JP2009107873A - 2h炭化珪素単結晶の製造方法およびそれにより得られた2h炭化珪素単結晶 - Google Patents

2h炭化珪素単結晶の製造方法およびそれにより得られた2h炭化珪素単結晶 Download PDF

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Masanobu Yamazaki
昌信 山崎
Yusuke Mori
勇介 森
Shiro Kawamura
史朗 川村
Yasuo Kitaoka
康夫 北岡
Kan Imaide
完 今出
Takashi Ogura
隆史 小椋
Masahiro Kamimura
昌弘 上村
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Osaka University NUC
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Abstract

【課題】2H炭化珪素単結晶の晶出量にばらつきがない製造方法と、品質の安定した2H炭化珪素単結晶を提供する。
【解決手段】リチウムフラックス中で作製した珪素と炭素源の融液の、リチウムのモル数(A)と珪素のモル数(B)の比率Mは、比率M=B/(A+B)×100(%)で、23(%)以上とし、炭素源として2リチウムアセチリド(Li2C2)を用い、炭化珪素単結晶種基板面に2H炭化珪素単結晶をLPE成長(液相エピタキシャル成長)させることにより、高いSiC収率が得られる。
【選択図】図3

Description

本願発明は、特に光デバイスや電子デバイスの基板材料として好適な、2H炭化珪素(
SiC)単結晶とその製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)単結晶は、熱的および化学的に非常に安定な半導体材料であり、珪
素(Si)に比べ、バンドギャップが2〜3倍、熱伝導率が約3倍、絶縁破壊電圧が約1
0倍、飽和電子速度が約2倍大きいという優れた特性を有している。このような優れた特
性から、炭化珪素単結晶はシリコンデバイスの限界を超えるパワーデバイスや、高温で動
作する耐環境デバイスの基板材料としての応用が期待されている。
炭化珪素は多くの結晶多形(ポリタイプ)が存在する。この結晶多形とは化学量論的に
は同じ組成でありながら原子の積層の周期が(C軸方向にのみ)異なる多くの結晶構造を
取るものである。代表的なポリタイプは2H,3C,4H,6H,15Rである。Hは六
方晶、Cは立方晶、Rは菱面体構造を表している。数字は積層方向(C軸方向)の一周期
中に含まれるSi−C単位層の数を意味する。現在、上市されている炭化珪素単結晶は3
Cと4H,6Hであり、なかでも4H炭化珪素単結晶は、バンドギャップと飽和電子速度
の特性が良いことから、光デバイスや電子デバイスの基板材料として実用化研究の中心的
な材料となっている。
2H炭化珪素単結晶は4H炭化珪素単結晶より、バンドギャップと飽和電子速度の特性
がより良いことが知られている。2H炭化珪素単結晶の基板材料を得ることができれば、
より高性能な光デバイスや電子デバイスが得られるものである。
炭化珪素単結晶の成長方法としては、気相成長法の昇華法とCVD法、アチソン法、液
相成長法が知られている。気相成長法には昇華法とCVD法がある。昇華法は、閉ざされ
た黒鉛坩堝中で炭化珪素粉末を2000℃以上の高温下で昇華させ、坩堝の低温部に設置
した種結晶基板上に再結晶化させる方法である。現在、上市されている4Hと6H炭化珪
