JP2009102399A - 利尿機能および腎機能を回復するためのアデノシンa1レセプターアンタゴニスト含有組成物および方法 - Google Patents

利尿機能および腎機能を回復するためのアデノシンa1レセプターアンタゴニスト含有組成物および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】利尿耐性および関連した腎機能が減少している患者を、体液および腎機能を調節することによって処置するための組成物および方法に対する必要性が、本発明の課題として存在する。
【解決手段】上記課題は、アデノシンA1アンタゴニストを包含する、利尿および腎機能を回復する、方法および組成物によって解決された。本発明は、薬学的有効量のアデノシンA1レセプターアンタゴニストおよび非アデノシン改変利尿薬を含有する組成物に関する。このアンタゴニストは、好ましくは、A1レセプターに対して非常に強力かつ選択的なアンタゴニストである。
【選択図】なし

Description

本発明は、非アデノシン改変薬学的組成物およびアデノシンA1アンタゴニストの組合せ物を投与することによって非アデノシン改変利尿薬に対して不応性である患者を処置する方法に関する。本発明の方法は、このような患者における腎前シグナル伝達を妨害するいずれの状態においても有用である。
発明の背景
アデノシンは、体内の全ての細胞により産生される細胞外メッセンジャーである。アデノシン自体、アデノシンの作用を模倣する物質、およびその作用に拮抗する物質は、重要な臨床用途を有する。アデノシンレセプターは、例えばA1、A2などと命名されるサブタイプに分けられる。
ほとんどの器官系(例えば、心臓)において、アデノシンは、代謝性ストレスの期間のみに存在し、その産生および放出を促進する発作に対する適応応答を媒介する。腎臓はまた、虚血性および毒性刺激に応答して、過剰のアデノシンを放出する。しかしさらに、腎臓は、アデノシンA1レセプター系によって媒介される糸球体濾過および電解質再吸収を調節するために、アデノシンを恒常的に産生する。アデノシンレセプターは、活性化されたとき、血管収縮(A1)または血管拡張のいずれかを誘発し得る。
A1アデノシンレセプターは、輸出(糸球体前)腎細動脈の血管収縮応答を支配することがわかっている。アデノシンおよび他のアデノシンアゴニストは、腎臓への血流の減少を生じ、従って、糸球体濾過速度の減少を生じる。従って、アデノシンの効果を妨害することは、糸球体濾過速度の上昇を生じ、そして対応する尿形成速度の増加を生じる。近年、より選択的および強力なアデノシンレセプターアンタゴニストが確認され、利尿効果と関連づけられている。
うっ血性心不全は、毎年数百人の患者に影響を与えている。ほとんどのこれらの患者は、現在、肺および末梢組織における塩および水の保持を無くすまたは減少させるための利尿薬を用いて処置されている。この肺および末梢の浮腫は、心疾患患者における共通の症状である、息切れおよび不快な足首の浮腫を引き起こす。疾患の進行に従って、現在利用可能な利尿薬に対する応答性は減少し、浮腫は処置するのがますます困難になる。
問題の体液の保持はまた、他の状態(例えば、硬変(cirrhoses)のような慢性肝疾患など)によって引き起こされ、これは次いで、関連した腎機能の異常を生じる。これらの患者は、多量の腹腔内体液、すなわち腹水を蓄積する。腹水は、利用可能な利尿薬を用いた流動化に対して不応性で有名である。現在実際には、それ故、患者は、腹腔内に直接挿入されたカテーテル(すなわち、穿刺術)を介した腹水の排液のために、1〜2ヶ月毎に入院する。
上記のような状態における利尿耐性は、しばしば、発現する。なぜならば、ネフロンの近位尿細管で再吸収された濾過されたナトリウムの割合は、このような患者において劇的に増加するからである。結果的に、ネフロンのより遠位の部分でのみナトリウム排泄を妨害するように働く利尿薬は、利尿効果をほとんど持ち得ないか、または全く持ち得ない。
従って、利尿耐性および関連した腎機能の減少に罹患している患者を、かれらの体液および腎機能を調節することによって処置するための、組成物および方法に対する必要性は依然として存在する。
発明の要旨
本発明は、薬学的有効量のアデノシンA1レセプターアンタゴニストおよび非アデノシン改変利尿薬を含有する組成物に関する。このアンタゴニストは、好ましくは、A1レセプターに対して非常に強力かつ選択的なアンタゴニストであり、より好ましくは、BG9719、その塩、異性体、エステル、または誘導体である。利尿薬は、任意の非アデノシン改変利尿薬であり得るが、好ましくは、ループ利尿薬、遠位利尿薬、またはチアジド利尿薬からなる群から選択され、より好ましくは、ヒドロクロロチアジド、フロセミド、トルスミド(torsumide)、ブメタジン、タクリン酸(thacrynic acid)、ピレタニド、ノルセミド、スピロノラクトン、トリアムテレン(tramterene)、およびアミロライドチアジド(amiloriduthiazide)から選択される。
本発明の新規な方法は、薬学的有効量のアデノシンAアンタゴニストを含有する第1の薬学的組成物を、非アデノシン改変利尿薬を含有する第2の薬学的組成物と組み合わせて、投与する工程を包含する。第2の薬学的組成物は、過剰の体液を有する患者において利尿効果を誘導し得る、任意の組成物であり得る。好ましくは、アンタゴニストは、A1レセプターに対して非常に強力かつ選択的なアゴニストであり、より好ましくは、アンタゴニストは、A1レセプターに対するナノモル濃度結合親和性を有し、そしてA2aレセプターよりもA1レセプターに対して少なくとも100倍選択的である。最も好ましくは、アンタゴニストは、BG9719、その塩、異性体、エステル、または誘導体である。利尿薬は、任意の非アデノシン改変利尿薬であり得るが、好ましくは、ループ利尿薬、遠位利尿薬、チアジド利尿薬からなる群から選択され、より好ましくは、ヒドロクロロチアジド、フロセミド、トルスミド、ブメタジン、タクリン酸、ピレタニド、ノルセミド、スピロノラクトン、トリアムテレン、およびアミロライドチアジドから選択される。フロセミドを使用するのが最も好ましい。特定の実施態様では、本発明の薬学的組成物および方法は、第2の薬学的組成物とは異なったネフロンの部分で働く利尿薬である第3の成分を含み得る。いくらかの状況では、有益な効果は、第2の薬学的組成物において1種以上の利尿薬を使用することから得られ得る。
