JP2009099487A - 非水系電解液およびそれを用いた非水系電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の非水系電解液は、常用の非水系電解液と同じく、電解質およびこれを溶解する非水系溶媒を含有する。
本発明の非水系電解液に含まれるリチウム塩に制限はなく、目的とする非水系電解液二次電池に電解質として用いられる公知のものを任意に採用することができる。
LiClO4、
LiAsF6、
LiPF6、
Li2CO3、
LiBF4、等の無機リチウム塩;
LiN(CF3SO2)2、
LiN(C2F5SO2)2、
LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)、
LiC(CF3SO2)3、
LiPF4(CF3)2、
LiPF4(C2F5)2、
LiPF4(CF3SO2)2、
LiPF4(C2F5SO2)2、
LiBF2(CF3)2、
LiBF2(C2F5)2、
LiBF2(CF3SO2)2、
LiBF2(C2F5SO2)2、等の含フッ素有機リチウム塩;
リチウムトリス(オキサラト)フォスフェート、
リチウムジフルオロオキサラトボレート、等の含ジカルボン酸錯体リチウム塩;
等が挙げられる。
iN(C2F5SO2)2、リチウムビス(オキサラト)ボレート等が好ましく、LiPF6またはLiBF4が特に好ましい。
本発明の非水系電解液が含有する非水系溶媒は、電池とした時に電池特性に対して悪影響を及ぼさない溶媒であれば特に制限されないが、以下に掲げる非水系電解液に用いられる溶媒の内の一種以上であることが好ましい。
鎖状および環状炭酸エステル、
鎖状および環状カルボン酸エステル、
鎖状および環状エーテル、
含リン有機溶媒、
含硫黄有機溶媒、等が挙げられる。
炭酸ジメチル、
炭酸エチルメチル、
炭酸ジエチル、
炭酸メチル−n−プロピル、
炭酸エチル−n−プロピル、
炭酸ジ−n−プロピル、等が挙げられる。
炭酸エチレン、
炭酸プロピレン、
炭酸ブチレン(2−エチル炭酸エチレン、シスおよびトランス2,3−ジメチル炭酸エチレン)、等が挙げられる。
更に、鎖状カルボン酸エステルの種類も制限はないが、具体的には、
酢酸メチル、
酢酸エチル、
酢酸−n−プロピル、
酢酸−i−プロピル、
酢酸−n−ブチル、
酢酸−i−ブチル、
酢酸−t−ブチル、
プロピオン酸メチル、
プロピオン酸エチル、
プロピオン酸−n−プロピル、
プロピオン酸−i−プロピル、
プロピオン酸−n−ブチル、
プロピオン酸−i−ブチル、
プロピオン酸−t−ブチル、等が挙げられる。
γ−ブチロラクトン、
γ−バレロラクトン、
δ−バレロラクトン、等が挙げられる。
ジメトキシメタン、
ジメトキシエタン、
ジエトキシメタン、
ジエトキシエタン、
エトキシメトキシメタン、
エトキシメトキシエタン、等が挙げられる。
テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン、
テトラヒドロピラン等が挙げられる。
エチレンサルファイト、
1,3−プロパンスルトン、
1,4−ブタンスルトン、
メタンスルホン酸メチル、
ブスルファン、
スルホラン、
スルホレン、
ジメチルスルホン、
ジフェニルスルホン、
メチルフェニルスルホン、
ジブチルジスルフィド、
ジシクロヘキシルジスルフィド、
テトラメチルチウラムモノスルフイド、
N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、
N,N−ジエチルメタンスルホンアミド、等が挙げられる。
本発明の非水系電解液は、一般式(1)で表される化合物を含有することが必須であるが、更に、モノフルオロリン酸塩および/またはジフルオロリン酸塩を含有していることが好ましく、また、不飽和結合およびハロゲン原子のうち少なくとも一方を有する炭酸エステルを含有していることも好ましい。すなわち、添加剤として、本発明の態様1では、一般式(1)で表される化合物、および「モノフルオロリン酸塩および/またはジフルオロリン酸塩」を含有する。また、本発明の態様2では、一般式(1)で表される化合物を、非水系電解液全体に対し0.001質量%〜5質量%含有し、かつ「不飽和結合およびハロゲン原子のうち少なくとも一方を有する炭酸エステル」を、非水系電解液全体に対し0.001質量%〜5質量%含有する。
本発明の非水系電解液は、態様1であっても態様2であっても何れも、下記の一般式(1)で表される化合物を必須成分として含有する。
等が挙げられる。
本発明において用いられる、モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩は、一以上のモノフルオロリン酸イオン、ジフルオロリン酸イオンおよびカチオンから形成されるものであれば、その種類には特に制限はないが、最終的に製造される非水系電解液が、それを用いる非水系電解液二次電池として使用可能である必要があることから、これに鑑みて選択される。
まず、本発明におけるモノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩が、モノフルオロリン酸イオン、ジフルオロリン酸イオンと特定金属イオンとの塩(以下、「モノフルオロリン酸金属塩」、「ジフルオロリン酸金属塩」等と略記する場合がある)である場合について説明する。
次いで、本発明におけるモノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩が、モノフルオロリン酸イオン、ジフルオロリン酸イオンと4級オニウムとの塩(以下、「モノフルオロリン酸4級オニウム塩」、「ジフルオロリン酸4級オニウム塩」等と略記する場合がある)である場合について説明する。
あり、具体的には、下記一般式(X)で表わされるカチオンが挙げられる。
シクロペンチル基、
2−メチルシクロペンチル基、
3−メチルシクロペンチル基、
2,2−ジメチルシクロペンチル基、
2,3−ジメチルシクロペンチル基、
2,4−ジメチルシクロペンチル基、
2,5−ジメチルシクロペンチル基、
3,3−ジメチルシクロペンチル基、
3,4−ジメチルシクロペンチル基、
2−エチルシクロペンチル基、
3−エチルシクロペンチル基、
シクロヘキシル基、
2−メチルシクロヘキシル基、
3−メチルシクロヘキシル基、
4−メチルシクロヘキシル基、
2,2−ジメチルシクロヘキシル基、
2,3−ジメチルシクロヘキシル基、
2,4−ジメチルシクロヘキシル基、
2,5−ジメチルシクロヘキシル基、
2,6−ジメチルシクロヘキシル基、
3,4−ジメチルシクロヘキシル基、
3,5−ジメチルシクロヘキシル基、
2−エチルシクロヘキシル基、
3−エチルシクロヘキシル基、
4−エチルシクロヘキシル基、
ビシクロ[3,2,1]オクタ−1−イル基、
ビシクロ[3,2,1]オクタ−2−イル基、等が挙げられる。
テトラメチルアンモニウム、
エチルトリメチルアンモニウム、
ジエチルジメチルアンモニウム、
トリエチルメチルアンモニウム、
テトラエチルアンモニウム、
テトラ−n−ブチルアンモニウム、等が挙げられる。
テトラメチルホスホニウム、
エチルトリメチルホスホニウム、
ジエチルジメチルホスホニウム、
トリエチルメチルホスホニウム、
テトラエチルホスホニウム、
テトラ−n−ブチルホスホニウム、等が挙げられる。
N,N−ジメチルピロリジウム、
N−エチル−N−メチルピロリジウム、
N,N−ジエチルピロリジウム、等が挙げられる。
モルホリニウム類の具体例としては、
N,N−ジメチルモルホリニウム、
N−エチル−N−メチルモルホリニウム、
N,N−ジエチルモルホリニウム、等が挙げられる。
イミダゾリニウム類の具体例としては、
N,N’−ジメチルイミダゾリニウム、
N−エチル−N’−メチルイミダゾリニウム、
N,N’−ジエチルイミダゾリニウム、
