コーター装置を用いて、多層プリント配線板用樹脂組成物をフィルム上、または金属箔上に塗工した後、これを乾燥する方法が好ましい。これにより、ボイドがなく、均一な絶縁樹脂層の厚みを有する絶縁樹脂シートを効率よく製造することができる。
本発明の絶縁樹脂シートに用いる熱可塑性樹脂フィルム、または金属箔としては、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂フィルムの場合、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂フィルムが挙げられる、また、金属箔の場合は、銅及び/又は銅系合金、アルミ及び/又はアルミ系合金、鉄及び/又は鉄系合金、銀及び/又は銀系合金、金及び金系合金、亜鉛及び亜鉛系合金、ニッケル及びニッケル系合金、錫及び錫系合金の金属箔等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂フィルム、または金属箔の厚みとしては特に限定されないが、10〜100μmのものを用いると、絶縁樹脂シートを製造する際の取り扱い性が良好であり好ましい。
なお、本発明の絶縁樹脂シートを製造するにあたっては、絶縁樹脂層と接合される側の熱可塑性樹脂フィルム、または金属箔表面の凹凸は極力小さいものであることが好ましい。これにより、本発明の作用を効果的に発現させることができる。
次に、プリプレグについて説明する。
本発明のプリプレグは、多層プリント配線板用樹脂組成物を基材に含浸させてなるものである。これにより、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れたプリント配線板を製造するのに好適なプリプレグを得ることができる。
前記基材は、特に限定されないが、ガラス織布、ガラス不織布等のガラス繊維基材、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等を主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材等の有機繊維基材等が挙げられる。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグの強度、吸水率を向上することができる。また、プリプレグの熱膨張係数を小さくすることができる。
ガラス繊維基材を構成するガラスは、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、及びHガラス等が挙げられる。これらの中でもEガラス、またはTガラスが好ましい。これにより、ガラス繊維基材の高弾性化を達成することができ、熱膨張係数も小さくすることができる。
本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物を基材に含浸させる方法は、例えば、各種コーターにより塗布する方法、スプレーにより吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を多層プリント配線板用樹脂組成物に浸漬する方法が好ましい。これにより、繊維基材に対する樹脂組成物の含浸性を向上することができる。なお、繊維基材を多層プリント配線板用樹脂組成物に浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
次に、積層板について説明する。
本発明の積層板は、前記プリプレグを少なくとも1枚、又は複数枚積層した積層体の上下両面に、金属箔を重ね、加熱、加圧することで積層板を得ることができる。前記加熱する温度は、特に限定されないが、120〜230℃が好ましく、特に150〜210℃が好ましい。また、前記加圧する圧力は、特に限定されないが、1〜5MPaが好ましく、特に2〜4MPaが好ましい。これにより、誘電特性、高温多湿化での機械的、電気的接続信頼性に優れた積層板を得ることができる。
前記金属箔は、例えば、銅、銅系合金、アルミ、アルミ系合金、銀、銀系合金、金、金系合金、亜鉛、亜鉛系合金、ニッケル、ニッケル系合金、錫、錫系合金、鉄、鉄系合金等の金属箔が挙げられる。
次に、多層プリント配線板について説明する。
多層プリント配線板は、前記積層板を用いて製造することができる。製造方法は、特に限定されないが、例えば、前記両面に銅箔を有する積層板を用い、ドリル機で所定の位置に開口部を設け、無電解めっきにより、内層回路基板の両面の導通を図る。そして、前記銅箔をエッチングすることにより内層回路を形成する。
なお、内層回路部分は、黒化処理等の粗化処理したものを好適に用いることができる。また開口部は、導体ペースト、または樹脂ペーストで適宜埋めることができる。
次に前記本発明のプリプレグ、または熱可塑性樹脂フィルム上に絶縁樹脂層を形成した絶縁樹脂シートを用い、前記内層回路を覆うように、積層し、絶縁樹脂層を形成する。積層(ラミネート)方法は、特に限定されないが、真空プレス、常圧ラミネーター、および真空下で加熱加圧するラミネーターを用いて積層する方法が好ましく、更に好ましくは、真空下で加熱加圧するラミネーターを用いる方法である。その後、前記絶縁樹脂層を加熱することにより硬化させる。硬化させる温度は、特に限定されないが、例えば、100℃〜250℃の範囲で硬化させることができる。好ましくは150℃〜200℃で硬化させることである。
次に積層した絶縁樹脂シートの熱可塑性樹脂フィルムを剥離し、絶縁樹脂層に、レーザーを照射して、開口部を形成し、レーザー照射後の樹脂残渣等は過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤などにより除去することが好ましい。また、平滑な絶縁樹脂層の表面を同時に粗化することができ、続く金属メッキにより形成する外層回路の密着性を上げることができる。本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物から形成された絶縁樹脂層は、前記粗化工程において微細な凹凸形状を均一に施すことができる。また、絶縁樹脂層表面の平滑性が高いため微細な外層回路を精度よく形成することができる。なお、金属箔上に絶縁樹脂シートの場合には、エッチングにより金属箔を外層回路として用いても良いし、前面エッチングして、熱可塑性樹脂フィルムの場合と同様の方法で外層回路形成しても良い。
