JP2009102066A - キャップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本キャップは、キャップ本体2及び蓋体3の各胴部6、17の周壁に、周方向に沿う縦溝12を設け、ヒンジ4の両端が、該周壁の縦溝12の外側に位置する外側周壁13にそれぞれ接続されているので、蓋体3が回動される際には、各外側周壁13の曲げ弾性を有効に利用することができ、仮に、採用される樹脂が弾性に乏しいものであっても、ヒンジ4の強度が不足することなく、ヒンジ4が思案点を境に正常に反転することができる。
【選択図】図4
Description
そして、ヒンジには、蓋体を回動させる際、蓋体が、一対の弾性片に最大引張力が作用する時点(以下、思案点という)を越えると、一対の弾性片の弾性復元力により、一気に開方向または閉方向に回動される構造が採用されている。(特許文献1参照)
従って、請求項1の発明では、蓋体が回動される際、思案点において、ヒンジが接続される、キャップ本体及び蓋体の各胴部の周壁に縦溝を介して設けた各外側周壁の曲げ弾性を有効に利用することで、ヒンジへ作用する引張力を低減させることができ、ヒンジが塑性変形域まで伸長しないので、ヒンジが常に思案点を境に正常に反転することができる。
これにより、蓋体が開閉する際、ヒンジは、思案点において、弾性変形域内で反転されるために、蓋体を閉栓した時に、ヒンジがキャップ本体及び蓋体の外周面から大きく膨出することがない。
従って、請求項2の発明では、例えば、ヒンジを構成する主ヒンジ及び一対の弾性片が、キャップ本体及び蓋体の各胴部の周壁に縦溝を介して設けた各外側周壁に接続された場合、蓋体が回動される際、思案点において、各外側周壁の曲げ弾性を有効に利用することで、特に、一対の弾性片へ作用する引張力を低減させることができ、一対の弾性片が塑性変形域まで伸長しないので、一対の弾性片が常に思案点を境に正常に反転することができる。
従って、請求項3の発明では、例えば、ヒンジを構成する主ヒンジが、キャップ本体及び蓋体の各胴部の周壁に縦溝を介して設けた各外側周壁に接続された場合、蓋体が回動される際、思案点において、各外側周壁の曲げ弾性を有効に利用することで、特に、一対の弾性片へ作用する引張力を低減させることができ、一対の弾性片が塑性変形域まで伸長しないので、一対の弾性片が常に思案点を境に正常に反転することができる。
本発明の第1及び第2の実施の形態に係るキャップ1、1aは、図1〜図10に示すように、ポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂等の合成樹脂からなり、容器口(図示略)に装着される円筒状のキャップ本体2と、該キャップ本体2に被冠される有底円筒状の蓋体3とがヒンジ4、4aによって連結されて構成されている。なお、第1及び第2の実施の形態に係るキャップ1、1aにおいては、ヒンジ4、4aの構造が相違するものである。
キャップ本体2は、図1及び図2に示すように、円板状の天面部5と、円筒状の胴部6とからなる。
キャップ本体2の胴部6は、大径胴部6aと、該大径胴部6aの上端に一体的に接続される小径胴部6bとからなり、大径胴部6aの外周面と小径胴部6bの外周面との間に環状段差部6cが形成される。また、大径胴部6aの内周面に、容器口の外周面に設けられた雄ねじ部に螺合される雌ねじ部7が形成されている。
キャップ本体2の大径胴部6aの周壁には、図1、図3A及び図4に示すように、後述するヒンジ4の主ヒンジ10及び一対の弾性片11、11が接続される周方向の範囲に周方向に沿う縦溝12が形成され、この縦溝12により該周壁が外側周壁13と内側周壁14に分割される。弧状の外側周壁13は、図1に示すように、その周方向の両端を大径胴部6aの周壁から離間させても良いし、大径胴部6aの周壁に連続させてもよい。
縦溝12は、図3A及び図4に示すように、小径胴部6bの外周面と大径胴部6aの外周面との間の環状段差部6cから所定深さで形成されており、主ヒンジ10が接続される範囲では、その深さが略一定で主ヒンジ10の下面よりも深くなるように形成される。一方、縦溝12の一対の弾性片11、11が接続される範囲では、その深さが一対の弾性片11、11の下面よりも深く、各弾性片11、11の傾斜に沿って漸次深くなるように形成されている。なお、一対の弾性片11、11が接続される範囲において、一対の弾性片11、11が接続される、キャップ本体2の胴部6の周壁で縦溝12の外側に位置する外側周壁13の上端は、一対の弾性片11、11の傾斜に沿うように下方傾斜している。
