JP2009104171A - ズームレンズ及びそれを有する撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 所望のバックフォーカスを得つつ、光学全長の短いズームレンズを実現すること。
【解決手段】 物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群より構成され、ズーミングに際して広角端に比べて望遠端で、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が減少し、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が増大し、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔が減少するズームレンズであって、広角端と望遠端における全系の焦点距離を各々fw,ft、広角端におけるバックフォーカスをbfw、最大像高をHとするとき、
2.5 < ft/fw < 4.0
2.2 < bfw/H < 3.0
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【選択図】 図1
【解決手段】 物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群より構成され、ズーミングに際して広角端に比べて望遠端で、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が減少し、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が増大し、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔が減少するズームレンズであって、広角端と望遠端における全系の焦点距離を各々fw,ft、広角端におけるバックフォーカスをbfw、最大像高をHとするとき、
2.5 < ft/fw < 4.0
2.2 < bfw/H < 3.0
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【選択図】 図1
Description
本発明はズームレンズに関し、特に銀塩フィルムカメラ、電子記録方式のデジタルカメラやビデオカメラ等に好適なものである。
負の屈折力のレンズ群が先行する所謂ネガティブリード型のズームレンズは、「近接撮影距離が比較的短くなる」、「広画角化が比較的容易である」、「バックフォーカスを比較的長くし易い」等の特長を有しているため、広角用のズームレンズに多く用いられている。
一方でネガティブリード型のズームレンズは、望遠端では第1レンズ群と第2レンズ群が全体として正のグループ、第3レンズ群と第4レンズ群が全体として負のグループを構成し、光学系全体として所謂テレフォトタイプとできることから、望遠端も長焦点化しやすいといったメリットを有している。
例えば、特許文献1〜17では、物体側より像側へ順に、負、正、負、正の屈折力の4つのレンズ群を有し、これらのレンズ群のうちの少なくとも2つのレンズ群を移動させてズーミングを行うズームレンズが開示されている。
特開昭57− 11315号公報
特開昭58− 95315号公報
特開昭59−229517号公報
特開昭60− 55313号公報
特開昭60− 87312号公報
特開昭61− 62013号公報
特開昭61−123811号公報
特開昭62− 63909号公報
特開平 2−136812号公報
特開平 4−235515号公報
特開平 4−163415号公報
特開平 5− 19170号公報
特開平 5−313065号公報
特開平 6− 82698号公報
特開平 7−287168号公報
特開2000−338397号公報
特許第2629904号明細書
デジタル一眼レフカメラ用ズームレンズでは、従来の銀塩フィルム用のズームレンズに比べて、更なる高画質化が求められている。
一般にズームレンズにおいて、各レンズ群の屈折力を強めれば所定のズーム比を得るための各レンズ群の移動量が少なくなるため、レンズ全長の短縮化を図りつつ、広画角化が可能となる。しかしながら、単に各レンズ群の屈折力を強めただけでは、ズーミングに伴う収差変動が大きくなり、特に広画角化を図る際には全ズーム範囲にわたり良好なる光学性能を得るのが難しい。
また、超広画角にすると非点収差の補正が困難となり、高性能を得られなくなるか、大型化してしまう傾向にあった。
本発明は、上記従来のズームレンズを踏まえた上で、広画角でありながら、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有した小型のズームレンズの提供を目的とする。
