JP2009103939A - レンズユニット、レンズユニットの組立方法、撮像モジュールおよび撮像機器 - Google Patents

レンズユニット、レンズユニットの組立方法、撮像モジュールおよび撮像機器 Download PDF

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Abstract

【課題】筐体とレンズホルダとをネジ係合する際における締め付けトルクの安定したレンズユニットを提供する。
【解決手段】本発明に係るレンズユニット10は、外側面の一部の領域にねじ山9の形成されている筒状のレンズホルダ4と、レンズホルダ4の筒孔内に保持された第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3からなるレンズ群とを備えている。ねじ山9は、レンズホルダ4の一部分であり、当該部分の内側面がレンズ群の何れとも当接しない非当接部分の外側面に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばコンパクトデジタルカメラおよびモバイル用カメラなどの撮像機器に用いられるレンズユニット、撮像モジュールに関するものである。より詳細には、レンズユニットを精度よく組み立てるためのレンズホルダおよびその組立方法に関するものである。
コンパクトデジタルカメラおよびモバイル用カメラなどの光学機器に用いられるレンズユニットは、一般的に、レンズ群と、このレンズ群を保持する筒状のレンズホルダとを備えている。
従来、レンズ群をホルダ内に位置決めする場合には、レンズ群をホルダに圧入し、ホルダの内面とレンズ群の外形とを接触させ、それぞれの中心を位置決めしている。また、レンズ群の光軸方向の位置は、レンズ群に設けた、光軸に対して垂直な平面領域と、ホルダとを接触させて決めている。このように作製されたレンズユニットは、撮像モジュールを構成する場合、ホルダに設けられた雄ネジ部と筐体に設けられた雌ネジ部とをネジ係合により固定される。
例えば、特許文献1には、レンズが固定されたレンズ枠(レンズホルダ)と、そのレンズ枠を保持するためのホルダ(筐体)からなるレンズ装置(レンズユニット)であり、レンズ枠に雄ネジが形成され、ホルダに雌ネジが形成されたレンズユニットについて開示されている。特許文献1に開示されたレンズ装置の詳細について、図10(a)および(b)を参照して以下に説明する。
図10(a)および(b)は、従来のレンズ装置を示す図であり、(a)は側面断面図であり、(b)はB−B断面図である。図10(a)に示すように、レンズ装置50は、レンズ群51と、レンズ群51を保持するレンズ枠52と、レンズ枠52を保持するホルダ53と、CCD57とを備えている。
レンズ群51は、前群レンズ51aと後群レンズ51bとの2群から構成されており、レンズ枠52の内部に所定の間隔をもって配置されている。レンズ枠52は、円筒状に形成されており、その先端部内周に雌ネジ部56が形成されている。雌ネジ部56の形成されたホルダ57の先端部分には、図10(b)に示すような2本1組の切込み55が90度間隔で形成されている。各切込み55は、ホルダ53の先端部から光軸に沿って雌ネジ部56の終端位置を超えるまで形成されており、内周部から外周部に貫通して形成されている。ホルダ53は、切込み55を形成することによって、その先端部分が弾性変形して半径方向に拡縮可能となっている。
レンズ枠52は、その基端部外周に形成された雄ネジ部54をこのホルダ53の雌ネジ部56に螺合させることによりホルダ53に取り付けられる。ここで、特許文献1に開示されているレンズ装置では、ホルダ53の雌ネジ部56の径は、レンズ枠52の雄ネジ部56の径よりも小さい。このため、レンズ枠52の雄ネジ部54は、ホルダ53の雌ネジ部56を押し広げながら雌ネジ部56に螺合される。一方、ホルダ52の雌ネジ部56は、その弾性復元力によってレンズ枠53の雌ネジ部54を締め付けるように螺合する、これによって、互いのネジ係合部に生じるガタ(バックラッシ)を取り除くことができる。
特開2003−279830号公報(平成15年(2003年)10月2日公開)
しかし、特許文献1に開示されているレンズ装置では、弾性変形を利用してレンズ枠とホルダとをネジ係合しているため、レンズ枠とホルダとが精度よくネジ係合されていないとセンサーに対して光軸方向の位置を調整するバックフォーカス調整の際に、締め付けるトルク量が安定しない。すなわち、レンズ枠およびホルダのいずれかのねじ部にひずみがある場合には、精度良くネジ係合することができないため、締め付けるトルク量にばらつきが生じてしまう。このように、締め付けるトルク量が安定しない場合、微小な調整をすることが困難となり、量産時における撮像モジュールの不良率の増加につながる。また、オートフォーカス機能を有したアクチュエータに搭載した場合、構成として板バネを用いる、例えば、VCM(Voice Coil Motor)では、レンズホルダ(レンズ枠)を筐体(ホルダ)にネジ係合する際に過大な締め付けトルクが必要となることがあり、結果としてアクチュエータを破損させるおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、筐体とレンズホルダとをネジ係合する際の締め付けトルクの安定したレンズユニットを提供することにある。また、上記のレンズユニットを備えることによって良好な光学特性を有する撮像モジュールを提供することである。
本発明に係るレンズユニットは、上記課題を解決するために、
外側面の一部の領域にねじ山の形成されている筒状のレンズホルダと、上記レンズホルダの筒孔内に保持された複数のレンズと、を備えたレンズユニットであって、
上記ねじ山は、上記レンズホルダの一部分であり、当該部分の内側面が上記複数のレンズの何れとも当接しない非当接部分の外側面に形成されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、ねじ山は、レンズホルダの内側面のうち、複数のレンズの何れとも当接しない非当接部分の外側面に形成されている。言い換えれば、複数のレンズのうち、レンズホルダの外側面においてねじ山の形成された領域に位置するレンズは、レンズホルダの内側面のうち、ねじ山の形成された領域の内側に位置する領域に当接することなくレンズホルダに配置されている。
