JP2009102522A - エチレン系三元共重合体及びその三元共重合体からなる難燃剤と成形品 - Google Patents

エチレン系三元共重合体及びその三元共重合体からなる難燃剤と成形品 Download PDF

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卓親 松尾
Hajime Yamazaki
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Abstract

【課題】難燃剤の滲出や燃焼時の有毒ガスの発生などの諸問題を派生せず、難燃性に優れたポリエチレン系三元共重合体を提供する。
【解決手段】エチレン/ビニルホスホネート/無水マレイン酸またはエチレン/アリルホスホネート/無水マレイン酸あるいはエチレン/ブテニルホスホネート/無水マレイン酸からなるMwが、5,000〜500,000であるエチレン系三元共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なエチレン系三元共重合体及びその三元共重合体からなる難燃剤と成形品に関し、詳しくは、難燃性などに優れた、エチレン単量体と特定の炭素−炭素二重結合を有するリン化合物(以下ビニルリン化合物と略す)及び無水マレイン酸とからなるランダムのエチレン系三元共重合体及びその三元共重合体を成分ないしは主材とする難燃剤と成形品に係わるものである。
産業用資材としての合成樹脂の基幹材料である、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂は、剛性や耐衝撃性等の機械的特性、耐薬品性等の化学的特性、透明性等の光学的特性、絶縁性等の電気的特性において格別に優れた材料であり、経済性や成形加工性等も良好なので、フィルム、シート、包装材、土木建築資材、自動車用部材、電気・電子部品材等として広く重用されている。
かかる、ポリオレフィン系樹脂における僅かの欠点はその可燃性にあり、利用分野によっては、難燃化の要望と必要性も高くなっている。
ポリオレフィン系樹脂の難燃化の試みは従来から種々の方策にてなされており、ポリオレフィン系樹脂を難燃化する主要な方法としては、難燃化剤をポリオレフィン系樹脂に配合する手法であって広く汎用されており、臭素系難燃剤やリン系難燃剤等の有機系難燃剤、或いは水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の無機系難燃剤を配合する方法がよく知られている。
しかし、有機系難燃剤を配合した場合にはブリードアウト(製品表面への滲出)し、長期的に性能が維持できないという問題を有している。また、有機難燃剤には、ハロゲン系難燃剤が多く、燃焼時に有毒ガスが発生するという難点を内在しており、リン含有難燃剤では、加水分解により所定の難燃性を発現できないことがある。
ノンハロゲン系難燃剤として、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の無機系難燃剤の配合が提案されているが、無機系難燃剤では大量に配合しなければ難燃効果が発揮されず、無機難燃剤を大量に配合するために、基材樹脂と無機系難燃剤との分散性や相溶性が悪化し、配合樹脂組成物の機械的強度や耐傷付き性等が低下するという問題が生じており、これらを解消するために、更に、相溶化剤としての、無水マレイン酸で変性したポリエチレンを配合した組成物も提示されている。
かかる問題を派生しない難燃化の別途の有力な手法として、ハロゲン化ビニル系重合体などの主鎖骨格にビニルリン化合物を導入して重合体の難燃化を図る対応も以前から提案されており、このような共重合体としては、ハロゲン含有エチレン状不飽和単量体とビス(ヒドロカルビル)ビニルホスホネートとの共重合体(特許文献1)、及びアクリロニトリル、塩化ビニリデン、酸基を含有する単量体と不飽和ホスホン酸エステルとの共重合体(特許文献2)、更には、リン含有ビニル系単量体の単独重合体及び/又は該リン含有ビニル系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル系単量体から選ばれた1種以上の単量体との共重合体(特許文献3)等が難燃性の高い重合体又は共重合体として提案されている。しかし、オレフィン系樹脂の主鎖に直接にビニルリン化合物を導入した重合体は未だ見い出せない。
上記の特許文献2,3に開示される共重合体は、難燃性に優れているとしても、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂を難燃化するものではなく、段落0002に前述したポリオレフィン系樹脂における格別に優れた機械的、化学的、光学的ないしは電気的な諸特性を発揮し得る樹脂材料ではない。
