JP2009109891A - 画像表示装置の駆動方法、および画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置の駆動方法、および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画質を向上させることが可能な画像表示装置およびその駆動方法を提供する。
【解決手段】発光素子をそれぞれ有する複数の画素回路に対して共通に接続され、且つ発光領域の一端側から他端側に向けて電流を供給する電源線を備えた画像表示装置において、発光領域のうちの他端側から一端側に向かって途中までの第1発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データから導出された第1補正値と、電源線の配線抵抗と、上記第1発光領域の一端側に配置される第2発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データとに基づいて第2補正値を導出し、画像データと第2補正値とに基づく電位を画像信号線に対して付与して、第2発光領域に配置された複数の画素回路、または第2発光領域よりも一端側に配置された複数の画素回路の電位を設定した上で、電源線から各発光素子に対して電流を供給することで各発光素子を発光させる。
【選択図】図12

Description

本発明は、画像表示装置、およびその駆動方法に関する。
アモルファスSiや多結晶Si等で形成したTFT(薄膜トランジスタ)とOLED(有機発光ダイオード)等の電流制御型の発光素子とを各画素に持つアクティブマトリクス型の画像表示装置が広く知られている。そして、この画像表示装置では、表示すべき画像データに応じて異なる電流値を各画素に設定することにより、画素毎に輝度を変えることが可能である。
そして、発光素子を発光させる際におけるTFTのドレイン・ソース間に流れる電流Idsは、ソースの電位を基準としたソースとゲートとの間の電位差、すなわちゲート電圧Vgsと、TFT固有の閾値電圧Vthとの差の2乗に比例する。また、OLEDの輝度は、OLEDを流れる電流すなわち電流Idsの電流密度にほぼ比例する。
なお、従来の画像表示装置は、例えば特許文献1などに開示されている。
特開2006−309258号公報
上記の画像表示装置においては、発光素子をそれぞれ有する複数の画素回路が行列状に配置されるとともに電源線が全画素回路に対して共通に接続されており、電源線は配線抵抗を有する。このため、配線抵抗と流れる電流とに基づいて、電源線が各画素回路に付与する電位に変化が生じ得る。従って、例えば負の電源電位を供給するICへ一の電源線を介して複数の画素回路が共通に接続する構成においては、ICから遠い画素回路ほど、供給される電源電位が高くなる(負の電位の絶対値が小さくなる)。
そして、供給される電源電位が高くなると、画素回路においてTFTすなわちNMOSトランジスタへ与えられるソース電位が高くなるため、ゲート電圧Vgsが低くなり、ドレイン・ソース間に流れる電流Idsが小さくなる。すなわち、複数の画素回路において、供給される電源電位が画素回路毎に変化すると、電流Idsの電流密度に比例するOLEDの輝度も変化するため、表示される画像において輝度ムラの不具合が発生し画質が低下する場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画質を向上させることが可能な画像表示装置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、発光素子をそれぞれ有する複数の画素回路と、前記複数の画素回路に対して共通に接続され、且つ前記複数の画素回路が配列された発光領域の一端側から他端側に向けて電流を供給する電源線と、前記複数の画素回路に対して画像データに対応する電位を付与する画像信号線と、を備えた画像表示装置を駆動する画像表示装置の駆動方法であって、前記発光領域のうちの前記他端側から前記一端側に向かって途中までの第1発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データから導出された第1補正値と、前記電源線の配線抵抗と、前記第1発光領域の前記一端側に配置される第2発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データとに基づいて、第2補正値を導出する導出ステップと、前記画像データと前記第2補正値とに基づく電位を、前記画像信号線に対して付与することで、前記第2発光領域に配置された複数の画素回路、または前記第2発光領域よりも前記一端側に配置された複数の画素回路の電位を設定する設定ステップと、前記電源線から各前記発光素子に対して電流を供給することで、各前記発光素子を発光させる発光ステップとを備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記発光領域のうちの前記他端側から前記一端側に向かって途中までの第N(Nは自然数)発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データから導出された第N補正値と、前記電源線の配線抵抗と、前記第N発光領域の前記一端側に配置される第(N+1)発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データとに基づいて、第(N+1)補正値を導出するステップと、前記画像データと前記第(N+1)補正値とに基づく電位を、前記画像信号線に対して付与することで、前記第(N+1)発光領域に配置された複数の画素回路、または前記第(N+1)発光領域よりも前記一端側に配置された複数の画素回路の電位を設定するステップとを備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第2補正値に基づいて前記画像データが示す階調を調整する調整ステップを更に備え、前記設定ステップにおいて、前記調整ステップにおいて調整された階調に対応する電位を、前記画像信号線に対して付与することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記設定ステップにおいて、前記第2補正値に基づいて前記画像信号線の電源電圧を調整しつつ、前記画像データに対応する電位を、前記画像信号線に対して付与することを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記第1および第2発光領域が、相互に隣接し、且つ複数の画素回路からなる1ラインの画素回路が配列されてそれぞれ構成されることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記導出ステップにおいて、前記第1補正値と、前記電源線の配線抵抗と、前記第2発光領域に含まれる一部の画素回路に係る階調データとに基づいて前記第2補正値を導出することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像表示装置の駆動方法であって、各前記画素回路が、第1、第2、第3の電極を有し、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流を、前記第3電極に印加される電位によって調整する駆動トランジスタを備え、前記第2電極が、前記発光素子に対して電気的に接続されており、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流が調整されることで、前記発光素子に流れる電流が制御され、前記発光ステップにおいて、前記発光領域の全域に渡って配列された複数の画素回路に係る階調データから導出される補正値に応じて、前記第3電極に印加される電位を調整することを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項7に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記発光ステップにおいて、前記画像信号線に付与する電位を、前記発光領域の全域に渡って配列された複数の画素回路に係る階調データから導出される補正値に応じて上昇させることで、前記第3電極に印加される電位を増大させることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項7に記載の画像表示装置の駆動方法であって、前記電源線が、前記第1電極に対して電気的に接続され、前記発光ステップにおいて、前記電源線に付与する電位を、前記発光領域の全域に渡って配列された複数の画素回路に係る階調データから導出される補正値に応じて上昇させることで、前記第3電極に印加される電位を増大させることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、画像表示装置であって、発光素子をそれぞれ有する複数の画素回路と、前記複数の画素回路に対して共通に接続され、且つ前記複数の画素回路が配列された発光領域の一端側から他端側に向けて電流を供給する電源線と、前記複数の画素回路に対して画像データに対応する電位を付与する画像信号線と、前記発光領域のうちの前記他端側から前記一端側に向かって途中までの第1発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データから導出された第1補正値と、前記電源線の配線抵抗と、前記第1発光領域の前記一端側に配置される第2発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データとに基づいて、第2補正値を導出する演算部と、前記画像データと前記第2補正値とに基づく電位を、前記画像信号線に対して付与することで、前記第2発光領域に配置された複数の画素回路、または前記第2発光領域よりも前記一端側に配置された複数の画素回路の電位を設定する電位付与部と、前記電源線から各前記発光素子に対して電流を供給することで、各前記発光素子を発光させる制御部とを備えることを特徴とする。
