JP2009108498A - 建物の外壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】排水機能に優れ、製造および取付作業が容易な建物の外壁構造を提供することである。
【解決手段】外壁100は、開口部110を有する外壁下地材120と、開口部110の上部に設けられる胴縁130と、開口部110の左側に設けられる左部取付片と、開口部110の右側に設けられる右部取付片と、サイディング材160と、サイディング材160を外壁下地材120に固定するためのサイディング取付具170と、を備えて構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、開口部を備えた外壁を有する建物の外壁構造に関する。
従来、サイディング材は、サイディング取付金物によって外壁下地材に取り付けられている(例えば、特許文献1)。
サイディング材が取り付けられた外壁には、サッシ窓等の開口部が形成されているものがある。このような外壁においては、雨水が外壁下地材を伝って開口部に侵入しないようにするため、サイディング材同士をシールしたり、開口部に設けられたサッシ窓等とサイディング材とをシールするなどしている。
特開2006−291532号公報
しかしながら、シール材をサイディング材やサッシ窓等に取り付けるには作業が煩雑となり、効率が悪い。
そこで、本発明の目的は、排水機能に優れ、製造および取付作業が容易な建物の外壁構造を提供することである。
本発明の建物の外壁構造は、外壁下地材120と、この外壁下地材120の上に設けられたサイディング材160とを有し、開口部110が形成された建物の外壁構造であって、開口部110の上部の外壁下地材120とサイディング材160との間に胴縁130を設け、この胴縁130の上面131Aに排水溝132を形成することを特徴とする。
このような本発明では、サイディング材160等から雨水が侵入した場合、開口部110の上部に設けられた胴縁130によって排水することができる。また、胴縁130の対向する一対の面131のうち上面131Aに排水溝132が形成されているので、効率よく排水することができる。
したがって、雨水が開口部110から建物内部に侵入することを確実に防止することができる。
また、胴縁130は製造および取付作業が容易であるので、本発明である建物の外壁構造を容易に形成することができる。
本発明の建物の外壁構造において、前記胴縁130は、合成樹脂で形成されていることが好ましい。
ここで、胴縁130を形成する合成樹脂として、例えば、ポリウレタン等が挙げられる。
この発明によれば、合成樹脂製の胴縁130が外壁下地材120と密着するので、胴縁130と外壁下地材120との間から雨水が侵入することがない。したがって、雨水が開口部110に侵入することを確実に防止することができる。
本発明の建物の外壁構造において、前記胴縁130は、長尺状に形成されるとともに、断面略矩形状の本体を備え、前記排水溝132は、前記胴縁130の互いに対向する一対の面131にそれぞれ形成されていることが好ましい。
この発明によれば、胴縁130の形状が長尺状で断面略矩形状になっていることにより、製造が容易である。また、排水溝132も、射出成形等により一回の工程で形成することができるので作業効率が良い。
さらに、取付作業においては、長尺状に形成された胴縁130を開口部110の上部に釘等で固定するだけでよい。排水溝132が胴縁の互いに対向する一対の面131(上面131Aおよび下面131B)に形成されているので、上面131Aと下面131Bの区別なく胴縁130を取り付けることができる。したがって、取付作業を効率よく簡単に行うことができる。
本発明の建物の外壁構造において、前記胴縁130と同じ合成樹脂製かつ同じ厚み寸法の長尺状の取付片140、150が、前記開口部110を挟んだ両側にそれぞれ配置され、これらの取付片140、150に前記サイディング材160を取り付けることが好ましい。
この発明によれば、開口部110の左右に、取付片140、150として、前述と同様の胴縁が取り付けられているので、開口部110の上部、左右の胴縁で形成される同一面内でサイディング材160を取り付けることができ、作業性が良好である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態における建物の外壁構造の平面図、図2は、サイディング材の取り付け構造を示す縦断面図である。
図1および図2に示すように、外壁100は、開口部110を有する外壁下地材120と、開口部110の上部に設けられる胴縁130と、開口部110の左側に設けられる左部取付片140と、開口部110の右側に設けられる右部取付片150と、サイディング材160と、サイディング材160を外壁下地材120に固定するためのサイディング取付具170と、を備えて構成されている。
