JP2009109239A - 超音波流量計 - Google Patents

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【課題】流量域による幅方向の流速分布の影響を受けず、全流量域にわたって安定し高精度な計測を実現できる超音波流量計を提供する。
【解決手段】超音波送受信部の送信部からの送信超音波ビームを、流路内を同時に伝播する受信部までの伝播長が互いに等しい伝播波束であって、流路中央領域を通過する総伝播長が壁面内接領域を通過する総伝播長よりも長くなる第一伝播経路に沿う第一反射波束と、流路中央領域を通過する総伝播長が壁面内接領域を通過する総伝播長よりも短い第一伝播経路とは異なる第二伝播経路に沿う第二反射波束とに変換しつつ受信部に導く反射機構と、受信部が受信する第一反射波束と第二反射波束との合成波形を解析することにより、流路断面内の流量分布情報を、流路中央領域と壁面内接領域とに区分した形で算出する流量分布情報算出手段と、を備えることを特徴とするとして提供可能である。
【選択図】図4

Description

本発明は超音波流量計に関する。
流路を流れる流体は、その流量によって流速分布が異なることが流体力学的に一般に知られている。すなわち、流れが遅い時には、流路幅方向で層流と呼ばれる放物線形状の流速分布を示し、ピークの流速と、平均流速とが異なる分布状態となり、逆に流れが速くなると、徐々にその分布は崩れ、乱流域と呼ばれる流域となり、その時の流速分布は、ピーク流速が平均流速と等しい形状となる、バスタブ形状と呼ばれる流速分布となり、流速分布は流路幅方向で一様に等しい分布状態となる。また層流域では、放物線形状の流速分布形状に若干の相異が発生し、幅方向での流速差は一定ではない。さらに層流域では、ガス種や、流路形状寸法等により、流速分布は異なる分布をとることが一般に知られている。
このように流量域及び、流体の種類や、流路形状寸法等により、流路幅方向での流速分布に差が存在すると、超音波素子によって、流速分布を横切るように超音波を送受信させ、流路を流れる流体を計測する際、流量域によって、計測される平均流速は上述の流速分布の影響を受け、この流速分布の影響により計測した値には誤差が含まれるため、正確な流量を算出できないことになる。仮にこの誤差の影響を補正するにしても、計測している流速分布そのものが把握出来ないので、流量域による流速分布を平均流速として補正することは極めて困難である。
そこで、この影響を低減し、どの流量域でも平均化された流速分布が得られるように、流路内部の幅方向を複数のエリアに分割し、特に層流域で発生する方物線形状の流速分布を平滑化するよう、流路内部に仕切板と呼ばれる部材を配置する流れ計測装置が考案されている(特許文献1参照)。これにより、層流域でも乱流域と同様に平均化された流速分布を計測し扱える事で、正確な流速を算出でき、高精度な流量が算出できる。
特開2005−257363号公報
しかしながら、特許文献1においては、仕切板を流路内部に挿入し、流れに対して抵抗を発生させる形成とすることにより、圧力損失が顕著化してしまう。仮にこの圧力損失を許容できたとしても、製品の固体差、仕切板の組み込み精度、バラツキ、温度因子等による影響を考慮すると、製品の安定性、歩留り等にも寄与する可能性が懸念されるうえ、部品追加によりコスト高となってしまうことは免れない。
上記問題点を背景として、本発明の課題は、流量域による幅方向の流速分布の影響を受けず、全流量域にわたって安定し高精度な計測を実現できる超音波流量計を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するための、本発明の超音波流量計は、被測定流体の流路を形成する流路形成部と、流路形成部に取り付けられるとともに、一方が被測定流体への超音波ビームの送信部となり他方が該超音波ビームの受信部となるよう送受信機能が入れ替え可能に構成された超音波送受信部からなる第一および第二の超音波送受信部と、流路内に設けられ、流路形成部の内部にて各々流路に沿って配置される板状に形成され、流路断面を、流路中央領域と、該流路中央領域の両側にて各々流路形成部の内壁面に接する壁面内接領域とに仕切る、板面が互いに平行となるように配置された複数の反射部材を有するとともに、送信部からの送信超音波ビームを、流路内を同時に伝播する受信部までの伝播長が互いに等しい伝播波束であって、流路中央領域を通過する総伝播長が壁面内接領域を通過する総伝播長よりも長くなる第一伝播経路に沿う第一反射波束と、流路中央領域を通過する総伝播長が壁面内接領域を通過する総伝播長よりも短い第一伝播経路とは異なる第二伝播経路に沿う第二反射波束とに変換しつつ受信部に導く反射機構と、受信部が受信する第一反射波束と第二反射波束との合成波形を解析することにより、流路断面内の流量分布情報を、流路中央領域と壁面内接領域とに区分した形で算出する流量分布情報算出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明は、流路内部に新たに仕切板等の部材を介在させることなく、流速分布が流量域で変化しても、流速分布状態のパターンにより変化する受信波形を、複数の伝播時間との関係から、流速分布パターンに応じて変化する波形データを解析し、流速を算出し流量を求めることが可能な流路構造であり、計測方法を提供するものである。