なお、縦溝12の深さは、外側周壁13の曲げ弾性を有効に得られれば、成形及び金型の関係上、より浅い方が好ましい。これは、成形するにあたって、縦溝12を形成するべく金型の突起部が樹脂の流れを阻害すると共に、該突起部が金型の強度上弱い部分となるからである。
しかしながら、縦溝12の深さは、上述したように、少なくとも、主ヒンジ10の下面及び一対の弾性片11、11の下面よりも深く設定して、主ヒンジ10及び一対の弾性片11、11が接続される外側周壁13の曲げ弾性を有効に利用する必要がある。
また、縦溝12の幅は、後述しているように、蓋体3の開閉時には、思案点において、一対の弾性片11、11が接続される各外側周壁13、13が、各縦溝12、12の上部を塞ぐように曲げられる(図5参照)が、縦溝12の幅が狭すぎると、各外側周壁13、13の曲げ弾性が有効に利用できず、思案点において、一対の弾性片11、11に作用する引張力により一対の弾性片11、11が塑性変形域まで伸長してしまい、上述した問題を解決することができない。一方、縦溝12の幅が広すぎると、各外側周壁13、13の傾斜角度が過度に大きくなる(外側周壁13の曲げ弾性が過度に利用される)ために、一対の弾性片11、11に適宜の引張力が作用せずに、一対の弾性片11、11が思案点を境にその弾性力によって一気に反転しないようになる。
このように、縦溝12の幅及び深さは、思案点において、一対の弾性片11、11に、弾性変形域内を確保した上で最大の引張力が作用するように設定する必要がある。
また、キャップ本体2の小径胴部6bの内側には、該小径胴部6bと同心円上の密閉円筒部16が天面部5の下面から垂設されている。なお、キャップ本体2が容器口に装着された際に、この密閉円筒部16の環状下端面が、容器口の環状上端面に密着される。
蓋体3の天面部18の下面には、キャップ本体2の天面部5に設けた各振出孔15に挿通される閉塞棒19が、各振出孔15に対応する位置に複数形成されている。蓋体3の胴部17の高さ(天面部18の厚みを除く)は、キャップ本体2の小径胴部6bの高さと略同じに形成されている。
蓋体3の胴部17の周壁にも、図1、図3B及び図4に示すように、後述するヒンジ4の主ヒンジ10及び一対の弾性片11、11が接続される周方向の範囲に周方向に沿う縦溝12が形成され、この縦溝12により該周壁が外側周壁13と内側周壁14に分割される。弧状の外側周壁13は、図1に示すように、その周方向の両端を胴部17の周壁から離間させても良いし、胴部17の周壁に連続させてもよい。
縦溝12は、図3B及び図4に示すように、開状態の蓋体3の胴部17の上端面から所定深さで形成されており、主ヒンジ10が接続される範囲では、その深さが略一定で主ヒンジ10の下面よりも深くなるように形成される。一方、縦溝12の一対の弾性片11、11が接続される範囲では、その深さが一対の弾性片11、11の下面よりも深く、各弾性片11、11の傾斜に沿って漸次深くなるように形成されている。なお、一対の弾性片11、11が接続される範囲において、一対の弾性片11、11が接続される、蓋体3の胴部17の周壁で縦溝12の外側に位置する外側周壁13の上端は、一対の弾性片11、11の傾斜に沿うように下方傾斜している。
なお、蓋体3に設けた縦溝12の幅及び深さも、キャップ本体2に設けた縦溝12と同様に、思案点において、一対の弾性片11、11に、弾性変形域内を確保した上で最大の引張力が作用するように設定する必要がある。
そして、ヒンジ4の主ヒンジ10及び一対の弾性片11、11の両端が、キャップ本体2及び蓋体3の各胴部6、17の周壁で縦溝12の外側に位置する外側周壁13の上端にそれぞれ一体的に接続される。
なお、主ヒンジ10は、図4に示すように、蓋体3が開いた状態において、その上面が略平坦になり、主ヒンジ10の上面と、キャップ本体2の大径胴部6aの外周面と小径胴部6bの外周面との間の環状段差部6cと、開状態での蓋体3の胴部17の上端面とが略同一平面上に位置する。また、図1に示すように、主ヒンジ10のキャップ本体2と蓋体3との連結方向と直交する方向の長さは、弾性片11のキャップ本体2と蓋体3との連結方向と直交する方向の長さよりも長く設定されている。
しかも、図4に示すように、ヒンジ4の主ヒンジ10及び一対の弾性片11、11の厚みと、キャップ本体2及び蓋体3の各胴部6、17の周壁に設けた各外側周壁13,13の厚みとは略同じに設定されている。
