JP2009107380A - 車体側部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】相手車両のバンパーやフロントサイドフレームの高さに関わらず、ドアで荷重を受けて分散し、ドアの変形を抑制する車体側部構造を提供する。
【解決手段】車体側部構造11は、左前ドア24に設けた前の車体側部構造45と、左後ドア26に設けた後の車体側部構造46とからなる。前の車体側部構造45は車体21の左前側壁開口部23にドアヒンジを介して取付けられ、ドアロックで固定されている左前ドア24と、左前ドア24内に設けられて閉じた状態で、左前側壁開口部23に重なる前ドアビーム部材36と、を備えている。前ドアビーム部材36は、逆三角形板状のワイド部材56と、ワイド部材56に接合している略T字形状の骨部材57と、からなり、ワイド部材及び骨部材によって側突荷重を車体に分散する。
【選択図】図6
【解決手段】車体側部構造11は、左前ドア24に設けた前の車体側部構造45と、左後ドア26に設けた後の車体側部構造46とからなる。前の車体側部構造45は車体21の左前側壁開口部23にドアヒンジを介して取付けられ、ドアロックで固定されている左前ドア24と、左前ドア24内に設けられて閉じた状態で、左前側壁開口部23に重なる前ドアビーム部材36と、を備えている。前ドアビーム部材36は、逆三角形板状のワイド部材56と、ワイド部材56に接合している略T字形状の骨部材57と、からなり、ワイド部材及び骨部材によって側突荷重を車体に分散する。
【選択図】図6
Description
本発明は、乗降用ドアを含む車体側部構造に関するものである。
車体側部構造は、乗降用のドアを有し、ドアに加わる側突荷重を車体に分散させる分散部材を備えているものがある。例えば、ドア内にT字形のガードバーを設け、ドアを閉じているときに、ガードバーと車体とが係合している係合機構を設け、係合機構に接続しているモーメント伝達部材を車体に設けることで、車体に側突荷重を伝えて車室内側への変形量を低減している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−21744公報(第14頁、図1)
しかし、特許文献1の車体側部構造では、車同士が関係した場合で、ドアに比較的狭い範囲で、例えば、相手車両のフロントサイドフレームで相手車両からの側突荷重が加わった時に、加わる位置がT字形のガードバーから外れることがあり、ガードバーで十分に荷重を受け止めることができないという問題がある。
本発明は、相手車両のバンパーやフロントサイドフレームの高さに関わらず、ドアで荷重を受けて分散し、ドアの変形を抑制する車体側部構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車体の側壁開口部にドアヒンジを介して取付けられ、ドアロックで固定されているドアと、ドア内に設けられて閉じた状態で、側壁開口部に重なるドアビーム部材と、を備えている車体側部構造において、ドアビーム部材は、ドアのドアアウタパネル側へ配置している逆三角形板状のワイド部材と、ドアアウタパネルに対向しているドアインナパネル側へ配置されて、ワイド部材に接合している略T字形状の骨部材と、からなり、ワイド部材及び骨部材によって、側突荷重をドアヒンジ、ドアロック、側壁開口部の下部をなすサイドシルへ分散することを特徴とする。
請求項2に係る発明では、ワイド部材は、骨部材と重ならない領域に孔を複数穿設していることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、骨部材は、断面コ字形状の本体部の縁に連ねてフランジ部を形成し、フランジ部をワイド部材に接合したものであることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、ドアビーム部材は、ドアのドアアウタパネル側へ配置している逆三角形板状のワイド部材と、ドアアウタパネルに対向しているドアインナパネル側へ配置されて、ワイド部材に接合している略T字形状の骨部材と、からなり、ワイド部材及び骨部材によって、側突荷重をドアヒンジ、ドアロック、サイドシルへ分散するので、相手車両のバンパーやフロントサイドフレームが骨部材からずれた場合でも、ワイド部材によって、相手車両のバンパーやフロントサイドフレームを受け止めて、骨部材を介して荷重をドアヒンジ、ドアロック、サイドシルへ伝達することができる。その結果、相手車両のバンパーやフロントサイドフレームの高さに関わらず、ドアで荷重を受けて分散し、ドアの変形を抑制することができるという利点がある。