これによって、レンズホルダは、ねじ山の形成されている領域を含むレンズホルダの外側面の形状を変形させることなく、複数のレンズを保持することができる。したがって、例えば、レンズユニットの外周に係合される筐体に本発明に係るレンズユニットをねじ係合する場合であっても、ねじ山の形成されている領域の形状に変形が生じていないため、レンズユニットと筐体とのねじ係合において生じるトルクを略一定とすることができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットは、さらに、上記ねじ山は、上記レンズホルダの一部分であり、当該部分の内側面が上記複数のレンズのいずれとも当接しない非当接部分の外側面にのみ形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、レンズホルダは、ねじ山の形成されている領域を含むレンズホルダの外側面の形状を全く変形させることなく、複数のレンズを保持することができる。したがって、例えば、レンズユニットの外周に係合される筐体に本発明に係るレンズユニットをねじ係合する場合であっても、ねじ山の形成されている領域の形状に全く変形が生じていないため、レンズユニットと筐体とのねじ係合において生じるトルクを略一定とする効果を最大限得ることができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットは、さらに、上記複数のレンズのうち、上記ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズは、上記ねじ山の形成された領域の内側に位置する領域における径よりも小さい直径を有する小径レンズであり、
上記小径レンズは、上記複数のレンズのうち、上記レンズホルダに固定された他のレンズを介して保持されていることが好ましい。
上記の構成によれば、ねじ山の形成された領域に位置するレンズを、レンズホルダの内側面のうち、ねじ山の形成されている領域の内側に位置する領域に当接させることなく、レンズホルダの筒孔内に保持させることができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットは、さらに、上記レンズホルダに固定された他のレンズの少なくとも1つは、上記レンズホルダの内側面に押圧固定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、ねじ山の形成された領域に位置する小径レンズに傾きおよび偏芯を生じさせることなく、保持することができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットは、さらに、上記レンズホルダに固定された他のレンズの少なくとも1つは、上記レンズホルダに接着固定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、レンズユニットの耐衝撃性を向上することができる効果を奏する。また、レンズホルダの孔径の大きさに影響を受けることなく、レンズをレンズホルダに固定することができる。これによって、レンズホルダに対するレンズの大きさの精度を緩和することができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットは、さらに、上記小径レンズと、上記レンズホルダの内側面との間には、空隙が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、レンズホルダの内側面のうち、ねじ山の形成されている領域の内側には、いかなる部材も当接していない。したがって、レンズホルダは、ねじ山の形成されている領域を含む外側面を変形することなく、複数のレンズをその筒孔内に保持することができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットは、さらに、上記レンズホルダの内側面に押圧固定されたレンズの配置される位置における上記レンズホルダの外周径と内周径との差は、上記レンズホルダの内側面に押圧固定されたレンズの配置されていない位置における上記レンズホルダの外周径と内周径との差よりも大きいことが好ましい。
レンズホルダの内側面に押圧固定されたレンズの配置される位置における上記レンズホルダの外周径と内周径との差を大きくする、すなわち、押圧固定によって負荷のかかる領域を含む側壁の肉厚を厚くすることによって、レンズホルダの強度を増加させることができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットは、さらに、上記レンズホルダの外周径と内周径との差の変化する部分は、上記レンズホルダの内側面側に向かって突き出した曲面形状またはテーパー状であることが好ましい。
上記の構成によれば、押圧固定によってレンズホルダに固定されるレンズを圧入を容易とすることができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットは、さらに、上記レンズホルダに接着固定されるレンズの配置される位置における上記レンズホルダの側壁の一部は、切欠かれていることが好ましい。
上記の構成によれば、レンズホルダの内側面だけでなく、側面に設けられた切欠部に接着剤を塗布することができる。これによって、レンズホルダに接着固定されるレンズをより一層強固に固定することができるため、レンズユニットの耐衝撃性を向上することができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットは、さらに、上記複数のレンズは、光学特性を有している光学面部と、当該光学面部を取り囲む外縁部と、からなり、
上記小径レンズおよび当該小径レンズに隣接するレンズにおける上記外縁部は、上記小径レンズの上記外縁部と嵌合する形状を有していることが好ましい。
小径レンズをレンズホルダの筒孔内に取り付けるときに、小径レンズとそれに隣接するレンズとの外縁部を嵌め合わせることによって、レンズ間の偏芯および各レンズのチルトを容易に調整することができる効果を奏する。
また、レンズホルダの筒孔内において、小径レンズの水平面方向の位置がずれることにより、レンズホルダに取り付けられたレンズの光軸の位置がずれることを防ぐことができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットは、さらに、上記ねじ山のネジピッチは、0.2〜0.4mmの範囲内であることが好ましい。
