JP2009110816A - 電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極タブの強度低下を抑制することができる電池の製造方法を提供する。
【解決手段】電極タブが接続された発電要素108を上部外装部材106及び下部外装部材107で形成された外装部材内部に収容し、上部外装部材106及び下部外装部材107の端部と電極タブとの間にシール部材110,111を介装し、少なくとも端部の範囲において端部、シール部材及び電極タブを接着し、少なくとも何れかの電極タブ104a,105a側において、少なくとも何れかの電極タブ104a,105a上における上部外装部材106の端部外縁1062及び下部外装部材107の端部外縁1072の何れか一方が、何れか他方に対して、電極タブ104a,105aの導出方向Y1,Y2に突出して配置された電極タブ切断前電池10aを作製する切断前電池作製工程と、作製した電極タブ切断前電池10aにおける少なくとも端部の外縁1062から外側にある電極タブの両主面を把持した状態で、電極タブを所定形状に切断する切断工程と、を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電池及びその製造方法に関するものである。
発電要素を外装部材内部に収納して封止するとともに、発電要素に接続された板状の電極タブ(電極端子)を外装部材内部から外部に導出した薄型電池を積層した組電池において、薄型電池の電極タブをL字状に形成し、積層方向上下の電極タブの超音波接合の作業性を改善したものが知られている(特許文献1)。
しかしながら、電極タブをL字状に切断するトリム工程において、板状の電極タブの表裏両主面から押え型で挟んで(把持して)トリムする必要が有る為、電極タブの導出部分に生じたシールフィルムの突起部を押え型で挟んでしまった場合、電極タブが薄肉になって強度が低下するという問題があった。
特開2006−196428号公報
本発明が解決しようとする課題は、電極タブの強度低下を抑制することができる電池及びその製造方法を提供することである。
本発明は、以下の解決手段によって上記課題を解決する。
[1]すなわち、本発明の製造方法に係る電池は、電極板を有する発電要素と、当該発電要素を内部に収容する外装体と、前記電極板に接続され前記外装体内部から外部に導出された複数の板状の電極タブと、前記電極タブと当該電極タブが導出する前記外装体の端部との間に介装されたシール部材と、を備える。外装体は、シート状の第1外装部材及び第2外装部材を含む。
上記電池において、切断前電池作製工程では、電極タブが接続された発電要素を外装体内部に収容するとともに、外装体の端部と電極タブとの間にシール部材を介装し、少なくとも端部の範囲において端部、シール部材及び電極タブを接着し、少なくとも何れかの電極タブ上において、第1外装部材の端部外縁及び第2外装部材の端部外縁の何れか一方が、何れか他方に対して、電極タブの導出方向に突出して配置された電極タブ切断前電池を作製する。
また、切断工程では、作製した電極タブ切断前電池における少なくとも第1外装部材の端部外縁及び前記第2外装部材の端部外縁から外側にある電極タブの両主面を把持した状態で、電極タブを所定形状に切断する。
[2]一方、本発明に係る電池は、電極板を有する発電要素と、当該発電要素を内部に収容する外装体と、前記電極板に接続され前記外装体から外部に導出された複数の板状の電極タブと、前記電極タブと当該電極タブが導出する前記外装体の端部との間に介装されたシール部材と、を備える。そして、外装体は、第1外装部材及び第2外装部材を含み、少なくとも何れかの電極タブ上において、第1外装部材の端部外縁及び第2外装部材の端部外縁の何れか一方を、いずかれか他方に対して、電極タブの導出方向に突出させるように配置したものである。
本発明によれば、第1外装部材の端部外縁及び第2外装部材の端部外縁の何れか一方をいずかれか他方に対して電極タブの導出方向に突出させるので、電極タブの強度低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
《電池》
まず、本実施形態に係る電池の構成を説明する。図1〜図3は一つの電池10(単位電池、セルともいう)を示し、この電池10を複数積層して所望の電気回路構成で接続することにより、所望の電圧、容量の組電池を構成することができる。
本実施形態に係る電池10は、リチウム系、平板状、積層タイプの薄型二次電池であり、図1及び図3に示すように、発電要素108と、正極の電極端子である正電極タブ104と、負極の電極端子である負電極タブ105と、上部外装部材106と、下部外装部材107と、シール部材110,111と、から構成されている。
発電要素108は、本実施形態では3枚の正極板101と、5枚のセパレータ102と、3枚の負極板103と、特に図示しない電解質とを有する。発電要素108は、セパレータ102を介して正極板101と負極板103とが交互に複数積層されることにより構成されている。
正極板101は、積層方向中央に配置された正極側集電体101aと、この正極側集電体101aの両主面の一部にそれぞれ形成された正極層101b、101cとを有する。なお、正極層101b、101cは、正極側集電体101aの両主面の全体に亘って形成されているのではなく、正極板101、セパレータ102及び負極板103を積層して発電要素108を構成する際に、正極板101においてセパレータ102に実質的に重なる部分のみに形成されている。
正極側集電体101aは、その一端(図3の右側)が正電極タブ104にまで延びるように形成されている。正極側集電体101aは、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔、又は、ニッケル箔等の電気化学的に安定した金属箔で構成されている。
正極層101b、101cは、例えば、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、又は、コバルト酸リチウム(LiCoO)等のリチウム複合酸化物や、カルコゲン(S、Se、Te)化物等の正極活物質と、カーボンブラック等の導電剤と、ポリ四フッ化エチレンやポリフッ化ビニリデンの水性ディスパージョン等の接着剤と、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤とを混合したものを、正極側集電体101aの一部の両主面に、たとえば厚さが20μmとなるように塗布し、乾燥及び圧延することにより形成される。