本発明の方法は、第1および第2の薬学的組成物を、続いて、または特定の例では実質的に同時に、投与することを包含する。好ましい方法は、患者に、非アデノシン改変利尿薬を含有する第2の薬学的組成物を、患者のその利尿薬に対する応答性が低下し始めるか、または腎機能が低下し始めるか、あるいはその両方になるまでの期間、投与する工程を包含する。次いで、非常に強力かつ選択的なアゴニストを含有する第1の薬学的組成物が患者に投与され得、利尿薬応答性を回復し得、また、腎機能を回復または改善し得、これはしばしば、GFRにおける上昇により測定される。
代替的実施態様では、本発明の方法は、第1および第2の薬学的組成物の実質的同時投与を包含する。これらの組成物は、投与の容易性のために、単一の錠剤もしくは処方物に合わせられてもよく、またはそれぞれの投薬量が治療される特定の患者の必要性に応じて調節するために変えられ得るような別個の処方物を包含し得る。
本発明の最も好ましい組成物および方法では、アデノシンアンタゴニストは、フロセミドに加えて、BG9719、その塩、異性体、エステル、または誘導体である。
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1) 薬学的有効量のアデノシンA1アンタゴニストおよび非アデノシン改変利尿薬を含有する組成物。
(項目2) 前記アデノシンA1アンタゴニストがBG9719である、項目1に記載の組成物。
(項目3) 前記利尿薬が、ヒドロクロロチアジド類、フロセミド、トルスミド(torsumide)、ブメタニド、タクリン酸(thacrynic acid)、ピレタニド、ノルセミド、スピロノラクトン、トリアムテレン、およびアミロライドチアジド類からなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目4) 利尿薬に不応性の動物において利尿効果を誘導する方法であって、治療的有効量のアデノシンA1アンタゴニストを、利尿効果を誘導し得る第2の薬学的組成物と組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
(項目5) 前記アデノシンA1レセプターアンタゴニストが、BG9719、その塩、エステル、またはアナログである、項目4に記載の方法。
(項目6) 前記利尿薬が、ヒドロクロロチアジド、フロセミド、トルスミド、ブメタニド、タクリン酸、ピレタニド、ノルセミド、スピロノラクトン、トリアムテレン、およびアミドライドチアジドからなる群から選択される、項目4に記載の方法。
(項目7) 前記利尿薬が、前記アデノシンA1アンタゴニストの投与に続いて投与される、項目4に記載の方法。
(項目8) 前記利尿薬が、前記アデノシンA1アンタゴニストと実質的に同時に投与される、項目4に記載の方法。
(項目9).前記利尿薬が、前記アデノシンA1アンタゴニストの前に投与される、項目4に記載の方法。
(項目10) 患者における非アデノシン改変利尿薬の利尿効果を維持または回復する方法であって、該非アデノシン改変利尿薬と組み合わせたアデノシンA1アンタゴニストの投与を包含する、方法。
(項目11) 前記利尿薬がフロセミドである、項目10に記載の方法。
(項目12) 前記アデノシンA1アンタゴニストがBG9719、その塩、エステル、またはアナログである、項目10に記載の方法。
(項目13) 患者における腎機能を維持または回復する方法であって、治療的有効量のアデノシンA1アンタゴニストを、利尿効果を誘導し得る第2の薬学的組成物と組み合わせて、投与する工程を包含する、方法。
(項目14) 前記第2の薬学的組成物がループ利尿薬および遠位利尿薬を含有する、項目13に記載の方法。
(項目15) 患者における腎機能を維持または回復する方法であって、以下の工程:
a)該患者に、治療的有効量の非アデノシン改変利尿薬を投与する工程;
b)該患者の糸球体濾過速度をモニターする工程;
c)工程b)において測定された速度が20%以上、正常糸球体濾過速度を下回る場合、該患者に、治療的有効量のアデノシンA1アンタゴニストを投与する工程、
を包含する、方法。
(項目16) 前記アゴニストがBG9719である、項目15に記載の方法。
(項目17) 利尿に不応性の患者を、項目1に記載の薬学的組成物を用いて処置する方法。
図1は、BG9719の用量と尿流との間の関係のプロットである。 図2A、2Bおよび2Cは、尿流、ナトリウム排泄およびカリウム排泄を、BG9719、フロセミド、およびHCTZの用量数に基づいて、それぞれ比較するプロットである。 図2A、2Bおよび2Cは、尿流、ナトリウム排泄およびカリウム排泄を、BG9719、フロセミド、およびHCTZの用量数に基づいて、それぞれ比較するプロットである。 図2A、2Bおよび2Cは、尿流、ナトリウム排泄およびカリウム排泄を、BG9719、フロセミド、およびHCTZの用量数に基づいて、それぞれ比較するプロットである。 図3A、3Bおよび3Cは、BG9719、フロセミド、およびHCTZ、ならびにその組合せの用量の、尿排出量の変化、尿のナトリウム含量、および尿のカリウム含量に対する効果の棒状プロットである。 図4Aおよび4Bは、BG9719;フロセミド、および不活性ビヒクルの、GFRおよびRBFに対する効果のプロットである。 図5Aおよび5Bは、不活性ビヒクル、BG9719またはフロセミド投与後の、ナトリウムおよびカリウムの分別排泄のプロットである。 未処置ラット(1グループ(群)当たりn=6)を、フロセミド(100mg/kg−ほぼ最大用量)、BG9719(1mg/kg−最大用量)、またはフロセミドおよびBG9719の組合せのいずれかで投薬した。尿を投与後4時間収集し、ナトリウム排泄増加応答を測定した。このデータをuEq/時間で表す。示されるように、フロセミドはナトリウム排泄を約400uEq/時間まで増加し、一方、BG9719は、より少ない効果(約175uEq/時間)を生じた。両方の化合物の投与は、相加作用を生じ、ここでナトリウム排泄は、約525uEq/時間まで増加した。 ラット(1グループ当たりn=6)を、フロセミド(100mg/kg)またはBG9719(1mg/kg)のいずれかで、8日間、1日1回投薬した。