ネジピッチを上記範囲内とすることによって、レンズユニットを例えばレンズユニットの外周に係合される筐体に係合するとき、レンズユニットを所定の位置に移動させるまでの回転数を抑制しつつ、光軸方向への細かい調整を可能にする効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットの組立方法は、上記課題を解決するために、
外側面の一部の領域にねじ山の形成されている筒状のレンズホルダと、上記レンズホルダの筒孔内に保持された複数のレンズとを備えたレンズユニットの組立方法であって、
上記複数のレンズのいずれも、上記レンズホルダの内側面のうち、上記ねじ山の形成された領域の内側に位置する領域に当接することなく上記レンズホルダの筒孔内に取り付けるレンズ取付工程を含むことを特徴といる。
上記の構成によれば、本発明に係るレンズユニットと同様の作用効果を生じる。
本発明に係るレンズユニットの組立方法は、さらに、上記レンズ取付工程では、上記ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズを、上記レンズホルダに固定された他のレンズを介して保持するように取り付けることが好ましい。
上記の構成によれば、ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズを、レンズホルダの内側面のうち、ねじ山の形成された領域の内側に位置する領域に当接することなく保持することができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットの組立方法は、さらに、上記レンズ取付工程では、上記ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズよりも後に取り付けるレンズのうち、最後に取り付けるレンズを、上記レンズホルダに固定することが好ましい。
上記の構成によれば、取り付けたレンズをレンズホルダに固定する工程を一工程のみとすることができるため、レンズユニットの組み立てに要する工程数を低減することができる。これによって、レンズユニットの組み立てに要する時間を短縮することができる効果を奏する。また、レンズユニットの製造に要するコストを削減することができる効果も併せて奏する。
本発明に係るレンズユニットの組立方法は、さらに、上記レンズ取付工程では、上記ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズよりも前に取り付けるレンズを、上記レンズホルダに固定することが好ましい。
上記の構成によれば、ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズを、レンズホルダの内側面のうち、ねじ山の形成された領域の内側に位置する領域に当接することなくより一層強固に保持することができる効果を奏する。
本発明に係るレンズユニットの組立方法は、さらに、上記レンズ取付工程では、上記ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズよりも前に取り付けるレンズのうち、最初に取り付けるレンズを上記レンズホルダに固定した後、他のレンズを取り付けることが好ましい。
ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズよりも前に取り付けるレンズのうち、最初に取り付けるレンズは、その他のレンズに対して調整誤差の大きい。したがって、調整誤差の大きいレンズを予めレンズホルダに固定することによって、その後から取り付けるレンズも精度よく取り付けることができる効果を奏する。
また、本発明に係るレンズユニットを備えた撮像モジュールおよび撮像機器についても本発明の範疇に含まれる。
本発明に係るレンズユニットにおいて、ねじ山は、レンズホルダの内側面のうち、複数のレンズの何れとも当接しない非当接部分の外側面に形成されている。すなわち、本発明に係るレンズユニットは、ねじ山の形成されている領域であるレンズホルダの外側面の形状を変形させることなく、複数のレンズをレンズホルダの筒孔内に保持することができる。これによって、例えば、レンズユニットの外周に係合される筐体に本発明に係るレンズユニットをねじ係合する場合であっても、ねじ山の形成されている領域の形状に変形が生じていないため、レンズユニットと筐体とのねじ係合において生じるトルクを略一定とすることができる効果を奏する。
〔実施形態1〕
本発明に係るレンズユニットについて、図面を参照しつつ以下に説明する。図1(a)〜(c)は、本実施形態に係るレンズユニットを示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)はA−A断面図である。
レンズユニット10は、図1(c)に示すように、第1レンズ1、第2レンズ2(小径レンズ)、第3レンズ3(小径レンズ)、レンズホルダ4、遮光板5および遮光板6を備えている。各部材について以下に説明する。
(レンズホルダ4)
レンズホルダ4は、レンズホルダ4には、その内部が中空となるように孔が形成されており、その筒孔内に第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3からなるレンズ群を保持することができる。なお、レンズホルダ4は、上記のレンズ群を保持するのみでなく、例えば、以下に説明する遮光板、および特定の波長の光を除去するフィルタなどを保持することができることが好ましい。
また、図1(a)〜(c)に示すように、レンズホルダ4の外側面には、例えばレンズホルダ4の外周に係合される筐体に係合するためのねじ山9が設けられている。ねじ山9の設けられている位置の詳細については下記に説明する。
(第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3)
第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3は、それぞれを組み合わせることによって特定の作用を有する光学素子となるレンズ群である。なお、本実施形態では、光線が、第1レンズ1から入射し、第2レンズ2を経て第3レンズ3から出射されるレンズユニットである場合を例に挙げて説明する。すなわち、レンズユニット10を撮像機器に取り付けた場合には、被写体側に配置される順に第1レンズ1、第2レンズ2そして第3レンズ3となる。