次に、絶縁樹脂層に、炭酸レーザー装置を用いて開口部を設け、電解銅めっきにより絶縁樹脂層表面に外層回路形成を行い、外層回路と内層回路との導通を図った。なお、外層回路は、半導体素子を実装するための接続用電極部を設ける。
その後、最外層にソルダーレジストを形成し、露光・現像により半導体素子が実装できるよう接続用電極部を露出させ、ニッケル金メッキ処理を施し、所定の大きさに切断し、多層プリント配線板を得ることができる。
次に、半導体装置について説明する。
前記で得られた多層プリント配線板に半田バンプを有する半導体素子を実装し、半田バンプを介して、前記多層プリント配線板と半導体素子とを接続する。そして、多層プリント配線板と半導体素子との間には液状封止樹脂を充填し、半導体装置を製造する。半田バンプは、錫、鉛、銀、銅、ビスマスなどからなる合金で構成されることが好ましい。半導体素子と多層プリント配線板との接続方法は、フリップチップボンダーなどを用いて多層プリント配線板上の接続用電極部と半導体素子の半田バンプとの位置合わせを行ったあと、IRリフロー装置、熱板、その他加熱装置を用いて半田バンプを融点以上に加熱し、多層プリント配線板と半田バンプとを溶融接合することにより接続する。尚、接続信頼性を良くするため、予め多層プリント配線板上の接続用電極部に半田ペースト等の比較的融点の低い金属の層を形成しておいても良い。この接合工程に先んじて、半田バンプ、及び/または多層プリント配線板上の接続用電極部の表層にフラックスを塗布することで接続信頼性を向上させることもできる。
以下、本発明の内容を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。
本発明で用いた(B)有機着色剤は以下の通りである。
B1:ペリノンおよびアントラキノン系染料
(商品名Kayaset Black A−N(日本化薬社製))
260℃における重量減少率 1.5%
B2: メチンおよびアントラキノン系染料
(商品名Kayaset Black G(日本化薬社製))
260℃における重量減少率 1.5%
B3:有機着色剤
(商品名Sudan Black 141(中央合成化学社製))
260℃における重量減少率 4.4%
前記(B)有機着色剤の260℃における重量減少率は、以下の方法で求めた。
着色剤の重量減少率測定
重量減少率は、TG−DTA(示差熱熱重量同時測定)により、使用した着色剤を、30℃から450℃まで10℃/分の条件で昇温させ、試料の重量変化を追跡し、((30℃の試料重量)−(260℃の試料重量))/(30℃の試料重量)×100で求まる値とした。
多層プリント配線板用樹脂組成物の作製
(実施例1)
[工程A]((A)熱硬化性樹脂と(B)有機着色剤との加熱溶融混合工程)
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製 プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃で溶融し、(B)有機着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加し、100℃で1時間加熱溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は500rpmであった。
[工程B]((C)有機溶剤中に(D)無機充填材を分散させる工程)
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部をメチルエチルケトン(MEK)に分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
[工程C]
([工程A]で得られた溶融混合物、及び[工程B]で得られたスラリーとその他の成分とを分散させる工程)
工程Aで得られた溶融混合物を前記[工程B]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
2.プリプレグの作製
前記の多層プリント配線板用樹脂組成物をガラス織布(厚さ94μm、日東紡績製、WEA−2116)に含浸し、150℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中の多層プリント配線板用樹脂組成物固形分が約50重量%のプリプレグを得た。
3.積層板の作製
前記のプリプレグを、両面に18μmの銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形することによって、厚さ0.1mmの銅箔を両面に有する積層板を得た。
4.絶縁樹脂シートの作製
前記で得られた多層プリント配線板用樹脂組成物を、厚さ25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムの片面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後の絶縁フィルムの厚さが60μmとなるように塗工し、これを160℃の乾燥装置で10分間乾燥して、絶縁樹脂シートを作製した。
5.多層プリント配線板の作製
前記の両面に銅箔を有する積層板をドリル機で開口後、無電解めっきで上下銅箔間の導通を図り、前記両面の銅箔をエッチングすることにより内層回路を両面に形成した。(L/S=120/180μm、クリアランスホール1mmφ、3mmφ、スリット2mm)
