JP2009108864A - 可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体、及び、その圧縮比を動的に変更する方法 - Google Patents

可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体、及び、その圧縮比を動的に変更する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009108864A
JP2009108864A JP2008281516A JP2008281516A JP2009108864A JP 2009108864 A JP2009108864 A JP 2009108864A JP 2008281516 A JP2008281516 A JP 2008281516A JP 2008281516 A JP2008281516 A JP 2008281516A JP 2009108864 A JP2009108864 A JP 2009108864A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
connecting rod
piston
latch
axis
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008281516A
Other languages
English (en)
Inventor
Alvin Henry Berger
ヘンリー バーガー アルビン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ford Global Technologies LLC
Original Assignee
Ford Global Technologies LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US11/930,774 external-priority patent/US7685974B2/en
Priority claimed from US11/931,037 external-priority patent/US7533638B1/en
Priority claimed from US11/930,879 external-priority patent/US7527026B1/en
Priority claimed from US11/931,184 external-priority patent/US7546820B2/en
Priority claimed from US11/930,681 external-priority patent/US7469663B1/en
Application filed by Ford Global Technologies LLC filed Critical Ford Global Technologies LLC
Publication of JP2009108864A publication Critical patent/JP2009108864A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/04Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads
    • F02B75/045Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads by means of a variable connecting rod length
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J7/00Piston-rods
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C23/00Bearings for exclusively rotary movement adjustable for aligning or positioning
    • F16C23/10Bearings, parts of which are eccentrically adjustable with respect to each other
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C7/00Connecting-rods or like links pivoted at both ends; Construction of connecting-rod heads
    • F16C7/06Adjustable connecting-rods
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C9/00Bearings for crankshafts or connecting-rods; Attachment of connecting-rods
    • F16C9/04Connecting-rod bearings; Attachments thereof

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

【課題】迅速な圧縮比の調整が可能であって、エンジンの通常運転時にコネクティング・ロッドに加えられる過大な周期性荷重によって破壊されたり、又は効果が相殺されることのない可変圧縮比エンジンを提供する。
【解決手段】可変圧縮比エンジン14のピストン26及びコネクティング・ロッド18組立体は、コネクティング・ロッド18のロッド穴24内に保持される偏心ジャーナル外周部48を有する偏心ブッシュ28を含む。偏心ブッシュ28は、コネクティング・ロッド18に対するピストン26の高さを変更すべく、二つの回転位置の間で回転され、圧縮比が変更され得る。ラッチ50は、コネクティング・ロッド18の外部のオイル流90、91によって作動される。ラッチ50は、フランジ板58における楕円の孔60、62にはまる、先端がテーパー状のボルト54、56を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は概して、エンジン作動中に、内燃機関(エンジン)における気筒内の圧縮比が調整される可変圧縮比エンジンに関連する。 より具体的には、本発明は、エンジンの圧縮比を動的に変化させるピストン及びコネクティング・ロッド組立体に関連する。
ガソリン・エンジンにおいて、圧縮行程において生成される最大圧力には限界が存在し得る。 混合気が加圧されて、所定時間にわたってその温度が所定限界値を上回るときには、その混合気は(点火プラグ等による)点火前に自己着火する。 圧縮による自己着火は、好ましくないノイズが引き起こされると共に、エンジンに機械的なダメージを与える場合があるが、この圧縮自己着火が行われない状態では、エンジンの最大燃焼効率は最大燃焼圧力において達成される。 如何なるエンジン速度であってもエンジン高出力が要求されるときには、大量の混合気がエンジン内に供給される必要がある。 より大量の混合気をエンジン内に供給すべく、スロットル開度を増大することによって、或いは、ターボチャージャー又はスーパーチャージャーを使用することによって、吸気マニフォールド圧が増大されることがあり、これらによってエンジンの吸気圧が増大され得る。
しかしながら、既に最大燃焼効率/最大吸気圧にて運転しているエンジンにとっては、ターボチャージャー及びスーパーチャージャーによって吸気圧を増加させることは、燃焼圧が上昇し過ぎることになり、それによって自己着火が引き起こされ、これに伴って、しばしばノッキングと呼ばれる異常燃焼音が発生することがある。 エンジンが既にノッキング限界近傍の燃焼圧にて運転しているときに、更なる出力増加が要求されるならば、点火タイミングを最も効率が良いタイミングより遅角する必要がある。 この点火タイミングの遅角は、エンジン燃焼効率の悪化をもたらすと共に、より多くの燃焼熱がエンジンに伝達されてしまう。
それ故、エンジン設計者は全ての運転モードに対して、一つの圧縮比を選択しなければならないというジレンマが存在している。 高圧縮比は、低負荷運転時には最適な燃料効率をもたらすことになるものの、高負荷運転時には、自己着火を回避すべく、点火タイミングは遅角される必要がある。 これは、高負荷運転時の燃料効率悪化、出力低下、及び、エンジンに伝達される燃焼熱の増加を引き起こす。 その反対に、低圧縮比は、一般的にエンジンの運転サイクルの大部分を占める低負荷運転時において、エンジン燃焼効率の悪化を引き起こす。
上述の好ましくないジレンマを回避するために、過大な高出力要求という一時的なニーズを満たすべく、ターボチャージャー又はスーパーチャージャーの作動中は常時、エンジンの圧縮比を動的に低減する概念が、先行技術によって知られている。 このように、圧縮比可変技術を使用することによって、エンジンの圧縮比は、エンジン低負荷運転時の燃焼効率を向上すべく、(ターボチャージ・モード/スーパーチャージ・モードではない)自然吸気モードにおいて、最大/ピーク圧に設定され得る。 その一方で、エンジンの高負荷運転が要求される場合(例えば登坂路での急加速時)においては、圧縮比は、ターボチャージャー又はスーパーチャージャーの作動によって引き起こされる吸気圧増加に適合すべく、迅速に低減され得る。 如何なる場合においても、圧縮に起因するノッキングは回避され、エンジンの最大燃焼効率が維持される。
エンジンの動的な可変圧縮比を達成するために、種々の取組みが提案されている。 例えばSAAB(サーブオートモービル・アクチボラグ:スウェーデン国トロルハッタン)は、2000年のジュネーブ・モーター・ショーにて、可変圧縮比エンジンの出展を行なっている。 このSAABのエンジンは、モノブロック・シリンダー・ヘッド、及び、それとは分離したクランクシャフト/クランクケース組立体から構成される。 モノブロック・シリンダー・ヘッドは、枢軸によって、クランクシャフト/クランクケース組立体に連結されていて、僅かな(例えば4°)相対移動が許容され、その移動は油圧アクチュエータによって制御される。 そのSAABのエンジンの機構は、クランクシャフトの中心線とシリンダー・ヘッドとの間の距離を変更可能にする。
動的な可変圧縮比を達成するための他の取組みは、長さが実質的に伸長/短縮するコネクティング・ロッドを含む。 そのコネクティング・ロッドは、回転可能なクランクシャフトに往復動ピストンを連結している。 コネクティング・ロッドの長さ調整を実現する多数の構成の中で、幾つかにおいては、コネクティング・ロッドの小端部とピストンとの間が、偏心配置されたピストン・ピンによって連結された構成が提案されている。 偏心配置されたピストン・ピンによる連結例は、特許文献1乃至特許文献3の少なくとも何れかに記述されている。
米国特許第2,427,668号明細書 米国特許第4,687,348号明細書 米国特許第4,864,975号明細書
コネクティング・ロッドを伸長又は短縮する全ての先行技術の取組みにおける著しい欠点は、高速周期にて切り替わる圧縮モード及び引張モードに起因して、コネクティング・ロッドがその影響を受けることにある。 例えば、コネクティング・ロッドを伸長させて、圧縮比を増大するのが望ましいときに、コネクティング・ロッドが高い軸圧縮荷重を受けていると、大きな駆動力が必要とされる。 これは、今日の高効率エンジン、及び、顧客の高い期待には適合し得ない、複雑で非効率な機構及び構成をもたらす。 従って、迅速な圧縮比調整が可能であって、エンジンの通常運転時にコネクティング・ロッドに加えられる過大な周期性荷重によって、破壊されたり又は効果が相殺されることのない可変圧縮比エンジンが必要とされている。
本発明は、第一軸を中心軸とするピン穴を有するピストン、そのピストン穴の中に設けられるピストン・ピン、及び、クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッドを備える可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体を提供することによって、先行技術にて発見された不利点及び欠点を克服する。
コネクティング・ロッドのピストン側上端は、ピン穴の第一軸に平行な第二軸を中心軸とするロッド穴を含む。 偏心ブッシュは、コネクティング・ロッドに対してピストンが関節運動を行なうために、ピストン・ピンとロッド穴とを枢動可能に相互連結する。 偏心ブッシュは、ピストン・ピンを収容する穴、及び、ロッド穴の中で支持される偏心ジャーナル外周部を含む。 偏心ブッシュは、エンジンに動作可能に配設されたときに、ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更すべく、第一軸とコネクティング・ロッドのクランク側下端との間の空間変位をもたらすように、コネクティング・ロッド穴に対して回転可能に構成される。 アクチュエータは、瞬間的な駆動力を生成すべく、選択的に励起可能とされる。 ラッチは、その瞬間的な駆動力に応答して、偏心ブッシュが少なくとも二つの回転位置の一つに固定されるラッチ位置と、偏心ブッシュがコネクティング・ロッドに対して自由に移動可能となるラッチ解除位置との間を移動する。
更に、本発明はここに、アクチュエータとラッチとの間に動作可能に配設される空動き連結具を備える。 空動き連結具は、偏心ブッシュとコネクティング・ロッドとの間にてラッチをラッチ位置にて係止する支配的なせん断荷重に応じて、アクチュエータをラッチから機能的に切断する。 更に、空動き連結具は、支配的なせん断荷重が所定限界値を下回るときに、アクチュエータをラッチに自動的に再連結する。 それらによって、空動き連結具は、ラッチが、ラッチを損傷することなく、ラッチ位置にて係止状態に維持されるときに、アクチュエータが瞬間的な駆動力を生成し、そして、その後の所定タイミングにてラッチをラッチ解除位置に自動的に移動するのを可能にする。
本発明の空動き連結具の機構は、種々の圧縮モード及び引張モードの周期的性質を利用する。 その周期的性質によって、コネクティング・ロッドは、エンジン作動中において、瞬間的な駆動力のタイミングに依存しない(ちょうどよい)ときに、ラッチ及びラッチ解除を可能にすべく移動を行なう。 従って、アクチュエータは、エンジンが圧縮比の変更を要求するときに、瞬間的な駆動力を与えることになる。 しかし、ラッチは、すぐにはラッチ解除されることがなく、コネクティング・ロッド(すなわち、クランクシャフトとピストンとの間)の長さが自動的に変更されるのにちょうどよいときに、即ち所定の時間経過の後にラッチ解除される。
本発明の別の観点に従って、エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体の圧縮比を変更する方法が提供される。 本発明の方法は、クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッドを提供する工程と、ピストンを提供する工程と、コネクティング・ロッドのピストン側上端と偏心ブッシュとを枢動可能に相互連結する工程とを備える。 本発明の方法は、ピストンをコネクティング・ロッドに対して空間的に移動させるべく、偏心ブッシュを選択的に回転させ、それによって、エンジンにおけるクランク駆動による往復運動時に、ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更する工程を更に含む。 本発明の方法はまた、コネクティング・ロッドに対して離間した二つの位置の何れかにて、ピストンを保持すべく、ラッチ位置に移動可能なラッチを提供する工程と、ピストン及びコネクティング・ロッドが相互に自由に伸長可能なラッチ解除位置に移動させるべく、ラッチを選択的に付勢する工程とを含む。 本発明の方法はまた、エンジンにおけるクランク駆動による往復運動時に、コネクティング・ロッドが周期的な圧縮モード及び引張モードに設定される工程を含む。