これらのラットを各々の日の投薬前に体重を測定し、その結果をこのグラフ上にプロットした。 図7と同じラットで、本発明者らは、投薬後4時間、尿を収集した。最初の5日間のナトリウム排泄のデータをこのグラフに示した。 図9は、最後の処置を追加した、図8のフロセミドのデータの再プロットである。フロセミド処置の8日後、ラットに、フロセミドおよびBG9719の組合せ物を受けさせた。この組合せ物に対するナトリウム排泄増加応答は、これら2つの薬物の相加作用を示しているようである。 フロセミド投薬は、投薬の1日および2日後に、体重の有意な減少を誘導する。 ラットを、100mg/kgのフロセミドで、1、2、または3日間のいずれかで、経口的に投薬した。その最後の投薬後24時間で、これらを麻酔し、腎機能および血行動態を測定するために機器を備えた。これらの基礎糸球体濾過速度をこのスライドで示す。示されるように、GFRは、フロセミド投薬の1日後、かなり正常(1〜1.2ml/ml/100が正常)である。GFRは、投薬の2日後減少し、そしてさらに投薬の3日後減少する。3日後、GFRは、正常の約50〜60%まで減少する。 これらのデータは図11と同じラット由来である。本発明者らは、これらのラットにおいて、30分ベースライン尿および測定した基礎ナトリウム排泄を収集した。これらのデータをこのスライドに示す。正常に(0日目のラット)、このラットは約0.6uEq/分で排泄する。フロセミドの1日後、これは約0.5uEq/分まで減少する。フロセミドの2および3日後にはさらに、ラットが基本的にナトリウムを排泄しないポイントまで、減少する。 図13は、ベースラインGFR(実線の棒)の点での、図11の再プロットである。さらに、BG9719後30分の尿収集からのGFRを、加えた。BG9719を、これらの動物に、ベースライン尿の回収後、0.1mg/kg IV(ほぼ最大用量)として投薬した。 正常ラット(コントロールラット)および3日間のフロセミド処置を受けたラットにおける、BG9719(0.1mg/kg IV)に対するナトリウム排泄増加応答を示す。「E1」は投薬後最初の15分の期間であり、「E2」は次の15分の期間であり、一方、「E3」および「E4」は、E2後の継続的な30分の期間である。 投薬後90分間で排泄された総ナトリウムで表されたナトリウム排泄増加応答対糸球体濾過速度の変化(ベースラインからのパーセント変化で表された)のグラフである。
詳細な説明
出願人らは、驚いたことに、高い親和性および選択性を有するアデノシンA1レセプターに結合し得る特定の化合物を、うっ血性心不全、または浮腫と関連した他の疾患または状態に罹患している患者に、非アデノシン調節利尿薬(今後、「NAM利尿薬」と呼ぶ)と組み合わせて、糸球体濾過速度に悪影響することなく、投与し得ることを発見した。アデノシンA1アンタゴニスト化合物は、アデノシンの生物活性を調節することが公知であり、特定の腎障害モデルにおいて腎臓を保護することが実証されているが、今日まで、CHFの症状を、非常に選択的でかつ強力なアデノシンA1アンタゴニストおよびNAM利尿薬の組合せ物を投与することによって、処置、減少、または予防する、本発明の方法は、教示されていない。
利尿薬の種々の組合せが、過去に、そのような組合せがより良好な利尿を提供するか、またはこの様な処置を必要とする患者において腎機能を向上するという期待で、考えられていた。いくつかの組合せが患者に有益である(例えば、ループ利尿薬とチアジドとの組合せは、利尿を増加し得る)が、しかし、それはしばしば腎機能の悪化を生じる。より古いアデノシンA1アンタゴニスト(例えば、テオフィリン)は、本発明の驚くべき利点を得るために必要な選択性または効力を有さない。さらに、以前の組合せは、既知のアデノシンインヒビターの毒性効果のため、臨床設定では特に有用であるわけではない。例えば、テオフィリンは、非常に狭い治療窓(therapeutic window)を有することが公知であり、これは、この分子が血液脳関門を通過し、毒性の副作用を引き起こすからである。より強力でない、そしてより選択的でないアデノシンアンタゴニストの副作用は、これらの負の副作用の点から、臨床設定でこのような組合せを探求することを、当業者に思いとどまらせていた。
具体的には、出願人らは、非常に選択的でかつ強力なアデノシンA1アンタゴニストとNAM利尿薬とを組み合わせた投与が、事実上、利尿応答性を維持、増加、または回復しつつ、糸球体濾過速度を再生、または改善し得ることを発見した。本発明の方法は、腎機能の変化(例えば、うっ血性心不全、または腹水症)に関連した浮腫状態に、特に適用可能である。さらに、本発明の組成物および方法は、腎機能障害(特に、心肺バイパス後の)の処置において同様に有用である。
近位および遠位尿細管におけるA1レセプターの拮抗は、ネフロンにおけるナトリウム再吸収の関連する部位を標的化し得る。さらに、輸入細動脈を血管拡張することによって、腎機能は、細尿管糸球体フィードバックの阻害を介したナトリウム排泄増加の間、維持され得る。
近位尿細管のナトリウム再吸収の阻害は、うっ血性心不全、慢性腎疾患、および体液保持を有することに関連した他の疾患のような疾患において、有益であり得る。アデノシンA1レセプターの遮断は、他の利尿薬耐性患者における利尿を誘導する機構を意味する。なぜならば、このレセプターは、近位尿細管再吸収および尿細管糸球体フィードバックの両方に対するアデノシンの効果を媒介するからである。CHFに対する伝統的な処置(本明細書中では、フロセミドで例示される)は、典型的には、多数の負の副作用、例えば、ナトリウムの損失および糸球体濾過速度の重大な減少を有する。うっ血性心不全(CHF)患者は、しばしば、かなりの用量のフロセミドまたは他のループ利尿薬を、心臓の体液負荷を減少させるために必要とする。しかし、これらの患者の腎機能は、しばしば、連続した利尿とともに低下し、これは、特に困難な臨床的シナリオを引き起こす。CHFに関連した腎血流の減少は、これらの患者において、糸球体濾過速度を改良する。CHFの患者において、ネフロンの増加した活動は、近位尿細管への濾過ナトリウム負荷の80%を越える再吸収を生じ得る。従って、ナトリウムは、ヘンレまたは遠位尿細管のループ(この部位でループおよび遠位作用利尿薬は働く)にほとんど到達しない。頻繁に、CHF患者は、投与された利尿薬に不応性になる。しばしば、これらの患者は、尿排出を増加することを期待して、もともと投与されたものとは異なった作用部位を有する追加の利尿薬を投与される。しかし、これは、通常、腎機能のさらなる低下をもたらす。