上記構成によって、流量域による幅方向の流速分布の影響を受けず、全流量域にわたって安定し高精度な計測を実現できる。また、互いに異なる2種類の伝播経路となる、流速の遅い部分を集中し多重反射しながら伝播する経路と、流速の早い部分を集中的に多重反射しながら伝播する経路を交差しながら同時に伝播する、互いに異なる2種類の超音波ビームで、互いに異なる流速エリアを伝播する事で、流速分布に寄与する度合が異なる2種類の超音波による受信波形を利用できるので、これら2種類の音波の送受信による受信波形データにおける複数の伝播時間情報及び、電圧情報の解析結果から演算し算出した流速結果に基づいて、流路内を流れる流量による流速分布のパターンを把握し分析することで、流路を流れる流体の流速を正確に算出できるので、流量を比較的高精度に算出することが可能である。
また、本発明の超音波流量計は、流路内の流体の流れ方向と反射部材の板面法線方向との双方に直交する投影方向を考え、当該投影方向と直交する仮想投影面への正射投影にて見たときに、流れ方向における反射部材上の第一伝播経路と第二伝播経路とを規定する各位置に、第一反射波束は反射させ第二波束は透過させる第一種波束制御部と、第一反射波束は透過させ第二波束は反射させる第二種波束制御部とが形成されるように構成することもできる。
上記構成によって、反射部材のみで直接的に、超音波ビームを二分できるので、1組の超音波送受信部から超音波が放射されることで、超音波トランスジューサの送受信特性の固体差、温度、取り付け状態、経時変化による影響は無視でき、長期にわたって安定した高精度な計測が実現できる。
また、本発明の超音波流量計は、第一種波束制御部と第二種波束制御部とが、各々複数の超音波通過孔を分散形成したメッシュ部材にて形成されているように構成することもできる。
メッシュ部材は各分野で利用されていて、低コストで調達が可能である。上記構成によって、超音波の透過率を確実に規定のレベルに安定して確保することができる。また超音波の反射に対してもメッシュ部の材質を、金属及びプラスチック材料等により構成することで、反射面の面精度が確保できるので、超音波の反射係数を安定して高い状態とすることができる結果、長期にわたって安定した超音波ビームの反射特性が確保できる。超音波ビームの透過と反射が常に安定した状態で確保される結果、長期にわたって安定した高精度な計測が可能となる。
また、本発明の超音波流量計は、投影方向を反射部材の幅方向と規定したとき、送信部は、第一反射波束を生じさせる第一超音波ビームと、第二反射波束を生じさせる第二超音波ビームとを発生させるものであり、第一種波束制御部は、反射部材に対し幅方向において第一反射波束のみを反射させる側に偏って形成された第一貫通部であり、第二種波束制御部は、反射部材に対し幅方向において第二反射波束のみを反射させるよう、第一貫通部とは反対側に偏って形成された第二貫通部であるように構成することもできる。
上記構成によっても、簡易な構成で流量域による幅方向の流速分布の影響を受けず、全流量域にわたって安定し高精度な計測を実現できる。
また、本発明の超音波流量計は、受信部が受信する第一反射波束と第二反射波束との合成波形は、送信部による超音波ビームのバースト駆動波形を、流路中央領域と壁面内接領域との流速差による位相差を生ずる形で合成したものであり、流量分布情報算出手段は、合成波形の受信情報に基づいて、第一反射波束と第二反射波束とに対応した2つのバースト駆動波形を同相合成して得られる基準波形からの、位相差に由来した当該合成波形の形状変位を定量することにより、流路断面内の流量分布情報を算出するように構成することもできる。
上記構成によって、流速分布が流量域で変化しても、流速分布状態のパターンにより変化する受信波形を、流量がゼロ(流速がゼロ)の時のデータ(基準波形)と比較し、データを比較したときの時間シフト量および、その時間の方向(進み、遅れ)とのベクトル量を総合的に評価することで、流量による流速分布を推定し、正確な流速を算出できるので、流量を比較的高精度に算出することが可能である。
また、本発明の超音波流量計における流量分布情報算出手段は、合成波形の所定順位のゼロクロス点と、該ゼロクロス点を特定する波形中心線から、波形振幅方向に予め定められた閾値だけ変位した判定線を合成波形が横切る形状判定点との各位置情報に基づいて流量分布情報を算出するように構成することもできる。
上記構成によって、波形振幅がゼロとなるゼロクロス点の他に、ゼロクロス点とは異なる判定線を設定して基準波形と比較することで、より正確に流速分布パターンに応じて変化する波形データを解析し、流速を算出し流量を求めることが可能となる。