素単結晶基板の多くは、この昇華法で製造されている。しかし、昇華法で成長させた単結
晶にはマイクロパイプ欠陥や積層欠陥の発生、結晶多形ができ易いという問題がある。C
VD法は原料をシランガスと炭化水素系ガスで供給するため、原料供給量が少なく厚い膜
が得られない。そのため、光デバイスや電子デバイスの基板材料として要求される、バル
ク単結晶を得ることが難しい。
アチソン法は、容器内に設けられた黒鉛電極の周りに珪砂とコークスを詰めて、黒鉛電
極に通電し2000℃以上の高温とし、炭化珪素単結晶を得る方法である。アチソン法は
炭化珪素研磨材の製造技術として確立され産業に貢献している。しかし、光デバイスや電
子デバイスの基板材料としては、不純物が多く高純度品が得難いことと、大型の単結晶を
作ることができないという問題がある。
液相成長法は、黒鉛坩堝内で珪素もしくは珪素化合物を融解し、その融液中に黒鉛坩堝
から炭素を溶解させて炭化珪素単結晶を析出させる方法である。しかし、珪素融液中への
炭素の溶解量が小さいため大きな単結晶を得ることが困難であった。
前述した液相成長法の問題点を解決する方法として、珪素と炭素、少なくとも1種の遷
移金属を含む原料を黒鉛坩堝内で加熱溶融して融液を作り、この融液を冷却するか融液に
温度勾配を作り、種結晶基板上に炭化珪素単結晶を生成する方法が、特許文献1から3に
開示されている。特許文献1で得られているのは3C炭化珪素単結晶、特許文献2で得ら
れているのは6H炭化珪素単結晶である。融液を冷却する方法を温度降下法、融液に温度
勾配を作る方法を温度勾配法と称している。
特開2000−264790号 公報 特開2002−356397号 公報 特開2004−002173号 公報
高品質の炭化珪素単結晶を安定に、また低コストで製造するには低温で成長させること
が必要である。前述の特許文献1〜3の実施例でも、結晶成長に必要な温度は1450℃
以上である。特許文献4には、アルカリ金属[特にリチウム(Li)]フラックス中で珪
素と炭素の融液を作って反応させることで、600℃〜1400℃と低温で2H炭化珪素
単結晶を成長させている。
国際公開番号WO 2006/070749 A1 公報
数多くの2H炭化珪素単結晶の晶出を行うに従い、2H炭化珪素単結晶の晶出量にばら
つきがあることが判ってきた。2H炭化珪素単結晶の晶出量のばらつきは、製造効率だけ
でなく品質にも問題を起こす恐れがあり、晶出量のばらつきを抑えることが必要である。
本願発明は、2H炭化珪素単結晶の晶出量にばらつきがない製造方法と、品質の安定し
た2H炭化珪素単結晶を提供することを目的とする。
本願発明の2H炭化珪素単結晶の製造方法は、リチウム(Li)と珪素(Si)、炭素
源を密封容器に封入して加熱を行い、リチウムをフラックスとし2H炭化珪素単結晶の晶
出時、リチウムフラックス中で作製した珪素と炭素源の融液の、リチウムのモル数(A)
と珪素のモル数(B)の比率Mが、B/(A+B)×100≧23(%)であることが好
ましい。
比率Mの値が小さくなるに従い2H炭化珪素単結晶の晶出量が低下し、比率Mが23(
%)未満となると晶出が止まってしまう。比率Mが23(%)でリチウムフラックスに対
する炭化珪素の溶解度と2リチウムアセチリドの溶解度が逆転するためと考えられる。比
率Mが23(%)以上では2リチウムアセチリドの溶解度より炭化珪素の溶解度が小さい
ため2H炭化珪素単結晶が晶出する。しかし、比率Mが23(%)未満では2リチウムア
セチリドの溶解度の方が小さくなるため、炭化珪素ではなく2リチウムアセチリドが晶出
