JP2009108080A - 1,3−オキサチオランヌクレオチドの製造方法 - Google Patents

1,3−オキサチオランヌクレオチドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1,3−オキサチオランヌクレオシドの新規な製造法の提供。
【解決手段】1,3−オキサチオラン環を製造し、次いで1,3−オキサチオランをピリミジンまたはプリン塩基と縮合させる効率よい方法を包含する、1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する方法が提供される。本明細書に記載する方法を使用して、化合物は単離された鏡像異性体として製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、1,3−オキサチオランヌクレオチドの新規な製造方法を提供する。
in vivoまたはin vitroにおけるHIVの複製の阻害における種々の合成ヌクレオシド、例えば、AZT、D4T、DDIおよびDDCの成功は、ヌクレオシドの5'位置における炭素原子をヘテロ原子で置換するヌクレオシドを設計し、試験するように研究者らを導いた。Norbeck他は、(±)−1−[シス−(2,4)−2−(ヒドロキシメチル)−4−ジオキソラニル]チミン((±)−ジオキシラン−Tと呼ぶ)がHIVに対して中程度の活性を示し(ATH8細胞において20μMのEC50)、そして200μMの濃度において非感染対照細胞に対して毒性ではないことを開示した。
Tetrahedron Letters 30(46)、6246(1989)。欧州特許出願公開No.337,713および米国特許第5,041,449号(BioChem Pharma,Inc.に譲渡された)には、抗ウイルス活性を示すラセミ体2−置換−4−置換−1,3−ジオキソランが開示されている。公開PCT出願PCT US91/09124およびPCT US93/08044には、HIV感染を治療するための単離されたβ−D−1,3−ジオキソラニルヌクレオシドが開示されている。WO 94/09793には、HIV感染を治療するための単離されたβ−D−1,3−ジオキソラニルヌクレオシドの使用が開示されている。
公開PCT US95/11464には、(−)−(2S,4S)−1−(2−ヒドロキシメチル)−1,3−ジオキソラニル−4−イル)シトシンが腫瘍および他の異常な細胞増殖の処置において有用であることが開示している。
米国特許第5,047,407号および欧州特許出願公開No.0,382,526(またBioChem Pharma,Inc.に譲渡された)には、ラセミ体2−置換−5−置換−1,3−ジオキソランが抗ウイルス活性を有することが開示しており、そして2−ヒドロキシメチル−5−(シトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(以下においてBCH−189と呼ぶ)がHIVに対してAZTとほぼ同一の活性を有し、毒性が低いことが特別に報告されている。3TCとして知られている、BCH−189の(−)−鏡像異性体(Litta他に対する米国特許第5,539,116号)は、現在米国においてヒトのHIVの治療のために商業的に販売されている。また、EP 513,200B1参照。
また、シス−2−ヒドロキシメチル−5−(5−フルオロシトシン−1−イル)−1,3−オキサチオラン(「FTC」)は効力のあるHIV活性を有することが開示された。下記の文献を参照のこと:Schinazi他、″Selective Inhibition of Human Immunodeficiency viruses by Racemates and Enanttiomer of cis-5-Fluoro-1-[2-Hydroxymethyl-1,3-Oxathiolane-5-yl]Cytosine″Antimicrobial Agents and Chemotherapy、November 1992、pp.2423−2431。また、下記の特許を参照のこと:米国特許第5,814,639号;米国特許第5,914,331号;米国特許第5,210,085号;米国特許第5,204,466号、WO 91/11186、およびWO 92/14743。
1,3−オキサチオランヌクレオシドの商業的重要性のために、それらを製造する多数の方法が特許および科学文献に記載されてきている。合成の3つの主要な面をこの方法の設計の間に考慮しなくてはならない。第1に、反応スキームは、好ましくは、引き続く反応において使用するために置換基を所定位置に有する、1,3−オキサチオラン環構造への効率よい経路を提供しなくてはならない。第2に、反応スキームは、1,3−オキサチオラン環を適当に保護された塩基(これは、3TCの場合においてシトシンであり、そしてFTCの場合において5−フルオロシトシンである)と縮合させるために効率よい手段を提供しなくてはならない。
第3に、反応は立体選択的でなくてはならない、すなわち、反応は選択した鏡像異性体を提供しなくてはならない。1,3−オキサチオランヌクレオシドのキラル炭素上の置換基(特定したプリンまたはピリミジン塩基(C5置換基と呼ぶ)およびCH2OH(C2置換基と呼ぶ)は、オキサチオラン環系に関してシス(同一側)またはトランス(反対側)であることができる。シスおよびトランスの両方のラセミ体は1対の異性体から成る。それゆえ、各化合物は4つの個々の光学的異性体を有する。
4つの光学的異性体は下記の立体配置により表される(−S−CH2−部分が背面にあるように水平面にオキサチオラン部分が向いているとき):(1)シス(またβと呼ぶ)、両方の基は「上を向いている」、これは天然に存在するL−シス立体配置である;(2)シス、両方の基は「下を向いている」、これは天然に存在しないβ−シス立体配置である;(3)トランス(またα−立体配置と呼ぶ)、C2置換基は「上を向いており」そしてC5置換基は「下を向いている」;そして(5)トランスC2置換基は「下を向いており」そしてC5置換基は「上を向いている」。
2つのシス鏡像異性体を一緒にβ−鏡像異性体のラセミ体混合物と呼び、そして2つのトランス鏡像異性体をα−鏡像異性体のラセミ体混合物と呼ぶ。一般に、トランスラセミ体光学的異性体の対からシスラセミ体光学的異性体を分離できることはかなり標準的である。シス−立体配置の個々の鏡像異性体を分離するか、あるいはそうでなければ得ることはなおいっそう困難である。3TCおよびFTCについて、所望の立体化学的立体配置はβ−L−異性体である。
1,3−オキサチオラン環を製造する経路
1,3−オキサチオラン環についてのナンバリングのスキームを下に記載する:
Figure 2009108080
Kraus他(″Synthesis of ew 2,5-Disubstituted 1,3-Oxathiolanes.Intermediates in Nucleoside Chemistry″、Synthesis、pp.1046−1048(1991))は、グリオキシレートまたはグリコール酸のアルデヒドをメルカプト酢酸とトルエン中でp−トルエンスルホン酸の存在下に反応させることに関連する問題を記載している。この反応の成功についての要件は、水和物の形態で存在するグリコール酸誘導体をシクロ縮合前に水をトルエンとの共沸除去することによって遊離アルデヒドに変換しなくてはならないことであることをKrausは認めている。その後、ラクトンおよびカルボン酸の両方の官能基を還元を完結するために、異なるカルボン酸の還元試薬を使用しなくてはならない。
ホウ水素化ナトリウムを使用する還元は失敗し、そしてボラン−メチルサルファイド錯体(BMS)はカルボン酸官能基のみを還元することができた。温度が上昇するか、あるいは大過剰量のBMSを使用したとき、開環が起こってポリマー物質が生じた。トルエン中で2−カルボキシ−1,3−オキサチオラン−5−オンを水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムで還元すると、生成物の混合物が得られた。水素化トリブチル錫は還元を与えなかった。最後に、保護されたラクトンについて還元を実施したとき、接触還元条件を無視して、所望化合物を単離することは不可能であった。
これらの困難のために、Kraus他は、トルエン中で無水グリオキシレートを2−メルカプトアセトアルデヒドジエチルアセタールと還流下にシクロ縮合させて、5−エトキシ−1,3−オキサチオラン誘導体を生成することを提案した。これらの誘導体はBMSで還元して対応する2−ヒドロキシメチル−1,3−オキサチオランに50%の収率で還元することができる。2−ヒドロキシメチル−1,3−オキサチオランは、ベンゾイル化後、シスおよびトランス2−ベンジルオキシメチル−5−エトキシ−1,3−オキサチオランの混合物を提供した。この方法は、また、米国特許第5,047,407号に記載されている。
米国特許第5,248,776号には、1,6−チオアンヒドロ−L−グロースから鏡像異性体的に純粋なβ−L−1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する方法が開示されている。
米国特許第5,204,466号には、メルカプト酢酸(チオグリコール酸)をグリコアルデヒドと反応させて2−(R−オキシ)−メチル−5−オキソ−1,3−オキサチオランを生成することを介して1,3−オキサチオラン環を製造することが開示されている。
米国特許第5,466,806号には、メルカプトアセトアルデヒドの二量体を式RwOCH2CHOの化合物と中性または塩基性の条件下に反応性することによって2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−1,3−オキサチオランを製造することが記載されており、式中Rwはヒドロキシル保護基である。また、下記の文献を参照のこと:McIntosch他、″2−Mercaptoaldehyde dimers and 2,5-dihydorothiophenes from 1,2-oxathiolan-5-ones″,Can. J. Chem. Vol. 61、1872−1875(1983)。
Belleau他は、L−アスコルビン酸の酸化的分解を介して1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する方法を開示している。Belleau他、″Oxidative Degradation of L-ascorbic Acid Acetals to 2',3'-Oxaribfuranosides.Synthesis of Enantiomerically Pure 2',3'-Dideoxy-3'-Oxacytidine Stereisomers as Potential Antiviral Agents,″Tetrahedron Letters、vol. 33、No. 46、6949−6952(1992)。
米国特許第5,204,466号には、式CH2=CHCH2OR(式中Rは保護基である)を有するアリルエーテルまたはエステルをオゾン分解して式OHCCH2ORを有するグリコアルデヒドを生成し、チオグリコール酸をグリセルアルデヒドに添加して式2−(R−オキシ)−メチル−5−オキソ−1,3−オキサチオランを生成することによって、1,3−オキサチオラン環を製造することが開示されている。