外壁下地材120は、例えば、木材等で形成された合板製とされ、開口部110にはサッシ窓200が取り付けられている。
胴縁130は、断面略矩形状の長尺状に形成され、図2に示すように、互いに対向する一対の面131(上面131Aおよび下面131B)には断面略円弧状で長尺状に形成された排水溝132を有している。排水溝132は、水が流れる程度の深さがあればよいのでその深さは限定されない。例えば、最も深い部分で3.5mm程度とすることができる。また、胴縁130の端面130Aおよび130Bにも図示しない溝が形成されている。
左部取付片140および右部取付片150は、胴縁130と同じ合成樹脂からなる胴縁であり、断面略矩形状の長尺状に形成されているが、排水溝は有していない。
これらの胴縁130、左部取付片140および右部取付片150は、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂製であり、工場で予め生産される。工場では、例えば、押出製法等により製造することができる。
サイディング材160は、外壁100の外装であり、セメント製、金属製、または木製のものを使用することができる。
サイディング取付具170は、外壁下地材120にサイディング材160を取り付けるための部材で、金具であったり、胴縁などで形成されたりしている。サイディング取付具170は、釘171で外壁下地材120に固定され、サイディング材160と係合するための係合部172を有している。一方、サイディング材160の裏面160Aには、この係合部172と係合するための係合部161が形成されている。したがって、サイディング取付具170の係合部172と、サイディング材160の係合部161とが係合することにより、サイディング材160が外壁下地材120に固定される。
次に、胴縁130、左部取付片140および右部取付片150を取り付ける方法について説明する。
これら胴縁130、左部取付片140および右部取付片150は、開口部110の周囲を取り囲むように配置される。
具体的には、左部取付片140は、開口部110の左辺112と略平行に配置され、左部取付片140の上端140Aは左辺112の上端112Aよりも低い位置にある。
右部取付片150は、開口部110の右辺113と略平行に配置され、右部取付片150の上端150Aは右辺113の上端113Aよりも低い位置にある。
胴縁130は、開口部110の上辺111と略平行に配置される。胴縁130は、開口部110の上辺111よりも長く、さらには、外壁下地材120に取り付けられた左部取付片140および右部取付片150よりも左右に突出する程度の長さを有している。また、胴縁130は、上面および下面に排水溝132が位置するように外壁下地材120に取り付けられる。
左部取付片140および右部取付片150と、胴縁130との間にはそれぞれ隙間が形成されるが、左部取付片140の上端140Aおよび右部取付片150の上端150Aが胴縁130の下面に接していてもよい。
また、これら胴縁130、左部取付片140および右部取付片150は、サイディング取付具170と同等かそれ以上の厚みを有している。例えば、12mm、15mm、18mm等とすることができるが、使用する胴縁130、左部取付片140および右部取付片150の厚みに応じて適宜調製すればよい。
ただし、これら胴縁を押さえつけることでサイディング取付具170と同等の厚みになる程度であることが好ましい。サイディング取付具170の厚みよりも厚くなると、サイディング材160を取り付ける際に、サイディング材160とサイディング取付具170との間に空隙が形成されるために、サイディング材160とサイディング取付具170とを確実に係合させることができない。
これら胴縁130、左部取付片140および右部取付片150は、開口部110の周縁を取り囲むように配置されればよいが、開口部110にサッシ窓200が取り付けられることを考慮して、例えば、開口部110の上辺111、左辺112、右辺113から5cm程度離れた位置に取り付けられる。この位置は、サッシ窓200の形状等に応じて必要なスペースを確保できればよい。
また、胴縁130は、サイディング取付具170よりも開口部110側に位置するように配置される。
なお、胴縁130、左部取付片140および右部取付片150は、外壁下地材120に釘133、143、153でそれぞれ固定される。釘打ち位置は、使用する胴縁の幅および長さ寸法に対応して所定寸法に設定されている。また、各胴縁の両端部では、端部に近い位置に設定される。
以上のように、所定の位置に取り付けられた胴縁130、左部取付片140および右部取付片150にサイディング材160を押し付けるとともに、サイディング材160をサイディング取付具170に係合させ、サイディング材160と胴縁130、左部取付片140および右部取付片150と、外壁下地材120に釘162を打ち込むことによって、サイディング材160が外壁下地材120に固定される。