更に、ポリオレフィン系樹脂にリン含有ビニル系単量体をグラフト共重合した難燃性ポリオレフィン系樹脂が提案されているが(特許文献4及び5)、これらのグラフト共重合体では、難燃性以外の性能が必ずしも満足できるとは限らず、難燃性と他の性能のバランスが良くとれているとはいえない。
特公昭55−49607号公報(特許請求の範囲及び第1頁右欄) 特公昭56−45409号公報(特許請求の範囲及び第1頁右欄) 特開2003−261875号公報(要約及び特許請求の範囲) 特開平11−171936号公報(要約及び特許請求の範囲) 特開2004−269780号公報(要約及び特許請求の範囲)
背景技術において俯瞰したように、ポリオレフィン系樹脂材料における難燃化ないしは難燃性向上を図る多数の方策が、従来から開示され実用化されているが、難燃性の不足やその経時低下及び難燃化剤に由来する欠点(難燃化剤の滲出や燃焼時の有毒ガスなど)、或いは難燃化に付随するポリオレフィン系樹脂の性能低下、更には難燃性とポリマー物性のバランス不良等の諸問題が解消されていない。
かかる状況のもとに、本発明は、これらの従来の問題を付随せず、難燃性が高く、ポリオレフィン系樹脂材料本来の格別に優れた特性を充分に発揮できる、新規なポリオレフィン系ポリマーを開発することを、発明が解決すべき課題とするものである。
ところで、本発明者らは、前記の発明の課題と同様な課題のもとに、難燃性が高く、ポリオレフィン系樹脂材料本来の格別に優れた特性を充分に発揮できる、新規なポリオレフィン系ポリマーの実現を目指して、ポリエチレンポリマーを直接に難燃化することを図り、そのようなポリマー構造について多面的に考察して、実験により実証を行った結果、ポリエチレン主鎖にビニルリン化合物を組み込む新規なポリエチレン系ポリマーを開発して、本発明と同時期に特許出願をしたところである。
さらに、本発明の発明者らは、難燃性とポリマー物性のバランスを解決するために、上記の新規なポリエチレンポリマーの主鎖に第二の化合物を組み込み、他の成分との相溶性を向上させる等により、上記の新規なポリエチレンポリマーの更なる改良を実現することができ、前記の課題を充分に解決し得る、新たなポリエチレンポリマーを開発するに至った。
本発明における新規なポリエチレンポリマーは、前記した関連発明の新規なポリエチレンポリマーにおいてポリエチレン主鎖に第二の化合物である無水マレイン酸を組み込み、ランダム三元共重合体としたポリエチレンポリマーである。
具体的には、下記式(I)で表される繰り返し単位(A)下記式(II)で表される繰り返し単位(B)及び下記式(III)で表わされる繰り返し単位(C)により構成される。
そして、繰り返し単位(A),(B),(C)の構成割合は、99.8〜85.0モル%,0.1〜10.0モル%,0.1〜5.0モル%であり、GPCで測定される重量平均分子量(Mw)が、5,000〜500,000であるエチレン系三元共重合体である。
Figure 2009102522
Figure 2009102522
(ここで、R1、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基を表し、nは0〜4の整数である。)
Figure 2009102522
本発明においては、本発明のエチレン系三元共重合体からなる難燃剤並びに当エチレン系三元共重合体を用いた成形品及び電線ケーブルを提供することができる。更に、本発明のエチレン系三元共重合体においては、より難燃性を高めるために無機系難燃剤などを配合することも許容する。
本発明のエチレン系三元共重合体は、エチレン重合体の骨格に直接リン化合物が導入されるために、従来のように難燃剤がブリードアウトする、或いは難燃剤が加水分解して所定の難燃性を発現できない、等という欠点がなく、長期的に安定した難燃効果を維持することができ、かつ、ポリエチレン樹脂に固有の、機械的特性、化学安定性、光学特性、電気特性及び成形加工性等の性能を保有したエチレン系三元共重合体を提供することができる。
また、第三成分の無水マレイン酸基が導入されることにより、他材料との接着性及びフィラーや他の樹脂類との分散性や相溶性等の性能を向上させることができる。
更に、本発明のエチレン系三元共重合体は、柔軟であり無機難燃剤等の受容性に富み、特に、電線・ケーブル等の成形品等に要求される耐傷付き性と引張強度等に対して優れた材料が提供される。
なお、背景技術において前記したところの、オレフィン系重合体の骨格にビニルリン化合物を導入して重合体の難燃化を成す従来の共重合体では、乳化重合法などで製造されているが、ポリエチレンの場合には、乳化重合法で重合体又は共重合体を得るのは困難であって、本発明及び関連発明において初めて、ラジカル開始剤の存在下、又はイオン重合触媒の存在下で原料モノマーを重合することにより、オレフィン系重合体としてのポリエチレンの骨格に直接にビニルリン化合物を導入して重合体の難燃化を成す、新規な共重合体を製造することを実現するに至ったものである。