負極板103は、積層方向中央に配置された負極側集電体103aと、当該負極側集電体103aの一部の両主面にそれぞれ形成された負極層103b、103cとを有する。なお、負極板103の負極層103b、103cは、負極側集電体103aの両主面の全体に亘って形成されているのではなく、正極板101、セパレータ102及び負極板103を積層して発電要素108を構成する際に、負極板103においてセパレータ102に実質的に重なる部分のみに形成されている。
負極側集電体103aは、その一端(図3の左側)が負電極タブ105にまで延びるように形成されている。負極側集電体103aは、例えば、ニッケル箔、銅箔、ステンレス箔、又は、鉄箔等の電気化学的に安定した金属箔で構成されている。
負極層103b、103cは、例えば、非晶質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、又は、黒鉛等のような上記の正極活物質のリチウムイオンを吸蔵及び放出する負極活物質に、有機物焼成体の前駆体材料としてのスチレンブタジエンゴム樹脂粉末の水性ディスパージョンを混合し、乾燥させた後に粉砕することで、炭素粒子表面に炭化したスチレンブタジエンゴムを担持させたものを主材料とし、これにアクリル樹脂エマルジョンやポリフッ化ビニリデン等の結着剤と、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤とをさらに混合し、この混合物を負極側集電体103aの両主面の一部に塗布し、乾燥及び圧延させることにより形成される。
特に、負極活物質として非晶質炭素や難黒鉛化炭素を用いると、充放電時における電位の平坦特性に乏しく放電量に伴って出力電圧も低下するので、電気自動車の電源として用いると急激な出力低下がないので有利である。
セパレータ102は、上述した正極板101と負極板103との短絡を防止するもので、電解質を保持する機能を備えることもできる。このセパレータ102は、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン等から構成される微多孔性膜であり、過電流が流れると、その発熱によって層の空孔が閉塞され電流を遮断する機能をも有する。なお、セパレータ102は、ポリオレフィン等の単層膜に限られず、ポリプロピレン膜をポリエチレン膜でサンドイッチした三層構造や、ポリオレフィン微多孔膜と有機不織布等を積層したものも用いることができる。セパレータ102を複層化することで、過電流の防止機能、電解質保持機能及びセパレータの形状維持(剛性向上)機能等の諸機能を付与することができる。
なお、正極板101、セパレータ102及び負極板103の枚数は、上記の枚数に何ら限定されず、例えば1枚の正極板101、3枚のセパレータ102及び1枚の負極板103でも発電要素108を構成することができ、必要に応じて正極板101、セパレータ102及び負極板103の枚数を選択して構成することができる。
特に図示しない電解質としては、有機液体溶媒に、例えばリチウム塩を溶質として溶解させた液体電解質を用いることができる。有機液体溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)やメチルエチルカーボネート等のエステル系溶媒を用いることができるが、本実施形態ではこれに限定されることなく、エステル系溶媒に、γ−ブチラクトン(γ−BL)、ジエトシキエタン(DEE)等のエーテル系溶媒その他を混合、調合した有機液体溶媒を用いることもできる。溶質としてのリチウム塩としては、例えば、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウムや六フッ化リン酸リチウム等を挙げることができる。
以上の発電要素108(正極板101、セパレータ102、負極板103及び電解質)が本発明に係る発電要素に相当し、また、正極板101、負極板103が本発明に係る電極板に相当する。
上述したように本実施形態では、3枚の正極板101は、正極側集電体101aを介して、正電極タブ104にそれぞれ接続される一方で、3枚の負極板103は、負極側集電体103aを介して、同様に負電極タブ105にそれぞれ接続されている。
正電極タブ104及び負電極タブ105は、電気化学的に安定した金属材料で構成されている。その材質は特に限定されないが、正電極タブ104としては、上述の正極側集電体101aと同様に、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅又はニッケル等で形成された、厚さ0.5mm程度の薄板で構成することができる。また、負電極タブ105としては、上述の負極側集電体103aと同様に、例えば、ニッケル、銅、ステンレス又は鉄等で形成された、厚さ0.5mm程度の薄板で構成することができる。
ちなみに本実施形態では、電極板101、103の集電体101a、103aを構成する金属箔自体を、正電極タブ104及び負電極タブ105にまで延長することにより、電極板101、103を正電極タブ104及び負電極タブ105に接続している。換言すれば、1枚の金属箔101a,103aの一部に正極層101b,101c又は負極層103b,103cをそれぞれ形成し、残りの端部を正電極タブ104及び負電極タブ105との接結部材としている。しかしながら、正極層101b、101c及び負極層103b、103c間に位置する集電体101a,103aを構成する金属箔と、接結部材を構成する金属箔とを別の材料や部品により接続することもできる。なお、以下の説明では、上記正極層101b、101c間及び負極層103b、103c間に位置する集電体101a,103aと接結部材は1枚の金属箔で構成されているものとする。
以上の正電極タブ104及び負電極タブ105が本発明に係る電極タブに相当する。
