JP2009103207A - 電磁弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】消費電力を低減可能な電磁弁を提供する。
【解決手段】電磁弁10は、ソレノイド14と、ボディ12と、作動液を導入する導入ポート16から作動液を導出する導出ポート18までの液圧通路と、液圧通路の途中に設けられた弁座22より導出ポート18側に形成された弁室23と、液圧通路を開閉可能なロッド部材24と、ロッド部材24の背面部に、弁室23との間が封止されるように形成された背面室30と、導入ポート16から弁座22を経由せずに背面室30へ連通している連通路38と、電磁力によりロッド部材24を弁座22から離間させる方向に吸引する吸引部26と、ロッド部材24を閉弁方向に付勢するばね40と、を備える。ロッド部材24は、背面室30に流入した作動液による液圧により弁座22に向かう方向へ力を受ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、液圧回路の液圧の制御に用いる電磁弁に関する。
従来、ブレーキペダルの操作力に応じた液圧を液圧回路内に発生させて、ホイールシリンダにその液圧回路内の液圧を供給することにより車両の車輪に制動力を付与する車両用液圧ブレーキ装置が知られている。このような液圧ブレーキ装置には、そのホイールシリンダの手前に増圧弁や減圧弁等の電磁弁が設けられており、これらの電磁弁を開閉制御することによってホイールシリンダへの作動液の給排量を調整して液圧を制御し、各車輪に適切な制動力を付与している。
このような電磁弁以外にも種々の方式が考案されておりその用途も様々である。例えば、特許文献1には、ヒートポンプ式冷暖房装置に用いられ、流体の流通方向が逆転しても全く同様に流量制御することが可能とされている可逆電動膨張弁が開示されている。この膨張弁は、弁体に形成された均圧路によって流体通路と背圧室とが連通されている。
特公平6−65915号公報
ところで、一般的な電磁弁は、電流が流れていない状態で弁体を弁座に対して当接、または、退避させるためのばねを備えている。ばねの付勢力は、電磁弁に電流が流れていない状態で弁体が不必要に動かないように設定されるため、ばねは、ある程度大きな復元力を発生している状態で電磁弁に組み付けられることになる。そのため、電磁弁の流路を開閉する際には、ばねの復元力を上回る電磁力を発生させる必要があり、電磁弁における消費電力の増大を招くことになる。特に、弁体の両側の領域の差圧が小さい場合、差圧が大きい場合と比べて消費電力はより大きなものとなる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、消費電力を低減可能な電磁弁を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の電磁弁は、液圧回路を流れる作動液の液圧を制御するためのソレノイド駆動の電磁弁であって、ソレノイドと、ボディと、前記ボディの内部に形成され、作動液を導入する導入口から作動液を導出する導出口までの液圧通路と、前記液圧通路の途中に設けられた弁座より導出口側に形成された弁室と、前記弁室に配設されるとともに前記弁座に接離可能に構成され、前記液圧通路を開閉可能な開閉手段と、前記開閉手段の移動方向の両端部のうち弁座側とは反対側の背面部に、前記弁室との間が封止されるように形成された背面室と、前記導入口から前記弁座を経由せずに前記背面室へ連通している連通路と、前記ソレノイドに電流が流れた場合に発生する電磁力により前記開閉手段を前記弁座から離間させる方向に吸引する吸引部と、前記開閉手段を閉弁方向に付勢する付勢部材と、を備える。前記開閉手段は、前記背面室に流入した作動液による液圧により前記弁座に向かう方向へ力を受ける。
この態様によると、導入口から導入された作動液により開閉手段が弁座から離間する方向に力を受けても、それと同様の液圧を有する作動液が連通路を経由して背面室に流入するため、流入した作動液により開閉手段が弁座に向かう方向へ力を受ける。そのため、導入口から導入される作動液の液圧の高低にかかわらず、開閉手段には互いに打ち消し合う逆方向の力が働く。したがって、導入される作動液の液圧が高圧であっても、開閉手段を弁座から離間させる方向へ働く力は、背面室に作動液を流入させない場合と比較して小さくて済む。その結果、電磁弁の使用が想定される圧力範囲で作動液の液圧のみでは開弁しないようにするために必要な付勢力を小さくできるので、開弁の際にこの付勢力に逆らって吸引部で発生させる電磁力も小さくて済む。つまり、ソレノイドに流す電流が少なくて済むため、電磁弁での消費電力を低減することができる。
本発明の別の態様もまた、電磁弁である。この電磁弁は、液圧回路を流れる作動液の液圧を制御するためのソレノイド駆動の電磁弁であって、ソレノイドと、ボディと、前記ボディの内部に形成され、作動液を導入する導入口から作動液を導出する導出口までの液圧通路と、前記液圧通路の途中に設けられた弁座より導出口側に形成された弁室と、前記弁室に配設されるとともに前記弁座に接離可能に構成され、前記液圧通路を開閉可能な開閉手段と、前記開閉手段の移動方向の両端部のうち弁座側とは反対側の背面部に、前記弁室との間が封止されるように形成された背面室と、前記導入口から前記弁座を経由せずに前記背面室へ連通している連通路と、前記ソレノイドに電流が流れた場合に発生する電磁力により前記開閉手段を前記弁座から離間させる方向に吸引する吸引部と、を備える。前記開閉手段は、前記背面室に流入した作動液による液圧により前記弁座に向かう方向へ力を受け、前記開閉手段が前記弁座に当接した状態のシール面積A1は、前記背面室に流入した作動液による液圧が前記開閉手段に加わる加圧面積A2以下である。