1,3−オキサチオランを保護された塩基と縮合させる経路
米国特許第5,204,466号には、事実上完全なβ−立体選択性を提供する、ルイス酸として塩化錫を使用して1,3−オキサチオランを保護されたピリミジン塩基と縮合させる方法が開示されている。また、下記の文献を参照のこと:Choi他、″In Situ Complexation Directs the Stereochemistry of N-Glycosylation in the synthesis of Oxathiolanyl and Dioxolanyl Nucleoside Analogues″、J. Am. Chem. Soc. 1991、213、9377−9379。塩化錫を使用すると、除去が困難な望ましくない残基および副生物が反応の間に生成する。
環の2−位置にキラルエステルを有する1,3−オキサチオラン中間体を、保護された塩基と、ケイ素をベースとするルイス酸特に縮合させて、1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する方法は、多数の米国特許に開示されている。次いで2−位置におけるエステルを対応するヒドロキシメチル基に還元して最終生成物を生成しなくてはならない。下記の特許を参照のこと:米国特許第5,663,320号;米国特許第5,864,164号;米国特許第5,693,787号;米国特許第5,696,254号;米国特許第5,744,596号;および米国特許第5,756,706号。
米国特許第5,763,606号には、所望の、前にシリル化されたプリンまたはピリミジン塩基を二環式中間体とルイス酸の存在下にカップリングすることを包含する、主としてシス−2−カルボン酸またはトリカルボン酸1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する方法が開示されている。
米国特許第5,272,151号には、2−O−保護−5−O−アシル化−1,3−ジオキソランを酸素または窒素−保護プリンまたはピリミジン塩基とチタン触媒の存在下に反応させることを包含する、1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する方法が記載されている。
Choi他、″In Situ Complexation Directs the Stereochemstry of N-Glycosylation in the synthesis of Oxathiolanyl and Dioxolanyl Nucleoside Analogues″、J. Am. Chem. Soc. 1991、213、9377−9379は、HgCl2、Et2AlCl、またはTiCl2(O−イソプロピル)2を使用して1,3−オキサチオランと保護ピリミジン塩基とのカップリングが起こらないことを報告した(脚注2参照)。Choiは、また、アノマーの1,3−オキサチオランアセテートとシリル化シトシンおよび塩化錫以外の事実上任意の普通のルイス酸の間の反応がN−グリコシル化アノマーの分離不可能な混合物が生ずることを報告した。
米国特許第5,922,867号には、プリンまたはピリミジン塩基を2−保護−オキシメチル−4−ハロ−1,3−ジオキソランでグリコシル化することを包含する、ジオキソランヌクレオシドを製造する方法が開示されている。
所望の立体配置の1,3−オキサチオランヌクレオシドを提供する経路
米国特許第5,728,575号において、ブタ肝臓エステラーゼ、ブタ膵臓リパーゼ、またはスブチリシンを使用して5'−アシル保護ラセミ体ヌクレオシドの酵素的分割を介して3TCおよびFTCを得る方法が特許請求されている。米国特許第5,539,116号において、米国特許第5,728,575号の分割方法の生成物である3TCが特許請求されている。
米国特許第5,827,727号(Liotta)において、シチジンデアミナーゼを使用する立体選択的脱アミン反応を介して3TCおよびFTCを得る方法が特許請求されている。
米国特許第5,892,025号(Liotta他)において、アセチル化β−シクロデキストリンキラルカラムにシス−FTCを通過させることによって、シス−FTCの鏡像異性体の組合わせを分割する方法が特許請求されている。
米国特許第5,663,320号には、ラセミ体中間体をキラル補助物質で分割することを包含する、キラル1,3−オキサチオラン中間体を製造する方法が特許請求されている。
ヒト免疫不全ウイルスおよびB型肝炎ウイルスの処置における1,3−オキサチオランヌクレオシドの重要性に照らして、本発明の目的は、製造規模で使用することができる1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する方法を提供することである。
発明の要約
1,3−オキサチオラン環を製造し、引き続いて1,3−オキサチオランをピリミジンまたはプリン塩基と縮合させる効率よい方法を包含する、1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する方法が提供される。本明細書に記載する方法を使用すると、化合物を単離された鏡像異性体として提供することができる。
式(R1O)2CHR(式中Rは−(CH2−O−C(O)R1)であり、そしてR1はアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルカリール、アルキルヘテロアリール、アルキル複素環、またはアラルキルである)のアセタールをメルカプト酢酸と有機溶媒、例えば、アセトニトリル中で、最小量の水を含む有機溶媒中のルイス酸またはプロトン酸の存在下に直接反応させることによって、式2−[R1C(O)OCH2]−1,3−オキサチオラニル−5−オンを高い収率で製造できることが発見された。あるいは、アルデヒド前駆体(OH)2CHRまたは(R1O)(OH)CHRを使用することができる。
アセタールを、また、ヘミアセタール、アセタールモノマーまたはそれらの高級縮合生成物の混合物として使用することができる。メルカプト酢酸をアセタールと直接反応させることによって、副生物は減少し、これにより生成物の純度およびこの出発物質の収率を増加させることができる。アセタールは、例えば、ジエーテルアルコールを塩化n−ブチリルと反応させることによって、好都合に製造される。
(R1O)2CHRは、任意の適当な経路により、例えば、(i)式OH−CH2−C=C−CH2−OHの化合物をRC(O)Clと反応させてRC(O)OCH2C(H)=C(H)OC(O)Rを生成させ、これをオゾン化するか、あるいはそうでなければ切断して所望の化合物を生成するか、あるいは(ii)(R1O)2CHC(O)Hを還元して(R1O)2CHCH2OHを生成し、これをClC(O)Rと反応させて所望の化合物を生成することによって、製造することができる。
他の別の経路において、HC(O)CH2OC(O)R1をメルカプト酢酸と反応させて、所望の1,3−オキサチオラン環を形成する。HC(O)CH2OC(O)R1は、任意の適当な方法により、例えば、第2図に図解されている方法AおよびBにより製造することができる。
5−(O保護基)−2−保護ヒドロキシメチル−1,3−オキサチオランまたはその5−アセチルオキシ誘導体を、シトシンまたは5−フルオロシトシンを包含する、保護シリル化ピリミジンまたはプリン塩基と、ルイス酸の存在下に縮合させて、高いβ−選択性を有する対応するヌクレオシドを製造することができる。
ルイス酸の例は次の通りである:塩化錫、(Cl)3Ti(イソプロポキシド)、トリメチルシリルトリフレート、トリメチルシリルヨウ化物、または縮合を触媒することが知られている他のルイス酸、例えば、下記の米国特許に記載されているルイス酸:米国特許第5,663,320号;米国特許第5,864,164号;米国特許第5,693,787号;米国特許第5,696,254号;米国特許第5,744,596号;および米国特許第5,756,706号。HgCl2、Et2AlCl、またはTiCl2(O−イソプロピル)2を使用して1,3−オキサチオランと保護されたピリミジン塩基とのカップリングが起こらないことを報告されているので、1,3−オキサチオランと保護された塩基との縮合のために触媒として、(Cl)3Ti(イソプロポキシド)が有効であることは驚くべきことである。
別の態様において、ルイス酸の存在下にグリコール酸をメルカプト酢酸の代わりに使用して対応する1,3−ジオキソランを生成し、これをプリンまたはピリミジン塩基と縮合させて1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する。プロトン酸、例えば、p−トルエンスルホン酸よりむしろルイス酸、例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートの存在下にアセタール(またはアルデヒド)とグリコール酸との縮合を実施することが好ましい。
また、(i)5−ハロ−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを製造し、そして(ii)5−ハロ−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを保護されたプリンまたはピリミジン塩基と低温において、好ましくは25℃以下、より好ましくは10℃以下において反応させることによって、1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造できることが発見された。これは縮合反応はルイス酸の助けなしに有効に実施できることは驚くべきことであった。好ましい態様において、オキサチオランの5−位置におけるハロゲンはクロロ置換基である。
この反応は典型的には分離しなくてはならないβおよびαアノマーの混合物を生成する。βアノマーは典型的にはαアノマーより過剰量で生成する。βおよびαアノマーの分離は、任意の既知の方法、例えば、分別結晶化、クロマトグラフィー(アキラルまたはキラル)、またはジアステレオマー誘導体の製造および分離により実行することができる。1つの態様において、ラセミ体5−アシル化−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを低温(例えば、0℃)においてを塩素化し、次いで保護された塩基、例えば、5−フルオロシトシンまたはシトシンと縮合させて、ジアステレオマーの混合物(典型的にはβ化合物が実質的に過剰量である)を製造する。
他の態様において、キラル5−アシル化−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを塩素化し、次いで保護された塩基と反応させる。所望の生成物を提供する、任意の5−アシル化−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを使用することができる。適当なアシル部分の非限定的例は下記のものを包含するが、これらに限定されない:アセテート、プロピオネート、ブチレート、ベンゾエート、p−メトキシベンゾエート、およびp−(t−ブチル)−ベンゾエート。ハロゲン化反応は任意の有用な有機溶媒、例えば、トルエン、クロロホルム、酢酸、テトラヒドロフラン,エーテル、ベンゼン、およびその他。縮合反応において製造されるα/βのアノマー比は、反応において使用するために選択した溶媒により影響を受けることがある。種々の有機溶媒を試験して、所望生成物の最適な収率を提供する溶媒を選択することができる。