次に内層回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO−G)をスプレーにて吹きつけることにより粗化処理による凹凸形成を行った。その後、前記で得られた絶縁樹脂シートを内層回路上に真空積層装置を用いて積層し、PETアフィルムを剥離し、温度170℃、時間60分間加熱し、絶縁樹脂層を半硬化させた。尚、絶縁樹脂シートを積層する条件は、温度100℃、圧力1MPa、時間30秒とした。次に、炭酸レーザー装置を用いてφ60μmの開口部(ブラインド・ビアホール)を形成し、70℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に10分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に20分浸漬後、中和して粗化処理を行った。次に脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅メッキ皮膜を約0.5μmの給電層を形成した。次にこの給電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライフィルム(旭化成社製AQ−2558)をホットロールラミネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着マスク(トウワプロセス社製)を使用して、位置を合わせ、露光装置(ウシオ電機社製UX−1100SM−AJN01)にて露光、炭酸ソーダ水溶液にて現像し、めっきレジストを形成した。
次に、給電層を電極として電解銅めっき(奥野製薬社製81−HL)を3A/dm2、30分間行って、厚さ約25μmの銅配線を形成した。ここで2段階剥離機を用いて、前記めっきレジストを剥離した。各薬液は、1段階目のアルカリ水溶液層にはモノエタノールアミン溶液(三菱ガス化学社製R−100)、2段階目の酸化性樹脂エッチング剤には過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムを主成分とする水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9275、9276)、中和には酸性アミン水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9279)をそれぞれ用いた。
次に、給電層を過硫酸アンモニウム水溶液(メルテックス(株)製AD−485)に浸漬処理することで、エッチング除去し、配線間の絶縁を確保した。次に絶縁樹脂層を温度200℃時間60分で最終硬化させ、最後に回路表面にソルダーレジスト(太陽インキ社製PSR4000/AUS308)を形成し、露光・現像により、半導体素子の半田バンプ配列に相当するニッケル金メッキ処理が施された接続用電極部を設け、ニッケル金メッキ処理が施し、50mm×50mmの大きさに切断し多層プリント配線板を得た。
6.半導体装置の作製
半導体装置に用いる半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚み0.8mm)は、Sn/Pb組成の共晶で形成された半田バンプを有するものを用いた。
また半導体素子の回路保護膜は、ポジ型感光性樹脂(住友ベークライト社製CRC−8300)で形成されたものを使用した。半導体装置の組み立ては、まず、前記半導体素子の半田バンプにフラックス材を転写法により均一に塗布し、次にフリップチップボンダー装置を用い、前記で得られた多層プリント配線板上に加熱圧着により搭載し、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、液状封止樹脂を硬化させることで半導体装置を得た。尚、液状封止樹脂の硬化条件は、温度150℃、120分の条件であった。
(実施例2)
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
[工程A]
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)49.2重量部を80℃で融解し、(B)有機着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)1.2重量部を添加し、80℃で1時間加熱溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は500rpmであった。
[工程D]((C)有機溶剤中に[工程A]で得られた溶融混合物、及びその他の成分とを分散させる工程)
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、工程Aで得られた混合物にメチルイソブチルケトンを加え、50℃、500rpmで30分間撹拌した。その後、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)28.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH;軟化点103℃、150℃において3.0〜5.0Pa・s)21.6重量部を添加して、50℃、回転数1000rpmで1時間撹拌して、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
(実施例3)
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
[工程A]
(A)熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(大日本インキ化学社製、850S;常温で液状、25℃において1100Pa・s〜1500Pa・s)24.6重量部を50℃に加熱し、(B)有機着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加、80℃、回転数500rpmで1時間溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は、500rpmであった。