図1(c)に示すように、第1レンズ1は、第1レンズ1の配置される位置におけるレンズホルダ4の内径と略同じ大きさの直径であり。レンズホルダ4の内側面に押圧固定されている。一方、第2レンズ2および第3レンズ3は、第2レンズ2および第3レンズ3の配置される位置におけるレンズホルダ4の内径よりも小さい直径を有している小径レンズである。すなわち、第2レンズ2および第3レンズ3は、レンズホルダ4に当接することなく、レンズホルダ4内に保持されている。より具体的には、第3レンズ3は、接着剤7によってレンズホルダ4に接着固定されており、第2レンズ2は、レンズホルダ4に固定されている第1レンズ1および第3レンズ3を介してレンズホルダ4内に保持されている。
より具体的に説明すると、第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3は、それぞれ、光学特性を有する光学面部1a、2aおよび3aと、光学面部1a、2aおよび3aを取り囲むコバ部(外縁部)1b、2bおよび3bとからなる。さらに、隣接するレンズのコバ部、すなわちコバ部1bとコバ部2b、およびコバ部2bとコバ部3bとは、互いに嵌合する形状となるように形成されている。
これによって、レンズホルダ4に当接していない第2レンズ2であっても、レンズホルダ4の筒孔内において偏芯およびチルトすることなく保持することができる。また、第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3をレンズホルダ4に取り付ける際に、各レンズの光軸が最適な位置となる、すなわち偏芯およびチルトの最も小さくなる位置となるように各レンズを取り付けることを容易とすることができる。さらに、各レンズがレンズホルダ4内において水平方向にずれ、各レンズの光軸がずれることを防ぐことができる。
また、図1(c)に示すように、第2レンズ2および第3レンズ3は、小径レンズであるため、レンズホルダ4との間には、空隙部8が形成されている。空隙部8の大きさは、30〜50μm程度であることが好ましい。これは、一般的に、レンズの外形の製造公差は、±10μm程度であり、レンズホルダ4の内径精度は、±20μm程度であるためである。
なお、第3レンズ3とレンズホルダ4とを固定する接着剤7は、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などを用いることができる。また、第3レンズ3は、必ずしも接着剤7によって、レンズホルダに接着されている必要はなく、例えば取り付け金具などを用いてレンズホルダ4に固定されていてもよい。
第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3は、従来公知のレンズを用いることができ、その形状、大きさなどの詳細は、使用する目的に合せて適宜設定することができる。
(遮光板5および6)
遮光板5および6は、第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3の有効径外の光を遮光するためのものである。遮光板5およびは、従来公知の遮光板を用いることができる。
(レンズホルダ4の詳細)
次に、レンズホルダ4の詳細について、図2を参照しつつ以下に説明する。図2は、レンズユニット10のA−A断面図の部分拡大図である。
図2に示すように、レンズホルダ4は、その一部に開口部を有する天面部11および側壁部13から構成されている。さらに、図2に示すように、側壁部13の外周面、すなわちレンズホルダ4の外側面にねじ山9が形成されている。そして、図2に示すように、ねじ山9は、側壁部13の内側面のうち、レンズ群の何れとも当接しない非当接部分の外側面に形成されている。すなわち、側壁部13の内側、すなわちレンズホルダ4の内側面のうち、ねじ山9の形成されている領域の内側の領域には、レンズホルダ4に保持されているいずれのレンズも当接していない。
これによって、レンズホルダ4に配置される第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3からなるレンズ群により、外側面においてねじ山9の形成されている領域の形状が変形することを防ぐことができる。
より具体的には、レンズホルダ9は、ポリカーボネートなどの樹脂を用いた、プラスチック射出成型によって作製されている。また、第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3などの各レンズは、ポリカーボネートやシクロオレフィンポリマーの射出成型によって作製される。レンズホルダ4と各レンズは、その製造過程において製造公差を生じるため、各レンズをレンズホルダ4に圧入する際に、レンズホルダ4およびレンズに、公差範囲内の数μm程度の微小な変形を有する。これによって、例えば図3(a)に示すように、第1レンズ1とレンズホルダ4bとが当接する領域の外側にねじ山9bを形成した領域がある場合には、矢印の方向に変形が生じ、ねじ山9bの形成されている領域にも微小な変形が生じることになる。
図3(a)では、すでに、レンズユニット10bと鏡筒(筐体)20とがねじ係合により固定されているが、実際には、バックフォーカスの調整が行われるため、レンズユニット10bは図3(a)において上方向から下方向に調整されることになる。このとき、ねじ山9bの形成されている領域に変形が生じている場合、レンズユニット10bと鏡筒20とが係合している係合部に負荷がかかることになる。この負荷により、ねじの締め付けトルクが増加する。この増加量は、レンズ外形とレンズホルダー内径との製造公差によってばらつくため、安定した締め付けトルクを得ることができない。
したがって、例えば、図3(b)に示すように、ねじ山9を第1レンズ1とレンズホルダ4とが当接する領域以外の領域、すなわちレンズホルダ4に保持されているいずれのレンズも当接していない領域の外側の領域にねじ山9を形成することによって、ねじ山9の形成されている領域を変形させることなく、レンズホルダ4にレンズを圧入することができる。したがって、レンズユニット10を鏡筒20にねじ係合する際の締め付けトルクを略一定とすることができる。
なお、図3(a)および(b)は、レンズユニット10および10bを鏡筒20にねじ係合した状態の断面図の部分拡大図であり、(a)は第1レンズ1とレンズホルダ4bとが当接する領域の外側に位置する領域にねじ山9bが形成されている場合であり、(b)ははレンズホルダ4がいずれのレンズとも当接しない領域の外側に位置する領域にねじ山9が形成されている場合である。
また、図2に示すように、レンズホルダ4の側壁部13において第1レンズ1を押圧固定されている部分は、レンズホルダ4の内周径と外周径との差が、側壁部13のその他の部分における内周径と外周径との差と比して大きくなっている。換言すれば、側壁部13の一部には、第1レンズ1に当接する部分の厚みが厚くなっている厚肉部12が設けられている。