請求項1から請求項10のいずれに記載の発明によっても、輝度ムラの不具合が抑制され、画質を向上させることができる。また、前回導出した補正値を用いて、次の補正値が求められるため、各領域に対する補正値が比較的短時間で求まり、画像データを得てから発光までの処理時間を短縮することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、1ラインの画素ごとに、補正値を導出し、画像信号線に補正された電位を付与して、画素回路の電位の設定を行うため、電源線の配線抵抗に起因した輝度ムラの不具合をより細かく抑制することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、演算に用いる階調データの数が低減されるため、補正値の導出の高速化を図ることができる。
また、請求項7から請求項9のいずれに記載の発明によっても、画素回路の電位の設定時における画像信号線の電位の補正によって発光輝度が低下する不具合を回避することができる。
<用語説明>
本明細書で言う各色の「階調」は、各色の明るさの度合いを示すパラメータとして用いられるものであり、例えば、所定ビット(例えば8ビット)の階調表現では、各色の階調が、最小値(例えば0階調)となる場合が最も暗く再現されることを意味し、最大値(例えば255階調)となる場合が最も明るく再現されることを意味している。
以下、本発明に係る基礎技術ならびに本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<基礎技術>
図1は、画像表示装置に含まれる画素回路7の構成を示す回路図である。この画素回路7は、画像表示装置において複数の画素回路が行列状に配置されるものである。
図1で示すように、画素回路7は、有機EL素子(OLED)1、駆動トランジスタ2、閾値(Vth)補償用トランジスタ3、およびコンデンサ4を備えている。
有機EL素子1は、発光層を流れる電流の量によって発光輝度が変化する発光素子である。この有機EL素子1は、アノード電極1aとカソード電極1bとを有し、アノード電極1aは、有機EL素子1の発光時に高電位側となる電源線(ここでは、VDD線Lvd)に対して電気的に接続される。一方、カソード電極1bは、有機EL素子1の発光時に低電位側となる電源線(ここでは、VSS線Lvs)に対して駆動トランジスタ2を介して電気的に接続される。つまり、VDD線LvdおよびVSS線Lvsが、有機EL素子1の両極間に、有機EL素子1の発光に要する電位差を付与する。なお、VDD線LvdおよびVSS線Lvsを適宜「電源線」と総称する。
駆動トランジスタ2は、有機EL素子1に対して電気的に直列に接続され、有機EL素子1に流れる電流を調整することで有機EL素子1の発光輝度を制御するトランジスタである。ここでは、駆動トランジスタ2は、キャリアが電子であるタイプ(n型)のMIS(Metal Insulator Semiconductor)構造を採用した電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)の一種である薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)、すなわちn−MISFETTFTによって構成される。
この駆動トランジスタ2は、第1〜3電極2ds,2sd,2gを有している。第1電極2dsは、有機EL素子1のカソード電極1bに対して電気的に接続され、有機EL素子1が発光する際、すなわち有機EL素子1に対して順方向の電流が流れる際にドレイン電極(以下「ドレイン」と略称)として機能する。なお、第1電極2dsは、有機EL素子1に対して逆方向に電流が流れる際には、逆にソース電極(以下「ソース」と略称)として機能する。第2電極2sdは、VSS線Lvsに対して電気的に接続され、有機EL素子1に対して順方向の電流が流れる際にソースとして機能する。なお、第2電極2sdは、有機EL素子1に対して逆方向に電流が流れる際には、逆にドレインとして機能する。第3電極2gは、いわゆるゲート電極(以下「ゲート」と略称)であり、コンデンサ4の一方の電極(後述する第7電極4a)に対して電気的に接続される。
また、駆動トランジスタ2では、第3電極2gに印加される電位、詳細には第1電極2dsまたは第2電極2sdと第3電極2gとの間(すなわちゲートとソースとの間)に印加される電圧が調整されることで、第1電極2dsと第2電極2sdとの間(以下「第1−2電極間」とも称する)において流れる電流の量が調整される。そして、この第3電極2gに印加される電位により、駆動トランジスタ2は、第1−2電極間において電流が流れ得る状態(導通状態)と、電流が流れ得ない状態(非導通状態)とに選択的に設定される。
Vth補償用トランジスタ3は、駆動トランジスタ2が通電状態となる場合の、駆動トランジスタ2の第2電極2sdに対する第3電極2gの電位の下限値(所定の閾値電圧Vth)を検出するとともに、駆動トランジスタ2のゲート電圧を、閾値電圧Vth(以下「閾値Vth」と略称)に調整するトランジスタである。なお、ここでは、Vth補償用トランジスタ3も、駆動トランジスタ2と同様にn−MISFETTFTによって構成される。
このVth補償用トランジスタ3は、第4〜6電極3ds,3sd,3gを有している。第4電極3dsは、駆動トランジスタ2の第1電極2dsと有機EL素子1のカソード電極1bとを電気的に接続する配線に対して導電可能に接続される。第5電極3sdは、接続点T1において駆動トランジスタ2の第3電極(ゲート)2gとコンデンサ4の第7電極4aとを電気的に接続する配線に対して導電可能に接続される。第6電極3gは、いわゆるゲート電極であり、走査信号線Lssに対して電気的に接続される。
また、Vth補償用トランジスタ3では、第6電極3gに印加される電位、より具体的には第4電極3dsまたは第5電極3sdと第6電極3gとの間(すなわちゲートとソースとの間)に印加される電圧が調整されることで、第4電極3dsと第5電極3sdとの間(以下「第4−5電極間」とも称する)において流れる電流の量が調整される。そして、この第6電極3gに印加される電位により、Vth補償用トランジスタ3は、第4−5電極間(ドレインとソースとの間)において電流が流れ得る状態(導通状態)と、電流が流れ得ない状態(非導通状態)とに選択的に設定される。
ここで、有機EL素子1は、電流値によって発光輝度が制御されるため、発光時における駆動トランジスタ2のゲート電圧のゆらぎに対して、発光輝度が敏感に変動する。特に、駆動トランジスタ2がアモルファスシリコンを用いて構成された場合には、駆動トランジスタ2ごとに閾値Vthが異なる傾向にある。よって、画素毎に異なる閾値Vthを補償する機能(Vth補償機能)を持たせないと、所望の発光輝度と実際の発光輝度との間に若干の乖離が生じ、結果として画素間で発光輝度のムラが生じてしまう。
そこで、Vth補償用トランジスタ3は、発光前において各画素ごとに駆動トランジスタ2のゲート電圧を閾値Vthに合わせることで、駆動トランジスタ2における閾値Vthのばらつきを補償するVth補償機能を実現するために設けられている。
コンデンサ4は、駆動トランジスタ2の第3電極2gに対して電気的に接続される第7電極4aと、画像信号線Lisに対して電気的に接続される第8電極4bとを備えて構成されている。なお、ここでは、コンデンサ4の保持容量を所定値Csとする。
ところで、有機EL素子1は、発光時と逆の電圧が印加されるとコンデンサとして機能する。この容量(EL素子容量)を所定値Coとする。また、駆動トランジスタ2は、第2電極2sdと第3電極2gとの間(以下「第2−3電極間」とも称する)の寄生容量CgsTdと、第1電極2dsと第3電極2gとの間(以下「第1−3電極間」とも称する)の寄生容量CgdTdとを有する。更に、Vth補償用トランジスタ3は、第5電極3sdと第6電極3gとの間(以下「第5−6電極間」とも称する)の寄生容量CgsTthと、第4電極3dsと第6電極3gとの間(以下「第4−6電極間」とも称する)の寄生容量CgdTthとを有する。なお、寄生容量CgsTd,CgdTd,CgsTth,CgdTthは、それぞれ駆動トランジスタ2、およびVth補償用トランジスタ3の構成によって決定される。
図2は、図1で示した画素回路7の回路構成(図中太線で記載)に対して、寄生容量CgsTth,CgdTth,CgsTd,CgdTdとEL素子容量Coとに係る回路構成(図中細線で記載)を加えた模式図である。