本発明に係る超音波流量計の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に、一般住宅用ガスメータ等として用いられる超音波流量計の一実施例の基本構成を示す。この超音波流量計1には、被測定流体GFの流路を形成する流路形成部3と流路形成部3に対し被測定流体GFの流通方向において互いに異なる位置に設けられ、一方が被測定流体GFへの測定用超音波の送出側となり、他方が該測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々測定用超音波として、予め定められた向きへの指向性を有する超音波ビームSW2,SW4を送出可能な対をなす超音波送受信部2a,2bと、流路形成部3内部にて流路に沿って配置される各々板状に形成され、かつ板面法線方向に所定の間隔(例えば平行)ので複数設けられた反射部材31,32とを備えている。そして、送信側となる超音波送受信部2a,2bから送出される超音波ビームSW2,SW4を、反射部材31,32を利用して流路内で多重反射させつつ受信側となる超音波送受信部2b,2aへ導くようにしてある。流路形成部3は例えば金属製である。
また、反射部材31,32を含む流路形成部3と超音波送受信部2a,2bとが流量計本体1Mを構成し、該流量計本体1Mと制御回路部1Eとにより超音波流量計1の全体が構成されている。
制御回路部1Eは、対をなす超音波送受信部2a,2bを、流路上流側に位置する上流側超音波送受信部2a側が送信側となり、流路下流側に位置する下流側超音波送受信部2b側が受信側となる順方向駆動モードと、その逆となる逆方向駆動モードとの間で切り替え可能に駆動する超音波駆動機構4を有する。なお、制御回路部1Eが本発明の流量分布情報算出手段に相当する。
超音波流量計1の流量測定用の流路3Pには、流量測定用ガス(流体)が図示の流れ方向に流通している。流路3Pには、流れ方向下流側に下流側超音波送受信部2bが設けられ、流れ方向上流側に上流側超音波送受信部2aが設けられている。これらの超音波送受信部2a,2bは圧電振動子などからなる超音波振動子を有した超音波トランスジューサであり、駆動電圧の印加により超音波ビームを送出する超音波送出機能と、超音波ビームの受信により電気信号(受信信号)を出力する超音波受信機能とを複合して備えるものである。測定用の超音波ビームは、流路内にて超音波送受信部2a,2b間に定在波を生じないよう、所定波数以下のパルス状に送出される。なお、超音波送受信部2aが本発明の第一の超音波送受信部に相当し、超音波送受信部2bが本発明の第二の超音波送受信部に相当する。
また、測定対象がガスの場合、流路3Pを形成する流路形成部3の軸断面形状は壁部3Jにより閉鎖された空間を形成するものであればよく、例えば、円形状、楕円形状、正方形状、矩形状等のいずれを採用してもよい。本実施形態では、図1に示すごとく流路形成部3は矩形状に形成され、上壁部3Jaに上流側超音波送受信部2aが、また下壁部3Jbに下流側超音波送受信部2bが取り付けられている。つまり、対をなす超音波送受信部2a,2bが、流路形成部3に対し、複数の反射部材31,32群を配列方向に挟む形で振り分けて配置されている。
流路形成部3は、反射部材31,32により、流路中央領域3Wと、流路中央領域の両側にて各々流路形成部の内壁面に接する上部壁面内接領域3C,下部壁面内接領域3C’とに仕切られている。なお、反射部材31,32が本発明の反射機構に相当する。
図2に、流量計本体1Mの断面構造の斜視図を示す。配置送信側となる超音波送受信部(順方向駆動モードでは上流側超音波送受信部2a、逆方向駆動モードでは下流側超音波送受信部2b)から送出される超音波ビームSW4,SW2のうち、超音波ビームSW4は、それら1対の反射部材31,32間に形成される流路中央領域3W内にて多重反射されつつ受信側となる超音波送受信部(順方向駆動モードでは下流側超音波送受信部2b、逆方向駆動モードでは上流側超音波送受信部2a)に導かれる。
すなわち、超音波ビームSW4の伝播経路が、流路中央領域を通過する総伝播長が壁面内接領域を通過する総伝播長よりも長くなる第一伝播経路に相当する。また、超音波ビームSW2は、2つの壁面内接領域3C,3C’内にて多重反射されつつ受信側となる超音波送受信部に導かれる。すなわち、超音波ビームSW2の伝播経路が、流路中央領域3Wを通過する総伝播長が壁面内接領域3C,3C’を通過する総伝播長よりも短い第一伝播経路とは異なる第二伝播経路に相当する。なお、第一伝播経路と第二伝播経路の総伝播長は同一である。
超音波送受信部2aから単一の波束として放射された超音波ビームは、メビーム導入開口部31h1において、通過する超音波ビームSW4と反射する超音波ビームSW2とに分かれる。超音波ビームSW4は、流路中央領域3Wにおいては、ビーム導入開口部31h2,32h2横の非開口部分で反射し、ビーム導入開口部32h1を通過して、超音波送受信部2bで受信される。また、超音波ビームSW2は、上部壁面内接領域3Cの壁面で反射し、ビーム導入開口部31h2,32h2を通過し、ビーム導入開口部32h1の非開口部分で反射して、超音波送受信部2bで受信される。なお、超音波ビームSW4が本発明の第一伝播経路に沿う第一反射波束に相当し、超音波ビームSW2が本発明の第二伝播経路に沿う第二反射波束に相当する。