これによって、レンズホルダ4の強度を増加させることができる。また、レンズホルダ4において筒孔内に保持されるレンズと当接しない領域を含む側壁部の肉厚を薄くすることによって、レンズホルダ4の射出成型時に使用する樹脂量を減らすことができるため、レンズユニット10の製造に要するコストを削減することができる。さらに、ねじ山9を側壁部13において肉厚の薄い薄肉部の外側面に設けることによって、ねじ山9の厚み分だけ薄肉部の肉厚が厚くなるため、薄肉部の強度を増加させることができる。
図2に示すように、側壁部13において内周径と外周径との差の変化する、すなわち肉厚の変化する部分の形状は、レンズホルダ4の内側面側、すなわち筒孔内側に向かって突出した曲面形状16またはテーパー状であることが好ましい。これによって、レンズホルダー4に第1レンズ1を圧入するとき、第1のレンズ1が肉厚の変化する部分においてひっかかることなく第1レンズ1を圧入することができる。すなわち、第1レンズ1の圧入を容易とすることができる。
なお、天面部11の一部には、第1レンズ1の光軸方向の位置を決定するための位置決定領域15が設けられていてもよい。
(ねじ山9のネジピッチ)
ねじ山9におけるネジピッチは、0.2〜0,4mmピッチの範囲内であることが好ましい。例えば、レンズユニット10の外周に係合される筐体が鏡筒であるとき、バックフォーカス調整、すなわちレンズユニット10の光軸方向の位置は、レンズユニット10を回転させることにより調整される。
ネジピッチは、その調整分解能を決定するため、小さければ小さいほど光軸方向への細かい調整が可能となる。しかし、ネジピッチを小さく構成した場合には、レンズユニット10の一回転あたりの移動距離が短くなるため、レンズユニット10が所定に位置に配置する粗調整に時間がかかることになる。逆に、ネジピッチが広い場合には、レンズユニット10の光軸方向における細かい調整が困難となる。レンズユニット10を移動させる距離が2mmであり、ネジピッチが0.2mmである場合、10回転でレンズユニット10を所定の位置に配置することができる。またこの場合には、分解能は、1°の回転角に対して0.5μmとなる。また、ネジピッチが0,4mmの場合には、所定の位置に配置されるまで5回転であり、分解能は1μmとなり、いずれも量産時のおいても問題のない値となっている。したがって、ねじ山9におけるネジピッチは、上記の範囲内であることが好ましい。
(変形例)
本実施形態におけるレンズユニット10の変形例について、図4(a)および(b)を参照しつつ以下に説明する。図4(a)および(b)は、実施形態1に係るレンズユニット10の変形例を示した図であり、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
図4(a)および(b)に示すように、レンズユニット10cにおけるレンズホルダ4cの側面の一部には、切欠部17が設けられている。切欠部17は、図4(b)に示すように、レンズホルダー4cにおいて第3レンズ3の配置される位置またはその位置の近傍に設けられており、第3レンズ3をレンズホルダ4cに接着固定する際の接着剤7の塗布部として用いられる。これによって、第3レンズ3をレンズホルダ4cに接着固定する際の接着面を確保することができるため、第3レンズ3とレンズホルダ4cとの接着強度を向上することができる。すなわち、レンズホルダ4cの耐落下衝撃性など耐衝撃性を向上することができる。
また、切欠部17は、接着剤7の塗布部としての使用に限定されるものではなく、例えば第3レンズ3をレンズホルダ4cに取り付けるための取付金具などを留めるために用いてもよい。
(付記事項)
なお、本実施形態では、第1レンズ1をレンズホルダ4の内側面に押圧固定し、第3レンズ3をレンズホルダー4に接着固定しているが、これに限定されるものではなく、例えば、第1レンズ1を接着固定によりレンズホルダ4に固定するようにしてもよい。また、レンズの数も3枚に限定されるものではない。すなわち、レンズホルダ4に保持されるレンズの数は、4枚もしくはそれ以上であってもよく、また2枚であってもよい。
〔実施形態2〕
本発明に係るレンズユニットの組立方法の一例について、実施形態2として以下に説明する。なお、実施形態1と同様の部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
レンズユニットの組立方法は、レンズホルダに保持された複数のレンズのうち、ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズを、レンズホルダの内側面のうち、ねじ山の形成された領域の内側に位置する領域に当接することなくレンズホルダに取り付けるレンズ取付工程を含んでいる。レンズ取付工程の詳細について、図5(a)〜(g)を参照して以下に説明する。図5(a)〜(g)は、実施形態2に係るレンズユニットの組立方法を示す図であり、(a)は第1レンズ1の取り付けを示し、(b)は遮光板5の取り付けを示し、(c)は第2レンズ2の取り付けを示し、(d)は遮光板6の取り付けを示し、(e)は第3レンズ3の取り付けを示し、(f)は第1レンズ1の圧入を示し、(g)は第3レンズ3の固定を示している。なお、図5(a)〜(g)に示すように、本実施形態におけるレンズホルダ4は、その一端が封されており、他端からのみレンズを挿入可能な形状である。したがって、本実施形態では、レンズホルダ4に取り付ける各レンズを、封されている端部とは逆の端部から順に挿入する場合を例に挙げて説明する。
まず、レンズホルダ4を調整機(図示しない)に固定する。固定したレンズホルダ4に対して第1レンズ1を挿入する(図5(a))。次に、レンズホルダ4に対して第1レンズ1と第2レンズ2との間の位置に配置される遮光板5を挿入する(図5(b))。なお、このとき、遮光板5が第1レンズ1の所定の位置に配置されるように、第1レンズ1に嵌合形状が形成されていることが好ましい。
続いて、レンズホルダ4に対して第2レンズ2を挿入する(図5(c))。このとき、実施形態1において説明したように、第1レンズ1のコバ部1bと第2レンズ2のコバ部2bとは嵌合するような形状を有している。したがって、第2レンズ2は、第2レンズ2のコバ部2bと第1レンズ1のコバ部1bとが嵌合するように挿入する。そして、遮光板5をと同様にして、第2レンズ2と第3レンズ3との間の位置に配置される遮光板6を挿入する(図5(d))。