[工程B]
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部をメチルイソブチルケトンに分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで30分撹拌して得た。
[工程C]
前記[工程A]得られた溶融混合物、及び前記[工程B]で得られたスラリーを混ぜ撹拌し、次にエポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、高速撹拌装置を用いて常温、回転数1000rpmで1時間撹拌し、分散させ、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
(実施例4)
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
[工程A]
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃に溶融し、(B)有機着色剤としてB2:メチンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black G)0.6重量部を添加し、80℃で1時間加熱溶融混合した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は、500rpmであった。
[工程B]
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部をメチルエチルケトン(MEK)に分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
[工程C]
前記[工程A]で得られた溶融混合物と、前記[工程B]で得られスラリーを、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
(実施例5)
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
[工程A]
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃に加熱融解し、(B)B3:有機着色剤(中央合成化学社製、Sudan Black 141)0.6重量部を添加後、80℃で1時間、回転数500rpmで撹拌し、分散させた後、50℃まで冷却した。
[工程B]
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部をメチルエチルケトン(MEK)に分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
[工程C]
前記[工程A]で得られた溶融混合物を、前記[工程B]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)24.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
(実施例6)
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
[工程A]
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃で融解し、(B)有機着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部添加し、80℃で1時間加熱溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は、500rpmであった。
[工程B]
(C)有機溶剤としてジメチルアセトアミド(DMAc)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部をジメチルアセトアミドに分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
[工程C]
前記[工程A]で得られた溶融混合物を、前記[工程B]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
(実施例7)
[工程A]((A)熱硬化性樹脂と(B)有機着色剤との加熱溶融混合工程)
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製 プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃で溶融し、(B)有機着色剤としてB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加し、100℃で1時間加熱溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は500rpmであった。
[工程B]((C)有機溶剤中に(D)無機充填材を分散させる工程)
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として水酸化アルミニウム(昭和電工社製、H−42M、平均粒径1.1μm)49.8重量部をメチルエチルケトン(MEK)に分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
[工程C]
([工程A]で得られた溶融混合物、及び[工程B]で得られたスラリーとその他の成分を分散させる工程)