この態様によると、導入口から導入された作動液により開閉手段が弁座から離間する方向に力を受けても、それと同様の液圧を有する作動液が連通路を経由して背面室に流入するため、流入した作動液により開閉手段が弁座に向かう方向へ力を受ける。そのため、導入口から導入される作動液の液圧の高低にかかわらず、開閉手段には互いに打ち消し合う逆方向の力が働く。したがって、導入される作動液の液圧が高圧であっても、開閉手段を弁座から離間させる方向へ働く力は、背面室に作動液を流入させない場合と比較して小さくて済む。また、シール面積A1が加圧面積A2以下となるように設定されているため、同じ圧力の液圧が開閉手段のシール面と加圧面とに加わっても、開閉手段を弁座から離間させる方向への力は発生しない。そのため、電磁弁の使用が想定される圧力範囲で作動液の液圧のみでは開弁しないようにするための付勢手段が不要となる。また、シール面積A1が加圧面積A2以下で、かつ、シール面積A1と加圧面積A2との差を小さくすることで、開閉手段が弁座に当接する方向に向かって付勢される力を小さくできるので、開弁の際にこの付勢力に逆らって吸引部で発生させる電磁力も小さくて済む。つまり、ソレノイドに流す電流が少なくて済むため、電磁弁での消費電力を低減することができる。
更に前記開閉手段を閉弁方向に付勢する付勢部材を備えてもよい。これにより、例えば、シール面積A1と加圧面積A2との差が非常に小さい場合であっても、何らかの衝撃や外力で開弁することをより確実に防止することができる。
本発明のさらに別の態様もまた、電磁弁である。この電磁弁は、液圧回路を流れる作動液の液圧を制御するためのソレノイド駆動の電磁弁であって、ソレノイドと、ボディと、前記ボディの内部に形成され、作動液を導入する導入口から作動液を導出する導出口までの液圧通路と、前記液圧通路の途中に設けられた弁座より導出口側に形成された弁室と、前記弁室に配設されるとともに前記弁座に接離可能に構成され、前記液圧通路を開閉可能な開閉手段と、前記開閉手段の移動方向の両端部のうち弁座側とは反対側の背面部に、前記弁室との間が封止されるように形成された背面室と、前記導入口から前記弁座を経由せずに前記背面室へ連通している連通路と、前記ソレノイドに電流が流れた場合に発生する電磁力により前記開閉手段を前記弁座に当接させる方向に吸引する吸引部と、前記開閉手段を開弁方向に付勢する付勢部材と、を備える。前記開閉手段は、前記背面室に流入した作動液による液圧により前記弁座に向かう方向へ力を受ける。
この態様によると、ソレノイドに電流が流れていない場合、付勢手段により開閉手段が開弁方向に付勢されているため、作動液は導入口から導出口へ向かって流れる。その状態で、導入口から導入された作動液により開閉手段が弁座から離間する方向に力を受けても、それと同様の液圧を有する作動液が連通路を経由して背面室に流入するため、流入した作動液により開閉手段が弁座に向かう方向へ力を受ける。そのため、導入口から導入される作動液の液圧の高低にかかわらず、開閉手段には互いに打ち消し合う逆方向の力が働く。したがって、導入される作動液の液圧が高圧であっても、開閉手段を弁座から離間させる方向へ働く力は、背面室に作動液を流入させない場合と比較して小さくて済む。その結果、電磁弁の使用が想定される圧力範囲で作動液の液圧のみでは閉弁しないようにするために必要な付勢力を小さくできるので、閉弁の際にこの付勢力に逆らって吸引部で発生させる電磁力も小さくて済む。つまり、ソレノイドに流す電流が少なくて済むため、電磁弁での消費電力を低減することができる。
本発明のさらに別の態様もまた、電磁弁である。この電磁弁は、液圧回路を流れる作動液の液圧を制御するためのソレノイド駆動の電磁弁であって、ソレノイドと、ボディと、前記ボディの内部に形成され、作動液を導入する導入口から作動液を導出する導出口までの液圧通路と、前記液圧通路の途中に設けられた弁座より導出口側に形成された弁室と、前記弁室に配設されるとともに前記弁座に接離可能に構成され、前記液圧通路を開閉可能な開閉手段と、前記開閉手段の移動方向の両端部のうち弁座側とは反対側の背面部に、前記弁室との間が封止されるように形成された背面室と、前記導入口から前記弁座を経由せずに前記背面室へ連通している連通路と、前記ソレノイドに電流が流れた場合に発生する電磁力により前記開閉手段を前記弁座に当接させる方向に吸引する吸引部と、を備える。前記開閉手段は、前記背面室に流入した作動液による液圧により前記弁座に向かう方向へ力を受け、前記開閉手段が前記弁座に当接した状態のシール面積A1は、前記背面室に流入した作動液による液圧が前記開閉手段に加わる加圧面積A2以上である。
この態様によると、導入口から導入された作動液により開閉手段が弁座から離間する方向に力を受けても、それと同様の液圧を有する作動液が連通路を経由して背面室に流入するため、流入した作動液により開閉手段が弁座に向かう方向へ力を受ける。そのため、導入口から導入される作動液の液圧の高低にかかわらず、開閉手段には互いに打ち消し合う逆方向の力が働く。したがって、導入される作動液の液圧が高圧であっても、開閉手段を弁座から離間させる方向へ働く力は、背面室に作動液を流入させない場合と比較して小さくて済む。また、シール面積A1が加圧面積A2以上となるように設定されているため、同じ圧力の液圧が開閉手段のシール面と加圧面とに加わっても、開閉手段を弁座に当接させる方向への力は発生しない。そのため、電磁弁の使用が想定される圧力範囲で作動液の液圧のみでは閉弁しないようにするための付勢手段が不要となる。また、シール面積A1が加圧面積A2以上で、かつ、シール面積A1と加圧面積A2との差を小さくすることで、開閉手段が弁座から離間する方向に向かって付勢される力を小さくできるので、閉弁の際にこの付勢力に逆らって吸引部で発生させる電磁力も小さくて済む。つまり、ソレノイドに流す電流が少なくて済むため、電磁弁での消費電力を低減することができる。なお、シール面積A1より加圧面積A2が小さい方がより好ましい。これにより、何らかの衝撃や外力で開弁することを防止することができる。
更に前記開閉手段を開弁方向に付勢する付勢部材を備えてもよい。これにより、例えば、シール面積A1と加圧面積A2との差が非常に小さい場合であっても、何らかの衝撃や外力で閉弁することをより確実に防止することができる。
前記開閉手段は、前記弁座に接離可能に配置されて弁部を開閉可能な弁体と、前記弁体の弁座側とは反対側の端部を支持するとともに、前記吸引部に対向配置されるプランジャと、前記プランジャの背面室側の端部と当接するように前記プランジャと前記背面室との間に配置され、前記背面室の液圧により前記プランジャを押圧しながら前記弁座に向かう方向に移動可能に構成されている移動部材と、を有してもよい。