次に、第2レンズ2を挿入したときと同様にして、レンズホルダ4に対して第3レンズ3を挿入する(図5(e))。すなわち、第3レンズ3のコバ部3bが第2レンズ2のコバ部2bに嵌合するように挿入する。続いて、挿入した第3レンズ3側から第1レンズ1に対して一定の押圧を加えることによって、第1レンズ1をレンズホルダ4に対して厚入する(図5(f))。これによって、第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3からなるレンズ群を一括して所定の位置に配置することができる。
最後に、第3レンズ3をレンズホルダ4に固定する(図5(g))。これによって、第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3からなるレンズ群をレンズホルダ4の筒孔内に固定することができる。第3レンズ3は、図5(g)に示すように、接着剤7を用いてレンズホルダ4に接着固定することが好ましい。接着剤7としては、光学レンズをレンズホルダに接着固定できるものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、従来公知の紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を含む接着剤などを挙げることができる。また、第3レンズ3の固定は、接着剤7を用いた固定に限定されるものではなく、例えば、第3レンズ3をレンズホルダ4の側壁部に取り付ける取付金具などを用いて固定してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るレンズ組立工程によれば、レンズホルダ4に当接していない第2レンズ2も、レンズホルダ4の内側面に押圧固定されている第1レンズ1とレンズホルダ4に接着固定されている第3レンズ3とを介して、レンズホルダ4に保持されることとなる。
また、図5(a)〜(g)に示すようなレンズ取付工程であれば、第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3からなるレンズ群をレンズホルダ4に固定する工程を、第3レンズ3の固定のみとすることができるため、レンズユニット10の組立工程の工程数を低減することができる。また、レンズユニット10の組み立てに要する時間を短縮することができると共に、レンズユニット10の製造に要する製造コストを削減することができる。
なお、第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3をレンズホルダ4に挿入するときには、各レンズに設けられたゲートカット部(図示しない)を用いて、レンズ間の相対的なゲートカット位置の回転方向を調整してもよい。これによって、レンズ製造時に生じるレンズの偏芯をレンズ間において取り除くことができる。
(変形例1)
本実施形態におけるレンズユニットの組立方法におけるレンズ取付工程の変形例について図6(a)〜(h)を参照しつつ、以下に説明する。
図6(a)〜(h)は、レンズユニットの他の組立方法を示す図であり、(a)は第1レンズ1の取り付けを示し、(b)は第1レンズ1の圧入を示し、(c)は遮光板5の取り付けを示し、(d)は第2レンズ2の取り付けを示し、(e)は遮光板6の取り付けを示し、(f)は第3レンズ3の取り付けを示し、(g)は第2レンズ2および第3レンズ3の加圧を示し、(h)は第3レンズ3の固定を示している。
変形例1におけるレンズ取付工程は、レンズホルダ4に第1レンズ1を挿入した後(図6(a))、第1レンズ1に対して一定の圧力を印加し、レンズホルダ4に圧入する(図6(b))以外は、図5(a)〜(g)を参照して説明したレンズ取付工程と同様である。したがって、図6(c)〜(h)については、その詳細な説明を省略する。
レンズホルダ4に最初に挿入する第1レンズ1は、レンズユニット10を構成するレンズ群の他のレンズに対する調整誤差の影響が大きい。したがって、調整誤差の影響を最も及ぼしやすい第1レンズ1のレンズユニット4における位置を予め決定しておくことによって、その後に挿入するレンズおよび遮光板などのレンズユニット10を構成する部材を精度よく組み立てることができる。また、第2レンズ2および第3レンズ3を挿入した後、加圧することによって、精度良く固定された第1レンズ1上に第2レンズ2および第3レンズ3を精度良く組み立てることができる。したがって、光学性能のよいレンズユニットを組み立てることができる。
(変形例2)
本実施形態におけるレンズユニットの組立方法におけるレンズ取付工程のさらなる変形例について図7(a)〜(h)を参照しつつ、以下に説明する。
図7(a)〜(h)は、レンズユニットのさらに他の組立方法を示す図であり、(a)は第1レンズ1の取り付けを示し、(b)は遮光板5の取り付けを示し、(c)は第2レンズ2の取り付けを示し、(d)は第1レンズの圧入を示し、(e)は遮光板6の取り付けを示し、(f)は第3レンズ3の取り付けを示し、(g)は第2レンズ2および第3レンズ3の加圧を示し、(h)は第3レンズ3の固定を示している。
変形例2におけるレンズ取付工程は、レンズホルダ4に第1レンズ1、遮光および第2レンズ2を挿入した後(図7(a)〜(c))、第2レンズ2側から第1レンズ1に対して一定の圧力を印加し、第1レンズ1をレンズホルダ4に圧入する(図7(d))以外は、図5(a)〜(g)を参照して説明したレンズ取付工程と同様である。したがって、図7(a)〜(c)および図7(e)〜(h)については、その詳細な説明を省略する。
一般的に、3枚のレンズを有する光学系のおいては、第1レンズと第2レンズとの組立精度が要求される。レンズユニット10においても、第1レンズ1と第2レンズ2と間のレンズ間の調整誤差の影響を抑制するために、組立精度が要求されている。上述したレンズ取付工程であれば、レンズユニット10を構成した際に、レンズ間の調整誤差の影響を大きい第1レンズ1と第2レンズ2とをレンズホルダー4に予め圧入するため、他のレンズを挿入する前に、第1レンズ1と第2レンズ2との相対的な位置決めを行うことができる。これによって、図7(e)以降においてレンズホルダ4に挿入する部材を位置精度良く取り付けることができる。したがって、レンズユニット10の組み立て精度を緩和することができる。さらに、第3レンズ3以降にレンズホルダ4に挿入するレンズの精度も併せて緩和することができるため、レンズのコストを低減することができ、結果として、レンズユニット10の製造に要するコストをより一層削減することができる。
〔実施形態3〕