発電要素108は、上部外装部材106及び下部外装部材107で形成された外装体内部に収容されて封止されている。上部外装部材106及び下部外装部材107は、本実施形態では何れも、複数層から構成されている。この構造については特に図示しないが、本実施形態では電池10の内側から外側に向かって、内側層、中間層及び外側層という三層構造で構成してある。内側層は、例えば、ポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン又はアイオノマー等の耐電解液性及び熱融着性に優れた樹脂フィルムで構成することができる。中間層は、例えば、アルミニウム等の金属箔から構成することができる。外側層は、例えば、ポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂等の電気絶縁性に優れた樹脂フィルムで構成することができる。
従って、上部外装部材106及び下部外装部材107は何れも、金属箔の一方の面(電池10の内側面)をポリエチレン等の樹脂フィルムでラミネートし、他方の面(電池10の外側面)をポリアミド系樹脂等の樹脂フィルムでラミネートした、樹脂−金属薄膜ラミネート材等の可撓性を有する材料で形成されている。このように、上部外装部材106及び下部外装部材107が何れも樹脂層に加えて金属層を具備することにより、外装部材自体の強度向上を図ることが可能となる。また、上部外装部材106及び下部外装部材107の内側層を上記例示の樹脂で構成することにより、上部外装部材106及び下部外装部材107同士や、上部外装部材106及び下部外装部材107と後述するシール部材110,111との間で良好な融着性を確保することが可能となる。
以上の上部外装部材106及び下部外装部材107が本発明に係る第1外装部材及び第2外装部材(何れも外装体)に相当する。
図3に示すように、本実施形態では、正電極タブ104の一端を、封止された上部外装部材106及び下部外装部材107の内部で発電要素108を構成する正極板101(正極側集電体101a)に接続する。また、正電極タブ104の他端を、当該上部外装部材106及び下部外装部材107の一方の端部(図3の右側)から外部に導出させる。同様に、負電極タブ105の一端を、封止された上部外装部材106及び下部外装部材107の内部で発電要素108を構成する負極板103(負極側集電体103a)に接続する。また、負電極タブ105の他端を、当該上部外装部材106及び下部外装部材107の他方の端部(図3の左側)から外部に導出させる。このため、正電極タブ104及び負電極タブ105の厚さ分だけ、上部外装部材106と下部外装部材107との間で熱融着部に隙間が生じる。そこで本実施形態では、正電極タブ104及び負電極タブ105と上部外装部材106及び下部外装部材107とが接触する部分に、シール部材110,111を介在させ、電池10内部の封止性を維持することとしている。
シール部材110,111は、正電極タブ104及び負電極タブ105の何れにおいても、上部外装部材106及び下部外装部材107の内側層を構成する樹脂と同系統の樹脂、例えばポリエチレンやポリプロピレン等で構成することが熱融着性の観点から好ましい。
次に、図1右側の正電極タブ104廻りの構造と、図1左側の負電極タブ105廻りの構造を説明する。その前に用語の意味を説明する。
まず、上部外装部材106及び下部外装部材107の外周端部のうち、正電極タブ104及び負電極タブ105が導出する辺(本例では短辺)の熱融着される部分を「外装部材の端部1061,1071,1063,1073」といい、この端部1061,1071,1063,1073のエッジを「端部の外縁1062,1072,1064,1074」という(図1、図2、図3及び図8参照)。
図1〜図3に示すように、正電極タブ104は、正極板101の正極側集電体101aに接続される基端部1041と、この基端部1041に接続してあり、外装部材の端部の外縁1062から外部へ導出される先端部1042とで構成してある。
基端部1041は、発電要素108の正極板101の幅方向(図1のX方向)における寸法と同じ幅寸法に形成してある。先端部1042は、基端部1041に対して約半分の幅寸法に形成してある。つまり、正極板101と同じ幅の幅広の部分を基端部1041といい、幅狭の部分を先端部1042という。
この正電極タブ104は、製造当初の工程においては、正極板101と同じ幅寸法に形成された矩形状の平板であるが、後述する切断工程(図4及び図5参照)において切断されることにより所定形状(図1及び図2参照)とされる。
正電極タブ104の先端部1042の幅寸法を約半分に形成するのは、電極タブの接合作業性を向上させるためである。すなわち、複数の電池10を積み重ねて組電池を構成する場合、上下に隣接する電池の電極タブ同士を超音波溶接機のヘッドで挟んで接合するが、この工程において接合すべき電極タブの上下に超音波溶接機のヘッドの挿入スペースが必要とされるからである。
特に図示しないが、負電極タブ105も、正電極タブ104と同様に、負極板103の負極側集電体103aに接続される基端部(図示省略)と、この基端部に接続してあり、外装部材の端部の外縁1064(図1及び図3参照)から外部へ導出される先端部(図示省略)とで構成してある。
なお、図1に示す電池10の正電極タブ104は、図1において上側に形成し、負電極タブ105は下側に形成したが、両正電極タブ104及び負電極タブ105を図1において上側又は下側に形成することもできる。また、正電極タブ104及び負電極タブ105の幅寸法は、上述したとおり溶接機のヘッドが挿入できる形状であればよいので、図示する実施形態には限定されない。
図2及び図3に示すように、本実施形態では、上部外装部材106の正電極タブ104側の端部1061の外縁1062を、下部外装部材107の正電極タブ104側の端部1071の外縁1072に対して、正電極タブ104の導出方向(図1〜図3のY1方向)に突出するように配置してある。換言すると、図3に示す断面視において、外縁1062と外縁1072は、一直線上ではなく、揃っていない。本実施形態では特に、図2に示す平面視において、外縁1062と外縁1072は、互いに並行して直線上の軌跡を辿り、その軌跡が交差しないように配置してある。
また、下部外装部材107の負電極タブ105側の端部1073の外縁1074を、上部外装部材106の負電極タブ105側の端部1063の外縁1064に対して、負電極タブ105の導出方向(図1及び図2のY2方向)に突出するように配置してある。換言すると、図3に示す断面視において、外縁1064と外縁1074は、一直線上ではなく、揃っていない。特に図示しないが、外縁1064と外縁1074についても、外縁1062と外縁1072と同様に、互いに並行して直線上の軌跡を辿り、その軌跡が交差しないように形成してある。