また、一対の弾性片11、11の、キャップ本体2と蓋体3との連結方向に沿う長さは、該一対の弾性片11、11が接続される部位に対応する、キャップ本体2の胴部6の環状段差部6cから縦溝12の底までの高さと、開状態の蓋体3の胴部17の上端面から縦溝12の底までの高さとを合わせた長さに略設定されている。これにより、特に、一対の弾性片11、11が、思案点において塑性変形を起こさなければ、図6に示すように、閉栓された際、主ヒンジ10及び一対の弾性片11、11が、キャップ本体2の大径胴部6a及び蓋体3の胴部17の外周面から大きく膨出しないので、デザイン面や安全面において好適である。
キャップ本体2を容器口に装着する際には、キャップ本体2を容器口に被せて、キャップ本体2の大径胴部6aの雌ねじ部7を容器口の雄ねじ部に螺着する。すると、キャップ本体2の密閉円筒部16の環状下端面が、容器口の環状上端面に密着する。
そして、蓋体3を開方向または閉方向に思案点まで回動させると、ヒンジ4の、特に、一対の弾性片11、11が次第に引っ張られて、図5に示す思案点において、一対の弾性片11、11に最大引張力が作用する。しかしその時、図5に示すように、ヒンジ4のヒンジ10及び一対の弾性片11、11が接続される、キャップ本体2の大径胴部6a及び蓋体3の胴部17の周壁に設けた各外側周壁13、13が、各縦溝12、12の上部を塞ぐように曲げられるために、ヒンジ4の、特に、一対の弾性片11、11に作用する引張力が低減される。
その後、思案点を過ぎると、ヒンジ4の一対の弾性片11、11がその弾性力により一気に反転して、蓋体3が追従して一気に回動される。
これにより、蓋体3を回動させる際、特に、思案点において、ヒンジ4の主ヒンジ10及び一対の弾性片11、11が接続される、キャップ本体2及び蓋体3の各外側周壁13、13の曲げ弾性を有効に利用することで、ヒンジ4の、特に、一対の弾性片11、11へ作用する引張力を低減させることができ、一対の弾性片11、11が塑性変形域まで伸長しないので、一対の弾性片11、11の強度が確保され、一対の弾性片11、11が常に思案点を境に正常に反転することができる。
しかも、蓋体3の開閉時、思案点において、ヒンジ4の、特に、一対の弾性片11、11が塑性変形域まで伸長しないので、図6に示すように、蓋体3を閉栓した時に、ヒンジ4の一対の弾性片11、11が、キャップ本体2の大径胴部6a及び蓋体3の胴部17の外周面から大きく膨出することがない。これにより、外観上の見栄えが良くなるだけでなく、安全面においても好適である。
ヒンジ4aは、図7〜図10に示すように、蓋体3が開いた状態で、中央で略水平方向に延びる主ヒンジ10と、該主ヒンジ10の両側に沿って、該主ヒンジ10よりも下方に位置し、略水平方向に延びる一対の独立した弾性片11、11とから構成されている。一対の弾性片11、11は、図9及び図10から良く解るように、主ヒンジ10よりも下方で、蓋体3の胴部17の略半分程度の高さに配置される。また、主ヒンジ10の厚さと一対の弾性片11、11の厚さとは略同じに形成されている。
一方、蓋体3の胴部17の周壁にも、ヒンジ4aの主ヒンジ10が接続される周方向の範囲に周方向に沿う縦溝12が形成され、この縦溝12により該周壁が外側周壁13と内側周壁14に分割される。この縦溝12は、開状態の蓋体3の胴部17の上端面から所定深さで形成されている。
なお、これらキャップ本体2及び蓋体3に設けた縦溝12は、その深さが略一定で主ヒンジ10の下面よりも深くなるように形成され、さらに、縦溝12の幅は、第1の実施形態と同様に、思案点において、一対の弾性片11、11に、弾性変形域内を確保した上で最大の引張力が作用するように設定する必要がある。
さらに、図9に示すように、キャップ本体2の大径胴部6a及び蓋体3の胴部17の外周壁には、ヒンジ4aの一対の弾性片11、11が接続される周方向の範囲に、上端から所定高さの範囲で凹設20されている。
なお、ヒンジ4aの主ヒンジ10は、図10に示すように、蓋体3が開いた状態で、その上面が平坦になり、主ヒンジ10の上面と、キャップ本体2の大径胴部6aの外周面と小径胴部6bの外周面との間の環状段差部6cと、開状態での蓋体3の胴部17の上端面とが略同一平面上に位置する。また、図7及び図9に示すように、主ヒンジ10のキャップ本体2と蓋体3との連結方向と直交する方向の長さは、弾性片11のキャップ本体2と蓋体3との連結方向と直交する方向の長さよりも長く設定されている。