反射部材31,32には、該反射部材31,32と対向する超音波送受信部2a,2bからの超音波ビームSW4を流路中央領域3Wに導入し、超音波ビームSW4を流路中央領域3Wで多重反射させるためのビーム導入開口部31h1,32h1が形成されている。
また、反射部材31,32には、該反射部材31,32と対向する超音波送受信部2a,2bからの超音波ビームSW2が、各壁面内接領域3C,3C’で多重反射した後に流路中央領域3Wに導入するためのビーム導入開口部31h2,32h2が形成されている。
なお、ビーム導入開口部31h1,32h1および31h2,32h2の形状は、矩形あるいは略半円形の切り欠きでもよいし、貫通形成としてもよい。また、ビーム導入開口部31h1,32h1の形成位置は、流路中央領域内(3W)での超音波ビームの反射回数が各壁面内接領域(3C,3C’)での合計反射回数よりも多くなるように定められる。また、ビーム導入開口部31h2,32h2の形成位置は、流路中央領域3W内を超音波ビームSW2が無反射で通過するように定められる。なお、ビーム導入開口部31h2,32h2部が本発明の第一種波束制御部,第一貫通部に相当し、ビーム導入開口部31h1,32h1が本発明の第二種波束制御部,第二貫通部に相当する。
また、反射部材31,32は、被測定流体(媒質)の音響インピーダンスをZ1とした場合、反射部材の音響インピーダンスをZ2とすれば、境界(反射面)が反射部材31,32であるので、Z1/Z2<<1となるような音響インピーダンスZ2を有した材質を選定すればよい。このようにすれば、反射部材31,32の音響インピーダンスZ2,媒質の音響インピーダンスZ1に比べて充分に大きいので、境界(反射面)をなす反射部材31,32を超音波ビームSW(2,4)が透過することを阻止でき、ほぼ全反射となるため、超音波ビームSWの伝播ロスが少なくなり、高感度な送受信が達成できる。具体的には、音響インピーダンス比Z1/Z2の値は1/10以下であればよく、反射部材31,32の具体的な材質としては、金属、セラミックス、プラスチックスを例示できる。
また、反射部材31,32の厚みは、材料の機械的物性や加工性等を考慮して、0.4mm以上確保されていることが望ましい。また、反射部材31,32の厚みが超音波波長λの1/2に一致していると、図12に示すごとく、共振により反射部材の音波透過率が非常に急峻に増大し、反射がほとんど生じなくなるので、該厚さはλ/2よりも小さいことが望ましい(図12に示す例ではλ/2=約1.25mmであり、反射部材31,32の厚みは1mm以下に設定されていることが望ましいといえるが、λは反射部材31,32の材質により変化するので、適正な厚みの上限は材質に応じて適宜設定されることとなる)。
さらに、反射部材31,32の反射面の表面粗さ(JIS:B0601(2001)に規定された算術平均高さRaを採用する)は、超音波波長λの1/10以下に仕上げられていることが望ましい。これにより、反射面での乱反射による超音波エネルギーのロスが少なくなり、ほぼ全反射するため、超音波ビームの伝播ロスが抑制され、高感度な送受信を実現できる。
図3〜図5に、流量計本体1Mの断面構造の別例の斜視図を示す。図1あるいは図2における、ビーム導入開口部31h1,32h1および31h2,32h2と、これらビーム導入開口部の幅方向の反射部材とを含む領域を、超音波通過孔を分散形成したメッシュ部材(31m1,32m1,31m2,32m2)としたものである。メッシュ部材は、超音波ビームの透過と反射とがほぼ同時に行われ、超音波ビームの透過率と反射率が各々50%となるように、超音波ビームの通過口(超音波通過口)が複数設けられる。超音波通過口は、例えばハニカム状構造をとり、反射部材31,32により区分された各領域(3C,3W,3C’)の境界面における、超音波ビームの反射率と透過率をほぼ等しくすることで、異なる2種類の超音波ビームを流路内部に、互いに異なる経路に伝播させることを可能とする。また、メッシュ部材の全体形状は、矩形状でも円・楕円形状でもよい。
また、ガス種によってメッシュの穴径や割合を変化できるよう、メッシュ部材のみを交換できる構成とすれば、超音波のガス雰囲気中での伝播速度の相異による波長が変化しても、常に透過と反射の割合を等しくできる。更に、メッシュ部材が交換可能な構成として、反射と透過の割合を異ならせ、流速分布の寄与率を変化させるようにしてもよい。
メッシュ部材(31m1,32m1,31m2,32m2)の材質は、面精度及び加工精度が確保でき、反射係数の大きい材料である金属および、プラスチック材料にて構成する。そして、超音波の透過率と反射率とをほぼ同じ割合(例えば50%)になるように、メッシュの穴の寸法精度を、例えば反射有効面積と超音波通過口の全面積比がほぼ等しくなるように設定する。さらに、メッシュ部材を反射部材31,32から取り外し可能な構成とすれば、劣化、ミスト等の付着により透過および、反射の状態が変化した場合には、メッシュ部材を交換することで当初の性能を維持することができる。