そして、本発明の新規な三元共重合体は、先の段落0006に掲示した特許文献には記載されていず、その他の特許文献においても見い出すことはできない。
以上において、本発明の創作の経緯と発明の基本的な構成と特徴について、概括的に記述したので、ここで本発明の全体的な構成を総括すると、本発明は次の発明単位群からなるものである。[1]における発明が基本発明として構成され、[2]以下の各発明は、基本発明の実施態様を示すものである。なお、全発明単位をまとめて「本発明」と称している。
[1]下記式(I)で表される繰り返し単位(A)99.8〜85.0モル%と、下記式(II)で表される繰り返し単位(B)0.1〜10.0モル%及び下記式(III)で表わされる繰り返し単位(C)0.1〜5.0モル%により構成され、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定される重量平均分子量(Mw)が、5,000〜500,000であるエチレン系三元共重合体。
Figure 2009102522
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(ここで、R1、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基を表し、nは0〜4の整数である。)
Figure 2009102522

[2][1]におけるエチレン系三元共重合体を成分とすることを特徴とする難燃剤。
[3][1]におけるエチレン系三元共重合体を主材とすることを特徴とする成形品。
[4][1]におけるエチレン系三元共重合体を用いることを特徴とする電線又はケーブル。
本発明のエチレン系三元共重合体は、エチレン重合体の骨格に直接にリン化合物がランダムに導入された新規なエチレン系三元共重合体であるため、難燃性が格別に高くなると共に、従来のように、難燃剤のブリードアウトが起こらず、ハロゲン系難燃剤による燃焼時の有毒ガス発生の難点も無く、ポリマー材料が柔軟で、無機難燃剤等の受容性に富み、ポリオレフィン系樹脂における格別に優れた機械的、化学的、光学的ないしは電気的な諸特性が損なわれることなく充分に発揮し得る材料である。
また、本発明のエチレン系三元共重合体は、第三成分の無水マレイン酸基が導入されることにより、他材料との接着性及びフィラーや他の樹脂類との分散性や相溶性等の特性を向上させることができる。
そして、長期的に安定でかつ効率的で持続的な難燃効果を有する難燃剤ポリマーとして、或いは表面の耐傷付き性や機械的強度等に優れる各種の成形品や電線・ケーブル等において格別に有用である。
以上においては、本発明における概略及び発明の基本的な構成及び特徴について記述したので、以下においては、本発明の全体を詳細に説明するために、発明の実施の形態を発明を実施するための最良の形態として、具体的に詳しく記述する。
1.エチレン系三元共重合体
(1)エチレン系三元共重合体の基本構造
本発明のエチレン系三元共重合体は、段落0014等において前記したとおりに、下記式(I)で表される繰り返し単位(A)99.8〜85.0モル%と、下記式(II)で表される繰り返し単位(B)0.1〜10.0モル%及び下記式(III)で表わされる繰り返し単位(C)0.1〜5.0モル%により構成され、GPCで測定される重量平均分子量(Mw)が5,000〜500,000である、新規なエチレン系三元共重合体である。
Figure 2009102522
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(ここで、R1、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基を表し、nは0〜4の整数である。)
Figure 2009102522
(2)エチレン系三元共重合体の繰り返し単位
本発明の式(I)の繰り返し単位(A)の単量体はエチレンであり、式(II)の繰り返し単位(B)の単量体は、下記式(IV)の化学式で示される炭素−炭素二重結合を有するリン化合物であり、式(III)の繰り返し単位(C)の単量体は無水マレイン酸である。
Figure 2009102522
(ここで、R1、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基を表し、nは0〜4の整数である。)
ここで、R1、R2は同一でも異なってもよく、炭素数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状又は分岐状の炭化水素基であり、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基又はエチル基が好ましい。