図2で示すように、画素回路7では、有機EL素子1の両電極間にはEL素子容量Coを有するコンデンサ(素子コンデンサ)1cが存在し、駆動トランジスタ2の第2−3電極間には寄生容量CgsTdを有するコンデンサ2gsが存在し、駆動トランジスタ2の第1−3電極間には寄生容量CgdTdを有するコンデンサ2gdが存在し、Vth補償用トランジスタ3の第5−6電極間には寄生容量CgsTthを有するコンデンサ3gsが存在し、Vth補償用トランジスタ3の第4−6電極間には寄生容量CgdTthを有するコンデンサ3gdが存在している状態と等価な状態が発生する。
なお、ここでは、1つの画素回路7に着目して説明したが、有機ELディスプレイ全体では、画素回路7が多数存在する。このため、走査信号線Lssも多数存在する。以下、多数の走査信号線Lssを、適宜「第N走査信号線(Nは自然数)Lss」と称する。
図3は、有機EL素子1を発光させる際の信号波形(駆動波形)を示すタイミングチャートである。図3では、横軸が時刻を示し、上から順に、(a)VDD線Lvdに印加される電位(電位Vdd)、(b)VSS線Lvsに印加される電位(電位Vss)、(c)第1走査信号線Lssに印加される信号の電位(電位Vls1)、(d)第2走査信号線Lssに印加される信号の電位(電位Vls2)、(e)画像信号線Lisに印加される信号の電位(電位Vlis)、の波形が示されている。
また、図3では、有機EL素子1を1回発光させるための駆動波形が示されており、1回の発光に係る期間は、時間順次に、Cs初期化期間P1(時刻t11〜t12)、準備期間P2(時刻t12〜t13)、Vth補償期間P3(時刻t13〜t14)、書込期間P4(時刻t14〜t15)、素子初期化期間P5(時刻t15〜t16)、および発光期間P6(時刻t16〜)を備えて構成される。なお、書込期間P4における電位Vlisは、各有機EL素子1の発光輝度によって決まる任意の値であるため、図3では、当該電位が存在し得る範囲に斜線ハッチングが便宜的に付されている。
図4から図8は、表示部200aを駆動させる際に、画素回路7に着目して、各期間において発生する画素回路7の電流の流れを例示する図である。図4から図8では、画素回路7のうち、電流の流れに寄与する回路は太線で示され、電流の流れにほとんど寄与しない回路は細線で示されている。
以下、図3から図8を適宜参照しつつ、表示部の駆動について説明する。
図4では、Cs初期化期間P1(以下適宜「期間P1」と略する)における画素回路7の電流の流れが例示されている。
期間P1では、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにそれぞれ所定の正の高電位VDD(例えば15V)が印加され、全走査信号線Lssに所定の正の高電位VgH(例えば18V)が印加され、画像信号線Lisに所定の基準電位(ここでは0V)が印加される。このとき、走査信号線Lssにおける高電位VgHの印加により、第6電極(ゲート)3gに高電位VgHに応じた正電位が印加され、Vth補償用トランジスタ3は導通状態となる。一方、VDD線LvdとVSS線Lvsとが略同電位であるため、駆動トランジスタ2が実質的にオフとなり、駆動トランジスタ2は非導通状態となる。したがって、期間P1では、図4において白抜きの矢印で示すように、VDD線LvdからVth補償用トランジスタ3の第4,5電極3ds,3sdを介してコンデンサ4に向けて電流が流れ、コンデンサ4に所定量の電荷(例えば、15Vに応じた電荷量)が蓄積される。
図5では、準備期間P2(以下適宜「期間P2」と略する)における画素回路7の電流の流れが例示されている。
期間P2では、VDD線Lvdに負の所定電位−Vp(例えば−7V)が印加され、VSS線Lvsに所定の基準電位(ここでは0V)が印加され、全走査信号線Lssに所定の低電位VgL(例えば−10V)が印加され、画像信号線Lisに所定の高電位VdH(例えば10V)が印加される。このとき、走査信号線Lssにおける低電位VgLの印加により、第6電極(ゲート)3gにはほとんど正の電位が印加されないため、Vth補償用トランジスタ3は非導通状態となる。一方、画像信号線Lisにおける高電位VdHの印加により、第3電極(ゲート)2gに高電位VdHに応じた正電位(例えば15+10=25V)が印加され、駆動トランジスタ2は導通状態となる。そして、VDD線LvdよりもVSS線Lvsの方がVpだけ電位が高いため、図5において白抜きの矢印で示すように、VSS線Lvsから駆動トランジスタ2の第2,1電極2sd,2dsを介して、有機EL素子1に向けて電流が流れる。その結果、有機EL素子1すなわち素子コンデンサ1cにVDD線LvdとVSS線Lvsとの間の電位差に応じた所定量の電荷(例えば7Vに応じた電荷)が蓄積される。
図6では、Vth補償期間P3(以下適宜「期間P3」と略する)における画素回路7の電流の流れが例示されている。
期間P3では、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにそれぞれ所定の基準電位(ここでは0V)が印加され、全走査信号線Lssに高電位VgHが印加され、画像信号線Lisに高電位VdH(例えば10V)が印加される。このとき、走査信号線Lssにおける高電位VgHの印加により、第6電極(ゲート)3gに高電位VgHに応じた正電位が印加され、Vth補償用トランジスタ3は導通状態となる。Vth補償用トランジスタ3が導通状態となることにより、コンデンサ4と素子コンデンサ1cとが短絡され、T1には素子コンデンサ1cに印加された電圧(7v)よりやや高い電圧が与えられた状態となる。この電圧が駆動トランジスタ2の閾値Vthより高い場合に、駆動トランジスタ2の第1,2電極2ds,2sdを介してVSS線Lvsに向けて電流が流れる。また、素子コンデンサ1cに蓄積された電荷に伴う電流が、駆動トランジスタ2の第1,2電極2ds,2sdを介してVSS線Lvsに向けて流れる。
ところが、コンデンサ4に蓄積された電荷に伴う電流が、コンデンサ4からVSS線Lvsに向けて流れるにつれて、コンデンサ4に蓄積された電荷が減少する。そして、駆動トランジスタ2の第2電極2sdに対する第3電極2gの電位Vgsが実質的に閾値Vthまで減少すると、駆動トランジスタ2は、非導通状態となる。このとき、コンデンサ4には、閾値Vthに応じた電荷が蓄積された状態となる。このように、期間P3では、閾値Vthに応じた電荷がコンデンサ4に蓄積されて、画素ごとに異なる閾値Vthのばらつきが補償される。
図7では、書込期間P4(以下適宜「期間P4」と略する)における画素回路7の電流の流れが例示されている。
期間P4では、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにそれぞれ基準電位0Vが印加されるとともに、画像データが示す階調に応じた電荷の蓄積を行う処理(書込処理)の実施対象画素において、走査信号線Lssに高電位VgHが印加され、画像信号線Lisに電位(VdH−Vdata)が印加される。なお、電位Vdataは、画像データが示す各画素の階調に対応する電位である。このとき、走査信号線Lssにおける高電位VgHの印加により、ゲート3gに高電位VgHに応じた正電位が印加され、Vth補償用トランジスタ3は導通状態となる。一方、画像信号線Lisに対して、期間P3における電位VdH以下の電位(VdH−Vdata)が印加され、ゲート電圧が閾値Vth以下となるため、駆動トランジスタ2は非導通状態となる。したがって、期間P4では、図7において白抜きの矢印で示すように、有機EL素子1(すなわち素子コンデンサ1c)からVth補償用トランジスタ3の第4,5電極3ds,3sdを介してコンデンサ4に向けて電流が流れる。その結果、コンデンサ4に既に蓄積された閾値Vthに応じた電荷の上に電位Vdataに応じた電荷が加算されて蓄積される。すなわち、期間P4においては、コンデンサ4に有機EL素子1の発光輝度に応じた電荷が蓄積される。
なお、コンデンサ4の第7電極4aの電位(駆動トランジスタ2のゲート電位)の変化量は、おおよそ画像信号線Lisの電位の変化量と、コンデンサ4の保持容量Csと素子コンデンサ1cのEL素子容量Coとの比(容量比)との積となる。すなわち、本実施形態においては、画像信号線Lisの電位がVdHから(VdH−Vdata)に変化する場合、駆動トランジスタ2のゲート電位が、−Vdata・Cs/(Cs+Co)だけ変化する。例えば、Vdata=5V、Cs:Co=1:2である場合には、駆動トランジスタ2のゲート電位は、有機EL素子1からコンデンサ4に対する電荷の移動により、−5・1/(1+2)=−5/3V変化する。このようにコンデンサ4に蓄積される電荷の移動により、画像信号線Lisの電位の変化が駆動トランジスタ2のゲート電位に反映される。
素子初期化期間P5(以下適宜「期間P5」と略する)においては、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにそれぞれ所定の負電位−Vpが印加され、全走査信号線Lssに低電位VgLが印加され、画像信号線Lisに高電位VdH−Va(例えば、Va=1V)が印加される。このとき、Vth補償用トランジスタ3が非導通状態となり、駆動トランジスタ2が導通状態となる。そして、VDD線LvdとVSS線Lvsとの間に電位差がなく、VSS線Lvsが負電位−Vpに設定されているため、有機EL素子1(すなわち素子コンデンサ1c)に蓄積された電荷が、VSS線Lvsに抜けて、有機EL素子1に蓄積されていた電荷が一掃される。