これにより、弁座に当接する弁体やそれを支持するプランジャと、移動部材とを別体とすることで、必ずしもプランジャの軸中心と移動部材の軸中心とが一致していなくても、プランジャは移動部材に押圧されながら弁座に向かう方向に移動できるとともに、シール性能を満たすことができる。そのため、プランジャ、移動部材それぞれの軸ずれに対する許容度を大きくすることができる。
前記ボディは、前記弁室が内部に形成されているとともに、前記弁座より導入口側の側面に貫通孔が形成されているスリーブと、前記スリーブの外周面と嵌合した状態で、前記スリーブとの間に間隙通路が形成されるように溝が内周面に形成されているとともに、前記スリーブの底面との間に前記背面室が形成されるように内底部に凹部が形成されているキャップと、を有してもよい。前記間隙通路は、前記連通路の少なくとも一部を構成してもよい。
これにより、連通路の少なくとも一部を構成する間隙通路を、スリーブにキャップを装着させる簡易な組立てにより形成することができ、また、一つの部材を加工して通路としての細長い貫通孔を形成する場合と比較して各部材の加工が容易となる。
前記スリーブは、小径部と大径部とを有する段付の円筒部材であり、前記貫通孔から送出される作動液を前記間隙通路へと導出するための経路が前記大径部に形成されており、段部には周方向の全周溝が設けられており、前記連通路は、前記貫通孔、前記経路、前記全周溝、前記間隙通路を含んで構成されていてもよい。
これにより、電磁弁のボディの周方向の位相が、間隙通路とスリーブの経路とで一致していなくても、全周溝を介して作動液が背面室まで導出されるので、スリーブとキャップとを組み立てる際の位相合わせが不要となり、組立て工程を簡素化することができる。
前記ボディは、前記弁室が内部に形成されているとともに、前記弁座より導入口側の側面に貫通孔が形成されているスリーブと、前記スリーブに装着された状態で、前記スリーブとの間に全周的に隙間が形成されるように内周面が形成されているとともに、前記スリーブの底面との間に前記背面室が形成されるように内底部に凹部が形成されているキャップと、を有してもよい。前記隙間は、前記連通路の少なくとも一部を構成してもよい。
これにより、キャップの内周面に溝を形成する必要がなくなるため、キャップの加工が容易となる。また、スリーブの外周面とキャップの内周面との間は全周的に隙間が形成されるようになっているので、スリーブをキャップに装着する際に圧入の必要がなくなり組立て性が向上する。
前記スリーブは、小径部と大径部とを有する段付の円筒部材であり、前記貫通孔から送出される作動液を前記隙間へと導出するための経路が前記大径部に形成されており、段部には周方向の全周溝が設けられており、前記連通路は、前記貫通孔、前記経路、前記全周溝、前記隙間を含んで構成されていてもよい。
これにより、スリーブとキャップとの全周隙間および全周溝を介して作動液が背面室まで導入できるので、スリーブとキャップとを組み立てる際の位相合わせが不要となり、組立て工程を簡素化することができる。
前記開閉手段が移動可能に前記弁室と前記背面室との間を封止する封止手段を更に備えてもよい。前記封止手段は、弁室側に配設された第1のシール部材と、背面室側に配設され、前記第1のシール部材より硬度が高くつぶし率の低い第2のシール部材と、を有してもよい。
通常、弁室より背面室の方が高圧なため、シール部材の変形は大きくなる傾向にある。そこで、複数のシール部材を配設するとともに、背面室側に配設されている第2のシール部材のつぶし率を第1のシール部材より低くすることで、緊迫力を下げ、摺動抵抗を下げることができる。また、第1のシール部材を第2のシール部材より柔らかくすることで、移動部材の可動性を向上するとともに、第2のシール部材からの作動液の微小な漏れを防止することができる。
本発明によれば、消費電力を低減可能な電磁弁を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。以下の各実施の形態で説明する電磁弁は、液圧を制御する液圧回路であれば適用することが可能であり、例えば、車両用の電子制御式ブレーキシステムの液圧回路に用いると好適である。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下の説明では便宜的に図示の状態を基準に各構成の位置関係を表現することがあるが、あくまでもその位置関係は相対的なものである。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る電磁弁の概略構成を模式的に示した断面図である。電磁弁10は、液圧回路を流れる作動液の液圧を制御するために駆動され、内部に弁部が設けられたボディ12とその弁部の開度を制御するためのソレノイド14とが一体に設けられた電磁弁として構成されている。
ボディ12は、円筒形状であり、その一方の端面には作動液、例えばブレーキフルード、を上流側(一次圧側)から導入する導入ポート16が設けられ、長手方向中央付近の側部にはその作動液を下流側(二次圧側)へ導出する導出ポート18が設けられている。これら導入ポート16と導出ポート18とを連通する液圧通路には、弁孔20が設けられている。弁孔20の導出ポート18側の開口部はテーパ形状に形成され、そのテーパ面によって弁座22が構成されている。
ボディ12内の弁座22の右方には弁室23が形成されており、弁室23の内部には弁体部24aが一体となったロッド部材24が配設されている。弁体部24aは、段付円柱状のロッド部材24の一端部からなり、弁座22に対して導出ポート18側から接離可能に配置されている。したがって、ロッド部材24は、液圧通路を開閉可能な開閉手段として機能する。なお、本実施の形態において、ロッド部材24そのものを弁体と捉えることもできる。
ソレノイド14は、ボディ12の内部に固定されている円筒状の吸引部26と、ボディ12に外挿された電磁コイル28と、電磁コイル28を内部に収容するケース(不図示)とを備えている。
