JP2009099837A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、電子部品または電子回路部品を実装した実装基板や、この実装基板間の接続等に適用されるフレキシブル配線基板に関する。
電子部品または電子回路部品を実装した電子回路基板の結線や、電子部品または電子回路を実装した実装部とコネクタ等の入出力部との結線には、一般に個別のリード線が適用されるが、結線数が多い場合には、屈曲性絶縁基板に銅等の薄膜を所望のパターンにエッチングし、全体を例えばポリイミド等の絶縁皮膜で覆ったいわゆるフレキシブル配線基板が適用されることは公知である。
近年、電子機器の小型化が益々進行し、それに伴い実装する電子部品や電子回路部品(以下、実装部品と称する)の小型化が要請され、フレキシブル配線基板の可撓性を利用し、フレキシブル基板を複雑に折り曲げることによって電子機器への実装に対処している。
このフレキシブル配線基板の折り曲げに際しては、予め折り曲げる位置が決められている場合が多い。その一例を図7に示す。同図において、1はフレキシブル配線基板、2はフレキシブル配線基板1に対して外部回路と信号の授受や外部電源から電流の供給等を担う端子電極2aを複数備える端子で、3は不図示の絶縁膜と絶縁性基板との間に備えられ端子電極2aからフレキシブル配線基板1に電気的接続を担う複数の配線である。従来のフレキシブル配線基板の一態様としては、例えば図7Aに示したようにフレキシブル配線基板1の相対向する一対の縁部1a及び1bそれぞれの一部を切り欠く切欠部4を備えることで、図7Bに示すように折り曲げる構成が広く適用されている。
なお、フレキシブル配線基板1の折曲には山折り箇所と谷折り箇所とがあり、この図7の構成では山折りにすべき箇所か谷折りにすべき箇所かの判別が付かないため、例えば図8に示すように、一対の縁部1a及び1bに、前述の切欠部4と突出部5とを備えることで、両者の判別を付けている構成も広く用いられている。
これらの構成で、フレキシブル配線基板1を所定の折曲部で折り曲げることは可能であるが、例えば図7(b)に示した切欠部4の凹状最深部と折曲箇所との交点は鋭利であるため、フレキシブル配線基板1が当該交点から破れ、配線3まで断線する危険性がある。また、図8に示した突出部5の場合には、折曲作業だけではなく、例えば端子2をコネクタ(不図示)に接続する際等に突出部5に触れることで、縁部1a及び/または1bと突出部5の境界点から破断が進行するという不具合も生じる。
上述の課題を克服するため、例えば特許文献1には図9Aに示した構成が提案されている。すなわち、同図において6はフレキシブル配線基板、2は端子電極2aと端子電極2aの間を絶縁する絶縁体2bとを有する端子、3は端子電極2aからフレキシブル配線基板6に電気的接続を担う複数の配線、7は配線3の配列方向に直交することで山折り箇所を示す帯状印刷部、8は配線3の配列方向に直交することで谷折り箇所を示す破線帯状印刷部である。この帯状印刷部7と破線帯状印刷部8とを備えることで、図9Bに示したようにフレキシブル配線基板6の折曲に際して破断することが抑制できると共に、折曲方向も特定できる。
なお、特許文献1に開示の構成は図10に示すような構成である。ずなわち、図10Aは図9Aと同じフレキシブル配線基板6の表面構造を示す平面図で、図10Bは図10AにおけるN−N線での断面構成を示す図で、9はフレキシブル配線基板6の表裏に備える絶縁フィルム、10は一方の主面に配線3を備える絶縁性基板、11は折曲による絶縁性基板10の歪を是正するため絶縁性基板10の厚み方向を除去することにより剥き出しになった配線3を保護する保護用樹脂、12は端子2を機械的に保護する保護板である。
特開平09−274446号公報