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、等が挙げられる。
N,N’−ジメチルテトラヒドロピリミジニウム、
N−エチル−N’−メチルテトラヒドロピリミジニウム、
N,N’−ジエチルテトラヒドロピリミジニウム、
1,2,3−トリメチルテトラヒドロピリミジニウム、等が挙げられる。
ピペラジニウム類の具体例としては、
N,N,N’,N’−テトラメチルピペラジニウム、
N−エチル−N,N’,N’−トリメチルピペラジニウム、
N,N−ジエチル−N’,N’−ジメチルピペラジニウム、
N,N,N’−トリエチル−N’−メチルピペラジニウム、
N,N,N’,N’−テトラエチルピペラジニウム、等が挙げられる。
N,N−ジメチルピペリジニウム、
N−エチル−N−メチルピペリジニウム、
N,N−ジエチルピペリジニウム、等が挙げられる。
N−メチルピリジニウム、
N−エチルピリジニウム、
1,2−ジメチルピリミジニウム、
1,3−ジメチルピリミジニウム、
1,4−ジメチルピリミジニウム、
1−エチル−2−メチルピリミジニウム、等が挙げられる。
イミダゾリウム類の具体例としては、
N,N’−ジメチルイミダゾリウム、
N−エチル−N’−メチルイミダゾリウム、
N,N’−ジエチルイミダゾリウム、
1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物、モノフルオロリン酸塩やジフルオロリン酸塩以外の添加剤として、不飽和結合およびハロゲン原子のうち少なくとも一方を有する炭酸エステル(以下、「特定炭酸エステル」と略記する場合がある)を加えることが態様1では好ましく、態様2では必須である。特定炭酸エステルを含有させると過充電防止効果があり、また、高温保存後の容量維持特性、サイクル特性等を改善することができる。
本発明に係る特定炭酸エステルのうち、不飽和結合を有する炭酸エステル(以下、「不飽和炭酸エステル」と略記する場合がある)としては、炭素−炭素二重結合や炭素−炭素三重結合等の炭素−炭素不飽和結合を有する炭酸エステルであればその他に制限はなく、任意の不飽和炭酸エステルを用いることができる。なお、芳香環を有する炭酸エステルも、不飽和結合を有する炭酸エステルに含まれるものとする。
4,5−ジメチル炭酸ビニレン、フェニル炭酸ビニレン、4,5−ジフェニル炭酸ビニレン等が挙げられる。
特定炭酸エステルのうち、ハロゲン原子を有する炭酸エステル(以下、「ハロゲン化炭酸エステル」と略記する場合がある)としては、ハロゲン原子を有するものであれば、その他に特に制限はなく、任意のハロゲン化炭酸エステルを用いることができる。
フルオロ炭酸エチレン、
クロロ炭酸エチレン、
4,4−ジフルオロ炭酸エチレン、
4,5−ジフルオロ炭酸エチレン、
4,4−ジクロロ炭酸エチレン、
4,5−ジクロロ炭酸エチレン、
4−フルオロ−4−メチル炭酸エチレン、
4−クロロ−4−メチル炭酸エチレン、
4,5−ジフルオロ−4−メチル炭酸エチレン、
4,5−ジクロロ−4−メチル炭酸エチレン、
4−フルオロ−5−メチル炭酸エチレン、
4−クロロ−5−メチル炭酸エチレン、
4,4−ジフルオロ−5−メチル炭酸エチレン、
4,4−ジクロロ−5−メチル炭酸エチレン、
4−(フルオロメチル)−炭酸エチレン、
4−(クロロメチル)−炭酸エチレン、
4−(ジフルオロメチル)−炭酸エチレン、
4−(ジクロロメチル)−炭酸エチレン、
4−(トリフルオロメチル)−炭酸エチレン、
4−(トリクロロメチル)−炭酸エチレン、
4−(フルオロメチル)−4−フルオロ炭酸エチレン、
4−(クロロメチル)−4−クロロ炭酸エチレン、
4−(フルオロメチル)−5−フルオロ炭酸エチレン、
4−(クロロメチル)−5−クロロ炭酸エチレン、
4−フルオロ−4,5−ジメチル炭酸エチレン、
4−クロロ−4,5−ジメチル炭酸エチレン、
4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチル炭酸エチレン、
4,5−ジクロロ−4,5−ジメチル炭酸エチレン、
4,4−ジフルオロ−5,5−ジメチル炭酸エチレン、
4,4−ジクロロ−5,5−ジメチル炭酸エチレン、等が挙げられる。
炭酸フルオロメチルメチル、
炭酸ジフルオロメチルメチル、
炭酸トリフルオロメチルメチル、
炭酸ビス(フルオロメチル)、
炭酸ビス(ジフルオロ)メチル、
炭酸ビス(トリフルオロ)メチル、
炭酸クロロメチルメチル、
炭酸ジクロロメチルメチル、
炭酸トリクロロメチルメチル、
炭酸ビス(クロロメチル)、
炭酸ビス(ジクロロ)メチル、
炭酸ビス(トリクロロ)メチル、等が挙げられる。
炭酸2−フルオロエチルメチル、
炭酸エチルフルオロメチル、
炭酸2,2−ジフルオロエチルメチル、
炭酸2−フルオロエチルフルオロメチル、
炭酸エチルジフルオロメチル、
炭酸2,2,2−トリフルオロエチルメチル、
炭酸2,2−ジフルオロエチルフルオロメチル、
炭酸2−フルオロエチルジフルオロメチル、
炭酸エチルトリフルオロメチル、
炭酸2−クロロエチルメチル、
炭酸エチルクロロメチル、
炭酸2,2−ジクロロエチルメチル、
炭酸2−クロロエチルクロロメチル、
炭酸エチルジクロロメチル、
炭酸2,2,2−トリクロロエチルメチル、
炭酸2,2−ジクロロエチルクロロメチル、
炭酸2−クロロエチルジクロロメチル、
炭酸エチルトリクロロメチル、等が挙げられる。
炭酸エチル−(2−フルオロエチル)、
炭酸エチル−(2,2−ジフルオロエチル)、
炭酸ビス(2−フルオロエチル)、
炭酸エチル−(2,2,2−トリフルオロエチル)、
炭酸2,2−ジフルオロエチル−2’−フルオロエチル、
炭酸ビス(2,2−ジフルオロエチル)、
炭酸2,2,2−トリフルオロエチル−2’−フルオロエチル、
炭酸2,2,2−トリフルオロエチル−2’,2’−ジフルオロエチル、
炭酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)、
炭酸エチル−(2−クロロエチル)、
炭酸エチル−(2,2−ジクロロエチル)、
炭酸ビス(2−クロロエチル)、
炭酸エチル−(2,2,2−トリクロロエチル)、
炭酸2,2−ジクロロエチル−2’−クロロエチル、
炭酸ビス(2,2−ジクロロエチル)、
炭酸2,2,2−トリクロロエチル−2’−クロロエチル、
炭酸2,2,2−トリクロロエチル−2’,2’−ジクロロエチル、
炭酸ビス(2,2,2−トリクロロエチル)、等が挙げられる。
更に、特定炭酸エステルとしては、不飽和結合とハロゲン原子とを共に有する炭酸エステル(以下、「ハロゲン化不飽和炭酸エステル」と略記する場合がある)を用いることも好ましい。ハロゲン化不飽和炭酸エステルとしては、特に制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意のハロゲン化不飽和炭酸エステルを用いることができる。
フルオロ炭酸ビニレン、
4−フルオロ−5−メチル炭酸ビニレン、
4−フルオロ−5−フェニル炭酸ビニレン、
クロロ炭酸ビニレン、
4−クロロ−5−メチル炭酸ビニレン、
4−クロロ−5−フェニル炭酸ビニレン、等が挙げられる。
4−フルオロ−4−ビニル炭酸エチレン、
4−フルオロ−5−ビニル炭酸エチレン、
4,4−ジフルオロ−4−ビニル炭酸エチレン、
4,5−ジフルオロ−4−ビニル炭酸エチレン、
4−クロロ−5−ビニル炭酸エチレン、
4,4−ジクロロ−4−ビニル炭酸エチレン、
4,5−ジクロロ−4−ビニル炭酸エチレン、
4−フルオロ−4,5−ジビニル炭酸エチレン、
4,5−ジフルオロ−4,5−ジビニル炭酸エチレン、
4−クロロ−4,5−ジビニル炭酸エチレン、
4,5−ジクロロ−4,5−ジビニル炭酸エチレン、
4−フルオロ−4−フェニル炭酸エチレン、
4−フルオロ−5−フェニル炭酸エチレン、
4,4−ジフルオロ−5−フェニル炭酸エチレン、
4,5−ジフルオロ−4−フェニル炭酸エチレン、