図4,図5のように、超音波送受信部2aから単一の波束として放射された超音波ビームは、メッシュ部材31m1において透過音波(超音波ビームSW4)と反射音波(超音波ビームSW2)とに分かれる。超音波ビームSW4は、流路中央領域3Wにおいては、メッシュ部材31m2,32m2で反射し、メッシュ部材32m1を透過して、超音波送受信部2bで受信される。また、超音波ビームSW2は、上部壁面内接領域3Cの壁面で反射し、メッシュ部材31m2,32m2を透過し、メッシュ部材32m1で反射して、超音波送受信部2bで受信される。なお、メッシュ部31m2,32m2が本発明の第一種波束制御部に相当し、メッシュ部31m1,32m1材が本発明の第二種波束制御部に相当する。
図6に、マイコン11のブロック図を示す。マイコン11は、CPU111、ROM112(不揮発性メモリ:EEPROMやフラッシュメモリなどにより記憶内容は電気的に書換え可能)、RAM113、入出力部114および内部バス115を備える。ROM112には制御プログラム112aが記憶されており、CPU111がこの制御プログラム112aを読み出して実行することにより流量算出等が行われる。また、RAM113には流量算出等に必要な測定データ(例えばサンプリングデータ)を記憶するデータ記憶領域113cが設けられる。
図1の時間計測部10は、周知の時計ICあるいはカウンタ回路を含み、順方向駆動モードでの、上流側超音波送受信部2aから発信された超音波ビームSW2,SW4が下流側超音波送受信部2bに到達した際の、超音波ビームSW2,SW4の合成波形のゼロクロス点と形状判定点の時間情報を取得する。
図7を用いて、流量分布情報出力処理について説明する。なお、本処理は制御プログラム112aに含まれ、制御プログラム112aの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、超音波ビーム(SW2,SW4)の合成波形サンプリング開始タイミングが到来したか否かを判定する。そして、サンプリング開始タイミングが到来したと判定された場合(S11:Yes)、サンプリングを開始する(S12)。サンプリングデータはA/D変換部8(図1参照)においてA/D変換される。
図8を用いて、サンプリングのタイミングについて説明する。まず、駆動信号を出力し超音波送受信部2a,2bを駆動してから、受信部で受信される合成波形の電圧レベルが、予め定められた値を上回るまでの時間(受信波の到達時間):tsの、おおよその値を、工場出荷時あるいは超音波流量計の設置時に計測しておく。この場合、例えば通常の動作モードとは異なる試験モードに移行して、超音波ビームを任意のタイミングで発信して(空打ちを行って)受信波の到達時間tsを計測する。
そして、サンプリング開始タイミングは、受信波の到達時間tsから、超音波ビームの受信波束のおおよその時間幅tw(例えば50μs)を差し引いたもの(ts−tw)とする。そして、超音波送受信部2a,2bを駆動するための駆動信号が出力されたときに、例えば、制御回路部1Eに含まれ、水晶発振子を含む発振回路(図示せず)から出力される基準クロック信号をカウントする。カウント値の時間換算値がts−twとなった場合、サンプリング開始タイミングが到来したと判定し、A/D変換によるサンプリング動作を開始する。本構成によれば、超音波ビームの受信波が到来する少し手前からサンプリングを開始することで、サンプリング動作による制御回路部1Eでの消費電流を抑えることができる。また、サンプリングによるデータ量を低減することもでき、データ記憶領域113cの容量を小さく設定することができる。さらに、流速変化が大きい場合でもその変化スピードに対応した計測が可能であるため、高精度で安定した計測が可能である。
図7に戻り、サンプリングデータ(電圧値をA/D変換したもの)がゼロである場合、すなわち超音波ビームの受信波がゼロクロス点を通過した場合(S13:Yes)、そのときの時間データを時間計測部10から取得し、データ記憶領域113cに記憶する(S15)。また、サンプリングデータが予め定められた閾値に一致した場合(S13:No→S14:Yes)も、そのときの時間データをデータ記憶領域113cに記憶する(S15)。
上述のステップS13〜S15の処理を、超音波ビームを受信しなくなるまで(S16:No)継続する。終了条件は、以下のいずれを用いてもよい。
・サンプリングを開始してからの経過時間が、上述のtwを超えた場合。
・サンプリングデータ値が予め定められた値を下回る時間が、予め定められた値を超えて継続した場合。
そして、上述の時間データに基づいて流速差を演算し(S17)、その流速差を用いて流速あるいは流量を計算する(S18)。
図9を用いて、一般的な流量計算について説明する。本発明では、超音波ビームSW4の伝播パスが4次反射による折れ線状となるので、流量Qの計算を以下のようにして行うことができる(各部の寸法は図9に示す記号にて説明する)。まず、反射部材31,32により仕切られる各空間のうち、上部壁面内接領域3C、流路中央領域3Wおよび下部壁面内接領3C’の各高さをh1,h2,h3、断面積をS1,S2,S3とする。また、反射部材31,32の厚みをt、淀み空間2d(図1参照)のオフセット長をL0、超音波送受信部2a,2b(図9では、それぞれトランスジューサ1,2と表記)の取付角度をθとすると、伝播パス長Lは下式により計算される。