発明の詳細な説明
1,3−オキサチオラン環を製造し、引き続いて1,3−オキサチオランをピリミジンまたはプリン塩基と縮合させる効率よい方法を包含する、1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する方法が提供される。
式(アルキルO)2CHR(式中Rは−(CH2−O−C(O)R1)であり、そしてR1はアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルカリール、アルクヘテロアリール、またはアラルキルである)のアセタールをメルカプト酢酸と最小量の水を含む有機溶媒中でルイス酸またはプロトン酸の存在下に直接反応させることによって、2−[R1C(O)OCH2]−1,3−オキサチオラニル−5−オンを高い収率で製造できることが発見された。アセタールを、ヘミアセタール、アセタールモノマーまたはそれらの高級縮合生成物の混合物として使用することができる。メルカプト酢酸をアセタールと直接反応させることによって、副生物は減少し、これにより生成物の純度およびこの出発物質の収率を増加させることができる。
5−(O保護基)−2−保護ヒドロキシメチル−1,3−オキサチオランまたはその5−アセチルオキシ誘導体を保護されたシリル化ピリミジンまたはプリン塩基、例えば、シトシンまたは5−フルオロシトシンと、ルイス酸の存在下に縮合させて、高いβ−選択性を有する対応するヌクレオシドを製造することができる。ルイス酸の例は次の通りである:塩化錫、(Cl)3Ti(イソプロポキシド)、トリメチルシリルトリフレート、トリメチルシリルヨウ化物、または縮合を触媒することが知られている他のルイス酸、例えば、下記の米国特許に記載されているルイス酸:米国特許第5,663,320号;米国特許第5,864,164号;米国特許第5,693,787号;米国特許第5,696,254号;米国特許第5,744,596号;および米国特許第5,756,706号。
HgCl2、Et2AlCl、またはTiCl2(O−イソプロピル)2を使用して1,3−オキサチオランと保護されたピリミジン塩基とのカップリングが起こらないことを報告されているので、1,3−オキサチオランと保護された塩基との縮合のために触媒として、(Cl)3Ti(イソプロポキシド)が有効であることは驚くべきことである。
別の態様において、ルイス酸の存在下にグリコール酸をメルカプト酢酸の代わりに使用して対応する1,3−ジオキソランを生成し、これをプリンまたはピリミジン塩基と縮合させて1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する。プロトン酸、例えば、p−トルエンスルホン酸よりむしろルイス酸、例えば、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートの存在下にアセタール(またはアルデヒド)とグリコール酸との縮合を実施することが好ましい。
また、(i)5−アシル化−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを製造し、そして(ii)5−ハロ−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを保護されたプリンまたはピリミジン塩基と低温において、好ましくは25℃以下、より好ましくは10℃以下において反応させることによって、1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造できることが発見された。これは縮合反応はルイス酸の助けなしに有効に実施できることは驚くべきことであった。好ましい態様において、オキサチオランの5−位置におけるハロゲンはクロロ置換基である。
この反応は典型的には分離しなくてはならないβおよびαアノマーの混合物を生成する。βアノマーは典型的にはαアノマーより過剰量で生成する。βおよびαアノマーの分離は、任意の既知の方法、例えば、分別結晶化、クロマトグラフィー(アキラルまたはキラル)、またはジアステレオマー誘導体の製造および分離により実行することができる。1つの態様において、ラセミ体5−アシル化−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを低温(例えば、0℃)においてを塩素化し、次いで保護された塩基、例えば、5−フルオロシトシンまたはシトシンと縮合させて、ジアステレオマーの混合物(典型的にはβ化合物が実質的に過剰量である)を製造する。
他の態様において、キラル5−アシル化−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを塩素化し、次いで保護された塩基と反応させる。所望の生成物を提供する、任意の5−アシル化−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを使用することができる。適当なアシル部分の非限定的例は下記のものを包含するが、これらに限定されない:アセテート、プロピオネート、ブチレート、ベンゾエート、p−メトキシベンゾエート、およびp−(t−ブチル)−ベンゾエート。
ハロゲン化反応は任意の有用な有機溶媒、例えば、トルエン、クロロホルム、酢酸、テトラヒドロフラン,エーテル、ベンゼン、およびその他。縮合反応において製造されるα/βのアノマー比は、反応において使用するために選択した溶媒により影響を受けることがある。種々の有機溶媒を試験して、所望生成物の最適な収率を提供する溶媒を選択することができる。
選択される5−アシル化−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを、例えば、既知の方法を使用して、5−クロロ、5−ブロモ、または5−ヨード誘導体にハロゲン化することができる。
キラルクロマトグラフィーのためのキラル静止相は、多数のテキスト、例えば、下記のテキストに記載されている:Strdi編、Analytical Enantioseparations, Polysaccharides and teir derivatives as chiral stationaly phases.Perkin Elmer、1992。
5−アシル基の代わりに、ハロゲン、好ましくはクロライドで置換することができる任意の他の基を使用することができる。例はアルコキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アジド、およびイソシアナトである。
I. 定義
本明細書において使用するとき、用語「単離された鏡像異性体」は、少なくとも約95%〜100%、より好ましくは97%を超えるそのヌクレオシドの単一鏡像異性体を含むヌクレオシド組成物を意味する。
プリンまたはピリミジン塩基という用語は下記のものを包含するが、これらに限定されない:6−アルキルプリンおよびN6−アルキルプリン、N6−アシルプリン、N6−ベンジルプリン、6−ハロプリン、N6−アセチレン系プリン、N6−アシルプリン、N6−ヒドロキシアルキルプリン、6−チオアルキルプリン、N2−オアルキルプリン、N4−アルキルピリミジン、N4−アシルピリミジン、4−ハロピリミジン、N4−アセチレン系ピリミジン、4−アミノおよびN4−アシルピリミジン、4−ヒドロキシアルキルピリミジン、4−チオアルキルピリミジン、チミン、シトシン、
6−アザピリミジン、例えば、6−アザシトシン、2−および/または4−メルカプトピリミジン、ウラシル、C5−アルキルピリミジン、C5−ベンジルピリミジン、C5−ハロピリミジン、C5−ビニルピリミジン、C5−アセチレン系ピリミジン、C5−アシルピリミジン、C5−ヒドロキシアルキルプリン、C5−アミドピリミジン、C5−シアノピリミジン、C5−ニトロピリミジン、C5−アミドピリミジン、N2−アルキルプリン、N2−アルキル−6−チオプリン、5−アザウラシル、トリアゾピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、およびピラゾロピリミジニル。
必要に応じてまたは所望ならば、塩基上の官能性酸素および窒素の基を保護することができる。適当な保護基は当業者によく知られており、そしてトリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル、およびt−ブチルジフェニルシリル、トリチル、アルキル基、アシル基、例えば、アセチルおよびプロピオニル、メタンスルホニル、およびp−トルエンスルホニルを包含する。好ましい塩基は、シトシン、5−フルオロシトシン、ウラシル、チミン、アデニン、グアニン、キサンチン、2,6−ジアミノプリン、6−アミノプリン、6−クロロプリンおよび2,6−ジクロロプリンを包含する。
アルキルという用語は、本明細書において使用するとき、特記しない限り、飽和、分枝鎖状または環状、第一級、第二級、または第三級炭化水素、典型的にはC1−C18を意味し、詳しくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロプロピル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、および2,3−ジメチルブチルを包含する。
アルキル基は、必要に応じて、ヒドロキシル、カルボン酸またはエステル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、サルフェート、リン酸、ホスフェート、またはホスホネートから成る群から選択される1またはそれ以上の部分で置換されることができ、当業者に知られているように、保護されていないか、あるいは必要に応じて、例えば、下記の文献において教示されているように、保護することができる:Greene他、″Protective Groups in Organic Synthesis″、John Wiley and Sons、第2版、1991、引用することによって本明細書の一部とされる。
用語「保護された」は、本明細書において使用するとき、特記しない限り、それ以上の反応を防止するために、あるいは他の目的で、酸素、窒素、またはリン原子に付加される基を意味する。広範な種類の酸素および窒素の保護基は、有機合成の当業者に知られている。適当な保護基は、例えば、下記の文献に記載されている:Greene他、″Protective Groups in Organic Synthesis″、John Wiley and Sons、第2版、1991、引用することによって本明細書の一部とされる。
アリールという用語は、本明細書において使用するとき、特記しない限り、フェニル、ビフェニル、またはナフチル、好ましくはフェニルを意味する。アリール基は、必要に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、サルフェート、リン酸、ホスフェート、またはホスホネートから成る群から選択される1またはそれ以上の部分で置換されることができ、当業者に知られているいるように、保護されていないか、あるいは必要に応じて、例えば、下記の文献において教示されているように、保護することができる:Greene他、″Protective Groups in Organic Synthesis″、John Wiley and Sons、第2版、1991。