4−クロロ−4−フェニル炭酸エチレン、
4−クロロ−5−フェニル炭酸エチレン、
4,4−ジクロロ−5−フェニル炭酸エチレン、
4,5−ジクロロ−4−フェニル炭酸エチレン、
4,5−ジフルオロ−4,5−ジフェニル炭酸エチレン、
4,5−ジクロロ−4,5−ジフェニル炭酸エチレン、等が挙げられる。
炭酸フルオロメチルフェニル、
炭酸2−フルオロエチルフェニル、
炭酸2,2−ジフルオロエチルフェニル、
炭酸2,2,2−トリフルオロエチルフェニル、
炭酸クロロメチルフェニル、
炭酸2−クロロエチルフェニル、
炭酸2,2−ジクロロエチルフェニル、
炭酸2,2,2−トリクロロエチルフェニル、等が挙げられる。
炭酸フルオロメチルビニル、
炭酸2−フルオロエチルビニル、
炭酸2,2−ジフルオロエチルビニル、
炭酸2,2,2−トリフルオロエチルビニル、
炭酸クロロメチルビニル、
炭酸2−クロロエチルビニル、
炭酸2,2−ジクロロエチルビニル、
炭酸2,2,2−トリクロロエチルビニル、等が挙げられる。
炭酸フルオロメチルアリル、
炭酸2−フルオロエチルアリル、
炭酸2,2−ジフルオロエチルアリル、
炭酸2,2,2−トリフルオロエチルアリル、
炭酸クロロメチルアリル、
炭酸2−クロロエチルアリル、
炭酸2,2−ジクロロエチルアリル、
炭酸2,2,2−トリクロロエチルアリル、等が挙げられる。
更に、本発明の非水系電解液には、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、過充電防止剤、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を改善するための助剤等の「その他の添加剤」を含有していてもよい。その他の添加剤としては、従来公知のものを任意に用いることができる。
過充電防止剤の具体例としては、
トルエン、キシレン、等のトルエン誘導体;
ビフェニル、2−メチルビフェニル、3−メチルビフェニル4−メチルビフェニル等の無置換あるいはアルキル基で置換されたビフェニル誘導体;
o−ターフェニルm−ターフェニル、p−ターフェニル等の無置換あるいはアルキル基で置換されたターフェニル誘導体;
無置換あるいはアルキル基で置換されたターフェニル誘導体の部分水素化物;
シクロペンチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等のシクロアルキルベンゼン誘導体;
クメン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン等のベンゼン環に直接結合する第3級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体;
t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、t−ヘキシルベンゼン等のベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体;
ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の酸素原子を有する芳香族化合物;
等の芳香族化合物が挙げられる。
フルオロベンゼン、フルオロトルエン、ベンゾトリフルオリド、2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;
2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、1,6−ジフルオロアニオール、等の含フッ素アニソール化合物;
等も挙げられる。
トルエン誘導体とビフェニル誘導体;
トルエン誘導体とターフェニル誘導体;
トルエン誘導体とターフェニル誘導体の部分水素化物;
トルエン誘導体とシクロアルキルベンゼン誘導体;
トルエン誘導体とベンゼン環に直接結合する第3級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体;
トルエン誘導体とベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体;
トルエン誘導体と酸素原子を有する芳香族化合物;
トルエン誘導体と芳香族化合物の部分フッ素化物;
トルエン誘導体と含フッ素アニソール化合物;
ビフェニル誘導体とターフェニル誘導体の部分水素化物;
ビフェニル誘導体とシクロアルキルベンゼン誘導体;
ビフェニル誘導体とベンゼン環に直接結合する第3級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体;
ビフェニル誘導体とベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体;
ビフェニル誘導体と酸素原子を有する芳香族化合物;
ビフェニル誘導体と芳香族化合物の部分フッ素化物;
ビフェニル誘導体と含フッ素アニソール化合物;
ターフェニル誘導体とシクロアルキルベンゼン誘導体;
ターフェニル誘導体とベンゼン環に直接結合する第3級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体;
ターフェニル誘導体とベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体;
ターフェニル誘導体と酸素原子を有する芳香族化合物;
ターフェニル誘導体と芳香族化合物の部分フッ素化物;
ターフェニル誘導体と含フッ素アニソール化合物;
ターフェニル誘導体の部分水素化物とシクロアルキルベンゼン誘導体;
ターフェニル誘導体の部分水素化物とベンゼン環に直接結合する第3級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体;
ターフェニル誘導体の部分水素化物とベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体;
ターフェニル誘導体の部分水素化物と酸素原子を有する芳香族化合物;
ターフェニル誘導体の部分水素化物と芳香族化合物の部分フッ素化物;
ターフェニル誘導体の部分水素化物と含フッ素アニソール化合物;
シクロアルキルベンゼン誘導体とベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体;
シクロアルキルベンゼン誘導体と酸素原子を有する芳香族化合物;
シクロアルキルベンゼン誘導体と芳香族化合物の部分フッ素化物;
シクロアルキルベンゼン誘導体と含フッ素アニソール化合物;
ベンゼン環に直接結合する第3級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体と酸素原子を有する芳香族化合物;
ベンゼン環に直接結合する第3級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体と芳香族化合物の部分フッ素化物;
ベンゼン環に直接結合する第3級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体と含フッ素アニソール化合物;
ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体と酸素原子を有する芳香族化合物;
ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体と芳香族化合物の部分フッ素化物;
ベンゼン環に直接結合する第4級炭素を有するアルキルベンゼン誘導体と含フッ素アニソール化合物;
酸素原子を有する芳香族化合物と含フッ素アニソール化合物;
が挙げられる。
ビフェニルとo−ターフェニルとの組合せ、
ビフェニルとm−ターフェニルとの組合せ、
ビフェニルとターフェニル誘導体の部分水素化物との組合せ、
ビフェニルとクメンとの組合せ、