このように、本実施形態では、正電極タブ104側及び負電極タブ105側のいずれの側においても、上部外装部材106及び下部外装部材107の端部の外縁(1062と1072、1064と1074)が揃っておらず、しかも正電極タブ104及び負電極タブ105側の何れも、外縁1062と外縁1072、及び外縁1064と外縁1074は、互いに交差せず並行して直線上の軌跡を辿るように形成してある。
外縁1062と外縁1072のシフト(ずれ)量S1と、外縁1064と外縁1074のシフト量S2(何れも図3参照)は、後述の切断工程の際に正電極タブ104の薄肉部が重ならず、その結果、正電極タブ104の強度を確保できる範囲(例えば0.5mm以上)で適宜設定することができる。S1とS2は、同一のずれ量であっても良いし、あるいは異なっていてもよい。
なお、本実施形態では、正電極タブ104側において、正電極タブ104の導出方向に、外縁1062を外縁1072に(上を下に)対して突出させたが、その逆、すなわち外縁1072を外縁1062に(下を上に)対して突出させることもできる。また、負電極タブ105側において、負電極タブ105の導出方向に、外縁1074を外縁1064に(下を上に)対して突出させたが、その逆、すなわち外縁1064を外縁1074に(上を下に)対して突出させることもできる。また、外縁1062と外縁1072及び外縁1064と外縁1074は、少なくとも電極タブ上において互いに電極タブ突出方向にずれていれば良く、必ずしも図2に示す様に上部外装部材106及び下部外装部材107の端部の外縁全体を電極タブ突出方向にずらす必要は無い。
図2及び図3に示すように、上部外装部材106と正電極タブ104及び負電極タブ105の間、および下部外装部材107と正電極タブ104及び負電極タブ105の間のそれぞれには、既述したシール部材110,111が介装されている。このシール部材110,111は、図2に示す右側が上部外装部材106及び下部外装部材107の外縁1062,1072に沿った形状とされている。また、同図の平面視において、幅寸法は、電極タブの基部1041,1051よりもやや大きい幅寸法とされ、同図の左右方向の長さは、外装部材の端部1061,1071を超える長さとされている。既述したとおり、シール部材110,111は、上部外装部材106及び下部外装部材107の端部1061,1071の熱融着部に正電極タブ104及び負電極タブ105の導出により生じる隙間をシールするための部材であることから、上部外装部材106及び下部外装部材107と正電極タブ104及び負電極タブ105との接合部分よりやや大きめの形状としている。
《電池の製造方法》
次に、本実施形態に係る電池10の製造方法の一例を説明する。
(1)まず、電極タブを所定形状に切断する前の電池を形成する。本実施形態では、図4に示す電池10aを形成する場合を例示する。
図4の実線は電極タブ104(図1及び図2参照)の切断前の形状を示すが、これを本実施形態の切断工程により図4の二点鎖線で示す切断線CLに沿って切断し、図5の実線で示す切断後の電極タブ104(図1及び図2の電極タブ104と同義)とする。以下の説明では、切断前後の電極タブ104の形状を明確にするため、切断前の電極タブを特に符号104aで示し、切断後の電極タブを符号104で示すことにする。なお、2つの電極タブ104,105を代表して図1右側の正電極タブ104側のみを説明することもあるが、図1左側の負電極タブ105側も同一である(この場合、符号の図示はしないが、対応する負電極タブ側の部材の符号は明細書に記載することとする)。
本実施形態では、図4に示す電極タブ切断前の電池10aを次の工程を経て形成する。
図4に示すように、まず、切断前の電極タブ104a,105aを接続した発電要素108を作製する。次に、作製した発電要素108を、当該電極タブ104a,105aの先端を外部に導出させた状態で上部外装部材106及び下部外装部材107によって包み込む。このとき、電極タブ104aと上部外装部材106及び下部外装部材107とが接触する部分にシール部材110を介在させる一方で、電極タブ105aと上部外装部材106及び下部外装部材107とが接触する部分にシール部材111を介在させる。そして、上部外装部材106及び下部外装部材107により形成される空間に上述した液体電解質を注入しながら当該空間を吸引して真空状態とした後に、上部外装部材106及び下部外装部材107の外周端部を熱プレスにより熱融着して封止する。
こうして得られた電極タブ切断前の電池10aは、上部外装部材106の電極タブ104a側の端部1061の外縁1062が、下部外装部材107の電極タブ104a側の端部1071の外縁1072に対して、電極タブ104aの導出方向(図1〜図3のY1方向と同義)に突出して配置されている。
(2)次に、電極タブ104aの一部を切断し、上部外装部材106及び下部外装部材107から外部に導出する所定形状の電極タブ104を形成し、図5に示す電池10を得る。本実施形態では、電極タブ104aを切断する切断手段として、図6〜図8に示す切断装置20を用いる。
《切断装置》
図6、図16、図17に示すように、本実施形態で用いる切断装置20は、上部押え型201と、下部押え型202と、切断刃203と、上部押え型201及び切断刃203を上下駆動させる駆動部材204と、下部押え型202を固定する固定盤205とを備える。
上部押え型201及び下部押え型202は、ともに図6の平面視に示す形状としている。すなわち図16に示すように、上部押え型201の左側の外縁201aを、上部外装部材106の端部の外縁1062から食み出したシール部材の食み出し部分1101aに沿った形状とする一方で、上部押え型201及び下部押え型202の右側の外縁201bを、電極タブ104aの切断線CL(図4及び図6参照)に沿った形状としている。ただし、下部押え型202の左側の外縁202aは、下部外装部材107の端部の外縁1072から食み出したシール部材の、食み出し部分1101bからオフセットした形状としている。つまり、下部押え型202については、下部外装部材107側の後述するシール部材110の食み出し部分1101bを押え付けないようにオフセットしている。