L={(h1−t/2)/SINθ
+5・(h2−t)/SINθ+(h3−t/2)/SINθ}+2L0 …(21)
また、反射部材31,32は流路中心軸線に関して上下対称に設けられているので、
h1=h3=h’ …(22)
S1=S3=S’ …(23)
次に、流路中央領域3W以外の三角部を含む流路断面、つまり、上壁部側空間3Cおよび下壁部側空間3C’における流速V’と瞬時流量Q’とを算出する。まず、伝播パスのうち、上壁部側空間3Cおよび下壁部側空間3C’に属する部分の長さL’は、
L’=2・{h’−t/2}/SINθ+L0} …(24)
である。すると、順方向伝播時間T1’は、
T1’=L’/(C+V’COSθ) …(25)
(ただし、Cは被測定ガス中の音速である)
同様に、逆方向伝播時間T2’は、
T2’=L’/(C−V’COSθ) …(26)
従って、上壁部側空間3Cおよび下壁部側空間3C’における流速V’は、
V’=(L’/COSθ)(1/T1’−1/T2’) …(27)
同じく瞬時流量Q’は、
Q’=V’・2S’ …(28)
次に、流路中央領域3Wでの流速:V”と瞬時流量Q”とを同様に算出すると、
伝播パスのうち、流路中央領域3Wに属する部分の長さL”は、
L”=N・{(h2−t)/SINθ} …(29)
(ただし、Nは反射次数(反射回数))
である。すると、順方向伝播時間T1”は、
T1”=L”/(C+V”COSθ) …(30)
同様に、逆方向伝播時間T2”は、
T2”=L”/(C−V”COSθ) …(31)
従って、流路中央領域3Wにおける流速V”は、
V”=(L”/COSθ)(1/T1”−1/T2”) …(32)
同じく瞬時流量Q”は、
Q”=V”・S2 …(33)
以上から、全流量値Qは、流路中央領域3W(S2)と上壁部側空間3Cおよび下壁部側空間3C’(S’+S’=2S’)の各流量の和となるから、
Q=Q’+Q”(V’・2S’+V”・S2) …(34)
として算出することができる。測定される順方向伝播時間T1(T12)と逆方向伝播時間T2(T22)とは、いずれも、上記2つの空間の伝播時間の和(T1’+T1”およびT2’+T2”)である。
上記構成によると、超音波送受信部2a,2b間を超音波ビームSWが直進により伝播する場合と比較して、図9に示すように、反射回数が2回以上に増加する分だけ伝播パス長が折れ線状に増加し、流量測定精度の向上あるいは流量測定のレンジアビリティ拡大に寄与できる。また、同じ伝播パス長であっても、パス形状が折れ線状となることで、対を成す超音波送受信部2a,2bの距離を近づけることができ、装置の小形化にも貢献する。また、反射部材31,32によって流路3Pがその軸断面内にて複数に分割されるが、反射部材31,32は被測定流体GFに対する整流素子としても機能するので、流れの安定化と均一化とを図ることができ、この観点からも流量測定精度の向上に寄与する。特に、反射部材31,32による流路の分割方向に流れを十分均一化することができれば、測定対象となる流れを近似的に二次元流として取り扱うことが可能となり、測定精度向上の観点においてさらに有利となる。
また、図9に示すように、超音波送受信部2a,2bは、多重反射を生じさせるために、超音波送受信部2a,2bの流路形成部3に対する取付角度が大きく設定される。その結果、前述のごとく、各超音波送受信部2a,2bの直近に形成される淀み空間2dが縮小するので、流量測定精度の向上に著しく寄与する。
図10を用いて、流速差の計算について説明する。これは、上記でサンプリング・記憶した超音波ビームの合成波形のサンプリングデータと、予め工場出荷時に取得し記憶させておいた、ゼロ流量時(すなわちゼロ流速時)における受信波形のA/D変換データとの相関関係とによる時間シフト量および、振幅変化(電圧変化)等による受信波形状態の相異による、流速成分の寄与率の影響度を判断し、流速分布差による微妙な変化を解析するとともに、A/D変換から算出された複数の実時間データから得られる到達時間との、2つの分析結果および時間情報から演算し算出される流速値に基づいて、正確な流速を予測し流量を算出するものである。
ゼロ流速時には、2つの超音波ビーム(音波α:SW2,音波β:SW4)、は流路を流れる流体の影響を受けないので、2つの超音波ビームはほぼ同時に受信され、受信された合成波形(音波α+β)の振幅は、音波αあるいは音波βの振幅のほぼ2倍となる。一方、流路を流体が流れる場合には、流体の影響を受けるので、2つの超音波ビームの受信タイミングにズレが生じ、受信された合成波形の振幅は、音波αあるいは音波βの倍とはならない(時間シフトが発生する)。すなわち、合成波形は、超音波ビームのバースト駆動波形を、流路中央領域3Wと壁面内接領域3C,3C’との流速差による位相差を生ずる形で合成されたものである。よって、位相差に由来した当該合成波形の形状変位を定量することにより、流路断面内の流量分布情報を算出することが可能となる。