ビフェニルとシクロペンチルベンゼンとの組合せ、
ビフェニルとシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ビフェニルとt−ブチルベンゼンとの組合せ、
ビフェニルとt−アミルベンゼンとの組合せ、
ビフェニルとジフェニルエーテルとの組合せ、
ビフェニルとジベンゾフランとの組合せ、
ビフェニルとフルオロベンゼンとの組合せ、
ビフェニルとベンゾトリフルオリドとの組合せ、
ビフェニルと2−フルオロビフェニルとの組合せ、
ビフェニルとo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ビフェニルとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ビフェニルと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
o−ターフェニルとクメンとの組合せ、
o−ターフェニルとシクロペンチルベンゼンとの組合せ、
o−ターフェニルとシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
o−ターフェニルとt−ブチルベンゼンとの組合せ、
o−ターフェニルとt−アミルベンゼンとの組合せ、
o−ターフェニルとジフェニルエーテルとの組合せ、
o−ターフェニルとジベンゾフランとの組合せ、
o−ターフェニルとフルオロベンゼンとの組合せ、
o−ターフェニルとベンゾトリフルオリドとの組合せ、
o−ターフェニルと2−フルオロビフェニルとの組合せ、
o−ターフェニルとo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
o−ターフェニルとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
o−ターフェニルと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
m−ターフェニルとクメンとの組合せ、
m−ターフェニルとシクロペンチルベンゼンとの組合せ、
m−ターフェニルとシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
m−ターフェニルとt−ブチルベンゼンとの組合せ、
m−ターフェニルとt−アミルベンゼンとの組合せ、
m−ターフェニルとジフェニルエーテルとの組合せ、
m−ターフェニルとジベンゾフランとの組合せ、
m−ターフェニルとフルオロベンゼンとの組合せ、
m−ターフェニルとベンゾトリフルオリドとの組合せ、
m−ターフェニルと2−フルオロビフェニルとの組合せ、
m−ターフェニルとo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
m−ターフェニルとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
m−ターフェニルと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物とシクロペンチルベンゼンとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物とシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物とt−ブチルベンゼンとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物とt−アミルベンゼンとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物とジフェニルエーテルとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物とジベンゾフランとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物とフルオロベンゼンとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物とベンゾトリフルオリドとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物と2−フルオロビフェニルとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物とo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物とp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ターフェニル誘導体の部分水素化物と2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
クメンとシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
クメンとt−ブチルベンゼンとの組合せ、
クメンとt−アミルベンゼンとの組合せ、
クメンとジフェニルエーテルとの組合せ、
クメンとジベンゾフランとの組合せ、
クメンとフルオロベンゼンとの組合せ、
クメンとベンゾトリフルオリドとの組合せ、
クメンと2−フルオロビフェニルとの組合せ、
クメンとo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
クメンとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
クメンと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
シクロヘキシルベンゼンとt−アミルベンゼンとの組合せ、
シクロヘキシルベンゼンとジフェニルエーテルとの組合せ、
シクロヘキシルベンゼンとジベンゾフランとの組合せ、
シクロヘキシルベンゼンとフルオロベンゼンとの組合せ、
シクロヘキシルベンゼンとベンゾトリフルオリドとの組合せ、
シクロヘキシルベンゼンと2−フルオロビフェニルとの組合せ、
シクロヘキシルベンゼンとo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
シクロヘキシルベンゼンとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
シクロヘキシルベンゼンと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
t−ブチルベンゼンとジフェニルエーテルとの組合せ、
t−ブチルベンゼンとジベンゾフランとの組合せ、
t−ブチルベンゼンとフルオロベンゼンとの組合せ、
t−ブチルベンゼンとベンゾトリフルオリドとの組合せ、
t−ブチルベンゼンと2−フルオロビフェニルとの組合せ、
t−ブチルベンゼンとo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
t−ブチルベンゼンとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
t−ブチルベンゼンと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
t−アミルベンゼンとジベンゾフランとの組合せ、
t−アミルベンゼンとフルオロベンゼンとの組合せ、
t−アミルベンゼンとベンゾトリフルオリドとの組合せ、
t−アミルベンゼンと2−フルオロビフェニルとの組合せ、
t−アミルベンゼンとo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
t−アミルベンゼンとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