また、上部押え型201及び下部押え型202は、ともに凹部2011,2021を有する。この凹部2011,2021を有することで、2つの押え型201,202で電極タブ104aを押えても(図9(c)の状態)、既に熱融着した外装部材の端部1061,1071を押え付けることがない。その結果、熱融着部分の接着強度に悪影響を与えることを回避できる。
切断刃203は、上部押え型201に設けられ、図示しない駆動部によって当該上部押え型201に対して上下に移動する。切断刃203の左側の外縁は、押え型201,202の右側の外縁201b,202bと同じように、電極タブ104aの切断線CLに沿った形状とされている。そして、2つの押え型201,202により電極タブ104aを挟んだ状態で、切断刃203を下降させることにより、切断線CLに沿って電極タブ104aを所定形状に切断する。
なお、本実施形態では、下部押え型202を固定盤205に固定するとともに、上部押え型201を上下移動可能に設けたが、上部押え型201を固定し、下部押え型202を上下移動可能に設けることもできるし、さらに上部押え型201と下部押え型202の両方を相対的に接近離反移動可能に設けることもできる。また、本実施形態では切断刃203を上部押え型201に設けたが、下部押え型202に設けることもできる。
《切断工程》
以上の構成の切断装置20を用いて、次に示す動作で、切断前電極タブの切断を行う。その前に切断前電極タブ104a廻りの様子を説明する。
図9(a)に示すように、電極タブ切断前の電池10aは、シール部材110,111が、熱融着工程により上部外装部材106及び下部外装部材107の外縁1062,1072から若干食み出し、この食み出し部分1101a,1101bは盛り上がった断面形状となっている。
まずは、この状態の電池10aを図16及び図17に示す様に切断装置20にセットする。しかしながら、電池の形状バラツキによるセット位置のズレが発生したり、食み出し部分1101aの食み出し量が多い等、上部押え型201と食み出し部分1101aとの相対位置にズレが発生すると、図7及び図8に示すように上部押え型201の左端が食み出し部分1101a上に位置してしまう。
この状態で、上部押え型201を下降させ、上部押え型201と下部押え型202との間に電池10aを挟んで押えると、図9(b)に示すように、上部押え型201で上部外装部材106側のシール部材110の食み出し部分1101aを押え付けることになる。
本実施形態では、図9(a)に示すように、上部外装部材106の正電極タブ104側の端部1061の外縁1062を、下部外装部材107の正電極タブ104側の端部1071の外縁1072に対して、正電極タブ104の導出方向(図1〜図3のY1方向)に突出させて配置した電池10aを用いるので、下部外装部材107側のシール部材110の食み出し部分1101bは押え付けられない。
ちなみに特に図示はしないが、負電極タブ105側においては、上述した正電極タブ104側とは逆に、下部外装部材107の端部1072の外縁1074を、上部外装部材106の端部1063の外縁1064に対して、負電極タブ105の導出方向(図1〜図3のY2方向)に突出させて配置している(図3参照)。すなわち、上部外装部材106及び下部外装部材107を互いに、正電極タブ104及び負電極タブ105の何れかの導出方向(図1〜図3のY1またはY2方向)にずらして配置している。
なお、上述したとおり、シール部材110はポリプロピレンなどの樹脂により構成され、電極タブ104aはアルミニウム、銅、ニッケルなどの比較的軟らかい金属により構成されているので、図9(c)に示すように、上部押え型201で食み出し部分1101aを押え付けると、当該食み出し部分1101aが電極タブ104aに食い込み、この部分の板厚が薄くなる。この板厚が薄くなった部分を薄肉部T1(図10(a)参照)という。
次に、図9(c)に示す状態から切断刃203を下降させることにより、切断刃203の左側の外縁と押え型201,202の右側の外縁との境界部分、すなわち切断線CLに沿って電極タブ104aが切断され、完成形状の電極タブ104となる。
電極タブ104aを切断したら、上部押え型201を上昇させ、電池10aを切断装置20から取り出し、反対側の電極タブ105aについて同じ切断操作を行う。
なお、本実施形態の切断工程では、電池10aの一方の電極タブ104aを切断処理したのち、他方の電極タブ105aの切断処理を行うこととしているが、図6〜図8に示す切断装置20をもう1機用意し、両方の電極タブ104a,105aを同時に切断処理することもできる。
また、本実施形態では、切断前の電池10aにおいて、上部外装部材106及び下部外装部材107を互いに正電極タブ104及び負電極タブ105の何れかの導出方向(図1〜図3のY1またはY2方向)にずらして配置しているが(図3参照)、正電極タブ104及び負電極タブ105のいずれの側においても、例えば図9(a)のごとき、上部外装部材106の端部外縁1062,1064を、下部外装部材107の端部外縁1072,1074に対して、Y1またはY2の方向に突出させて配置しても良い。また、何れか一方の電極タブ104,105のうち、何れか一方の電極タブ104又は105側だけ、上部外装部材106の端部外縁1062,1064を、下部外装部材107の端部外縁1072,1074に対して、相対的に、Y1またはY2の方向に突出させて配置しても良い。
以上のとおり、本実施形態の電池の製造方法によれば、図4に示す電極タブ104aを切断線CLに沿って切断するにあたり、上部押え型201によって上部外装部材106側のみのシール部材110の食み出し部分1101aを押え付けた場合であっても、切断後の電極タブ104が薄肉になる範囲は、図10(a)及び図10(b)に示すとおりになる。上部外装部材106の端部外縁1062と、下部外装部材107の端部外縁1072の配置を含めてここに図示する。