本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群より構成されている。ズーミングに際して広角端に比べて望遠端で、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が減少し、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が増大し、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔が減少する。広角端と望遠端における全系の焦点距離を各々fw,ft、広角端におけるバックフォーカスをbfw、最大像高をHとするとき、
2.5 < ft/fw < 4.0
2.2 < bfw/H < 3.0
なる条件を満足することを特徴としている。
2.5 < ft/fw < 4.0
2.2 < bfw/H < 3.0
なる条件を満足することを特徴としている。
所望のバックフォーカスを得つつ、全ズーム範囲において高い光学性能を有した光学全長の短いズームレンズが実現できる。
以下、図面を用いて本発明のズームレンズ及びそれを用いた撮像装置の実施形態について説明する。
図1,4,7,10,13は、後述する数値実施例1〜5(以下、総称して「本実施形態」と呼ぶ)のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図である。また、図2,3は数値実施例1のズームレンズの、図5,6は数値実施例2のズームレンズの、図8,9は数値実施例3のズームレンズの、図11,12は数値実施例4のズームレンズの、図14,15は数値実施例5のズームレンズのそれぞれ広角端と望遠端における諸収差図である。
レンズ断面図中、L1は負の屈折力(光学的パワー=焦点距離の逆数)の第1レンズ群、L2は正の屈折力の第2レンズ群、L3は負の屈折力の第3レンズ群、L4は正の屈折力の第4レンズ群である。SPは開口絞りであり、第2レンズ群L2中に配置されている。IPは像面であり、銀塩フィルムやCCDセンサ、CMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の感光面が配置される。
本実施形態のズームレンズは、広角端に比して望遠端で、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の軸上空気間隔が減少、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の軸上空気間隔が増大、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4の軸上空気間隔が減少するように、各レンズ群を移動させてズーミングを行っている。レンズ断面図中の矢印で示すように、第2,3,4レンズ群L2,L3,L4はいずれも物体側へ移動して変倍を行い、第1レンズ群L1は像側に凸の軌跡を描いて移動して変倍に際する像面変動を補償する。なお、ズーミングに際して、第2レンズ群L2と第4レンズ群L4とは相対位置(互いの軸上空気間隔)を変えず一体的に移動させることにより、移動機構の簡素化を図っている。
また、第1レンズ群L1を物体側へ移動させることで、無限遠物体から至近物体へのフォーカシングを行っている。第1レンズ群L1でフォーカシングを行えば、広角端から望遠端において物体距離による繰出量が略等しくなるので移動機構が簡素になるので好ましい。本実施形態のズームタイプにおいて、第2レンズ群L2は近軸横倍率がズーミング途中で等倍になるためフォーカス群としては適さない。また第3レンズ群L3や第4レンズ群L4をフォーカス群とした場合、移動量確保のために各レンズ群の間隔を大きくすればレンズ系が大型化し、また、フォーカシングにおける収差変動を抑えるためにはレンズ枚数が増えるので良くない。
本実施形態のズームタイプにおいては、広角端で最もバックフォーカス(レンズ最終面の面頂点から近軸像面までの軸上空気換算距離)が短くなるので、バックフォーカスの確保のために、広角端では像側主点がより像側に位置するような屈折力配置にする必要がある。像側主点をより像側に位置させるためには、全体として、物体側に負の屈折力の成分が位置し、その像側に正の屈折力の成分が位置するような配置とした、所謂レトロフォーカス(逆テレフォト)タイプとすればよい。そこで本実施形態では、広角端において、合成屈折力が正の第2、第3、第4レンズ群L2,L3,L4を負の屈折力の第1レンズ群L1から離して配置している。更に、第2〜第4レンズ群L2〜L4で構成される部分系においても、像側主点がより像側に位置するように、負の屈折力の第3レンズ群L3を部分系内で可能な限り物体側へ配置している。このように広角端における各レンズ群の配置を適切に設定することで、本実施形態のズームレンズは、全系におけるバックフォーカスを十分に確保している。