まず、超音波ビーム受信信号の波形解析データとして、超音波ビーム受信波形(以下、合成波形と称する)の複数のゼロクロス点:t1’,t2’,t3’,t4’,t5’における時間情報(例えば、サンプリング開始時を基準とした経過時間)および、サンプリングデータが予め定められた閾値Vth(スライスレベル)となる形状判定点:t6’,t7’,t8’,t9’,t10’,t11’における時間情報を取得する。
次に、これらの時間情報を、予め工場出荷時等で取得してデータ記憶領域113cに記憶させておいた、流量がゼロ(すなわち流速がゼロ)のときの超音波ビーム受信波形(以下、基準波形と称する)のゼロクロス点:t1,t2,t3,t4,t5における時間情報と、同じ閾値Vthとなる形状判定点:t6,t7,t8,t9,t10,t11における時間情報とを用いてそれぞれ比較し、そのときの両者の時間差である時間シフト量および、その時間の方向(進み、遅れ)との解析データを総合的に判断したデータ結果に基づき、流量分布を推定することで流速を算出し、流量を演算し算出する。
より具体的には、波形の振幅変化による影響が理論的に生じない、ゼロクロス点における合成波形と基準波形の時間差の平均値として、おおよその平均時間シフト量t0を以下のように算出することができる。
t0=(t1’+t2’+t3’+t4’+t5’)/5−(t1+t2+t3+t4+t5)/5
次いで、閾値Vthとなる形状判定点おける合成波形と基準波形の時間差の平均値t1’を以下のように算出する。
t1’= {(t7’−t7)+(t6'−t6)}/2
+{(t8’−t8)+(t7’−t7)}/2
+{(t9’−t9)+(t8'−t8)}/2
+{(t10'−t10)+(t9’−t9)}/2
+{(t11'−t11)+(t10'−t10)}/2
上記t1’は、流速分布を横切る超音波ビームの重ね合わせにより、受信波形(合成波形)の振幅が変化し、その結果、基準波形に対してゼロクロス点あるいは形状判定点における時間が基準波形に対してシフトしたとして、相対的な時間の分だけ遅延として計算した結果である。そして、このtl’とゼロクロス点におけるの平均時間シフト量t0との総和が、流速ゼロと比較したときの流れがある場合での伝播時間量tとなる。即ち、伝播時間量t=t0+tl’として算出される。
無論、閾値Vthを細かく設定し、同様の計算をすることで、さらに精度を上げることができる。
t=t0+tl’+(t2’+・・・)
図11に示すように、中央部の流速の速い位置に寄与するように、エリアB(流路中央領域3W)を優先的に多重反射しながら伝播する音波ビーム(SW4:第一伝播経路,音波経路2,実線)によって算出された流速成分と、トランスジューサ(超音波送受信部2a,2b)に近い高さの上下限位置となり、流速が中央部(流路中央領域3W)に比べて遅いエリアA(上部壁面内接領域3C),エリアC(下部壁面内接領域3C’)を、優先的に多重反射しながら伝播する音波ビーム(SW2:第二伝播経路,音波経路1,破線)によって算出された流速成分との、2種類の互いに異なる経路を伝播し受信側で合成された音波の波形に関する複数の伝播時間量および、受信波形(合成波形)のA/D変換によって算出され、流量ゼロの波形との相関関係とによって演算し算出された結果に基づいて、流速の補正を行うことが可能となる。
例えば、実線のような中心が最大で、中心から対称な速度分布パターン(層流域1での流速分布パターン)の場合の平均流速は、V1=Φ1・Vm1,点線での流速分布パターン(層流域2での流速分布パターン)の場合の平均流速は、V2=Φ2・Vm2のように算出することができる。
ただし、Vm1は第一伝播経路を伝播する(実線部:エリアBを多重反射する)超音波ビームの伝播時間から算出される流路の流速,Vm2は第二伝播経路伝播する(破線部:エリアA,Cを多重反射する)超音波ビームの伝播時間から算出される流路の流速である。また、Φ1,Φ2は、空気中における各層流域での補正係数である。
同様に、ガス種が都市ガス13Aの時、補正係数をそれぞれΦ3,Φ4とすれば、各流速パターンにおける平均流速はV1=Φ3・Vm1’,V2=Φ4・Vm2’として算出できる。このように、ガスの種類で変化する微妙な流速分布の相異に応じて、妥当な補正係数となるよう補正係数を変化させる事で、流速分布に関わらず平均流速を算出し流量を演算し算出することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
本発明の超音波流量計の一例に係る全体構成を示す模式図。 超音波流量計の、流量計本体の内部構造を示す断面斜視図。 流量計本体の断面構造の別例を示す斜視図。 図3に続く、流量計本体の断面構造の別例を示す斜視図。 図4に続く、流量計本体の断面構造の別例を示す斜視図。 マイコンの構成を示すブロック図。 流量分布情報出力処理を説明するフロー図。 サンプリングのタイミングを説明する図。 流量の計算方法を示す図。 流速差の計算を説明する図。 流速の補正の概念を説明する図。 反射部の厚みと超音波透過率との関係をシミュレーションした結果を示すグラフ。