本実施形態では、上部外装部材106の正電極タブ104側の端部1061の外縁1062を、下部外装部材107の正電極タブ104側の端部1071の外縁1072に対して、正電極タブ104の導出方向(図1〜図3のY1方向)に突出させて配置した電池10aを用いている為、電池の形状バラツキによるセット位置のズレが発生したり、食み出し部分1101aの食み出し量が多い等、上部押え型201と食み出し部分1101aとの相対位置にズレが発生して、上部押え型201で上部外装部材106側のシール部材110の食み出し部分1101aを押え付けてしまった場合、図10(a)に示すように、電極タブ104の表面側には、外装部材106の外縁1062の近傍部分に食み出し部分1101aに相当する薄肉部T1が生じる。しかしながら、電極タブ104の裏面側には、下部外装部材107側のシール部材110の食み出し部分1101bを下部押え型202で押え付けないことから、図10(b)に示すように、ここには食み出し部分1101bに相当する薄肉部T2は形成されない(図10(b)にT2は存在しない)。
このように、電極タブ104に生じる薄肉部は、図10(a)に示す表面側にのみ生じ、図10(b)に示す裏面側には生じないので、電極タブ104の電極タブ導出方向における(即ち図9中左右方向における)引っ張り強度や屈曲強度の低下が抑制される。すなわち、既存の切断装置20を用いても、上部外装部材106の正電極タブ104側の端部1061の外縁1062を、下部外装部材107の正電極タブ104側の端部1071の外縁1072に対して、正電極タブ104の導出方向(図1〜図3のY1方向)に突出させて配置した電池10aを用いることにより、電極タブ104に生じる薄肉部の範囲を少なくすることができるので、電極タブ104の引っ張り強度や屈曲強度の低下が抑制される。
なお、上述した実施形態においては、電池の形状バラツキによるセット位置のズレが発生したり、食み出し部分1101aの食み出し量が多い等、上部押え型201と食み出し部分1101aとの相対位置にズレが発生して、上部押え型201で上部外装部材106側のシール部材110の食み出し部分1101aを押え付けてしまった場合を示したが、例えば図11(a)及び図11(b)に示すように、セット位置のズレ量が極端に大きい場合には、下部押え型202は、下部外装部材107側のシール部材110の食み出し部分1101bを押え付ける。上部押え型201は、上部外装部材106の端部1061の一部を上方から押圧するとともに、上部外装部材106側のシール部材110の食み出し部分1101aを押し付ける。この状態で電極タブ104aが切断されることとなる。この場合、切断後の電極タブ104が薄肉になる範囲は、図12(a)及び図12(b)に示すとおりになる。上部外装部材106の端部外縁1062と、下部外装部材107の端部外縁1072の配置を含めてここに図示する。
図12(a)に示すように、電極タブ104の表面側では、上部外装部材106の外縁1062の近傍部分に食み出し部分1101aに相当する薄肉部T1を生じる。これに対し、図12(b)に示すように、電極タブ104の裏面側では、下部外装部材107の外縁1072の近傍部分に食み出し部分1101bに相当する薄肉部T2を生じるが、このT2は、電極タブ104の厚み方向において、T1とは交差しない。
このように、電極タブ104に生じる薄肉部T1,T2は、電極タブ104の表裏に生じるが、電極タブ104の厚み方向に対して互いに重ならないので、電極タブ104の引っ張り強度や屈曲強度が極端に低下することはない。
《第2実施形態》
上述した実施形態に係る電池10では、図2、図3、図10(a)、図10(b)、図12(a)及び図12(b)に示すように、特に図2に示す平面視において、外縁1062と外縁1072は、互いに並行して直線上の軌跡を辿り、その軌跡が交差しないように配置したが、例えば図13に示すように、外縁1062と外縁1072とがそれぞれ交互に、曲線上に蛇行して交差する軌跡を辿るように上部外装部材106及び下部外装部材107の端部1061,1071を配置することもできる。
そして、図9(b)及び図9(c)に示す下部押え型202を用いた場合は別として、例えば図11(a)及び図11(b)に示す下部押え型202A(下部外装部材107の端部の外縁1072に沿った形状の下部押え型202A)を用いた場合、図13に示すように、上部外装部材106の端部1061の外縁1062から略等間隔外側の近傍部分に当該外縁1062の軌跡形状に沿って食み出し部分1101aに相当する薄肉部T1を生じる。これとともに、下部外装部材107の端部1071の外縁1072から略等間隔外側の近傍部分に当該外縁1072の軌跡形状に沿って食み出し部分1101bに相当する薄肉部T2を生じる。この場合のT1とT2の軌跡は、その一部が電極タブ104の厚み方向において交差する箇所を生ずるが、当該交差する箇所の範囲は非常に少ないものである。従って、このT1とT2が交差する領域が多かった(重なっていた)従来構造の電池(例えば図15(a)及び図15(b)参照)と比較して、電極タブ104の引っ張り強度や屈曲強度の低下を抑制する事ができる。
《第3実施形態》
例えば図14に示すように、本実施形態の電池10を、外縁1062と外縁1072とがそれぞれ交互に、台形状に蛇行して交差する軌跡を辿るように上部外装部材106及び下部外装部材107の端部1061,1071を配置することによっても、第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
次に、本発明の実施の形態をより具体化した実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
《実施例1》
スピネル型リチウムマンガン酸化物に、導電剤としての黒鉛と結合剤としてのポリフッ化ビニリデンを混合した粉末(電極合剤)を、N−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリーを作製し、正極集電体としての厚さ20μmのアルミ箔の両面に、前記スラリーを均一に塗布し(ただし、後述する電極タブを溶接するためにスラリーを塗布しない部分を設け)、これを乾燥し、ロールプレスにより所定密度となるように圧縮した。得られた正極板を所定サイズにカットした。
難黒鉛化炭素に、導電剤としての黒鉛と結合剤としてのポリフッ化ビニリデンを混合した粉末(電極合剤)を、N−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリーを作製し、負極集電体としての厚さ10μmの銅箔の両面に、前記スラリーを均一に塗布し(ただし、後述する電極タブを溶接するためにスラリーを塗布しない部分を設け)、これを乾燥し、ロールプレスにより所定密度となるように圧縮した。得られた負極板を所定サイズにカットした。