請求項2に係る発明では、ワイド部材は、骨部材と重ならない領域に孔を複数穿設しているので、孔に対応する重量だけワイド部材の重量の増加を抑制することができるという利点がある。
請求項3に係る発明では、骨部材は、断面コ字形状の本体部の縁に連ねてフランジ部を形成し、フランジ部をワイド部材に接合したので、フランジ部によってワイド部材に重ねる骨部材の幅が拡大し、ワイド部材とのラップ量を増大させることができるとともに、断面コ字形状によって、骨部材の重量増加を抑制することができるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の車体側部構造の左側面図である。
車体側部構造11は、車両12のドア13とサイドボデー14の側壁開口部15とで、外方から加わる荷重を受けるものである。図1の左の車体側部構造11と、右の車体側部構造16(図5参照)は同様である。
図1は、本発明の車体側部構造の左側面図である。
車体側部構造11は、車両12のドア13とサイドボデー14の側壁開口部15とで、外方から加わる荷重を受けるものである。図1の左の車体側部構造11と、右の車体側部構造16(図5参照)は同様である。
車両12は、4ドアセダンで、車体21のアンダボデー22と、アンダボデー22の左右に連なるサイドボデー14、サイドボデー14の左前側壁開口部23に取付けられている左前ドア24、左後側壁開口部25に取付けられている左後ドア26を備える。サイドボデー14に左前ドア24及び左後ドア26を取付けたものを左の側壁27とし、車室28の側壁をなす。
左前ドア24は、左前側壁開口部23の前縁をなすフロントピラー下部31に前ドアヒンジ32で開閉自在に取付けられ、左前側壁開口部23の後縁をなすセンタピラー33に前ドアロック34でロックされ、内部に前ドアビーム部材36が取付けられている。
なお、前ドアヒンジ32および前ドアロック34は、既存の構成と同様である。
なお、前ドアヒンジ32および前ドアロック34は、既存の構成と同様である。
左後ドア26は、左後側壁開口部25の前縁をなすセンタピラー33に後ドアヒンジ38で開閉自在に取付けられ、左後側壁開口部25の後縁をなすリヤピラー下部41に後ドアロック42でロックされ、内部に後ドアビーム部材43が取付けられている。
なお、後ドアヒンジ38および後ドアロック42は、既存の構成と同様である。
なお、後ドアヒンジ38および後ドアロック42は、既存の構成と同様である。
このように、車体側部構造11は、左前ドア24に設けた前の車体側部構造45と、左後ドア26に設けた後の車体側部構造46とからなる。
前の車体側部構造45は、左前ドア24と、前ドアビーム部材36と、左前ドア24を閉じた状態で前ドアビーム部材36が重なる左前側壁開口部23に含まれているフロントピラー下部31、センタピラー33、左前側壁開口部23の下縁をなすサイドシル47と、からなる。
前の車体側部構造45は、左前ドア24と、前ドアビーム部材36と、左前ドア24を閉じた状態で前ドアビーム部材36が重なる左前側壁開口部23に含まれているフロントピラー下部31、センタピラー33、左前側壁開口部23の下縁をなすサイドシル47と、からなる。
後の車体側部構造46は、左後ドア26と、後ドアビーム部材43と、後ドアビーム部材43が重なる左後側壁開口部25に含まれているセンタピラー33、リヤピラー下部41、サイドシル47と、からなる。
図2は、図1の2−2線断面図である。図1を併用して説明する。
左前ドア24はまた、下部をドアアウタパネル51と、ドアインナパネル52とで構成し、上部にサッシ53を設け、サッシ53に開閉自在にガラス54が取付けられ、ドアアウタパネル51とドアインナパネル52との間に前ドアビーム部材36が配置されている。
前ドアビーム部材36のワイド部材56がドアアウタパネル51側へ配置され、前ドアビーム部材36の骨部材57がドアインナパネル52側へ配置されている。
左前ドア24はまた、下部をドアアウタパネル51と、ドアインナパネル52とで構成し、上部にサッシ53を設け、サッシ53に開閉自在にガラス54が取付けられ、ドアアウタパネル51とドアインナパネル52との間に前ドアビーム部材36が配置されている。
前ドアビーム部材36のワイド部材56がドアアウタパネル51側へ配置され、前ドアビーム部材36の骨部材57がドアインナパネル52側へ配置されている。
図3は、図2の3−3線断面図である。
図4は、本発明の車体側部構造が備えるドアビーム部材の分解図である。
骨部材57は、主ビーム本体61の中央に分岐ビーム本体62を取付けることでT字形を形成している。骨部材57の幅はWである。
図4は、本発明の車体側部構造が備えるドアビーム部材の分解図である。
骨部材57は、主ビーム本体61の中央に分岐ビーム本体62を取付けることでT字形を形成している。骨部材57の幅はWである。