一方、望遠端においては全系のレンズ全長を小型化するために、像側主点がより物体側に位置するよう各レンズ群を配置することが好ましい。像側主点をより物体側に位置させるためには、全体として、物体側に正の屈折力の成分が位置し、その像側に負の屈折力の成分が位置するような配置とした、所謂テレフォトタイプとすればよい。そこで本実施形態では、望遠端において、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2が接近して正の合成屈折力の部分系を構成し、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4が接近して負の合成屈折力の部分系を構成するようにしている。このように望遠端における各レンズ群の配置を適切に設定することで、本実施形態のズームレンズは、望遠端における光学全長の短縮を図っている。
本実施形態で開示するズームレンズの特徴の1つは、以下の条件式(1),(2)を同時に満足することにある。これにより、4群構成のズームレンズとして光学性能とズーム比を適切なバランスとしつつ、所望のバックフォーカスを確保している。
2.5 < ft/fw < 4.0 ・・・(1)
2.2 < bfw/H < 3.0 ・・・(2)
ここで、fw:広角端における全系の焦点距離
ft:望遠端における全系の焦点距離
bfw:広角端におけるバックフォーカス
H:最大像高
条件式(1)は、広角端と望遠端における全系の焦点距離の比に関し、本発明のズームレンズ構成に最適なズーム比(変倍比)を規定したものである。条件式(1)の下限値を下回るズーム比とすると、2群構成のズームレンズでも実現可能なズーム比であり、ズームレンズを4つのレンズ群で構成した意味がなくなる(4群構成の利点が生かされなくなる)。一方、上限値を超えるズーム比とすると、望遠端において第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の軸上空気間隔を確保するために、広角端で第1レンズ群L1をより物体側に配置する必要があり、第1レンズ群L1の有効径が増大するとともに、コマ収差と歪曲収差の補正が困難となり、高い光学性能が得られなくなるので良くない。
2.5 < ft/fw < 4.0 ・・・(1)
2.2 < bfw/H < 3.0 ・・・(2)
ここで、fw:広角端における全系の焦点距離
ft:望遠端における全系の焦点距離
bfw:広角端におけるバックフォーカス
H:最大像高
条件式(1)は、広角端と望遠端における全系の焦点距離の比に関し、本発明のズームレンズ構成に最適なズーム比(変倍比)を規定したものである。条件式(1)の下限値を下回るズーム比とすると、2群構成のズームレンズでも実現可能なズーム比であり、ズームレンズを4つのレンズ群で構成した意味がなくなる(4群構成の利点が生かされなくなる)。一方、上限値を超えるズーム比とすると、望遠端において第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の軸上空気間隔を確保するために、広角端で第1レンズ群L1をより物体側に配置する必要があり、第1レンズ群L1の有効径が増大するとともに、コマ収差と歪曲収差の補正が困難となり、高い光学性能が得られなくなるので良くない。
なお条件式(1)の下限値は2.8とするのが更に好ましい。また、上限値は3.5とするのが更に好ましい。
条件式(2)は、最大像高と広角端におけるバックフォーカスの比に関し、所望のバックフォーカスを十分に確保するためのものである。
条件式(2)の下限値を下回ると、最大像高に対してバックフォーカスが短くなり過ぎて、例えばデジタル一眼レフカメラ用撮影レンズのように、所定のバックフォーカスが必要な光学機器は適さなくなる。また、射出瞳位置が像に近くなるので、像側へのテレセントリック性が要求される固体撮像素子を用いたカメラに適さなくなり好ましくない。一方、上限値を超えると、広角端におけるレンズ全長が増大し、第1レンズ群L1のレンズ有効径が増大し、レンズ系のバランスが崩れる。また、第1レンズ群L1で発生したコマ収差、歪曲収差を補正することが困難となり、これは非球面レンズを用いることで補正可能であるがコストアップにつながる。
なお、条件式(2)の下限値は2.4とするのが更に好ましい。また、上限値は2.8とするのが更に好ましい。
また、本実施形態で開示するズームレンズの他の特徴は、条件式(2)に代えて以下に示す条件式(3)を条件式(1)と共に満足することにある。これにより、4群構成のズームレンズとして光学性能とズーム比を適切なバランスとしつつ、小型のズームレンズを実現している。
2.5 < ft/fw < 4.0 ・・・(1)
4.3 < TDw/fw < 5.0 ・・・(3)
ここで、fw:広角端における全系の焦点距離
ft:望遠端における全系の焦点距離
TDw:広角端における最も物体側のレンズ面(第1面)から最も像側のレンズ面(最終面)までの軸上距離
条件式(1)は上述した通りである。
2.5 < ft/fw < 4.0 ・・・(1)
4.3 < TDw/fw < 5.0 ・・・(3)
ここで、fw:広角端における全系の焦点距離
ft:望遠端における全系の焦点距離
TDw:広角端における最も物体側のレンズ面(第1面)から最も像側のレンズ面(最終面)までの軸上距離
条件式(1)は上述した通りである。
