JP2009103138A - ターボ分子ポンプ - Google Patents

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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D19/00Axial-flow pumps
    • F04D19/02Multi-stage pumps
    • F04D19/04Multi-stage pumps specially adapted to the production of a high vacuum, e.g. molecular pumps

Abstract

【課題】 冷却水の供給量の最適化をはかり省エネルギー化に貢献するターボ分子ポンプTPを提供する。
【解決手段】 ターボ分子ポンプTPへ冷却水CWを供給する配管8に直列的に、温度により開度が変化する流温感知弁Vがターボ分子ポンプTPに密着して設置されている。この流温感知弁Vのハウジング11内に線膨張係数の大きなワックスWXが封入され、ワックスWXの熱膨張を利用して流路12の開閉を行う。流温感知弁Vの内方の弁体14は摺動可能で弁体14は下方に付勢されるが、ワックスWXが封入された拡縮体20による付勢力がターボ分子ポンプTPの温度に相応するワックスWXの膨張量で発生する。ハウジング11に規制ピン21が植設され、ターボ分子ポンプTPの温度が下降してワックスWXが収縮したとき、バネ15にて弁体14が下方に押されるとき、弁体14が流路12を完全に閉塞しないで最少量の流量を維持させるよう付勢が制限される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高真空や超高真空の発生・維持、あるいは中真空や低真空下での連続的な気体の排気等に用いられ、たとえば成膜装置におけるプロセス室や半導体製造装置さらには分析装置の室内などの排気に使用されるターボ分子ポンプに関する。
従来より、半導体製造工程におけるドライエッチングやCVD等のプロセスのように、高真空のプロセス用のチャンバ内で処理を行う工程では、プロセス用のチャンバ内のガスを排気して一定の高真空度を形成する手段としてターボ分子ポンプが用いられている。ところで、このターボ分子ポンプの構成はつぎのとおりである。すなわち、図11に示すとおり、ターボ分子ポンプTPにおいてその主体となるロータ4は磁気軸受用ラジアルセンサS1と磁気軸受用ラジアル電磁石M2と磁気軸受用スラストセンサS3、および磁気軸受用スラスト電磁石M1によって非接触支持され、モータステータS2にて回転軸3を中心に数万rpmの回転数で回転駆動される。9は底板を示している。
このロータ4の上部には分子ポンプ部としてのターボ機構TKが構成され、ロータ4の側には動翼R1〜R8、ケーシング2の内側には動翼R1〜R8と逆の角度に形成された静翼T1〜T7がスペーサPにより交互に数mmの隙間を保って、複数段配置されている。なお、Bは保護軸受を示している。
また、ロータ4の下部にはねじ溝ポンプ部5が構成されている。このねじ溝ポンプ部5は、高速に回転するロータ4とそれに近接したねじステータN5とから形成され、そのどちらか一方の対向面にらせん溝(ネジステータ)が形成されている。排気される気体は、上記半導体製造装置など外部装置のチャンバCから吸気口6へと飛来し、ターボ機構TKおよびねじ溝ポンプ部5により圧縮され、排気口7側へと排気される。このポンプ機台部1の上端におけるフランジ1Fにケーシング2が載架されている。ケーシング2の上端におけるフランジ2Fにはボルト10を介してチャンバCが接続されている。
さて、ターボ分子ポンプTPは以上のように機能し、その作動により後述するとおり発熱するので冷却する必要があるが、この冷却の方式としては空冷方式と水冷方式がある。水冷方式が効果的で一般的に使用されている(特許文献1参照)。この水冷方式は図12に示すとおり、ポンプ機台部1の下面に、冷却水が内部を流動する配管8が密着配設するほぼ円形の溝1Mが形成され、ターボ分子ポンプTPを直接的に冷却するものである。なお、図12において図11と同一の符号で示されるものは図11と同一の部品を示しており、説明は省略する。
