JP2009101777A - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 補助力が付与されない状況における良好な操作性を確保するための動作が確実であるか否かを判定できる車両の操舵装置を提供すること。
【解決手段】 電子制御ユニットは、アシスト停止状態に移行させた後、ステップS16にて減速比を変更するために電動テレスコピック作動ユニットを作動させ、ステップS17にてテレスコ動作が正常であるか否かを判定する。このとき、作動ユニットを構成する電動モータの回転角変化が生じていないときにテレスコピック動作に異常が発生していると判定する。そして、テレスコ動作に異常が発生していれば、ステップS19にて運転者に対して異常の発生を報知し、ステップS20にて作動ユニットへの給電を遮断して停止させる。これにより、テレスコ動作が確実であるか否かを容易にかつ確実に判定することができ、作動ユニットの保護を図ることができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、運転者によって操作される操舵手段と、同操舵手段と転舵輪とを連結して前記操舵手段を介して入力される操舵力を前記転舵輪に伝達する伝達軸と、同伝達軸に接続されて前記操舵手段の操作に対して所定の補助力を付与する補助力付与手段とを備えた車両の操舵装置に関する。
従来から、運転者による操舵手段(例えば、操舵ハンドル)の操作に必要な操舵力を低減する補助力付与手段(例えば、電動モータなど)を備えた車両の操舵装置において、補助力付与手段の作動が停止する状態での操舵性の悪化を抑制する提案がなされている。例えば、下記特許文献1には、複数の操舵状態を推定するための検出手段のうちの正常に作動している検出手段から検出情報を取り込み、読み込んだ検出情報を監視しながら電動モータによるアシストトルクの付勢を低下させる電動パワーステアリング制御装置が示されている。この従来の電動パワーステアリング制御装置によれば、電動モータが停止することによる急激なアシストトルクの低下を防止することができるため、良好な操舵フィーリングを確保するようになっている。
特開2005−67262号公報
ところで、上記特許文献1に示された従来の電動パワーステアリング制御装置であっても、電動モータの作動が完全に停止した後には、アシストトルク(補助力)が付与されることがない。このため、運転者が操舵手段(操舵ハンドル)を回動操作するためには大きな操舵力(例えば、操舵トルク)が必要となり、運転者に対して肉体的な負担を強いることになる。したがって、何らかの異常が発生しアシストトルク(補助力)が付与されない状況でも、運転者が容易に操舵手段(操舵ハンドル)を回動操作できることが望まれている。
この場合、例えば、アシストトルク(補助力)が付与される状態に比して、操舵手段(操舵ハンドル)の回動操作に伴う回転の減速比を大きく変更し、操舵手段(操舵ハンドル)の回動操作量は大きくなるものの、操舵力(操舵トルク)を軽減できるようにすることが考えられる。しかし、この場合、減速比を切り替えるための切替動作が確実に行われることが前提となるため、切替動作が適切に行われない場合を想定して対策することが必要である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、補助力が付与されない状況における良好な操作性を確保するための動作が確実であるか否かを判定できる車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、運転者によって操作される操舵手段と、同操舵手段と転舵輪とを連結して前記操舵手段を介して入力される操舵力を前記転舵輪に伝達する伝達軸と、同伝達軸に接続されて前記操舵手段の操作に対して所定の補助力を付与する補助力付与手段とを備えた車両の操舵装置において、前記伝達軸は、前記操舵手段側に配置される第1軸と、同第1軸を軸方向にて摺動可能に収容して前記転舵輪側に配置される第2軸とを含んで構成されており、前記補助力付与手段が前記補助力を付与する通常状態で前記第1軸に形成した直歯の入力ギアと前記第2軸に形成した第1ギアとを噛み合わせて前記第1軸の回転数に対する前記第2軸の回転数の比を表す減速比を「1」に設定し、前記補助力付与手段が前記補助力を付与しない補助力付与停止状態で前記第1軸と前記第2軸との間の軸方向における相対的な変位に伴い前記入力ギアと前記第2軸に形成した第2ギアとを噛み合わせて前記減速比を「1」よりも大きな値に変更する減速手段と、電気的に駆動する電動駆動機構を有して、前記入力ギアと前記第2ギアとを噛み合わせるために前記第1軸と前記第2軸とを軸方向にて相対的に変位させる変位手段と、前記変位手段の電動駆動機構の作動状態に異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、前記異常判定手段によって前記電動駆動機構の作動状態に異常が発生していると判定されたとき、同電動駆動機構への電力の供給を遮断する電力遮断手段とを備えたことにある。この場合、前記第1軸と前記第2軸とは、ステアリングコラムに設けられるステアリングメインシャフトを形成するとよい。また、前記第1ギアは、前記第2軸の軸方向に平行でかつ所定の長さに形成した直歯ギアであり、前記第2ギアは、車体側に固定された直歯のリングギアに噛み合うとともに前記第1ギアから所定の距離だけ離間した位置に組み付けられて、前記入力ギアと噛み合った状態で同入力ギアの周りを自転および公転する直歯の複数の遊星ギアで構成されるとよい。
また、この場合、前記変位手段の電動駆動機構が、例えば、電動モータを含むものであれば、前記異常判定手段を、前記電動モータの回転角を検出する回転角検出手段と、前記回転角検出手段によって検出された回転角の変化に基づいて前記電動モータの作動状態に異常が発生しているか否かを判定する電動モータ異常判定手段とで構成するとよく、あるいは、前記電動モータを駆動させるときの駆動電流を検出する駆動電流検出手段と、前記駆動電流検出手段によって検出された駆動電流の変化に基づいて前記電動モータの作動状態に異常が発生しているか否かを判定する電動モータ異常判定手段とで構成するとよい。
これらによれば、補助力付与手段が補助力を付与する通常状態においては、減速手段が第1軸に形成した入力ギアと第2軸に形成した第1ギアとが互いに噛み合って減速比が「1」となる状態、すなわち、第1軸と第2軸とが直結状態となる。これにより、運転者は、操舵手段を介して入力する操舵力と補助力付与手段によって付与される補助力とによって転舵輪を転舵させることができる。一方、補助力付与手段が補助力を付与しない補助力付与停止状態においては、変位手段が電動駆動機構によって第1軸と第2軸とを軸方向に相対的に変位させることにより、減速手段の第1軸に形成した入力ギアと第2軸に形成した第2ギアとが互いに噛み合って減速比が「1」よりも大きな状態となる。このように、減速比を「1」よりも大きくすることにより、第1軸の回転数に対して第2軸の回転数を確実に減速することができる。その結果、転舵輪を転舵させるために必要な操舵力を軽減することができる。したがって、補助力付与停止状態であっても、運転者は操舵手段を介して入力する操舵力のみで容易に転舵輪を転舵させることができて、良好な操作性を確保することができる。
また、直歯の第1ギアを所定の長さに形成することができるため、入力ギアを第1ギアに対して所定の長さだけ軸方向に変位させることができる。このため、通常状態においては、例えば、運転者と操舵手段との間の距離を適宜調節する、所謂、テレスコピック操作も可能となる。また、第2ギアを車体に固定されたリングギアに噛み合う複数の遊星ギアから構成することができる。これにより、減速比を大きくするための構造を簡略化することができて、大幅に小型化することができる。また、リングギアと入力ギアとの歯数差、言い換えれば、リングギアの内径寸法と入力ギアの外径寸法とを適宜変更することにより、極めて容易に「1」よりも大きな減速比を設定することができる。したがって、補助力付与停止状態において、運転者が入力する操舵力を適切に軽減することができる。