アルカリールまたはアルキルアリールという用語は、アリール置換基を有するアルキル基を意味する。
アラルキルまたはアリールアルキルという用語は、アルキル置換基を有するアリール基を意味する。
ハロという用語は、本明細書において使用するとき、クロロ、ブロモ、ヨード、およびフルオロを包含する。
アシルという用語は、式−C(O)R'の部分を意味し、式中R'はアルキル;アリール、アルカリール、アラルキル、ヘテロ芳香族、複素環、アルコキシアルキル、例えば、メトキシメチル;アリールアルキル、ジエチレングリコールベンジル;アリールオキシアルキル、例えば、フェノキシメチル;アリール、例えば、フェニル、これは必要に応じてハロゲン、C1−C4アルキルまたはC1−C4アルコキシ、またはアミノ酸の残基で置換される。
本明細書において使用するとき、離脱基は適当な条件下にそれが結合されている分子から切り放される官能基を意味する。
ヘテロアリールまたは複素環という用語は、本明細書において使用するとき、環の中に少なくとも1つの硫黄、酸素または窒素原子を含む環状部分を意味する。非限定的例は、フリル、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、プリニル、カルバゾイル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、キナゾリニル、ピリダジニル、ピラジニル、シンノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、キサンチニル、ハイポキサンチニル、およびプテリジニルである。
必要に応じてまたは所望ならば、複素環式塩基上の酸素および窒素の官能基を保護することができる。適当な保護基は当業者によく知られており、そしてトリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリルを包含する。アルキル基を、必要に応じて、ヒドロキシル、カルボン酸またはエステル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、サルフェート、リン酸、ホスフェート、またはホスホネートから成る群から選択される1またはそれ以上の部分で置換されることができ、当業者に知られているいるように、保護されていないか、あるいは必要に応じて、例えば、下記の文献において教示されているように、保護することができる:
Greene他、″Protective Groups in Organic Synthesis″、John Wiley and Sons、第2版、1991、引用することによって本明細書の一部とされる。
用語アルキルヘテロアリールは、ヘテロアリール置換基で置換されたアルキル基を意味する。
II. 1,3−オキサチオランラクトン環の製造
第1図は、開示した方法を実施する1つの経路を図解する。2−ブテン−1,4−ジオールをカルボン酸クロライドまたは他のエステル前駆体と反応させて、2−ブテン−1,4−ジオールジエステルを製造する。カルボン酸クロライドまたは他のエステル前駆体の選択は、生ずる1,3−オキサチオラン環の2−位置において所望の基により支配されるであろう。
例えば、ブチリルクロライドを2−ブテン−1,4−ジオールと反応させる場合、生ずる2−[R1C(O)OCH2]−1,3−オキサチオラニル−5−オンにおいて、R1はプロピルであろう。他の態様において、R1がアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルカリール、アルクヘテロアリールまたはアラルキルであるように、カルボン酸クロライドまたは他のエステル前駆体を選択する。
この反応の第2工程において、2−ブテン−1,4−ジエステルを、好ましくはオゾン分解により、切断して式(アルキルO)2CHR(式中Rは−(CH2−O−C(O)R1)であり、そしてR1はアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルカリール、アルクヘテロアリール、またはアラルキルである)のアセタールを生成させる。オゾン分解は典型的には非常に低い温度、通常−70℃またはそれより低い温度において実施される。この反応をより高い温度、多分−10℃において実施することによって、特殊化された低い温度の反応器は不必要である。
アセタールを生成する反応は、補助溶媒、例えば、ジクロロメタンの存在または非存在において、種々のアルコール溶媒中で実施することができる。好ましいアルコール溶媒はメタノールである。オゾン分解反応をジメチルサルファイドでしばしば急冷するが、チオ尿素を使用すると、所望生成物がより高い収率で得られることが見出された。
あるいは、式(アルキルO)2CHR(式中Rは(CH2OC(O)R1)であり、そしてR1はアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルクヘテロアリール、またはアラルキルである)のアセタールは、(アルキルO)2CHCH2OHを適当な酸ハロゲン化物または無水物と塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下に反応させることによって製造することができる。
この方法の主要な工程において、アセタールを次いでメルカプト酢酸とルイス酸またはプロトン酸の存在下に最小量の水を含む有機溶媒中で直接反応させる。アセタールをヘミアセタール、アセタールモノマーまたはそれらの高級縮合生成物の混合物として使用することができる。所望の結果を提供する任意のプロトン酸またはルイス酸はこの方法において適当である。アセタールとメルカプト酢酸とのシクロ縮合は効率よい1,3−オキサチオランを提供することが見出された。逆に、アルデヒドとメルカプト酢酸とのシクロ縮合はしばしば問題を生じ、未反応アルデヒドならびにアルデヒド副生物で汚染された、所望の1,3−オキサチオランを非常に低い収率で生成する。
次の工程において、多数のこの分野において知られている利用可能な方法により2−保護ヒドロキシメチル−5−オキソ−1,3−オキサチオランを分割する。この段階において分割の容易さに基づいて、2−置換基を選択することができる。この基は、例えば、酵素により立体選択的に切断されることが知られている基であることができる。
Liotta他に対する米国特許第5,204,466号には、ブタ膵臓リパーゼ、スブチリシン、またはブタ肝臓エステラーゼを使用する立体選択的加水分解により、オキサチオランを分割する方法が記載されている。米国特許第5,663,320号において、ラセミ体中間体をキラル補助物質で分割することを包含する、キラル1,3−オキサチオラン中間体を製造する方法が特許請求されている。WO 91/17159には、セルローストリアセテートまたはβ−シクロデキストリンのキラルカラムを使用して、1,3−オキサチオランヌクレオシドの鏡像異性体を分離することが開示されている。
2−保護ヒドロキシメチル−5−オキソ−1,3−オキサチオランの所望の単離された(2R)−鏡像異性体は、3TCまたはFTCの場合において、β−L−鏡像異性体を提供し、還元剤、好ましくは水素化リチウムトリ−t-ブトキシアルミニウムを使用して、対応する5−O−保護化合物、例えば、5−アセテートに還元される。
第2図は,1,3−オキサチオラン環を製造する4つの追加の態様(方法A〜D)を図解する。第2図における方法Aの非限定的例示的実施例として、中間生成物の精製を必要としない4工程法により、(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエートを製造することができる。第1工程において、t−ブチルメチルエーテル、DMAPおよびトリエチルアミン中でゾルケタールおよびn−ブチリルクロライドから(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルブタノエートを製造する。
次いでメタノール中のDowex 50W X8-100 H+樹脂を含む溶液の中に(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルブタノエートを入れて、2,3−ジヒドロキシプロピルブタノエートを生成する。次いで生ずるジオールを蒸留水中の過ヨウ素酸ナトリウムの溶液と反応させて、2−オキソエチルブタノエートを生成させる。2−オキソエチルブタノエートを使用して、アセトニトリル中でp−TsOH・H2Oとしてメルカプト酢酸と反応させることによって、(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエートを製造することができる。THF中で水素化リチウムトリ−t-ブトキシアルミニウムとの反応により、(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエートを5−アシルオキシ誘導体に変換することができる。
第2図において方法Bを使用して(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエートまたはその5−アシルオキシ誘導体を製造する非限定的実施例は、トリエチルアミン中で1,2−ジヒドロキシエタンを塩化n−ブチリルと反応させることである。この反応は2−ヒドロキシエチルブタノエートを生成し、これをさらに乾燥DCM中でP2O5と反応させ、次いでDMSOおよびトリエチルアミンと反応性させて2−オキシエチルブタノエートを生成させる。2−オキシエチルブタノエートを前述の方法により(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエートに変換するか、あるいはそれを乾燥DCM中のメルカプト酢酸およびCSAとの反応により(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエートに変換することができる。
第2図において方法Cを使用する非限定的実施例として、DCM中で2,2−ジエトキシエチルブタノエートを反応させ、TFAおよび水で処理することによって、(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエートまたはその5−アシルオキシ誘導体を製造することができる。この反応は2−オキシエチルブタノエートを生成し、これをCSAおよびDCM中でメルカプト酢酸と反応させて、所望の(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエートを製造するか、あるいはTHF中で1,4−ジチアン−2,5−ジオールと反応させて5−アシルオキシ誘導体を製造することができる。
第2図における方法Dは第1図に図解された前述の方法に類似する。
これらの工程は下記の実施例によりいっそう完全に理解されるであろう。これらの実施例は本発明を限定することを意図しない。
実施例1.