しかしながら、図10Bに示した帯状印刷部7及び破線帯状印刷部8でフレキシブル配線基板6を折り曲げると、図11に示したような構成となり、山折りで折り曲げる帯状印刷部7では、矢印P方向に引き延ばされることで帯状印刷部7に適用する印刷材がひび割れる危険性があり、谷折りで折り曲げる破線帯状印刷部8では、矢印Q方向に圧縮されることで破線帯状印刷部8に適用する印刷材が盛り上がりひび割れる危険性がある。これらひび割れに起因し、印刷材の破片や粉体が発生するとフレキシブル配線基板6に汚染を生じ、印刷材が例えば端子2とコネクタとの間に入り込み接続不良を引き起こす原因となる等、折曲方向と折曲量とに応じた印刷材の機械的物性を選択する必要がある。
また、この印刷材の機械的物性は、単に印刷材単独で決定できるものではなく、フレキシブル配線基板6自体の機械的特性、及び/または図10Bで説明した保護用樹脂11の材料選択にも依存するため、帯状印刷部7及び破線帯状印刷部8を備えるためには総合的な物性の把握が必要となる。
その上、図10及び図11に示した構成では絶縁性基板10を厚み方向に除去する工程、保護用樹脂11を塗布する工程、及び帯状印刷部7と破線帯状印刷部8も印刷する工程が必須となり、工程数が増加することでフレキシブル配線基板6の製造コストが増加する。
このような課題は、図10及び図11に示したように帯状印刷部7及び破線帯状印刷部8を絶縁フィルム9と配線3との間に備える構成ではさらに工程数が増加する。そこで、絶縁フィルム9の上に帯状印刷部7及び破線帯状印刷部8を備える構成では、上述の汚染等が生じ易くなることが想定されるだけでなく、絶縁フィルム9と印刷材との接着性も材料選択に対する一要素となる。
本発明は係る従来の課題に鑑み、簡単にかつ工程数を増加させることなく折曲箇所を特定するマークを付与できるフレキシブル配線基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、屈曲性絶縁基板の少なくとも一方の主面に備える導体により、所望のパターンによる配線が形成されたフレキシブル配線基板であって、前記屈曲性絶縁基板の対をなす縁部に、前記導体によって前記フレキシブル配線基板の折り曲げ箇所を特定する折曲マークをそれぞれ設けたものである。
この構成により、山折り及び/または谷折りの何れの折曲であっても、フレキシブル配線基板が破断することなく安全に、かつ、安価にしてフレキシブル配線基板の折曲げを可能にするもので、特に携帯機器等の小型・高密度の実装に適する。
ある。
ある。
次に、本発明のフレキシブル配線基板に係る最良の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態に係る構成要素において、フレキシブル配線基板として同じ機能を奏する構成要素については、同一符合を付与し重複する説明は割愛する場合がある。
図1Aは、本発明に係るフレキシブル配線基板(以下、FPCと称す)101の一実施形態の表面構成を示す平面図で、図1Bは同実施形態におけるFPC101の裏面構成を示す平面図である。これらの図面において、102は端子電極102aと絶縁体102bとを配列した端子、103は絶縁フィルム109と後述する屈曲性絶縁基板105との間に備えられ、端子電極102aからFPC101に電気的接続を担う複数の配線、104はFPC101を折り曲げる折曲マーク、105a及び105bはそれぞれ屈曲性絶縁基板105の縁部、112は端子102を補強する補強板である。
折曲マーク104は、屈曲性絶縁基板105の一方の縁部105a及び他方の縁部105bに、半円形形状で一対配置され、図2に示すように例えば折曲マーク104の中心線でFPC101は山折りに折り曲げられる。図3Aは図1Aと同じFPC101の表面構成を示す平面図で、L−L線での断面矢視図を図3Bに示す。同図においてFPC101は、屈曲性絶縁基板105の一方の面に配線103と折曲マーク104とを備え、屈曲性絶縁基板105、配線103及び折曲マーク104を絶縁フィルム109で覆った4層構成である。ここで折曲マーク104は配線103と同じ薄膜導電材(一般的には銅薄膜が適用される)で形成される。