一方で、変位手段が第1軸と第2軸とを軸方向に相対的に変位させている状況においては、異常判定手段は、電動駆動機構の作動状態に異常が発生しているか否かを判定することができる。具体的には、例えば、操舵手段(操舵ハンドル)と運転者の身体とが接近して、あるいは、接触して、第1軸と第2軸との間の相対的な変位できない状況などでは、電動駆動機構の作動が阻害される。このように、電動駆動機構の作動が操舵手段(操舵ハンドル)と運転者との間の相対的な位置関係に起因する外的な要因すなわち外力の入力によって阻害されると、異常判定手段は、電動駆動機構の作動状態に異常が発生したと判定することができる。ここで、電動駆動機構が、例えば、電動モータを含むものであれば、作動状態の異常を同モータの回転角変化や駆動電流変化に基づいて、極めて容易かつ確実に判定することができる。
そして、異常判定手段によって電動駆動機構の作動状態に異常が発生していると判定されると、電力遮断手段は、電動駆動機構への電力の供給を遮断する。これにより、電動駆動機構が作用する外力の入力にこうして作動しようとする負荷を確実に防止することができ、その結果、電動駆動機構自体の機能を保護することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記異常判定手段によって前記電動駆動機構の作動状態に異常が発生していると判定されたとき、前記入力ギアと前記第1ギアとが噛み合う方向にて前記第1軸と前記第2軸とを相対的に変位させるために前記変位手段の電動駆動機構を駆動制御する駆動制御手段を備えたことにもある。これによれば、第1軸と第2軸との相対的な変位関係を、例えば、通常状態時における相対的な変位関係とすることができて、操舵手段(操舵ハンドル)と運転者との間の距離を適切に維持することができる。その結果、補助力付与停止状態では、操舵手段を操作するために必要な操舵力が大きくなるものの、運転者は操舵手段(操舵ハンドル)との間の適切な位置関係を維持することができるため、操舵手段(操舵ハンドル)を操作することができる。なお、このように一旦操舵手段(操舵ハンドル)を変位させた後に、例えば、運転者がシートポジションを変更することにより再度変位手段が第1軸と第2軸とを相対的に変位させて減速比を変更するようにすることも可能である。
また、本発明の他の特徴は、前記操舵手段は、車両の衝突時に発生する衝撃力を軽減する乗員保護装置が設けられており、前記異常判定手段によって前記電動駆動機構の作動状態に異常が発生していると判定されたとき、前記乗員保護装置の作動を一時的に禁止する乗員保護装置作動禁止手段を備えたことにもある。これによれば、例えば、操舵手段(操舵ハンドル)と運転者との間の距離が接近して、あるいは、接触している状況では、一時的に、乗員保護装置(例えば、エアバッグ装置など)の作動を禁止することができる。すなわち、乗員保護装置として、例えば、エアバッグ装置を採用して操舵手段(操舵ハンドル)に設けた場合において、操舵手段(操舵ハンドル)と運転者との間の距離が短すぎると、エアバッグ装置による良好な衝撃軽減効果を得にくくなるとともに、エアバッグ装置自体の作動に伴う衝撃が運転者に影響する可能性もある。したがって、電動駆動機構の作動状態が外的な要因(外力の入力)によって阻害されている状況において、一時的に乗員保護装置の作動を禁止することにより、これらの問題を確実に解決することができる。
以下、本発明の実施形態に係る車両の操舵装置について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、実施形態に係る車両の操舵装置としての電動パワーステアリング装置全体の構成を概略的に示している。
この電動パワーステアリング装置は、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を転舵させるために、運転者によって回動操作される操舵ハンドル1を備えている。この操舵ハンドル1はステアリングコラム2に組み付けられており、ステアリングコラム2はインターミディエイトシャフト3およびピニオンシャフト4を介してステアリングギア5に連結されている。そして、ステアリングギア5は、左右前輪FW1,FW2に接続されている。
ステアリングコラム2は、図2に具体的に示すように、インストルメントパネルリインフォースメントIRに設けられるステアリングサポート部材SSに対して、車両前方側が下方に位置するように傾斜した姿勢で支持されている。なお、インストルメントパネルリインフォースメントIRおよびステアリングサポート部材SSは、車体に組み付けられて固定される車体側部材である。そして、ステアリングコラム2は、操舵ハンドル1を回動操作可能に支持するステアリングメインシャフト21と、このステアリングメインシャフト21を収容して車体に固定するコラムチューブ22とを備えている。
ステアリングメインシャフト21は、図3に示すように、第1軸としてのアッパーシャフト211と第2軸としてのロアーシャフト212とを含んで形成されるものである。そして、アッパーシャフト211とロアーシャフト212とは、中空状に形成されていて、アッパーシャフト211の下端側がロアーシャフト212の上端側に摺動可能に挿通されるようになっている。
アッパーシャフト211は、その上端側にて、操舵ハンドル1に接続されている。また、アッパーシャフト211の下端側には、その外周面に対して、軸方向に平行な歯を有する歯数Nsの入力ギアとしての直歯ギア211aが形成されている。なお、以下の説明においては、アッパーシャフト211に形成された直歯ギア211aを、必要に応じてサンギア211aともいう。
ロアーシャフト212は、その内周面にて、略中央部から上端側に向けて、アッパーシャフト211に形成された直歯ギア211aと噛み合うように、軸方向に平行な歯を有する第1ギアとしての直歯ギア212aが形成されている。ここで、直歯ギア212aは、運転者によって調整される操舵ハンドル1の引き出し量すなわちテレスコピックストローク範囲に合わせて、ロアーシャフト212の軸方向にて所定の長さに形成される。なお、直歯ギア212aの歯数は、アッパーシャフト211に形成された直歯ギア211aの歯数Nsと同じであることはいうまでもない。
また、ロアーシャフト212は、その上端側が拡径されており、この拡径された部分(以下、大径部という)には、アッパーシャフト211に形成されたサンギア211aと噛み合うことが可能な第2ギアを構成する複数の遊星ギア212b(本実施形態においては、例えば、3個)が組み付けられている。なお、遊星ギア212bと直歯ギア212aとは、所定の距離だけ離間して配置されている。
遊星ギア212bは、後述するようにサンギア211aと噛み合うために、回転軸方向すなわちロアーシャフト212の軸方向と平行な直歯を有している。そして、遊星ギア212bは、ロアーシャフト212の大径部における周方向にて等間隔に組み付けられている。これにより、ロアーシャフト212自体が遊星ギア212bの遊星キャリアとなる。また、遊星ギア212bは、ロアーシャフト212の大径部における肉厚よりも大きな直径とされている。これにより、遊星ギア212bがロアーシャフト212に組み付けられた状態では、遊星ギア212bの直歯が、ロアーシャフト212の内周面側と外周面側に突出するようになる。
コラムチューブ22は、図2に示すように、アッパーチューブ221とロアーチューブ222とを含んで形成されるものである。そして、アッパーチューブ221とロアーチューブ222とは、図3に示すように、中空状に形成されていて、ロアーチューブ222の上端側がアッパーチューブ221の下端側に摺動可能に挿通されるようになっている。なお、アッパーチューブ221とロアーチューブ222との挿通位置には、例えば、ライナが形成されており、アッパーチューブ221とロアーチューブ222との軸方向における相対的な変位に対してがたつきなく支持されるようになっている。
アッパーチューブ221は、その上端側の内周面に一体的に固着されたベアリングにより、アッパーシャフト211を回転可能かつ軸方向変位不能に支持している。また、アッパーチューブ221の下端側には、後述する変位手段としての電動テレスコピック作動ユニット23を構成するナット233が一体的に固着されている。