本発明に係る撮像モジュールについて、実施形態3として図8を参照しつつ以下に説明する。なお、実施形態1および2と同一の部材については、同一の参照符号を付し、その説明については省略する。図8は、本実施形態に係る撮像モジュール40の構成を示す断面図である。
図8に示すように、レンズユニット10、鏡筒(筐体)20およびセンサー部30を備えている。レンズユニット10は、第1レンズ1、第2レンズ2、第3レンズ3、レンズホルダ4、遮光板5および遮光板6を備えており、レンズホルダ4の外側面にはねじ山9が設けられている。レンズユニット10の詳細については、実施形態1において詳述したため、本実施形態ではその説明を省略する。
鏡筒20は、レンズユニット10の外周にねじ係合されるものであり、その内側面には、ねじ山9に係合するねじ山21が設けられている。すなわち、レンズユニット10は、鏡筒20にねじ係合することによって、光軸方向に対して位置の調整が可能である。また、鏡筒20の一端は、センサー部30に接着固定されている。なお、鏡筒20の材質は、光を透過しない材質であれば特に限定されるものではない。
センサー部30は、IR(赤外線)カットフィルタ31、撮像素子32およびベース33を備えている。ベース33は、撮像素子32およびIRフィルタ31を保持するための基板であり、IRカットフィルタ31は、赤外光の波長を遮断するためのフィルタである。撮像素子32は、レンズユニット10を通過した光を電気信号に変換するものであり、その受光部としてCCD(Charge Couple Device)イメージセンサーまたはCMOSイメージセンサーなどが搭載されている。
被写体の像は、レンズユニット10を介して、撮像素子32上の受光部に結像する。結像した像は、受光部で光電変換され、電気信号として出力され、後段のDSP(Digital Signal Processor)などにおいて画像に変換される。
本実施形態における撮像モジュール40に備えられているレンズユニット10では、実施形態1において説明したように、レンズホルダ4の内側面においてネジ山9の設けられている領域の内側の領域は、第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3のいずれも当接していない。これによって、鏡筒20にレンズユニット10を搭載する際に必要となるバックフォーカス調整時の締め付けトルクを略一定とすることができる。すなわち、レンズユニット10の位置を調整するための締め付けトルクが安定するため、レンズユニット10を最も良い撮像画像を得られる位置に容易に調整することができる。
ここで、バックフォーカス調整は、レンズユニット10に搭載された第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3からなるレンズ群の焦点位置を撮像素子上に配置する調整を意味している。調整方法としては、撮像チャートを用いて、コントラストが最も得られるようにして行うことが好ましい。この調整によって、良好な画像を得ることができる撮像モジュールとすることができる。
以上説明した撮像モジュール40は、携帯電話用のカメラおよびコンパクトデジタルカメラなどの撮像機器に搭載することによって、良好な光学性能を有し、さらに低コストの撮像機器を提供することができる。
(変形例)
本実施形態に係る撮像モジュール40は、図9に示すように、IRカットフィルタ31上に光学素子34を備えていてもよい。なお、図9は、撮像モジュール40の他の構成を示す断面図である。
IRカットフィルター31上の形成された光学素子34は、レンズユニット10を通過し、センサー部30に入射する入射角を補正するために形成されている。一般的に、センサー部30内の撮像素子32は、入射角に対して光量に依存性があるため、入射角を仕様値の範囲内にする必要がある。仕様値の範囲外のときには、入射光量が低下するため、撮影した画像は暗くなる。光学素子34は、この入射光量の低下を避けるために設けられている。また、光学素子34は、入射光量を補正以外にもレンズユニット10の光学的な収差を補正する機能を有していてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係るレンズユニットは、コンパクトデジタルカメラおよびモバイル用カメラなどの撮像機器において広く利用することができる。
実施形態1に係るレンズユニットを示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)はA−A断面図である。 レンズユニットのA−A断面図の部分拡大図である。 レンズユニットを鏡筒にねじ係合した状態の断面図の部分拡大図であり、(a)は第1レンズとレンズホルダとが当接する領域の外側に位置する領域にねじ山が形成されているレンズユニットであり、(b)はレンズホルダがいずれのレンズとも当接しない領域の外側に位置する領域にねじ山が形成されているレンズユニットである。 実施形態1に係るレンズユニットの変形例を示した図であり、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 実施形態2に係るレンズユニットの組立方法を示す図であり、(a)は第1レンズの取り付けを示し、(b)は第1レンズと第2レンズとの間に配置される遮光板の取り付けを示し、(c)は第2レンズの取り付けを示し、(d)は第2レンズと第3レンズとの間に配置される遮光板の取り付けを示し、(e)は第3レンズの取り付けを示し、(f)は第1レンズの圧入を示し、(g)は第3レンズの固定を示している。 レンズユニットの他の組立方法を示す図であり、(a)は第1レンズの取り付けを示し、(b)は第1レンズの圧入を示し、(c)は第1レンズと第2レンズとの間に配置される遮光板の取り付けを示し、(d)は第2レンズの取り付けを示し、(e)は第2レンズと第3レンズとの間に配置される遮光板の取り付けを示し、(f)は第3レンズの取り付けを示し、(g)は第2レンズおよび第3レンズの加圧を示し、(h)は第3レンズの固定を示している。 レンズユニットのさらに他の組立方法を示す図であり、(a)は第1レンズの取り付けを示し、(b)は第1レンズと第2レンズとの間に配置される遮光板の取り付けを示し、(c)は第2レンズの取り付けを示し、(d)は第1レンズの圧入を示し、(e)は第2レンズと第3レンズとの間に配置される遮光板の取り付けを示し、(f)は第3レンズの取り付けを示し、(g)は第2レンズおよび第3レンズの加圧を示し、(h)は第3レンズの固定を示している。 実施形態3に係る撮像モジュールの構成を示す断面図である。 実施形態3に係る撮像モジュールの他の構成を示す断面図である。 従来のレンズ装置の構成を示す図であり、(a)は側面断面図であり、(b)はB−B断面図である。