工程Aで得られた溶融混合物を前記[工程B]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
(比較例1)
多層プリント配線板用樹脂組成物の作製方法を以下のようにした以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
[工程E]((C)有機溶剤中、室温下で樹脂成分を分散させる工程)
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、メチルエチルケトン(MEK)溶剤中にエポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(日本化薬株式会社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、 ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)24.6重量部を添加し、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌した。
[工程F]([工程E]で得られた混合物に、他の成分を添加し、常温下で分散させる工程)
前記[工程E]で得られた混合物に、(C)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)49.8重量部とカップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.2重量部、(B)着色剤としB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで10分間、撹拌して、固形分50重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
(比較例2)
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
[工程G]
(軟化点、又は融点が50℃以上の熱硬化性樹脂に(B)着色剤を加熱溶融混合する工程)
ビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000;軟化点58℃、150℃において0.07Pa・s)14.0重量を80℃に加熱融解し、(B)着色剤としB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加し、80℃で1時間加熱溶融混合した。尚、過熱溶融混合の際の撹拌回転数500rpmであった。
[工程B]
(C)有機溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)を用い、(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部を分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
[工程C]
次に、前記[工程G]で得られた混合物を前記[工程B]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
その後、シアネート樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)24.6重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
(比較例3)
多層プリント配線板用樹脂組成物を以下のように作製した以外は、実施例1と同様にプリプレグ、積層板、絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
[工程A]
(A)熱硬化性樹脂としてノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30;融点13℃、80℃において0.3〜0.75Pa・s)24.6重量部を80℃で溶融し、(B)有機着色材として着色剤としB1:ペリノンおよびアントラキノン系染料(日本化薬社製、Kayaset Black A−N)0.6重量部を添加し、80℃で1時間加熱溶融混合し、50℃まで冷却した。尚、加熱溶融混合の際の撹拌回転数は、500rpmであった。
[工程H](蒸留水中に(D)無機充填材を分散させる工程)
(D)無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製、SO25R、平均粒径0.5μm)49.8重量部を蒸留水に分散させ、60重量%濃度のスラリーを得た。尚、スラリーは、室温下、回転数500rpmで、1時間撹拌して得た。
[工程I]([工程A]で得られた溶融混合物、及び[工程H]で得られたスラリーと、その他の成分とを分散させる工程)
前記[工程A]で得られた混合物を前記[工程H]で得られたスラリーに加え、50℃、回転数500rpmで30分間撹拌した。
次に、エポキシ樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000)14.0重量部、硬化剤としてビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851HHH)10.8重量部、カップリング剤(GE東芝シリコーン社製、A187)0.2重量部を添加して、高速撹拌装置を用いて常温下、回転数1000rpmで1時間撹拌し、固形分70重量%の多層プリント配線板用樹脂組成物を作製した。
実施例および比較例で得られた多層プリント配線板用樹脂組成物、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置について、特性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009111075
評価方法は、以下の通りである。