ロアーチューブ222は、ロアーシャフト212を回転可能かつ軸方向変位不能に支持する。このため、ロアーチューブ222の上端側の内周面には、ロアーシャフト212に組み付けられた遊星ギア212bと噛み合うリングギア222aが一体的に形成されている。リングギア222aは、ロアーチューブ222の軸方向すなわちロアーシャフト212の軸方向と平行な直歯を有している。ここで、リングギア222aの歯数は、歯数Nrとされている。このように、遊星ギア212bとリングギア222aとが噛み合うことにより、ロアーシャフト212は、ロアーチューブ222に対して回転可能に支持される。さらに、ロアーチューブ222の上端側には、電動テレスコピック作動ユニット23を構成する電動モータ231が一体的に固着されている。
電動テレスコピック作動ユニット23は、図1から図3に示すように、電動モータ231を備えており、この電動モータ231は図示しない所定の減速機を介してねじ232に回転伝達可能に接続されている。ねじ232は、アッパーチューブ221の軸方向と平行に延出しており、アッパーチューブ221の外周面上に固着されたナット233と螺着している。この構成により、電動モータ231が回転駆動してねじ232を回転させると、ねじ232に螺着したナット233が相対的に軸方向に変位する。これにより、アッパーチューブ221はロアーチューブ222に対して相対的に変位することによって、アッパーチューブ221内に収容されたアッパーシャフト211がロアーチューブ212に対して相対的に変位する。
また、図1および図2に示すように、ステアリングコラム2の車両前方側には、補助力付与手段としてのEPSユニット24が組み付けられている。EPSユニット24は、運転者が操舵ハンドル1を回動操作するときに入力する操舵トルクtを低減するためのアシストトルクTaをステアリングメインシャフト21に付与するものである。
EPSユニット24は、ロアーチューブ222の下端にボルトなどの締結手段によって連結したハウジング241と、このハウジング241に組み付けられた電動モータ242とを備えている。ハウジング241内には、ロアーシャフト212とインターミディエイトシャフト3とを互いに連結する連結シャフト243と、電動モータ242の回転数を減速して連結シャフト243に伝達する減速機(図示を省略)とが収容されている。なお、ハウジング241内に収容された連結シャフト243とロアーシャフト212とが連結されることにより、ロアーシャフト212はロアーチューブ222に対して軸方向変位不能とされる。
インターミディエイトシャフト3は、図1および図2に示すように、ステアリングコラム2(より詳しくは、連結シャフト243)とユニバーサルジョイント31を介して連結されている。インターミディエイトシャフト3は、2つに分割されて伸縮可能になっており、一端側にユニバーサルジョイント31が組み付けられ、他端側にユニバーサルジョイント32が組み付けられている。そして、インターミディエイトシャフト3は、ユニバーサルジョイント32を介してピニオンシャフト4に連結されている。
ピニオンシャフト4は、図1に示すように、インターミディエイトシャフト3とラックアンドピニオン方式を採用するステアリングギア5のピニオンギア51とを連結するものである。ステアリングギア5は、ピニオンギア51と噛み合うラックバー52を備えており、ピニオンギア51の回転がラックバー52に伝達されるようになっている。これにより、ピニオンギア51の回転に伴ってトルクがラックバー52に伝達されると、ラックバー52は軸方向にて左右に変位し、ラックバー52の両端側に接続された左右前輪FW1,FW2が左右に転舵されるようになっている。
なお、この実施形態においては、EPSユニット24をステアリングコラム2に設けた、所謂、コラムアシスト方式の電動パワーステアリング装置を用いて実施する。しかしながら、EPSユニット(より詳しくは、電動モータ)が、例えば、ピニオンシャフト4に対してアシストトルクを伝達するピニオンアシスト方式の電動パワーステアリング装置を用いて実施することや、ステアリングギア5のラックバー52に対してアシストトルクを伝達するラックアシスト方式の電動パワーステアリング装置を用いて実施することも可能であることはいうまでもない。
次に、電動テレスコピック作動ユニット23(より詳しくは、電動モータ231)およびEPSユニット24(より詳しくは、電動モータ242)の作動を制御する電気制御装置6について説明する。電気制御装置6は、図1に示すように、車速センサ61、操舵トルクセンサ62、操舵角センサ63、転舵角センサ64、EPSモータ回転角センサ65およびテレスコモータ回転角センサ66を備えている。車速センサ61は、車両の車速Vを検出して出力する。操舵トルクセンサ62は、EPSユニット24内(より具体的には、連結シャフト243)に組み付けられていて、操舵ハンドル1を介して入力される操舵トルクtを検出して出力する。なお、操舵トルクtは、車両の前進方向に対して、操舵ハンドル1を右方向に回転させるトルクを正の値で表し、左方向に回転させるトルクを負の値で表す。
操舵角センサ63は、ステアリングメインシャフト21(より具体的には、アッパーシャフト211)に組み付けられていて、操舵ハンドル1の回転角を検出して操舵角θとして出力する。転舵角センサ64は、ステアリングギア5に組み付けられていて、ラックバー52の軸方向への変位量を検出し、同検出した変位量に対応する左右前輪FW1,FW2の転舵角δを出力する。なお、操舵角θは、車両の前進方向に対して操舵ハンドル1の右方向への回転角を正の値で表し、左方向への回転角を負の値で表す。また、転舵角δは、車両が直進状態となるラックバー52の中立位置から右方向への変位に対応する左右前輪FW1,FW2の回転角を正の値で表し、左方向への変位に対応する左右前輪FW1,FW2の回転角を負の値で表す。
EPSモータ回転角センサ65は、例えば、EPSユニット24の電動モータ242のモータハウジング内に組み付けられていて、モータ回転軸の回転角を検出してモータ回転角θeとして出力する。テレスコモータ回転角センサ66は、例えば、電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231のモータハウジング内に組み付けられていて、モータ回転軸の回転角を検出してモータ回転角θtとして出力する。なお、モータ回転角θeは、ステアリングメインシャフト21を右方向に回転させる方向への回転角を正の値で表し、ステアリングメインシャフト21を左方向に回転させる方向への回転角を負の値で表す。また、モータ回転角θtは、アッパーチューブ221(アッパーシャフト211)を車両後方側(すなわち、車室内方向)に変位させる方向への回転角を正の値で表し、アッパーチューブ221(アッパーシャフト211)を車両前方側(すなわち、車室外方向)に変位させる方向への回転角を負の値で表す。
これらのセンサ61〜66は、電子制御ユニット67に接続されている。電子制御ユニット67は、CPU、ROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするものであり、各センサ61〜66の検出値を用いて後述するプログラムを含む各種プログラムを実行することにより、電動テレスコピック作動ユニット23(電動モータ231)およびEPSユニット24(電動モータ242)の作動を制御する。このため、電子制御ユニット67の出力側には、電動モータ231を駆動制御するための駆動回路68が接続されるとともに、電動モータ242を駆動制御するための駆動回路69が接続されている。ここで、駆動回路68,69内には、電動モータ231および電動モータ242のそれぞれに流れる駆動電流を検出するための電流検出器68a,69aが設けられている。そして、電流検出器68a,69aによって検出された駆動電流は、電動モータ231および電動モータ242を駆動制御するために、電子制御ユニット67にフィードバックされるようになっている。