慢性的ナトリウム保持および浮腫は、進行したうっ血性心不全、慢性腎疾患、および代償不全肝硬変(decompensated cirrhosis)を有する患者の特徴である。大用量の利尿薬および利尿薬の組合せ(例えば、チアジドおよびループ利尿薬)が、しばしば、これらの患者に必要とされる;しかし、その有効性はしばしば制限される。この利尿薬治療に対する耐性は、近位尿細管再吸収の増加の結果としての、体液の遠位送達の減少による。さらに、利尿薬がその作用部位に到達することに失敗することがあり得る。例えば、高窒素血症におけるフロセミドの尿細管腔への輸送の改善は、よく考証されている。
本発明は、患者が、NAM利尿薬に対して不応性または非応答性になった任意の状態、ならびに患者が利尿薬に対する減少した応答を経験している状態を処置するのに有用である。例えば、CHFに加えて、本発明は、硬変腹水(cirrhotic ascites)、または心肺バイパス後の腎機能障害を有する患者を処置するためにも有用であり得る。
多数の機構が、腹水の病因の基礎を成すとして提案されてきた。変化した腎内血行動態が、この障害の病態生理学の顕著な特徴である。腎内応答または肝腎反射によって媒介され得る顕著な輸入細動脈血管収縮の証拠がある。肝硬変および体液保持を有する患者における腎機能障害はまた、ナトリウムの著しい近位尿細管再吸収(これは1日尿ナトリウム排出(しばしば、10mmol程度の低さ)の減少を導く)によって特徴づけられる。この近位尿細管再吸収に対する正確な機構は、不明である。
腹水の現在の処置は、主にアルドステロンアンタゴニスト(これは、血漿レニン−アンジオテンシン(PRA)活性の増加の結果、遠位尿細管におけるナトリウム再吸収量を減少することによって働く)の使用に制限されている。時間が経つと、遠位尿細管利尿薬(例えば、チアジド)の使用は、近位尿細管再吸収により制限されるようであり、これは、ナトリウムの最小の遠位送達を生じ、従って、これらの薬物の効力を制限する。ループ利尿薬は、最初、効果的であり得るが、これらは腎機能の低下に関連した合併症を引き起こし得、場合によっては、肝腎症候群を引き起こす。時間が経つと、ループ利尿薬の使用は再び、ナトリウムの近位尿細管再吸収およびヘンレループへの送達の不全によって、制限される。
現在利尿薬処置に対する耐性を発症している患者は、穿刺術および/または肝移植を必要とし得る。従って、本発明の組成物は、近位尿細管および遠位尿細管の両方のアデノシンA1レセプターに拮抗し、ナトリウム再吸収の関連部位を標的化し得、そして、NAM利尿薬と組み合わせて投与した場合、不応性または耐性患者に対する利尿薬応答性を回復し得る。
特定の実施態様における本発明の方法は、NAM利尿薬に不応性の患者(例えば、腹水またはCHFに罹患している患者)への、アデノシンA1アンタゴニストの、利尿薬治療を維持しながらの投与を包含する。驚くべきことに、これは、負の副作用なしに、NAM利尿成分の利尿作用のほぼ完全な再生を生じるだけでなく、糸球体濾過速度の再生または増加を生じる。それ故、過剰の体液は、NAM利尿薬単独投与の関連副作用なしに、より迅速かつ効果的に除去され得る。さらに、アデノシンA1アンタゴニストおよびNAM利尿薬の組合せは、浮腫患者へ投与した場合、相乗作用量の体重減少をもたらす(図14を参照のこと)。
任意の非常に強力で、非常に選択的なアデノシンA1アンタゴニストが、本発明において使用され得る。多くのこれらのアンタゴニストは、利尿効果を有することが以前に示されている。しかし、現在まで、利尿応答性を回復し、かつ糸球体濾過速度を改善するための、NAM利尿薬と非常に強力かつ選択的なアデノシンA1レセプターアンタゴニストとの組合せは、教示または示唆されていない。本発明の方法および組成物から得られる相乗効果的体重減少もまた教示または示唆されてはいない。
本発明の好ましいアデノシンA1アンタゴニストには、式1で示される、1,3−ジプロピル−8−[5,6−エキソ−エポキシ)−2(S)ノルボルニル]キサンチンが挙げられ得るが、これに限定されず、そしてこれを本明細書中以下でBG9719として示す。例えば、米国特許第5,446,046号;同第5,631,260号;および同第5,668,139号を参照のこと(これらは本明細書中で具体的に参考として援用され、本発明の好ましいアデノシンアンタゴニストおよびその生成方法を記載する)。
Figure 2009102399
式1
本発明の好ましいアデノシンA1アンタゴニストはまた、BG9719の異性体、塩、エステル、または誘導体を包含する。
BG9719は、カリウム保持性利尿薬活性を生じ、ならびにさらにカリウム排泄を増加することなしにループ利尿薬のナトリウム排泄増加および利尿活性を向上する、独特の利尿特性を有する。さらに、これは、親水性化合物として、他の親油性アデノシンA1アンタゴニスト(例えば、テオフィリン)のような血液脳関門を通過する負の効果に悩まされない。従って、NAM利尿薬と組み合わせたBG9719は、体液保持障害を有する患者に対する新規治療法を示す。BG9719は、非常に選択的なアデノシンA1レセプターアンタゴニストであり、これは、最小のカリウム損失のみで、ネフロンの近位尿細管および遠位尿細管の両方におけるアデノシンA1媒介ナトリウム再吸収の減少によって、ナトリウム排泄増加を生じる。さらに、BG9719による輸入細動脈のアデノシンA1媒介収縮の拮抗は、尿細管糸球体のフィードバックを妨げる。従って、これは、負の副作用を生じることなしに、遠位ネフロンにおける高い塩負荷(load)に応答して、GFRをダウンレギュレートする腎臓の能力を妨げる。GFRの得られた維持は、BG9719のナトリウム排泄増加効果にさらに寄与し、うっ血性心不全における容量過剰負荷(volume overload)の処置にしばしば関連した、腎機能の低下を阻害する。
より近位の効果に対する利尿応答を回復または保存することに加えて、アデノシンA1アンタゴニストによる遠位尿細管でのNa+/K+交換の阻害は、ナトリウムの遠位尿細管への増加した輸送に関連したカリウム消耗を防ぐ。例えば、ループ利尿薬は、遠位尿細管でのNa+/K+交換が、ヘンレループにおけるこれらの薬物により生じる塩化物およびナトリウム再吸収の阻害を補うように増加するに従って、実質的なカリウム損失としばしば関連する。結果としてK+排泄の阻害を伴う遠位Na+再吸収を阻害することによって、アデノシンA1アンタゴニストの伝統的利尿薬と組み合わせた使用は、カリウム損失を最小化しつつ、ループ利尿薬の効力を提供する。