本発明の方法は、ラッチ解除位置に移動させるべく選択的に付勢する工程のときに、コネクティング・ロッドが圧縮モードと引張モードとの間の移行状態にあるときまで、ラッチをラッチ位置にて一時的に移動不可能にする工程によって特徴付けられる。 それによって、ラッチは、ラッチを選択的に付勢する工程の後に、ラッチ位置にて係止状態に維持されるものの、コネクティング・ロッドが圧縮モードから引張モード、又は、引張モードから圧縮モードに移行するときに、ラッチ解除位置に自動的に移動する。
本発明の明細書においてここに説明するように、ラッチは、コネクティング・ロッドが圧縮モードから引張モードに、又は、引張モードから圧縮モードに移行するまで、ラッチ解除位置に移動することがない。
図面を参照すると、ガソリン・エンジン(内燃機関)の概略図が、図1の14にて示されている。 エンジン14は、一般的な主軸受(不図示)に回転可能に支持されるクランク・シャフト16を含む。 18に概略的に示されるコネクティング・ロッドは、クランク・ピン穴軸Cの周りを回転可能に、クランクシャフト16に連結されるクランク側下端20を有する。 コネクティング・ロッド18は、クランク側下端20から長手方向に離間して、平行軸Bを中心軸とするロッド穴24を支持するピストン側上端22を含む。 26に概略的に示されるピストンは、43に概略的に示されるピストン・ピンによって、コネクティング・ロッド組立体17のピストン側上端22に、枢動可能に連結される。 ピストン・ピン43は、コネクティング・ロッド組立体17に対するピストン26の関節運動を提供する。 ピストン26は、下死点(BDC)及び上死点(TDC)の間にて変位すべく、シリンダー30内を往復ストローク方向に案内され、それら上死点及び下死点の離間距離がピストン26及びコネクティング・ロッド組立体17のストローク長として規定される。 シリンダー30は、この図の例においては、シリンダー・ヘッド32によってその上部が覆われている。 このシリンダー・ヘッド32には、周知の方法によって吸気通路36及び排気通路38を通過する気流を制御するオーバーヘッド・カム34が設けられる。 点火プラグ40は、ピストン26、シリンダー・ヘッド32、及びシリンダー30の間の空間に形成された燃焼室の内部に露出された点火プラグ下端を含み、周知の原理に従って空気と燃料の圧縮混合気に点火し得る。
偏心ブッシュ28は、ピストン26及びコネクティング・ロッド組立体17によって生成される圧縮比を、動的に(すなわち、迅速に)変化させるのが可能となるように構成される。 より具体的には、偏心ブッシュ28は、好ましい実施形態において、ピストン・ピン・ブッシュ42が取り付けられる穴を有し、そのピストン・ピン・ブッシュ42は今度はピストン・ピン43を支持する。 ピストン・ピン43は、ピストン・ピン・ブッシュ42と、ピストン26のピストン・ピン穴44とを連結する。 典型的には、ピストン・ピン穴44は、ピストン26に一体成形されるピストン・ピン・ボス46内に形成されるものの、他の構成もまた採用され得る。 ピストン26におけるピストン・ピン穴44は、その中心軸が、クランク・ピン穴軸C及びロッド穴24の第二軸Bの両方と常に平行する第一軸Aを通る。 偏心ブッシュ28は、ロッド穴24内に支持された偏心ジャーナル外周部48を更に含む。 偏心ジャーナル外周部48は、偏心ブッシュ28が偏心ジャーナル外周部48の周りに回転するときに、空間変位(すなわち、角変位)がクランク・ピン穴軸C及び第一軸Aの間で行われるように、ピストン・ピン・ブッシュ42及びピストン・ピン43に対してオフセットされている。 この現象は、図3及び図20にて最もよく表されており、そこにおいて、偏心ブッシュ28がコネクティング・ロッド18に対して、例えば約32°回転することによって、ピストン26の高さが数mm(ミリメートル)変化されることが示されている。 具体的な空間変位の値は、具現化するときに変更可能な設計基準のようなものであることを理解すべきである。
クランク・ピン穴軸Cに対するピストンの高さの変化は、それがエンジン14に動作可能に配設されるときに、ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更する。 換言すると、上死点(TDC)において、ピストン26のクラウンとシリンダー・ヘッド32との間の空間は、偏心ブッシュ28を適切に関節にて連結することによって、変化される。 言うまでもなく、押しのけ容積が一定であるならば、TDCにおける燃焼室容積が小さくなることは高い圧縮比をもたらし、逆にTDCにおける燃焼室容積が大きくなることは低い圧縮比をもたらす。 このように、コネクティング・ロッド18に対して偏心ブッシュ28を単に回転することによって、エンジンが作動しているときに、圧縮比が変動され、可変圧縮比エンジンに起因する利点及び性能改善を達成し得る。
この圧縮比変更の特徴の一例として、図13は、標準的な3.5リットルV型6気筒エンジンのストローク長が86.7mmであると仮定して、コネクティング・ロッド組立体17の3mm(推奨値)の伸長によって起こり得る変化を示す。
コネクティング・ロッド中心線Dは、クランク・ピン穴軸Cとロッド穴24の第二軸Bとの間を長手方向に延びる仮想線(一点鎖線)として定義される。 図1を参照しつつ、図3を参照することによって、ピストン穴44の第一軸Aは、コネクティング・ロッド中心線Dから、常に水平方向にオフセットされることに気付くであろう。 換言すると、本発明の好ましい構成において、偏心ブッシュ28がコネクティング・ロッド18に対して回転してるときには、第一軸Aは、コネクティング・ロッド中心線Dと一致又は交差することは不可能である。 この状態は、後で詳述するように、ねじりモーメント(回転トルク)が、コネクティング・ロッド組立体17の長さをその低圧縮設定と高圧縮設定との間で変更するのに、最大限利点に使用され得るため、好ましい。 しかしながら、本発明の新規な特徴は、高圧縮比設定と低圧縮比設定との間の移行時に第一軸Aがコネクティング・ロッド中心線Dと交差し得る構成においても、実施される場合があること認識される。
それにもかかわらず、好ましい実施形態においては、第一軸Aと第二軸Bとの間の水平方向距離(すなわち、コネクティング・ロッド中心線Dの垂直方向における距離)は、所定の諸元を有するピストンの高さ調整を、極めて狭い範囲での角度調整によって達成し得るために、十分大きなものである必要がある。 本発明のこの観点は、図20及び図21に関連して、後で詳述される。
ラッチ50は、他の圧縮比設定への変更のために瞬間的な駆動力(以下、作動インパルスという)によって作動されるまでは、低圧縮比及び高圧縮比のいずれに調整された位置においても偏心ブッシュ28を堅固に保持するように、設けられる。 広義の意味では、ラッチ50は、作動インパルスに応答して、ラッチ解除位置(偏心ブッシュ28が、コネクティング・ロッド18に対して、自由に回転可能)とラッチ位置(偏心ブッシュ28及びコネクティング・ロッド18が、周方向に離間した二つの位置(すなわち図3(a)又は(b))の何れかに固定される)との間で移動する。 ラッチ50は、図5(b)ではラッチ解除位置にて示され、図4、図5(a)、及び図6ではラッチ位置にて示されている。 52にて概略的に示されるアクチュエータは、必要な作動インパルスを供給し得る。 アクチュエータ52はまた、コネクティング・ロッド18のピストン側上端22に支持される。
アクチュエータ52は更に、電子制御モジュールでの演算によって判定されるような要求、或いは、所定状態に対する条件反射(例えば、スタータ・モータ作動、ターボチャージャー作動又は作動停止、及び/又は、スーパーチャージャー作動又は作動停止)によって判定されるような要求が存在するときには、選択的に励起され得る。 換言すると、特定イベント又は特定状態が、アクチュエータ52を選択的に励起するように構成される。
その励起時には、ラッチ50をそのラッチ位置からラッチ解除位置に移動させる、或いはその反対に移動させるべく、作動インパルスが供給され得る。
ラッチ50の機構をより具体的に考慮して、本発明の目的を達成するのに適する実施形態の一例が、添付する図面にて表される。
しかしながら、本技術分野における当業者は、種々の代替構成、及び、部品の配置を認識し、それによって、本発明の特許請求の範囲から得られる技術思想のように動作するラッチを考案するであろう。
図2、図4、及び図6を参照すると、ラッチ50が上側ボルト54及び(上側ボルト54から離間して設けられる)下側ボルト56を含むのが示されている。
上側ボルト54は、偏心ブッシュ28を、少なくとも二つの円周方向位置の第一位置に固定する一方で、下側ボルト56は、偏心ブッシュ28を、その少なくとも二つの円周方向位置の第二位置に固定する。
この例において、偏心ブッシュ28は、各々上側ボルト54及び下側ボルト56を収容するための二つの孔60及び62を有するフランジ板58を含む。
ボルト54及び56は、コネクティング・ロッド18のピストン側上端22において、(ボルトの)軸方向に摺動可能に支持される。
アクチュエータ52によって変位されると、所定タイミングにて、ボルト54及び56は、フランジ板58に形成された各々の孔60及び62の一方に択一的に係合され、それによって偏心ブッシュ28をコネクティング・ロッド18に対して堅固に固定する。
上側の孔60は、コネクティング・ロッド組立体が図3にて示される低圧縮比位置にあるときに、偏心ブッシュ28の角度調整状態をロックするのに使用される。 図4及び図5(a)にて、上側ボルト54は上側の孔60に係合され、低圧縮比又は短縮されたコネクティング・ロッド組立体17の構成が示される。 しかしながら、ラッチ50が、下側ボルト56が下側の孔62に係合すべく、図6に示すように操作されるとき、偏心ブッシュ28は、図3(b)に示すように、高圧縮比位置に角度調整される。 このように、ドアの錠組立体の一部として動作するデッドボルト(dead bolt)に多少類似するように、上側ボルト54及び下側ボルト56は、フランジ板58における各々の孔60及び62に係合するように動かされ、偏心ブッシュ28はコネクティング・ロッド18に対してロックされる。
空動き連結具が、フランジ板58とコネクティング・ロッド18との間の支配的なせん断荷重に応じて、アクチュエータ52をラッチ50から機能的に切断するように、アクチュエータ52と上側ボルト54及び下側ボルト56との間に動作可能に配設される。 再び図4を参照すると、ラッチ50は、低圧縮比位置に完全に固定されているのが示され、これは、ターボチャージ・モード又はスーパーチャージ・モードでの運転時に期待され得る。 高出力要求が解除されれば、ターボチャージャー/スーパーチャージャーを作動停止して、エンジン14を、より経済的な高圧縮比設定に戻すのが好ましい。 このように、アクチュエータ52は、作動インパルスを供給すべく励起され、図5(a)の例においては、アクチュエータ・カム64は、その作動インパルスによって、約60°反時計回りに回転される。 しかしながら、アクチュエータ52が励起(すなわち回転)されたとしても、フランジ板58が上側の孔60に完全係合しているので、上側ボルト54はロックしている状態を維持し、それによって、偏心ブッシュ28が低圧縮比状態にロックされ続けることに留意すべきである。 このように、高圧縮比設定に変更するための指令がなされたとしても、ラッチ50は、そのラッチ位置において、フランジ板58とコネクティング・ロッド18のピストン側上端22との間に存在する支配的なせん断荷重によって係止状態が維持される。 支配的なせん断荷重は、ピストン・ピン43を介して偏心ブッシュ28に作用する、コネクティング・ロッド17における圧縮力又は膨張力によって生成され、それは、コネクティング・ロッド18の小端部のロッド穴24よりも、(コネクティング・ロッド中心線Dに対して)水平方向にオフセットされる。
図12は、コネクティング・ロッド中心線Dに沿う方向に測定される、コネクティング・ロッド18によって加えられる典型的な軸方向荷重(単位:ニュートンN)を示すグラフである。 コネクティング・ロッド組立体が圧縮行程及び膨張行程を経ているときに、最初に圧縮されてその後膨張する燃焼ガスによって高い圧縮荷重が加えられる。 しかしながら、移行が排気行程の略中間段階で起こり、そこにおいて、主としてピストンの急減速に起因する慣性荷重のために、コネクティング・ロッド18によって加えられる軸方向荷重が、圧縮荷重から引張荷重に変化する。 軸方向荷重は、吸気行程の略中間段階で、圧縮荷重に再び戻る移行が行なわれる。 コネクティング・ロッド中心線Dに沿う荷重がゼロになる移行ゾーンは、取り囲み破線によって、図12に示されている。 従って、図5(a)には、コネクティング・ロッド18に対する、コネクティング・ロッド中心線Dに沿う(圧縮荷重又は引張荷重の何れであっても)支配的なせん断荷重が示され、そのせん断荷重は、上側の孔60内に上側ボルト54を実質的に係止する又は締め付ける偏心ブッシュ28を介して作用する。
しかしながら、図5(b)は、せん断荷重(或いは、図12に示されるようなコネクティング・ロッド18への荷重)が移行ゾーン及びゼロ荷重モーメントを経る時点を表す。 この時点にて、空動き連結具が自動的にアクチュエータ52とラッチ50との連結を解除し、ラッチ50(とりわけ上側ボルト54)がラッチ解除位置に移動することによって、偏心ブッシュ28とコネクティング・ロッド18との間の自由な相対運動が可能となる。
更に、図6に示すように、下側ボルト56が、下側の孔62に挿入するように同時に付勢され、それによって、コネクティング・ロッド組立体を高圧縮比設定(図3(b)に示される長さ調節状態)にロックする。
空動き連結具は、ラッチ50がラッチ位置にて係止状態に維持されるときに、アクチュエータ52が、ラッチ50を損傷することなくその作動インパルスを生成するのを可能にする。 空動き連結具はまた、その後の適切なときであるが、コネクティング・ロッド18に対するピストン26の高さが変化する前に、ラッチ50を自動的に移動する。 具体的に図12を参照しつつ、換言すると、アクチュエータ52は、クランク角運動の720°にわたる(すなわち、エンジン14の一サイクルの全四行程における)如何なるときにおいても作動され得る。 しかしながら、コネクティング・ロッド中心線Dに沿う方向の荷重がゼロ若しくはゼロ近傍である何れかの移行ゾーンのときに、高さ変更(すなわち圧縮比調整)を開始することが、極めて好都合である、或いは望ましい。 このように、空動き連結具は、ラッチ50をラッチ解除位置に動かす指令を、フランジ板58とコネクティング・ロッド18との間のせん断荷重がほぼゼロに到達するまで、実質的に遅延する。
空動き連結具は、多数の異なる形態を取り得るものの、ここに表された典型的な実施形態は、図4乃至図7、及び、図11に最も良く示されている。 これらの例において、空動き連結具は、伸縮自在に構成されて上側ボルト54に当接される上側フォロワ66、及び、伸縮自在に構成されて下側ボルト56に当接される下側フォロワ68を含むことが示される。 アクチュエータ・カム64は、上側フォロワ66及び下側フォロワ68に乗り上げて、それらを選択的に動かす。 内側付勢部材(例えば圧縮ばね)70は、それら二つの部材を互いに離間する方向に常時付勢するように、各々のボルト54及び56とフォロワ66及び68との間に動作可能に設けられる。 小ピン72が、付勢部材70をその作動位置に移動制限して係止すべく、ボルト54及び56に形成されたスロット74内にて係止され、フォロワ66及び68によって支持される。 外側付勢部材76は、それに対応するボルト54及び56と共に、ラッチ解除(収縮)位置に向けて、各々フォロワ66及び68を常時付勢するように、各々のフォロワ66及び68とコネクティング・ロッド18との間に作用する。 上側フォロワ66及び下側フォロワ68の軸方向の移動、及び、その結果生じるとともに付勢部材70及び76に伝達される圧縮エネルギーは、アクチュエータ52の回転位置を、その両端位置にて安定させ、全ての中間位置において不安定にさせるように構成される。 このように、アクチュエータ52の回転は、電灯用スイッチにおけるトグル・レバーに類似の方法で行なわれるであろう。 これは、アクチュエータ・カム64の表面を適切に構成することによって、達成される。 一例として、仮にアクチュエータ52が、図5(a)に示す位置から時計回りに僅かに回転するならば、アクチュエータ・カム64は、下側フォロワ68を右側に僅かに移動させた後に、下側フォロワ68が図4に示すように左側に移動するのを許容するように、その形状が設定される。