効率よい冷却システムを装備した200ガロンの反応器に、メチルt−ブチルエーテル(MtBE、278L)、DMAP(391g、3.2mol)、トリエチルアミン(102.3L、74.4kg、436.2mol)および2−ブテン−1,4−ジオール(26.4L、28.2kg、320mol)を供給した。撹拌機を始動させ、反応混合物をほぼ4℃に冷却した。バッチ温度を20℃以下に維持するような速度で、塩化ブチリル(69.6L、71.5kg、672mol)を反応混合物に添加した。
添加の間にトリエチルアミン塩酸塩が沈澱し、反応混合物は濃厚であるが、可動のスラリーとなった。反応混合物の薄層クロマトグラフィーの分析(シリカゲルプレート;Analtech No. 02521、9:1ヘキサン/EtOAcで溶離し、そしてPMA染色剤で可視化した)は、添加の完結後さらに1時間撹拌した後、反応が完結したことを示した。水(20L)を反応に添加し、生ずる混合物を固体のすべてが溶解するまで撹拌した。
相を分離した。下(水性)層をTLC分析により生成物の非存在について検査した(生成物が存在する場合、将来の生成物の回収のために層を取って置いた)。上の有機層を水(72L)、飽和重炭酸カリウム水溶液(72L)で洗浄し、出る水性層が塩基性であること検査して確実し、減圧下に、蒸発させると、69.4kgの2−ブテン−1,4−ジブチレートが淡い黄金色油として得られた。NMRスペクトルは参照スペクトルと一致した。
実施例2. 2−オキシエチルブチレートメチルヘミアセタールのオゾン分解
機械的撹拌機、浸漬温度計、油充填気体出口の気泡発生器およびオゾン入口管を装備した12Lの3首丸底フラスコに、2−ブテン−1,4−ジブチレート(1005.0g、4.4mol)およびメタノール(5L)を供給した。オゾニア(Ozonia)CFS−2型オゾン発生器、1200ワット、1気圧の酸素、流れ1m3/時、撹拌機を始動させ、混合物を氷/メタノール浴中で−20℃に冷却した。オゾンを溶液の中に泡立てて通入した。
オゾン添加の間に、混合物の温度は−10℃に上昇した。2時間後、反応混合物の薄層クロマトグラフィーの分析(シリカゲルプレート;Analtech No. 02521、9:1ヘキサン/EtOAcで溶離し、そしてPMA染色剤で可視化した)は、出発物質の完全な消失を示した。撹拌した反応混合物を窒素で15分間パージし、−20℃に冷却し戻した。
チオ尿素(170g、2.23mol、Johnson Matthey 10B16)を47gの部分で1.5時間かけて添加した。混合物の温度は0℃に上昇した。チオ尿素が添加が完結した1時間後、薄層クロマトグラフィーおよび1H NMR分析はオゾニドの完全な消失を示した。混合物を−20℃に冷却し戻し、濾過した。濾液を蒸発させると、1.5kgの2−オキシエチルブチレートメチルヘミアセタール(97%の収率)が淡黄色油状物として得られた。NMRスペクトルは参照スペクトルと一致した。
実施例3. 2−ブチリルオキシ−1,3−オキサチオラン−5−オンの製造
機械的撹拌機、浸漬温度計、圧力均等化滴下漏斗および蒸留ヘッドを装備した72Lの丸底フラスコに、トルエン(31L、Fisher)および2−オキシエチルブチレートメチルヘミアセタール(10kg、残留MeOHについて実際の補正9.3kg)を供給した。この出発物質は実際にはアセタール、ヘミアセタール、二量体、および三量体の混合物である。撹拌機を始動し、滴下漏斗を通してメルカプト酢酸(4.5L、64.7mol)を2時間かけて滴下した。
反応混合物の温度は添加の間に28℃に上昇した。反応混合物の薄層クロマトグラフィーの分析(シリカゲルプレート;Analtech No. 02521、7:3ヘキサン/EtOAcで溶離し、そしてPMA染色剤で可視化した)は、添加が完結したとき、出発物質が消費されたことを示した。混合物を85℃(内部温度)に加熱した。蒸留物(5Lのトルエンおよび水性メタノールとの混合物)を75℃(ヘッド温度)において収集した。反応混合物の薄層クロマトグラフィーの分析(シリカゲルプレート;Analtech No. 02521、7:3ヘキサン/EtOAcで溶離し、そしてPMA染色剤で可視化した)は、8時間加熱した後、反応が完結したことを示した。
反応混合物を室温に放冷し、16Lの撹拌した飽和重炭酸カリウム水溶液を含有する100Lの反応器にゆっくり送入した。混合物を20分間撹拌し、次いで停止し、層を分離させた。有機層を6Lの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、蒸発乾固した。粗生成物を2インチのポープ・サイエンティフィック(Pope Scientific)ワイプ−フィルムかま(カラム温度90℃、0.5mmの真空、約0.5kg/時の速度)に通過させた。
低沸点の不純物は蒸留フラスコの中に存在したが、生成物は下部フラスコの中に収集された。収率は5.8kg(53.8%)であった。この物質はGC分析により92%の純度であった(HP−1 Methyl Silicone Gum Column、50ml/分の窒素のキャリヤーガス、Flame Ionization Detctor:280℃、65℃に1分間保持し、次いで12.5℃/分で250℃まで上昇させ、1分間保持した、注入体積:1〜2LのEtOAc溶液)。NMRスペクトルは参照スペクトルと一致した。
実施例4. 5−アセトキシ−2−ブチリルオキシメチル−1,3−オキサチオラン
オーバーヘッド機械的撹拌機、2つのN2気泡発生器、ストッパーおよび熱電対/サーモウェルを装備した50Lの4首丸底フラスコに、無水THF(4.1L、Aldrich)を供給した。これに100gの部分で水素化リチウムアルミニウムのペレット(334G;8.8mol;Aldrich lot#04414KR)をゆっくり添加した。このスラリーを追加量のTHF(4.1L)で希釈し、15時間撹拌した。添加後最初に温度は37℃に上昇し、究極的に22℃に冷却した。生ずる灰色混合物を氷/MeOH浴で−5℃に冷却した。
ストッパーを5Lの圧力均等化滴下漏斗と交換し、t−ブタノール(2.0kg;2.6L;27.6mol)とTHF(600ml)との混合物を供給した。この混合物を反応混合物に2.5時間かけてゆっくり添加した。反応温度は添加の間に15.9℃に上昇した。冷却浴を除去し、加温水浴と交換し、反応温度を33℃に上昇させた。この温度を1.5時間またはガスの発生が止むまで維持した。反応混合物を氷/MeOH浴で−6℃に冷却した。滴下漏斗に、2−ブチリルオキシ−1,3−オキサチオラン−5−オンの混合物[1410.6g;6.9molおよびTHF(350ml)]を供給した。この混合物を反応混合物にゆっくり添加し、内部温度を5℃以下に保持した。
反応混合物を1.5時間撹拌し、この時点においてアリコート(反応混合物の5滴)を無水酢酸/4−ジメチルアミノピリミジンで急冷し、酢酸エチル(約1ml)で希釈した。アリコート混合物のGC分析(HP−1 Methyl Silicone Gum Column、50ml/分の窒素のキャリヤーガス、Flame Ionization Detctor:280℃、65℃に1分間保持し、次いで12.5℃/分で250℃まで上昇させ、1分間保持した、注入体積:1μLの急冷した反応混合物)は、出発ラクトンをそれ以上示なかった(RT=7.4分)。冷却浴に新しい氷/MeOH混合物を補充し、反応混合物を−9.0℃に冷却した。
生ずる緑色がかった反応混合物に4−ジメチルアミノピリミジン(42g;0.35mol)を一度に添加した。滴下漏斗に、無水酢酸(706.5g;6.5L;69.0mol)を少しずつ供給した。これを反応混合物に1.5時間かけてゆっくり添加し、温度を0℃以下に維持した。生ずる緑色がかった反応混合物を13時間撹拌し、その間それを19℃まで徐々に加温した。GC分析(HP−1 Methyl Silicone Gum Column、50ml/分の窒素のキャリヤーガス、Flame Ionization Detctor:280℃、65℃に1分間保持し、次いで12.5℃/分で250℃まで上昇させ、1分間保持した、注入体積:1〜2μLの反応混合物)は、反応が完結したことを示した(RT=8.4および8.6分における2つの新しいピークの形成)。
褐色がかったオレンジ色反応混合物を酢酸エチル(13L)で希釈した。反応混合物の半分をセライトのパッドを通して濾過した(18インチのテーブル・トップ漏斗中の7.5cmの厚さ)。濾過を極めてゆっくり進行させた。セライト(1.5kg)を反応混合物の第2半分に添加した。これを4時間撹拌し、前述と同一プロトコールを使用してセライトのパッドを通して濾過した。濾過は円滑に進行した。オーバーヘッドの機械的撹拌機を装備した72リットルの滴下底部フラスコに、一緒にした濾液を移したこれに飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20L)を添加した。
生ずる2相混合物を1時間撹拌し、この時点において層は分離し、有機層を追加の飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10L)、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液(20L)で洗浄した。層を分離し、浅色撹拌機を使用して懸濁液を撹拌して、有機層を無水硫酸マグネシウム(3.0kg)上で乾燥した。硫酸マグネシウムを真空濾過により除去し、濾液を真空蒸発(35℃、水浴を使用する)させると、赤色液体が得られた。これを高真空ポンプ(23mmHg;40℃)1.5時間さらに濃縮し、これにより粗製5−アセトキシ−2−ブチリルオキシメチル−1,3−オキサチオランが赤色油として得られた(148.0g;87%の収率)。
粗製5−アセトキシ−2−ブチリルオキシメチル−1,3−オキサチオランの10gの部分をヘキサン(100ml、10体積)中に溶解し、フラスコの底部上に小部分の赤色油が残留するまで激しく撹拌した。この撹拌混合物にシリカゲル(2g)を添加し、この混合物を10分間撹拌した。セライトのパッドを通して生ずるスラリーを濾過すると、淡黄色濾液が得られた。溶媒を真空蒸発させると、5−アセトキシ−2−ブチリルオキシメチル−1,3−オキサチオランが黄色油状物として得られた(7.7g;77%の回収率)。TLC基線の不純物は除去されたが、GC分析は変化しなかった。
実施例5. ルイス酸としてヨードトリメチルシランを使用する5−アセトキシ−2−ブチリルオキシメチル−1,3−オキサチオランと5−フルオロシトシンとの縮合
機械的撹拌機、ストッパーおよび窒素気泡発生器を有する水冷冷却器を装備した3Lの3首丸底フラスコに、5−フルオロシトシン(51.6g;0.40mol)、ヘキサメチルジシラザン(665ml、3.10mol)および硫酸アンモニウム(2.0g」を供給した。生ずるスラリーを2.5時間加熱還流させると、冷却器の内壁上に白色固体の形成が観察された。