ターボ分子ポンプTPで発生する熱は、ロータ4を駆動するためのモータ、具体的にはモータステータS2から発生する熱や、磁気軸受方式の磁気軸受を駆動するための熱などの電気部品から発生する熱さらにはプロセス室としてのチャンバCからターボ分子ポンプTPの吸気口6に供給されるガスを排気する際に発生する摩擦熱に大別される。
プロセス室すなわちチャンバCからのプロセスガスが供給されていない場合は、電気部品から発生する熱のみを冷却水CWを介して冷却すればよいが、プロセスガスが供給されている場合は電気部品から発生する熱及びロータ4で発生する熱を冷却する必要がある。また、プロセスガスが数10sccmと少ない場合は、電気部品から発生する熱が全体の熱のほとんどを占めるが、数1000sccmの大流量になると、摩擦熱が全体の熱のほとんどを占めることになる。このようなことから図13に示すとおり冷却水CWの配管埋設方式とともにヒータHTと温度センサTSを設置して温度制御する方式も利用されている。
以下この温度制御方式によるターボ分子ポンプTPについて説明する。
図13にこの温度制御型のターボ分子ポンプTPの従来のブロック図を示すが、この温度制御型のターボ分子ポンプTPは、ヒータHTおよび冷却水CWを用いて、ターボ分子ポンプTPの温度をある温度範囲内に保つよう温度制御がなされる。すなわち、ターボ分子ポンプTPを加熱するためにヒータHTを設置し、冷却するために冷却水CWの配管8の一部に、三方電磁弁EVを設置し、冷却水管CLを通じて冷却水CWが供給され、ターボ分子ポンプTPを冷却する場合は、冷却水CWを三方電磁弁EVからの配管8を通じてターボ分子ポンプTPへ供給し、冷却しない場合は、冷却水CWを三方電磁弁EVから開通管OLを通じて、冷却水CWをバイパスラインBPに供給する。また、ヒータHTの通電や非通電、三方電磁弁EVの開閉は、ターボ分子ポンプTPに埋設された温度センサTSから出力される温度情報をコントローラTCにフィードバックして制御される。
この従来による温度制御方法を図に示すと図14のとおりである。たとえば、ポンプ機台部1の温度が70℃以下のときは、ヒータHTは通電状態にし、冷却水CWは三方電磁弁EVの開通管OL側を通じて、冷却水CWをバイパスラインBPに流動させる。ポンプ機台部1の温度が70℃を超えたとき、ヒータHTを非通電状態とする。冷却水CWは冷却水CWのバイパスラインBPに流したままとする。
ポンプ機台部1の温度が75℃を超えた場合は、ヒータHTを非通電状態に保持したままで、冷却水CWを三方電磁弁EVから配管8を通じて、冷却する。三方電磁弁EVのチャタリングを防止するために、ポンプ機台部1の温度が70℃まで低下したら、冷却水CWを三方電磁弁EVの開通管OL側を通じて、冷却水CWをバイパスラインBPに供給し、ヒータHTを通電状態とする。このようにヒータHT、三方電磁弁EV、温度センサTSを用いることで、ターボ分子ポンプTPの温度を一定温度範囲内に保っている。しかしながら、この従来の構成では、バイパスラインBPに供給される冷却水CWが、無駄に消費されることになる。
特開2002−285992号公報
プロセスガス流量が少ない場合や、供給されていない場合には、大流量の冷却水CWで積極的に冷却する必要がないが、従来のターボ分子ポンプTPは、プロセスガスの供給の有無に関係なく、常時冷却水CWが一定流量供給されており、冷却水CWの流しすぎが問題に挙げられている。すなわち、近年の省エネルギー化の観点からも冷却水CWの供給量の最適化が必要である。本発明はこのような課題を解決するターボ分子ポンプTPを提供することを目的とするものである。
本発明が第1に提供するターボ分子ポンプは、上記課題を解決するために、ポンプの筐体に冷媒を流通させる配管を密着配設し、冷媒の流通にてポンプを冷却させるターボ分子ポンプにおいて、配管にターボ分子ポンプの温度を感知して冷媒の流通を調整する流温感知弁を介設させたものである。したがって、流温感知弁は筐体の温度が高くなるとその開度が大きくなる。
本発明が第1に提供する発明に関連してさらに提供するターボ分子ポンプは、配管に介設する流温感知弁が変位によって冷媒の流路を拡大または縮小する弁体と、筐体の昇温に比例して弁体を流路拡大の方向に変位させる弁駆動体を有するものである。したがって、冷媒の流動がポンプの温度により調整される。