この右側への僅かな移動は、付勢部材70及び76の圧縮エネルギーを増加させるので、その終端位置から僅かに回転させるためには、アクチュエータ52に一定値以上の回転トルクを加える必要がある。 図5(b)に示すように、アクチュエータ・カム64に再度接触するときに、アクチュエータ52の回転安定性は更に増大する。 アクチュエータ52の回転安定性は、エンジンの通常運転時にて加速度が加わったときに、アクチュエータ52の僅かな慣性アンバランス、又は、その他の僅かな製造誤差が、アクチュエータの自然回転を確実に引き起こさないために、極めて重要である。 図示された構成において、上側ボルト54及び下側ボルト56は、各々の孔60及び62の中にて自由に回転し、孔の中にてボルトが如何なる回転位置にあったとしても、所望のラッチ機能が可能となるように構成される。 すなわち、ボルト54及び56のテーパー端は円錐形状であって、アクチェータ・カム64に接触するフォロワ66及び68の表面は球形状である。 仮にラッチが孔の中で回転が阻止される構成であれば、フォロワ66及び68のアクチュエータ・カム64への接触面を筒形状に構成し、そして、ボルト54及び56のテーパー端をテーパー状平面に構成することによって、接触応力を低減することが可能になる。
図2及び図3に最も良く示され得るように、偏心ブッシュ28のフランジ板58には、第二軸Bをその弧の中心とする弧状スロット78が設けられる。 弧状スロット78は、コネクティング・ロッド18の一部と重なり、そこから延びる止めピン80を動作可能に挿入する。 換言すると、止めピン80は、コネクティング・ロッド18の側面から延び、弧状スロット78内にて係止される。 フランジ板58の回転移動は、そのフランジ板58が止めピン80の何れかの側面に当接するため、弧状スロット78の長さによって、実質的に制限される。 このようにして、コネクティング・ロッド18に対する偏心ブッシュ28の回転移動は、この弧状スロット78及び止めピン80の配置によって制御され得る。 弧状スロット78の両端位置は、各々、上側ボルト54及び下側ボルト56に対する孔60及び62の位置に合わせられており、偏心ブッシュ28が、ボルト54及び56が各々孔60及び62に係合するのに必要とされるよりも僅かに大きい回転を許容する。 止めピン80は、エンジン速度が高いときに圧縮比の切換えが行なわれ、偏心ブッシュ28が高速で切換わる(すなわち回転する)ときに、止めピン80が移動端での(すなわち弧状スロットの端部との)衝撃を吸収して少なくともその一部を減衰し得るように、所定の弾性特性及び減衰特性を有する場合があり、それによって止めピン80が低い速度にて跳ね返るときに、ボルト54又は56はフランジ板58をロックするように係合し得る。 止めピン80は、代替実施形態が可能であるものの、図23に示すような、固有の弾性特性及び減衰特性を有するらせんコイル・ピンを含むロール・ピン80’としてここに表される。
弾性力を有する止めピン80がその適切位置から移動しないように、止めねじ82が使用され得る。
図14乃至図17は、弾性緩衝器(止めピン80)、及び、ボルト54、56のテーパー状先端が、エンジン速度が高いときに、偏心ブッシュ28に係止してロックすべく、どのように調和されるのかを示している。 これらの図は、一連の部分前面図、及び、それに対応する断面図を表す。 図14において、偏心ブッシュ28のフランジ板58は、コネクティング・ロッド18、止めピン80、及び上側ボルト54のテーパー状先端に対して、上方に移動中の状態にて示されている。 上側ボルト54をフランジ板58に押圧する内側付勢部材70によって、ばね荷重(F)が生成される。 フランジ板58における上側の孔60は、十分に上方に移動するまでは、上側ボルト54は左側に移動不可能である。
図15は、フランジ板58における弧状スロット78が止めピン80に衝突するときの、変位の進行状態を表す。 上側ボルト54はその後、上側の孔60の内側に移動すべく、押し進められる。 テーパー面によって、(同図(b)の断面図に示されるように)例え上側の孔60が極端に上方移動していたとしても、上側ボルト54は、上側の孔60に係合されるように移動を開始する場合がある。
一連の進行に引き続いて、図16は、止めピン80の減衰特性によって、低い跳ね返り速度(上側ボルト54に対するフランジ板58の相対速度)にて、止めピン80から跳ね返ったフランジ板58を示す。 この段階において、上側の孔60はボルトのテーパー状先端の上側面に当接する。 このテーパー状先端の上面は、フランジ板58が止めピン80に衝突して止めピン80から跳ね返っている間にわたって上側ボルト54に作用するばね荷重(F)のために、上側の孔60の奥底にて少なくとも部分的に係合する。 ラッチ50が良好な規格及び公差で製造されるならば、エンジンの次の燃焼サイクルの間フランジ板58を保持するためには、部分的な噛合いで十分である。 その後、フランジ板58のせん断荷重が再び上方に反転するときに、上側ボルト54に作用するばね荷重(F)は、図17に示すように、テーパー状先端を完全にテーパー状の孔60に噛合うように動かすことになる。
従って、図14乃至図17を参照することによって理解され得るように、ラッチ50とは別個の部材として設けられる止めピン80は、ピストン26がそれらの離間した位置の間を移動するときに、フランジ板58とともに慣性衝撃に起因して発生する応力からラッチ50を隔離するために、ある回転位置から他の回転位置への回転(すなわち切換え)時に、偏心ブッシュ28の動きを規制するのに有益である。
再び図12を参照すると、圧縮比の変更要求が、アクチュエータ52を作動する作動インパルスによってなされるときには、ラッチ50が図示されている何れかの移行ゾーンにてコネクティング・ロッド中心線Dに沿う荷重がゼロに近接或いは到達するまで、そのラッチ位置に維持される。 これら移行ゾーンのいずれが、エンジンの運転サイクルの最初に起ころうとも、各々のボルト54及び56は、対応する孔60及び62との係合状態が自動的に解除されることになる。上述したように、これは、低圧縮比設定から高圧縮比設定に移行する例に関して、図5(b)にて示される。
このように、エンジンが低圧縮比設定にて運転している図4の例において、高圧縮比設定に戻るための要求が、作動インパルス(例えば、アクチュエータ52及びアクチュエータ・カム64の図5(a)に示される位置への回転)によって行われ得る。 しかしながら、例えば、低圧縮比設定から高圧縮比設定への変更要求が、クランク角360°のポイント(すなわち、排気行程と吸気行程との間の上死点)にて起こるならば、コネクティング・ロッド18は引張モードとなるであろう。 クランク角約440°あたりで次の移行ゾーンに入った瞬間に、コネクティング・ロッド18は圧縮モードに移行することになる。
この例における好ましい圧縮比変更は、低圧縮比から高圧縮比であり、これはコネクティング・ロッド18が実質的に伸長する必要があることを意味する。 しかしながら、圧縮荷重が、ここでコネクティング・ロッド18に加えられ、クランク角約280°あたりで次の移行ゾーンに到達するまで維持されることになる
この状況において、コネクティング・ロッド組立体は、吸気行程の残り期間、及び、圧縮行程及び膨張行程の全ての期間にわたって、図5(b)のラッチ解除位置に維持され、次の移行ゾーンが280°あたりに到達するときに、単に図6の位置に移動することになる。 この圧縮モードにおいて、 ラッチ50は、フランジ板58から完全にラッチ解除され、弧状スロット78と止めピン80との間の相互作用によって、せん断荷重抵抗を完全に受け止めて、偏心ブッシュ28を低圧縮比位置に保持する。 同様の事柄が、高圧縮比位置から低圧縮比位置に移行するときに起こり得るものの、この場合におけるラッチ解除と再ラッチとの間の時間差は、エンジン運転サイクルの排気工程及び吸気工程における移行ゾーン間隔の狭さによって示されるように、比較的小さい。
図8乃至図10において、本発明のこの典型的な実施形態に従うアクチュエータ52が、より詳述されている。 アクチュエータ・カム64は、コネクティング・ロッド18のピストン側上端22から延びたボス84に対して回転可能に保持されるアクチュエータ52によって制御される。 ボス84は、第一軸A及び第二軸Bに直交して、好ましくは第二軸Bに交差する回転軸Eを構築するスタブ・シャフトを形成する。 この典型的な実施形態において、アクチュエータ52は、図9及び図10に概略的に示すように、加圧されたオイル流に応答する一対のパドル86及び88を支持する。 動力伝達手段(例えばオイル流91)は、パドル86に作用するときに、アクチュエータ52は、コネクティング・ロッド組立体17の低圧縮比設定への切換えをもたらす、図9に示す位置に回転させられる。 高圧縮比設定に切換えるのが好ましいときには、別のオイル流90が、図10に示す位置に反時計回りに回転させるべく、パドル88に向けられる。 このように、図10は、高圧縮比設定におけるアクチュエータ52の向きを示す。 低圧縮比設定に切換えるのが好ましいときには、オイル流91が、図10に示すようにパドル86に向けられ、そのパドル86は、アクチュエータ52を、図9の向きに戻るように時計回りに回転することになる。 パドル86及び88の何れかに作用するオイル流90及び91に起因するこのアクチュエータ52の往復運動は、アクチュエータ・カム64を、図4に示す位置と図6に示す位置との間で移動させる。 これらの図に示すように、カウンターウェイト92が、釣り合いをとる手段として、アクチュエータ・カム64の反対側にて、アクチュエータ52に支持される場合がある。
オイル流90及び91とパドル86及び88との間の動力伝達を最大化するためには、各々のパドル86及び88の先端をカップ状に形成するのが好ましい。 他の設計形状及び特徴が可能であるものの、図9及び図10に示す形状は、単なる平面のパドル形状に比べて、オイル流90及び91からの動力を増大させることになる。
容易に利用可能であって、静かであって、衝撃音がなく、そして、クランクシャフトの何れの回転位置においてもアクチュエータに動力を伝達可能であるために、オイル流90が、アクチュエータ52に作用する好ましい動力伝達手段として例示されているものの、他の手段及び装置が置換され得ることが企図されている。 例の一つとして、コネクティング・ロッドの外部に設けられたソレノイド又は他のサーボ機構が、機械部材を、シリンダー30内を移動するピストン26の底部近傍にてパドル86及び88と接触するように、位置決定するのに使用される場合がある。 衝撃音が発生する可能性があるために、この圧縮比切換え方法は、エンジン始動時に行なわれる低速クランキングの間のみ、行なうのが好ましい。 可能性のある事項の一つとして、エンジン始動シーケンスの開始時に、自動車の燃料タンク内のセンサが、燃料内のエタノール含有量を測定し、燃料のオクタン価が推定される場合がある。 エンジンをクランキングしているときに、適切なサーボが、エンジンを、エタノール含有量が多い燃料の場合には高圧縮比設定に、或いは、エタノール含有量が少ない燃料の場合には低圧縮比設定に切換えるように、作動され得る。 他の概念もまた、採用される場合がある。
アクチュエータ52に駆動力を伝達する動力伝達手段として、オイル流90及び91、ソレノイド・アーマチュア、或いは、他の機械式、電気機械式、又は油圧機械式の装置が選択されるか否かに関係なく、動力伝達手段の好ましい実施形態は、コネクティング・ロッド18によって生成される慣性力が動力伝達手段に影響を及ぼさないように、コネクティング・ロッド18の加速場(acceleration field)から機械的に分離される。 本技術分野の当業者によって理解されるように、コネクティング・ロッド18は、エンジン14の運転サイクルが加速されるときに、慣性力を生成する。 偏心ブッシュによって長さを調整する従来の全てのコネクティング・ロッドは、コネクティング・ロッド内に配管された油圧オイル通路を必要とする。 コネクティング・ロッド内を通過するオイルは、コネクティング・ロッドの加速によって、直接的に影響を受ける。 油圧オイルの媒体を介して伝達される動力は、コネクティング・ロッドが(油圧オイルが流れる方向とは)反対方向(すなわち下方)に加速しているときには減少し、同一方向(すなわち上方)に加速しているときには実質的に増加する。 仮に油圧オイルの中に気泡が含まれるならば、とりわけ複数のオイル通路内のオイル流が時系列に制御されて、種々の相関するラッチ機構を作動する場合には、予測不可能な反作用が起こり得る。 例えば、従来のエンジンが、100mmのストローク長、及び、コネクティング・ロッド内に150mmのオイル通路長を有するものと仮定すると、6000RPM(回転/分)において、TDC及びBDCにおけるオイル通路の一次加速度は19,739m/s(メートル毎秒毎秒)と計算される。 そのオイル通路内のオイルの密度が0.9g/cm(グラム毎立方センチメートル)であると仮定すると、オイル通路の一端と他端との間の圧力差は27.2kg/cm(キログラム毎平方センチメートル)<換言すると386psi(ポンド毎平方インチ)>となる。 従来のエンジンが二本のオイル通路を備え、ラッチ機構を作動するために、コネクティング・ロッドの小端部(ピストン側上端)において圧力差を必要とする一方で、オイル・エアレーションの差、又は、一本のオイル通路における金属製ロック・ピンの存在のために、二つのオイル通路が異なる容積を有するならば、ラッチ機構の信頼性のある機能を達成するために、コネクティング・ロッドの大端部(クランク側下端)において、極めて大きい圧力差が必要とされることになる。
しかしながら、動力伝達手段(例えばオイル流90及び91)がコネクティング・ロッド18の加速場から機械的に分離される本発明の格別な利点は、ラッチ50を最終的に作動させる信号が、コネクティング・ロッド18の加速度によって影響を受けないことにある。 従って、アクチュエータ52は、それが動かされるときには、コネクティング・ロッド18によって生成される慣性力から実質的に独立して動く。
本発明を実施する方法は、上述した説明、及び、種々の機械的部材の間の相互関係から理解されるであろう。
再び図3及び図20に戻ると、コネクティング・ロッド組立体17がその短縮位置(低圧縮比設定:図3)から、伸長位置(高圧縮比設定:図14)に回転する際の、第二軸Bに対する第一軸Aの調整角度を説明すべく、寸法関係を説明する基準線が付加されている。 図20は、図21に示す従来の偏心ブッシュとの比較を具体的に表している。 図20及び図21の両方は、効果的なコネクティング・ロッドの長さ変化(一例として3mm)を与えるためには、どの程度まで(角度的に)偏心ブッシュが回転する必要があるのかを、大幅に拡大された縮尺にて示している。
図20に示す本発明の偏心ブッシュ28は、ピストン・ピン43の第一軸Aと、偏心ブッシュ28の外径の中心である第二軸Bとの間に、約5.5mmの適度なオフセットを有する。 両端位置の間での偏心ブッシュ28の回転は、ピストン・ピン43を、第二軸Bの基準高さよりも実質的に±1.5mm移動させるので、この実施例における偏心ブッシュの総回転角度は、約32°である。 これは、偏心ブッシュ28を回転させるために、ピストン・ピン43に作用する力に、大きな有効モーメント・アームを与える。 この大きな有効モーメント・アームは、コネクティング・ロッド18の膨張/圧縮荷重が(図12に示すような)ゼロ点を横切った直後に偏心ブッシュ28が回転し始めるのを可能にするため、有利である。 大きなてこ作用が、コネクティング・ロッドの膨張/圧縮荷重が偏心ブッシュ28を比較的容易に回転させるので、偏心ブッシュは、コネクティング・ロッド18の軸方向荷重が大きくなる前に、迅速に他端側まで移動(回転)することになる。 そしてその結果、弾性緩衝器(止めピン80)に対する衝撃が最小化され、その衝撃によるノイズ及び潜在的ダメージも同様に最小化される。