すなわち、折曲マーク104は、屈曲性絶縁基板105の一方の面に成膜された薄膜導電材を、所望のパターンにて配線103の配列にエッチングする配線形成工程と同時進行により形成させることができるため、配線103の形成精度と同じ精度を有する。従って、折曲マーク104の形成には、図9及び10を参照して説明した従来の帯状印刷部7や破線帯状印刷部8のように形成専用の工程を必要とせず、しかもパターン形成精度に優れ、その上配線103と同一であるため折り曲げに際して印刷材の破片や粉体が発生することもなく、安価で再現性と安定性とに優れる。
次に、本発明のFPCにおける他の実施形態を、図4及び図5を参照して説明する。図4AはFPC113の表面構成を示す平面図、図4Bは同裏面構成を示す平面図である。同図において、106は図3における104と同様の折曲マークであり、屈曲性絶縁基板105における配線103の配列方向に直交する一対の縁部105a及び105bそれぞれに、薄膜導電材の表面折曲マーク106と裏面折曲マーク107とを備えている。また、屈曲性絶縁基板105の裏面(配線103の裏面)にはシールド配線108を備え、配線103に流れる電気信号に起因して発生する高周波成分を除去している。なお、図4A及び図4Bにおいて配線103及びシールド配線108をそれぞれ備えているが、各図における絶縁フィルム109と屈曲性絶縁基板105との間に配置された薄膜導電材のみを図示している。また、図4Bにおけるシールド配線108は、配線103の間隙の裏面に相当するシールド配線108aと、屈曲性絶縁基板105全体を覆うシールド配線108bとから成るが、シールド配線108a部分はFPC113を折り曲げる領域であるため、薄膜導電材による復元力を除去する構成としている。なお、シールド配線108bは屈曲性絶縁基板105全体を覆う薄膜導電材の構成として図示しているが、FPC113全体の屈曲性を向上させる等の目的によっては、面方向の形状は例えば網目状等適宜選択して採用することができる。図4AにおけるM−M線での断面矢視図が図5である。
同図に示すように、本実施形態では絶縁フィルム109、配線103及び表面折曲マーク106、屈曲性絶縁基板105、シールド配線108及び裏面折曲マーク107、絶縁フィルム109の5層構成を備えている。
本実施形態のFPC113によると、シールド配線108のシールド効果により配線103に流れる信号に起因するノイズが除去されるため信号品質が良好であると共に、表面折曲マーク106と裏面折曲マーク107との面方向の形状を変えることで表裏何れからでも折曲マークの判別が確実にでき、例えば折曲方向により折曲マーク形状を変えることにより誤作業を防止することもできる。
なお、本実施形態では、屈曲性絶縁基板105を挟んで表面側には配線103を、裏面側の導電材をシールド配線108として説明したが、裏面側の導電材は例えば配線103と同様に信号等を伝達する多層配線にも本実施形態のFPC113を適用することができる。
次に、本発明のFPCにおける別の実施形態を、図6を参照して説明する。図6Aは本実施形態のFPC114の表面構成を示す平面図で、図6BはFPC114を折り曲げた様子を説明する斜視図である。同図において、配線103の配列方向に直交する屈曲性絶縁基板105の縁部105a及び105bには、それぞれ2種類の折曲マーク110及び111を備えている。折曲マーク110と111との面方向の形状はそれぞれ相異ならせることで、図6Bに示すように半円形の折曲マーク110は山折り、三角形の折曲マーク111は谷折り等として折り曲げ方向で区別することができる。従って、FPC114を折り曲げる作業で誤作業を抑制することができる。
なお、本実施形態のFPCは例えば上述の実施形態と同様に表面折曲マークと裏面折曲マークとを備えてもよく、屈曲性絶縁基板105を介して対向する一対の折曲マークの面方向の形状を変えることにより、折曲に際して折り曲げ方向等の誤作業を抑制することができる。また、本実施形態では山折りの折曲マーク110は半円形で、谷折れ折り曲げマーク111は三角形状としたが、面方向の形状はこれに限定されることがないこと勿論である。