条件式(3)は、広角端における最も物体側のレンズ面(最も物体側のレンズの物体側の面)から最も像側のレンズ面(最も像側のレンズの像側の面)までの距離と広角端における全系の焦点距離の比に関し、主に小型化と性能のバランスを図るためのものである。条件式(3)の下限値を下回って広角端におけるレンズ全長が小さくなると、各レンズ群の屈折力が強くなり過ぎて諸収差の補正が困難となるので良くない。一方、上限値を超えると、レンズ全長が増大すると共にレンズ有効径(特に第1レンズ群L1の有効径)が増大するため良くない。
なお、条件式(3)の上限値は4.9とするのが更に好ましい。
本実施形態のズームレンズでは、条件式(1)〜(3)を同時に満足する形態を開示している。
このように条件式(1)及び(2)、または条件式(1)及び(3)を同時に満足することで、広画角でありながら、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有した小型のズームレンズを実現している。
更に、本実施形態のズームレンズは以下の(A)〜(D)に示す要件を満足している。これらの各要件を満足することにより、それぞれで説明したような効果が得られる。
(A)第1レンズ群L1は最も物体側に正レンズを有し、その正レンズの物体側レンズ面の曲率半径をR1、像側レンズ面の曲率半径をR2とするとき、
−0.3< R1/R2 <0.3 (4)
なる条件を満足している。
−0.3< R1/R2 <0.3 (4)
なる条件を満足している。
本実施形態のズームレンズは最大像高に対して比較的バックフォーカスが長いレンズであり、第1レンズ群L1のレンズ有効径が大型化し易い。また、広角端において、第1レンズ群L1の負の屈折力で発生する歪曲収差とコマ収差を同時に補正することが困難である。そこで、第1レンズ群L1の最も物体側に正レンズを配置し、その正レンズで積極的に歪曲収差を補正することで、第1レンズ群L1の総合的な歪曲収差とコマ収差を補正している。条件式(4)は、その正レンズの物体側と像側のレンズ面の曲率半径の比に関し、主に歪曲収差と小型化のバランスを図るためのものである。
条件式(4)の下限値を下回ると、特に広角端における非点収差が増大すると共にレンズ径が増大するため好ましくない。また、上限値を超えると正レンズの像側レンズ面における歪曲収差の効果が減少し、広角端における歪曲収差が補正不足となるため好ましくない。なお、条件式(4)の下限値は−0.1とするのが更に好ましい。また、上限値は0.15とするのが更に好ましい。
(B)第1レンズ群L1の焦点距離をf1とするとき、
0.1 < (f1/ft)2 < 0.5 (5)
なる条件を満足している。
0.1 < (f1/ft)2 < 0.5 (5)
なる条件を満足している。
条件式(5)は、フォーカス群として用いられる第1レンズ群L1の焦点距離と望遠端における全系の焦点距離の比に関し、主に小型化を図るためのものである。
条件式(5)の下限値を下回って第1レンズ群L1の屈折力が強くなり過ぎると、第1レンズ群L1で発生する歪曲収差が増大し、後続群で補正困難なため好ましくない。一方、上限値を超えて第1レンズ群L1の屈折力が弱くなり過ぎると、至近物体へフォーカスを行う際の第1レンズ群L1の繰出量が増大し、また、広角端における光学全長が増大することで第1レンズ群L1のレンズ有効径が増大するので好ましくない。なお、条件式(5)の下限値は0.19とするのが更に好ましい。また、上限値は0.4とするのが更に好ましい。
(C)第2レンズ群L1は、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第2aレンズ群、開口絞りSP、正の屈折力の第2bレンズ群より成り、第2aレンズ群の最も像側のレンズ面から開口絞りSPまでの軸上距離をLp、第2レンズ群L2の厚さをTD2、第2レンズ群L2の焦点距離をf2、第2aレンズ群の焦点距離をf2aとするとき、
0.01 < Lp/TD2 < 0.5 (6)
0.2 < f2/f2a < 0.6 (7)
なる条件を満足している。
0.01 < Lp/TD2 < 0.5 (6)
0.2 < f2/f2a < 0.6 (7)
なる条件を満足している。
開口絞りSPをできるだけ物体側へ配置すると、入射瞳がより物体側に配置されることになるので、第1レンズ群L1のレンズ径を小型化する上では好ましい。しかしながら、開口絞りSPを第2レンズ群L2の物体側に配置すると、望遠端において第1レンズ群L1と第2レンズ群L2が接近する際に干渉しないように大きな間隔をとらなければならないため、所望のズーム比を確保しようとすると第1レンズ群L1のレンズ径が増大することになり、結果的に小型化ができなくなる。一方、第2レンズ群L2の像側に開口絞りSPを配置すると、特に広角端において第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の軸上空気間隔を大きく確保する必要があり、第2レンズ群L2をより物体側に配置させなければならない。広角端においては、負の屈折力の第1レンズ群L1と全体として正の屈折力の第2〜第4レンズ群L2〜L4とを離して配置してレトロフォーカスタイプを形成し、十分なバックフォーカスを確保しているので、第2レンズ群L2をより物体側に配置することは十分なバックフォーカスを確保する上で不利であり好ましくない。また、第2レンズ群L2の像側に開口絞りSPを配置した場合、開口絞りSPより物体側の部分系の合成屈折力が弱くなり、第1レンズ群のレンズ径が増大するため好ましくない。