大きな有効モーメント ・アームを有することの潜在的な不利点は、高圧縮比又は低圧縮比でのエンジンの通常運転時に、コネクティング・ロッド18における通常の周期性荷重は、偏心ブッシュ28に大きな周期性トルクを生成し、ロック・ピン(すなわちボルト54及び56)にこれらの高い周期性トルクに対して抵抗させることにある。 仮にボルト54及び56が、それらに係合する孔60及び62に、隙又は遊びを備えて挿入されるのであれば、その隙又は遊びは、コネクティング・ロッド18における軸方向荷重が引張荷重と圧縮荷重との間で切換わる度に、一端から他端に移動されることになる。 また、ボルト54及び56が十分な長さ及びモーメント・アームを有していないならば、そのせん断荷重は、ロック・ピン(すなわちボルト54及び56)のせん断強度を超える場合がある。
従って、ボルト54、56の孔60、62への噛合い面において、隙又は遊びを完全に除去するために、上側ボルト54及び下側ボルト56の先端は、表面仕上げ、潤滑性能、及び、摩擦係数に影響を及ぼす他の要因に応じて約5乃至15°ほど、僅かにテーパー状に形成され、孔60及び62の各々においても、補足的にテーパーが形成される。 ボルトと孔との間のテーパー面は、ボルトと孔との間のバックラッシュを低減すべく、自動調芯機能を提供する。 ボルト54及び56には、それらが完全に噛み合っている場合であっても、ボルト54及び56を孔60及び62に付勢するばね荷重が(内側付勢部材70によって)常に残るように、軸方向に十分な移動距離が与えられる。 ボルト54及び56は、孔60及び62を有するフランジ板58がボルト54及び56に大きな有効モーメント・アームを与えて、それによって偏心ブッシュ28のトルク荷重を受け止めるので、第二軸B(偏心ブッシュ28の回転軸)から、可能な限り(径方向に)離間して配置される。
テーパー状のボルト54及び56がばねによってテーパー状の孔60及び62に係合するとき、テーパー効果は、孔の開口上端をボルト54及び56の先端よりも実質的に大きくする。 これは、孔60、62とボルト54、56との間の相対速度が大きいときに、噛合い初期における二つの部材の間の大きさの差が、孔がボルト54、56とずれて移動するのではなく、ボルト54、56が孔60、62内に軸方向に移動するために利用できる時間が増大することを意味する。 従って、ボルト54及び56は、偏心ブッシュのフランジ板58が止めピン80から跳ね返り、そしてテーパー状の孔60及び62がボルト54及び56に跳ね返るまでに、孔60及び62と実質的に軸方向に噛み合う必要がある。
相対的に、従来構造は、テーパー状のボルト又は止めピン、或いは、テーパー状の孔を使用しないが、その代わりに、孔と止めピンの直径及び位置に、極めて厳しい公差が要求される。 孔が止めピンに向かってそれらの軸心が一致した状態で移動するときに、止めピンは、孔を支持するフランジ板に傾斜を設けることによって、噛合い部分に向かって所定の軸方向速度を達成するのが可能とされる。 例えば、孔の手前側における材料厚は、孔の奥側における材料厚よりも小さい。 このように、ピンが孔にそれら軸心が一致した状態で挿入されるときに、その軸方向位置は十分な深さを有し、そのピンは、材料がより厚い孔の奥側に接触する。 孔の奥側にぶつかると同時に、ピンは、それが孔の奥側から跳ね返るときに、材料がより薄い手前側がピンに接触し跳ね返りの動きを止めることになるべく、孔の中を十分な深さで移動するように、その軸方向の動きを継続するものと考えられる。 しかしながら、孔の直径とピンとの間にはごく僅かの隙間しか存在しないために、ピンは、例え孔の奥側にぶつかっているとしても、奥まで係合して軸方向に移動するのを継続することが見込まれる。 奥側での一番目の衝撃と手前側での二番目の衝撃(奥側から跳ね返った後)との間の回転角及び時間は極めて小さい。
図18は、ボルト54及び56に関する概略的な示力図を表す。 図18は、偏心ブッシュのフランジ板58からせん断荷重が存在するときに、ボルト54及び56に作用する力を示す。 ボルト先端と孔との間のテーパー面において、テーパー状の先端をテーパー状の孔60及び62から押し出そうとする軸方向の荷重(F1 AXIAL)が生成されるものの、摩擦もまたその接触面に与えられる。 せん断荷重は、ボルトに作用する軸方向のばね荷重に比べて極めて大きいので、摩擦だけで確実に、ボルト54及び56を孔60及び62から押し出そうとする軸方向の荷重(F1 AXIAL)に対して、ボルト54及び56を十分に保持することは、有益である。
必ずしも必要ではないものの、好ましくは、孔60及び62は、その長軸が、第二軸B(すなわち、コネクティング・ロッド18のピストン側上端22におけるロッド穴24内での偏心ブッシュ28の回転軸)に関する径方向に一致する楕円形状を有する。 これは、軸心が完全一致していない場合であっても、ボルト54及び56が各々の孔に完全に噛み合うのを可能にする。 しかしながら、場合によっては更に重要なことに、孔60及び62の楕円形状は、ボルトと孔との間の接触が、二つの正反対の接触ラインに沿って生じ得る状態を生成する。 これらの接触ラインは、二つの部材の間の動作自由度と同じ作用ラインにおいて、せん断応力を、ボルト54及び56の中心を通過するように向け、それによって、非常に大きなせん断強度を提供する。 図19は、より明瞭化すべく、拡大された縮尺にて、この原理を表す。 楕円形状の孔を備える好適な構成を示す同図(a)において、ボルト54及び56が、それらに係合する孔60及び62よりも大きな径方向寸法を備えているものの、ボルトが孔の平面に接触し、接触面の法線が二つの部材の間の動作自由度の方向と一致しているのが示される。 接触面を介してボルトに伝達される荷重Fは、拘束ねじり荷重Fτと同一である。 円形状の孔を備える従来構造を示す同図(b)において、ボルトがまた、それらに係合する孔よりも大きな径方向寸法を備えているものの、接触面の法線が二つの部材の間の作動自由度の方向と一致していないのが示される。
拘束ねじり荷重Fτとボルトに伝達されるせん断荷重Fとの間の荷重方向のずれは、拘束ねじり荷重よりも大きいせん断荷重をボルトにおいてもたらす。 上述の別の方法(楕円形状の孔60及び62)は、ボルト54及び56の側面(すなわち第二軸Bに軸心が一致する径方向面)が孔の曲面部に接触するのを防止し、それによって、拘束ねじり荷重とボルト54及び56に伝達されるせん断荷重との間の荷重方向の如何なる好ましくないずれをも防止する。 好ましい実施形態においてはそうなっていないものの、仮に孔60及び62の曲面部からの荷重伝達が許容されるならば、これらの荷重に伴う応力は、ボルト54及び56の構造的一体性を損なう可能性がある。
ここで具体的に図21を参照すると、従来構造においては、ピストン・ピン軸Aと回転軸を構築する偏心ブッシュの外径中心Bとの間に、極めて小さいオフセット距離を有する。 小さいオフセット距離によって、従来構造の偏心ブッシュは、コネクティング・ロッドの長さを同じだけ変更するために、大きな角度にわたって回転する必要がある。 図21は、総回転角が160°であることを示しているものの、それは単なる一例である。 従来構造の種々の変形例における実際の角度は、僅かに大小する場合がある。 しかしながら、重要なことは、全ての従来構造においては、回転の両端位置にて、偏心ブッシュの位置が、コネクティング・ロッドの軸方向荷重が、偏心ブッシュに関して僅かな有効モーメント・アームしか有さないように設定されることである。 これは、従来構造の偏心ブッシュが本発明におけるそれよりも小さく形成され得ると共に、ラッチ機構がエンジンの通常運転時(すなわち偏心ブッシュが一つの位置にロックされるとき)に極めて大きな荷重を支える必要がないので、最初は有利に思われる。 また、従来技術のラッチにおいて、ピンと孔との間に隙が幾らか存在するならば、偏心ブッシュを少し回転させたとしても、コネクティング・ロッドの全長は実質的に変化しない。 しかしながら、この従来構造の不利点は、コネクティング・ロッド組立体の長さを切換えるときに現れる。 完全に係合解除されるラッチ機構を備えていたとしても、偏心ブッシュはその回転の端部位置から容易には移動しないであろう。 ゼロ荷重ポイントを交差した後に、軸方向の荷重はコネクティング・ロッド組立体上で生成されるので、偏心ブッシュの外径は荷重のほぼ全てを支え、その表面における摩擦は、小さい有効モーメント・アームによって生成される小さいトルクに抵抗し、この段階では偏心ブッシュの回転が行なわれない。 コネクティング・ロッドのクランク側下端(大端部)が横向きに移動するときに、それはコネクティング・ロッドの回転をもたらし、偏心ブッシュにトルクを生成する。 そして最終的には、偏心ブッシュは、偏心ブッシュの回転を加速させるべく、(現時点では大きな)有効モーメント・アームに作用するコネクティング・ロッドの軸方向荷重にとって十分なだけ回転する。 しかしながら、コネクティング・ロッドにおける軸方向荷重が相当レベルに増大するときまでには、そして、コネクティング・ロッドの長さが変化するとき、極めて大量の利用可能なエネルギーが、偏心ブッシュを回転させる。 移動の反対端でのラッチ・ピンは、その後、全ての運動エネルギーを吸収する必要があり、そして衝撃によってダメージを受けたりノイズを発する場合がある。
それに反して、本発明は、コネクティング・ロッドにおけるほんの少しの軸方向荷重によって、容易かつ迅速に切換え得る。 そして、移動(偏心ブッシュの回転)端での衝撃の総エネルギーは、大幅に低減され得る。 本発明においては、迅速な切換時間もまた、角加速度ベクトル(すなわち、ピストン・ピン軸A周りの回転加速によって生成される加速場)の効果的な使用によって増大される。 この機構は、後で詳細に記載され得る。
図22は、ラッチ50及びアクチュエータ52の機構に作用する支配的な加速場(或いはベクトル)を示す。 ラッチ50及びアクチュエータ52の機構は、上述したように、僅かに異なった位置に存在する幾つかの移動可能部材から構成される。 しかしながら、好ましい実施形態において、これら移動可能部材の全ては、コネクティング・ロッド18のピストン側上端22について、十分に細かくグループ化され、そのグループの中間における加速度ベクトルの解析的評価が、有益な結果をもたらすことになる。 従って、このことを説明するためには、スタブ・シャフト軸E(上側ボルト54の中心線と下側ボルト56の中心線との中間)に沿う一点のみを考慮することで十分である。 そのような仮想ポイントは、図4乃至図6に示すような、ラッチ50とアクチュエータ52の機構を通過する平面上に存在することになる。
図22から、ピストン・ピン43がシリンダー30内にて上下に往復動するときに、コネクティング・ロッド18のクランク側下端(大端部)20は、クランクシャフトの回転軸F周りに回転することが理解され得る。 換言すると、略平面運動を行なうコネクティング・ロッド18は、従来のスライダー・クランク機構におけるリンクのように、移動させられる。 コネクティング・ロッド18のピストン側上端22を直線ストローク方向に移動することと、クランク側下端20を回転軌道にて移動することを同時に行なうことによって、複数の加速度ベクトルがピストン側上端22において生成される。 これらの加速度ベクトルは、往復ストローク方向の加速度ベクトル94、第一軸A周りに延びる角加速度ベクトル96、及び、第一軸Aから径方向に延びる遠心加速度ベクトル98を含む。
ストローク方向の加速度ベクトル94は、シリンダー・ボア30の軸に常に平行であり、それ故、コネクティング・ロッドに対して向きが変化する。 ピストン26に作用する加速度ベクトル94は、ピストン26に対してその往復ストローク方向に作用する燃焼ガスの圧力荷重と共に、ラッチ50がそれを可能にするときにコネクティング・ロッド18の長さ変化を起こすべく、コネクティング・ロッド18内に軸方向荷重を生成する。 このストローク方向の加速度ベクトルに実質的に合わせるべく、長さ変更機構の自由度を有するのが好ましいが、場合によっては必要とされる場合もある。 しかしながら、ラッチ50が、この加速度ベクトル94によって生成される荷重、或いは、エンジンの通常運転時に与えられる他の如何なる荷重のために、ラッチ解除する傾向があるのは好ましくない。
コネクティング・ロッド18のピストン側上端22において、コネクティング・ロッド18全体をピストン・ピン軸Aの周りに前後に揺動させるクランク側下端(大端部)20による左右方向への運動のために、角加速度(96にて示す)による影響もまた存在する。 コネクティング・ロッド組立体の一部である基準点において、各加速度96によって生成される荷重は、ピストン・ピン軸Aから所望ポイントに延びる径方向直線に対して垂直であり、ピストンの上死点位置と下死点位置においてはゼロ荷重とされつつ、正の値から負の値に変化する。
コネクティング・ロッド18がピストン・ピン43周りに前後に揺動するときに、遠心加速度ベクトル98もまた所望ポイントに存在する。 遠心加速度ベクトル98は、常に第一軸Aから径方向外側に向き、アクチュエータ52のスタブ・シャフト軸Eを通過する。 遠心加速度ベクトル98の大きさは極めて小さく、そして、ゼロから正の値に変化し、(ピストン・ピン43に対して径方向内側に向けて)負の値になることはない。
単気筒の仮想エンジン14において、コネクティング・ロッド18のピストン側上端22に作用する全ての関連加速度ベクトルは、図22に示される単一平面に含まれる。 前後(すなわち、クランク軸に対してZ軸方向)に向かう荷重が存在しないとともに、X軸周りにエンジンをピッチングさせる傾向があるモーメントも発生することがない。 言うまでもなく、ピッチングは、ノーズ・ダウンかつテール・アップとノーズ・アップ且つテール・ダウンを繰り返す振動である。
ボルト54及び56の自由度が、前後方向(すなわち、Z軸方向に一致する方向)のみであり、ボルト54及び56をラッチさせる傾向のあるアンバランスな加速荷重が発生することがない。 アクチュエータ52の自由度は、X軸に略平行であるスタブ・シャフト軸E周りの回転方向のみである。 単気筒の仮想エンジン14が、ピッチング偶力(pitching couple)もヨーイング偶力(yawing couple:前部が左側に変位かつ後部が右側に変位と、前部が右側に変位かつ後部が左側に変位を繰り返す振動)も生成することがないので、単気筒での通常運転にて、アクチュエータ52を回転させ得る如何なる加速度ベクトルの発生をも防止出来る。 しかしながら、このような目的では、アクチュエータ52のバランスを、動的及び静的の両者にて、適切に取ることが有益である。 静的なアンバランスは、カウンターウェイト92が重すぎて或いは軽すぎて、アクチュエータ・カム64の質量を相殺することが出来ない状況を引き起こすことになる。 仮にアクチュエータ・カム64が適切な重量よりも重い又は軽い場合には、上下ストローク方向の各々の加速度94は、アクチュエータ52を回転させる傾向がある。 動的なアンバランスは、カウンターウェイト92が、アクチュエータ・カム64の位置と比較して、ピストン・ピン43に離間或いは近接しすぎた状況を引き起こすことになる。
角加速度ベクトル96において、加速度の大きさは、回転軸Aからの距離に比例し、従って、カウンターウェイト92がピストン・ピン43から離間しすぎるならば、カウンターウェイト92とアクチュエータ・カム64との間のアンバランスな荷重は、コネクティング・ロッド18の各々の角加速度と共に、アクチュエータ52を回転させる傾向がある。
言うまでもなく、多気筒エンジン14において、アンバランスなピッチング偶力及びヨーイング偶力が生成され、これらのアンバランスなピッチング偶力及びヨーイング偶力は、ラッチ50及びアクチュエータ52の機構における幾つかの移動可能な部材の一つ又は複数の自由度と一致し得る。 しかしながら、多気筒エンジンにおけるピッチング偶力及びヨーイング偶力は、エンジンのパワートレイン構造の慣性によって受け止められ、その結果に起因して、ラッチ50及び/又はアクチュエータ52の機構への好ましくない加速度が、上述したような単気筒エンジン14において生成される加速度よりも、その大きさが数桁小さくなる。