また、電動パワーステアリング装置には、EPSユニット24の電動モータ242が停止してアシストトルクTaの付与がない状態(以下、アシスト停止状態という)となったことを運転者に報知する警報装置7が設けられている。警報装置7は、電子制御ユニット67と接続されており、運転者によって視認可能な位置(例えば、メータクラスタ内など)に組み付けられた表示部71と、音声を出力する音声出力部72とを備えている。表示部71は、例えば、ランプや表示パネルなどから構成されるものであり、ランプの点灯や表示パネルの表示切替により、運転者に対してアシスト停止状態を報知する。音声出力部72は、例えば、スピーカなどから構成されるものであり、音声の出力により、運転者に対してアシスト停止状態を報知する。
次に、上記のように構成した電動パワーステアリング装置の作動について詳細に説明する。EPSユニット24を作動させてアシストトルクTaを付与することができる状態すなわち通常状態においては、電子制御ユニット67(より詳しくは、CPU)は、運転者による操舵ハンドル1の回動操作に対して適切なアシストトルクTaを付与するために図示しない所定のプログラムを実行する。これにより、EPSユニット24の電動モータ242を駆動させて適切なアシストトルクTaを付与し、操舵ハンドル1の回動操作に必要な操舵トルクtを低減することができる。
具体的に説明すると、電子制御ユニット67は、車速センサ61によって検出された車速Vを入力するとともに、操舵トルクセンサ62によって検出された操舵トルクtを入力する。そして、電子制御ユニット67は、入力した車速Vと操舵トルクtとに基づいて、予め設定されているアシストトルクTaを決定する。ここで、アシストトルクTaは、その大きさが、例えば、検出車速Vが小さくなる(低速になる)に伴って大きくなり、検出車速Vが大きくなる(高速になる)に伴って小さくなるように設定されている。
そして、電子制御ユニット67は、アシストトルクTaを決定すると、この決定したアシストトルクTaに対応して電動モータ242を駆動させるための駆動電流を決定し、駆動回路69を駆動制御して決定した駆動電流を電動モータ242に供給する。このとき、電子制御ユニット67は、駆動回路69の電流検出器69aから電動モータ242に流れる駆動電流を入力し、駆動回路69をフィードバック制御する。これにより、電動モータ242は供給された駆動電流によって回転駆動し、電子制御ユニット67によって決定されたアシストトルクTaがステアリングメインシャフト21に対して伝達される。
この通常状態において、車両が低速で走行している場合には、上述したように、電子制御ユニット67は大きなアシストトルクTaを決定する。これにより、電動モータ242がステアリングメインシャフト21に大きなアシストトルクTaを伝達するため、運転者が左右前輪FW1,FW2を転舵するために入力する操舵トルクtを大幅に軽減することができる。したがって、運転者は、操舵ハンドル1を小さな操舵トルクtによって回動操作することができ、大きな転舵角まで左右前輪FW1,FW2を極めて容易に転舵させることができる。
また、通常状態において、車両が高速で走行している場合には、上述したように、電子制御ユニット67は、小さなアシストトルクTaを決定する。これにより、電動モータ242が小さなアシストトルクTaをステアリングメインシャフト21に伝達するため、運転者が左右前輪FW1,FW2を転舵させるために入力する操舵トルクtを比較的大きくすることができる。したがって、運転者は、比較的大きな操舵トルクtを入力しながら、言い換えれば、しっかりとした反力を知覚しながら操舵ハンドル1を回動操作できるため、操舵ハンドル1を安定して回動操作することができる。このように、通常状態においては、電動モータ242が駆動することによってアシストトルクTaが適切に付与されるため、運転者は車速Vに応じた適切な操舵トルクtで操舵ハンドル1を回動操作することができる。
さらに、通常状態においては、アッパーシャフト211に形成した直歯ギア211aとロアーシャフト212に形成した直歯ギア212aとが噛み合った状態で維持される。これにより、運転者は、電動テレスコピック作動ユニット23を操作することにより、テレスコピックストローク範囲内で操舵ハンドル1を引き出したり押し込んだりして運転席に着座した自身と操舵ハンドル1との間の距離を適宜調整するためのテレスコピック操作を行うことができる。具体的には、運転者は、操舵ハンドル1の近傍に設けられた図示しないテレスコピック操作スイッチを操作することにより、操舵ハンドル1を変位させることができる。
すなわち、運転者がテレスコピック操作スイッチを操作すると、電子制御ユニット67は、この操作状態に基づき、駆動回路68から電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231に対して電力を供給する。これにより、電動モータ231がねじ232を回転させることによってねじ232に螺着したナット233が相対的に軸方向に変位する。このように、ナット233がねじ232の軸方向に相対的に変位すると、ナット233が一体的に固着されたアッパーチューブ221はアッパーシャフト211とともに軸方向に変位する。これにより、アッパーシャフト211に組み付けられた操舵ハンドル1を適宜変位させることができる。
一方、運転者がテレスコピック操作スイッチの操作を止めると、電子制御ユニット67は、駆動回路68を介して電動モータ231に供給する電力を遮断する。これにより、電動モータ231の回転駆動が停止し、ねじ232の回転も停止する。このように、ねじ232の回転が停止した状態では、螺着するナット233は、ねじ232との間における摩擦力の作用によって軸方向への変位が不能となり、アッパーチューブ221およびアッパーシャフト211の軸方向変位も不能とされる。したがって、電動モータ231が駆動していない状態すなわちテレスコピック動作後においては、操舵ハンドル1と運転者との間の距離が適切に維持される。
ここで、電動モータ231は、テレスコピックストローク範囲のうち、例えば、アッパーチューブ221(アッパーシャフト211および操舵ハンドル1)を最も車両前方側に変位させたとき(以下、この変位位置を車両前方側テレスコピックストロークエンドという)のモータ回転角θtを基準回転角として回転駆動する。また、テレスコモータ回転角センサ66は、この基準回転角からの電動モータ231の回転角をモータ回転角θtとして検出する。これにより、電子制御ユニット67は、テレスコモータ回転角センサ66によって検出される電動モータ231のモータ回転角θt(言い換えれば、電動モータ231の回転数)とねじ232のリード量とに基づいて、基準回転角に対応する車両前方側テレスコピックストロークエンドからのナット233の位置、すなわち、テレスコピックストローク量を把握する。そして、電子制御ユニット67は、運転者によってテレスコピック操作スイッチが操作されたときには、テレスコピックストローク量がテレスコピックストローク範囲内となるように、駆動回路68を介して電動モータ231の回転駆動を制御する。
ところで、電子制御ユニット67は、例えば、各センサ61〜65の作動状態に異常が発生した場合には、フェールセーフの考えに従い、EPSユニット24の電動モータ242の駆動を停止させて、電動パワーステアリング装置の作動状態を通常状態からアシスト停止状態に移行させる。このように、通常状態からアシスト停止状態に移行すると、運転者は大きな操舵トルクtによって操舵ハンドル1を回動操作しなければならなくなる。このため、電子制御ユニット67(より詳しくは、CPU)は、アシスト停止状態であっても、操舵トルクtを軽減して運転者が容易に操舵ハンドル1を回動操作できるように、アッパーシャフト211のサンギア211aとロアーシャフト212の遊星ギア212bとを噛み合わせるべく、図4に示す減速比変更プログラムを実行する。以下、この減速比変更プログラムを詳細に説明する。
電子制御ユニット67は、運転者によって図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、所定の初期化プログラムを実行してから減速比変更プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。すなわち、電子制御ユニット67は、減速比変更プログラムの実行をステップS10にて開始し、ステップS11にて、車速センサ61、操舵トルクセンサ62、操舵角センサ63、転舵角センサ64およびEPSモータ回転角センサ65によって検出された各検出値、具体的には、車速V、操舵トルクt、操舵角θ、転舵角δおよびモータ回転角θeを入力する。そして、電子制御ユニット67は、各センサ61〜65からそれぞれの検出値を入力すると、ステップS12に進む。