任意の利尿薬が本発明に有用である。例えば、チアジド利尿薬は、広く投与され、これには、ヒドロクロロチアジド、ベンズチアジド(benthiazide)、クロロチアジドなど、アセタゾラミドおよびそのアナログ、エタクリン酸が含まれる。他の利尿薬には、ループ作用利尿薬(例えば、フロセミド、ブメタニド、アミロライド、タクリン酸(thacrynic acid)、ピレタニド、およびノルセミド)、カリウム保持性利尿薬(例えば、スピロノラクトン、トリアムテレン、およびアミロライド)が挙げられる。
本発明の方法は、時間的に制限されることを意図されない。例えば、いくつかの例において、患者はまず、数日、数時間または数週間の期間、伝統的な利尿薬で処置され得る。患者がもはや上記利尿薬に十分に応答しない場合、次いで、患者は、本発明のアデノシンA1アンタゴニストを投与され得る。この組合せ投与は、次いで、もともと投与された利尿薬に対する応答性を回復し、ならびに患者のGFRを回復または増加する。
他の実施態様では、アデノシンアンタゴニストおよび利尿薬は両方とも、別々の投薬形態で、または両方の活性成分を含有する単一薬学的組成物の投与によってのいずれかで、実質的に同時に投与される。投与の好ましいタイミングおよび方法は、患者の状態の重篤度、および当業者に公知の他の要素に依存する。
短期条件(acute setting)下においては、請求の範囲に記載された組成物を静脈内投与することが好ましくあり得るが、他の投与経路も同様に受容可能である。いくつかの実施態様において、所望される場合、さらなる治療組成物を、請求の範囲に記載された薬学的組成物中に取り入れることが有用であり得る。
本発明の化合物は、患者に投与され得る組成物中に薬学的に有効なキャリアとともに処方され得る。本発明の薬学的組成物は、経口的に受容可能な投与形態(例えば、カプセル、錠剤、腸溶性コーティング錠剤、水性懸濁液または溶液を含むがこれらに限定されない)で経口投与され得る。経口用途用の錠剤の場合、一般的に使用されるキャリアは、ラクトースおよびコーンスターチを含む。滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)もまた典型的には、添加される。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥コーンスターチを含む。水性懸濁液が経口用途に必要とされる場合、活性成分は、乳化剤および懸濁剤と組み合わされる。所望であれば、特定の甘味剤、芳香剤、または着色剤もまた添加され得る。
単一投与形態を生成するためにキャリア材料と組み合わされ得る活性成分の量は、処置される宿主および投与の詳細な態様に依存して変化する。しかしながら、任意の特定の患者に対する特定の投与および処置レジメンは、様々な因子(用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的健康状態、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組合せ、処置する医師の判断および処置される特定の疾患の重篤度を含む)に依存することが、理解されるべきである。活性成分の量はまた、成分が同時投与される治療または予防剤があれば、それに依存し得る。
アデノシンアンタゴニスト(例えば、テオフィリンおよびアミノフィリン)、および利尿剤(例えば、フロセミドまたはスピロノラクトン)を有効な用量で投与するための標準的な手順は、当業者の間で充分に確立されており、かつ周知である。
処置される組織または器官に迅速に近づくことを可能にする投与方法(例えば、静脈内注射)が好ましい。
活性成分を含む薬学的組成物は、意図される投与方法に適切な任意の形態であり得る。例えば、経口用途に使用される場合、錠剤、ロゼンジ、水性または経口組成物、散剤、シロップ、またはエリキシル剤が、調製され得る。経口用途を意図される組成物は、薬学的組成物の製造の技術分野で公知の任意の方法に従って、調製され得る。そしてこのような組成物は、口当たりの良い調製物を提供するために、1つ以上の薬剤(甘味剤、芳香剤、着色剤および防腐剤)を含み得る。非毒性の薬学的に受容可能な賦形剤との混合物中に活性成分を含む錠剤もまた受容可能である。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤(例えば炭酸カルシウムもしくは炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムもしくはリン酸ナトリウム、)、造粒剤および崩壊剤、結合剤および潤滑剤であり得る。錠剤は、公知の技術によりコーティングされなくても良く、またされても良い。
さらに、薬学的組成物は、当該分野で公知の方法により、溶液または懸濁液として処方され得る。
実施例1:
ACEインヒビターを受けている12人の患者(年齢59.3±10.5歳、NYHAクラスIIまたはIII CHF)において、BG9719の腎機能への影響を、プラセボおよびフロセミドと比較した。患者は、BG9719の単回静脈内投与(1.0mg/kg)またはプラセボを、ランダム化した、二重盲検の、おのおの2投与日のクロスオーバーデザインで、その後第3の投与日において、I.V.フロセミドのオープンラベル(open−label)用量(患者の通常の1日当りの経口用量に等価)で、受容した。血漿放射性核種測定を用いて、GFRを決定した。プラセボに比べて、GFRは、BG9719の場合、変化しなかった。対照的に、GFRは、フロセミドを受容する患者において低下した。処置が等ナトリウム排泄増加性(equinatriuretic)でないのにかかわらず、BG9719またはフロセミドのいずれかにより、ナトリウムおよび尿排泄は増加した。腎臓血漿流量への影響はなかった。
BG9719およびフロセミド対プラセボの効果、0〜2時間
(平均±SD[N])
GFR(mL/分/1.73m
81.5±23.5(12)
79.6±23.8(11)
63.4±18.0(11)