従って、コネクティング・ロッド18によってエンジン14の実際の使用時に生成される関連荷重及びモーメントの何れか又は全ては、ラッチ50又はアクチュエータ52における全ての移動可能な部材が、各々のストローク方向の加速度ベクトル94、角加速度ベクトル96、及び遠心加速度ベクトル98に対して略垂直な方向のみへの移動が妨げられるため、意図に反して動くラッチ50又はアクチュエータ52の何れにも影響を及ぼすことはないであろう。
上述した発明は、関連法定基準に従って記述されているので、記載内容は、権利範囲を限定すべきというよりは寧ろ、例示にすぎない。 記述された実施形態に対する変形及び修正は、本技術分野における当業者にとって明らかであり、本発明の範囲内に含まれ得る。 従って、本発明に与えられる法的保護の範囲は、特許請求の範囲の記載のみに基づいて決定され得る。
本発明に従う可変圧縮比エンジンにおける運転のために設けられるピストン及びコネクティング・ロッド組立体の概略図である。 本発明に従うコネクティング・ロッド組立体の斜視図である。 (a)は、概して図2の3−3線に沿うコネクティング・ロッドの一部断面図、及び、それに重ね合わせた典型的なピストンの断面図である。(b)は、(a)と同様であるものの、ピストンの高さが(a)との比較によって示される、伸長状態であって高圧縮比設定のコネクティング・ロッドの断面図である。 概して図3の5−5線に沿うアクチュエータ及びラッチの機構の断面図である。 (a)は、図4と同様であるものの、コネクティング・ロッドが高圧縮比設定又は高引張モードの何れかにあるときの、作動インパルスが加えられるラッチを示す断面図である。(b)は、(a)と同様であるものの、コネクティング・ロッドが、圧縮モードから引張モード、又は、引張モードから圧縮モードに移行するときの、自動的にラッチに再連結するアクチュエータを示す断面図である。 概して図4の6−6線に沿うアクチュエータ及びラッチの機構の断面図である。 破線にて変位状態が示されるアクチュエータを備えた、本発明に従うコネクティング・ロッドのピストン側上端の斜視図である。 概して図4の8−8線に沿うアクチュエータ及びラッチの機構の断面図である。 概して図3の9−9線に沿う、低圧縮比設定であるものの、オイル流によって加えられた作動インパルスによって高圧縮比設定に切換えているコネクティング・ロッドの概略図である。 図9と同様であるものの、概して図4の10−10線に沿う、高圧縮比設定であるものの、オイル流によって加えられた作動インパルスによって低圧縮比設定に切換えているコネクティング・ロッドの概略図である。 本発明に従うラッチの分解組立図である。 4サイクル(又は行程)ガソリン・エンジンにおける、コネクティング・ロッドにて実行される周期性の圧縮モード及び引張モードを示すグラフである。 高圧縮比状態及び低圧縮比状態でのエンジン運転における、圧縮比と最小すきま容積とを対比するグラフである。 (a)は、エンジンの高速運転時に確実にラッチが行なえるように協働するような、テーパー状のボルト及び止めピンを示す一部前面図である。(b)は、(a)と対応すると共に、エンジンの高速運転時に確実にラッチが行なえるように協働するような、テーパー状のボルト及び止めピンを示す断面図である。 (a)は、エンジンの高速運転時に確実にラッチが行なえるように協働するような、テーパー状のボルト及び止めピンを示す一部前面図である。(b)は、(a)と対応すると共に、エンジンの高速運転時に確実にラッチが行なえるように協働するような、テーパー状のボルト及び止めピンを示す断面図である。 (a)は、エンジンの高速運転時に確実にラッチが行なえるように協働するような、テーパー状のボルト及び止めピンを示す一部前面図である。(b)は、(a)と対応すると共に、エンジンの高速運転時に確実にラッチが行なえるように協働するような、テーパー状のボルト及び止めピンを示す断面図である。 (a)は、エンジンの高速運転時に確実にラッチが行なえるように協働するような、テーパー状のボルト及び止めピンを示す一部前面図である。(b)は、(a)と対応すると共に、エンジンの高速運転時に確実にラッチが行なえるように協働するような、テーパー状のボルト及び止めピンを示す断面図である。 せん断荷重が偏心ブッシュのフランジ板から加えられたときに、ボルトに作用する荷重を概略的に示す断面図である。 (a)は、本発明のラッチにおける、それに係合する孔よりも大きな径方向寸法を有する伸長可能なボルトである。(b)は、(a)と同様であるものの、典型的な従来のラッチにおける、その接触面の法線が、二つの部材の間の動作自由度の方向とずれている、伸長可能なボルトである。 本発明に従う偏心ブッシュを回転させることによって達成される、ピストンの高圧縮比設定及び低圧縮比設定を示す二つの回転位置の何れかにおける、第一軸と第二軸との空間的関係を示す図である。 図20と同様であるものの、典型的な従来構造において、同等なピストンの高さ調整を達成するために、偏心ブッシュが広角度にわたって回転されることを示す図である。 エンジンに動作可能に設けられるときに、第一軸を垂直に通過する仮想軸に沿って延びる上下ストローク方向の加速度ベクトル、第一軸A周りに延びる角加速度ベクトル、及び、第一軸から径方向に延びる遠心加速度ベクトルを含む加速度ベクトルとして、ピストン側上端にて発生する、典型的な複数の加速場(又はベクトル)を備えるコネクティング・ロッドを示す側面図である。 コイル・ピン式の別の止めピンの斜視図である。
符号の説明
14、エンジン
18、コネクティング・ロッド
24、ロッド穴
26、ピストン
28、偏心ブッシュ
43、ピストン・ピン
48、偏心ジャーナル外周部
50、ラッチ
52、アクチュエータ
54、56、ボルト
58、フランジ板
60、62、孔
66、68、フォロワ
78、弧状スロット
80、止めピン
90、91、オイル流

Claims (94)

  1. 可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体であって、
    第一軸を中心軸とするピン穴を有するピストン、
    上記ピン穴の中に設けられるピストン・ピン、
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッド、
    上記ピストン・ピンと上記コネクティング・ロッドのピストン側上端に設けられたロッド穴とを相互連結する偏心ブッシュ、
    瞬間的な駆動力を生成すべく、選択的に作動されるアクチュエータ、
    上記瞬間的な駆動力に応答して、上記偏心ブッシュが少なくとも二つの回転位置の一つに固定されるラッチ位置と、上記偏心ブッシュが上記コネクティング・ロッドに対して自由に移動可能となるラッチ解除位置との間を移動するラッチ、及び、
    上記アクチュエータと上記ラッチとの間に動作可能に配設される、ロスト・モーションの可能な空動き連結具、を備え、
    上記ロッド穴は、上記ピン穴の上記第一軸からオフセットされ上記第一軸に平行な第二軸を中心軸とするもので、
    上記偏心ブッシュは、上記第一軸に沿って、上記ピストン・ピンを収容する穴、及び、上記ロッド穴の中で支持される偏心ジャーナル外周部を含み、
    上記偏心ブッシュは、エンジンに動作可能に配設されたときに、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更すべく、上記ピストンと上記コネクティング・ロッドとの間の空間変位をもたらすように、回転可能に構成され、
    上記空動き連結具は、上記偏心ブッシュとコネクティング・ロッドとの間にて上記ラッチを上記ラッチ位置にて係止する支配的なせん断荷重に応じて、上記アクチュエータを上記ラッチから機能的に切断し、上記支配的なせん断荷重が所定限界値を下回るときに、上記アクチュエータを上記ラッチに自動的に再連結し、
    それらによって、上記空動き連結具は、上記ラッチが、上記ラッチ位置にて係止状態に維持されるときに、上記アクチュエータが上記瞬間的な駆動力を生成し、その後の所定タイミングにて上記ラッチを上記ラッチ解除位置に自動的に移動するのを可能にする、ピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  2. 上記ラッチは第一ボルト及び第二ボルトを含み、
    上記第一ボルトは、上記偏心ブッシュを、上記少なくとも二つの回転位置の第一位置に固定し、
    上記第二ボルトは、上記第一ボルトとは離間して設けられ、上記偏心ブッシュを、上記少なくとも二つの回転位置の第二位置に固定する、
    請求項1に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  3. 上記空動き連結具は、伸縮自在に構成されて上記第一ボルトに当接される第一フォロワ、及び、伸縮自在に構成されて上記第二ボルトに当接される第二フォロワを含む、請求項2に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  4. 上記アクチュエータは、上記第一フォロワ及び上記第二フォロワに動作可能に係合し得るカムを含む、請求項3に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  5. 上記アクチュエータは、オイル流を生成する少なくとも一つのノズルを含む、請求項4に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  6. 上記アクチュエータはカウンターウェイトを含む、請求項4又は5の何れかに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  7. 上記コネクティング・ロッドの上記クランク側下端は、クランク・ピン穴軸を含み、
    上記コネクティング・ロッドは、上記クランク・ピン穴軸及び上記第二軸に沿って長手方向に延びる仮想的なコネクティング・ロッド中心線を含み、そして、
    上記ピン穴の上記第一軸は、上記コネクティング・ロッド中心線から水平方向にオフセットされ、上記少なくとも二つの回転位置の間にて上記偏心ブッシュが選択的に回転するときに、その水平方向へのオフセット状態を維持する、
    請求項1乃至6の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  8. 上記偏心ブッシュは、上記ラッチを上記ラッチ位置にて収容するための少なくとも一つの孔を有するフランジ板を含む、請求項1乃至7の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  9. 上記フランジ板は、上記ロッド穴における上記第二軸をその弧の中心とする弧状スロットを含み、そして、
    上記コネクティング・ロッドから延設された止めピンを更に備え、
    上記止めピンは、上記コネクティング・ロッドに対する上記偏心ジャーナル外周部の回転移動を制限すべく、上記弧状スロットに動作可能に係合する、
    請求項8に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  10. 上記ラッチは、上記偏心ジャーナル外周部を、周方向に離間した少なくとも二つの位置における第一位置に固定する第一ボルトを含み、そして、
    上記空動き連結具は、伸縮自在に構成されて上記第一ボルトに当接される第一フォロワ、及び、上記第一ボルトと上記第一フォロワとの間に動作可能に配設される付勢部材を含む、
    請求項1乃至9の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  11. エンジンの圧縮比を動的に変更する方法であって、
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッドを提供する工程、
    ピストンを提供する工程、
    上記コネクティング・ロッドのピストン側上端と上記偏心ブッシュとを枢動可能に相互連結する工程、
    上記ピストンを上記コネクティング・ロッドに対して空間的に移動させるべく、上記偏心ブッシュを選択的に回転させ、それによって、上記エンジンにおけるクランク駆動による往復運動時に、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更する工程、
    上記コネクティング・ロッドに対して離間した二つの位置の何れかにて、上記ピストンを保持すべく、ラッチ位置に移動可能なラッチを提供する工程、
    上記ピストン及び上記コネクティング・ロッドが相互に自由に伸長可能なラッチ解除位置に移動させるべく、上記ラッチを選択的に付勢する工程、
    エンジンにおけるクランク駆動による往復運動時に、上記コネクティング・ロッドが周期性の圧縮モード及び引張モードに設定される工程、及び、
    上記ラッチ解除位置に移動させるべく選択的に付勢する工程のときに、上記コネクティング・ロッドが圧縮モードと引張モードとの間の移行状態にあるときまで、上記ラッチをラッチ位置にて一時的に移動不可能にする工程、を備え、
    それによって上記ラッチは、上記ラッチを選択的に付勢する工程の後に、上記ラッチ位置にて係止状態に維持されるものの、上記コネクティング・ロッドが圧縮モードから引張モード、又は、引張モードから圧縮モードに移行するときに、ラッチ解除位置に自動的に移動する、方法。
  12. 上記ラッチは、互いに離間し、ラッチ位置とラッチ解除位置との間で各々独立して移動可能な第一ボルト及び第二ボルトを含み、そして、
    上記ラッチを上記ラッチ解除位置に選択的に付勢する工程は、上記第一ボルトをラッチ解除位置に付勢するのと同時に、上記第二ボルトを上記ラッチ位置に付勢する工程を含む、
    請求項11に記載の方法。
  13. 上記ピストンを上記コネクティング・ロッドに対して空間的に移動させる工程は、上記偏心ブッシュを回転させる工程を含む、請求項11又は12の何れかに記載の方法。
  14. 上記ラッチを上記ラッチ解除位置に選択的に付勢する工程は、カムを回転させる工程を含む、請求項11乃至13の何れか1つに記載の方法。
  15. 上記カムを回転させる工程は、加圧されたオイル流を放出する工程を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 上記カムを回転させる工程は、所定イベントの発生に応じて、伸長可能なプランジャーを作動させる工程を含む、請求項14に記載の方法。
  17. 可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体であって、
    第一軸を中心軸とするピン穴を有するピストン、
    上記ピン穴の中に設けられるピストン・ピン、
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッド、
    上記ピストン・ピンと上記コネクティング・ロッドのピストン側上端に設けられたロッド穴とを相互連結する偏心ブッシュ、
    上記偏心ブッシュが少なくとも二つの位置の一つに固定されるラッチ位置と、上記偏心ブッシュが上記コネクティング・ロッドに対して自由に移動可能となるラッチ解除位置との間を移動可能なラッチ、とを備え、
    上記ロッド穴は、上記ピン穴の上記第一軸からオフセットされ上記第一軸に平行な第二軸を中心軸とするもので、
    上記偏心ブッシュは、上記第一軸に沿って、上記ピストン・ピンを収容する穴、及び、上記ロッド穴の中で支持される偏心ジャーナル外周部を含み、
    上記偏心ブッシュは、エンジンに動作可能に配設されたときに、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更すべく、上記ピストンと上記コネクティング・ロッドとの間の空間変位をもたらすように、回転可能に構成され、