ステップS12においては、電子制御ユニット67は、前記ステップS11にて入力した各検出値に基づき、各センサ61〜65が正常に作動しているか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット67は、例えば、入力した各検出値間の相関性に基づき、各センサ61〜65が正常に作動しているか否かを判定する。
このことを例示的に説明すると、電子制御ユニット67は、例えば、車速Vと車両に搭載された図示しない加速度センサによって検出された加速度とを比較することにより、車速センサ61が正常に作動しているか否かを判定する。すなわち、車両の左右方向における検出加速度がある程度大きな値であるときに車速Vが略「0」となっていれば、電子制御ユニット67は、車速センサ61の作動状態に異常が発生していると判定する。
また、電子制御ユニット67は、例えば、操舵トルクt、操舵角θ、転舵角δおよびモータ回転角θeを互いに比較することにより、操舵トルクセンサ62、操舵角センサ63、転舵角センサ64およびEPSモータ回転角センサ65が正常に作動しているか否かを判定する。すなわち、車両が右方向に旋回している状態においては操舵トルクt、操舵角θ、転舵角δおよびモータ回転角θeがそれぞれ正の値となるべきところ、例えば、検出転舵角δが負の値となっていれば、電子制御ユニット67は、転舵角センサ64の作動状態に異常が発生していると判定する。
このように、電子制御ユニット67は、ステップS12において、車速センサ61、操舵トルクセンサ62、操舵角センサ63、転舵角センサ64およびEPSモータ回転角センサ65のうちのいずれかに異常が発生していれば「No」と判定して、ステップS13に進む。一方、電子制御ユニット67は、各センサ61〜65のいずれにも異常が発生していなければ「Yes」と判定してステップS21に進み、減速比変更プログラムの実行を一旦終了する。すなわち、各センサ61〜65が正常に作動している場合には、EPSユニット24の電動モータ242を駆動させて適切なアシストトルクTaを付与することができる。したがって、電子制御ユニット67は、電動パワーステアリング装置の作動状態を通常状態に維持するとともに、後述する電動テレスコピック作動ユニット23の作動を行わない。
ここで、通常状態においては、上述したように、コラムチューブ22のアッパーチューブ221の軸方向変位範囲は、テレスコピックストローク範囲内に規制される。これにより、アッパーシャフト211の直歯ギア211aとロアーシャフト212の直歯ギア212aとが互いに同一の歯数Nsで噛み合った状態が維持される。このため、通常状態においては、アッパーシャフト211の回転数(入力側)に対するロアーシャフト212の回転数(出力側)の比としての減速比をαとすると、減速比αが「1」となる直結状態に維持される。
すなわち、通常状態においては、アッパーシャフト211の回転に対してロアーシャフト212の回転は増減速されない。したがって、アッパーシャフト211とロアーシャフト212とが一体的に回転することにより、運転者は少ない操舵ハンドル1の回動操作量(回転角)によって左右前輪FW1,FW2を転舵させることができる。また、この場合には、運転者が操舵ハンドル1を介してアッパーシャフト211に入力した操舵トルクtは、直歯ギア211aから直歯ギア212aを介してロアーシャフト212に伝達される。
ステップS13においては、電子制御ユニット67は、EPSユニット24の電動モータ242の駆動を停止させて、電動パワーステアリング装置の作動状態を通常状態からアシスト停止状態に移行させる。すなわち、電子制御ユニット67は、駆動回路69を制御して、電動モータ242への電力供給を遮断する。これにより、電動モータ242の駆動によるアシストトルクTaの付与がなくなり、電動パワーステアリング装置の作動状態がアシスト停止状態に移行する。そして、電子制御ユニット67は、電動モータ242の駆動を停止させると、ステップS14に進む。なお、このように電動モータ242への電力供給を遮断した状態においては、電動モータ242は、ステアリングメインシャフト21の回転すなわち運転者による操舵ハンドル1の回動操作に伴って自由に回転(所謂、連れ回り)するようになる。
ステップS14においては、電子制御ユニット67は、警報装置7の表示部71および音声出力部72を用いて、運転者にアシスト停止状態への移行を報知する。すなわち、電子制御ユニット67は、表示部71を作動させて、例えば、警告灯を点灯させたり、表示パネル内にアシスト停止状態に移行した旨のメッセージを表示させる。また、電子制御ユニット67は、音声出力部72を作動させて、例えば、警報音をスピーカから出力させたり、アシスト停止状態に移行した旨のメッセージを音声によってスピーカから出力させる。さらに、電子制御ユニット67は、アシスト停止状態への移行を報知した後、運転者に対して、安全に車両を停止させるように報知する。そして、電子制御ユニット67は、アシスト停止状態への移行と車両の安全な停止を促すと、ステップS15に進む。
ステップS15においては、電子制御ユニット67は、車両の走行挙動が安定する所定の車速以下、例えば、車速Vが略「0」となったか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット67は、運転者が前記ステップS14における報知に従って車両を停止させて車速センサ61によって検出された車速Vが略「0」であれば、「Yes」と判定してステップS16に進む。一方、未だ検出された車速Vが略「0」となっていなければ、電子制御ユニット67は「No」と判定し、検出された車速Vが略「0」となるまで繰り返しステップS15の判定処理を繰り返す。
ステップS16においては、電子制御ユニット67は、電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231を正転駆動させて、テレスコピックストローク範囲のうち、アッパーチューブ221(アッパーシャフト211および操舵ハンドル1)を最も車両後方側(以下、この変位位置を車両後方側テレスコピックストロークエンドという)に向けて変位させる。そして、電子制御ユニット67は、サンギア211aと遊星ギア212bとを噛み合わせて減速比αを変更するために、最終的に車両後方側テレスコピックストロークエンドを超えた位置までアッパーチューブ221(アッパーシャフト211および操舵ハンドル1)を変位させる。
すなわち、電子制御ユニット67は、駆動回路68を介して、電動モータ231が正転駆動するための電力を供給する。これにより、ねじ232に螺着したナット233が相対的に軸方向に変位し、アッパーチューブ221はアッパーシャフト211とともに車両後方側テレスコピックストロークエンドに向けて変位を開始する。そして、電子制御ユニット67は、駆動回路68を介して電動モータ231を正転駆動させると、ステップS17に進む。
ステップS17においては、電子制御ユニット67は、電動テレスコピック作動ユニット23によるテレスコピック動作が正常であるか否かを判定する。具体的に説明すると、上述したように、テレスコピック動作は、電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231が回転駆動することによって実現される。すなわち、電動モータ231が回転駆動している状態ではテレスコピック動作が正常であり、電動モータ231が回転駆動していない状態ではテレスコピック動作に異常が発生している。
ところで、電子制御ユニット67は、アシスト停止状態への移行に対応して減速比αを変更するために、電動テレスコピック作動ユニット23を作動させ、車両後方側テレスコピックストロークエンドを超えて操舵ハンドル1が運転者に接近する方向にテレスコピック動作を行う。この場合、例えば、運転者のシートポジションによっては、テレスコピック動作中に操舵ハンドル1が運転者の身体に接触する可能性がある。そして、この場合には、アッパーチューブ221(アッパーシャフト211および操舵ハンドル1)が変位できず、その結果、電動モータ231が回転駆動しなくなる。すなわち、テレスコピック動作に異常が発生することになる。