また、nは0〜4の整数であり、CH=CH−(CH−は、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等を包含するものであり、これらの中でもビニル基が好ましい。
上記の繰り返し単位(B)の単量体としては、例えば、ジメチルビニルホスホナート、ジエチルビニルホスホナート、ジメチルアリルホスホナート、ジエチル3−ブテニルホスホナート、ジエチルアリルホスホナート、ジメチル3−ブテニルホスホナート等が挙げられ、これらの中でもジメチルビニルホスホナート、ジエチルビニルホスホナートが好ましい。
本発明のエチレン系三元共重合体の繰り返し単位(A)/(B)/(C)の構成割合は、繰り返し単位(A)99.8〜85.0モル%、/(B)0.1〜10モル%/(C)0.1〜5.0モル%、好ましくは(A)99.6〜90.0モル%/(B)0.2〜7.0モル%/(C)0.2〜3.0モル%、より好ましくは(A)99.4〜93.0モル%/(B)0.3〜5.0モル%/(C)0.3〜2.0モル%、(A)成分が99.8モル%を超え、(B)成分が0.1モル%未満、(C)成分が0.1モル%未満では、難燃性等の(B)成分及び(C)成分の性能が発揮されない惧れが生じる。
また、(A)成分が85.0モル%未満、(B)成分が10モル%を超え、かつ(C)成分が5.0モル%を超えるものは製造が難しく、性状が安定したエチレン系三元共重合体が得られ難い。
なお、エチレン系三元共重合体を構成する繰り返し単位(A)、(B)及び(C)の量(モル%)は、当該共重合体の製造時に原料として使用されるそれぞれの単量体の量比を増減させることにより制御することができる。
上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分からなるエチレン系三元共重合体の具体例としては、エチレン/ジエチルビニルホスホネート/無水マレイン酸共重合体、エチレン/ジメチルビニルホスホネート/無水マレイン酸共重合体、エチレン/ジエチルアリルホスホネート/無水マレイン酸共重合体、エチレン/ジメチルアリルホスホネート/無水マレイン酸共重合体、エチレン/ジエチル3−ブテニルホスホネート/無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
(3)エチレン系三元共重合体の分子量
本発明のエチレン系三元共重合体の分子量としては、GPCで測定される重量平均分子量(Mw)が、5,000〜500,000の範囲、好ましくは10,000〜400,000、さらに好ましくは15,000〜300,000の範囲である。
重量平均分子量(Mw)が5,000未満では、機械的強度が低下し、500,000を超える場合には加工性などに難点を有する惧れがある。
上記のGPCの測定条件及び測定方法、並びに分子量計算方法は以下の通りである。
(i)測定条件
ーターズ社製150C型を使用して、下記の条件でGPC測定を行い、重量平均分子量(Mw)を求めた。
カラム:Shodex HT−G(昭和電工(株)製)及び同・HT−806M(昭和 電工(株)製)×2本
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
温度:140℃
流量:1.0ml/分
注入量:300μl
(ii)サンプル調整
市販の4mlスクリュートップバイアル瓶に試料約3mg及び溶媒3.0mlを量り採り、センシュー科学製SSC−9300型攪拌機を用い、温度150℃で2時間振とうを行った。
(iii)分子量の計算
GPCクロマトデータは1点/秒の頻度でコンピュータに取り込み、森定雄著・共立出版(株)発行の「サイズ排除クロマトグラフィー」第4章の記載に従ってデータ処理を行い、Mw値を計算した。
(iv)カラムの較正
カラムの較正は、昭和電工(株)製単分散ポリスチレン(S−7300、S−3900、S−1950、S―1460、S−1010、S−565、S−152、S−66.0、S−28.5、S−5.05)、n−エイコサン及びn−テトラコンタンの各0.2mg/l溶液を用いて、一連の単分散ポリスチレンの測定を行い、それらの溶出ピーク時間と分子量の対数の関係を4次多項式でフィットしたものを較正曲線とした。
なお、ポリスチレンの分子量は、次式を用いてポリエチレンの分子量に換算した。 MPE=0.468×MPS
(4)エチレン系三元共重合体の分子量の制御
本発明のエチレン系三元共重合体の重量平均分子量(Mw)の制御(コントロール)は、ラジカル重合法による場合は、通例のラジカル重合法による低密度ポリエチレンを製造する方法で行われる。