本実施の形態において、吸引部26は、ロッド部材24とともに磁気回路を構成する。ロッド部材24は、その中央部に外方にやや延出したフランジ部24bを有する。そのため、吸引部26は、ソレノイド14の電磁コイル28に電流が流れた場合に発生する電磁力によりフランジ部24bを吸引することで、ロッド部材24を弁座22から離間させる方向の力を発生させる吸引部として機能する。
ボディ12の内部において、ロッド部材24の移動方向(長手方向)の両端部のうち弁座22側とは反対側の背面部に、弁室23との間が封止されるように形成された背面室30が設けられている。弁室23と背面室30との間には、ロッド部材24の後端側の小径部24cがスライド可能なように挿通孔32が形成されている。また、挿通孔32の内周面の途中に形成されている環状溝36にシール部材としてのOリング34が取り付けられた状態で、ロッド部材24の小径部24cが挿通孔32に挿入されることで、弁室23と背面室30とが封止される。
ボディ12の内部には、導入ポート16から弁座22を経由せずに背面室30へ連通している連通路38が形成されている。そのため、ロッド部材24は、背面室30に流入した作動液による液圧により弁座22に向かう方向へ力を受ける。また、電磁弁10は、ロッド部材24を閉弁方向に付勢する付勢部材としてのばね40を備えている。ばね40は、ロッド部材24の小径部24cに巻き回されており、一方の端部がフランジ部24bに当接するとともに他方の端部が挿通孔32の弁室23側の端面に当接している。ばね40は、図1の状態では圧縮されており、ロッド部材24を弁座22に押し付ける方向の付勢力を発生させている。
電磁弁10は、図1に示す状態で導入ポート16から導入された作動液によりロッド部材24が弁座22から離間する方向に力を受けても、それと同様の液圧を有する作動液が連通路38を経由して背面室30に流入するため、流入した作動液によりロッド部材24が弁座22に向かう方向へ力を受ける。そのため、導入ポート16から導入される作動液の液圧の高低にかかわらず、ロッド部材24には互いに打ち消し合う逆方向の力が働く。したがって、導入される作動液の液圧P1が高圧であっても、ロッド部材24を弁座22から離間させる方向へ働く力は、背面室30に作動液を流入させない場合と比較して小さくて済む。その結果、電磁弁10の使用が想定される圧力範囲で作動液の液圧のみでは開弁しないようにするために必要なばね40の付勢力を小さくできるので、開弁の際にこの付勢力に逆らって吸引部26で発生させる電磁力も小さくて済む。つまり、ソレノイド14に流す電流が少なくて済むため、電磁弁10での消費電力を低減することができる。
なお、本実施の形態に係る電磁弁10において、図1に示すように、ロッド部材24が弁座22に当接した状態のシール面積A1が、背面室30に流入した作動液による液圧がロッド部材24の小径部24cに加わる加圧面積A2以下となるように加工されているロッド部材24を採用してもよい。
この場合、同じ圧力の液圧が弁体部24aのシール面と小径部24cの加圧面とに加わっても、ロッド部材24を弁座から離間させる方向への力は発生しない。そのため、電磁弁10の使用が想定される圧力範囲で作動液の液圧のみでは開弁しないようにするための付勢手段が不要となり、部品点数および組立て工数の減少によるコストの低減が図られる。また、シール面積A1が加圧面積A2以下で、かつ、シール面積A1と加圧面積A2との差を小さくすることで、作動液の液圧によってロッド部材24が弁座22に当接する方向に向かって付勢される力を小さくできるので、開弁の際にこの付勢力に逆らって吸引部26で発生させる電磁力も小さくて済む。つまり、ソレノイド14の電磁コイル28に流す電流が少なくて済むため、電磁弁10での消費電力を低減することができる。また、電磁力による吸引力は、電磁コイル28のコイルの巻き数×電流に比例するため、電磁コイル28の低電圧化や小型化が図られる。
また、シール面積A1と加圧面積A2との差をより小さくすることで、ロッド部材24が弁座22から離間し開弁し始めるのに必要な電磁力が、導入ポート16における液圧に依存せずに、僅かで済む。そのため、開弁量がほぼ電磁コイル28に流す制御電流に比例することとなり、液圧センサを用いずに液圧を制御することが可能となる。その結果、電磁弁10を用いた液圧回路全体のコストの低減が図られる。
なお、本実施の形態に係る電磁弁10は、シール面積A1を加圧面積A2以下とすることで、ばね40は必要ではないが、ばね40を備えることで、例えば、シール面積A1と加圧面積A2との差が非常に小さい場合であっても、何らかの衝撃や外力で開弁することをより確実に防止することができる。
(第2の実施の形態)
図2は、第2の実施の形態に係る電磁弁の概略構成を模式的に示した断面図である。第2の実施の形態に係る電磁弁110は、開閉手段が、第1の実施の形態に係るロッド部材24のように一体ではなく、複数の部材から構成されている点が第1の実施の形態に係る電磁弁10と大きく異なる点である。以下では、第1の実施の形態と同様な要素については同一の符号を付し説明を適宜省略する。
電磁弁110においては、ボディ12の弁座22の右方には、弁体112が配置されている。弁体112は、円柱状のロッド部材114の一端部からなり、弁座22に対して導出ポート18側から接離可能に配置されている。なお、本実施の形態において、ロッド部材114そのものを弁体と捉えることもできる。
プランジャ116は、その左端面中央に連結穴118が設けられている。そして、この連結穴118にロッド部材114の弁体112と反対側の端部を圧入することにより、弁体112がプランジャ116に対して一体に固定されている。また、プランジャ116は、背面室30側で吸引部26に対向配置されている。本実施の形態において、吸引部26は、プランジャ116とともに磁気回路を構成する。吸引部26は、ソレノイド14の電磁コイル28に電流が流れた場合に発生する電磁力によりプランジャ116を吸引することで、プランジャ116に連結されているロッド部材114を弁座22から離間させる方向の力を発生させる吸引部として機能する。