    上記ラッチは、上記偏心ブッシュを上記少なくとも二つの位置の一つにてロックすべく、上記コネクティング・ロッドにおける孔との連結係合及びその解除を行なうように軸方向に移動可能な、少なくとも一つのボルトを含み、そして、
    上記ボルト及び上記孔は、テーパー状の係合面を有する、ピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  18. 上記孔は非円形状であって、
    上記ボルトは略円形の断面形状である、
    請求項17に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  19. 上記孔は、小径、及び、該小径に直交する大径を備える略楕円形状であって、
    上記大径が、上記第二軸から径方向に延びる仮想線上に一致する、
    請求項18に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  20. 伸縮自在に構成されて上記ボルトに当接されるフォロワ、を更に備え、
    上記アクチュエータは、上記フォロワに動作可能に係合し得るカムを含む、
    請求項17乃至19の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  21. 上記フォロワと上記ボルトの間に動作可能に配設される内側付勢部材を更に備える、請求項17乃至20の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  22. 上記ボルトは、上記ピストン側上端の近傍において、上記コネクティング・ロッドに摺動可能に支持される、請求項17乃至21の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  23. 上記偏心ブッシュはフランジ板を含み、
    上記孔は、上記ボルトを上記ラッチ位置にて収容すべく、上記フランジ板に配設される、
    請求項22に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  24. 上記フランジ板は、上記第二軸をその弧の中心とする弧状スロットを含み、そして、
    上記コネクティング・ロッドから延設される止めピンを更に備え、
    上記止めピンは、上記コネクティング・ロッドに対する上記偏心ブッシュの回転移動を制限すべく、上記弧状スロットに動作可能に係合する、
    請求項23に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  25. 可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体であって、
    第一軸を中心軸とするピン穴を有するピストン、
    上記ピン穴の中に設けられるピストン・ピン、
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッド、
    上記ピストン・ピンと上記コネクティング・ロッドのピストン側上端に設けられたロッド穴とを相互連結する偏心ブッシュ、
    瞬間的な駆動力を生成すべく、選択的に作動されるアクチュエータ、及び、
    上記瞬間的な駆動力に応答して、上記偏心ブッシュが少なくとも二つの回転位置の一つに固定されるラッチ位置と、上記偏心ブッシュが上記コネクティング・ロッドに対して自由に移動可能となるラッチ解除位置との間を移動するラッチ、を備え、
    上記ロッド穴は、上記ピン穴の上記第一軸からオフセットされ上記第一軸に平行な第二軸を中心軸とするもので、
    上記偏心ブッシュは、上記第一軸に沿って、上記ピストン・ピンを収容する穴、及び、上記ロッド穴の中で支持される偏心ジャーナル外周部を含み、
    上記偏心ブッシュは、エンジンに動作可能に配設されたときに、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更すべく、上記ピストンと上記コネクティング・ロッドとの間の空間変位をもたらすように、回転可能に構成され、
    上記ラッチは、上記偏心ブッシュを上記二つの回転位置の何れかにてロックすべく、各々第一孔及び第二孔との連結係合及びその解除を行なうように独立して軸方向に移動可能な第一ボルト及び第二ボルトを含み、
    上記第一及び第二ボルトと、上記第一及び第二孔とは、それらの間にテーパー状の係合面を有し、
    それによって、上記ピストンの往復運動時に、上記ボルトと上記孔との間の隙が低減される、ピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  26. 上記第一孔及び上記第二孔は非円形状であって、
    上記第一ボルト及び上記第二ボルトは略円形の断面形状である、
    請求項25に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  27. 上記第一孔及び上記第二孔は、小径、及び、該小径に直交する大径を備える略楕円形状であって、
    上記大径が、上記第二軸から径方向に延びる各々の仮想線上に一致する、
    請求項26に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  28. 伸縮自在に構成されて各々上記第一ボルト及び上記第二ボルトに当接される第一フォロワ及び第二フォロワ、を更に備え、
    上記アクチュエータは、上記第一フォロワ及び上記第二フォロワに動作可能に係合し得るカムを含む、
    請求項25乃至27の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  29. 各々上記第一及び第二フォロワと、各々上記第一及び第二ボルトとの間に動作可能に配設される内側付勢部材を更に備える、請求項25乃至28の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  30. 上記第一ボルト及び上記第二ボルトは、上記ピストン側上端の近傍において、上記コネクティング・ロッドに摺動可能に支持される、請求項25乃至29の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  31. 上記偏心ブッシュはフランジ板を含み、
    上記第一孔及び上記第二孔は、各々上記第一ボルト及び上記第二ボルトを収容すべく、上記フランジ板に配設される、
    請求項30に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  32. エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体における圧縮比を動的に変更する方法であって、
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッドを提供する工程、
    ピストンを提供する工程、
    上記コネクティング・ロッドのピストン側上端と上記偏心ブッシュとを枢動可能に相互連結する工程、
    上記ピストンを上記コネクティング・ロッドに対して空間的に移動させるべく、上記偏心ブッシュを選択的に回転させ、それによって、上記エンジンにおけるクランク駆動による往復運動時に、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更する工程、及び
    所定の圧縮比を維持すべく、上記偏心ブッシュを、二つの回転位置の何れかにて選択的にロックする工程、を備え、
    上記選択的にロックする工程は、テーパー状のボルトを、テーパー面を有する孔と連結係合するように嵌入する工程を含む、方法。
  33. 上記嵌入する工程は、上記ボルトを、上記孔のテーパー面と連続的に隙間なく係合するように付勢する工程を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 上記嵌入する工程は、二つの正反対の接触ラインに沿って排他的に、上記テーパー状のボルトと上記孔との接触を維持する工程を含む、請求項32又は33に記載の方法。
  35. 上記ボルトと離間して設けられる止めピンを用いて上記偏心ブッシュの回転を規制する工程、を更に備える、請求項32乃至34の何れか1つに記載の方法。
  36. 上記回転を規制する工程は、上記止めピンの本体における慣性衝撃を弾性的に吸収する工程を含む、請求項35に記載の方法。
  37. 可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体であって、
    第一軸を中心軸とするピン穴を有するピストン、
    上記ピン穴の中に設けられるピストン・ピン、
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッド、
    上記ピストン・ピンと上記コネクティング・ロッドのピストン側上端に設けられたロッド穴とを相互連結する偏心ブッシュ、及び、
    上記偏心ブッシュが少なくとも二つの回転位置の一つに固定されるラッチ位置と、上記偏心ブッシュが上記コネクティング・ロッドに対して自由に回転可能となるラッチ解除位置との間を移動すべく、上記ピストン側上端の近傍にて上記コネクティング・ロッドに移動可能に支持されるラッチ、を備え、
    上記ピストン側上端は、上記ピン穴の上記第一軸からオフセットされ上記第一軸に平行な第二軸を中心軸とするロッド穴を含み、
    エンジンに動作可能に配設されたときに、上記コネクティング・ロッドの上記ピストン側上端は、上記第一軸を垂直に通過する軸に沿って延びるストローク加速度ベクトル、上記第一軸周りに延びる角加速度ベクトル、及び、上記第一軸から径方向に延びる遠心加速度ベクトルを含む複数の加速度ベクトルを受け、
    上記偏心ブッシュは、上記第一軸に沿って、上記ピストン・ピンを収容する穴、及び、上記ロッド穴の中で支持される偏心ジャーナル外周部を含み、
    上記偏心ブッシュは、エンジンに動作可能に配設されたときに、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更すべく、上記ピストンと上記コネクティング・ロッドとの間の空間変位をもたらすように、回転可能に構成され、
    上記ラッチは、上記ストローク加速度ベクトル、上記角加速度ベクトル、及び上記遠心加速度ベクトルの各々に対して略垂直な方向に排他的に、上記ピストン側上端に対する移動が妨げられるように設けられている、ピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  38. 上記ピストン側上端の近傍にて上記コネクティング・ロッドに移動可能に支持されたアクチュエータ、を更に備え、
    上記アクチュエータは、上記ラッチを上記ラッチ解除位置と上記ラッチ位置との間で動かす瞬間的な駆動力を生成すべく、選択的に作動されるものであり、
    上記アクチュエータは、上記ストローク加速度ベクトル、上記角加速度ベクトル、及び上記遠心加速度ベクトルの各々に対して略垂直な方向に排他的に、移動するのが妨げられるように構成されている、請求項37に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  39. 上記ラッチは、上記偏心ブッシュを回転位置に固定する少なくとも一つのボルトを含む、請求項38に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  40. 上記ボルトは、上記ピストン側上端の近傍において、上記コネクティング・ロッドに摺動可能に支持される、請求項39に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  41. 上記偏心ブッシュは、フランジ板、及び、上記ボルトを上記ラッチ位置にて収容すべく、上記フランジ板に配設された孔を含む、請求項40に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  42. 上記フランジ板は、上記第二軸をその弧の中心とする弧状スロットを含み、そして、
    上記コネクティング・ロッドから延設された止めピンを更に備え、
    上記止めピンは、上記コネクティング・ロッドに対する上記偏心ブッシュの回転移動を制限すべく、上記弧状スロットに動作可能に係合する、
    請求項41に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  43. 上記アクチュエータは、上記ボルトに動作可能に係合し得るロータリー・カムを含み、
    上記ロータリー・カムは、上記第一軸に略垂直な軸周りに回転可能に構成される、
    請求項39乃至42の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  44. 伸縮自在に構成されて上記ボルトに当接されるフォロワを更に備え、
    上記アクチュエータは、上記フォロワに動作可能に係合し得るカムを含む、
    請求項43に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  45. 上記フォロワと上記ボルトとの間に動作可能に配設される内側付勢部材を更に備える、請求項44に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  46. 圧縮比を動的に変更可能なエンジンであって、
    シリンダー軸に沿って形成されるシリンダー、
    上記シリンダーよりも下方にて、所定の軸線周りに回転可能に支持されるクランクシャフト、
    上記シリンダー内に摺動可能に配設され、上記軸線に平行な第一軸を中心軸とするピン穴を有するピストン、
    上記ピン穴の中に配設されるピストン・ピン
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッド、
    上記ピストン・ピンと上記コネクティング・ロッドのピストン側上端に設けられたロッド穴とを相互連結する偏心ブッシュ、及び、
    上記偏心ブッシュが少なくとも二つの回転位置の一つに固定されるラッチ位置と、上記偏心ブッシュが上記コネクティング・ロッドに対して自由に回転可能となるラッチ解除位置との間を移動すべく、上記ピストン側上端の近傍にて上記コネクティング・ロッドに移動可能に支持されるラッチ、を備え、
    上記ラッチは、上記瞬間的な駆動力に応答して、上記偏心ブッシュが少なくとも二つの回転位置の一つに固定されるラッチ位置と、上記偏心ブッシュが上記コネクティング・ロッドに対して自由に移動可能となるラッチ解除位置との間を移動し、
    上記ロッド穴は、上記ピン穴の上記第一軸からオフセットされ上記第一軸に平行な第二軸を中心軸とするもので、
    エンジンに動作可能に配設されたときに、上記コネクティング・ロッドの上記ピストン側上端は、上記シリンダー軸に平行に延びるストローク加速度ベクトル、上記第一軸周りに延びる角加速度ベクトル、及び、上記第一軸から径方向に延びる遠心加速度ベクトルを含む複数の加速度ベクトルを受け、
    上記偏心ブッシュは、上記第一軸に沿って、上記ピストン・ピンを収容する穴、及び、上記ロッド穴の中で支持される偏心ジャーナル外周部を含み、
    上記偏心ブッシュは、エンジンに動作可能に配設されたときに、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を変更すべく、上記ピストンと上記コネクティング・ロッドとの間の空間変位をもたらすように、回転可能に構成され、
    上記ラッチは、上記ストローク加速度ベクトル、上記角加速度ベクトル、及び上記遠心加速度ベクトルの各々に対して略垂直な方向に排他的に、上記ピストン側上端に対する移動が妨げられ、
    それによって、上記エンジンにて周期的に作動されるときに、上記コネクティング・ロッドの上記ピストン側上端によって生成される荷重及び運動量は、上記ラッチが意図に反して上記ラッチ解除位置に動くように影響を及ぼすことがなく、