本実施形態では、開口絞りSPを第2レンズ群L2内に設けることで小型化を実現しており、更に上述した条件式(6),(7)を同時に満足するようにしている。
条件式(6)は、第2レンズ群L2中での開口絞りSPの配置を規定したものであり、小型化と高性能を図るためのものである。
条件式(6)の下限値を下回って開口絞りSPと第2aレンズ群が接近すると、開口絞りSPと第2aレンズ群とがメカ的に干渉するおそれがある。あるいは、開口絞りSPが物体側に配置されることになるので、ズーミングに際するFナンバー変動が大きくなり好ましくない。また、上限値を超えて開口絞りSPを像側に配置すると、入射瞳が像側に近くなるので特に第1レンズ群L1のレンズ径が増大し、歪曲収差が補正困難となるため好ましくない。なお、条件式(6)の上限値は0.35とすることが更に好ましい。
条件式(7)は、第2レンズ群L2と第2aレンズ群の焦点距離の比に関し、第2レンズ群L2の屈折力配置を規定したもので、特に高性能と小型化を図るためのものである。
条件式(7)の下限値を下回って第2aレンズ群の屈折力が弱くなり過ぎると、特に第2レンズ群L2の物体側主点が比較的像側に位置し、望遠端において第2レンズ群L2が第1レンズ群L1に接近することになるので大きな倍率が得られ難くなり、また、望遠端における光学全長が増大するので好ましくない。一方、上限値を超えて第2aレンズ群の屈折力が強くなり過ぎると、第2レンズ群L2の物体側主点が比較的物体側に位置するため、特に広角端においてバックフォーカスを確保することが困難となる。そして、バックフォーカスを確保するために第2レンズ群L2をより像側に配置すると、ズーミングに際しての第3レンズ群L3の第2レンズ群L2に対する相対移動量が十分にとれなくなる傾向になり、4群で構成されたズームタイプの収差補正効果が減少するので好ましくない。なお、条件式(7)の下限値は0.3とすることが更に好ましい。また、上限値は0.5とすることが更に好ましい。
(D)第1レンズ群L1と第4レンズ群L4の焦点距離を各々f1,f4とするとき、
−0.75 < f1/f4 < −0.3 (8)
なる条件を満足している。
−0.75 < f1/f4 < −0.3 (8)
なる条件を満足している。
条件式(8)は、第1レンズ群L1と第4レンズ群L4の焦点距離の比に関し、屈折力配置を適切に設定し、バックフォーカスを確保しつつ小型化を図るためのものである。
条件式(8)の下限値を下回って第1レンズ群L1の屈折力が弱くなり過ぎると、第1レンズ群L1のレンズ有効径が大型化するので好ましくない。一方、上限値を超えて第1レンズ群L1の屈折力が強くなりすぎると、歪曲収差の補正が困難になると共に、特に広角端においてバックフォーカスの確保が困難になるので好ましくない。なお、条件式(8)の下限値は−0.70とすることが更に好ましい。また、上限値は−0.4とすることが更に好ましい。
次に数値実施例を示す。各数値実施例において、iは物体側からの光学面の順序を示し、Riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、Diは第i面と第(i+1)面との間の間隔、Niとνiはそれぞれd線に対する第i番目の光学部材の材料の屈折率、アッベ数を示す。fは焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角である。
また、非球面形状は、近軸曲率半径をR、光軸方向をX軸、光軸と垂直方向をY軸、A,B,C,D,E,Fをそれぞれ非球面係数とするとき、
で表す。なお、各非球面係数における「e−XX」は「×10−XX」を意味している。
各数値実施例における上述した条件式との対応を表1に示す。
以上説明した本実施形態のズームレンズによれば、レンズ系全体が小型で高い光学性能を有し、かつレンズの構成枚数の少ない簡易な構成のズームレンズが実現できる。特に各レンズの軸ずれ等の製作誤差による光学性能の低下が少ないズームレンズを実現することができる。
次に本発明のズームレンズを撮像装置に適用した実施形態を図16を用いて説明する。
図16は一眼レフカメラの要部概略図である。図16において、10は数値実施例1〜5に示したような本発明のズームレンズ1を有する撮影レンズである。ズームレンズ1は保持部材である鏡筒2に保持されている。20はカメラ本体であり、撮影レンズ10からの光束を上方に反射するクイックリターンミラー3、撮影レンズ10の像形成位置に配置された焦点板4、焦点板4に形成された逆像を正立像に変換するペンタダハプリズム5、その正立像を観察するための接眼レンズ6等によって構成されている。7はフィルム面である。撮影時にはクイックリターンミラー3が光路から退避して、フィルム面7上に撮影レンズ10によって像が形成される。