本実施の形態に係る開閉手段は、弁座22に接離可能に配置されて弁部を開閉可能な弁体112と、弁体112の弁座22側とは反対側の端部を支持するとともに、吸引部26に対向配置されるプランジャ116と、プランジャ116の背面室30側の端部と当接するようにプランジャ116と背面室30との間に配設され、背面室30の液圧によりプランジャ116を押圧しながら弁座22に向かう方向に移動可能に構成されている反力ピン120とを含んで構成されている。
換言すると、ボディ12の内部においては、プランジャ116の移動方向(長手方向)の両端部のうち弁座22側とは反対側の端部に、挿通孔32にスライド可能に組み付けられている反力ピン120の端部が当接している。反力ピン120のプランジャ116と当接する側の端部は、先端が球状に加工されており、確実にプランジャ116を一方向に押圧することができる。
電磁弁110においては、弁座22に当接する弁体112やそれを支持するプランジャ116と、反力ピン120とを別体とすることで、必ずしも弁体112やプランジャ116の軸中心と反力ピン120の軸中心とが一致していなくても、プランジャ116は反力ピン120に押圧されながら弁座22に向かう方向に移動できるとともに、弁体112によるシール性能を満たすことができる。そのため、プランジャ116、反力ピン120それぞれの軸ずれに対する許容度を大きくすることができる。つまり、本実施の形態に係る電磁弁110によれば、部材の加工精度や組み付け精度を低くすることが可能となり、低コスト化が図られる。
(第3の実施の形態)
図3は、第3の実施の形態に係る電磁弁の概略構成を模式的に示した断面図である。第3の実施の形態に係る電磁弁210は、通電されていない状態で開弁しているいわゆるノーマリーオープン型の電磁弁である点が、上述の各実施の形態に係る電磁弁と大きく異なる点である。以下では、上述の各実施の形態と同様な要素については同一の符号を付し説明を適宜省略する。
電磁弁210においては、ボディ12内の弁座22の右方には弁室211が形成されており、弁室23の内部には弁体部212aが一体となったプランジャ212が配設されている。弁体部24aは、段付円柱状のプランジャ212の一端部からなり、弁座22に対して導出ポート18側から接離可能に配置されている。したがって、プランジャ212は、液圧通路を開閉可能な開閉手段として機能する。
本実施の形態において、固定鉄心214は、プランジャ212とともに磁気回路を構成する。プランジャ212は、その右部が外方にやや延出したフランジ部212bを有する。そのため、固定鉄心214は、ソレノイド14の電磁コイル28に電流が流れた場合に発生する電磁力によりフランジ部212bを吸引することで、プランジャ212を弁座22に当接させる方向の力を発生させる吸引部として機能する。
弁室23と背面室30との間には、プランジャ212の後端側に当接するように挿通孔32にスライド可能に保持されている反力ピン216が配設されている。また、挿通孔32の内周面の途中に形成されている環状溝36にシール部材としてのOリング34が取り付けられた状態で、ロッド部材24の小径部24cが挿通孔32に挿入されることで、弁室23と背面室30とが封止される。
本実施の形態に係る開閉手段は、弁座22に接離可能に配置されて弁部を開閉可能な弁体部212aが端部に形成され、固定鉄心214に対向配置されるプランジャ212と、プランジャ212の背面室30側の端部と当接するようにプランジャ212と背面室30との間に配設され、背面室30の液圧によりプランジャ212を押圧しながら弁座22に向かう方向に移動可能に構成されている反力ピン216とを含んで構成されている。なお、弁体部212aをプランジャ212と別部材で構成してもよい。
ボディ12の内部には、導入ポート16から弁座22を経由せずに背面室30へ連通している連通路38が形成されている。そのため、プランジャ212は、背面室30に流入した作動液による液圧により反力ピン216を介して弁座22に向かう方向へ力を受ける。また、電磁弁210は、プランジャ212を開弁方向に付勢する付勢部材としてのばね218を備えている。ばね218は、プランジャ212の弁体部212a近傍に巻き回されており、一方の端部がプランジャ212の中央部に形成されているフランジ部212cに当接するとともに他方の端部が弁座22のテーパ面の周囲の端面に当接している。ばね218は、図3の状態では圧縮されており、プランジャ212を弁座22から離間させる方向の付勢力を発生させている。
電磁弁210は、図3に示す状態で導入ポート16から導入された作動液によりプランジャ212が弁座22から離間する方向に力を受けても、それと同様の液圧を有する作動液が連通路38を経由して背面室30に流入するため、流入した作動液によりプランジャ212が弁座22に向かう方向へ力を受ける。そのため、導入ポート16から導入される作動液の液圧の高低にかかわらず、プランジャ212には互いに打ち消し合う逆方向の力が働く。したがって、導入される作動液の液圧P1が高圧であっても、プランジャ212を弁座22から離間させる方向へ働く力は、背面室30に作動液を流入させない場合と比較して小さくて済む。その結果、電磁弁210の使用が想定される圧力範囲で作動液の液圧のみでは閉弁しないようにするために必要なばね218の付勢力を小さくできるので、閉弁の際にこの付勢力に逆らって固定鉄心214で発生させる電磁力も小さくて済む。つまり、ソレノイド14の電磁コイル28に流す電流が少なくて済むため、電磁弁210での消費電力を低減することができる。
なお、本実施の形態に係る電磁弁210において、図3に示すように、プランジャ212の弁体部212aが弁座22に当接した状態のシール面積A1が、背面室30に流入した作動液による液圧が反力ピン216に加わる加圧面積A2以上となるように加工されているプランジャ212を採用してもよい。
この場合、同じ圧力の液圧が弁体部212aのシール面と反力ピン216の加圧面とに加わっても、プランジャ212を弁座に当接させる方向への力は発生しない。そのため、電磁弁210の使用が想定される圧力範囲で作動液の液圧のみでは閉弁しないようにするための付勢手段が不要となり、部品点数および組立て工数の減少によるコストの低減が図られる。また、シール面積A1が加圧面積A2以上で、かつ、シール面積A1と加圧面積A2との差を小さくすることで、作動液の液圧によってプランジャ212の弁体部212aが弁座22から離間する方向に向かって付勢される力を小さくできるので、閉弁の際にこの付勢力に逆らって固定鉄心214で発生させる電磁力も小さくて済む。つまり、ソレノイド14の電磁コイル28に流す電流が少なくて済むため、電磁弁210での消費電力を低減することができる。また、電磁力による吸引力は、電磁コイル28のコイルの巻き数×電流に比例するため、電磁コイル28の低電圧化や小型化が図られる。