なお、サッシ窓200は、その上端に設けられた取付部210が、釘等で外壁下地材120の開口部110に取り付けられる。また、サッシ窓200とサイディング材160との間に樹脂等を充填する。これらにより、サッシ窓200が外壁下地材120とサイディング材160とに固定される。
以上に述べた本実施形態においては次に示す効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、外壁100に形成された開口部110の上部に、胴縁130を設けたので、外壁下地材120とサイディング材160との間を流れてきた雨水が開口部110へ侵入することを防止することができる。
また、胴縁130には排水溝132が形成され、胴縁130の端面130Aおよび130Bは、左部取付片140および右部取付片150よりも突出して配置されている。これにより、外壁下地材120とサイディング材160との間を流れてきた雨水は胴縁130の排水溝132を伝って開口部110の枠外に流出される。したがって、雨水を開口部110の枠外に効率よく流出させることができ、開口部110への雨水の侵入を確実に防止することができる。
(2)また、胴縁130はポリウレタン等の樹脂で形成されている。ポリウレタンは弾性があるため、サイディング材160で押さえつけることによってより密着性が増す。すなわち、胴縁130が外壁下地材120およびサイディング材160とより密着するので、胴縁130と外壁下地材120との間、もしくは胴縁130とサイディング材160との間から雨水が漏れることがない。したがって、雨水の開口部110への侵入を確実に防止することができる。
また、胴縁130は、射出成形等で容易に製造することができ、外壁下地材120には釘で簡単に取り付けることができる。すなわち、作業性が良好である。
(3)本実施形態では、断面略矩形状に形成された胴縁130の互いに対向する一対の面131の両方の面に排水溝132を形成しているので、上下の向きを区別することなく、胴縁130を外壁下地材120に取り付けることができる。したがって、取り付け時の作業性が良好となる。
(4)そして、開口部110の左側および右側に左部取付片140と右部取付片150として、胴縁130と同じ厚みの胴縁を設けた。これにより、胴縁130、左部取付片140および右部取付片150を同一面内でサイディング材160を取り付けることができるので、作業性が良好となる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態においては、胴縁130と、左部取付片140および右部取付片150とを離して配置したが、左部取付片140および右部取付片150の端部を延長して胴縁130に密着させてもよい。このような構成であれば、開口部110の周囲を胴縁により完全に取り囲むので、雨水の開口部110への侵入を確実に防止することができる。
本発明は、開口部を備えた外壁を有する建物の外壁構造として利用できる。
本発明の一実施形態にかかる建物の外壁構造の平面図。 本発明の一実施形態にかかるサイディング材の取り付け構造を示す縦断面図。
符号の説明
100 外壁
110 開口部
120 外壁下地材
130 胴縁
140 左部取付片
150 右部取付片
160 サイディング材
170 サイディング取付具

Claims (4)

  1. 外壁下地材と、この外壁下地材の上に設けられたサイディング材とを有し、開口部が形成された建物の外壁構造であって、
    開口部の上部の外壁下地材とサイディング材との間に胴縁を設け、
    この胴縁の上面に排水溝を形成する
    ことを特徴とする建物の外壁構造。
  2. 請求項1に記載の建物の外壁構造において、
    前記胴縁は、合成樹脂で形成されている
    ことを特徴とする建物の外壁構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の建物の外壁構造において、
    前記胴縁は、長尺状に形成されるとともに、断面略矩形状の本体を備え、
    前記排水溝は、前記胴縁の互いに対向する一対の面にそれぞれ形成されている
    ことを特徴とする建物の外壁構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の建物の外壁構造において、
    前記胴縁と同じ合成樹脂製かつ同じ厚み寸法の長尺状の取付片が、前記開口部を挟んだ両側にそれぞれ配置され、
    これらの取付片に前記サイディング材を取り付ける
    ことを特徴とする建物の外壁構造。
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