本発明が第1に提供する発明に関連してさらに提供するターボ分子ポンプは、流温感知弁における弁体が弁体は流路を縮小する方向に変位可能であるとともに変位終端位置にて流路が最小開度になり冷媒が微小流量流れ得るように構成されているものである。したがって、冷媒は最小限常に流動されて温調が行われる。
本発明が第1に提供する発明に関連してさらに提供するターボ分子ポンプは、弁駆動体が、筐体の昇温による熱の伝達を受けて膨張するワックスを内方に収容し、内容積を拡大・縮小できる収容袋(本発明では以下拡縮体と称し、特許請求の範囲で特定する「拡縮体」も同様に解釈される)を有し、ワックスの膨張により弁体が流路拡大方向に変位するものである。したがって、調整は確実である。
本発明が第2に提供するターボ分子ポンプは、前述した温度制御型のターボ分子ポンプにおける課題を解決するために、ポンプの筐体に冷媒を流通させる配管を密着配設し、冷媒の流通にてポンプを冷却させるターボ分子ポンプにおいて、配管にターボ分子ポンプの温度を感知してターボ分子ポンプの温度により冷媒の流動量を調整する流温感知弁を介設するとともに、ターボ分子ポンプを加熱するヒータと、このヒータとヒータ用電源との間に直列に接続されヒータが設定温度に達したとき接点が開く温度スイッチを設けたものである。したがって温度制御が正確に行われる。
本発明が第2に提供する発明に関連してさらに提供するターボ分子ポンプは、温度スイッチがバイメタルで構成されたものである。したがって温度制御が確実になる。
本発明が提供するターボ分子ポンプは以上詳述したとおりであるから、ポンプ本体に接触するように配置された、筐体の温度により開度が受動的に変化する流温感知弁を有するターボ分子ポンプは、回転体の温度上昇をまねくことなく、つまり安全性を保ったまま、冷却水量を減少させることが可能となり、省エネルギー化に貢献できるターボ分子ポンプを提供できる。したがって従来のような温度制御のための制御回路部が不要になるとともに的確な温度制御が保証される。
本発明によるターボ分子ポンプの要部の構成を示す図である。 本発明によるターボ分子ポンプにおける要部の一つである流温感知弁の構成を示す図である。 流温感知弁の機能を示す図である。 流温感知弁のハウジングの温度により開度が変化する流温感知弁のハウジング温度と開度との関係を示す図である。 時間とプロセスガス流量との関係についての流温感知弁がある場合と流温感知弁を設置しない場合の比較図である。 時間と流体の温度を感知する流温感知弁の温度の関係を示す図である。 時間と冷却水の流量の関係を示す図である。 時間とロータの温度の関係を示す図である。 本発明による温度制御型ターボ分子ポンプの構成を示す図である。 本発明による温度制御型ターボ分子ポンプの制御方法を説明するための図である。 ターボ分子ポンプの構成を示す縦断面図である。 従来のターボ分子ポンプにおける冷却水用配管の構成を示す図である。 従来のターボ分子ポンプの温度制御の構成を示す図である。 従来のターボ分子ポンプの温度制御を示す図である。
流温感知弁の介設は、ターボ分子ポンプの筐体表面に密着接触して熱伝達授受が正確に行われるよう配置されることが条件となる。
プロセスガスの供給がない、または数10sccmの小流量の場合は、ターボ分子ポンプで発生する熱が少ないため、筐体の温度により開度が受動的に変化する流温感知弁の温度上昇がなく、すなわち流温感知弁のハウジングの温度は低く、流温感知弁の開度は最小となる。この場合、冷却水等の冷媒の流量は微小流流量となる。
一方、プロセスガスの流量が大流量になると、回転体で発生する摩擦熱が増加し、ターボ分子ポンプの温度が上昇する。冷却水とポンプの温度上昇に影響されて、ターボ分子ポンプに接するように配置された流温感知弁の温度も上昇し、流温感知弁の開度が大きくなっていく。このため、冷却水の流量も増加し、回転体の摩擦熱を十分冷却するよう設定される。
このようにプロセスガスの増減に従って、冷却水の流量も増減し、冷却水量の最適化を行わせ、省エネルギー化を可能にする。
図1は水冷型のターボ分子ポンプTPに本発明を適用した実施例を示す図である。
この図1はターボ分子ポンプTPの軸方向下側からみた図である。図1から明らかなようにポンプ機台部1に冷却水CWの配管8が設置されており、冷却水CWの出口付近にこの冷却水CWの配管8と直列に、温度により開度が受動的に変化する流温感知弁Vが設置されている。この流温感知弁Vは、ポンプ機台部1に密着され完全に接触するように配設されている。