また、シール面積A1と加圧面積A2との差をより小さくすることで、ロッド部材24が弁座22に当接し閉弁し始めるのに必要な電磁力が、導入ポート16における液圧に依存せずに、僅かで済む。そのため、閉弁時における弁部の流量の減少量がほぼ電磁コイル28に流す制御電流に比例することとなり、液圧センサを用いずに液圧を制御することが可能となる。その結果、電磁弁210を用いた液圧回路全体のコストの低減が図られる。
なお、本実施の形態に係る電磁弁210は、シール面積A1を加圧面積A2以上とすることで、ばね218は必要ではないが、ばね218を備えることで、例えば、シール面積A1と加圧面積A2との差が非常に小さい場合であっても、何らかの衝撃や外力で開弁することをより確実に防止することができる。
(第4の実施の形態)
図4、図5を参照して第4の実施の形態について説明する。図4は、第4の実施の形態に係る電磁弁の全体斜視図である。図5は、図4のA−A’断面図である。
図4、図5に示すように、本実施の形態に係る電磁弁310は、内部に弁部が設けられたボディ312とその弁部の開度を制御するためのソレノイド313(図4には不図示)とが一体に設けられて構成されている。
ボディ312は、段付円筒状のスリーブ314と、その上端部に装着されるキャップ316とを有する。スリーブ314は、段付円筒状をなし、その下端開口部には作動液を上流側(一次圧側)から導入する導入ポート318が設けられ、長手方向中央付近の側部には作動液を下流側(二次圧側)へ導出する一対の導出ポート320が設けられている。これら導入ポート318と導出ポート320とを連通する液圧通路には、有底円筒状の弁座部材322が圧入されており、弁座部材322の底部中央には、これを軸線方向に貫通する弁孔324が設けられている。弁孔324の導出ポート320側の開口部はテーパ状に形成され、そのテーパ面によって弁座326が形成されている。
スリーブ314内の弁座326上方には、弁体328が配置されている。この弁体328は、段付円柱状のロッド部材330の一端部からなり、弁座326に対して導出ポート320側から接離可能に配置されている。なお、本実施の形態において、ロッド部材330そのものを弁体と捉えることもできる。
一方、ソレノイド313は、電磁コイル336と、電磁コイル336を内部に収容するケース338とを備えている。ケース338は、その下端部がキャップ316の段部に固定されている。なお、本実施の形態において、スリーブ314の吸引部332を別部材として接合してもよい。
プランジャ334は、その下端面中央に連結穴340が設けられている。そして、この連結穴340にロッド部材330の弁体328と反対側の端部を圧入することにより、弁体328がプランジャ334に対して一体に固定されている。ロッド部材330は、その中央部に外方にやや延出したフランジ部342を有し、このフランジ部342がプランジャ334の端面に突き当たることにより、その圧入量が規制されている。また、プランジャ334の下方には弁室344が、上方には背圧室346がそれぞれ形成されている。本実施の形態において、吸引部332は、磁気回路を構成する。
スリーブ314の上部には挿通孔348が設けられ、プランジャ334と同一軸線上に延びるように有頭の反力ピン350が配設されている。挿通孔348においては、反力ピン350が摺動可能に支持されており、その一部が被加圧部352となってスリーブ314とキャップ316との間に形成されている背面室353に露出している。また、スリーブ314の上端部の凹部354には、反力ピン350の中央部を挿通させるようにシール用のOリング356(「シール部材」に該当する)が配設され、挿通孔348を介した作動液の外部への漏洩を防止している。さらに、背面室353には、反力ピン350をプランジャ334に付勢するためのコイルスプリング358が介装されている。つまり、コイルスプリング358は、プランジャ334を下方の閉弁方向に付勢する付勢部材として機能する。
本実施の形態に係る電磁弁310では、導入ポート318から弁座326を経由せずに背面室353へ連通している連通路359が形成されている。これにより、上述の実施の形態と同様の効果が達成される。以下に、本実施の形態に係る連通路359の構成について詳述する。
本実施の形態に係るスリーブ314は、弁座326より導入ポート318側の側面に弁座部材322を介して導入ポート318まで連通している貫通孔360が形成されている。キャップ316は、スリーブ314の外周面と嵌合した状態で、スリーブ314との間に間隙通路362が形成されるようにスリット364が内周面に形成されているとともに、スリーブ314の底面365との間に前述の背面室353が形成されるように内底部に凹部367が形成されている。間隙通路362は、連通路359の一部を構成している。
本実施の形態に係る電磁弁310では、連通路359の一部を構成する間隙通路362を、スリーブ314にキャップ316を装着させる簡易な組立てにより形成することができる。また、一つの部材を加工して通路としての細長い貫通孔を形成する場合と比較して、キャップ316の内周面にスリット364を形成すればよく、部材の加工が容易となる。
また、スリーブ314は、小径部366と大径部368とを有する段付の円筒部材であり、貫通孔360から送出される作動液を間隙通路362へと導出するための経路370が大径部368の軸方向に形成されている。スリーブ314の小径部366と大径部368との間に形成されている段部371には、シール用のOリング372が装着されており、スリーブ314にキャップ316を装着した際の装着部における作動液の外部への漏洩が防止される。