t−アミルベンゼンと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
ジフェニルエーテルとフルオロベンゼンとの組合せ、
ジフェニルエーテルとベンゾトリフルオリドとの組合せ、
ジフェニルエーテルと2−フルオロビフェニルとの組合せ、
ジフェニルエーテルとo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ジフェニルエーテルとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ジフェニルエーテルと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
ジベンゾフランとベンゾトリフルオリドとの組合せ、
ジベンゾフランと2−フルオロビフェニルとの組合せ、
ジベンゾフランとo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ジベンゾフランとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ジベンゾフランと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
フルオロベンゼンと2−フルオロビフェニルとの組合せ、
フルオロベンゼンとo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
フルオロベンゼンとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
フルオロベンゼンと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
ベンゾトリフルオリドとo−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ベンゾトリフルオリドとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
ベンゾトリフルオリドと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
2−フルオロビフェニルとp−フルオロシクロヘキシルベンゼンとの組合せ、
2−フルオロビフェニルと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
o−フルオロシクロヘキシルベンゼンと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
p−フルオロシクロヘキシルベンゼンと2,4−ジフルオロアニソールとの組合せ、
等が挙げられる。
コハク酸、マレイン酸、フタル酸等のジカルボン酸の無水物;
エリスリタンカーボネート、スピロービスージメチレンカーボネート等の特定カーボネートに該当するもの以外のカーボネート化合物;
エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジブチルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフイド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物;
1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;
フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド、等の含フッ素芳香族化合物、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリフェニル、等のリン酸エステル類;
亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、等の亜リン酸エステル類;
トリメチルホスフィンオキシド、トリエチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド類等の燐含有化合物、
等が挙げられる。
本発明の非水系電解液二次電池は、イオンを吸蔵および放出し得る負極および正極と前記の本発明非水系電解液とを備えるものである。
<2−1>電池構成
本発明の非水系電解液二次電池は、負極および非水系電解液以外の構成については、従来公知の非水系電解液二次電池と同様であり、通常は、本発明の非水系電解液が含浸されている多孔膜(セパレータ)を介して正極と負極とが積層され、これらがケース(外装体)に収納された形態を有する。従って、本発明の非水系電解液二次電池の形状は特に制限されるものではなく、円筒型、角形、ラミネート型、コイン型、大型等のいずれであってもよい。
本発明の非水系電解液二次電池に用いられる非水系電解液は上述のものである。
以下に負極に使用される負極活物質について述べる。負極活物質としては、電気化学的にイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限はない。その具体例としては、炭素質材料、合金系材料、リチウム含有金属複合酸化物材料等が挙げられる。
負極活物質として用いられる炭素質材料としては、
(1)天然黒鉛、
(2)人造炭素質物質並びに人造黒鉛質物質を400から3200℃の範囲で1回以上熱処理した炭素質材料、
(3)負極活物質層が少なくとも2種類以上の異なる結晶性を有する炭素質から成り立ちかつ/またはその異なる結晶性の炭素質が接する界面を有している炭素質材料、
(4)負極活物質層が少なくとも2種類以上の異なる配向性を有する炭素質から成り立ちかつ/またはその異なる配向性の炭素質が接する界面を有している炭素質材料、
から選ばれるものが初期不可逆容量、高電流密度充放電特性のバランスが良く好ましい。また、(1)〜(4)の炭素質材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
炭素質材料についての性質や炭素質材料を含有する負極電極および電極化手法、集電体、非水系電解液二次電池については、次に示す(1)〜(18)の何れか1項または複数項を同時に満たしていることが望ましい。
炭素質材料の学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)が、通常0.335〜0.340nmであり、特に0.335〜0.338nm、とりわけ0.335〜0.337nmであるものが好ましい。また、学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)は、通常1.0nm以上、好ましくは1.5nm以上、特に好ましくは2nm以上である。
炭素質材料中に含まれる灰分は、炭素質材料の全質量に対して、1質量%以下、中でも0.5質量%以下、特に0.1質量%以下が好ましく、下限としては1ppm以上であることが好ましい。灰分の質量割合が上記の範囲を上回ると、充放電時の非水系電解液との反応による電池性能の劣化が無視できなくなる場合がある。また、上記範囲を下回ると、製造に多大な時間とエネルギーと汚染防止のための設備とを必要とし、コストが上昇する場合がある。
炭素質材料の体積基準平均粒径は、レーザー回折・散乱法により求めた体積基準の平均粒径(メジアン径)が、通常1μm以上であり、3μm以上が好ましく、5μm以上が更に好ましく、7μm以上が特に好ましく、また、通常100μm以下であり、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下が更に好ましく、25μm以下が特に好ましい。体積基準平均粒径が上記範囲を下回ると、不可逆容量が増大して、初期の電池容量の損失を招くことになる場合がある。また、上記範囲を上回ると、塗布により電極を作製する際に、不均一な塗面になりやすく、電池製作工程上望ましくない場合がある。