上述全ての実施形態における折曲マークは、配線103の配線パターン形成と同時に作成することができるため、従来の帯状印刷のように追加工程のように折曲マーク形成専用の工程を備える必要はなく、さらに帯状印刷に供する印刷材の粉末や破片等に起因する課題も克服することができる。さらに、本発明の折曲マークは屈曲性絶縁基板の縁部形状を変化することなく形成できるため、折曲マークを起点としたFPCの破断等の欠点も解消することができる。
また、上述の実施形態では4層構成と5層構成とについて説明したが、層数は限定されるものではなく、さらに多層構成であっても適用することができる。
さらに、上述の実施形態において一対の折曲マークは、屈曲性絶縁基板の縁を形成する辺に対して直交方向に配置した場合を取り上げ図示したが、折り曲げ方向に応じて折曲マークを結ぶ線と縁を形成する辺との角度は適宜設定できることは当然である。また、上述の実施形態において一対の折曲マークは配線を平行に配置した箇所に設けた構成を取り上げ図示したが、例えば配線と端子電極との近傍等の配線が湾曲している箇所でFPCを折り曲げる場合には、当該湾曲している配線を介して折り曲げマークを備えてもよい。すなわち、折曲マークは、屈曲性絶縁基板における複数の配線を介した縁部に備えればよい。
また、上述の実施形態における折曲角度は何れも90°の場合を例に挙げた図示をしたが、折曲角度は90°に限定されるものではなく、例えば適用する電子機器の実装に応じて自由に選択することができる。
本発明のフレキシブル配線基板は、折り曲げ方向を特定することができると共に、追加作業等を必要としないため、安価で安全な折り曲げ特性を備えるフレキシブル配線基板を提供でき、特に携帯機器等の小型・高密度の実装に適する。
101 フレキシブル配線基板
102 端子
103 配線
104 折曲マーク
105 屈曲性絶縁基板
109 絶縁フィルム
102 端子
103 配線
104 折曲マーク
105 屈曲性絶縁基板
109 絶縁フィルム
Claims (6)
- 屈曲性絶縁基板の少なくとも一方の主面に備える導体により、所望のパターンによる配線が形成されたフレキシブル配線基板であって、
前記屈曲性絶縁基板の対をなす縁部に、前記導体によって前記フレキシブル配線基板の折り曲げ箇所を特定する折曲マークをそれぞれ設けたことを特徴とするフレキシブル配線基板。 - 前記屈曲性絶縁基板の対をなす縁部に備えられる折曲マークは、前記フレキシブル配線基板の異なる折り曲げ箇所における折り曲げ方向を区別するために、その折り曲げ方向に応じて形状が異なる複数の折曲マークからなることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線基板。
- 屈曲性絶縁基板の両面に備えた導体により、所望のパターンによる配線がそれぞれ形成されたフレキシブル配線基板であって、
前記屈曲性絶縁基板の対をなす縁部に、前記屈曲性絶縁基板の両面の導体によって前記フレキシブル配線基板の折り曲げ箇所を特定する折曲マークを表裏両面にそれぞれ設けたことを特徴とするフレキシブル配線基板。 - 前記フレキシブル配線基板の折り曲げ箇所を特定する折曲マークの形状を、屈曲性絶縁基板の表面と裏面で異ならせたことを特徴とする請求項3に記載のフレキシブル配線基板。
- 屈曲性絶縁基板の両面に備えた導体のうち、一方の導体はシールド配線であることを特徴とする請求項3乃至請求項4に記載のフレキシブル配線基板。
- 屈曲性絶縁基板の表面と裏面に設けられた折曲マークの位置は、屈曲性絶縁基板を介して対向する対をなす位置であることを特徴とする請求項4乃至請求項5に記載のフレキシブル配線基板。
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