    それによって、意図に反する上記ピストンの空間変位を防止する、エンジン。
  47. 上記ピストン側上端の近傍にて上記コネクティング・ロッドに移動可能に支持されたアクチュエータ、を更に備え、
    上記アクチュエータは、上記ラッチを上記ラッチ解除位置と上記ラッチ位置との間で移動させる瞬間的な駆動力を生成すべく、選択的に作動されるものであり、
    上記アクチュエータは、上記ストローク加速度ベクトル、上記角加速度ベクトル、及び上記遠心加速度ベクトルの各々に対して略垂直な方向に排他的に、移動するのが妨げられるように構成されている、
    請求項46に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  48. 上記ラッチは、上記偏心ブッシュを回転位置に固定する少なくとも一つのボルトを含む、請求項47に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  49. 上記ボルトは、上記ピストン側上端の近傍において、上記コネクティング・ロッドに摺動可能に支持される、請求項48に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  50. 上記偏心ブッシュは、フランジ板、及び、上記ボルトを上記ラッチ位置にて収容すべく、上記フランジ板に配設された孔を含む、請求項49に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  51. 上記フランジ板は、上記第二軸をその弧の中心とする弧状スロットを含み、そして、
    上記コネクティング・ロッドから延設された止めピンを更に備え、
    上記止めピンは、上記コネクティング・ロッドに対する上記偏心ブッシュの回転移動を制限すべく、上記弧状スロットに動作可能に係合する、
    請求項50に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  52. 上記アクチュエータは、上記ボルトに動作可能に係合し得るロータリー・カムを含み、
    上記ロータリー・カムは、上記第一軸に略垂直な軸周りに回転可能に構成される、
    請求項48乃至51の何れかに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  53. エンジンの圧縮比を動的に変更する方法であって、
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッドを提供する工程、
    第一軸を中心軸とするピン穴を有するピストンを提供する工程、
    上記コネクティング・ロッドのピストン側上端と上記偏心ブッシュとを枢動可能に相互連結する工程、
    上記第一軸を垂直に通過する仮想軸に沿って延びるストローク加速度ベクトル、上記第一軸周りに延びる角加速度ベクトル、及び、上記第一軸から径方向に延びる遠心加速度ベクトルを含む複数の加速度ベクトルを上記ピストン側上端にて生成すべく、上記コネクティング・ロッドの上記ピストン側上端を直線ストローク方向に移動するのと同時に、上記クランク側下端を回転軌道にて移動する工程、
    上記ピストンを上記コネクティング・ロッドに対して空間的に移動させるべく、上記偏心ブッシュを選択的に回転させ、それによって、上記エンジンにおけるクランク駆動による往復運動時に、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更する工程、
    上記コネクティング・ロッドに対して離間した二つの位置の何れかにて上記ピストンを保持すべく、所定のラッチ位置に移動可能なラッチを提供する工程、及び、
    上記ピストン及び上記コネクティング・ロッドが相互に自由に伸長可能なラッチ解除位置に移動させるべく、上記ラッチを選択的に付勢する工程、を備え、
    上記ラッチを移動させるべく選択的に付勢する工程は、上記ストローク加速度ベクトル、上記角加速度ベクトル、及び上記遠心加速度ベクトルの各々に対してに略直交な方向のみへの上記移動の全てを妨げる工程を含み、
    それによって、上記移動する工程のときに、上記コネクティング・ロッドによって生成される荷重及び運動量は、上記ラッチが意図に反してラッチ位置とラッチ解除位置との間で動くように影響を及ぼすことがない、方法。
  54. 上記ラッチをラッチ解除位置に移動させるべく選択的に付勢する工程は、上記第一軸に略垂直な軸周りにカムを回転させる工程を含む、請求項53に記載の方法。
  55. 上記カムを回転させる工程は、加圧されたオイル流を放出する工程を含む、請求項53に記載の方法。
  56. 上記ラッチをラッチ解除位置に移動させるべく選択的に付勢する工程はボルトを孔に挿入する工程を含む、請求項53に記載の方法。
  57. 可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体であって、
    第一軸を中心軸とするピン穴を有するピストン、
    上記ピン穴の中に設けられるピストン・ピン、
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッド、
    上記ピストン・ピンと上記コネクティング・ロッドのピストン側上端に設けられたロッド穴とを相互連結する偏心ブッシュ、
    瞬間的な駆動力を生成すべく、選択的に作動されるアクチュエータ、
    上記瞬間的な駆動力に応答して、上記偏心ブッシュが少なくとも二つの回転位置の一つに固定されるラッチ位置と、上記偏心ブッシュが上記コネクティング・ロッドに対して自由に移動可能となるラッチ解除位置との間を移動するラッチ、及び、
    励起荷重を上記アクチュエータに伝達する荷重伝達手段、を備え、
    上記ロッド穴は、上記ピン穴の上記第一軸からオフセットされ上記第一軸に平行な第二軸を中心軸とするもので、
    上記偏心ブッシュは、上記第一軸に沿って、上記ピストン・ピンを収容する穴、及び、上記ロッド穴の中で支持される偏心ジャーナル外周部を含み、
    上記偏心ブッシュは、エンジンに動作可能に配設されたときに、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を変更すべく、上記ピストンと上記コネクティング・ロッドとの間の空間変位をもたらすように、回転可能に構成され、
    上記荷重伝達手段は、上記コネクティング・ロッドによって加えられる慣性加速度が上記荷重伝達手段に影響を及ぼさないように、上記コネクティング・ロッドの加速場から機械的に分離される、ピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  58. 上記荷重伝達手段は加圧されたオイル流を含む、請求項57に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  59. 上記荷重伝達手段は伸長可能なプランジャーを含む、請求項57に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  60. 上記ラッチは、上記偏心ブッシュを回転位置に固定する少なくとも一つのボルトを含む、請求項57乃至59の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  61. 上記ボルトは、上記ピストン側上端の近傍において、上記コネクティング・ロッドに摺動可能に支持される、請求項57乃至60の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  62. 上記偏心ブッシュは、フランジ板、及び、上記ボルトを上記ラッチ位置にて収容すべく、上記フランジ板に配設された孔を含む、請求項61に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  63. 上記アクチュエータは、上記ボルトに動作可能に係合し得るロータリー・カムを含む、請求項57乃至62の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  64. 上記アクチュエータは、カウンターウェイトを含む、請求項63に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  65. 上記ロータリー・カムは、少なくとも一つのパドルを含む、請求項63又は64の何れかに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  66. 上記パドルは、カップ形状の先端を有する、請求項65に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  67. 圧縮比を動的に変更可能なエンジンであって、
    シリンダー、
    上記シリンダーよりも下方にて、回転可能に支持されるクランクシャフト、
    上記シリンダー内に摺動可能に配設され、第一軸を中心軸とするピン穴を有するピストン、
    上記ピン穴の中に配設されるピストン・ピン
    上記クランクシャフトに連結されるクランク側下端、及び、ピストン側上端を有するコネクティング・ロッド、
    上記ピストン・ピンと上記コネクティング・ロッドのピストン側上端に設けられたロッド穴とを相互連結する偏心ブッシュ、
    上記偏心ブッシュが少なくとも二つの回転位置の一つに固定されるラッチ位置と、上記偏心ブッシュが上記コネクティング・ロッドに対して自由に回転可能となるラッチ解除位置との間を移動可能なラッチ、及び、
    励起荷重を上記アクチュエータに伝達する荷重伝達手段、を備え、
    上記ロッド穴は、上記ピン穴の上記第一軸からオフセットされ上記第一軸に平行な第二軸を中心軸とするもので、
    上記コネクティング・ロッドは、エンジンの運転サイクルが加速されるときに、慣性加速度荷重を生成可能であり、
    上記偏心ブッシュは、上記第一軸に沿って、上記ピストン・ピンを収容する穴、及び、上記ロッド穴の中で支持される偏心ジャーナル外周部を含み、
    上記偏心ブッシュは、エンジンに動作可能に配設されたときに、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を変更すべく、上記ピストンと上記コネクティング・ロッドとの間の空間変位をもたらすように、回転可能に構成され、
    上記荷重伝達手段は、上記コネクティング・ロッドによって加えられる慣性加速度が上記荷重伝達手段に影響を及ぼさないように、上記コネクティング・ロッドの加速場から機械的に分離される、ピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  68. 上記荷重伝達手段は、上記シリンダーに対して固定される、請求項67に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  69. 上記荷重伝達手段は、加圧されたオイル流を含む、請求項68に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  70. 上記荷重伝達手段は、伸長可能なプランジャーを含む、請求項68に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  71. 上記ピストン側上端の近傍にて上記コネクティング・ロッドに支持され、上記ラッチと上記荷重伝達手段との間に動作可能に配設されるアクチュエータ、を更に備え、
    上記アクチュエータはロータリー・カムを含む、
    請求項68乃至70の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  72. エンジンの圧縮比を動的に変更する方法であって、
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッドを提供する工程、
    ピストンを提供する工程、
    上記コネクティング・ロッドのピストン側上端と上記偏心ブッシュとを枢動可能に相互連結する工程、
    上記ピストンを上記コネクティング・ロッドに対して移動させるべく、上記偏心ブッシュを回転させる工程、
    上記コネクティング・ロッドに対して二つの位置の何れかにて、上記ピストンを保持すべく、ラッチ位置に移動可能なラッチを提供する工程、及び、
    上記ピストン及び上記コネクティング・ロッドが相互に自由に伸長可能なラッチ解除位置に移動させるべく、上記コネクティング・ロッドの加速場から機械的に分離される励起荷重を生成する工程、を備える方法。
  73. 上記励起荷重を生成する工程は、加圧されたオイルを流出させる工程を含む、請求項72に記載の方法。
  74. 上記励起荷重を生成する工程は、伸長可能なプランジャーを作動させる工程を含む、請求項72に記載の方法。
  75. 上記ラッチを移動させるべく選択的に付勢する工程は、上記励起荷重の影響を受けて、カムを回転させる工程を含む、請求項72乃至74の何れか1つに記載の方法。
  76. 上記カムを回転させる工程は、加圧されたオイルを上記カムのパドルに向けて流出させる工程を含む、請求項75に記載の方法。
  77. 可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体であって、
    第一軸を中心軸とするピン穴を有するピストン、
    上記ピン穴の中に設けられるピストン・ピン、
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッド、
    上記ピストン・ピンと上記コネクティング・ロッドのピストン側上端に設けられたロッド穴とを相互連結する偏心ブッシュ、
    上記回転位置の一つから他の回転位置への回転中に上記偏心ブッシュの移動を規制する止めピン、を備え、
    上記ロッド穴は、上記ピン穴の上記第一軸からオフセットされ上記第一軸に平行な第二軸を中心軸とするもので、
    上記偏心ブッシュは、上記第一軸に沿って、上記ピストン・ピンを収容する穴、及び、上記ロッド穴の中で支持される偏心ジャーナル外周部を含み、
    上記偏心ブッシュは、エンジンに動作可能に配設されたときに、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更すべく、上記ピストンと上記コネクティング・ロッドとの間の空間変位をもたらすように、回転可能に構成され、
    上記偏心ブッシュは、それがラッチされ得る少なくとも二つの位置を有する、ピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  78. ラッチ位置とラッチ解除位置との間を移動可能なラッチ、を更に備え、
    上記偏心ブッシュは、上記ラッチを上記ラッチ位置にて収容するための少なくとも一つの孔を有するフランジ板を含む、
    請求項77に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  79. 上記フランジ板は、上記第二軸をその弧の中心とする弧状スロットを含み、
    上記止めピンは、上記コネクティング・ロッドから延び、上記弧状スロットに動作可能に係合するように配設される、
    請求項78に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  80. 上記止めピンは、コイル式ロール・ピンを備える、請求項77乃至79の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  81. ラッチ位置とラッチ解除位置との間を移動可能なラッチ、を更に備え、
    上記ラッチは、上記偏心ブッシュを回転位置に固定する少なくとも一つのボルトを含む、