炭素質材料のラマンR値は、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトル法を用いて測定した値が、通常0.01以上であり、0.03以上が好ましく、0.1以上が更に好ましく、また、通常1.5以下であり、1.2以下が好ましく、1以下が更に好ましく、0.5以下が特に好ましい。
・アルゴンイオンレーザー波長 :514.5nm
・試料上のレーザーパワー :15〜25mW
・分解能 :10〜20cm−1
・測定範囲 :1100cm−1〜1730cm−1
・ラマンR値、ラマン半値幅解析:バックグラウンド処理
・スムージング処理 :単純平均、コンボリューション5ポイント
炭素質材料のBET比表面積は、BET法を用いて測定した比表面積の値が、通常0.1m2・g−1以上であり、0.7m2・g−1以上が好ましく、1.0m2・g−1以上が更に好ましく、1.5m2・g−1以上が特に好ましく、また、通常100m2・g−1以下であり、25m2・g−1以下が好ましく、15m2・g−1以下が更に好ましく、10m2・g−1以下が特に好ましい。
炭素質材料の細孔径分布は、水銀圧入量の測定することによって算出される。水銀ポロシメトリー(水銀圧入法)を用いることで、炭素質材料の粒子内の空隙、粒子表面のステップによる凹凸、および粒子間の接触面等による細孔が、直径0.01μm以上1μm以下の細孔に相当すると測定される炭素質材料が、通常0.01cm3・g−1以上、好ましくは0.05cm3・g−1以上、より好ましくは0.1cm3・g−1以上、また、通常0.6cm3・g−1以下、好ましくは0.4cm3・g−1以下、より好ましくは0.3cm3・g−1以下の細孔径分布を有することが望ましい。
炭素質材料の球形の程度として円形度を測定した場合、以下の範囲に収まることが好ましい。なお、円形度は、「円形度=(粒子投影形状と同じ面積を持つ相当円の周囲長)/(粒子投影形状の実際の周囲長)」で定義され、円形度が1のときに理論的真球となる。
炭素質材料の真密度は、通常1.4g・cm−3以上であり、1.6g・cm−3以上が好ましく、1.8g・cm−3以上が更に好ましく、2.0g・cm−3以上が特に好ましく、また、通常2.26g・cm−3以下である。真密度が、上記範囲を下回ると炭素の結晶性が低すぎて初期不可逆容量が増大する場合がある。なお、上記範囲の上限は、黒鉛の真密度の理論上限値である。
炭素質材料のタップ密度は、通常0.1g・cm−3以上であり、0.5g・cm−3以上が好ましく、0.7g・cm−3以上が更に好ましく、1g・cm−3以上が特に好ましく、また、2g・cm−3以下が好ましく、1.8g・cm−3以下が更に好ましく、1.6g・cm−3以下が特に好ましい。
炭素質材料の配向比は、通常0.005以上であり、0.01以上が好ましく、0.015以上が更に好ましく、また、通常0.67以下である。配向比が、上記範囲を下回ると、高密度充放電特性が低下する場合がある。なお、上記範囲の上限は、炭素質材料の配向比の理論上限値である。
・ターゲット:Cu(Kα線)グラファイトモノクロメーター
・スリット :
発散スリット=0.5度
受光スリット=0.15mm
散乱スリット=0.5度
・測定範囲およびステップ角度/計測時間:
(110)面:75度≦2θ≦80度 1度/60秒
(004)面:52度≦2θ≦57度 1度/60秒
炭素質材料のアスペクト比は、通常1以上、また、通常10以下であり、8以下が好ましく、5以下が更に好ましい。アスペクト比が、上記範囲を上回ると、極板化時にスジ引きや、均一な塗布面が得られず、高電流密度充放電特性が低下する場合がある。なお、上記範囲の下限は、炭素質材料のアスペクト比の理論下限値である。
副材混合とは、負極電極中および/または負極活物質中に性質の異なる炭素質材料が2種以上含有していることである。ここでいう性質とは、X線回折パラメータ、メジアン径、アスペクト比、BET比表面積、配向比、ラマンR値、タップ密度、真密度、細孔分布、円形度、灰分量の群から選ばれる1つ以上の特性を示す。
電極の製造は、本発明の効果を著しく制限しない限り、公知の何れの方法を用いることができる。例えば、負極活物質に、バインダー、溶媒、必要に応じて、増粘剤、導電材、充填材等を加えてスラリーとし、これを集電体に塗布、乾燥した後にプレスすることによって形成することができる。
負極活物質を保持させる集電体としては、公知のものを任意に用いることができる。負極の集電体としては、例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料が挙げられるが、加工し易さとコストの点から特に銅が好ましい。
(14−1)平均表面粗さ(Ra)
JISB0601−1994に記載の方法で規定される集電体基板の負極活物質薄膜形成面の平均表面粗さ(Ra)は、特に制限されないが、通常0.05μm以上であり、0.1μm以上が好ましく、0.15μm以上が更に好ましく、また、通常1.5μm以下であり、1.3μm以下が好ましく、1.0μm以下が更に好ましい。集電体基板の平均表面粗さ(Ra)が、上記の範囲内であると、良好な充放電サイクル特性が期待できるためである。また、負極活物質薄膜との界面の面積が大きくなり、負極活物質薄膜との密着性が向上する。なお、平均表面粗さ(Ra)の上限値は特に制限されるものではないが、平均表面粗さ(Ra)が1.5μmを超えるものは電池として実用的な厚みの箔としては一般に入手しにくいため、1.5μm以下のものが通常用いられる。
引張強度とは、試験片が破断に至るまでに要した最大引張力を、試験片の断面積で割ったものである。本発明における引張強度は、JISZ2241(金属材料引張試験方法)に記載と同様な装置および方法で測定される。
0.2%耐力とは、0.2%の塑性(永久)歪みを与えるに必要な負荷の大きさであり、この大きさの負荷を加えた後に除荷しても0.2%変形していることを意味している。0.2%耐力は、引張り強度と同様な装置および方法で測定される。
集電体の厚さは任意であるが、通常1μm以上であり、3μm以上が好ましく、5μm以上が更に好ましく、また、通常1mm以下であり、100μm以下が好ましく、50μm以下が更に好ましい。金属皮膜の厚さが、1μmより薄くなると、強度が低下するため塗布が困難となる場合がある。また、100μmより厚くなると、捲回等の電極の形を変形させる場合がある。なお、集電体は、メッシュ状でもよい。
集電体と負極活物質層の厚さの比は特には限定されないが、「(非水系電解液注液直前の片面の負極活物質層厚さ)/(集電体の厚さ)」の値が、150以下が好ましく、20以下が更に好ましく、10以下が特に好ましく、また、0.1以上が好ましく、0.4以上が更に好ましく、1以上が特に好ましい。
負極活物質を電極化した際の電極構造は特には限定されないが、集電体上に存在している負極活物質の密度は、1g・cm−3以上が好ましく、1.2g・cm−3以上が更に好ましく、1.3g・cm−3以上が特に好ましく、また、2g・cm−3以下が好ましく、1.9g・cm−3以下がより好ましく、1.8g・cm−3以下が更に好ましく、1.7g・cm−3以下が特に好ましい。集電体上に存在している負極活物質の密度が、上記範囲を上回ると、負極活物質粒子が破壊され、初期不可逆容量の増加や、集電体/負極活物質界面付近への非水系電解液の浸透性低下による高電流密度充放電特性悪化を招く場合がある。また、上記範囲を下回ると、負極活物質間の導電性が低下し、電池抵抗が増大し、単位容積当たりの容量が低下する場合がある。
負極活物質を結着するバインダーとしては、非水系電解液や電極製造時に用いる溶媒に対して安定な材料であれば、特に制限されない。