流温感知弁V自体のハウジングの温度により開度が受動的に変化する流温感知弁Vとしては、たとえば、図2に示すとおりハウジング11の内部に線膨張係数の大きな固溶体(ワックス)WXが封入され、この固溶体(ワックス)WXの熱膨張を利用して流路12の開閉を行う流温感知弁Vがあげられる。図2は矩形体形状の流温感知弁Vを縦断面して示す図で、中央部の左より右に流路12が横断している。この流路12のそれぞれのハウジング11の端部には冷却水CWを導通させる配管8がねじ込まれて連接されている。またハウジング11の中央部には流路12を横断する形で、円筒状内面16が穿設されて、弁室VCが形成され、内方に弁体14が摺動可能に内設されている。13は流路12のハウジング11への接続用ネジ部を示している。
この弁体14は上下にラウンド部18、19を有し、さらにその中間には小径部17により凹部Kが形成され、この凹部Kと流路12との連通面積量に応じて冷却水CWの流量が調整されるようになっている。15は圧縮形のバネで弁体14を下方に付勢するが、下方にはワックスWXが封入された拡縮体20が内設されている。この拡縮体20の上方中央部には弁室VCに侵入する伸縮部20Sが形成され、その伸縮部20Sが下方から弁体14を付勢する。すなわち、流温感知弁Vのハウジング11はターボ分子ポンプTP(図1)が昇温するとその熱を受けワックスWXを膨張させ、伸縮部20Sが弁体14を上方に付勢する。
この付勢力はワックスWXの膨張量すなわちターボ分子ポンプTPの温度になる。さらに拡縮体20の内方中央部にはハウジング11に規制ピン21が植設されている。この規制ピン21はターボ分子ポンプTPの温度が下降してワックスWXが収縮したとき、バネ15にて弁体14が下方に押されるが、弁体14が流路12を完全に閉塞しないで最少量の流量を維持させるよう付勢を制限するものである。図3はこの状態を示す。
以下、この実施例1の作動を説明する。
流温感知弁Vの温度と流路開度の関係は図4に示すとおりである。流温感知弁Vの温度が30℃以下の場合、流路の開度は5%であり、30〜35℃にかけて流温感知弁Vの開度は流温感知弁Vの温度に比例して大きくなるよう設定されている。流温感知弁Vの温度が35℃を超えると流温感知弁Vの流路の開度は100%となる。流温感知弁Vの温度及び開度の関係は、図4からも明らかなとおり、流温感知弁Vの開度が最小でも0%を超える(図示例では10%に設定されている)ことである。しかも、流温感知弁Vの温度が上昇したとき流温感知弁Vの開度が大きくなる関係を保つことが望ましい。
本発明が第1に提供するこのターボ分子ポンプは、温度制御方式を採用して冷却水CWを最小限に利用し、ターボ分子ポンプTPの温度を適正に制御するもので、その特徴は図4に示すとおりである。
時間経過によるターボ分子ポンプTP内部の状態の変化を示すと図5〜図8に示すとおりである。図5には時間とプロセスガス流量の関係を示し、図6は時間と流温感知弁Vの温度の関係を示し、さらに図7には時間と冷却水量の関係を示し、図8には時間とロータ温度の関係を示している。また、図5と図7および図8には流温感知弁Vが介設されている場合と介設されていない場合の比較が示されている。なお、図5に示すように時間とプロセスガス流量の関係は、流温感知弁Vの有無に関係なく、同一の流量変化となるよう設定する。
0〜100分までは、供給されるガス流量が0sccmであるため、ターボ分子ポンプTP(図14)の内部で発生する熱は電気部品からの熱だけであり、わずかである。このため、ロータ4(図11以下同じ)の温度は図8に示すように、流温感知弁Vがない場合は冷却水CWが常時流れているために、ロータ4の温度は35℃程度である。流温感知弁Vを介設した場合は、流温感知弁Vの温度が30℃を下回るため、流温感知弁Vの開度が最小となり、冷却水流量も0.2L/min程度と少ない。このため、冷却効率が下がるため、ロータ4の温度も若干上昇し、40℃程度になる。