すると考えられる。このため、比率Mは23(%)以上であることが好ましい。投入した
炭素量に対する2H炭化珪素単結晶の晶出量(SiC収率)は、次の様に求めることがで
きる。SiC収率=(X/2Y)×100(%)で、Xは晶出したSiCのモル数、Yは
炭素源の2リチウムアセチリド(Li)のモル数で、2Yは炭素源の炭素のモル数
にあたる。2H炭化珪素単結晶の晶出量が増えるに従い、2リチウムアセチリドのリチウ
ムが溶けて比率Mが低下する。比率Mが低下しても、比率Mは23(%)以上を確保する
ことが必要である。
効率良く2H炭化珪素単結晶を晶出させる(SiC収率を上げる)ため、より好ましく
は比率Mが30(%)以上である。更により好ましくは比率Mが50(%)以上である。
2H炭化珪素単結晶を晶出に至る反応は、リチウムと炭素が反応し2リチウムアセチリ
ドを生成し、生成された2リチウムアセチリドと珪素がリチウム内に溶融し、2H炭化珪
素単結晶が晶出すると考えられる。リチウムフラックス中で作製した珪素と炭素の融液は
、出発材料を炭素と珪素、リチウムの組合せか、2リチウムアセチリドと珪素、リチウム
の組合せとすることができる。
2H炭化珪素単結晶を晶出は、次の製造工程を有することが好ましい。2リチウムアセ
チリド作製工程、2H炭化珪素単結晶を晶出する工程、2H炭化珪素単結晶を取り出す工
程。炭素と珪素、リチウムの組合せを出発材料とした場合は、2リチウムアセチリド作製
は、2H炭化珪素単結晶を晶出する工程に含まれるものである。2リチウムアセチリド作
製を別工程で行うか同時工程で行うかは、製造装置の容量や製造量等で決めることができ
る。2リチウムアセチリド出発材料とすることで、2Li+2C→Liと Li
+2Si→2Li+2SiCの反応を区別することができるので、リチウムと珪素の
比率が明確になり品質の安定に繋がることが期待できる。
2リチウムアセチリド作製は、炭素に炭素粉末やメタンを使用することができる。炭素
粉末:リチウム=1:1(モル比)を秤量し、不活性ガス雰囲気のグローブボックス内で
坩堝に詰め密封容器に密封する。密封容器を900℃×24時間加熱することで、2Li
+2C→Liの反応を起こさせる。冷却後、密封容器から坩堝を取り出し2リチウ
ムアセチリドを得る。
出発材料に2リチウムアセチリドを用いる場合は、2リチウムアセチリドの生成がし終
わった坩堝に珪素とリチウムを追加投入し密封容器に密封する。出発材料に炭素粉末を用
いる場合は、坩堝に炭素粉末と珪素、リチウムを詰め密封容器に密封する。これら材料の
秤量から密封容器の密封までは、不活性ガス雰囲気のグローブボックス内で行うことが好
ましい。密封容器をリチウムの沸点(1347℃)以下、好ましくは700℃から100
0℃で1時間から100時間、好ましくは10時間から50時間加熱し、Li+2
Si→2Li+2SiCの反応を起こさせ、2H炭化珪素単結晶を得る。冷却後、坩堝を
取り出し内容物を水やアルコール、酸等を用い、2H炭化珪素単結晶と残留したリチウム
、珪素、2リチウムアセチリドを分離する。
本願発明の2H炭化珪素単結晶の製造方法は、リチウムと珪素、炭素源、炭化珪素単結
晶種基板を密封容器に封入して加熱を行い、リチウムをフラックスとし炭化珪素単結晶種
基板面に2H炭化珪素単結晶の晶出時、リチウムフラックス中で作製した珪素と炭素源の
融液の、リチウムのモル数(A)と珪素のモル数(B)の比率Mが、B/(A+B)×1
00≧23(%)で、炭化珪素単結晶種基板面に2H炭化珪素単結晶をLPE成長させる
ことが好ましい。