このため、電子制御ユニット67は、ステップS17にて、テレスコモータ回転角センサ66によって検出された電動モータ231のモータ回転角θtを入力する。そして、電子制御ユニット67は、電動テレスコピック作動ユニット23がテレスコピック動作している状態、言い換えれば、電動モータ231を回転駆動制御している状態において、入力したモータ回転角θtが適切に変化しているか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット67は、テレスコモータ回転角センサ66から入力したモータ回転角θtが変化していれば、電動モータ231が正転駆動していてテレスコピック動作が正常であるため、「Yes」と判定してステップS18に進む。
ステップS18においては、電子制御ユニット67は、サンギア211aと遊星ギア212bとが互いに噛み合ったか否かを判定する。以下、この判定を具体的に説明する。
電子制御ユニット67は、上述したように、テレスコモータ回転角センサ66から電動モータ231のモータ回転角θtを入力することにより、車両前方側テレスコピックストロークエンドを基準としてナット233すなわちアッパーチューブ221およびアッパーシャフト211のテレスコピックストローク量を把握することができる。具体的に、電子制御ユニット67は、図5に示すように、車両前方側テレスコピックストロークエンドに対応するロアーシャフト212の直歯ギア212aにおける車両前方側の形成端部とアッパーシャフト211に形成されたサンギア211aの車両前方側の形成端部との間の距離Lsを把握することができる。
一方、図5に示したように、車両前方側テレスコピックストロークエンド、言い換えれば、ロアーシャフト212の直歯ギア212aにおける車両前方側の形成端部と遊星ギア212bにおける車両前方側の形成端部との間の距離Laは予め設定される規定値である。このため、電子制御ユニット67は、サンギア211aにおける車両前方側の形成端部と遊星ギア212bにおける車両前方側の形成端部との間の距離Lを(La−Ls)に従って計算することができる。
このことに基づき、電子制御ユニット67は、テレスコモータ回転角センサ66から入力した電動モータ231のモータ回転角θtを用いてサンギア211aと遊星ギア212bとの間の距離Lを計算する。そして、電子制御ユニット67は、距離Lが「0」でなければ、すなわち、サンギア211aが遊星ギア212bとのみ噛み合っていなければ「No」と判定し、距離Lが「0」となるまで、すなわち、サンギア211aが遊星ギア212bとのみ噛み合うまで繰り返しステップS17およびステップS18を実行する。一方、電子制御ユニット67は、距離Lが「0」となれば、「Yes」と判定して後述するステップS20に進む。
このように、サンギア211aと遊星ギア212bとが適切に噛み合った状態では、図6に示すように、サンギア211a、遊星ギア212bおよびリングギア222aからなる遊星ギア機構によって、操舵ハンドル1の回転、すなわち、アッパーシャフト211の回転は、減速されてロアーシャフト212に伝達される。したがって、運転者が操舵ハンドル1を介してアッパーシャフト211に入力する操舵トルクtは、サンギア211aから遊星ギア212bを介してロアーシャフト212に伝達されるようになるため、大幅に軽減される。
具体的に説明すると、リングギア222aが一体的に形成されるロアーチューブ222は、上述したように、車体に対して回転不能に固定されている。したがって、遊星ギア機構のうち、リングギア222aは回転しない固定ギアとなる。これにより、運転者による操舵ハンドル1の回動操作に伴ってサンギア211aが回転すると、遊星ギア212bが自転および公転して、遊星キャリアであるロアーシャフト212がアッパーシャフト211と同一方向にて軸周りに回転する。したがって、この場合は、サンギア211aが入力ギアとなり、リングギア222aに噛み合って自転および公転する遊星ギア212bが出力ギアとなる。
このため、減速比αは、サンギア211aの歯数Nsとリングギア222aの歯数Nrを用いて、下記式1に示すように表すことができる。
α=(Ns+Nr)/Ns …式1
この式1によれば、減速比αは「1」よりも大きくなる、言い換えれば、アッパーシャフト211の回転数は、減速されてロアーシャフト212に伝達される。これにより、サンギア211aと遊星ギア212bとが噛み合った状態においては、左右前輪FW1,FW2を転舵させるために必要な操舵トルクtを小さくすることができる。したがって、アシスト停止状態であっても、運転者は、比較的容易に操舵ハンドル1を回動操作して左右前輪FW1,FW2を転舵させることができる。
一方、前記ステップS17にて、テレスコモータ回転角センサ66から入力したモータ回転角θtが変化していなければ、テレスコピック動作が正常でないため、電子制御ユニット67は「No」と判定してステップS19に進む。ここで、モータ回転角θtが変化しない状況としては、上述したように、例えば、テレスコピック動作に伴って操舵ハンドル1が変位した結果、操舵ハンドル1が運転者と接触することにより外力が入力され、機械的に変位が阻害される状況などが考えられる。
ステップS19においては、電子制御ユニット67は、警報装置7の表示部71および音声出力部72を用い、運転者に対して、電動テレスコピック作動ユニット23によるテレスコピック動作に異常が発生していることを報知する。すなわち、電子制御ユニット67は、表示部71を作動させて、例えば、警告灯と点灯させたり、表示パネル内にテレスコピック動作に異常が発生している旨のメッセージを表示させる。また、電子制御ユニット67は、音声出力部72を作動させて、例えば、警報音をスピーカから出力させたり、テレスコピック動作に異常が発生している旨のメッセージを音声によってスピーカから出力させる。このように、ステップS19の処理を実行すると、電子制御ユニット67はステップS20に進む。
ステップS20においては、電子制御ユニット67は、駆動回路68を介して供給している電力を遮断することにより、電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231の正転駆動を停止させる。そして、電子制御ユニット67は、ステップS21にて、減速比変更プログラムの実行を終了する。
以上の説明からも理解できるように、この第1実施形態によれば、テレスコピック動作が正常である状況では、アシスト停止状態における操舵トルクtを軽減するために、電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231を正転駆動を継続させて、減速比αを「1」よりも大きく変更することができる。一方、テレスコピック動作に異常が発生している状況では、電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231の正転駆動を停止させることができる。これにより、電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231に掛かる負荷を効果的に防止することができる。
b.第2実施形態
上記第1実施形態においては、ステップS17にてテレスコピック動作が正常でないと判定すると、ステップS19にて運転者に対してテレスコピック動作に異常が発生したことを報知した後、ステップS20にて電動テレスコピック作動ユニット23への電力の供給を遮断するように実施した。すなわち、上記第1実施形態においては、テレスコピック動作に異常が発生すると、電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231が回転駆動を停止するため、操舵ハンドル1が運転者に対して接近した状態で維持される。