図8では、発光期間P6(以下適宜「期間P6」と略する)における画素回路7の電流の流れが例示されている。
期間P6では、VDD線Lvdに正の高電位VDDが印加される一方で、VSS線Lvsに基準電位0Vが印加され、走査信号線Lssに低電位VgLが印加され、画像信号線Lisに高電位VdH−Vaが印加される。このとき、走査信号線Lssにおける低電位VgLの印加により、Vth補償用トランジスタ3は非導通状態となる。一方、画像信号線Lisに対して高電位VdH−Vaが印加されるため、期間P4においてコンデンサ4に蓄積された電荷量(電位Vdataに応じた電荷量)に応じた電位分だけVgsが閾値Vthよりも高くなり、駆動トランジスタ2は導通状態となる。例えば、Va=1V、Vdata=5V、Cs:Co=1:2である場合には、期間P4においてコンデンサ4に蓄積される電荷が、閾値Vthよりも5/3Vだけ低い電位([Vth−5/3]V)に対応する。そして、期間P6では、画像信号線Lisに対して期間P4よりもVdata−Va(=4V)分だけ高い電位が印加され、第3電極(ゲート)2gに対して、閾値Vthよりも7/3Vだけ高い電位([Vth+7/3]V=[Vth−(5/3)+4]V)が印加される。つまり、画像信号線Lisによって、画像データが示す階調に対応する電位Vdataに応じた電位が、第3電極(ゲート)2gに対して付与される。
そして、VDD線LvdがVSS線Lvsよりも電位VDD分だけ高電位であり、駆動トランジスタ2が電位Vdataに応じて第1−2電極間で電流が流れる導通状態となる。このため、図8において白抜きの矢印で示すように、有機EL素子1に対して電位Vdataに応じた電流が流れ、VDD線Lvdから有機EL素子1に対して電流が供給される。その結果、有機EL素子1が電位Vdataに応じた輝度で発光する。つまり、期間P6では、画像データに含まれる各画素の階調を示すデータ(階調データ)に応じた輝度の光が各画素から出射される。
ここで、有機EL素子1が発光する際のVgsは、定数α,dを用いると、下式(1)で示される。
Vgs=Vth+α×Vdata+d …(1)。
また、駆動トランジスタ2の第1−2電極間(ドレイン−ソース間)で流れる電流をIdsは、定数βを用いると、下式(2)で示される。
Ids=(β/2)×(Vgs−Vth)2=(β/2)×(α×Vdata+d)2 …(2)。
そして、有機EL素子1の発光輝度は、有機EL素子1を流れる電流の密度(電流密度)に略比例するため、図3で示した駆動波形を用いた制御により、各画素において所望の発光輝度が得られる。
また、上式(1)で示した定数αは、画像信号線Lisに付与される電位の変化の幅に対するVgsの変化の幅の比を与える係数であり、以下、係数αを「書き込み効率」とも称する。そして、画素回路7における書き込み効率αは、寄生容量の影響を受けるため、下式(3)で示される。
α={(Co+CgdTth)/(Co+Cs+CgsTth+CgdTth+CgsTd)×(Cs/Cs') …(3)。
但し、上式(3)のCs'は、下式(4)を満たす。
Cs'=Cs+CgsTth+CgsTd+CgdTd …(4)。
図9は、画像表示装置に含まれた表示部200aにおける複数の画素回路の配置を示す模式図である。なお、図9には、互いに直交するXYの2軸を付している。
図9で示すように、表示部200aは、画像表示領域210、VDD線Lvd、VSS線Lvs、および画素回路を駆動するためのIC(駆動用IC)を備える。
画像表示領域210には、行方向(図の横方向すなわちX方向)および列方向(図の縦方向すなわちY方向)に沿って、複数の画素回路7が行列状に配列されている。そして、画像表示領域210は、各画素回路7に含まれる各有機EL素子1の発光により、発光することで画像を表示する領域(以下「発光領域」とも称する)として機能する。
表示部200aの下辺側には図示を省略する給電部が設けられ、この給電部からVDD線Lvd、およびVSS線Lvsに対して電流および電圧が与えられる。つまり、表示部200aの下辺側から、VDD線LvdおよびVSS線Lvsに対して給電が行われる。このVDD線LvdおよびVSS線Lvsは、画像表示領域210内で行列状に配列された全画素回路7に対して共通に電気的に接続されている。そして、VDD線LvdおよびVSS線Lvsは、少なくとも各有機EL素子1が発光する際には、画像表示領域210の下端(図9では+Y方向の端部)から上端(図9では−Y方向の端部)に向けて電流を供給する。なお、表示部200aの下端近傍に画素回路を駆動するためのIC(駆動用IC)が設けられている。
ここで、VDD線LvdおよびVSS線Lvsは配線抵抗を有するため、流れる電流により、電位の変化(電位変化)が生じる。従って、給電部から離れた画素回路では、VDD線LvdおよびVSS線Lvsの電位の変化量が大きくなる。このため、発光時にコンデンサ4に同じ電荷を蓄積させておいても、駆動トランジスタ1におけるゲート電圧Vgsと、ソースの電位に対するドレインの電位Vdsとが小さくなる。また、画素回路7における寄生容量の存在により、VDD線LvdおよびVSS線Lvsの電位変化が直接ゲート電位を変化させる。
このような、Vgs、Vds、およびゲート電位の変化により、画像表示領域210で表示される画像では、給電部から離れた側(電源線の終端側)に近づくにつれて輝度が低く、給電部側に近づくにつれて輝度が高くなるような輝度ムラの不具合が発生し画質が低下する場合がある。
図10は、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにおける配線抵抗による電位変化の影響を例示する模式図である。図10で示すように、画像表示領域210で表示される画像では、給電部から離れた側(電源線の終端側)に近づくにつれて輝度が低く、給電部側に近づくにつれて輝度が高くなる。
このような問題に対し、本願発明者らは、輝度ムラの不具合を抑制することで、画質を向上させることができる画像表示装置およびその駆動方法を創出した。これについて以下に説明する。
<実施形態>
<画像表示装置の概略>
図11は、本発明の実施形態に係る画像表示装置200の概略構成を例示する図である。
画像表示装置200は、表示部200aと本体部200bとを備えた携帯電話機、すなわち携帯可能な電子機器であり、動画や静止画などといった各種画像を表示部200aで表示する。
本体部200bは、通信機能、バッテリーなどの給電機能、および操作部などを備えている。表示部200aは、例えば、略長方形の輪郭を有する有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)、および本体部200bより供給される各種信号が入力されるドライバ手段を備えている。なお、有機ELディスプレイは、有機材料に電流を流すことで材料自らが発光する自発光型の発光素子を有する。
また、表示部200aの構成は、図1〜図9を示して説明した通りである。つまり、画像表示装置200には、図9で示したように、有機EL素子1をそれぞれ有する複数の画素回路7(図1)が行列状に配置される。更に、画像表示装置200では、VDD線LvdおよびVSS線Lvsが、画像表示領域210内で行列状に配列された全画素回路7に対して、格子状に電気的に接続されている。
なお、ここでは、書込期間P4において、画像表示領域210に含まれる複数の画素回路7のうちの給電部から離れた側(電源線の終端側)から順次に、画素のライン(図9ではX軸に沿った行)ごとに、画像データに基づくコンデンサ4への電荷の蓄積(書込処理)が行われるものとする。なお、書込処理の順番の設定は、駆動用ICの設定の変更により容易に実現される。
<画像表示装置の機能構成>
図12は、画像表示装置200の階調処理に関する機能構成を示すブロック図である。
画像表示装置200は、上述した電源線の配線抵抗と画像データとに応じた電位変化を補正することにより、電位変化に伴う輝度ムラの不具合を抑制する。すなわち、各行の画素回路7に対して書込処理を行う際に、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにおける電位変化に応じた補正値を算出し、この補正値に基づいて、画像信号線Lisに付与する電位(−Vdata)等を制御する。ここでは、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにおける電位変化に応じた補正値をγ変換後の階調データから減じて、輝度ムラを抑制する。
図12において、画像表示装置200の外部から入力される画像データからなる入力信号230は、各画素回路7すなわち各画素に対応する階調データを含む画像データからなる。そして、この入力信号230が、ラインバッファ240に蓄積された後に、γ変換が施されることにより、赤階調データ250R、緑階調データ250G、および青階調データ250Bが生成される。なお、γ変換後の階調は、いずれも、画像信号線Lisの電位に比例していることが望ましい。
補正値演算部270は、ラインバッファ240に各行の画素の階調を示すデータが格納される度に、各行の画素の階調データから、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにおける電位変化に応じた補正値を導出する。