比率Mが23(%)未満となると晶出が止まってしまうため、比率Mは23(%)以上
であることが好ましい。効率良く2H炭化珪素単結晶を晶出させるため、より好ましくは
比率Mが30(%)以上である。更により好ましくは比率Mが50(%)以上である。
炭化珪素単結晶種基板面に2H炭化珪素単結晶を晶出は、次の製造工程を有することが
好ましい。2リチウムアセチリド作製工程、炭化珪素単結晶種基板のC面に2H炭化珪素
単結晶を晶出する工程、2H炭化珪素単結晶を取り出す工程。炭素と珪素、リチウムの組
合せを出発材料とした場合は、2リチウムアセチリド作製は、2H炭化珪素単結晶を晶出
する工程に含まれるものである。2リチウムアセチリド作製を別工程で行うか同時工程で
行うかは、製造装置の容量や製造量等で決めることができる。2リチウムアセチリド出発
材料とすることで、2Li+2C→Li と Li+2Si→2Li+2S
iCの反応を区別することができるので、リチウムと珪素の比率を明確になり品質の安定
に繋がることが期待できる。
出発材料に2リチウムアセチリドを用いる場合は、2リチウムアセチリドの生成がし終
わった坩堝に珪素とリチウムを追加投入し、炭化珪素単結晶種基板を入れて密封容器に密
封する。出発材料に炭素粉末を用いる場合は、坩堝に炭素粉末と珪素、リチウムを詰め、
炭化珪素単結晶種基板を入れて密封容器に密封する。これら材料の秤量から密封容器の密
封までは、不活性ガス雰囲気のグローブボックス内で行うことが好ましい。密封容器をリ
チウムの沸点(1347℃)以下、好ましくは700℃から1000℃で1時間から10
0時間、好ましくは10時間から50時間加熱し、Li+2Si→2Li+2Si
Cの反応を起こさせ、炭化珪素単結晶種基板面に2H炭化珪素単結晶をLPE成長させる
リチウムフラックス中に珪素と2リチウムアセチリドを溶解した融液中に、炭化珪素単
結晶種基板を浸漬させた状態で、所定時間保持した後温度を下げるか温度勾配を設けて、
種単結晶基板上に2H炭化珪素単結晶をLPE成長させる。融液中で種単結晶基板の位置
や保持角度を一定とするため、種結晶基板保持治具を用いることが好ましい。種結晶基板
の位置が不安定であると、温度勾配法で所定の温度差に制御できないため、LPE膜の成
長速度等にばらつきが発生する恐れがある。種結晶基板のC面が坩堝の底面と接触するよ
うな事になると、2H炭化珪素単結晶のLPE成長が阻害されることが考えられる。
種結晶基板保持治具は融液と接触しているので、溶融リチウムに対し耐蝕性を有する必
要がある。タングステン(W)やタングステン基合金、モリブデン(Mo)基合金、炭化
珪素セラミックで製作することが好ましい。
種結晶基板に2H炭化珪素単結晶をLPE成長させる工程は、種結晶基板を融液に浸漬
させて保持する工程、融液の温度を下げて2H炭化珪素単結晶を析出成長させる(温度降
下法)、もしくは融液に高温領域と低温領域を作り2H炭化珪素単結晶を析出成長させる
(温度勾配法)工程からなる。
温度降下法で、種結晶基板上に2H炭化珪素単結晶をLPE成長させるには、融液温7
00℃から1000℃で1時間から100時間保持した後、0.1℃/1時間から100
℃/1時間の一定速度で融液温を低下させる。600℃から800℃まで融液温が下がっ
たところで、結晶成長を終了させる。その後、室温まで自然冷却して種結晶基板に2H炭
化珪素単結晶が形成された炭化珪素単結晶基板を得る。成長初期段階で融液中の炭化珪素
の過飽和度を大きくして、種結晶基板が溶融するメルトバック現象を抑制するため、温度
降下開始時の融液温度の低下速度を大きくし、その後一定速度で融液温度を低下させるス