しかしながら、この状況においては、操舵ハンドル1と運転者の位置関係が適切であるとはいえないため、この第2実施形態においては、ステップS19にて運転者に対してテレスコピック動作の異常を報知した後、電動モータ231を逆転駆動させ、運転者が予め設定していたテレスコピック位置(以下、この位置を原位置という)まで戻すように実施する。以下、この第2実施形態を詳細に説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第2実施形態においては、電子制御ユニット67は、図7に示す減速比変更プログラムを実行する。ここで、この第2実施形態における減速比変更プログラムは、図7に示すように、上記第1実施形態における減速比変更プログラムに比して、ステップS30が追加される点で異なる。すなわち、電子制御ユニット67は、上記第1実施形態と同様に、ステップS19にてテレスコピック動作の異常を運転者に報知する。そして、電子制御ユニット67は、ステップS19における報知処理後、ステップS30に進む。
ステップS30においては、電子制御ユニット67は、駆動回路68を介して電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231を逆転駆動させる。すなわち、電子制御ユニット67は、電動モータ231が逆転駆動するための電力を供給するように駆動回路68を制御する。これにより、駆動回路68が電動モータ231に対して同モータ231が逆転駆動する電力を供給すると、アッパーチューブ221(アッパーシャフト211および操舵ハンドル1)は、車両前方側テレスコピックストロークエンドに向けてより具体的には原位置まで変位する。なお、原位置としては、運転者がテレスコピック操作スイッチを操作することによって決定したテレスコピックストローク位置とすることができる。そして、この場合には、電子制御ユニット67は、例えば、自身のROM(EEPROMなど)内の所定記憶位置にテレスコピックストローク位置を記憶するようにするとよい。
そして、電子制御ユニット67は、アッパーチューブ221(アッパーシャフト211および操舵ハンドル1)を原位置まで変位させると、ステップS20に進んで電動モータ231への電力供給を遮断し、ステップS21にて減速比変更プログラムの実行を終了する。
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態においては、テレスコピック動作に異常が発生している状況では、電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231を逆転駆動させて、原位置までアッパーチューブ221(アッパーシャフト211および操舵ハンドル1)を戻すことができる。この場合、アッパーシャフト211が原位置まで戻ることにより、直歯ギア211a(サンギア211a)がロアーシャフト212の直歯ギア212aと噛み合う状態となって操舵ハンドル1(アッパーシャフト211)の回転が減速されないことになる。しかし、運転者と操舵ハンドル1との間の距離が適切に確保されるために、アシスト停止状態で操舵トルクtが大きくなるものの、運転者による操舵ハンドル1の回動操作が可能となる。
c.第3実施形態
上記第1実施形態においては、ステップS17にてテレスコピック動作が正常でないと判定すると、ステップS19にて運転者に対してテレスコピック動作に異常が発生したことを報知した後、ステップS20にて電動テレスコピック作動ユニット23への電力の供給を遮断するように実施した。ところで、通常、操舵ハンドル1には、車両衝突に伴う衝撃から運転者を保護するためにエアバッグ装置が設けられる。このように、エアバッグ装置が操舵ハンドル1に設けられる状況において、操舵ハンドル1が運転者に接近した(接触した)状態で維持されると、エアバッグの展開に伴う適切な衝撃軽減効果が得られない可能性がある。このため、この第3実施形態においては、テレスコピック動作に異常が発生した場合には、エアバッグ装置が一時的に作動しないように実施する。以下、この第3実施形態を詳細に説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第3実施形態においては、図8に示すように、操舵ハンドル1に組み付けられたエアバッグ装置80の作動を制御するエアバッグ電子制御ユニット81が設けられている。なお、エアバッグ装置80自体の構造に関しては、周知の構造が採用できるとともに本発明と直接関係しないため、説明を省略する。
エアバッグ電子制御ユニット81も、電子制御ユニット67と同様に、CPU、ROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするものである。そして、エアバッグ電子制御ユニット81は、車両内に構築された通信回線Nを介して、電子制御ユニット67と通信可能とされている。
そして、この第3実施形態においては、電子制御ユニット67は、図9に示す減速比変更プログラムを実行する。ここで、この第3実施形態における減速比変更プログラムは、図9に示すように、上記第1実施形態における減速比変更プログラムに比して、ステップS40が追加される点で異なる。
すなわち、電子制御ユニット67は、上記第1実施形態と同様に、ステップS17にてテレスコピック動作が正常でないと判定すると、ステップS19にて運転者に対してテレスコピック動作に異常が発生したことを報知する。そして、電子制御ユニット67は、ステップS40に進む。
ステップS40においては、電子制御ユニット67は、エアバッグ電子制御ユニット81と協働して、エアバッグ装置80の作動を禁止する。具体的に説明すると、電子制御ユニット67は、通信回線Nを介して、エアバッグ電子制御ユニット81に対し、エアバッグ装置80の作動(より具体的には、エアバッグの展開)を一時的に禁止するように指示する。
エアバッグ電子制御ユニット81においては、電子制御ユニット67からの指示に従い、エアバッグ装置80の作動を一時的に禁止する。これにより、操舵ハンドル1が運転者と接近した(接触した)状態において、エアバッグ装置80の作動を一時的に禁止することができる。なお、この場合、例えば、運転者がテレスコピック操作スイッチを操作して操舵ハンドル1と運転者との間の位置関係を適切に再度設定すると、エアバッグ装置の作動禁止が解除されることはいうまでもない。そして、エンジン電子制御ユニット81は、エアバッグ装置80の作動を一時的に禁止すると、通信回線Nを介して、エアバッグ装置80の作動を一時的に禁止したことを表す作動禁止情報を電子制御ユニット67に出力する。
電子制御ユニット67においては、通信回線Nを介して、エアバッグ電子制御ユニット81から作動禁止情報を取得すると、ステップS20にて電動テレスコピック作動ユニット23への電力の供給を遮断する。そして、電子制御ユニット67は、ステップS21に進み、減速比変更プログラムの実行を終了する。
以上の説明から理解できるように、この第3実施形態においては、テレスコピック動作に異常が発生している状況では、一時的に、エアバッグ装置80の作動を禁止することができる。これにより、運転者と操舵ハンドル1とが接近した(接触した)状態でのエアバッグ装置80の作動が禁止されるため、エアバッグの展開に伴う衝撃軽減効果が低減する状況でのエアバッグ装置80の作動を適切に禁止することができる。
本発明の実施にあたっては、上記第1実施形態ないし第3実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態ないし第3実施形態においては、前記ステップS17にて、テレスコモータ回転角センサ66によって検出される電動モータ231のモータ回転角θtが変化しているか否かに基づいて、テレスコピック動作が正常であるか否かを判定するように実施した。この場合、電子制御ユニット67が、例えば、電動モータ231を駆動制御するための駆動回路68に設けられた電流検出器68aからフィードバックされる駆動電流の変化に基づいて、テレスコピック動作が正常であるか否かを判定することもできる。
