JP2009108218A5 - - Google Patents
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本発明者らは、特定の分子構造を有する変性ポリビニルアルコールにおいて、水溶液粘度と平均ケン化度に着目することで、塩化ビニル系樹脂の懸濁重合時における単量体の粒子形成過程を効率よく制御できることを見出した。その知見に基づき鋭意研究した結果、嵩比重が高い塩化ビニル系樹脂が効率よく得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
まず、本発明は、下記化学式(1)で表される結合単位を有し、濃度4質量%である水溶液の温度20度における粘度が30mPa・s以上400mPa・s未満であり、平均ケン化度が75mol%以上90mol%未満である変性ポリビニルアルコールを少なくとも含有する重合用分散剤を提供する。本発明に係る重合用分散剤は、分子内に反応性の不飽和二重結合を導入しただけでなく、所定の水溶液粘度と平均ケン化度を有するものであり、これを重合用分散剤として用いることで嵩比重が大きい塩化ビニル系樹脂を得ることができる。
なお、本発明において、ポリ塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニル単量体又は塩化ビニルを含む単量体混合物を重合して得られる樹脂をいう。
また、下記化学式(1)におけるX 1 とX 2 は、炭素数1〜12のアルキル基、水素原子又は金属原子を表し、同一又は異なっていてもよく、gは0〜3の整数を表す。
まず、本発明は、下記化学式(1)で表される結合単位を有し、濃度4質量%である水溶液の温度20度における粘度が30mPa・s以上400mPa・s未満であり、平均ケン化度が75mol%以上90mol%未満である変性ポリビニルアルコールを少なくとも含有する重合用分散剤を提供する。本発明に係る重合用分散剤は、分子内に反応性の不飽和二重結合を導入しただけでなく、所定の水溶液粘度と平均ケン化度を有するものであり、これを重合用分散剤として用いることで嵩比重が大きい塩化ビニル系樹脂を得ることができる。
なお、本発明において、ポリ塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニル単量体又は塩化ビニルを含む単量体混合物を重合して得られる樹脂をいう。
また、下記化学式(1)におけるX 1 とX 2 は、炭素数1〜12のアルキル基、水素原子又は金属原子を表し、同一又は異なっていてもよく、gは0〜3の整数を表す。
続いて、本発明は、前記重合用分散剤を用いて、塩化ビニル単量体又はそれを含む単量体混合物を水中に分散させて懸濁重合を行う塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供する。前記重合用分散剤を用いることで、嵩比重が大きい塩化ビニル系樹脂を製造できる。
そして、本発明は、前記重合用分散剤を、塩化ビニル系樹脂の単量体合計に対して0.01質量%以上0.1質量%以下となるように仕込んで懸濁重合する塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供する。前記重合用分散剤を用いることで、懸濁重合に使用する分散剤の添加量を軽減することができる。
そして、本発明は、前記重合用分散剤を、塩化ビニル系樹脂の単量体合計に対して0.01質量%以上0.1質量%以下となるように仕込んで懸濁重合する塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供する。前記重合用分散剤を用いることで、懸濁重合に使用する分散剤の添加量を軽減することができる。
また、本発明は、上記化学式(1)で表される結合単位を有し、濃度4質量%である水溶液の温度20度における粘度が30mPa・s以上400mPa・s未満であり、平均ケン化度が75mol%以上90mol%未満である変性ポリビニルアルコールを分散剤として用い、塩化ビニル単量体又はそれを含む単量体混合物を水中に分散させて、懸濁重合することにより得られる塩化ビニル系樹脂を提供する。
そして、本発明は、この塩化ビニル系樹脂を用いた成形加工品を提供する。
そして、本発明は、この塩化ビニル系樹脂を用いた成形加工品を提供する。
本発明では、懸濁重合の分散剤として、下記化学式(2)に示す変性ポリビニルアルコール使用する。この変性ポリビニルアルコールは、カルボニル基含有ポリビニルアルコールであり、主鎖にカルボキシル基を起点とする不飽和二重結合をランダムに導入されたことを構造上の特徴の一つとするものである。
なお、下記化学式(2)におけるX 1 とX 2 は、炭素数1〜12のアルキル基、水素原子又は金属原子を表し、これらは同一でもよく又は異なっていてもよい。また、下記化学式(2)におけるgは0〜3の整数を表す。
なお、下記化学式(2)におけるX 1 とX 2 は、炭素数1〜12のアルキル基、水素原子又は金属原子を表し、これらは同一でもよく又は異なっていてもよい。また、下記化学式(2)におけるgは0〜3の整数を表す。
この変性ポリビニルアルコールは、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体と、ビニルエステル単位を有する単量体と、を共重合させた後、その共重合体をケン化させることで得ることができる。エチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、例えば、下記化学式(3)で表される化合物を好適に用いることができる。なお、下記化学式(3)におけるX 3 とX 4 は、炭素数1〜12のアルキル基、水素原子又は金属原子を表し、これらは同一でもよく又は異なっていてもよい。
上記化学式(3)で表される化合物としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノエチル等が挙げられる。
あるいは、下記化学式(4)で表される化合物も好適に用いることができる。なお、下記化学式(4)におけるX 5 とX 6 は、炭素数1〜12のアルキル基、水素原子又は金属原子を表し、これらは同一でもよく又は異なっていてもよい。
上記化学式(4)で表される化合物としては、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル等が挙げられる。
また、下記化学式(5)で表される化合物も好適に用いることができる。
上記化学式(5)で表される化合物としては、無水マレイン酸が挙げられる。
変性ポリビニルアルコールを製造する際のケン化条件は特に限定されず、公知の方法でケン化することができる。一般的には、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体と、ビニルエステル単位を有する単量体との共重合体を、メタノール等のアルコール溶液中において、アルカリ触媒又は酸触媒の存在下で、分子中のエステル部を加水分解することで行うことができる。このときのアルコール中の共重合体の濃度は、特に限定されないが、10〜80質量%であることが望ましい。
Claims (5)
- 請求項1に記載された重合用分散剤を用いて、塩化ビニル単量体又はそれを含む単量体混合物を水中に分散させて懸濁重合を行う塩化ビニル系樹脂の製造方法。
- 前記重合用分散剤を、塩化ビニル系樹脂の単量体合計に対して0.01質量%以上0.1質量%以下となるように仕込んで懸濁重合することを特徴とする請求項2に記載の塩化ビニル系樹脂の製造方法。
- 請求項4に記載の塩化ビニル系樹脂を用いた成形加工品。
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JP2007282838A JP5236250B2 (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | 重合用分散剤、これを用いた塩化ビニル系樹脂の製造方法、塩化ビニル系樹脂並びに成形加工品 |
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JP2007282838A JP5236250B2 (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | 重合用分散剤、これを用いた塩化ビニル系樹脂の製造方法、塩化ビニル系樹脂並びに成形加工品 |
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