ここで、画像データに基づいてある1行を構成する複数の画素回路7においてそれぞれ流れる電流の合計値は、その1行に対応する画素の階調データから算出される。そして、その1行におけるVDD線LvdおよびVSS線Lvsの電位変化が、画像表示領域210の終端側(図9の−Y方向側)の行からある1行までの全行の電流値を合算した値と、VDD線LvdおよびVSS線Lvsにおける配線抵抗とからそれぞれ求められる。
例えば、図9で示す画像表示領域210における最上の1行については、最上の1行と1行下、すなわち次の1行との間におけるVDD線LvdおよびVSS線Lvsの電位変化は、最上の1行の全画素回路7を流れる電流の合算値に比例する。また、例えば、画像表示領域210における終端側(図9の−Y方向側)からN行目(Nは自然数)については、該N行目と1行下、すなわちN+1行目の1行との間におけるVDD線LvdおよびVSS線Lvsの電位変化は、1行目からN行目までの全画素回路7を流れる電流の合算値に比例する。したがって、このVDD線LvdおよびVSS線Lvsの電位変化に応じた輝度の差を打ち消すための補正値が、電流の合算値の比例計算によって容易に求まる。
以下、補正値の導出方法について具体的に説明する。
まず、画像表示領域210を構成する画素の各行が、赤色の光を発する画素(R画素)、緑色の光を発する画素(G画素)、青色の光を発する画素(B画素)がこの順番で順次配列されて構成されているものとする。
例えば、R画素、G画素、B画素の各有機EL素子1の電流発光効率をそれぞれEr,Eg,Eb[cd/A] 、最大階調におけるR画素の発光時の光度をYr[cd]、最大階調におけるG画素の発光時の光度をYg[cd]、最大階調におけるB画素の発光時の光度をYb[cd]とし、各画素の光度がγ変換前の階調のγ乗に比例するとする。なお、一般にγ=2.2である。
ここで、1行を構成する画素数を3w、1行を構成するR画素を1〜w番目のR画素、1行を構成するG画素を1〜w番目のG画素、1行を構成するB画素を1〜w番目のB画素とする。更に、給電部から最も遠い終端側からy行目について、所定の方向(例えば、図9の左方向)からx番目のR画素のγ変換前の階調をLr(x,y)、x番目のG画素のγ変換前の階調をLg(x,y)、x番目のB画素のγ変換前の階調をLb(x,y)、γ変換前のR,G,B画素の最大階調をLmとすると、y行目のx番目のR画素の有機EL素子1で発光時に流れる電流をIr(x,y)、y行目のx番目のG画素の有機EL素子1で発光時に流れる電流をIg(x,y)、y行目のx番目のB画素の有機EL素子1で発光時に流れる電流をIb(x,y)は、それぞれ下式(5)〜(7)で示される。
また、y行目に属する全画素の有機EL素子1で発光時に流れる電流の合算値I(y)は、下式(8)で示される。
そして、電流I(y)とVDD線LvdおよびVSS線Lvsの配線抵抗とにより、給電部側から離れるにつれて、VDD線Lvdの電位が下がり、VSS線Lvsの電位が上がる。
ここでは、y−1行目のVSS線Lvsの電位と比較して、給電部側に近い第y行目のVSS線Lvsの電位は相対的に低く、y−1行目のVDD線Lvdの電位と比較して、給電部側に近い第y行目のVDD線Lvdの電位は相対的に高く、更に、y行目の電源線を通る電流は1行目からy行目までの全画素において発光時に有機EL素子1で流れる電流の合計である。
ここで、画像表示領域210に相互に隣接配列される画素回路7の行数をh、電源線の終端側から順に1行目からh行目、VSS線Lvsの縦方向の1行あたりの配線抵抗をRs[Ω]、VDD線Lvdの縦方向の1行あたりの配線抵抗をRd[Ω]とすると、y−1行目のVSS線Lvsに対するy行目のVSS線Lvsの電位差(1行目の場合は、終端側に対する1行目のVSS線Lvsの電位差)ΔVs(y)、y−1行目のVDD線Lvdに対するy行目のVDD線Lvdの電位差(1行目の場合は、終端側に対する1行目のVDD線Lvdの電位差)ΔVd(y)は、それぞれ下式(9),(10)で示される。
但し、ここでは、ΔVs(0)=0、ΔVd(0)=0であるものとする。なお、ΔVs(y)≦0,ΔVd(y)≧0の関係が成立する。
また、VSS線Lvsにおける終端側からy行目に至る電位変化をVs(y)、VDD線Lvdにおける終端側からy行目に至る電位変化をVd(y)とすると、Vs(y)およびVd(y)は、1行目からy行目までの電位変化の合計であるから、それぞれ下式(11),(12)で示される。
なお、Vs(y)≦0,Vd(y)≧0の関係が成立する。
ここで、本実施形態に係る補正値の導出方法を採用することのメリットについて、若干触れる。
VSS線Lvsにおける最も給電部に近いh行目からy行目に至る電位変化Vs'(y)および、VDD線Lvdにおける最も給電部に近いh行目からy行目に至る電位変化Vd'(y)は、それぞれ下式(13),(14)で示される。
仮に、最も給電部に近いh行目を基準として、VSS線LvsおよびVDD線Lvdにおける電位変化を補正しようとすれば、Vs'(y)およびVd'(y)を求める必要姓がある。ただ、この補正を行うためには、1行目の画素回路7に対して書込処理を行う前に、1行目からh行目までの全画素の階調データを得て、補正値を演算する必要があり、演算に要する階調データの取得に要する時間の長期化、ならびに演算量の増大を招く。
しかしながら、本実施形態に係る補正値の導出方法では、1行分の階調データを得る度に、補正値が導出される。詳細には、y行目の画素回路7に対して書込処理を行う際には、終端側とy行目とにおける電源線の電位変化が見かけ上同じになるように階調データの補正が行われる。つまり、電源線の電位変化が最も小さなところに合わせるように階調データの補正を行うのではなく、電源線の電位変化が最も大きなところに合わせるように階調データの補正を行う。したがって、本実施形態に係る補正値の導出方法では、電位変化Vs'(y)およびVd'(y)ではなく、Vs(y)およびVd(y)を求めれば良い。
本実施形態に係る補正値の導出方法についての説明を続ける。
VSS線LvsおよびVDD線Lvdの電位が変化する場合、発光時に各画素の駆動トランジスタ2のゲート電圧Vgsが変化する量は、画素回路の構成に依存する。本実施形態に係る画素回路7については、終端側における駆動トランジスタ2のゲート電圧Vgsからy行目における駆動トランジスタ2のゲート電圧Vgsまでの変化量ΔVgs(y)は、下式(15)で示される。
ここでは、Vs(y)≦0,Vd(y)≧0であるため、ΔVgs(y)≧0の関係が成立する。ここで、最も終端側の行を基準として、x列、y行の画素回路におけるゲート電圧Vgsと閾値Vthとの差分(Vgs−Vth)をVgs'(x,y)とすると、Vgs'(x,y)は、下式(16)で示される。
そして、y行目において書込処理時に画像信号線Lisに付与する電位を補正して、最も給電部側の行におけるVgs−Vthを、最も終端側の行におけるVgs−Vthと同じ値とするためには、VdataをVdata−ΔVdata(y)に置き換える必要性がある。ここで、ΔVdata(y)は、画像信号線Lisに付与する電位の補正量に相当し、上式(16)のVdataをVdata−ΔVdata(y)に置き換えると、下式(17)が得られる。
このとき、Vgs'(x,y)=Vgs'(x,0)の関係を成立させるためには、下式(18)の関係を成立させれば良い。
なお、αは上述した書き込み効率である。そして、VdataをVdata−ΔVdata(y)に置き換えることは、γ変換後の階調L'を階調L'−La(y)に変換することで実現される。また、γ変換後の階調とVdataとは比例するため、画像信号線Lisの電位を変化させる幅(振り幅)をVsig[V]、γ変換後の階調の範囲が、0〜L'mであるとすると、La(y)は、下式(19)で示される。
ここで、上式(19)の第1項をΔLa(y)であるとすると、下式(20)が成立する。
更に、上式(9),(10),(19),(20)より、下式(21)導き出される。
また、式の簡便化のために、下式(22)で示すように、zを定義する。
上式(8),(22)を用いることで、上式(21)から下式(23)が導き出される。
更に、下式(24)〜(26)で示すように、Fr,Fg,Fbを定義する。ここで、Fr,Fg,Fbは、正の定数であり、配線抵抗Rs,Rdなどの既知の値によって求められるため、画像表示装置200の設計時に予め算出しておき、不揮発性のメモリに保存しておけば良い。
上式(24)〜(26)を上式(23)に代入すると、下式(27)が得られる。
上式(28)は、上式(20)を上式(27)と並べて表示するために示したものである。
上式(28)で示すように、y行目に係る補正値La(y)は、y−1行目に係る補正値La(y−1) に、ΔLa(y)を加算することで導出される。また、上式(27)で示すように、ΔLa(y)は、y行目の全画素の階調のγ乗に所定の係数(例えば、Fr,Fg,Fb)を乗じて累積した値を、前回求められたy−1行目に係るΔLa(y−1)に対して加算すれば求まる。したがって、前回に求められた補正値La(y−1)および補正値の差分ΔLa(y−1)と、1行分の階調に係る演算結果とを用いるだけで、各行の補正値La(y)が導出される。