符号の説明
1 超音波流量計
1E 制御回路部(流量分布情報算出手段)
1M 流量計本体
2a 超音波送受信部(第一の超音波送受信部)
2b 超音波送受信部(第二の超音波送受信部)
3 流路形成部
3C 上部壁面内接領域
3C’ 下部壁面内接領域
3P 流路
3W 流路中央領域
11 マイコン
31 反射部材(反射機構)
31h1 ビーム導入開口部(第二種波束制御部)
31h2 ビーム導入開口部(第一種波束制御部)
31m1 メッシュ部材(第二種波束制御部)
31m2 メッシュ部材(第一種波束制御部)
32 反射部材(反射機構)
32h1 ビーム導入開口部(第二種波束制御部)
32h2 ビーム導入開口部(第一種波束制御部)
32m1 メッシュ部材(第二種波束制御部)
32m2 メッシュ部材(第一種波束制御部)
SW2 超音波ビーム(第二反射波束)
SW4 超音波ビーム(第一反射波束)

Claims (6)

  1. 被測定流体の流路を形成する流路形成部と、
    前記流路形成部に取り付けられるとともに、一方が前記被測定流体への超音波ビームの送信部となり他方が該超音波ビームの受信部となるよう送受信機能が入れ替え可能に構成された超音波送受信部からなる第一および第二の超音波送受信部と、
    前記流路内に設けられ、前記流路形成部の内部にて各々前記流路に沿って配置される板状に形成され、前記流路断面を、流路中央領域と、該流路中央領域の両側にて各々前記流路形成部の内壁面に接する壁面内接領域とに仕切る、板面が互いに平行となるように配置された複数の反射部材を有するとともに、前記送信部からの送信超音波ビームを、前記流路内を同時に伝播する前記受信部までの伝播長が互いに等しい伝播波束であって、前記流路中央領域を通過する総伝播長が前記壁面内接領域を通過する総伝播長よりも長くなる第一伝播経路に沿う第一反射波束と、前記流路中央領域を通過する総伝播長が前記壁面内接領域を通過する総伝播長よりも短い前記第一伝播経路とは異なる第二伝播経路に沿う第二反射波束とに変換しつつ前記受信部に導く反射機構と、
    前記受信部が受信する前記第一反射波束と前記第二反射波束との合成波形を解析することにより、前記流路断面内の流量分布情報を、前記流路中央領域と前記壁面内接領域とに区分した形で算出する流量分布情報算出手段と、
    を備えることを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記流路内の前記流体の流れ方向と前記反射部材の板面法線方向との双方に直交する投影方向を考え、当該投影方向と直交する仮想投影面への正射投影にて見たときに、前記流れ方向における前記反射部材上の前記第一伝播経路と前記第二伝播経路とを規定する各位置に、前記第一反射波束は反射させ前記第二波束は透過させる第一種波束制御部と、前記第一反射波束は透過させ前記第二波束は反射させる第二種波束制御部とが形成される請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 前記第一種波束制御部と前記第二種波束制御部とが、各々複数の超音波通過孔を分散形成したメッシュ部材にて形成されている請求項2に記載の超音波流量計。
  4. 前記投影方向を前記反射部材の幅方向と規定したとき、前記送信部は、前記第一反射波束を生じさせる第一超音波ビームと、前記第二反射波束を生じさせる第二超音波ビームとを発生させるものであり、
    前記第一種波束制御部は、前記反射部材に対し前記幅方向において前記第一反射波束のみを反射させる側に偏って形成された第一貫通部であり、前記第二種波束制御部は、前記反射部材に対し前記幅方向において前記第二反射波束のみを反射させるよう、前記第一貫通部とは反対側に偏って形成された第二貫通部である請求項2に記載の超音波流量計。
  5. 前記受信部が受信する前記第一反射波束と前記第二反射波束との合成波形は、前記送信部による超音波ビームのバースト駆動波形を、前記流路中央領域と前記壁面内接領域との流速差による位相差を生ずる形で合成したものであり、
    前記流量分布情報算出手段は、前記合成波形の受信情報に基づいて、前記第一反射波束と前記第二反射波束とに対応した2つのバースト駆動波形を同相合成して得られる基準波形からの、前記位相差に由来した当該合成波形の形状変位を定量することにより、前記流路断面内の流量分布情報を算出するものである請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  6. 前記流量分布情報算出手段は、前記合成波形の所定順位のゼロクロス点と、該ゼロクロス点を特定する波形中心線から、波形振幅方向に予め定められた閾値だけ変位した判定線を前記合成波形が横切る形状判定点との各位置情報に基づいて前記流量分布情報を算出するものである請求項5に記載の超音波流量計。
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