上記正極板、負極板、及び厚さ25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを、負極板がそれぞれ最外部となるように、正極板と負極板との間にセパレータを挟みながら交互に積層し、電極積層体を作製した。
得られた電極積層体の正極板群に、厚さ200μmのアルミニウム製正極タブを超音波溶接により接合し、負極板群に、厚さ200μmのニッケル製負極タブを同じく超音波溶接より接合した。
2枚一対の外装部材は、電極積層体を収容するための凹部を形成したカップ形状とし、2枚の電極タブは2つの短辺から導出させる形状とした。それぞれの外装部材は、電池外側から順に、厚さ15μmのナイロン層、厚さ40μmのアルミニウム合金層、厚さ45μmのポリプロピレン層という三層構造のものを採用した。
上記電極積層体に電極タブを溶接したものを、上記2枚一対の外装部材内に収容し、電極タブの導出部の当該電極タブと外装部材との間に、厚さ50μmのポリプロピレンフィルムからなるシール部材を介装したうえで、外装部材の短辺の二辺と長辺の一辺の計三辺をヒートシールにより熱融着した。
上記ヒートシールしなかった長辺の部分から所定量の電解液を注入し、外装部材の内部を減圧した状態で当該長辺をヒートシールにより熱融着した。電解液には、プロピレンカーボネイト、エチレンカーボネイト、ジエチルカーボネイトの混合溶媒に、支持電解質としてLiPFを1モル/リットル溶解したものを使用した。
なお、本実施例では、長さ方向(図1〜図3のY1,Y2方向と同義。以下同じ。)の長さが同一である2枚の外装部材を用意し、それぞれの外装部材を、長さ方向に0.5mmずらして配置した(図3、図9(a)参照)。
こうして得られた電極タブ切断前の電池を4つ用意し、図6、図16、図17に示す切断装置20にセットし、図9(b)及び図9(c)に示す要領で電極タブを切断線CLに沿って切断した。
電極タブを切断した電池の1つについて、外装部材を剥がし、電極タブの薄肉部を観察したところ、表面側にのみ、図10(a)に示す範囲に薄肉部T1を生じていることが確認された。また、分解した電極タブの先端部と基端部との間の電気抵抗を測定した。
電極タブを切断した残りの電池のうちの1つについて、引っ張り試験機を用いて電極タブの電極タブ導出方向における(即ち図10中左右方向における)引張り強度を測定した。この引張り試験は一対の電極タブを把持した状態で試験機にセットし、電極タブ破断が強度したときの強度を測定した。
電極タブを切断した残りの電池の2つについては、振動試験を行ったのち、その1つを上記と同じ引張り試験により電極タブの引張り強度を測定した。振動試験は、電池の三次元方向(X,Y,Z)それぞれについて、振動数が33Hz,振動加速度が30m/sの振動を各方向につき12時間加えた。振動試験を行った残りの電池については、外装部材を剥がし、分解した電極タブの先端部と基端部との間の電気抵抗を測定した。
以上の結果を表1に示す。なお、表1には、後述する比較例1の電極タブを切断しなかった電池の引張り強度及び電気抵抗をそれぞれ100としたとき、これに対する相対的引張り強度及び相対的電気抵抗の値を示す。
《実施例2》
上記実施例1の電池に対し、長さ方向の長さが1mm異なる2枚の外装部材を用意し、長さの短い外装部材(図9(a)における下部外装部材107に相当)が、長さ方向に0.5mm内側に位置するように配置して熱融着した以外は、同じ条件で電池を3つ作製し、そのうちの2つを実施例1と同様に、図9(b)及び図9(c)に示す要領で電極タブを切断線CLに沿って切断した。
電極タブを切断した電池のうちの1つについて、実施例1と同じ引っ張り試験機を用いて電極タブの電極タブ導出方向における(即ち図10中左右方向における)引張り強度を測定した。
また、電極タブを切断した残りの電池について、外装部材を剥がし、電極タブの薄肉部を観察したところ、表面側にのみ、図10(a)に示す範囲に薄肉部T1を生じていることが確認された。また、分解した電極タブの先端部と基端部との間の電気抵抗を測定した。
なお、電極タブを切断しなかった電池の1つについて、実施例1と同じ引っ張り試験機を用いて電極タブの引張り強度を測定した。また、電極タブを切断しなかった残りの電池について、外装部材を剥がし、電極タブの薄肉部を観察したが、薄肉部は観察されなかった。また、分解した電極タブの先端部と基端部との間の電気抵抗を測定した。
以上の結果を表1に示す。なお、表1には、後述する比較例1の電極タブを切断しなかった電池の引張り強度及び電気抵抗をそれぞれ100としたとき、これに対する相対的引張り強度及び相対的電気抵抗の値を示す。
《比較例1》
上記実施例1の電池に対し、長さ方向の長さが同一である2枚の外装部材を用意したが、それぞれの外装部材を長さ方向にずらさないで配置した以外は、同じ条件で電池を3つ作製し、そのうちの2つを実施例1と同様に、図9(b)及び図9(c)に示す要領で(上部押え型201と下部押え型202とで、シール部材の食み出し部1101a及び1101bの位置を挟んで)電極タブを切断線CLに沿って切断した。
電極タブを切断した電池のうちの1つについて、実施例1と同じ引っ張り試験機を用いて電極タブの電極タブ導出方向における(即ち図15中左右方向における)引張り強度を測定した。
また、電極タブを切断した残りの電池について、外装部材を剥がし、電極タブの薄肉部を観察したところ、電極タブの厚み方向に対して互いに重なる位置に、図15(a)及び図15(b)に示す範囲で薄肉部T1,T2を生じていることが確認された。また、分解した電極タブの先端部と基端部との間の電気抵抗を測定した。
なお、電極タブを切断しなかった電池の1つについて、実施例1と同じ引っ張り試験機を用いて電極タブの引張り強度を測定した。また、電極タブを切断しなかった残りの電池について、外装部材を剥がし、電極タブの薄肉部を観察したが、薄肉部は観察されなかった。また、分解した電極タブの先端部と基端部との間の電気抵抗を測定した。
以上の結果を表1に示す。なお、表1には、この比較例1の電極タブを切断しなかった電池の引張り強度及び電気抵抗をそれぞれ100としたとき、これに対する相対的引張り強度及び相対的電気抵抗の値を示す。
Figure 2009110816
以上の実施例及び比較例より、実施例1及び実施例2の電池では、電極タブを切断した後の、しかも振動試験後においても、引張り強度及び電気抵抗ともに良好な結果が得られた。これに対し、比較例1の電池では、振動試験に供するまでもなく、引張り強度の低下及び電気抵抗の上昇がともに確認された。