主ビーム本体61は、溝形の本体部63の縁に連ねてフランジ部64が形成されて、ワイド部材56にスポット溶接の溶接部65で接合し、一端66及び他端67をドアインナパネル52に接続しているとともに、左前ドア24を閉じた状態(図1にしめた状態)のときに、一端66がフロントピラー下部31に重なるように配置され、他端67がセンタピラー33に重なるように配置されている。
分岐ビーム本体62は、主ビーム本体61と同様の本体部63、フランジ部64が形成されて、ワイド部材56にスポット溶接の溶接部65で接合し、端71をドアインナパネル52に接続しているとともに、左前ドア24を閉じた状態(図1にしめた状態)のときに、端71がサイドシル47に重なるように配置されている。
ワイド部材56は、略三角形形状の薄板本体72に骨部材57を溶接するビーム接合部73を設け、ビーム接合部73を形成していない板部74に孔75を複数開けている。そして、薄板本体72の前頂部77がフロントピラー下部31に重なるように配置され、薄板本体72の後頂部78がセンタピラー33に重なるように配置され、薄板本体72の下頂部81がサイドシル47に重なるように配置されている。
後ドアビーム部材43は、前ドアビーム部材36のワイド部材56及び骨部材57とほぼ同様であり、説明を省略する。
次に、本発明の車体側部構造の作用を説明する。
図5(a)、(b)は、本発明の車体側部構造を採用した車両に側突する側突物との位置関係を説明する図である。
なお、左の車体側部構造11と右の車体側部構造16とは、車両12の中心線Cを対称軸線としてほぼ対称で、左の側壁27と右の側壁82もほぼ対称であり、右の車体側部構造16の説明を省略する。
図5(a)、(b)は、本発明の車体側部構造を採用した車両に側突する側突物との位置関係を説明する図である。
なお、左の車体側部構造11と右の車体側部構造16とは、車両12の中心線Cを対称軸線としてほぼ対称で、左の側壁27と右の側壁82もほぼ対称であり、右の車体側部構造16の説明を省略する。
車両12は、左の側壁27に側突物(例えば、相手車両)84による衝撃を受けることがある。
具体的には、相手車両84が左の側壁27に対してオフセットした状態、例えば、左の側壁27の長手方向(X軸方向)の中央(センタピラー33の配置位置)から相手車両84の幅方向(Y軸方向)の中心Caが車両12の前方へ(矢印a1の方向)距離X1だけずれ、且つ、左の側壁27の高さ方向(Z軸方向)の中央(主ビーム本体61の配置位置)から相手車両84の高さ方向(Z軸方向)の中央(フロントサイドフレーム85の配置位置)が車両12の下方へ(矢印a2の方向)距離Z1だけずれ、左下へオフセットした状態で、衝撃を加える場合がある。
なお、相手車両84は、フロントサイドフレーム85にフロントバンパー86を設けている。
具体的には、相手車両84が左の側壁27に対してオフセットした状態、例えば、左の側壁27の長手方向(X軸方向)の中央(センタピラー33の配置位置)から相手車両84の幅方向(Y軸方向)の中心Caが車両12の前方へ(矢印a1の方向)距離X1だけずれ、且つ、左の側壁27の高さ方向(Z軸方向)の中央(主ビーム本体61の配置位置)から相手車両84の高さ方向(Z軸方向)の中央(フロントサイドフレーム85の配置位置)が車両12の下方へ(矢印a2の方向)距離Z1だけずれ、左下へオフセットした状態で、衝撃を加える場合がある。
なお、相手車両84は、フロントサイドフレーム85にフロントバンパー86を設けている。
図6(a)、(b)、(c)は、本発明の車体側部構造の荷重伝達の機構を説明する概念図である。(a)は衝突前後の車体側部構造の側面の図、(b)はaのb−b線断面図で衝突する前の状態を示す図、(c)は衝突した状態を示す図である。
相手車両84が左下へずれると、相手車両84の左フロントサイドフレーム85及び右フロントサイドフレーム85が、骨部材57の分岐ビーム本体62から距離X2、X3だけずれるので、車両12の骨部材57の分岐ビーム本体62から外れて側突する。
また、相手車両84が左下へずれると、相手車両84の左フロントサイドフレーム85及び右フロントサイドフレーム85が、骨部材57の主ビーム本体61より距離Z1だけ低くなるので、車両12の骨部材57の主ビーム本体61から外れて側突する。
このように、相手車両84が左下へずれた場合、側面衝突すると、相手車両84の左フロントサイドフレーム85は左前ドア24内のワイド部材56によって受け止められるので、ワイド部材56によって、骨部材57に荷重を矢印b1、b2のように伝え、骨部材57は車体21に荷重を矢印b3のように伝えることができる。