例えば、「高圧法ポリエチレン技術史」石油化学工業協会・1998年3月・52〜55頁等に記載されるように、ラジカル重合法ポリエチレンは、管型反応器(チューブラーリアクター)と槽型反応器(オートクレーブリアクター)で製造されているが、管型反応器では、非常に高温・高圧となるため、槽型反応器に比して低分子成分が生成し易く、槽型反応器では、反応器内で強攪拌・混合が行われるために、ポリマーとラジカル開始剤、生長ラジカル末端の接触確率が高く、その結果ポリマーの連鎖移動反応が起き易く、高分子量成分や長鎖分岐が多くなる。しかしながら、これらの分子量分布の値は双方において殆ど差は無い。
したがって、重量平均分子量(Mw)の制御は、これらの分子量分布の調整を行うことで制御され、一般的には重合温度と重合圧力の調整によって制御される。例えば、高分子量成分を減らすためには、平均分子量を同等に保ちながら分子量分布を狭くすることが肝要であって、反応温度分布を均一に保つ必要がある。このためには高圧下での低温反応を抑えることによって達成される。また、これらの反応条件は、反応開始剤を選択しても制御できる。更に、連鎖移動剤を選択して分子量分布を狭くすることも可能であり、活性化エネルギーの低い連鎖移動剤にすれば同じ運転条件でも分子量分布は狭くなる。
また、イオン重合法では、一般的には(i)重合温度による調節、(ii) コモノマー量による調節、(iii) 触媒の構造による調節等によって、制御される。
重合温度の場合では低温で高分子量体が得られ、コモノマー量の場合では、 極性モノマー(ビニルリン化合物)の添加量を少なくすると分子量が上がる傾向を有する。更に、触媒の構造による場合には遷移金属の周りを嵩高い置換基で遮蔽することにより、高分子量体が得られる傾向があり、特にアリール基やアルコキシ基のような電子供与性置換基が遷移金属と相互作用可能となるように配位子を設計することにより、β−水素脱離が抑制され、高分子量体を得ることが可能である。
なお、本発明のエチレン系三元共重合体の融点は、通例では60℃〜135℃、好ましくは80℃〜135℃、より好ましくは90℃〜135℃の範囲である。
2.エチレン系三元共重合体の製造方法
本発明のエチレン系三元共重合体の製造方法は、好ましくは、ラジカル開始剤の存在下で製造されるラジカル重合法、或いはチーグラー系触媒等のイオン重合用触媒の存在下で製造されるイオン重合法などで製造され、特に限定されないが、好ましくは、ラジカル開始剤の存在下で製造されるラジカル重合法が望ましい。
(1)ラジカル重合法
(i)重合条件
本発明のエチレン系三元共重合体のラジカル重合法による製造方法は、ラジカル開始剤の存在下において、重合温度100〜300℃、好ましくは120〜280℃、より好ましくは、150〜250℃の範囲で重合される。
重合温度が100℃未満では、収率の低下や安定した製品を製造できない惧れがあり、300℃を超える場合には反応が安定せずに、分子量の大きい重合体を得ることが難しくなる。
また、重合圧力は50〜400MPa、好ましくは70〜350MPa、より好ましくは100〜300MPaの条件下であり、重合圧力が50MPa未満では充分な分子量のものが得られず加工性や物性の低下が生じ、400MPaを超える場合には安定的な製造運転が行い難い。
(ii)重合操作
製造に際しては、基本的には通常の低密度ポリエチレンの製造設備及び技術を利用することができる。反応器の形式としては攪拌翼付のオートクレーブ型、又はチューブラー型のものを使用することができ、必要に応じて複数個の反応器を直列又は並列に接続して多段重合をすることもできる。更に、オートクレーブ型反応器の場合には、反応器内部を複数ゾーンに仕切ることにより、温度分布を設けたり、より厳密な温度制御をすることも可能である。このような操作によって、重量平均分子量(Mw)を制御することが可能である。
エチレンとビニルリン化合物及び無水マレイン酸は、重合反応器内に2段階の昇圧過程を経てフィードされる。特に第1段階の昇圧機では高くとも30MPa迄の昇圧を行ない、続く第2段階の昇圧機を用いて所定の重合圧までの昇圧が行われて重合反応器へ注入され、別途調整されたラジカル開始剤を重合反応器に注入して重合することが望ましい。
(iii)ラジカル開始剤その他
ラジカル開始剤の添加量は、エチレン単量体とビニルリン化合物及び無水マレイン酸の合計100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜3重量部、より好ましくは0.5〜2重量部の範囲であり、必要ならば、連鎖移動剤等を用いて、分子量調節などを行ってもよい。
ラジカル開始剤としては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジt−ブチルジパーオキシイソフタレート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレート、アセチルパーオキサイド、i−ブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、1,1−ビスt−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ビスt−ブチルパーオキシオクタン、2,2−アゾビスイソブチロニトリル等の有機過酸化物が挙げられる。