図1は本実施形態に係る電池の全体構成の概要を示す平面図である。 図2は図1に示す電池の一方の端部を拡大して示す平面図である。 図3は図1のIII−III線に沿う断面図である。 図4は本実施形態に係る電池の製造方法を説明する一図であって切断前の状態を示す電池10の要部平面図である 図5は本実施形態に係る電池の製造方法を説明する一図であって切断後の状態を示す電池10の要部平面図である。 図6は本実施形態で用いる切断装置と電池を示す平面図である。 図7は電池10のセット位置にズレが発生した場合における、図6のVII−VII線に沿う断面図である。 図8は電池10のセット位置にズレが発生した場合における、図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。 図9(a)は本実施形態の切断工程において切断装置20にセットする電池10aの切断前電極タブ104a廻りの様子を示す断面図、図9(b)及び図9(c)は本実施形態の切断工程を説明するための断面図である。 図10(a)は切断工程後の電極タブ104の上部外装部材106側に生じる薄肉部T1の範囲と上部外装部材106及び下部外装部材107の端部外縁1062,1072の配置とを示す平面図、図10(b)は切断工程後の電極タブ104の下部外装部材107側に生じる薄肉部T2の範囲と上部外装部材106及び下部外装部材107の端部外縁1062,1072の配置とを示す平面図である。 図11(a)及び図11(b)は他の形態の下部押え型202Aを用いた場合の切断工程を説明するための断面図である。 図12(a)は他の形態の下部押え型202Aを用いた切断工程後の電極タブ104の上部外装部材106側に生じる薄肉部T1の範囲と上部外装部材106及び下部外装部材107の端部外縁1062,1072の配置とを示す平面図、図12(b)は他の形態の下部押え型202Aを用いた切断工程後の電極タブ104の下部外装部材107側に生じる薄肉部T2の範囲と上部外装部材106及び下部外装部材107の端部外縁1062,1072の配置とを示す平面図である。 図13は本発明に係る電池の他の実施形態を示し、切断工程後の電極タブ104の上部外装部材106側に生じる薄肉部T1の範囲と上部外装部材106及び下部外装部材107の端部外縁1062,1072の配置とを示す平面図である。 図14は本発明に係る電池の他の実施形態を示し、切断工程後の電極タブ104の上部外装部材106側に生じる薄肉部T1の範囲と上部外装部材106及び下部外装部材107の端部外縁1062,1072の配置とを示す平面図である。 図15(a)は本発明の比較例の条件及び結果を説明するための図、図15(b)は図15(a)のXVb−XVb線に沿う断面図である。 図16は電池10が規定の位置にセットされた場合における、図6のVII−VII線に沿う断面図である。 図17電池10が規定の位置にセットされた場合における、図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。
符号の説明
10…電池
101…正極板
102…セパレータ
103…負極板
104…正電極タブ
105…負電極タブ
106…上部外装部材
1061…端部
1062…端部の外縁
107…下部外装部材
1071…端部
1072…端部の外縁
108…発電要素
110,111…シール部材
1101a,1101b…食み出し部分
CL…切断線

Claims (5)

  1. 電極板を有する発電要素と、当該発電要素を内部に収容する外装体と、前記電極板に接続され前記外装体内部から外部に導出された複数の板状の電極タブと、前記電極タブと当該電極タブが導出する前記外装体の端部との間に介装されたシール部材と、を備え、前記外装体が、シート状の第1外装部材及び第2外装部材を含む電池の製造方法であって、
    前記電極タブが接続された前記発電要素を前記外装体内部に収容するとともに、前記外装体の前記端部と前記電極タブとの間に前記シール部材を介装し、少なくとも前記端部の範囲において前記端部、前記シール部材及び前記電極タブを接着し、少なくとも何れかの電極タブ上において、前記第1外装部材の端部外縁及び前記第2外装部材の端部外縁の何れか一方が、何れか他方に対して、前記電極タブの導出方向に突出して配置された電極タブ切断前電池を作製する切断前電池作製工程と、
    作製した電極タブ切断前電池における少なくとも前記第1外装部材の端部外縁及び前記第2外装部材の端部外縁から外側にある前記電極タブの両主面を把持した状態で、前記電極タブを所定形状に切断する切断工程と、を有する電池の製造方法。
  2. 前記切断前電池作製工程において、すべての電極タブ上において、前記第1外装部材の端部外縁及び前記第2外装部材の端部外縁の何れか一方を、何れか他方に対して、前記電極タブの導出方向に突出させることを特徴とする請求項1記載の電池の製造方法。
  3. 前記切断前電池作製工程において、少なくとも何れかの電極タブ上において、前記第1外装部材の端部外縁及び前記第2外装部材の端部外縁の何れか一方を、何れか他方に対して、互いに並行な直線上の軌跡を辿るように配置することを特徴とする請求項1又は2記載の電池の製造方法。
  4. 前記切断前電池作製工程において、少なくとも何れかの電極タブ上において、前記第1外装部材の端部外縁及び前記第2外装部材の端部外縁の何れか一方を、何れか他方に対して、互いに蛇行した軌跡を辿るように配置することを特徴とする請求項1又は2記載の電池の製造方法。
  5. 電極板を有する発電要素と、当該発電要素を内部に収容する外装体と、前記電極板に接続され前記外装体内部から外部に導出された複数の板状の電極タブと、前記電極タブと当該電極タブが導出する前記外装体の端部との間に介装されたシール部材と、を備えた電池であって、
    前記外装体は、シート状の第1外装部材及び第2外装部材を含み、
    少なくとも何れかの電極タブ上において、前記第1外装部材の端部外縁及び前記第2外装部材の端部外縁の何れか一方を、何れか他方に対して、前記電極タブの導出方向に突出させるように配置してある電池。
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