RPF(mL/分/1.73m
296±118(12)
334±148(12)
370±221(12)

NA+排泄(mEq)
8.57±7.47(12)
36.7±26.0***(12)
103±77.9(6)

尿容量(mL)
156±107(12)
501±293***(12)
1081±529***(12)

p値は、患者内薬物−プラセボ:*20.05、**20.01、***20.001

実施例2:
方法
動物
すべての手順は、制度上動物ケアおよび使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)に認められ、そして動物のケアおよび使用に関するNIHガイドラインに従った。
雄Sprague−Dawleyラットを、Charles River Labs(Wilmington、DE)から入手した。これらを、12時間の明/暗サイクルを用いて光を制御した部屋に入れ、そして自由に食料および水を摂取させた。
外科的調製
ケタミン塩酸塩(50mg/kg)およびアセプロマジン(0.2mg/kg、i.m.)混合物の麻酔下で、左大腿動脈および静脈を介して、カテーテルを腹部大動脈および大静脈中にインプラントした。さらなる医薬グレードのTygon管を、胃の大弯の左端に配置した。シラスチック(silastic)被覆したステンレス鋼のカニューレを膀胱にインプラントした。手術の詳細、術前および述後ケアおよび実験セットアップ(set−up)は、以前に詳細に記載されている(87)。実験は、手術の4〜5日後に行った。このときまでに、ラットは、完全に回復し、そして体重が増えつつあった。回復期の間、ラットは、個別の部屋に入れられ、そしてプラスチック保持器に順応させられた(モデルECU、Braintree Scientific、Inc.、Braintree、MA)。
実験手順
午前8時〜9時の間に、ラットを計量し、そして保持器に入れた。血圧(MAP)および心拍数(HR)を記録するためのGould圧力変換機を介して、動脈ラインをGilsonポリグラフに接続した;静脈ラインを、ビヒクルおよびテスト薬剤の注入のための輸液ポンプに接続した;そして胃管を10または20ccのシリンジに接続して、過剰な尿の損失の補充(replacement)を可能にした。長さの短いPRチューブにより膀胱カニューレを延長し、予め計量したチューブ中への尿の収集を可能にした。
実験中にはずっと、正常な流体および電解質の損失を補充するために、動脈ラインを介してヘパリン処置(50U/ml)されたリンガー溶液を、そして平衡および制御期間の間、静脈ラインから5%デキストロースを、それぞれ10μl/分で注入した。過剰な流体損失が2mlに達した際、胃管を介して室温のリンガー溶液で補充した。すべての研究において、45〜60分間の期間、平衡にし、その終わりに、ヘマトクリット、血漿電解質およびクレアチニンの測定のために、0.5mlの血液サンプルを採集した。この後に、以下に説明する様々な実験手順を行った。
グループ(群)1.利尿剤の持続的I.V.注入
実験期間のすべてにわたって、5分間で尿を採集した。平衡の後、3つのコレクション(collection)を採集してベースラインを確立した。試験薬剤の注入前および注入中に、30分の尿のコレクションを作製した。それぞれの利尿剤についての注入速度は、予備実験において決定され、そしてその速度は、以下の通りであった(μg/kg/分):0.3、1、3および10(BG9719について(n=5)):10、30、100、および300(FURについて(n=5))、ならびに3、10、30および100(HCTZについて(n=7))。実験の終わりに、ラットを再び計量し、そして彼らの家であるケージに返した。
グループ2.組み合わせ利尿剤の持続的I.V.注入
平衡、コントロールコレクションおよび適切なビヒクルの注入の後、FURおよびBG9719の組み合わせ(それぞれ10および1μg/kg/分)またはFURおよびHCTZの組み合わせ(それぞれ10および30μg/kg/分)を、30分間、10μl/分の速度で注入した。注入の終了後、およそ15〜20分、尿流量をベースラインに戻させた。次いで、ラットを計量し、そして彼らの家であるケージに返した。
グループ3.腎クリアランス研究BG9719およびフロセミド
インスリン(10%)およびPAH(2%)を、最初から、20μl/分でi.v.注入した。ベースラインの値を確定するために、2つの20分尿コレクションを、平衡の後に行った。1つの血液サンプル(500μl)を、第2のコレクションの中間で採集した。その後、ビヒクル、BG9719(1μg/kg/分)またはFUR(10μg/kg/分)を90分間注入した。その時間の最中に、3つの30分尿コレクションを行い、そしてさらなる血液サンプルを、第2と第3の期間の間に取り出した。
分析的(analytical)およびデータ分析
インスリンおよびPAHの尿および血漿濃縮物を、分光測定法により決定し、Synchron ASB Clinical System (Beckman Instr. Inc., Brea、CA)を用いて電解質濃度を、そして浸透圧重量モル濃度を自動浸透圧計(Model 2430、Precision Systems、Inc.、Natick、MA)により測定した。腎クリアランス値を、標準クリアランス式を用いて計算し、そして体重100g当たりで表示した。
すべての値は、最大の変化を表示し、絶対値として表示され、そしてすべてにわたってグループ平均+−SEMとして報告した。用量−応答研究(グループ1〜5)からのデータを、繰り返し測定についての分散分析を用いて分析し、そしてこの後の比較を、Schette f検定により行った。分散分析(ANOVA)を用いて、様々な利尿剤およびそれらの組み合わせの効果(グループ6)と、腎クリアランスデータ(グループ7)の間の相違を分析した。P<0.05の値を、統計的に有意と判断した。
薬物および溶液
BG9719、フロセミドおよびヒドロクロロチアジド(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)を、毎日、20%エタノール(20& ethanol)、30%PEG 200および50%滅菌水を含む混合物中に調製した。
結果
流体および電解質損失の注意深い補充によって、流体および電解質ホメオスタシスの維持を確実にしたが、例外として、動物の1つのグループにおける血漿カリウムレベルにおける少しの減少があった(表1)。流体補充により、激しい体積収縮を防ぎ、それによって、用量−応答効果および利尿剤作用期間の評価を可能にした。平均基礎血圧(112±4mmHg)および心拍数(368±14回/分)は、グループ間で異ならなかった。そしていずれの研究の間においてもいずれのパラメーターの変化もなかった。
用量応答研究 BG9719の注入は、代表的な実験に実証されるような、尿流量の用量依存性増加をもたらした(図1)。ビヒクル中での注入は、尿流量およびナトリウム排泄に有意な効果を有さなかった(図1)。図1でテストされた動物についての合計尿流出量(output)は、23.8mlであった。それぞれ、3、100および20μg/kg/分の用量で、BG9719、FURおよびHCTZの最大利尿効果に到達した(図2)。フロセミドは、BG9719の2倍強力な利尿剤であった。一方、HCTZは、ほんのわずかな効果しか有さなかった(図2および表2)。カリウム排泄は、FURおよびHCTZにより有意に増加したが、BG9719では増加しなかった。尿の排泄は、最小量の用量でわずかに増加した(データは示していない)が、より高い用量の注入の期間にベースラインに戻った(表2)。これらにおいて、以下の研究(グループ2および3)と同様に、尿流量の上昇は、溶質(Cosm)の排泄の上昇のみに起因した。遊離の水のクリアランスであるCHOは変わらなかった(表2)。
組み合わせ研究。BG9719、FURおよびHCTZの等利尿(equidiuretic)用量は、それぞれ1、10および30μg/kg/分であった。FUR+BG9719、またはFUR+HCTZの組み合わせは、両方とも、30分の尿アウトプット(図3)により例示されるように、加法的な利尿効果を誘発した。しかし、BG9719およびHCTZは、電解質排泄に対するFURの作用に異なって影響した。BG9719は、そのカリウム排泄効果をさらに増強することなく、加法的な様式でFURのナトリウム排泄増加効果を有意に増強した。対照的に、HCTZ(ヒドロクロロチアジド)は、フロセミドのカリウム排泄増加作用を有意に増強し、そしてそのナトリウム排泄増加効果(図3)をほんの中程度に増強した。
腎臓血行力学に対するBG9719およびフロセミドの効果。ビヒクルの持続性注入は、GFRおよびRBFに対して、または電解質の画分排泄(図4および5)に対して効果を有しなかった。BG9719は、GFRを中程度(13%)に増強したが、変化は統計学的に有意でなかった。対照的に、FUR注入は、GFRおよびRBFを有意に低下させた(図4)。両方の化合物とも、ナトリウムの絶対および画分排泄を増加させたが、FURのみがカリウムの画分排泄を増加させた(図5)。
選択的アデノシンA1レセプターアンタゴニストBG9719は、顕著な利尿活性を有する。BG9719単独で投与すると、カリウム排泄または腎臓血行力学のいずれかに影響することなく、尿流およびナトリウム排泄を増加させた。その最大効果は、HCTZで観察されたよりも大きく、これは、顕著なカリウム尿に関連した。BG9719の効果は、フロセミドほど大きくなかった。しかし、フロセミド投与は、カリウム排泄の大きな増加に関連した。これは、HCTZと対照的であり、FURと組み合わせて与えた場合、カリウム排泄の3倍の増加が得られた。カリウム排泄をさらに増加させることなく、このBG9719のFURの効果を促進する能力は、重要な観察である。なぜなら、低カリウム血症および潜在的に重篤な副作用を生じるループおよびチアジド利尿剤の組み合わせ使用を示すデータが豊富であるからである。
これらのデータは、BG9719を単独またはループ利尿剤と組み合わせて与えた場合、うっ血性心不全(hear failure)、慢性腎臓疾患または肝硬変を患う患者において重要な治療ツールをBG9719が提供することを示唆する。さらに、その特有の作用機構は、そうでなければ利尿−耐性である患者においてBG9719が有効であることを示唆する。近位小管(proximal tubule)における小管糸球体ナトリウム再吸収を刺激するのに加えて、アデノシンは、糸球体フィードバック機構を活性化し、かつ収集管における塩化物輸送を阻害する。この、小管糸球体フィードバック機構の活性化および遠位塩化ナトリウム再吸収は、BG9719の前小管効果を取り消さない。BG9719の投与に続く近位および遠位の両方の小管における流速の増加を示す微小穿針研究は、これを支持する。さらに、遠位小管におけるNa/K交換のアデノシン誘発阻害は、BG9719の観察されたカリウム倹約活性の機構を提供し得た。
アデノシンA1レセプター封鎖の利尿およびナトリウム排泄増加効果は、以前に報告されている。実際に、アデノシンアンタゴニストは、動物ならびに高血圧患者および正常なボランティアにおけるナトリウム排泄を増加させることが示されている。しかし、アデノシンレセプターアンタゴニストの成功した開発は、レセプター選択性により複雑であった。従って、多くのアデノシンA1レセプターアンタゴニストもまた、ある程度のA2レセプターアンタゴニスト活性を有する。このような任意の活性は、心臓の不安定性を導く。なぜなら、心臓のA2レセプターの拮抗作用は、アデノシン媒介冠状血管拡張に抵抗する。BG9719は、今まで同定されている最も強力かつ選択的なアデノシンA1レセプターアンタゴニストの1つである。A1およびA2レセプターについてのそのIC50は、それぞれ、1.15および9000nMであり、これは、A1レセプターに対する7800倍の選択性を表す。BG9719の選択性プロフィールは、他のアデノシンA1レセプターアンタゴニスト(例えば、KW3902およびCPX)のいくつかのプロフィールよりも優れており、これは、それぞれ150および60倍のA1対A2選択性を示す。