これらの中でも、半減期1分を得るための分解温度が、160〜200℃のものが好ましい。
本発明のエチレン系三元共重合体のラジカル重合法として、上述の有機過酸化物をラジカル開始剤として使用する方法に加えて、例えば、Chemical Reviews,2001[101]3,689〜3,745頁や、高分子論文集,59巻4号・199〜211頁等に記載されているような遷移金属触媒によるリビングラジカル重合を挙げることができる。
連鎖移動剤としては、水素、プロピレン、ブテン−1、C〜C20若しくはそれ以上の飽和脂肪族炭化水素又はハロゲン置換炭化水素、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロパラフィン類、クロロホルム、四塩化炭素、C〜C20若しくはそれ以上の飽和脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノール、C〜C20若しくはそれ以上の飽和脂肪族カルボニル化合物、例えばアセトン及びメチルエチルケトン、並びに芳香族化合物、例えばトルエン、ジエチルベンゼン及びキシレンのような化合物が挙げられる。
(2)イオン重合法
(i)重合条件
本発明のエチレン系三元共重合体をイオン重合法によって製造する場合は、例えば、チーグラー系触媒等のイオン重合用触媒の存在下で、温度−50℃〜300℃、好ましくは0〜150℃、より好ましくは、50〜100℃の範囲で重合される。
重合温度が上記の下限未満では、収率の低下や安定した製品を製造できない惧れがあり、上限を超える場合には反応が安定せずに、分子量の大きい重合体を得ることが難しくなる。
また、重合圧力は、0より大きく100MPa以下の範囲内であり、好ましくは0.1MPa〜10MPaの範囲、より好ましくは0.2MPa〜5MPaの範囲である。
重合圧力が上記の下限未満では、充分な反応が起こらないので、エチレンの重合が充分に進行せず、繰り返し単位(A)の割合が不足し、上記の上限を超える場合には反応が安定しなかったり、エチレンの重合活性が大きくなり過ぎて、繰り返し単位(B)と(C)の割合が不足する惧れが生じる。
(ii)重合触媒
使用されるイオン重合用触媒としては、配位アニオン重合機構でオレフィン重合が進行するチーグラー系触媒が挙げられ、具体的には、結晶性TiCl−AlEtCl系等の初期チーグラー触媒やMgCl担持TiCl触媒、特開2000−319331号公報に開示されているバナジウム系触媒を例示することができる。この場合、特開平5−320256公報等に開示されているように、繰り返し単位(B)の単量体の極性基と有機アルミニウム化合物を錯化させて共重合する方法が好ましい。
また、チーグラー系触媒以外の触媒としては、特開昭61−278508号公報、特開平2−120304号公報等に開示されているステアリン酸CrやCr(アセチルアセトナート)とAlCl−AlEtClを組み合わせたCr系触媒等を例示することができ、
メタロセン触媒としては、例えば、特開平6−172447号公報に記載されている成分(A):共役五員環を少なくとも1個有する周期表の第4〜6族遷移金属化合物と成分(B):有機アルミニウムオキシ化合物を組み合わせた触媒系を例示することができ、繰り返し単位(B)の単量体を等モル以上のトリアルキルアルミニウム化合物と予め接触させた後に共重合する方法が好ましい。成分(B)として有機アルミニウムオキシ化合物に代えて、成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物又はルイス酸や、固体酸、層状ケイ酸塩を使用することもできる。
本発明のエチレン系三元共重合体を得るために好適に用いられるイオン重合用触媒としては、更に、少なくとも周期表第4〜10族金属に窒素原子、リン原子、酸素原子、イオウ原子が直接配位しており、かつ該原子に嵩高い置換基を有することを特徴とする、いわゆるポストメタロセン錯体と呼ばれる架橋型非メタロセン化合物(周期表第4族金属の化合物の例としては、N−N型配位子を持つビスアミド化合物やN−O型配位子を持つサリチルアルジミナト化合物、周期表第8〜10族金属の化合物の例としては、N−N型配位子を持つビスイミノ化合物やN−O型配位子を持つサリチルアルジミナト化合物、特表平10−513489号公報に記載されている下記(A)のようなNiやPd等の架橋型非メタロセン化合物)を例示することができる。
Figure 2009102522