過剰のヘキサメチルジシラザンを減圧下に除去し、その間内部温度を維持した。この白色固体に塩化メチレン(890ml)を添加すると、透明な黄色溶液が形成した。反応器に熱電対/サーモウェル、圧力均等化滴下漏斗を有するクライゼンヘッドおよび窒素気泡発生器を装備した。反応溶液を氷−メタノール浴中で−5℃に冷却し、この時点において塩化メチレン(300ml)中のオキサチオランアセテート(175.6g(GCにより62%の純度)、0.41mol)の溶液を少しずつ滴下漏斗に移し、引き続いて反応混合物に45分かけて滴下した。反応溶液の温度を−5℃〜0℃に維持した。
添加後、滴下漏斗を100mlの塩化メチレンですすぎ、これを反応混合物に添加した。塩化メチレン(150ml)中のヨードトリメチルシラン(89.0ml,0.62mol)の溶液を滴下漏斗に移し、引き続いて反応混合物に45分かけて添加し、反応混合物の内部温度を−5℃〜0℃に維持した。初期の添加の間に多少の白煙の形成が認められたが、これは添加の終わりに向かってすぐに消失した。生ずる反応混合物を室温に放温し、ここで一夜撹拌した。
反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で注意して急冷し、生ずる層を分割した。有機層をブラインで洗浄し、減圧下に濃縮すると、228gの黄褐色半固体が得られた。HPLC分析はαおよびβアノマーのほぼ1:1混合物を示した。この物質の一部分をトルエンから再結晶化させると、αおよびβアノマーがきれいに分離された。
実施例6. ブチレート保護基の除去
ブチレートエステル(SA.494.89.)の8.0g(25mmol)の試料を160mlのメタノール中に溶解し、激しい撹拌を開始し、この溶液を氷/水浴の中に浸漬した。10分後、この溶液を6.4gのDOWEX SBR強く塩基性のアニオン(OH)交換樹脂(Sigma cat#I−9980、p. 1803)で処理した。3時間撹拌した後、浴を除去し、TLC分析が出発物質の完全な消費を示すまで、撹拌を続けた。樹脂を100mlのメタノールで洗浄し、一緒にした溶液を濃縮すると、淡黄色固体が得られた。この固体を20mlのCOLD酢酸エチルで粉砕し、生ずる固体を乾燥すると、5.0g(81%)no 9/152−13が灰色固体として得られた。
樹脂をメタノールでよく洗浄し、次いで使用前に乾燥させることに注意すべきである。この反応のためのすぐれたTLC系は15%のメタノール/85%のクロロホルムである。
あるいは、ブチレートエステルをアルコール溶媒中の第一級アミンまたは第二級アミンで処理することによって、ブチレートエステルを除去した。好ましいアミンはアンモニアおよびブチルアミンであり、そして好ましい溶媒はメタノールである。
実施例7. (2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メタノールからの(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(25)および(5−アセチルオキシ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(26)の合成
(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルブタノエート(22)の合成
Figure 2009108080
0℃のt-ブチルメチルエーテル(11)中のゾルケタール(21、62.6ml、500mmol)、Et3N(83.6ml、600mmol)およびDMAP(5g、40.9mmol)のよく撹拌した溶液に、塩化n−ブチリル(52.4ml、500mmol)を75分かけて滴下した。この混合物を0℃においてさらに1時間撹拌し、次いで室温においてさらに5時間撹拌した。この混合物をAcOEt(11)で希釈し、水(11)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、蒸発させると、22(104.6g、500mmol、100%)が油として得られた。この物質をそれ以上精製しないで次の工程において使用した。
2,3−ジヒドロキシプロピルブタノエート(23)の合成
Figure 2009108080
MeOH(500ml)中の22(50.6g、250mmol)およびDowex 50W X8−100 H+樹脂(76.5g)の溶液を50℃に2時間加熱し、室温に冷却し、濾過し、樹脂をMeOH(1×200ml)で洗浄した。メタノール画分を一緒にし、真空濃縮した。粗生成物をシリカのプラグに通過させ、溶離剤として酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を使用した。生成物を含有する画分を一緒にし、真空濃縮すると、23(32.8g、200mmol、81%)が油として得られた。この物質をそれ以上精製しないで次の工程において使用した。
2−オキシエチルブタノエート(24)の合成
Figure 2009108080
蒸留水(450ml)中の過ヨウ素酸ナトリウム(89.4g、418mmol)の溶液を45℃にほぼ20分間時間することによって、この混合物を調製した。この溶液を60分かけてアセトン(225ml)中のジオール23(30.8g、190mmol)の溶液に滴下した。いったん添加が完結したとき、この混合物を室温においてさらに2時間撹拌する。アセトンを回転蒸発により除去する(浴温度は35℃を超えるべきではない。反応混合物を水(250ml)で希釈し、水性層をAcOEt(3×250ml)で抽出した。有機画分を一緒にし、水(250ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、蒸発させる(浴温度は35℃を超えないようにする)と、24(20.5g、157mmol、83%)が油として得られた。この生成物をそれ以上精製しないで次の工程において使用した。
(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(25)の合成
Figure 2009108080
アセトニトリル(600ml)中の24(3.90g、0.030mol)、メルカプト酢酸(3.32g、0.036mol)およびp−TsOH・H2O(0.28g、1.5mol)の溶液を3.5時間加熱還流させた。還流の期間の間、各25mlの4つの部分をディーン−スタークトラップから排出させた(水−アセトニトリルの共沸混合物を除去するために)。TLC(6:1ヘキサン:AcOEt)により反応溶液を分析すると、1つの主要な新しい化合物が明らかにされ、未反応アルデヒドは存在しなかった(PMAおよび2,4−DNP染色剤により可視化する)。
反応溶液を室温において16時間撹拌し、次いで蒸発乾固した。残留物をNaHCO3(30ml)とAcOEt(75ml)との間で分配した;水性部分を追加のAcOEt(2×75ml)で抽出した。有機画分を一緒にし、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空濃縮した。粗製物質(6g)をフラッシュクロマトグラフィー(125gのシリカゲル、ヘキサン中の20%の酢酸エチル)により精製した。化合物25(3.27g、16mmol、53%)が油として得られた:TLC(3:1ヘキサン:AcOEt)−−1つのスポット、Rf=0.41;1H nmr(CDCl3):構造と適合性:質量分析(FAB)−−m/z=205.1(M+1)。
(5−アセチルオキシ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(26)の合成
Figure 2009108080
−5〜−10℃の無水THF(15ml)中の25(0.50g、2.5mmol)の溶液に、THF(2.7ml)中の1.0Mの水素化リチウムトリ−t-ブトキシアルミニウムの溶液を注射器ポンプにより2時間かけて添加し、その間温度−5〜−10℃に維持した。添加が完結した後、溶液を3℃において18時間放置し、次いで室温に加温した。DMAP(1.7mmol、0.20g)および無水酢酸(25.0mmol、2.4ml)を添加し、生ずるオレンジ色溶液を周囲温度において3時間撹拌し、この時点において濃NaHCO3(25ml)を添加した。
1時間撹拌した後、相を分離し、水性相を2つの追加の部分のAcOEtで抽出した。有機画分を一緒にし、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空させると、粗生成物(0.77g)が得られた。フラッシュクロマトグラフィー(20gのシリカゲル、ヘキサン中の20%の酢酸エチル)後、化合物26(0.50g、2.0mmol、80%)が油として単離された:TLC(25%の酢酸エチル:ヘキサン)−−1つのスポット、Rf=0.51;1H nmr(CDCl3):構造と適合性。
実施例8. (2,2−ジエトキシエタノール)(27)からの(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(25)の合成
2,2−ジエトキシエチルブタノエート(28)の合成
Figure 2009108080
0℃のEtOAc(50ml)中の27(Lancaster 6284、13.4g、100mmol)、DMAP(61mg、0.5mmol)およびEt3N(16ml、11.64g、115mmol)のよく撹拌した溶液に、塩化n−ブチリル(10.90ml、11.19g、105mmol)をゆっくり添加した。室温において1時間撹拌した後、反応混合物をさらにEtOAc(50ml)で希釈し、連続的に濃NaHCO3(2×100ml)およびブライン(2×100ml)で洗浄し、乾燥し、濾過し、蒸発させると、28(21.5g、100mmol、100%)が黄色液体として得られ、これをそれ以上精製しないで次の工程において使用した。
(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(25)の合成
Figure 2009108080
乾燥トルエン中の28(6.13g、30mmol)、メルカプト酢酸(4.14g、3.13ml、45mmol)およびp−TsOH・H2O(60mg、0.31mmol)のよく撹拌した溶液を2時間還流させた。室温に冷却した後、反応混合物をAcOEt(50ml)で希釈し、連続的に濃NaHCO3(2×100ml)およびブライン(2×100ml)で洗浄し、乾燥し、濾過し、蒸発させると、25(5.2g、25.5mmol、85%)が黄色液体として得られ、これをそれ以上精製しないで次の工程において使用した。
実施例9. (2,2−ジエトキシエタノール)(27)から2,2−ジエトキシエチルブタノエート(28)および2−オキシエチルブタノエート(24)を介しての(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(25)の合成
2−オキシエチルブタノエート(24)の合成
Figure 2009108080