極板配向比は、通常0.001以上であり、0.005以上が好ましく、0.01以上が更に好ましく、また、通常0.67以下である。極板配向比が、上記範囲を下回ると、高密度充放電特性が低下する場合がある。なお、上記範囲の上限は、炭素質材料の極板配向比の理論上限値である。
・ターゲット:Cu(Kα線)グラファイトモノクロメーター
・スリット :発散スリット=1度、受光スリット=0.1mm、散乱スリット=1度
・測定範囲、および、ステップ角度/計測時間:
(110)面:76.5度≦2θ≦78.5度 0.01度/3秒
(004)面:53.5度≦2θ≦56.0度 0.01度/3秒
・試料調製 :硝子板に0.1mm厚さの両面テープで電極を固定
放電状態から公称容量の60%まで充電した時の負極の抵抗は、100Ω以下が好ましく、50Ω以下が更に好ましく、20Ω以下が特に好ましく、および/または二重層容量が1×10-6F以上が好ましく、1×10-5F以上が更に好ましく、1×10-4Fが特に好ましい。上記範囲の負極電極を用いると出力特性が良く好ましいためである。
負極板の面積は特に限定されるものではないが、対向する正極板よりもわずかに大きくして正極板が負極板から外にはみ出すことがないように設計することが好ましい。充放電を繰り返したサイクルの寿命や高温保存による劣化を抑制する観点から、できる限り正極に等しい面積に近づけることが、より均一かつ有効に働く電極割合を高めて特性が向上するので好ましい。特に、大電流で使用される場合には、この電極面積の設計が重要である。
負極板の厚さは用いられる正極板に合わせて設計されるものであり、特に限定されるものではないが、芯材の金属箔厚さを差し引いた合材層の厚さは通常15μm以上、好ましくは20μm以上、より好ましくは30μm以上、また、通常150μm以下、好ましくは120μm以下、より好ましくは100μm以下が望ましい。
負極活物質として用いられる合金系材料としては、リチウムを吸蔵・放出可能であれば、リチウム合金を形成する単体金属および合金、またはそれらの酸化物・炭化物・窒化物・珪化物・硫化物・燐化物等の化合物のいずれであっても特に限定はされない。
・珪素および/または錫と酸素との元素比が通常0.5以上であり、好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.9以上、また、通常1.5以下であり、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.1以下の珪素および/または錫の酸化物。
・珪素および/または錫と窒素との元素比が通常0.5以上であり、好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.9以上、また、通常1.5以下であり、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.1以下の珪素および/または錫の窒化物。
・珪素および/または錫と炭素との元素比が通常0.5以上であり、好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.9以上、また、通常1.5以下であり、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.1以下の珪素および/または錫の炭化物。
負極活物質層を形成するためのスラリーは、通常は負極材に対して結着剤、増粘剤等を加えて作製される。なお、本明細書における「負極材」とは、負極活物質と導電材とを合わせた材料を指すものとする。
[一般式(2)中、Mは、Na、K、Co、Al、Fe、Ti、Mg、Cr、Ga、Cu、ZnおよびNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表わす。]
(a)1.2≦x≦1.4、1.5≦y≦1.7、z=0
(b)0.9≦x≦1.1、1.9≦y≦2.1、z=0
(c)0.7≦x≦0.9、2.1≦y≦2.3、z=0
の構造が、電池性能のバランスが良好なため特に好ましい。
負極活物質として用いられるリチウムチタン複合酸化物のBET比表面積は、BET法を用いて測定した比表面積の値が、0.5m2・g−1以上が好ましく、0.7m2・g−1以上がより好ましく、1.0m2・g−1以上が更に好ましく、1.5m2・g−1以上が特に好ましく、また、200m2・g−1以下が好ましく、100m2・g−1以下がより好ましく、50m2・g−1以下が更に好ましく、25m2・g−1以下が特に好ましい。
リチウムチタン複合酸化物の体積基準平均粒径(一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合には二次粒子径)は、レーザー回折・散乱法により求めた体積基準の平均粒径(メジアン径)で定義される。
一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合においては、リチウムチタン複合酸化物の平均一次粒子径が、通常0.01μm以上であり、0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上が更に好ましく、0.2μm以上が特に好ましく、また、通常2μm以下であり、1.6μm以下が好ましく、1.3μm以下が更に好ましく、1μm以下が特に好ましい。体積基準平均一次粒子径が、上記範囲を上回ると、球状の二次粒子を形成し難く、粉体充填性に悪影響を及ぼしたり、比表面積が大きく低下したりするために、出力特性等の電池性能が低下する可能性が高くなる場合がある。また、上記範囲を下回ると、通常、結晶が未発達になるために充放電の可逆性が劣る等、二次電池の性能を低下させる場合がある。
リチウムチタン複合酸化物の粒子の形状は、従来用いられるような、塊状、多面体状、球状、楕円球状、板状、針状、柱状等が用いられるが、中でも一次粒子が凝集して、二次粒子を形成して成り、その二次粒子の形状が球状ないし楕円球状であるものが好ましい。
リチウムチタン複合酸化物のタップ密度は、0.05g・cm−3以上が好ましく、0.1g・cm−3以上がより好ましく、0.2g・cm−3以上が更に好ましく、0.4g・cm−3以上が特に好ましく、また、2.8g・cm−3以下が好ましく、2.4g・cm−3以下が更に好ましく、2g・cm−3以下が特に好ましい。タップ密度が、上記範囲を下回ると、負極として用いた場合に充填密度が上がり難く、また粒子間の接触面積が減少するため、粒子間の抵抗が増加し、出力抵抗が増加する場合がある。また、上記範囲を上回ると、電極中の粒子間の空隙が少なくなり過ぎ、非水系電解液の流路が減少することで、出力抵抗が増加する場合がある。
リチウムチタン複合酸化物の球形の程度として、円形度を測定した場合、以下の範囲に収まることが好ましい。円形度は、「円形度=(粒子投影形状と同じ面積を持つ相当円の周囲長)/(粒子投影形状の実際の周囲長)」で定義され、円形度が1のときに理論的真球となる。
リチウムチタン複合酸化物のアスペクト比は、通常1以上、また、通常5以下であり、4以下が好ましく、3以下が更に好ましく、2以下が特に好ましい。アスペクト比が、上記範囲を上回ると、極板化時にスジ引きや、均一な塗布面が得られず、短時間高電流密度充放電特性が低下する場合がある。なお、上記範囲の下限は、リチウムチタン複合酸化物のアスペクト比の理論下限値である。
リチウムチタン複合酸化物の製造法としては、本発明の要旨を超えない範囲で特には制限されないが、いくつかの方法が挙げられ、無機化合物の製造法として一般的な方法が用いられる。
電極の製造は、公知の何れの方法を用いることができる。例えば、負極活物質に、バインダー、溶媒、必要に応じて、増粘剤、導電材、充填材等を加えてスラリーとし、これを集電体に塗布、乾燥した後にプレスすることによって形成することができる。