実施例3:
24匹の雄Sprague−Dawleyラットを、代謝籠に入れて尿を採集し、経口投与した化合物に対するナトリウム排泄増加応答を評価した。8匹のラットにフロセミドを100mg/kgで胃管栄養により与え、8匹のラットにBG9719を1mg/kgで胃管栄養により与え、そして8匹のラットに組み合わせ用量で両方の化合物を与えた。投薬後4時間尿を採集した。尿容量を重量測定により決定し、そして尿ナトリウム濃度を炎光光度測定により決定した。ナトリウム排泄(UNaV;uEq/hr)を、これらの値から計算した。図6に示すように、フロセミド(100mg/kg IG)は、激しいナトリウム排泄増加を誘発し、一方、BG9719に対する応答は、比較的低い。一緒に投薬すると、結果は加法的なナトリウム排泄応答を示す。

実施例4:
16匹の雌Sprague−Dawleyラットを、7日間、フロセミドまたはBG9719のいずれかの1日1回の用量を与えた。半分のラットにフロセミドを100mg/kgで胃管栄養により与えた。他の半分のラットにBG9719を1mg/kgで胃管栄養により与えた。各日の投薬前に体重を測定した。
図7に示すように、フロセミドは、第1および第2の投与後に体重の損失を誘発したが、この効果は、その後の投薬には持続しなかった。従って、一旦ラットをループ利尿に「耐性」にすると、フロセミドを用いるこの投薬ストラテジーは、体重の損失を誘発しない。BG9719の投薬は、体重の損失を誘発しなかった。