上述のキャップ316は内周面にスリット364が形成されていたが、スリーブ314に装着された状態で、スリーブ314との間に全周的に隙間が形成されるように内周面が形成されていてもよい。隙間は、連通路359の一部を構成している。
これにより、キャップ316の内周面に溝を形成する必要がなくなるため、キャップ316の加工が容易となる。また、スリーブ314の外周面とキャップ316の内周面との間は全周的に隙間が形成されるようになっているので、スリーブ314をキャップ316に装着する際に圧入の必要がなくなり組立て性が向上する。
図6は、第4の実施の形態に係るスリーブ314の変形例の段部近傍の拡大断面図である。図6に示す段部374には周方向の全周溝376が設けられており、連通路359は、間隙通路362または隙間、貫通孔360、経路370、全周溝376、を含んで構成されている。このように電磁弁310の段部374に全周溝376を設けることで、電磁弁310のボディの周方向の位相が、間隙通路362とスリーブ314の経路370とで一致していなくても、全周溝376を介して作動液が背面室353まで導出されるので、スリーブ314とキャップ316とを組み立てる際の位相合わせが不要となり、組立て工程を簡素化することができる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態に係る封止手段では、上述の各実施の形態に係る反力ピンのシールを複数のシール部材で行う場合について説明する。図7は、第5の実施の形態に係るシール部近傍の拡大断面図である。なお、説明の都合上、第1の実施の形態に係る電磁弁10に本実施の形態に係る封止手段を適用した例を説明するが、他の各実施の形態にも適用することができる。
封止手段400は、ロッド部材24が移動可能に弁室23と背面室30との間を封止する。通常、弁室23より背面室30の方が高圧なため、シール部材の変形は大きくなる傾向にある。そこで、封止手段400は、弁室23側に配設された第1のシール部材402と、背面室30側に配設され、第1のシール部材402より硬度が高くつぶし率の低い第2のシール部材404と、を有している。第1のシール部材402と第2のシール部材404は、ボディ12の内周面に形成されている環状溝36に、バックアップリング406,408,410とともに並設されている。
このように、背面室30側に配設されている第2のシール部材404のつぶし率を第1のシール部材402より低くすることで、緊迫力を下げ、摺動抵抗を下げることができる。また、第1のシール部材402を第2のシール部材404より柔らかくすることで、移動部材の可動性を向上するとともに、第2のシール部材404からの作動液の微小な漏れを防止することができる。
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
第1の実施の形態に係る電磁弁の概略構成を模式的に示した断面図である。 第2の実施の形態に係る電磁弁の概略構成を模式的に示した断面図である。 第3の実施の形態に係る電磁弁の概略構成を模式的に示した断面図である。 第4の実施の形態に係る電磁弁の全体斜視図である。 図4のA−A’断面図である。 第4の実施の形態に係るスリーブの変形例の段部近傍の拡大断面図である。 第5の実施の形態に係るシール部近傍の拡大断面図である。
符号の説明
10 電磁弁、 12 ボディ、 14 ソレノイド、 16 導入ポート、 18 導出ポート、 20 弁孔、 22 弁座、 23 弁室、 24 ロッド部材、 24a 弁体部、 24b フランジ部、 24c 小径部、 26 固定鉄心、 28 電磁コイル、 30 背面室、 32 挿通孔、 34 Oリング、 36 環状溝、 38 連通路、 310 電磁弁、 312 ボディ、 313 ソレノイド、 314 スリーブ、 316 キャップ、 318 導入ポート、 320 導出ポート、 322 弁座部材、 326 弁座、 328 弁体、 330 ロッド部材、 332 吸引部、 334 プランジャ、 336 電磁コイル、 342 フランジ部、 344 弁室、 346 背圧室、 348 挿通孔、 350 反力ピン、 353 背面室、 359 連通路、 360 貫通孔、 362 間隙通路、 364 スリット、 370 経路、 376 全周溝、 400 封止手段、 402 第1のシール部材、 404 第2のシール部材。

Claims (12)

  1. 液圧回路を流れる作動液の液圧を制御するためのソレノイド駆動の電磁弁であって、
    ソレノイドと、
    ボディと、
    前記ボディの内部に形成され、作動液を導入する導入口から作動液を導出する導出口までの液圧通路と、
    前記液圧通路の途中に設けられた弁座より導出口側に形成された弁室と、
    前記弁室に配設されるとともに前記弁座に接離可能に構成され、前記液圧通路を開閉可能な開閉手段と、
    前記開閉手段の移動方向の両端部のうち弁座側とは反対側の背面部に、前記弁室との間が封止されるように形成された背面室と、
    前記導入口から前記弁座を経由せずに前記背面室へ連通している連通路と、
    前記ソレノイドに電流が流れた場合に発生する電磁力により前記開閉手段を前記弁座から離間させる方向に吸引する吸引部と、
    前記開閉手段を閉弁方向に付勢する付勢部材と、を備え、
    前記開閉手段は、前記背面室に流入した作動液による液圧により前記弁座に向かう方向へ力を受けることを特徴とする電磁弁。
  2. 液圧回路を流れる作動液の液圧を制御するためのソレノイド駆動の電磁弁であって、
    ソレノイドと、
    ボディと、
    前記ボディの内部に形成され、作動液を導入する導入口から作動液を導出する導出口までの液圧通路と、
    前記液圧通路の途中に設けられた弁座より導出口側に形成された弁室と、
    前記弁室に配設されるとともに前記弁座に接離可能に構成され、前記液圧通路を開閉可能な開閉手段と、
    前記開閉手段の移動方向の両端部のうち弁座側とは反対側の背面部に、前記弁室との間が封止されるように形成された背面室と、
    前記導入口から前記弁座を経由せずに前記背面室へ連通している連通路と、
    前記ソレノイドに電流が流れた場合に発生する電磁力により前記開閉手段を前記弁座から離間させる方向に吸引する吸引部と、を備え、