換言すれば、第1補正値としての補正値La(y−1)と、電源線の配線抵抗(ここではRs,Rd)から求まる所定の係数と、y行目に含まれる複数の画素回路7に係る階調とに基づいて、第2補正値としての補正値La(y)が導出される。ここで、補正値La(y−1) は、画像表示領域210のうちの上端側からy−1行目の領域に至る一部の領域(ここでは、1〜y−1行目)において生じる電源線(ここでは、VDD線LvdおよびVSS線Lvs)の電位変化に対応する補正値である。また、y行目は、一部の領域(ここでは、1〜y−1行目)の下端側に配置される。更に、補正値La(y)は、画像表示領域210のうちの上端側からy行目の領域に至る一部の領域(ここで、1〜y行目)において生じる電源線の電位変化に対応する補正値である。
なお、y行目の画素回路7が含まれる領域を第N発光領域(Nは自然数)とし、y行目の下端側に位置するy+1行目の画素回路7が含まれる領域を第(N+1)発光領域とすると、上述した補正値La(y)の導出過程を次のように言い換えることができる。画像表示領域(発光領域)210のうちの上端側から第N発光領域に至る第Nの一部領域に含まれる複数の画素回路7に係る階調データから導出された第N補正値と、電源線の配線抵抗と、第(N+1)発光領域に含まれる複数の画素回路7に係る階調データとに基づいて、画像表示領域(発光領域)210のうちの上端側から第(N+1)発光領域に至る第(N+1)の一部領域において生じる電源線の電位変化に対応する第(N+1)補正値が導出される。なお、例えば、第N発光領域は、第1発光領域となり、第(N+1)発光領域は、第2発光領域となる。
図13は、演算部としての補正値演算部270における補正値の導出処理を示す機能ブロック図である。ここでは、y行目の階調から補正値を求める処理について説明する。
補正値演算部270は、階調γ乗積算部271、第1バッファBf1、第2バッファBf2、第1加算器P11、および第2加算器P21を備える。
階調γ乗積算部271は、上式(27)の第1項から第3項まで、すなわちy行目の全画素の階調のγ乗に所定の係数(例えば、Fr,Fg,Fb)を乗じて累積した値(以下「ΣFcLc(x,y)」と称する、cにはr,g,bの何れかが当てはまる)を求める。
第1バッファBf1は、メモリなどで構成され、前回導出された補正値の変化量ΔLa(y−1)を一時的に格納する。なお、y=1、すなわち1行目の階調から補正値を求める際には、前回導出された補正値の変化量は存在していないから、ΔLa(y−1)=ΔLa(0)=0となる。
第1加算器P11は、階調γ乗積算部271で求められたΣFcLc(x,y)に、第1バッファBf1に格納された補正値の変化量ΔLa(y−1)を加算することで、補正値の変化量ΔLa(y)を導出する。このとき、導出された補正値の変化量ΔLa(y)は、次の行の階調から補正値を求める際に利用するために、第1バッファBf1に格納される。つまり、第1バッファBf1に格納される補正値の変化量は、随時最新のものに更新される。
第2バッファBf2は、メモリなどで構成され、前回導出された補正値La(y−1)を一時的に格納する。なお、y=1、すなわち1行目の階調から補正値を求める際には、前回導出された補正値は存在していないから、La(y−1)=La(0)=0となる。
第2加算器P21は、第1加算器P11で導出された補正値の変化量ΔLa(y)に、第2バッファBf2に格納された補正値La(y−1)を加算することで、補正値La(y)を導出する。このとき、導出された補正値La(y)は、次の行の階調から補正値を求める際に利用するために、第2バッファBf2に格納される。つまり、第2バッファBf2に格納される補正値は、随時最新のものに更新される。
図12に戻って説明を続ける。
減算器M1は、補正値演算部270で導出された各行についての補正値を、γ変換後の各行の階調データである赤階調データ250R、緑階調データ250G、および青階調データ250Bからそれぞれ減じる。これにより、赤階調データ251R、緑階調データ251G、および青階調データ251Bが生成される。
ここでは、γ変換前の1行目からN行目(Nは自然数)までの階調データから電圧降下の影響を補正する補正値が導出され、この補正値によってγ変化後のN+1行目の階調データが補正される。すなわち、画像データに含まれる階調データと補正値とに基づいて補正されたγ変換後のN+1行目の階調データが求められる。
電位付与部としての画像信号線制御IC290は、赤階調データ251R、緑階調データ251G、および青階調データ251Bに基づいて、書込処理時の画像信号線Lisの電位を制御する。例えば、1〜N行目の階調データから導出された補正値とN+1行目の階調データとに基づく電位が、画像信号線Lisに対して付与され、1〜N行目の発光領域よりも下端側に配置されたN+1行目の複数の画素回路7のコンデンサ4に電荷が蓄積される書込処理が行われる。このとき、N+1行目の複数の画素回路7における電位が設定される。
上昇電位演算部280は、補正値演算部270で各行ごとに導出された補正値がγ変換後の赤階調データ250R、緑階調データ250G、および青階調データ250Bから減じられたことによる全体的な階調の低下を補償するための値(補償値)を導出する。
ここでは、補正値演算部270により、全画素のγ変換後の各階調は、画像データの各階調に対応するγ変換後の理想的な各階調から最も大きな補正値分だけ下げられたものであり、このままでは、画像全体の輝度の低下を招く。ここで、この問題点およびその解決手段について説明する。
図9で示す画像表示領域210の全画素回路7のVDD線LvdおよびVSS線Lvsについて均一な電位変化が起こるのではなく、図9で示す画像表示領域210における最も終端側(−Y方向側)の画素回路7のVDD線LvdおよびVSS線Lvsにおいて、最も大きな電位変化が生じる。したがって、ここでは、減算器M1により、図9で示す画像表示領域210における最も終端側(−Y方向側)の行を基準として、各階調データが補正されたことになる。
例えば、画像表示領域210にh行の画素回路が配列されている場合には、γ変換前の1行目から(h−1)行目までの階調データから導出される補正値が、最も大きな補正値として最後に導出される。そして、この最後に導出された補正値(以下「最終補正値」とも称する)によってh行目の階調データが補正される。つまり、電位変化と補正値とによる補正により、全画素のγ変換後の各階調が、最も大きな最終補正値分だけ下げられたことになる。
よって、このままでは、補正値によるγ変換後の各階調の低減により、電源線の配線抵抗による電位変化に起因した輝度ムラの不具合は抑制されるが、画像表示領域210の発光輝度が全体として低下してしまう。
このため、上昇電位演算部280では、この階調の低下分を補償するために、発光時に駆動トランジスタ2のゲート2gに印加される電位、すなわち駆動トランジスタ2のゲート電圧Vgsを上昇させる補償値が導出される。上昇電位演算部280では、補正値演算部270で順次に導出される各行の補正値のうち、最終行すなわち画像表示領域210の下端の行の補正値(最終補正値)271Fから補償値が導出される。
駆動トランジスタ2のゲート電圧Vgsを上昇させる手法としては、例えば、発光時に画像信号線Lisに付与される電位を上昇させることが考えられる。したがって、補償値は、例えば、発光時に画像信号線Lisに付与される電位を上昇させる値であれば良い。以下、補償値が、発光時に画像信号線Lisに付与される電位を上昇させる値である場合について説明する。
ここで、図1などで示した画素回路7について、画像信号線Lisに付与される電位をv[V]上昇させる場合、駆動トランジスタ2のゲート電圧Vgsの変化量(上昇量)Vupは、下式(29)で示される。
Vup=(Cs/Cs')×v …(29)。
したがって、最終補正値271Fによりγ補正後の階調がLa(h)下げられた場合における補償値は、発光時の画像信号線Lisの電位に比例する階調を、α×(Cs'/Cs)×La(h)上昇させる値とすれば良い。
画像信号線制御IC290は、発光期間P6において、補償値に対応する電位が加算された電位を画像信号線Lisに付与する。
そして、画像信号線制御IC290では、補償値により、画像信号線Lisに付与する電位が、画像表示領域210において生じるVDD線LvdおよびVSS線Lvsの電位変化に対応する補正値、つまり画像表示領域210の全域に渡って配列された複数の画素回路7に係る階調データから導出された最終補正値に応じて増大される。このとき、ゲート2gに印加される電位が、最終補正値に応じて増大される。これにより、電荷の蓄積時における画像信号線の電位の補正により発光輝度が低下する不具合が回避される。
なお、画像信号線制御IC290では、階調と電位との関係を示す所定のルールに従って、ある階調が得られると、一意的にある階調に対応する電位が画像信号線Lisに付与される。
上述したように、発光時に、最も下端側の行、すなわち最も給電部側の行における階調の補正を打ち消す補償値を、画像信号線制御IC290に対して与えると、最も下端の行で階調補正がなく、上端(終端)側に向かうにつれて、電位変化によって低下した階調を上昇させることができる。
また、発光期間P6では、制御部としての駆動用ICにより、VDD線LvdおよびVSS線Lvsに印加する電位が調整されて、有機EL素子1の発光が行われる。つまり、駆動用ICが、VDD線LvdおよびVSS線Lvsに対して電流を供給することで、有機EL素子1を発光させる制御部として機能する。