100〜500分のときは、ガス流量を増加させ3000sccmとした。流温感知弁Vがないときは、ロータ4で発生する摩擦熱を冷却水CWが奪うため、ロータ4の温度が120℃程度の上昇にとどまっていることが明らかである。一方、流温感知弁Vがある場合は、100分を超えてガスを3000sccm供給すると、ロータ4の温度が上昇し、その熱がポンプ機台部1に伝えられ流温感知弁Vのハウジング11の温度も上昇し、流温感知弁Vの度が30℃を超えるとワックスWXが膨張を開始し弁体14が開き始める。そして35℃を超えると流温感知弁Vは全開になり、すなわち流温感知弁Vを設置しない場合と同一の状態になる。このことは、ガスを大流量流して流温感知弁Vが全開になる温度を超えると、流温感知弁Vの有無と冷却水CWの流量は関係なくなることを示している。このため、図8に示すように流温感知弁Vが介設されている場合でも、ロータ4の温度は120℃程度になることが明らかである。
つぎに500分以降の場合では、ガス流量を3000sccmから1500sccmに減少させる。流温感知弁Vを介設しない場合は、ロータ4の温度が70℃程度まで減少している。一方、流温感知弁Vを介設している場合は、ガス流量の減少に伴いロータ4で発生する摩擦熱が減少し、ポンプ機台部1に設置された流温感知弁Vの温度も低下していることが図6から明らかである。流温感知弁Vの温度が35℃を下回ると、流温感知弁Vの開度も小さくなり、冷却水量も減少していることが図7に示される。よって、流温感知弁Vを介設しない場合に比較して、冷却効率が減少し、ロータ4の温度が85℃程度に収まることが図8から理解できる。
以上の詳述から明らかなように、図8に示したロータ4の温度グラフから、ガス流量が0または少ないときは、流温感知弁Vがない場合に比較して流温感知弁Vが介設されているとき、ロータ4の温度が相対的に高くなり、ガス流量が多い場合は流温感知弁Vの有無に関係なく、ロータ4が冷却される。また、図7に示すように流温感知弁Vがない場合は、常時一定の流量が流れているが、流温感知弁Vが介設の場合は、ロータ4の温度が低い場合は冷却水流量も少なく、ロータ4の温度が高い場合は冷却水量が多くなる。したがって、ロータ4の温度の増減に従い、冷却水量も増減し、冷却水量の最適化が図れることになる。すなわち省エネルギー化に貢献できるターボ分子ポンプである。
本発明が第2に提供するターボ分子ポンプは、温度制御型ターボ分子ポンプであって、その構成は図9に示すとおりである。実施例では、従来品と同様にターボ分子ポンプの温度をある温度範囲内に保つよう温度制御がなされる。
以下、この第2の実施例を示す図9と作動を示す図10にしたがって説明する。
本発明では、ターボ分子ポンプTPを加熱するためにヒータHTを設置し、冷却するために冷却水CWの配管8の一部に、ターボ分子ポンプTPに接するようにハウジング11の温度により開度が受動的に変化する流温感知弁Vを設置する。この流温感知弁Vは前記第1の実施例と同様の構成である。ヒータHTの通電状態、非通電状態は、ヒータHTに直列に接続され、かつターボ分子ポンプTPに埋設された温度スイッチKSが検出する温度によって決定される。温度スイッチKSは、たとえばバイメタルを使用したサーモスタットなどを使用する。この実施例では、温度スイッチKSの設定温度を70℃とし、70℃を超えると接点が開くものと設定する。流温感知弁Vの開閉動作は実施例1と同様であるが、この実施例では、流温感知弁Vの温度が70℃を超えると流温感知弁Vが開き始め、75℃を超えると流温感知弁Vが全開になる設定とする。なお、ESは電源を示している。
このような設定での実施例2の温度制御方法が図10に示されている。たとえばポンプ機台部1(図11以下同じ)の温度が70℃以下のときは、ヒータHTは温度スイッチKSの接点が閉じているため通電状態となり、冷却水CWは流温感知弁Vの開度が最小のため、冷却水量は最小である。ポンプ機台部1の温度が70℃を超えたとき、ヒータHTは温度スイッチKSの接点が開き、非通電状態となる。他方、冷却水CWは流温感知弁Vが開き始めるため、流量が増加する。ポンプ機台部1の温度が75℃を超えた場合は、ヒータHTを非通電状態に保持したままで、流温感知弁Vが全開となり、冷却水CWの流量が最大となる。温度が70℃まで低下したら、温度スイッチKSの接点が再び閉じ、ヒータHTが通電状態となる。また、流温感知弁Vの開度も最小となり、冷却水CWの流量も最小となる。
このようにヒータHT、温度スイッチKS、そしてハウジング11の温度により開度が受動的に変化する流温感知弁Vを用いることで、ターボ分子ポンプTPの温度を一定温度範囲内に保つことができる。