室温のDCM(200ml)中の28(8.16g、40mmol)のよく撹拌した溶液を、TFA(44.4g、30ml、390mmol)および水(7.2g、7.2ml、400mmol)で処理した。室温において2時間撹拌した後、溶液を35℃において蒸発させた。次いでそれをヘキサンとともに数回共蒸発されて、微量のTFAを除去した。化合物24(5.2g、40mmol、100%)が無色液体として得られ、これをそれ以上精製しないで次の工程において使用した。
(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(25)の合成
Figure 2009108080
乾燥DCM(10ml)中の24(1.3g、10mmol)およびCSA(116mg、0.50mmol)のよく撹拌した懸濁液に、乾燥DCM(5ml)中のメルカプト酢酸(2.76g、2.08ml、30mmol)の溶液をゆっくり添加した。反応を室温において撹拌しながら16時間放置した。
反応混合物をDCM(20ml)で希釈し、連続的に濃NaHCO3(3×20ml)およびブライン(2×30ml)で洗浄し、乾燥し、濾過し、蒸発させると、25(0.9g、4.4mmol、44%)が無色シロップ状物として得られた。
(5−アセチルオキシ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(26)の合成
Figure 2009108080
乾燥THF(10ml)中の24(2.6g、20mmol)および1,4−ジチアン−2,5−ジオール(1.68g、11mmol)のよく撹拌した溶液に、BF3:Et2O(312mg、278ml、2.2mmol)を添加した。この混合物を室温において16時間撹拌した。固体を濾過により除去し、残りの溶液に下記の成分を添加した:乾燥ピリジン(2.3g、2.4ml、29mmol)、DMAP(18mg、0.15mmol)、次いでAc2O(30g、2.77ml、29mmol)。この溶液を室温において16時間撹拌した。反応を8%のHClで急冷し、AcOEtで抽出した。有機相を分離し、連続的に8%のHCl、ブライン、濃NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥し、濾過し、蒸発させると、26(3.5g、14mmol、70%、60%の純度)が黄色がかったシロップ状物として得られた。
実施例10. 1,2−ジエタノール(29)からの(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(25)および(5−アセチルオキシ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(26)の合成
2−ヒドロキシエチルブタノエート(30)の合成
Figure 2009108080
0℃の29(834g、750ml、13.5mol)およびEt3N(116g、160ml、1.15mol)のよく撹拌した溶液に、塩化n−ブチリル(122g、120ml、1.15mol)をゆっくり添加した。反応混合物を撹拌しながら三塩化アルミニウム16時間撹拌した。
この溶液をブライン(1.5L)で希釈し、さらに1時間撹拌した。次いでそれをヘプタン(3×700ml)で抽出して、ジエステルを除去した。水性層をEtOAc(3×600ml)で抽出した。一緒にした有機相を水で洗浄して、残留するエチレングリコール(29)を除去し、乾燥し、濾過し、蒸発させると、化合物30(39.7g、0.3mol、26%)が得られた。
2−オキシエチルブタノエート(24)の合成
Figure 2009108080
0℃の乾燥DCM(100ml)中のP2O5(42.53g、150mmol)の機械的に撹拌した懸濁液に、30(11.0g、83mmol)添加し、次いでDMSO(13g、11.8ml、166mmol)を添加した。0℃において1時間撹拌した後、氷浴を除去し、この混合物をさらに1.5時間撹拌した。次いでそれを0℃に冷却し、次いでEt3N(42g、58ml、416mmol)をゆっくり添加した。
次いで反応混合物を室温において6時間撹拌した。1.0MのHCl(60ml)の添加により、反応を急冷し、0℃において撹拌しながら30分間放置した。次いで有機層を水(2×250ml)で洗浄し、乾燥し、濾過し、蒸発させると、24(6.60g、51mmol、61%)が黄色液体として得られ、これをそれ以上精製しないで次の工程において使用した。
(5−オキソ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(25)の合成
乾燥DCM(10ml)中の24(1.3g、10mmol)およびCSA(116mg、050mmol)のよく撹拌した懸濁液に、乾燥DCM(5ml)中のメルカプト酢酸(2.76g、2.08ml、30mmol)の溶液をゆっくり添加した。反応混合物を撹拌しながら室温において16時間撹拌した。
反応混合物をDCM(20ml)で希釈し、連続的に濃NaHCO3(3×30ml)およびブライン(2×30ml)で洗浄し、乾燥し、濾過し、蒸発させると、25(1.4g、6.8mmol、68%)が黄色シロップ状物として得られた。
(5−アセチルオキシ−1,3−オキサチオラン−2−イル)メチルブタノエート(26)の合成
Figure 2009108080
乾燥THF(10ml)中の24(2.6g、20mmol)および1,4−ジチアン−2,5−ジオール(1.68g、11mmol)のよく撹拌した溶液に、BF3:Et2O(312mg、278μl、2.2mmol)を添加した。固体を濾過により除去し、残りの溶液に下記の成分を添加した:乾燥ピリジン(2.3g、2.4ml、29mmol)、DMAP(18mg、0.15mmol)、次いでAc2O(30g、2.77ml、29mmol)。この溶液を室温において16時間撹拌した。反応を8%のHClで急冷し、AcOEtで抽出した。有機相を分離し、連続的に8%のHCl、ブライン、濃NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥し、濾過し、蒸発させると、26(4.75g、19mmol、95%、95%の純度)が黄色がかったシロップ状物として得られた。
III. 1,3−オキサチオランと保護された塩基とのカップリング
実施例11. TiCl 3 (OiPr)を使用しての1,3−オキサチオランと保護された塩基とのカップリング
保護されたアセテート(150mg、0.604mmol、1当量)をアルゴン雰囲気下に1.5mlの無水ジクロロメタン中に溶解した。アルゴン雰囲気下に異なる容器において、1.5mlの無水ジクロロメタン中に溶解したビス−シリル化シトシン(154mg、0.604mmol、1当量)を新しく調製したTiCl3(OiPr)(ジクロロメタン中の1Mの溶液として0.75当量のTiCl4および0.25当量の純粋なTi(OiPr)4から、両方はAldrichから入手可能である)と混合した。
塩基およびTiCl3(OiPr)の錯体の溶液をアセテートに滴下し、生ずるわずかに黄色の透明な溶液を室温において約20分間撹拌し、次いで0.6mlのTiCl4(Aldrichからのジクロロメタン中の1Mの溶液)をゆっくり添加した。生ずる赤色溶液を室温において約2時間撹拌し、次いで1mlの水酸化アンモニウムを添加した。
30分後、この混合物をシリカゲルを通して濾過し、溶離剤として4:1−ヘキサン酢酸エチルおよび9:1−酢酸エチル:エタノールを使用すると、白色泡状物が得られ、これは核磁気共鳴分析後主として保護されたヌクレオシドアナローグ、3TC、に対応する。別の態様において、他のルイス酸、例えば、トリメチルシリルトリフレートおよびヨードトリメチルシランまたは両方の混合物をカップリング段階において使用することができる。
実施例12. [5−(4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピリミジニル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチルブタノエート(2R/2S、β)[312R/2S、β]の合成
Figure 2009108080
ラセミ体アセテートの塩素化:0℃のCl3CH(0.5L)中の26(2R/2S)(49.6g、0.2mol)の溶液の中にHClガスを75分かけて泡立てて通入した。均質な暗黄色溶液を30分間撹拌し、次いでトルエン(100ml)を添加し、この溶液を48℃において減圧下に濃縮乾固した。このトルエンのチェース(chase)を2回反復した。生ずる粗製油をCl3CH(100ml)で希釈し、この溶液をカップリングのために使用した(下文参照)。
5−フルオロシトシンのシリル化:Cl3CH(0.5L)中の5−フルオロシトシン(30.96g、0.24mol)、硫酸アンモニウム(1g)および1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(100ml、0.48mol)の懸濁液を4時間還流させ、次いで均質溶液が得られた。この溶液を室温に冷却した。
シリル化5−フルオロシトシンとラセミ体クロライドとのカップリング:シリル化5−フルオロシトシンの溶液にラセミ体クロライドの溶液に添加した。生ずる溶液を3時間加熱還流させ、室温に冷却した。この溶液をEtOAc(300ml)で希釈し、濃NaHCO3(300ml)を添加した。この混合物を室温において1時間撹拌し、層を分離した。水性層を1回DCM(100ml)で希釈し、一緒にした有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧下に蒸発乾固した。粗製物質をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかけると、所望の物質31(2R/2S)(48.8g、77%)がβ:αアノマー(AUC)の3.5:1混合物として得られた。
βアノマーの単離:3.5:1アノマー混合物(48.8g)をEtOAc(290ml)に添加した。この懸濁液を10分間加熱還流させると、均質溶液が得られた。油浴を除去し、溶液にβアノマー(10mg)の種結晶を添加した。この混合物を室温において2時間放置した。生ずる白色結晶を濾過により集めると、化合物31(2R/2S)(25.4g、52%)がHPLCによりβ:αアノマー(AUC)の97:3混合物として得られた。
ブチレート以外のオキソアセテート、例えば、ベンゾエート、p−メトキシベンゾエートおよびp−(t−ブチル)−ベンゾエートをシリル化5−フルオロシトシンと前述の同一手順によりカップリングさせて、対応する生成物が、それぞれ、β:αアノマー(AUC)の2.2:1、2.2:1および2:1混合物として得られた。