具体的には、ワイド部材56は骨部材57を介して前ドアヒンジ32に荷重を伝えることで、フロントピラー下部31に荷重を伝達し、骨部材57を介して前ドアロック34に荷重を伝えることで、センタピラー33に荷重を伝達する。その結果、相手車両84のバンパー86やフロントサイドフレーム85の高さに関わらず、左前ドア24で荷重を受けて分散し、左前ドア24の変形を抑制することができる。
また、ワイド部材56は、左前側壁開口部23に重なっていることで、左前側壁開口部23にも荷重を伝える。具体的には、前頂部77がフロントピラー下部31に伝達し、後頂部78がセンタピラー33に伝達し、下頂部81がサイドシル47に伝達することができ、左前ドア24の変形をより抑制することができる。
同様に、相手車両84のフロントサイドフレーム85は左後ドア26内のワイド部材56に当接するので、ワイド部材56は、荷重を骨部材57に伝え、骨部材57は車体21へ伝える。
具体的には、ワイド部材56は骨部材57を介して後ドアヒンジ38に荷重を伝えることで、センタピラー33に荷重を伝達し、骨部材57を介して後ドアロック42に荷重を伝えることで、リヤピラー下部41に荷重を伝達する。その結果、相手車両84のバンパー86やフロントサイドフレーム85の高さに関わらず、左後ドア26で荷重を受けて分散し、左後ドア26の変形を抑制することができる。
骨部材57は、断面コ字形状の本体部63の縁に連ねてフランジ部64を形成しているので、骨部材57の幅Wを拡大して、ワイド部材56とのラップ量を増大させることができるとともに、重量増加を抑制することができる。
ワイド部材56は、ビーム接合部73を形成していない板部74に孔75を複数開けているので、ワイド部材56の重量増加を抑制することができる。
尚、本発明の車体側部構造は、実施の形態では車室の側壁に採用したが、車両のフロントやリヤにも採用可能である。
車体側部構造は、4ドアセダンに採用されたが、4ドアセダン以外でもよい。
車体側部構造は、4ドアセダンに採用されたが、4ドアセダン以外でもよい。
骨部材57は、主ビーム本体61及び分岐ビーム本体62を溝形(断面コ字形状)としたが、形状は任意である。例えば、円管や角管などの管でもよい。管とすることで骨部材の強度をより高めることができ、ドアの変形をより抑制することができる。
本発明の車体側部構造は、車室の側壁に好適である。
11…車体側部構造、21…車体、23…左前側壁開口部、24…左前ドア、32…前ドアヒンジ、34…前ドアロック、36…前ドアビーム部材、45…前の車体側部構造、46…後の車体側部構造、51…ドアアウタパネル、52…ドアインナパネル、56…ワイド部材、57…骨部材、63…断面コ字形状の本体部、64…フランジ部、75…孔。
Claims (3)
- 車体の側壁開口部にドアヒンジを介して取付けられ、ドアロックで固定されているドアと、該ドア内に設けられて閉じた状態で、前記側壁開口部に重なるドアビーム部材と、を備えている車体側部構造において、
前記ドアビーム部材は、前記ドアのドアアウタパネル側へ配置している逆三角形板状のワイド部材と、前記ドアアウタパネルに対向しているドアインナパネル側へ配置されて、前記ワイド部材に接合している略T字形状の骨部材と、からなり、前記ワイド部材及び骨部材によって、側突荷重を前記ドアヒンジ、前記ドアロック、側壁開口部の下部をなすサイドシルへ分散することを特徴とする車体側部構造。 - 前記ワイド部材は、前記骨部材と重ならない領域に孔を複数穿設していることを特徴とする請求項1記載の車体側部構造。
- 前記骨部材は、断面コ字形状の本体部の縁に連ねてフランジ部を形成し、該フランジ部を前記ワイド部材に接合したものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体側部構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007278805A JP2009107380A (ja) | 2007-10-26 | 2007-10-26 | 車体側部構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012111380A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Honda Motor Co Ltd | ドア構造 |
-
2007
- 2007-10-26 JP JP2007278805A patent/JP2009107380A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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