しかも、図10に示すように、ヒンジ4aの主ヒンジ10の厚みと、キャップ本体2及び蓋体3の各胴部6、17の周壁に設けた各外側周壁13、13の厚みとは略同じに設定されている。
なお、一対の弾性片11、11の、キャップ本体2と蓋体3との連結方向に沿う長さは、キャップ本体2の胴部6の環状段差部6cから弾性片11が接続される位置までの高さと、開状態の蓋体3の胴部17の上端面から弾性片11が接続される位置までの高さとを合わせた長さに略設定されている。これにより、特に、一対の弾性片11、11が、思案点において塑性変形を起こさなければ、閉栓された際、主ヒンジ10及び一対の弾性片11、11が、キャップ本体2の大径胴部6a及び蓋体3の胴部17の外周面から大きく膨出しないので、デザイン面や安全面において好適である。
キャップ本体2を容器口に螺着させた後、蓋体3を開方向または閉方向に思案点まで回動させると、ヒンジ4aの、特に、一対の弾性片11、11が次第に引っ張られて、思案点において、一対の弾性片11、11に最大引張力が作用する。しかしその時、ヒンジ4aの主ヒンジ10が接続される、キャップ本体2の大径胴部6a及び蓋体3の胴部17に設けた各外側周壁13、13が、各縦溝12、12の上部を塞ぐように曲げられる(図5参照)ために、ヒンジ4aの、特に、一対の弾性片11、11に作用する引張力が低減される。
その後、思案点を過ぎると、ヒンジ4aの一対の弾性片11、11がその弾性力により一気に反転して、蓋体3が追従して一気に回動される。
これにより、蓋体3を回動させる際、特に、思案点において、ヒンジ4aの主ヒンジ10が接続される、キャップ本体2及び蓋体3の各外側周壁13、13の曲げ弾性を有効に利用することで、ヒンジ4aの、特に、一対の弾性片11、11へ作用する引張力を低減させることができ、一対の弾性片11、11が塑性変形域まで伸長しないので、一対の弾性片11、11の強度が確保され、一対の弾性片11、11が常に思案点を境に正常に反転することができる。
しかも、蓋体3の開閉時、思案点において、ヒンジ4aの、特に、一対の弾性片11、11が塑性変形域まで伸長しないので、蓋体3を閉栓した時に、ヒンジ4aの一対の弾性片11、11がキャップ本体2及び蓋体3の外周面から大きく膨出することがない(図6参照)。これにより、外観上の見栄えが良くなるだけでなく、安全面においても好適である。
しかも、蓋体3の開閉時、思案点において、キャップ本体2及び蓋体3の各外側周壁13の曲げ弾性を有効に利用することで、ヒンジ4、4aの、特に、一対の弾性片11、11へ作用する引張力を低減させることができ、一対の弾性片11、11が塑性変形域まで伸長しないので、蓋体3を閉栓した時に、ヒンジ4、4aの一対の弾性片11、11がキャップ本体2及び蓋体3の外周面から大きく膨出することがなく、外観上及び安全面において好適である。
さらに、本発明の第1及び第2の実施の形態に係るキャップ1、1aでは、思案点において、一対の弾性片11、11に、塑性変形域まで伸長するような大きな引張力が作用しないので、その耐久性が向上し、ヒンジ4、4aの一対の弾性片11、11が、常に、思案点を境に正常に反転することができる。また、蓋体3の開閉時に、ヒンジ4、4aに想定外の衝撃が付加されても、その衝撃を、ヒンジ4、4aの両端が接続される、キャップ本体2及び蓋体3の各外側周壁13の曲げ弾性により吸収することができるので、耐衝撃性に対しても非常に有効である。
Claims (3)
- 容器口に装着される筒状のキャップ本体と、該キャップ本体に被冠される有底筒状の蓋体とがヒンジによって連結されるキャップであって、
前記キャップ本体及び前記蓋体の各胴部の周壁に、周方向に沿う縦溝を設け、前記ヒンジの両端は、該縦溝の外側に位置する外側周壁にそれぞれ接続されることを特徴とするキャップ。 - 前記ヒンジは、前記蓋体が開いた状態において、中央で略水平方向に延びる主ヒンジと、該主ヒンジの両側から連続して下方に傾斜して延びる一対の弾性片とからなることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
- 前記ヒンジは、前記蓋体が開いた状態において、中央で略水平方向に延びる主ヒンジと、該主ヒンジの両側に沿って、略水平方向に延びる一対の独立した弾性片とからなることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
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