任意の適当な有機溶媒、例えば、トルエン、クロロホルム、無水酢酸、THF、エーテル、ベンゼン、および他の普通の溶媒を塩素化反応において使用することができる。最終生成物の塩素化または立体選択性に対する溶媒の明らかな影響は観測されていなかった。しかしながら、オキソアセテートとシリル化5−フルオロシトシンとのカップリング反応の立体選択性は溶媒により大きく影響を受けた。上記カップリング反応をクロロホルム中で実施したとき、β:αアノマー(AUC)の比は5.0:1であったが、トルエン中で2.8:1であった。
実施例13. [5−(4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピリミジニル)−1,3−オキサチオラン−2−イル]メチルブタノエート(2R、β/α)[31(2R、β/α)]の合成
Figure 2009108080
キラルアセテートの塩素化:0℃の1,2−ジクロロエタン(40ml)中のキラルアセテート26(2.7g、8.0mmol)[74%AUC、GCによる]の溶液に、1,2−ジクロロエタン(26ml)中のHCl(16mmol)の溶液を添加した。0.5時間撹拌した後、1,2-ジクロロエタン(23ml)中のさらにHCl(8mmol)を添加した。この溶液を1時間撹拌し、さらに1,2−ジクロロエタン(26ml)中のHCl(16mmol)で処理し、1時間撹拌した。アセテートが消費されたとき、溶液を窒素で0.25時間激しく脱気し、必要となるまで0℃において窒素雰囲気下に貯蔵した。
5−フルオロシトシンのシリル化:1,2−ジクロロエタン(80ml)中の5−フルオロシトシン(1.55g、12.0mmol)、硫酸アンモニウム(155mg)および1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(7.6ml、36mmol)から構成された懸濁液を2時間還流させた。(ほぼ1時間後、混合物は淡黄色均質溶液となった。)完結したとき、溶液を0℃に冷却し、必要となるまで窒素雰囲気下に貯蔵した。
シリル化5−フルオロシトシンとキラルクロライドとのカップリング:上記において発生したクロライド溶液を、窒素雰囲気下に、シリル化塩基に注意して添加した。生ずる濁った混合物を加温還流させ、その状態に2時間維持した。均質淡黄色溶液を室温に冷却し、1/2体積の濃NaHCO3で急冷した。分割後、有機層を乾燥(Na2SO4)し、濾過し、減圧下に蒸発乾固すると、2.5gの粘性褐色油が得られた。この油をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、5%EtOH:ジクロロメタンで溶離すると、31(2R)(1.9g、76%)がβ:αアノマーの60:40混合物として得られた。分別結晶化によりアノマーを分離する試みは不成功に終わった。
実施例14. 4−アミノ−5−フルオロ−1−(2−ヒドロキシメチル−1,3−オキサチオラン−5−イル)−2(1H)−ピリミジノン(2R、β/α)[32(2R、β/α)]の合成
Figure 2009108080
MeOH(400ml)中の31(2R、β/α)(29.61g、93.3mmol)およびn−ブチルアミン(30ml、304mmol)の溶液を室温において16時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮した。EtOAc(3×400ml)を添加し、真空除去した。次にMeOH(250ml)を添加し、真空除去した。粗生成物をDCM(250ml)で粉砕し、濾過し、さらにDCM(2×100ml)で洗浄した。生成物は、黄褐色固体であり、45℃において真空炉中で1時間乾燥すると、32(2R)(18g、72mmol、77%)がβ:αアノマーの60:40混合物として得られた。この物質をそれ以上精製しないで次の工程において使用した。分別結晶化によりアノマーを分離する試みは不成功に終わった。
α:β(−)−FTC HCl塩[32(2R、β/α)HCl塩]の形成
Figure 2009108080
(−)−FTC[32(2R、β/α)](β:αアノマーの60:40混合物、3.0g)の混合物をメタノール(30ml)中に溶解し、0℃に冷却し、1,4−ジオキサン中のHClの4.0Mの溶液(3.3ml[1.1]×)で処理した。この溶液を20分間撹拌し、引き続いて濃縮乾固すると、灰色固体が得られた。
実施例15. α:β(−)−FTC HCl塩[32(2R、β/α)HCl塩]の再結晶化
Figure 2009108080
粗製(−)−FTC HCl塩(32(2R、β/α)HCl塩)[β:αアノマーの60:40混合物、3.0g)を熱EtOH(20ml)中に溶解した。生ずる均質溶液を室温において一夜放置した。次いで生ずる結晶を収集した。純粋なβ物質の0.9gの試料が得られた。母液を濃縮し、この混合物をエタノールから再結晶化させると、0.5gの純粋なα異性体が得られた。一緒にした母液を濃縮し、この物質をエタノールから再結晶化させると、0.5gの純粋なβ異性体が得られた。1.4gのβアノマーの組合わせた回収率は78%の収率を表す(所望のβ異性体の理論収量は1.8gであった)。キラルHPLC分析は、塩の形成においてラセミ体化が起こらなかったことを示した。
実施例16. エムトリシタビン((−)−FTCまたは32(2R、β))の合成
Figure 2009108080
遊離塩基を回収するために、塩酸塩(32(2R、β)HCl塩)を10体積のメタノール中に取り、3.0当量のIRA−92樹脂で処理する。この混合物を16時間撹拌し、樹脂を濾過する。溶媒を真空除去すると、遊離塩基(32(2R、β))が90%の収率で残る。それ以上精製するために、AcOEtまたはTHFスラリーを得ることができる。
本発明は、その好ましい態様を参照して記載された。本発明の前述の詳細な説明から、本発明の変形および変更は当業者にとって明らかであろう。これらの変形および変更のすべては本発明の範囲内に包含される。
第1図は、式(R1O)2CHR(式中Rは−(CH2−O−C(O)R1)である)のアセタールをメルカプト酢酸と反応させることによって2−[R1C(O)OCH2]−1,3−オキサチオラニル−5−オンを製造することを包含する、本発明による1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する1つの方法の図解である。 第2図は、本発明による1,3−オキサチオラン環を製造する4つの別法(A〜D)の概略的図解である。 第3図は、カップリング前またはカップリング後の分割を使用する1,3−オキサチオランヌクレオシド鏡像異性体を製造する概略的図解である。

Claims (18)

  1. 式(R1O)2CHR(式中Rは−(CH2−O−C(O)R1)であり、そしてR1はアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルカリール、アルキルヘテロアリール、アルキル複素環、またはアラルキルである)のアセタールをメルカプト酢酸と、有機溶媒中で、ルイス酸またはプロトン酸の存在下に直接反応させることによって2−[R1C(O)OCH2]−1,3−オキサチオラニル−5−オンを製造する方法。
  2. 前記反応を有機溶媒中で最少量の水を使用して実施する、請求項1に記載の方法。
  3. (OH)2CHRまたは(R1O)(OH)CHRを(R1O)2CHRの代わりに使用する、請求項1に記載の方法。
  4. (R1O)(OH)CHRを(R1O)2CHRの代わりに使用する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記アセタールをヘミアセタール、アセタールモノマーまたはそれらの高級縮合生成物の混合物として使用する、請求項1に記載の方法。
  6. 式OH−CH2−C=C−CH2−OHの化合物をRC(O)Clと反応させてRC(O)OCH2C(H)=C(H)OC(O)Rを生成させ、これをオゾン化するか、あるいはそうでなければ切断して所望の化合物を生成することによって、(R1O)2CHRを製造することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. (R1O)2CHC(O)Hを還元して(R1O)2CHCH2OHを生成し、これをClC(O)Rと反応させて所望の化合物を生成することによって、(R1O)2CHRを製造することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. (i)5−ハロ−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを製造し、そして(ii)5−ハロ−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを、保護されたプリンまたはピリミジン塩基と、25℃以下の温度においてルイス酸の非存在下に反応させる、ことを含んでなる、1,3−オキサチオランヌクレオシドを製造する方法。
  9. 反応を10℃以下の温度において実施する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記5−ハロ置換基が5−クロロである、請求項8に記載の方法。
  11. 反応生成物がαおよびβアノマーの混合物である、請求項8に記載の方法。
  12. 前記αおよびβアノマーの混合物、またはそれらの誘導体を結晶化により分離する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記αおよびβアノマーの混合物、またはそれらの誘導体をクロマトグラフィーにより分離する、請求項11に記載の方法。
  14. 前記クロマトグラフィーがアキラルである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記クロマトグラフィーがキラルである、請求項13に記載の方法。
  16. 5−ハロ−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランを、キラル5−アシル化−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランのハロゲン化により製造する、請求項8に記載の方法。
  17. 5−ハロ−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランをアキラル5−アシル化−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランのハロゲン化により製造する、請求項8に記載の方法。
  18. 前記5−アシル化−2−保護−オキシメチル−1,3−オキサチオランが、アセテート、プロピオネート、ブチレート、ベンゾエート、p−メトキシベンゾエート、およびp−(t−ブチル)−ベンゾエートから成る群から選択される5−アシル部分を有する、請求項16または17に記載の方法。
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