符号の説明
1 第1レンズ
1a 光学面部
1b コバ部(外縁部)
2 第2レンズ(小径レンズ)
2a 光学面部
2b コバ部(外縁部)
3 第3レンズ
3a 光学面部
3b コバ部(外縁部)
4、4b、4c レンズホルダ
5、6 遮光板
7 接着剤
8 空隙部
9 ねじ山
10、10b、10c レンズユニット
11 天面部
12 厚肉部
13 側壁部
15 位置決定領域
17 切欠部
20 鏡筒(筐体)
21 ねじ山
30 センサー部
31 IRフィルタ
32 撮像素子
33 ベース部
34 光学素子
40 撮像モジュール

Claims (19)

  1. 外側面の一部の領域にねじ山の形成されている筒状のレンズホルダと、上記レンズホルダの筒孔内に保持された複数のレンズと、を備えたレンズユニットであって、
    上記ねじ山は、上記レンズホルダの一部分であり、当該部分の内側面が上記複数のレンズのいずれとも当接しない非当接部分の外側面に形成されていることを特徴とするレンズユニット。
  2. 上記ねじ山は、上記レンズホルダの一部分であり、当該部分の内側面が上記複数のレンズのいずれとも当接しない非当接部分の外側面にのみ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 上記複数のレンズのうち、上記ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズは、上記ねじ山の形成された領域の内側に位置する領域の径よりも小さい直径を有する小径レンズであり、
    上記小径レンズは、上記複数のレンズのうち、上記レンズホルダに固定された他のレンズを介して保持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンズユニット。
  4. 上記レンズホルダに固定された他のレンズの少なくとも1つは、上記レンズホルダの内側面に押圧固定されていることを特徴とする請求項3に記載のレンズユニット。
  5. 上記レンズホルダに固定された他のレンズの少なくとも1つは、上記レンズホルダに接着固定されていることを特徴とする請求項3または4に記載のレンズユニット。
  6. 上記小径レンズと上記レンズホルダの内側面との間には、空隙が設けられていることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  7. 上記レンズホルダの内側面に押圧固定されるレンズの配置される位置における上記レンズホルダの外周径と内周径との差は、上記レンズホルダの内側面に押圧固定されたレンズの配置されていない位置における上記レンズホルダの外周径と内周径との差よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載のレンズユニット。
  8. 上記レンズホルダの外周径と内周径との差の変化する部分は、上記レンズホルダの内側面側に向かって突き出した曲面形状またはテーパー状であることを特徴とする請求項7に記載のレンズユニット。
  9. 上記レンズホルダに接着固定されるレンズの配置される位置における上記レンズホルダの側壁の一部は、切欠かれていることを特徴とする請求項5に記載のレンズユニット。
  10. 上記複数のレンズは、光学特性を有している光学面部と、当該光学面部を取り囲む外縁部とからなり、
    上記小径レンズおよび当該小径レンズに隣接するレンズにおける上記外縁部は、上記小径レンズの上記外縁部と嵌合する形状を有していることを特徴とする請求項2から9のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  11. 上記ねじ山のネジピッチは、0.2〜0.4mmの範囲内であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  12. 外側面の一部の領域にねじ山の形成されている筒状のレンズホルダと、上記レンズホルダの筒孔内に保持された複数のレンズとを備えたレンズユニットの組立方法であって、
    上記複数のレンズのいずれも、上記レンズホルダの内側面のうち、上記ねじ山の形成された領域の内側に位置する領域に当接することなく上記レンズホルダの筒孔内に取り付けるレンズ取付工程を含むことを特徴とするレンズユニットの組立方法。
  13. 上記レンズ取付工程では、上記ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズを、上記レンズホルダに固定された他のレンズを介して保持するように取り付けることを特徴とする請求項12に記載のレンズユニットの組立方法。
  14. 上記レンズ取付工程では、上記ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズよりも後に取り付けるレンズのうち、最後に取り付けるレンズを、上記レンズホルダに固定することを特徴とする請求項13に記載のレンズユニット組立方法。
  15. 上記レンズ取付工程では、上記ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズよりも前に取り付けるレンズのうち、少なくともいずれかを、上記レンズホルダに固定することを特徴とする請求項13または14に記載のレンズユニット組立方法。
  16. 上記レンズ取付工程では、上記ねじ山の形成された領域の位置に配置されるレンズよりも前に取り付けるレンズのうち、最初に取り付けるレンズを上記レンズホルダに固定することを特徴とする請求項15に記載のレンズユニット組立方法。
  17. 請求項1から11のいずれか1項に記載のレンズユニットと、上記レンズユニットの外周にねじ係合されている筐体と、上記レンズユニットを通過した光を電気信号に変換する撮像素子と、を備えていることを特徴とする撮像モジュール。
  18. 上記レンズユニットと上記撮像素子との間に、上記レンズユニットを通過した光を補正するための光学素子をさらに備えていることを特徴とする請求項17に記載の撮像モジュール。
  19. 請求項17または18に記載の撮像モジュールを備えていることを特徴とする撮像機器。
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