図14は、発光時に画像信号線Lisに付与する電位を上昇させる場合の表示部200aの表示部における駆動波形を示すタイミングチャートである。図14で示すタイミングチャートは、図3で示したタイミングチャートから、素子初期化期間P5(時刻t15〜t16)、および発光期間P6(時刻t16〜)において画像信号線Lisに付与する電位を上昇させたものである。
以上のように、本発明の実施形態に係る画像表示装置200では、各行ごとに階調データから補正値を導出し、γ変換後の階調データを補正値によって補正することで、輝度ムラの不具合が抑制され、画質の向上が図られる。また、前回導出した補正値を用いて、次の補正値が求められるため、各領域に対する補正値が比較的短時間で求まり、画像データを得てから発光までの処理時間を短縮することができる。
また、発光時に駆動トランジスタ2のゲート電圧Vgsを上昇させることで、電荷の蓄積時における画像信号線Lisの電位の補正によって発光輝度が低下する不具合を回避することができる。
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
◎例えば、上記実施形態では、N行目の階調データに基づいて導出された補正値が、N+1行目の階調データの補正に用いられたが、これに限られない。例えば、N行目の階調データに基づいて導出された補正値が、N行目の階調データの補正に用いられても良い。また、N行目の階調データに基づいて導出された補正値が、N+2行目以降の階調データの補正に用いられても良い。つまり、N行目の階調データに基づいて導出された補正値が、N行目またはN行目以降のいずれかの行の階調データの補正に用いられても良い。すなわち、N行目の階調データから求められた補正値と、N行目またはN行目以降の何れかの行の階調データとに基づく電位が、画像信号線Lisに付与されて、N行目またはN行目以降の何れかの行を構成する複数の画素回路に電荷が蓄積されても良い。
但し、N行目の階調データから求められた補正値を、N行目またはN+1行目の階調データの補正に用いる方が、補正の精度がより高くなる一方、N行目の階調データから求められた補正値を、N+1行目以降の階調データの補正に用いる方が、補正値を求める演算速度が遅くても良いという利点がある。
◎また、上記実施形態では、各行ごとに補正値に基づいて階調データを補正することで、書込処理時に画像信号線Lisに付与する電位を低減したが、これに限られない。例えば、画像信号線制御IC290に印加する電源電圧を補正値に基づいて低減することで、書込処理時に画像信号線Lisに付与する電位を低減するようにしても良い。なお、画像信号線制御IC290に印加する電源電圧を変更する手法としては、DC−DCコンバータなどの変圧器を利用する手法などが考えられる。そして、このような構成を採用しても、上記実施形態と同様な効果が得られるが、上記実施形態のように、補正値に基づいて階調データを補正する方が、より簡単な構成で、輝度ムラの不具合が抑制される。
◎また、上記実施形態では、補正値演算部270の階調γ乗積算部271でy行目の全画素の階調のγ乗に所定の係数(例えば、Fr,Fg,Fb)を乗じて累積した値を逐次算出したが、これに限られない。例えば、階調と、その階調のγ乗に所定の係数(例えば、Fr,Fg,Fb)を乗じて累積した値との関係を保持したデータテーブルを準備しておき、各画素の階調に対応する値を、データテーブルから取得するようにしても良い。
図15および図16は、変形例に係る画像表示装置200Aの階調処理に関する機能構成を示すブロック図である。
図15および図16で示す機能ブロック図は、図12および図13で示した機能ブロック図と比較して、赤計算テーブル260R、緑計算テーブル260G、青計算テーブル260Bが格納された記憶部260が追加され、階調γ乗積算部271および補正値演算部270が、階調γ乗積算部271bおよび補正値演算部270bに変更されている。
具体的には、記憶部260は、例えば、ハードディスクなどによって構成される。赤計算テーブル260Rは、R画素の階調と、その階調のγ乗に所定の係数Frを乗じて累積した値との関連が列挙されたデータテーブルである。緑計算テーブル260Gは、G画素の階調と、その階調のγ乗に所定の係数Fgを乗じて累積した値との関連が列挙されたデータテーブルである。更に、青計算テーブル260Bは、B画素の階調と、その階調のγ乗に所定の係数Fbを乗じて累積した値との関連が列挙されたデータテーブルである。また、階調γ乗積算部271bは、R,G,B画素の階調データを取得すると、赤、緑、青計算テーブル260R,260G,260Bを適宜参照して、階調のγ乗に所定の係数(例えばFr,Fg,Fb)を乗じて累積した値を得る。
◎また、上記実施形態では、発光時に画像信号線Lisに付与する電位を上昇させることで、駆動トランジスタ2のゲート電圧Vgsを上昇させたが、これに限られない。例えば、駆動用ICにより、発光時に、発光領域の全域に渡って配列された複数の画素回路7に係る階調データから導出される補正値に応じて、VDD線Lvdに付与する電位を上昇させることで、駆動トランジスタ2のゲート電位、すなわちゲート電圧Vgsを増大させても良い。ここでは、VDD線Lvdに付与する電位が上昇すると、駆動トランジスタ2の第1−3電極間の寄生容量CgdTdにVDD線Lvdの電位上昇が作用することで、駆動トランジスタ2のゲート電位、すなわちゲート電圧Vgsの上昇が生み出される。
図17は、発光時のゲート電圧Vgsの上昇を、VDD線Lvdに付与する電位の上昇によって発生させる画像表示装置200Bの階調処理に関する機能構成を示すブロック図である。ここでは、上昇電位演算部281が、最終補正値271Fから、VDD線Lvdに付与する電位の上昇分を補償値として算出する。そして、電源線制御IC300が、補償値に基づいて、VDD線Lvdに付与する電位を上昇させる。これにより、上記実施形態と同様に、最も下端の行で階調補正がなく、上端(終端)側に向かうにつれて、電位変化によって低下した階調を上昇させることができる。
図18は、発光時にVDD線Lvdに付与する電位を上昇させる場合の画像表示装置200Bの表示部における駆動波形を示すタイミングチャートである。図18で示すタイミングチャートは、図3で示したタイミングチャートから、素子初期化期間P5(時刻t15〜t16)、および発光期間P6(時刻t16〜)においてVDD線Lvdに付与する電位を上昇させたものである。
◎また、上記実施形態では、各行の全画素の階調から補正値を算出したが、これに限られず、例えば、所定数の画素ごと(例えば、2画素ごと)に1つの画素の階調をサンプリングして、その階調から補正値を算出しても良い。つまり、各行の発光領域に含まれる一部の画素回路に係る階調データと、電源線の配線抵抗と、前回求めた補正値とに基づいて、次の補正値を導出するようにしても良い。そして、画素を間引いて補正値を算出するだけでは、補正値が小さくなるため、間引き率を適宜乗じて補正値を求めることが好ましい。このような構成により、演算に用いる階調データの数が低減されるため、演算量の低減、ひいては補正値の導出の高速化が図られる。
但し、上記実施形態のように、全画素の階調データから補正値を導出し、画像信号線Lisに補正された電位を付与して、画素回路7に電荷の蓄積を行う方が、電源線の配線抵抗に起因した輝度ムラの不具合をより精度良く抑制することができる。
◎また、上記実施形態では、相互に隣接する、複数の画素回路からなる1ラインの画素について、それぞれ補正値を算出したが、これに限られない。例えば、2〜5行ごとなど、所定数の行ごとに、階調データから補正値を算出するようにしても良い。つまり、所定数の行からなる発光領域に含まれる一部の画素回路に係る階調と、電源線の配線抵抗と、前回求めた補正値とに基づいて、次の補正値を導出するようにしても良い。そして、補正値の算出に階調データが使用されなかった行については、内挿などの補間演算によって、補正値が求められるようにしても良い。また、所定数の行については、同じ補正値が用いられ、所定数の行ごとに補正値を切り替えるような手法も考えられる。このような構成により、演算に用いる階調データの数が低減されるため、演算量の低減、ひいては補正値の導出の高速化が図られる。
但し、上記実施形態のように、1ラインの画素ごとに補正値を導出し、画像信号線Lisに補正された電位を付与して、画素回路7に電荷の蓄積を行う方が、電源線の配線抵抗に起因した輝度ムラの不具合をより細かく抑制することができる。
◎また、上記実施形態では、γ変換前の階調から補正値を求めたが、これに限られず、γ変換後の階調データから補正値を求めるようにしても良い。但し、γ変換後の階調と、画像信号線Lisに印加する電位との関係については、階調0が電位0Vに対応しているとは限らない。このため、煩雑な計算が必要となる。これに対して、上記実施形態のように、γ変換前の階調から補正値を求める場合には、階調を2.2乗して比例係数を乗じて累積すれば補正値が求まる。したがって、容易に補正値を精度良く算出する観点から言えば、上記実施形態のように、γ変換前の階調から補正値を求める方が好ましい。
◎また、給電部から給電部側の最終行(例えば、h行目)までにおける電源線の電位変化が無視できない程大きな場合には、発光時にゲート電圧Vgsを増加させる際に、その分も上乗せするようにしても良い。