    請求項77に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  82. 上記ボルトは、上記ピストン側上端の近傍において、上記コネクティング・ロッドに摺動可能に支持される、請求項81に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  83. 上記偏心ブッシュは、フランジ板、及び、上記ボルトを上記ラッチ位置にて収容すべく、上記フランジ板に配設された孔を含む、請求項82に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  84. 上記ボルトに動作可能に係合し得るロータリー・カム、を更に備える、請求項77乃至83の何れか1つに記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  85. ラッチ位置とラッチ解除位置との間を移動可能なラッチ、を更に備え、
    上記ラッチは第一ボルト及び第二ボルトを含み、
    上記第一ボルトは、上記偏心ブッシュを、上記少なくとも二つの回転位置の第一位置に固定し、
    上記第二ボルトは、上記第一ボルトとは離間して設けられ、上記偏心ブッシュを、上記少なくとも二つの回転位置の第二位置に固定する、
    請求項77に記載のピストン及びコネクティング・ロッド組立体。
  86. エンジンの圧縮比を動的に変更する方法であって、
    クランク側下端及びピストン側上端を有するコネクティング・ロッドを提供する工程、
    ピストンを提供する工程、
    上記コネクティング・ロッドのピストン側上端と上記偏心ブッシュとを枢動可能に相互連結する工程、
    上記ピストンを上記コネクティング・ロッドに対して空間的に移動させるべく、上記偏心ブッシュを選択的に回転させ、それによって、上記エンジンにおけるクランク駆動による往復運動時に、上記ピストン及びコネクティング・ロッド組立体によって生成される圧縮比を実質的に変更する工程、
    上記コネクティング・ロッドに対して離間した二つの位置の何れかにて、上記ピストンを保持すべく、ラッチ位置に移動可能なラッチを提供する工程、
    上記ピストンが、上記コネクティング・ロッドに対して、自由に移動可能なラッチ解除位置に移動させるべく、上記ラッチを選択的に付勢する工程、及び、
    上記ピストンが空間的に離間した位置の間を移動するときに、慣性衝撃に起因して発生する応力から上記ラッチを分離すべく、上記ラッチと離間して設けられる止めピンを用いて、上記偏心ブッシュの回転を規制する工程、を備える方法。
  87. 上記回転を規制する工程は、上記止めピンのコイル体にて上記慣性衝撃を弾性的に吸収する工程を含む、請求項86に記載の方法。
  88. 上記慣性衝撃を弾性的に吸収する工程は、上記止めピンの長さを延長するスリットを圧縮する工程を含む、請求項87に記載の方法。
  89. 上記ラッチ解除位置に移動させるべく、上記ラッチを選択的に付勢する工程は、ボルトを孔の中に挿入する工程を含む、請求項86乃至88の何れか1つに記載の方法。
  90. 上記ボルトを挿入する工程は、上記ボルトのテーパー端を、上記孔のテーパー面と連結係合するように嵌入する工程を含む、請求項89に記載の方法。
  91. 上記嵌入する工程は、上記ボルトを、上記孔のテーパー面と連続的に隙間なく係合するように付勢する工程を含む、請求項90に記載の方法。
  92. 上記嵌入する工程は、二つの正反対の接触ラインに沿って排他的に、上記テーパー状のボルトと上記孔との接触を維持する工程を含む、請求項91に記載の方法。
  93. 上記ラッチを上記ラッチ解除位置に選択的に付勢する工程は、カムを回転させる工程を含む、請求項86乃至92の何れか1つに記載の方法。
  94. 上記カムを回転させる工程は、加圧されたオイルを流出させる工程を含む、請求項90乃至92の何れか1つに記載の方法。
JP2008281516A 2007-10-31 2008-10-31 可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体、及び、その圧縮比を動的に変更する方法 Pending JP2009108864A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/930,774 US7685974B2 (en) 2007-10-31 2007-10-31 Variable compression ratio engine with isolated actuator
US11/931,037 US7533638B1 (en) 2007-10-31 2007-10-31 Variable compression ratio engine with dedicated bumper
US11/930,879 US7527026B1 (en) 2007-10-31 2007-10-31 Variable compression ratio engine with external actuation impulse
US11/931,184 US7546820B2 (en) 2007-10-31 2007-10-31 Variable compression ratio engine with lost motion coupling
US11/930,681 US7469663B1 (en) 2007-10-31 2007-10-31 Tapered latch pin

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009108864A true JP2009108864A (ja) 2009-05-21

Family

ID=40133943

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008281516A Pending JP2009108864A (ja) 2007-10-31 2008-10-31 可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体、及び、その圧縮比を動的に変更する方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2009108864A (ja)
DE (1) DE102008050560A1 (ja)
GB (1) GB2454340A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140010908A (ko) * 2012-07-17 2014-01-27 베르트질레 슈바이츠 악티엔게젤샤프트 대형 왕복 피스톤 연소 기관, 그러한 기관의 제어 장치 및 방법
KR101765638B1 (ko) 2016-03-16 2017-08-23 현대자동차 주식회사 가변 압축비 장치
KR101826565B1 (ko) 2016-04-01 2018-03-22 현대자동차 주식회사 가변 압축비 장치
KR101875646B1 (ko) * 2016-09-26 2018-07-06 현대자동차 주식회사 가변 압축비 장치
CN109869434A (zh) * 2019-02-13 2019-06-11 徐超 通用型活塞杆

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011111816B4 (de) * 2011-08-27 2021-07-08 Volkswagen Aktiengesellschaft Vorrichtung mit Exzenter-Kolbenbolzen zur Erzielung eines variablen Verdichtungsverhältnisses in einem Hubkolbenmotor
FI124363B (en) 2012-03-29 2014-07-15 Wärtsilä Finland Oy Piston Pin Still life
FI123488B (en) 2012-03-29 2013-05-31 Waertsilae Finland Oy Piston Pin Still life
FI123748B (en) 2012-04-25 2013-10-15 Waertsilae Finland Oy Piston Pin Still life
WO2014162043A1 (en) 2013-04-03 2014-10-09 Wärtsilä Finland Oy Arrangement for setting a compression ratio of an internal combustion piston engine
DE102013222631B3 (de) * 2013-11-07 2014-09-25 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Vorrichtung zur Veränderung eines Verdichtungsverhältnisses einer Zylindereinheit einer Hubkolbenbrennkraftmaschine
DE102014103594A1 (de) * 2014-03-17 2015-09-17 Thyssenkrupp Ag Gebaute Kurbelwelle und Kurbelbetrieb mit einer gebauten Kurbelwelle

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB412781A (en) * 1933-07-26 1934-07-05 Leo Vitalba Improvements relating to means for varying the compression ratio of internal combustion engines
US2427668A (en) 1945-09-01 1947-09-23 Peter L Gill Variable compression engine
JPS61291736A (ja) 1985-06-20 1986-12-22 Toyota Motor Corp 圧縮比可変機構の偏心ベアリングロツク機構
US4864975A (en) 1987-07-03 1989-09-12 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Compression ratio-changing device for internal combustion engines
US7469663B1 (en) * 2007-10-31 2008-12-30 Ford Global Technologies, Llc Tapered latch pin

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140010908A (ko) * 2012-07-17 2014-01-27 베르트질레 슈바이츠 악티엔게젤샤프트 대형 왕복 피스톤 연소 기관, 그러한 기관의 제어 장치 및 방법
KR102095598B1 (ko) 2012-07-17 2020-04-01 빈터투르 가스 앤 디젤 아게 대형 왕복 피스톤 연소 기관, 그러한 기관의 제어 장치 및 방법
KR101765638B1 (ko) 2016-03-16 2017-08-23 현대자동차 주식회사 가변 압축비 장치
US10196973B2 (en) 2016-03-16 2019-02-05 Hyundai Motor Company Variable compression ratio device
KR101826565B1 (ko) 2016-04-01 2018-03-22 현대자동차 주식회사 가변 압축비 장치
US10006482B2 (en) 2016-04-01 2018-06-26 Hyundai Motor Company Variable compression ratio apparatus
KR101875646B1 (ko) * 2016-09-26 2018-07-06 현대자동차 주식회사 가변 압축비 장치
US10087829B2 (en) 2016-09-26 2018-10-02 Hyundai Motor Company Variable compression ratio device
CN109869434A (zh) * 2019-02-13 2019-06-11 徐超 通用型活塞杆

Also Published As

Publication number Publication date
DE102008050560A1 (de) 2009-05-07
GB2454340A (en) 2009-05-06
GB0819744D0 (en) 2008-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009108864A (ja) 可変圧縮比エンジンのピストン及びコネクティング・ロッド組立体、及び、その圧縮比を動的に変更する方法
US7546820B2 (en) Variable compression ratio engine with lost motion coupling
US7685974B2 (en) Variable compression ratio engine with isolated actuator
US7533638B1 (en) Variable compression ratio engine with dedicated bumper
US7469663B1 (en) Tapered latch pin
US7527026B1 (en) Variable compression ratio engine with external actuation impulse
US8215280B2 (en) Power linkage assembly for a high efficiency internal explosion engine
CN101772623B (zh) 阀簧装置及使用阀簧装置的发动机阀动机构
US20180258846A1 (en) Internal combustion engine
US20180328275A1 (en) Device for changing a compression ratio of an internal combustion engine
JP3911977B2 (ja) 内燃機関の複リンク機構
US8720393B2 (en) Engine structure having conjugate cam assembly
US20110023834A1 (en) Internal combustion engine with variable compression ratio
JPH06504831A (ja) デュアルモード、位相シフトカムエンジン
CN110671198B (zh) 发动机及具有其的车辆
CN110671197B (zh) 发动机及具有其的车辆
US10781746B2 (en) Variable compression ratio mechanism
US10989272B1 (en) Engine system and method for pendulum damping
CN114151158A (zh) 一种全可变配气装置的结构
US20170022857A1 (en) Locking cylinder pressure relief actuator
JP2002285857A (ja) 内燃機関のピストン駆動装置
US20190107179A1 (en) Friction Type One-Way High Damping Tensioner
JP7556271B2 (ja) エンジンの燃焼室構造
JP7556270B2 (ja) エンジンの燃焼室構造
KR100192910B1 (ko) 회전평형율을 향상시킨 자동차의 크랭크샤프트