本発明のズームレンズは、図16に示したような一眼レフカメラ用の交換レンズに好適である。
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
SP 開口絞り
IP 像面
d d線
g g線
△S サジタル像面
△M メリディオナル像面
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
SP 開口絞り
IP 像面
d d線
g g線
△S サジタル像面
△M メリディオナル像面
Claims (7)
- 物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群より構成され、ズーミングに際して広角端に比べて望遠端で、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が減少し、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が増大し、第3レンズ群と第4レンズ群の間隔が減少するズームレンズであって、広角端と望遠端における全系の焦点距離を各々fw,ft、広角端におけるバックフォーカスをbfw、最大像高をHとするとき、
2.5 < ft/fw < 4.0
2.2 < bfw/H < 3.0
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 前記第1レンズ群は最も物体側に正レンズを有し、該正レンズの物体側レンズ面の曲率半径をR1、像側レンズ面の曲率半径をR2とするとき、
−0.3< R1/R2 < 0.3
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。 - フォーカシングに際して前記第1レンズ群が移動すると共に、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき、
0.1 < (ft/f1)2 < 0.5
なる条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。 - 前記第2レンズ群は、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第2aレンズ群、開口絞り、正の屈折力の第2bレンズ群より成り、該第2aレンズ群の最も像側のレンズ面から該開口絞りまでの距離をLp、前記第2レンズ群の光軸上の厚さをTD2、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第2aレンズ群の焦点距離をf2aとするとき、
0.01< Lp/TD2 < 0.5
0.2 < f2/f2a < 0.6
なる条件を満足することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のズームレンズ。 - 前記第1レンズ群と前記第4レンズ群の焦点距離を各々f1,f4とするとき、
−0.75 < f1/f4 < −0.3
なる条件を満足することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のズームレンズ。 - 光電変換素子の感光面上に像を形成することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のズームレンズ。
- 請求項1〜6いずれかに記載のズームレンズと、該ズームレンズによって形成される像を受光する光電変換素子とを有することを特徴とする撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009012080A JP2009104171A (ja) | 2009-01-22 | 2009-01-22 | ズームレンズ及びそれを有する撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH09211323A (ja) * | 1996-02-07 | 1997-08-15 | Konica Corp | 有限距離用ズームレンズ |
-
2009
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Patent Citations (2)
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JPS584113A (ja) * | 1981-06-30 | 1983-01-11 | Minolta Camera Co Ltd | ズ−ムレンズ系 |
JPH09211323A (ja) * | 1996-02-07 | 1997-08-15 | Konica Corp | 有限距離用ズームレンズ |
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