◎また、上記実施形態では、各行の階調から単に補正値La(y)を減じたが、これに限られない。例えば、R,G,B画素の間で、書き込み効率αが異なる場合には、La(y)にR,G,B画素の間で異なる一定の係数を乗じるようにしても良い。
画素回路の構成を示す回路図である。 画素回路で発生する寄生容量を模式的に示す図である。 表示部における駆動波形を示すタイミングチャートである。 Cs初期化期間での画素回路における電流の流れを例示する図である。 準備期間での画素回路における電流の流れを例示する図である。 Vth補償期間での画素回路における電流の流れを例示する図である。 書込期間での画素回路における電流の流れを例示する図である。 発光期間での画素回路における電流の流れを例示する図である。 画像表示装置における複数の画素回路の配置を示す模式図である。 配線抵抗による電位変化の影響を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る画像表示装置の概略構成を例示する図である。 画像表示装置の階調処理に関する機能構成を示すブロック図である。 画像表示装置の階調処理に関する機能構成を示すブロック図である。 表示部における駆動波形を示すタイミングチャートである。 変形例に係る階調処理に関する機能構成を示すブロック図である。 変形例に係る階調処理に関する機能構成を示すブロック図である。 変形例に係る階調処理に関する機能構成を示すブロック図である。 変形例に係る表示部における駆動波形を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 有機EL素子
2 駆動トランジスタ
3 閾値(Vth)補償用トランジスタ
4 コンデンサ
7 画素回路
200,200A,200B 画像表示装置
200a 表示部
200b 本体部
230 入力信号
210 画像表示領域
270,270b 補正値演算部
271,271b 階調γ乗積算部
280,281 上昇電位演算部
290 画像信号線制御IC
300 電源線制御IC
Lis 画像信号線
Lvd VDD線
Lvs VSS線
M1 減算器
P11 第1加算器
P21 第2加算器

Claims (10)

  1. 発光素子をそれぞれ有する複数の画素回路と、前記複数の画素回路に対して共通に接続され、且つ前記複数の画素回路が配列された発光領域の一端側から他端側に向けて電流を供給する電源線と、前記複数の画素回路に対して画像データに対応する電位を付与する画像信号線と、を備えた画像表示装置を駆動する画像表示装置の駆動方法であって、
    前記発光領域のうちの前記他端側から前記一端側に向かって途中までの第1発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データから導出された第1補正値と、前記電源線の配線抵抗と、前記第1発光領域の前記一端側に配置される第2発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データとに基づいて、第2補正値を導出する導出ステップと、
    前記画像データと前記第2補正値とに基づく電位を、前記画像信号線に対して付与することで、前記第2発光領域に配置された複数の画素回路、または前記第2発光領域よりも前記一端側に配置された複数の画素回路の電位を設定する設定ステップと、
    前記電源線から各前記発光素子に対して電流を供給することで、各前記発光素子を発光させる発光ステップと、
    を備えることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
  2. 請求項1に記載の画像表示装置の駆動方法であって、
    前記発光領域のうちの前記他端側から前記一端側に向かって途中までの第N(Nは自然数)発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データから導出された第N補正値と、前記電源線の配線抵抗と、前記第N発光領域の前記一端側に配置される第(N+1)発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データとに基づいて、第(N+1)補正値を導出するステップと、
    前記画像データと前記第(N+1)補正値とに基づく電位を、前記画像信号線に対して付与することで、前記第(N+1)発光領域に配置された複数の画素回路、または前記第(N+1)発光領域よりも前記一端側に配置された複数の画素回路の電位を設定するステップと、
    を備えることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像表示装置の駆動方法であって、
    前記第2補正値に基づいて前記画像データが示す階調を調整する調整ステップ、
    を更に備え、
    前記設定ステップにおいて、
    前記調整ステップにおいて調整された階調に対応する電位を、前記画像信号線に対して付与することを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の画像表示装置の駆動方法であって、
    前記設定ステップにおいて、
    前記第2補正値に基づいて前記画像信号線の電源電圧を調整しつつ、前記画像データに対応する電位を、前記画像信号線に対して付与することを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像表示装置の駆動方法であって、
    前記第1および第2発光領域が、
    相互に隣接し、且つ複数の画素回路からなる1ラインの画素回路が配列されてそれぞれ構成されることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像表示装置の駆動方法であって、
    前記導出ステップにおいて、
    前記第1補正値と、前記電源線の配線抵抗と、前記第2発光領域に含まれる一部の画素回路に係る階調データとに基づいて前記第2補正値を導出することを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の画像表示装置の駆動方法であって、
    各前記画素回路が、
    第1、第2、第3の電極を有し、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流を、前記第3電極に印加される電位によって調整する駆動トランジスタ、
    を備え、
    前記第2電極が、前記発光素子に対して電気的に接続されており、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流が調整されることで、前記発光素子に流れる電流が制御され、
    前記発光ステップにおいて、
    前記発光領域の全域に渡って配列された複数の画素回路に係る階調データから導出される補正値に応じて、前記第3電極に印加される電位を調整することを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
  8. 請求項7に記載の画像表示装置の駆動方法であって、
    前記発光ステップにおいて、
    前記画像信号線に付与する電位を、前記発光領域の全域に渡って配列された複数の画素回路に係る階調データから導出される補正値に応じて上昇させることで、前記第3電極に印加される電位を増大させることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
  9. 請求項7に記載の画像表示装置の駆動方法であって、
    前記電源線が、
    前記第1電極に対して電気的に接続され、
    前記発光ステップにおいて、
    前記電源線に付与する電位を、前記発光領域の全域に渡って配列された複数の画素回路に係る階調データから導出される補正値に応じて上昇させることで、前記第3電極に印加される電位を増大させることを特徴とする画像表示装置の駆動方法。
  10. 画像表示装置であって、
    発光素子をそれぞれ有する複数の画素回路と、
    前記複数の画素回路に対して共通に接続され、且つ前記複数の画素回路が配列された発光領域の一端側から他端側に向けて電流を供給する電源線と、
    前記複数の画素回路に対して画像データに対応する電位を付与する画像信号線と、
    前記発光領域のうちの前記他端側から前記一端側に向かって途中までの第1発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データから導出された第1補正値と、前記電源線の配線抵抗と、前記第1発光領域の前記一端側に配置される第2発光領域に含まれる複数の画素回路に係る階調データとに基づいて、第2補正値を導出する演算部と、
    前記画像データと前記第2補正値とに基づく電位を、前記画像信号線に対して付与することで、前記第2発光領域に配置された複数の画素回路、または前記第2発光領域よりも前記一端側に配置された複数の画素回路の電位を設定する電位付与部と、
    前記電源線から各前記発光素子に対して電流を供給することで、各前記発光素子を発光させる制御部と、
    を備えることを特徴とする画像表示装置。
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