具体的に説明すると、テレスコピック動作が正常である状態、言い換えれば、電動モータ231がスムーズに回転駆動している状態においては、電流検出器68aからフィードバックされる駆動電流の変化は極めて小さくなる。一方、テレスコピック動作に異常が発生した状態、言い換えれば、電動モータ231がスムーズに回転駆動していない状態においては、電流検出器68aからフィードバックされる駆動電流の変化は大きくなる。このように、電流検出器68aからフィードバックされる駆動電流の変化に基づくことにより、電子制御ユニット67は、テレスコピック動作が正常であるか否かを判定することができる。
また、上記第1実施形態ないし第3実施形態においては、前記ステップS19にて、電子制御ユニット67が警報装置7の表示部71および音声出力部72を用いて、運転者に対しテレスコピック動作に異常が発生していることを報知し、その後、電動テレスコピック作動ユニット23の電動モータ231を停止させたり逆転駆動させたりするように実施した。しかし、この場合には、ステップS19を省略して、運転者に対してテレスコピック動作の異常を報知することなく、電動モータ231を停止させたり、逆転駆動させたりして実施可能であることはいうまでもない。
また、上記第1実施形態ないし第3実施形態においては、ステアリングギア5にラックアンドピニオン式を採用して実施したが、例えば、ボールねじ機構を採用して実施してもよい。
さらに、上記第1実施形態ないし第3実施形態においては、運転者の操舵トルクtを低減するためのアシストトルクTaを付与するEPSユニット24を備えた電動パワーステアリング装置を採用して実施した。しかしながら、運転者の操舵トルクtを低減するためのアシストトルクTaを付与することができるものであれば、EPSユニット24に代えて、例えば、油圧システムを備えたパワーステアリング装置に本発明を適用して実施することもできる。
本発明の実施形態に係る車両の操舵装置の全体を示す概略図である。 図1のステアリングコラムの構成を説明するための概略図である。 図1のステアリングメインシャフトおよびコラムチューブの構成を説明するための概略的な断面図である。 図1の電子制御ユニットによって実行される減速比変更プログラムを示すフローチャートである。 サンギアと遊星ギアとの噛み合い状態の判定を説明するための断面図である。 アシスト停止状態におけるサンギアと遊星ギアとの噛み合い状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係り、図1の電子制御ユニットによって実行される減速比変更プログラムを示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る車両の操舵装置の全体を示す概略図である。 本発明の第3実施形態に係り、図8の電子制御ユニットによって実行される減速比変更プログラムを示すフローチャートである。
符号の説明
FW1,FW2…前輪、1…操舵ハンドル、2…ステアリングコラム、21…ステアリングメインシャフト(伝達軸)、211…アッパーシャフト(第1軸)、211a…直歯ギア(サンギア)、212…ロアーシャフト(第2軸)、212a…直歯ギア(第1ギア)、212b…遊星ギア(第2ギア)、22…コラムチューブ、221…アッパーチューブ、222…ロアーチューブ、222a…リングギア(固定ギア)、23…電動テレスコピック作動ユニット(変位手段)、231…電動モータ、24…EPSユニット(補助力付与手段)、242…電動モータ、66…テレスコモータ回転角センサ(回転角検出手段)、67…電子制御ユニット、80…エアバッグ装置(乗員保護装置)

Claims (7)

  1. 運転者によって操作される操舵手段と、同操舵手段と転舵輪とを連結して前記操舵手段を介して入力される操舵力を前記転舵輪に伝達する伝達軸と、同伝達軸に接続されて前記操舵手段の操作に対して所定の補助力を付与する補助力付与手段とを備えた車両の操舵装置において、
    前記伝達軸は、前記操舵手段側に配置される第1軸と、同第1軸を軸方向にて摺動可能に収容して前記転舵輪側に配置される第2軸とを含んで構成されており、
    前記補助力付与手段が前記補助力を付与する通常状態で前記第1軸に形成した直歯の入力ギアと前記第2軸に形成した第1ギアとを噛み合わせて前記第1軸の回転数に対する前記第2軸の回転数の比を表す減速比を「1」に設定し、前記補助力付与手段が前記補助力を付与しない補助力付与停止状態で前記第1軸と前記第2軸との間の軸方向における相対的な変位に伴い前記入力ギアと前記第2軸に形成した第2ギアとを噛み合わせて前記減速比を「1」よりも大きな値に変更する減速手段と、
    電気的に駆動する電動駆動機構を有して、前記入力ギアと前記第2ギアとを噛み合わせるために前記第1軸と前記第2軸とを軸方向にて相対的に変位させる変位手段と、
    前記変位手段の電動駆動機構の作動状態に異常が発生しているか否かを判定する異常判定手段と、
    前記異常判定手段によって前記電動駆動機構の作動状態に異常が発生していると判定されたとき、同電動駆動機構への電力の供給を遮断する電力遮断手段とを備えたことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、さらに、
    前記異常判定手段によって前記電動駆動機構の作動状態に異常が発生していると判定されたとき、前記入力ギアと前記第1ギアとが噛み合う方向にて前記第1軸と前記第2軸とを相対的に変位させるために前記変位手段の電動駆動機構を駆動制御する駆動制御手段を備えたことを特徴とする車両の操舵装置。
  3. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
    前記操舵手段は、車両の衝突時に発生する衝撃力を軽減する乗員保護装置が設けられており、
    前記異常判定手段によって前記電動駆動機構の作動状態に異常が発生していると判定されたとき、前記乗員保護装置の作動を一時的に禁止する乗員保護装置作動禁止手段を備えたことを特徴とする車両の操舵装置。
  4. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
    前記変位機構の電動駆動機構は電動モータであり、
    前記異常判定手段を、
    前記電動モータの回転角を検出する回転角検出手段と、
    前記回転角検出手段によって検出された回転角の変化に基づいて前記電動モータの作動状態に異常が発生しているか否かを判定する電動モータ異常判定手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵装置
  5. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
    前記変位手段の電動駆動機構は電動モータであり、
    前記異常判定手段を、
    前記電動モータを駆動させるときの駆動電流を検出する駆動電流検出手段と、
    前記駆動電流検出手段によって検出された駆動電流の変化に基づいて前記電動モータの作動状態に異常が発生しているか否かを判定する電動モータ異常判定手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵装置。
  6. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
    前記第1ギアは、前記第2軸の軸方向に平行でかつ所定の長さに形成した直歯ギアであり、
    前記第2ギアは、車体側に固定された直歯のリングギアに噛み合うとともに前記第1ギアから所定の距離だけ離間した位置に組み付けられて、前記入力ギアと噛み合った状態で同入力ギアの周りを自転および公転する直歯の複数の遊星ギアで構成されることを特徴とする車両の操舵装置。
  7. 前記第1軸と前記第2軸とは、ステアリングコラムに設けられるステアリングメインシャフトを形成する請求項1に記載した車両の操舵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015160504A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置、当該装置の故障判定方法、及び転舵モータの制御方法

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