また、特開平10−298216号公報、特開平11−315109号公報、特開2000−336110号公報、特表2001−515930号公報、Chem.Commun.,2002,744〜745頁、特開2007−46032号公報、特開2007−77395号公報等に記載のある各種非メタロセン化合物も例示することができる。
これらのイオン重合用触媒は、無機酸化物やポリマー等を担体とする担持触媒として使用することができる。
(ii)重合様式
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用し得る。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、溶液重合法、不活性溶媒を実質的に用いずにモノマーを溶媒として用いるバルク法、或いは実質的に液体溶媒を用いずに各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。
また、重合方式としては、連続式重合と回分式重合に適用される。スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。更には、塩化メチレンやクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素溶媒を使用することもできる。重合活性を極度に損なわない限りはTHFや水といった含酸素溶媒を使用することもできる。また、分子量調節剤として補助的に水素等の連鎖移動剤を用いることができる。
3.エチレン系三元共重合体の利用
本発明のエチレン系三元共重合体は、重合体の骨格にリン化合物が直接導入されているために、共重合体単独で、そのまま難燃剤として用いることができる。
また、本発明のエチレン系三元共重合体は、ポリエチレン系樹脂としての機能も充分に有しているため、単独或いは他の熱可塑性樹脂や充填剤等と混合して、種々の成形品として使用することができる。
本発明のエチレン系三元共重合体を使用した成形品としては、押出成形、射出成形、吹込み成形、回転成形、圧縮成形等の成形方法よって、フィルム、シート、フィラメント、繊維、不織布、織布、袋、パイプ、容器、電線、ケーブル、発泡体等の各種の成形品に成形されて活用され得るものである。
特に、当エチレン系三元共重合体は、柔軟性に富み、無機系難燃剤等の受容性に優れていることから、耐傷付き性や引張強度等が要求される電線・ケーブル等の被覆材としてに好適に使用される。
本発明では、他の特性を付加するために、他の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、発泡剤、架橋剤、核剤、加工助剤、有機充填剤、無機充填剤等の添加剤を配合しても差し支えない。
[測定方法]
(1)密度
JIS K6922−1(1997)の試験方法に基づいて測定した。
(2)メルトフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1997)の試験法に基づいて条件D(温度190℃・荷重21.18N)で測定した。
(3)融点
JIS K7121(1987)の手法に則り、パーキンエルマー社製DSC−7AのDSC測定装置を用いて、融解ピーク温度を測定した。
(4)重量平均分子量(Mw)
段落0026に前記した方法による。
(5)無水マレイン酸量:
無水マレイン酸(MAH)の付加量(マレイン化率)は、プレス成型機を用いて100ミクロンのシートを成型(温度;190℃)し、日本分光(株)製赤外吸収スペクトル測定器にてA1:1790cm−1の酸無水物基(C=O)と、A2:1710〜1720cm−1のカルボン酸基(C=O)及びA3:4250cm−1のメチレン基(−CH2−)の吸光度を測定し、以下のようにして求めた。
MAH量(重量%)={A1(酸無水物基)吸光度+A2(カルボン酸基)吸光度/A3(メチレン基)吸光度}×(K:0.265)
(6)リン単量体単位の含有量
試料0.1〜0.2gに硫酸と過酸化水素水を加え湿式分解を実施した後、溶液中のリンをJOBIN−YVON社製のJY−46Pを用いて、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法により測定した。
(7)酸素指数(OI)
180℃の温度で、3mmのシートを圧縮(プレス)成形にて作成し、幅6.5mm×長さ150mmの試験片を切削して得た。得られた試験片をJIS K−7201の手法に則り、酸素指数を測定した。
酸素測定装置を用い、試験片の燃焼時間が3分以上継続して燃焼するか、着炎後の燃焼長さが50mm以上に燃え続けるのに必要な最低酸素流量の測定によって酸素指数を求めた。
OI(%)={[O]/([O]+[N])}×100
[O]:酸素の流量L/分
[N]:窒素の流量L/分
[実施例1]