1.多層プリント配線板用樹脂組成物の濾過残渣
作製した多層プリント配線板用樹脂組成物を400メッシュで濾過し、無機充填剤、着色剤、その他樹脂成分の残渣の有無を目視にて確認実施した。
2.多層プリント配線板用樹脂組成物の粒度分布測定
粒度分布計(島津製作所社製、SALD−7000−WJA1)を用いて、作製した多層プリント配線板用樹脂組成物の粒度分布測定を屈折率1.60−0.10iの条件下にて行った。体積換算にて平均粒径および、90%粒子径の測定を行った。
3.多層プリント配線板用樹脂組成物の粘度測定
E型粘度計を用いて、多層プリント配線板用樹脂組成物の粘度測定を回転数100rpmの条件下にて25℃における粘度を測定した。
4.プリプレグの外観
作製したプリプレグにおいて、無機充填剤や有機化合物の凝集による外観ムラの有無を目視にて確認実施した。
5.絶縁樹脂シートの外観
作製した絶縁樹脂シートにおいて、無機充填剤や有機化合物の凝集による外観ムラの有無を目視にて確認実施した。
6.絶縁樹脂シートの 粗化処理後の外観
絶縁樹脂シートを内層基板に積層し、粗化処理した際の外観を金属顕微鏡により観察し、粗化ムラや、ひび割れ等外観不良が無いか観察を行った。
7.積層板の熱膨張率
得られた積層板の熱膨張係数を、TMA装置(TAインスツルメント社製)を用いて、10℃/分で昇温して測定した。MD方向について測定を行った。
8.多層プリント配線板断面の絶縁樹脂層の分散性
上述の多層プリント配線板の中央部を切り出し、断面を金属顕微鏡で観察した。絶縁樹脂層に均一な樹脂層が形成されているか否かを確認した。
9.耐湿信頼性
耐湿信頼性は、前記で得られた半導体装置を、温度85℃、湿度85%の雰囲気下で100時間放置後、260℃リフローを3回行い、超音波深傷検査装置で半導体素子裏面の剥離、および半田バンプの欠損を価した。
各符号は以下の通りである。
○:実質上問題なし アンダーフィル周辺に微小剥離のみ、バンプ欠損なし
×:実質上使用不可 10%以上の剥離およびバンプ欠損
10.熱衝撃性試験(温度サイクル(TC)試験)
前記の半導体装置の導通を確認後、−50℃で10分、125℃で10分を1サイクルとする温度サイクル(TC)試験を実施した。TC試験1000サイクル後の断線不良有無を評価した。
実施例1〜7は、凝集物のない均一な多層プリント配線板用樹脂組成物であり、多層プリント配線板用樹脂組成物に凝集が発生せず、その結果、粘度も低く良好な結果であった。また、当該多層プリント配線板用樹脂組成物を用い作製したプリプレグ、及び絶縁樹脂シートは、良好な外観を有した。なお、実施例2については無機充填剤を添加しておらず、溶剤不溶分が存在しないため、粒度分布においてピークは現れなかった。
一方、比較例1は溶融混合せずに、(B)有機着色剤を常温で添加して撹拌した例であるが、プリプレグや絶縁樹脂シートを作製した際、無機充填剤や着色剤の凝集による外観ムラが発生した。また、粒度分布についても、実施例1と比較して平均粒径が高くなり、その結果、多層プリント配線板用樹脂組成物の粘度が実施例1と比較して増粘する結果となった。また、粗化時の粗化ムラが生じた。
比較例2は、軟化点が50℃を超える熱硬化性樹脂を用いた例であるが、加熱溶融混合の際に十分粘度が下がらないために比較例1と同様、プリプレグや絶縁樹脂シートを作製した際に、凝集物が見られる結果となり、粗化処理において粗化ムラが生じる結果となった。
比較例3は有機溶剤を用いず、蒸留水を溶剤として用いた例であるが、比較例1、及び2と同様無機充填剤や着色剤の凝集による外観ムラ、粗化ムラが生じる結果となった。
本発明の多層プリント配線板用樹脂組成物は、有機着色剤を含むにもかかわらず均一で、凝集物の無いことから、外観が良く、さらに高機能を発現できるプリプレグや樹脂シートを得ることができる。

Claims (11)

  1. (A)軟化点、又は融点が50℃以下の熱硬化性樹脂に、(B)有機着色剤を加熱溶融混合させてなる溶融混合物を含むことを特徴とする多層プリント配線板用樹脂組成物。
  2. 前記(B)有機着色剤は、260℃における昇華、又は分解による重量減少が10%以下である請求項1に記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
  3. 前記(B)有機着色剤は、アントラキノン系化合物である請求項1または2に記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
  4. 前記溶融混合物を、(C)有機溶剤と(D)無機充填材とを混合してなるスラリーに分散させてなる請求項1ないし3のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
  5. 前記(D)無機充填材は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、タルク、焼成タルク、及びアルミナからなる群より選ばれた少なくとも1種類以上を含むものである請求項4のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物からなる絶縁樹脂層を熱可塑性樹脂フィルム上、または金属箔上に形成してなる絶縁樹脂シート。
  7. 請求項1ないし5のいずれかに記載の多層プリント配線板用樹脂組成物を基材に含浸させてなるプリプレグ。
  8. 請求項7に記載のプリプレグを1枚以上重ね合わせ加熱加圧成形してなる積層板。
  9. 請求項8に記載の積層板を用いてなる多層プリント配線板。
  10. 請求項6に記載の絶縁樹脂シート、および/または請求項7に記載のプリプレグを用いてなる多層プリント配線板。
  11. 請求項10に記載の多層プリント配線板に半導体素子を実装してなる半導体装置。
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