    前記開閉手段は、前記背面室に流入した作動液による液圧により前記弁座に向かう方向へ力を受け、
    前記開閉手段が前記弁座に当接した状態のシール面積A1は、前記背面室に流入した作動液による液圧が前記開閉手段に加わる加圧面積A2以下であることを特徴とする電磁弁。
  3. 更に前記開閉手段を閉弁方向に付勢する付勢部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の電磁弁。
  4. 液圧回路を流れる作動液の液圧を制御するためのソレノイド駆動の電磁弁であって、
    ソレノイドと、
    ボディと、
    前記ボディの内部に形成され、作動液を導入する導入口から作動液を導出する導出口までの液圧通路と、
    前記液圧通路の途中に設けられた弁座より導出口側に形成された弁室と、
    前記弁室に配設されるとともに前記弁座に接離可能に構成され、前記液圧通路を開閉可能な開閉手段と、
    前記開閉手段の移動方向の両端部のうち弁座側とは反対側の背面部に、前記弁室との間が封止されるように形成された背面室と、
    前記導入口から前記弁座を経由せずに前記背面室へ連通している連通路と、
    前記ソレノイドに電流が流れた場合に発生する電磁力により前記開閉手段を前記弁座に当接させる方向に吸引する吸引部と、
    前記開閉手段を開弁方向に付勢する付勢部材と、を備え、
    前記開閉手段は、前記背面室に流入した作動液による液圧により前記弁座に向かう方向へ力を受けることを特徴とする電磁弁。
  5. 液圧回路を流れる作動液の液圧を制御するためのソレノイド駆動の電磁弁であって、
    ソレノイドと、
    ボディと、
    前記ボディの内部に形成され、作動液を導入する導入口から作動液を導出する導出口までの液圧通路と、
    前記液圧通路の途中に設けられた弁座より導出口側に形成された弁室と、
    前記弁室に配設されるとともに前記弁座に接離可能に構成され、前記液圧通路を開閉可能な開閉手段と、
    前記開閉手段の移動方向の両端部のうち弁座側とは反対側の背面部に、前記弁室との間が封止されるように形成された背面室と、
    前記導入口から前記弁座を経由せずに前記背面室へ連通している連通路と、
    前記ソレノイドに電流が流れた場合に発生する電磁力により前記開閉手段を前記弁座に当接させる方向に吸引する吸引部と、を備え、
    前記開閉手段は、前記背面室に流入した作動液による液圧により前記弁座に向かう方向へ力を受け、
    前記開閉手段が前記弁座に当接した状態のシール面積A1は、前記背面室に流入した作動液による液圧が前記開閉手段に加わる加圧面積A2以上であることを特徴とする電磁弁。
  6. 更に前記開閉手段を開弁方向に付勢する付勢部材を備えることを特徴とする請求項5に記載の電磁弁。
  7. 前記開閉手段は、
    前記弁座に接離可能に配置されて弁部を開閉可能な弁体と、
    前記弁体の弁座側とは反対側の端部を支持するとともに、前記吸引部に対向配置されるプランジャと、
    前記プランジャの背面室側の端部と当接するように前記プランジャと前記背面室との間に配置され、前記背面室の液圧により前記プランジャを押圧しながら前記弁座に向かう方向に移動可能に構成されている移動部材と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電磁弁。
  8. 前記ボディは、
    前記弁室が内部に形成されているとともに、前記弁座より導入口側の側面に貫通孔が形成されているスリーブと、
    前記スリーブの外周面と嵌合した状態で、前記スリーブとの間に間隙通路が形成されるように溝が内周面に形成されているとともに、前記スリーブの底面との間に前記背面室が形成されるように内底部に凹部が形成されているキャップと、
    を有し、
    前記間隙通路は、前記連通路の少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電磁弁。
  9. 前記スリーブは、
    小径部と大径部とを有する段付の円筒部材であり、
    前記貫通孔から送出される作動液を前記間隙通路へと導出するための経路が前記大径部に形成されており、
    段部には周方向の全周溝が設けられており、
    前記連通路は、前記貫通孔、前記経路、前記全周溝、前記間隙通路を含んで構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電磁弁。
  10. 前記ボディは、
    前記弁室が内部に形成されているとともに、前記弁座より導入口側の側面に貫通孔が形成されているスリーブと、
    前記スリーブに装着された状態で、前記スリーブとの間に全周的に隙間が形成されるように内周面が形成されているとともに、前記スリーブの底面との間に前記背面室が形成されるように内底部に凹部が形成されているキャップと、
    を有し、
    前記隙間は、前記連通路の少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電磁弁。
  11. 前記スリーブは、
    小径部と大径部とを有する段付の円筒部材であり、
    前記貫通孔から送出される作動液を前記隙間へと導出するための経路が前記大径部に形成されており、
    段部には周方向の全周溝が設けられており、
    前記連通路は、前記貫通孔、前記経路、前記全周溝、前記隙間を含んで構成されていることを特徴とする請求項10に記載の電磁弁。
  12. 前記開閉手段が移動可能に前記弁室と前記背面室との間を封止する封止手段を更に備え、
    前記封止手段は、
    弁室側に配設された第1のシール部材と、
    背面室側に配設され、前記第1のシール部材より硬度が高くつぶし率の低い第2のシール部材と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の電磁弁。
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