以上の説明から明らかなようにターボ分子ポンプTPの温度の増減に従い、冷却水CWの流量も増減し、冷却水CWの流量の最適化が図れ、省エネルギー化に貢献できるターボ分子ポンプが実現される。
上記実施例では、ターボ分子ポンプTPの温度を70℃から75℃の範囲内に保つことを例示したが、温度制御する部位及び温度幅はこれに制限されるものではない。
本発明が提供するターボ分子ポンプの特徴は以上詳述したとおりであるが、上記ならびにいくつかの図示例に限定されず、種々の変形実施例を包含する。たとえば図示ターボ分子ポンプTPは、ターボ機構TKとねじ溝ポンプを結合したハイブリッド型であるが、これに限定されることなく、ターボ機構TKのみの採用のターボ分子ポンプにも適用可能であり、本発明の特徴を生かす各種ターボ分子ポンプを含む。
本願発明の要部である流温感知弁Vについては図2、図3にその一例を示したが、この構成は一例で、往復動形でなく回転方式で流路を調整する弁もあり、また熱を受け入れて容積を拡大・縮小する固溶体もワックスWXには限定されず、またこれを収容する拡縮体20の材質についても種々の材料が適用可能である。さらに第2の発明における温度スイッチについてはバイメタルの適用例を挙げたがこれに限定されず温度上昇で変形する材料の特性を利用する種々の感温機器を適用できる。
なお、本発明が第2に提供するターボ分子ポンプにおいては、冷媒の流通を制御する弁は流温感知弁Vでなく通常の弁でも制御方法によっては適用可能であり、図示例に限定されるものではない。
1 ポンプ機台部
1F、2F フランジ
1M 溝
2 ケーシング
3 回転軸
4 ロータ
5 ねじ溝ポンプ部
6 吸気口
7 排気口
8 配管
9 底板
10 ボルト
11 ハウジング
12 流路
13 接続用ネジ部
14 弁体
15 バネ
16 円筒状内面
17 小径部
18、19 ラウンド部
20 拡縮体
20S 伸縮部
21 規制ピン
B 保護軸受
BP バイパスライン
C チャンバ
CL 冷却水管
CW 冷却水
EV 三方電磁弁
HT ヒータ
K 凹部
M1 磁気軸受用スラスト電磁石
M2 磁気軸受用ラジアル電磁石
N5 ねじステータ
OL 開通管
P スペーサ
R1〜R8 動翼
S1 磁気軸受用ラジアルセンサ
S2 モータステータ
S3 磁気軸受用スラストセンサ
T1〜T7 静翼
TC コントローラ
TK ターボ機構
TP ターボ分子ポンプ
TS 温度センサ
V 流温感知弁
VC 弁室
WX ワックス
KS 温度スイッチ

Claims (7)

  1. ポンプの筐体に冷媒を流通させる配管を密着配設し、冷媒の流通にてポンプを冷却させるターボ分子ポンプにおいて、配管にターボ分子ポンプの温度を感知して冷媒の流通を調整する流温感知弁を介設させたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  2. 流温感知弁は変位によって冷媒の流路を拡大または縮小する弁体と、筐体の昇温に比例して弁体を流路拡大の方向に変位させる弁駆動体を有することを特徴とする請求項1記載のターボ分子ポンプ。
  3. 流温感知弁に内設の弁体は流路を縮小する方向に変位可能であるとともに変位終端位置にて冷媒が最小限流れ得るよう流路が最小開度に設定されるように構成されていることを特徴とする請求項2記載のターボ分子ポンプ。
  4. 弁駆動体は、筐体の昇温による熱の伝達を受けて膨張するワックスを内方に収容した拡縮体を有し、このワックスの膨張により弁体が流路拡大方向に変位することを特徴とする請求項2記載のターボ分子ポンプ。
  5. 拡縮体は筐体が所定の温度以上に昇温したとき弁体を流路拡大方向に変位させるよう構成されていることを特徴とする請求項3記載のターボ分子ポンプ。
  6. ポンプの筐体に冷媒を流通させる配管を密着配設し、冷媒の流通にてポンプを冷却させるターボ分子ポンプにおいて、配管にターボ分子ポンプの温度を感知してターボ分子ポンプの温度により冷媒の流動量を調整する流温感知弁を介設するとともに、ターボ分子ポンプを加熱するヒータと、このヒータとヒータ用電源との間に直列に接続されヒータが設定温度に達したとき接点が開く温度スイッチを設けたことを特徴とするターボ分子ポンプ。
  7. 温度スイッチがバイメタルで構成されていることを特徴とする請求項6記載のターボ分子ポンプ。
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