[エチレン/ジエチルビニルホスホネート(DEVP)/無水マレイン酸三元共重合体の製造]
容積4Lで2ゾーンに分割されたオートクレーブ型反応器を使用した。第1圧縮機及び第2圧縮機を用いてエチレンモノマーを加圧し、加圧されたエチレンモノマーをオートクレーブ型反応器へ導入した。開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレートをイソパラフィンに12.6g/Lとなるように濃度を調整しながら溶解し、0.107L/hrで反応器の第1ゾーンに注入した。
一方、ジエチルビニルホスホネート(DEVP)とエチルベンゼンを、DEVP:無水マレイン酸(MAH):エチルベンゼン=2:0.5:1の割合でタンク内で充分混合して均一な溶液とした後、高圧ポンプで第2段圧縮機の上流に注入し、エチレンと共に昇圧し、反応器の第1ゾーンにフィードした。反応器入り口におけるエチレンモノマーの温度は約35℃であり、エチレン流量45kg/hr、コモノマーの注入量は1.5L/hrとし、重合温度205℃・重合圧力140MPaの条件で重合した。
生成した共重合体は、高圧分離器及び低圧分離器にて未反応モノマーを分離し、押出機を用いてペレット化し測定サンプルに供した。
得られたポリマー中の無水マレイン酸(MAH)量は前記のIR測定法に従い算出した結果、無水マレイン酸量は0.3モル%であった。IRスペクトルにおいては、1030cm−1,1070cm−1,1250cm−1付近にP=O基に基づくピークが認められた。また、1790cm−1付近にマレイン酸のC−O基に基づくピークが認められた。
また、得られたポリマーのDEVP単位の含有量をICP発光分析装置により測定したところ、1.0モル%だった。
190℃・2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)は3.4g/10minであり、重量平均分子量は60,000、融点は103℃であった。このエチレン系三元共重合体の酸素指数(OI)は19.5であった。
更に、参考例としてポリエチレンの単独重合体を製造し、その酸素指数等を測定した。これらの結果を表1に示した。
[実施例2]
表1に示したエチレン濃度、ビニルリン化合物濃度及び無水マレイン酸濃度に調整して、実施例1に準拠して、実施例2のエチレン系三元共重合体を製造した。生成ポリマーの測定結果を表1に示した。
[実施例3]
表1に示したエチレン濃度と、ビニルリン化合物としてジメチルビニルホスホナート(DMVPと称す)を用いて、ビニルリン化合物濃度及び無水マレイン酸濃度に調整して、実施例1に準拠して、実施例3のエチレン系三元共重合体を製造した。生成ポリマーの測定結果を表1に示した。
Figure 2009102522
[実施例の結果の考察]
実施例1〜3おけるIRペクトルデータ及びICP発光分析の結果により、本発明の新規なエチレン系三元共重合体のポリマー構造が、先の式(I),(II)及び(III)の繰り返し単位を有するランダム構造を成していることが実証されている。また、本発明のエチレン系共重合体の重量平均分子量(Mw)が5,000〜500,000の範囲にあることも実証されている。
そして、表1の酸素指数により、本発明のエチレン系三元共重合体が、従来のポリエチレンに比べて高い難燃性を有していることも明らかにされている。
したがって、本発明のエチレン系三元共重合体は、難燃性が高いと共に、ポリエチレン系樹脂材料本来の格別に優れた特性を充分に発揮できる新規な共重合体である。

Claims (4)

  1. 下記式(I)で表される繰り返し単位(A)99.8〜85.0モル%と、下記式(II)で表される繰り返し単位(B)0.1〜10.0モル%及び下記式(III)で表わされる繰り返し単位(C)0.1〜5.0モル%により構成され、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定される重量平均分子量(Mw)が、5,
    000〜500,000であるエチレン系三元共重合体。
    Figure 2009102522
    Figure 2009102522
    (ここで、R1、R2は、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基を表し、nは0〜4の整数である。)
    Figure 2009102522
  2. 請求項1に記載されたエチレン系三元共重合体を成分とすることを特徴とする難燃剤。
  3. 請求項1に記載されたエチレン系三元共重合体を主材とすることを特徴とする成形品。
  4. 請求項1に記載されたエチレン系三元共重合体を用いることを特徴とする電線又はケーブル。
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