ーパー冷却法(2段冷却法)を採用することもできる。
温度勾配法で、種結晶基板上に2H炭化珪素単結晶をLPE成長させるには、高温領域
の融液温度を800℃以上とし、低温領域の融液温度を700℃以上とし、高温領域と低
温領域の温度差を10℃から500℃とする。坩堝の底部を高温領域に種結晶基板が融液
に接触する上部を低温領域とすることで、低温領域にある種結晶基板のC面に2H炭化珪
素単結晶を形成することができる。その後、室温まで自然冷却して種結晶基板に2H炭化
珪素単結晶が形成された炭化珪素単結晶基板を得る。
冷却後、坩堝を取り出し内容物を水やアルコール、酸等を用い、2H炭化珪素単結晶が
形成された炭化珪素単結晶基板と残留したリチウム、珪素、2リチウムアセチリドを分離
する。
フラックスのリチウムは、ナトリウム(Na)やカリウム(K)等のアルカリ金属や、
マグネシウム(Mg)やカルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属を不純物として含んで
いても良いものである。これら不純物のアルカリ金属やアルカリ土類金属は、フラックス
として機能するため含有量を特に規定する必要がない。リチウムに含まれる不純物のアル
カリ金属やアルカリ土類金属を許容することで、安価なリチウムを使用することができ、
製造コストの低減が図れる。3N以上の純度を有する原料を用いることができる。
また、2H炭化珪素のLPE成長時にN型やP型元素をドープすることができる。2H
炭化珪素単結晶にドープするドーピング元素をフラックス中に含有させる事で、N型やP
型の2H炭化珪素単結晶を得ることができる。N型ドーピング材(元素)としては、窒素
(N)や燐(P)、P型ドーピング材としてはアルミニウム(Al)やホウ素(B)を選
択することができる。
2H炭化珪素単結晶の晶出量にばらつきがない製造方法と、品質の安定した2H炭化珪
素単結晶を提供することができた。
以下本願発明を、図面を参照しながら実施例に基づいて詳細に説明する。
図1に、用いた炭化珪素単結晶成長装置の概要で、抵抗加熱式の電気炉にステンレス製
の密封容器を設置した状態を示す。電気炉15内で密封容器14内の融液12を加熱、保
温、冷却を行い2リチウムアセチリドの生成と2H炭化珪素単結晶を晶出させた。
アルゴンガス雰囲気下のグローブボックス内で、リチウムを0.1モル0.694(g
)、炭素を0.1モル1.201(g)秤量し、総量1.895(g)をタングステン製
の坩堝13に詰め、ステンレス製の密封容器14の内底面に配し密封容器内を10(Pa
)程度まで減圧した後密封した。純度99.9%以上のリチウムと炭素を用いた。密封容
器14を電気炉15に入れ、900℃×24時間加熱した後室温まで炉冷し2リチウムア
セチリド0.05モル1.895(g)を得た。
アルゴンガス雰囲気下のグローブボックス内で、密封容器14から2リチウムアセチリ
ドの入った坩堝13を取り出し、坩堝にリチウムと珪素を追加投入した後再度密封容器に
入れて密封した。追加投入したリチウムのモル数(A)と珪素のモル数(B)は、比率M
が10(%)から60(%)になるようにした。また、追加投入のリチウムと珪素の合計
モル数を0.2モルとして、2リチウムアセチリドのモル数を0.05モルの比率とした
。例えば比率Mが10(%)では、リチウムが0.18モル1.249(g)で珪素が0
.02モル0.562(g)、2リチウムアセチリドが0.05モル1.895(g)で
ある。比率Mが60(%)では、リチウムが0.08モル0.555(g)で珪素が0.