実施例5:
実施例4に示すラットを、1日目〜5日目の投薬日に代謝籠に入れ、そして投薬後4時間尿を採集した。尿容量を重量測定により決定し、そして尿ナトリウム濃度を炎光光度測定により決定した。ナトリウム排泄(UNaV;uEq/hr)を、これらの値から計算した。図8に示すように、フロセミドに対するナトリウム排泄増加応答は、繰り返し投薬により減少し、その結果、3日目から5日目における応答は、BG9719を投薬して達成された応答と異なっていない。BG9719に対するナトリウム排泄増加応答は、複数の投薬日にわたって維持される。

実施例6:
1日当たり1回フロセミドを与えた実施例4および5のラットに、8日目にフロセミド(胃管栄養により100mg/kg)およびBG9719(胃管栄養により1mg/kg)の組み合わせを投薬した(Furo+BG9719)。これらのラットを代謝籠に入れ、そして投薬後4時間尿を採集した。尿容量を重量測定により決定し、そして尿ナトリウム濃度を炎光光度測定により決定した。ナトリウム排泄(UNaV;uEq/hr)を、これらの値から計算した。
図9に示すように、フロセミドおよびBG9719の組み合わせ投与は、フロセミド「耐性」の誘発後、5日目にフロセミド単独で観察されたよりも増加したナトリウム排泄増加を生じる。

実施例7:
雄Sprague−Dawleyラットに、1、2または3日間のいずれかで、フロセミドを100mg/kgで胃管栄養により投薬した。さらなる群(0日間)にはフロセミドを投薬しなかった。最後の用量を投与後24時間後、ラットに麻酔し、器具で腎臓機能を測定した。インスリンを静脈内注入し、そして血漿および尿中のインスリン濃度を、生化学的アッセイにより決定した。インスリンの尿管クリアランスを、糸球体濾過速度の測定として使用した。移植膀胱カテーテルを介して尿を採集した。尿容量を重量測定により決定し、そして尿ナトリウム濃度を炎光光度測定により決定した。ナトリウム排泄(UNaV;uEq/hr)を、これらの値から計算した。ベースライン採集期間に従って、各ラットにBG9719(0.1mg/kg IV)の単回静脈内ボーラス用量を与えた。図11に、ベースライン糸球体濾過速度(GFR)を示す。GFRは、フロセミド投薬後1日および2日間、比較的正常であったが、フロセミド投薬の3日後に正常の約60%まで減少する。
図12は、ベースラインナトリウム排泄(UNaV)を示す。正常ベースラインナトリウム排泄は、これらのラットにおいて約1uEq/分である(0日目)。これは、フロセミドの投薬1日後に実質的に減少し、そして投薬2日間および3日間減少し続ける。従って、これらのラットは、激しいナトリウム保持の状態にある。
図13−糸球体濾過速度(GFR)を、BG9719投薬後、ベースラインに示す。BG9719を与えた後、GFRは全ての群において増加する。3日目のラットにおけるGFR(これは、ベースラインで減少する)は、正常なラットと異ならないレベルまで回復する。図14において、尿ナトリウム排泄(UNaV)を、フロセミドを与えないラット(コントロールラット)および3日間フロセミドで処置したラット(3日Furoラット)について示す。「E1」は、投薬後の最初の15分を表す。「E2」は、2番目の15分間の期間であり、「E3」および「E4」は、続く30分間の期間である。示すように、BG9719の静脈内投与は、最初の15分間内で最大に達するナトリウム排泄増加を誘発し、次いで、その後ベースラインの方向に減少して戻る。応答は、コントロールラットとフロセミド投薬で3日間処置したラットとの間で同じである。

実施例8:
6匹の雄Sprague−Dawleyラットに、7日間、フロセミド(胃管栄養により100mg/kg)を1日1回投薬した。8日目、ラットに、胃管栄養によりフロセミド(100mg/kg)およびBG9719(1mg/kg)の組み合わせ用量を与えた。投薬日の各前日および組み合わせ用量の24時間後、体重を測定した。図10に示すように、フロセミド投薬は、投薬後1日間および2日間の顕著な体重の減少を誘発する。その後、さらなる体重の減少はない。しかし、次いでBG9719をフロセミドと同時投与すると、さらなる有意な体重の減少が観察される。

実施例9:
雄Sprague−Dawleyラットに麻酔し、器具で腎臓機能を測定した。インスリンを静脈内注入し、そして血漿および尿中のインスリン濃度を、生化学的アッセイにより決定した。インスリンの尿管クリアランスを、糸球体濾過速度の測定として使用した。移植膀胱カテーテルを介して尿を採集した。尿容量を重量測定により決定し、そして尿ナトリウム濃度を炎光光度測定により決定した。ナトリウム排泄(UNaV;uEq/hr)を、これらの値から計算した。ベースライン採集期間後、各ラットにBG9719(0.03mg/kgまたは0.1mg/kg)、フロセミド(10mg/kgまたは100mg/kg)またはフロセミド(10mg/kgまたは100mg/kg)とBG9719(0.1mg/kg)との組み合わせのいずれかの単回静脈内ボーラス用量を与えた。図15に、ナトリウム排泄増加応答(投薬後90分で排泄されたナトリウムの合計として表される)対糸球体濾過速度変化(ベースラインからのパーセント変化として表される)のグラフを示す。示すように、BG9719の2用量は、類似のレベルまでナトリウム排泄を増加させ、かつGFRを増加させた。フロセミドは、用量依存的にナトリウム排泄増加性を増加させた。しかし、ナトリウム排泄増加性の増加は、GFRの減少により評価されるように、低下した腎臓機能の犠牲であった。BG9719をフロセミドと同時投与した場合、ナトリウム排泄増加性応答は増加し、そしてGFRの減少が弱まった。
表1
激しい利尿中の流体バランスの指標(群1)
Figure 2009102399
値を平均±SEMとして表す。Posm、血漿オスモル濃度;PNa、ナトリウムの血漿濃度;P、カリウムの血漿濃度;、初期値と有意に異なる。
表2
種々の利尿剤に対する最大応答
Figure 2009102399
ベースラインの下に挙げた値は、3つの5分間の期間の平均±SEMである;利尿剤の下の値は、6つの5分間の期間の平均±SEMである。ベースラインと比較した;、p<0.05。

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