12モル3.370(g)、2リチウムアセチリドが0.05モル1.895(g)であ
る。本実施例では、比率Mが60(%)の条件ではリチウム0.08モル0.555(g
)と珪素0.12モル3.37(g)、先に作製した2リチウムアセチリド0.05モル
1.895(g)を坩堝13に詰めた。
密封容器14を電気炉15に入れ、800℃×48時間加熱した後室温まで炉冷した。
密封容器14から坩堝13を取り出し内容物を水やアルコール、酸等を用い、2H炭化珪
素単結晶を得た。
アルゴンガス雰囲気下のグローブボックス内で、リチウム:珪素:炭素=0.163:
0.075:0.124のモル比で秤量し、総量約4.72(g)をタングステン製の坩
堝13に詰め、ステンレス製の密封容器14の内底面に配した。純度99.9%以上のリ
チウムと珪素、炭素を用いた。種結晶基板11は、約15mm×約10mm×約0.4m
m厚の大きさの6H炭化珪素単結晶で、種結晶基板保持治具16に取り付けた。
密封された密封容器14をグローブボックスより取り出し、図2に示すように、電気炉
15内に密封容器14を設置した。電気炉15の温度を上げ坩堝13を900℃としリチ
ウムを融解させてリチウムフラックス作製すると同時に、リチウムと炭素粉末を反応させ
2リチウムアセチリドを生成した。リチウムフラックス中に珪素と炭素源の2リチウムア
セチリドを溶解させるため900℃で2時間保持し珪素と炭素の融液を得た後、700℃
まで10℃/時間の速度で融液の温度を下げ、炭化珪素種単結晶上に2H炭化珪素単結晶
を成長させた。700℃から室温までは炉冷した。
室温迄冷却された密封容器14を開け、坩堝13を取り出した後水やアルコール、酸等
を用い処理し、2H炭化珪素単結晶が形成された種結晶基板を得た。
図3に、実施例1の比率Mが10(%)から60(%)での、比率MとSiC収率の関
係を示す。比率Mが23(%)以上となると2H炭化珪素単結晶が晶出し始め、比率Mが
40(%)ではSiC収率は34.8(%)、比率Mが60(%)ではSiC収率は67
.5(%)と増加している。本実施例より、リチウムフラックス中で作製した珪素と炭素
源の融液の、リチウムのモル数(A)と珪素のモル数(B)の比率Mは、比率M=B/(
A+B)×100(%)で、23(%)以上が好ましいことが確認された。また、好まし
くは比率Mが30(%)以上、より好ましくは比率Mが50(%)以上であることも確認
できた。
実施例1と2の内、代表例として実施例1の比率Mが60(%)のω/2Θスキャンに
よるX線回折結果を図4a)に示す。図4b)に、2H−SiCと3C−SiCのピーク
位置を示す。図4a)には、2H炭化珪素単結晶の強いピークと微弱な3C炭化珪素単結
晶のピークが出ており、2H炭化珪素単結晶が晶出していることが確認できた。用いたX
線回折装置は、リガク製RINT2000である。
本願発明の密封容器を電気炉に設置した状態を示す概念図である。 実施例2の密封容器を電気炉に設置した状態を示す概念図である。 実施例3の比率MとSiC収率の関係を示す図である。 実施例1で形成した生成物を、ω/2θでスキャンしたX線回折結果である。
符号の説明
11 種結晶基板、
12 融液、
13 坩堝、
14 密封容器、
15 電気炉、
16 種結晶基板保持治具。

Claims (4)

  1. リチウム(Li)と珪素(Si)、炭素源を密封容器に封入して加熱を行い、リチウム
    をフラックスとし2H炭化珪素単結晶を晶出する製造方法であって、リチウムフラックス
    中で作製した珪素と炭素源の融液の、リチウムのモル数(A)と珪素のモル数(B)の比
    率Mが、B/(A+B)×100≧23(%)であることを特徴とする2H炭化珪素単結
    晶の製造方法。
  2. リチウム(Li)と珪素(Si)、炭素源、炭化珪素単結晶種基板を密封容器に封入し
    て加熱を行い、リチウムをフラックスとし2H炭化珪素単結晶を炭化珪素単結晶種基板面
    に晶出する製造方法であって、リチウムフラックス中で作製した珪素と炭素源の融液の、
    リチウムのモル数(A)と珪素のモル数(B)の比率Mが、B/(A+B)×100≧2
    3(%)で、炭化珪素単結晶種基板面に2H炭化珪素単結晶をLPE成長させることを特
    徴とする2H炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 炭素源が2リチウムアセチリド(Li)であることを特徴とする請求項1もしく
    は2に記載の2H炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 2H炭化珪素単結晶であって、請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法により
    得られた2H炭化珪素単結晶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1980001786A1 (fr) * 1979-03-01 1980-09-04 P Soubie Structures gonflables et embarcations pneumatiques comportant de telles structures

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WO1980001786A1 (fr) * 1979-03-01 1980-09-04 P Soubie Structures gonflables et embarcations pneumatiques comportant de telles structures

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