負極活物質を保持させる集電体としては、公知のものを任意に用いることができる。負極の集電体としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料が挙げられ、中でも加工し易さとコストの点から特に銅が好ましい。
(10−1)平均表面粗さ(Ra)
JISB0601−1994に記載の方法で規定される集電体基板の活物質薄膜形成面の平均表面粗さ(Ra)は、特に制限されないが、通常0.01μm以上であり、0.03μm以上が好ましく、また、通常1.5μm以下であり、1.3μm以下が好ましく、1.0μm以下が更に好ましい。
引張強度とは、試験片が破断に至るまでに要した最大引張力を、試験片の断面積で割ったものである。本発明における引張強度は、JISZ2241(金属材料引張試験方法)に記載と同様な装置および方法で測定される。
0.2%耐力とは、0.2%の塑性(永久)歪みを与えるに必要な負荷の大きさであり、この大きさの負荷を加えた後に除荷しても0.2%変形していることを意味している。0.2%耐力は、引張強度と同様な装置および方法で測定される。
集電体の厚さは任意であるが、通常1μm以上であり、3μm以上が好ましく、5μm以上が更に好ましく、また、通常1mm以下であり、100μm以下が好ましく、50μm以下が更に好ましい。
集電体と活物質層の厚さの比は特には限定されないが、「(非水系電解液注液直前の片面の活物質層の厚さ)/(集電体の厚さ)」の値が、通常150以下であり、20以下が好ましく、10以下が更に好ましく、また、通常0.1以上であり、0.4以上が好ましく、1以上が更に好ましい。
負極活物質の電極化した際の電極構造は特には限定されないが、集電体上に存在している活物質の密度は、1g・cm−3以上が好ましく、1.2g・cm−3以上がより好ましく、1.3g・cm−3以上が更に好ましく、1.5g・cm−3以上が特に好ましく、また、3g・cm−3以下が好ましく、2.5g・cm−3以下がより好ましく、2.2g・cm−3以下が更に好ましく、2g・cm−3以下が特に好ましい。
負極活物質を結着するバインダーとしては、非水系電解液や電極製造時に用いる溶媒に対して安定な材料であれば、特に制限されない。
以下に本発明の非水系電解液二次電池に使用される正極について説明する。
以下に正極に使用される正極活物質について説明する。
正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に制限はないが、例えば、リチウムと少なくとも1種の遷移金属を含有する物質が好ましい。具体例としては、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物が挙げられる。
上記の正極活物質の表面に、主体となる正極活物質を構成する物質とは異なる組成の物質(以後、適宜「表面付着物質」という)が付着したものを用いることもできる。表面付着物質の例としては酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の酸化物、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩等が挙げられる。
正極活物質粒子の形状は、従来用いられるような、塊状、多面体状、球状、楕円球状、板状、針状、柱状等が用いられるが、中でも一次粒子が凝集して、二次粒子を形成して成り、その二次粒子の形状が球状または楕円球状であるものが好ましい。
正極活物質のタップ密度は、通常1.3g・cm−3以上であり、1.5g・cm−3以上が好ましく、1.6g・cm−3以上が更に好ましく、1.7g・cm−3以上が特に好ましく、また、通常2.5g・cm−3以下であり、2.4g・cm−3以下が好ましい。
正極活物質の粒子のメジアン径d50(一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合には二次粒子径)は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いても測定することができる。
一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合、正極活物質の平均一次粒子径は、通常0.01μm以上であり、0.05μm以上が好ましく、0.08μm以上がより好ましく、0.1μm以上が特に好ましく、また、通常3μm以下であり、2μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.6μm以下が特に好ましい。上記範囲を上回ると球状の二次粒子を形成し難く、粉体充填性に悪影響を及ぼしたり、比表面積が大きく低下するために、出力特性等の電池性能が低下する可能性が高くなる場合がある。また、上記範囲を下回ると、通常、結晶が未発達であるために充放電の可逆性が劣る等、二次電池の性能を低下させる場合がある。
正極活物質のBET比表面積は、BET法を用いて測定した比表面積の値が、通常0.2m2・g−1以上であり、0.3m2・g−1以上が好ましく、0.4m2・g−1以上が更に好ましく、また、通常4.0m2・g−1以下であり、2.5m2・g−1以下が好ましく、1.5m2・g−1以下が更に好ましい。BET比表面積の値が、上記範囲を下回ると、電池性能が低下しやすくなる。また、上記範囲を上回ると、タップ密度が上がりにくくなり、正極活物質形成時の塗布性が低下する場合がある。
正極活物質の製造法としては、本発明の要旨を超えない範囲で特には制限されないが、いくつかの方法が挙げられ、無機化合物の製造法として一般的な方法が用いられる。
以下に、本発明に使用される正極の構成およびその作製法について説明する。
正極は、正極活物質粒子と結着剤とを含有する正極活物質層を、集電体上に形成して作製される。正極活物質を用いる正極の製造は、公知の何れの方法で作製することができる。すなわち、正極活物質と結着剤、並びに必要に応じて導電材および増粘剤等を乾式で混合してシート状にしたものを正極集電体に圧着するか、またはこれらの材料を液体媒体に溶解または分散させてスラリーとして、これを正極集電体に塗布し、乾燥することにより、正極活物質層を集電体上に形成させることにより正極を得ることができる。
導電材としては、公知の導電材を任意に用いることができる。具体例としては、銅、ニッケル等の金属材料;天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛(グラファイト);アセチレンブラック等のカーボンブラック;ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素質材料等が挙げられる。なお、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
正極活物質層の製造に用いる結着剤は、非水系電解液や電極製造時用いる溶媒に対して安定な材料であれば、特に限定されない。
スラリーを形成するための液体媒体としては、正極活物質、導電材、結着剤、並びに必要に応じて使用される増粘剤を溶解または分散することが可能な溶媒であれば、その種類に特に制限はなく、水系溶媒と有機系溶媒のどちらを用いてもよい。
スラリーを形成するための液体媒体として水系媒体を用いる場合、増粘剤と、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のラテックスを用いてスラリー化するのが好ましい。増粘剤は、通常、スラリーの粘度を調製するために使用される。
塗布、乾燥によって得られた正極活物質層は、正極活物質の充填密度を上げるために、ハンドプレス、ローラープレス等により圧密化することが好ましい。正極活物質層の密度は、1g・cm−3以上が好ましく、1.5g・cm−3以上が更に好ましく、2g・cm−3以上が特に好ましく、また、4g・cm−3以下が好ましく、3.5g・cm−3以下が更に好ましく、3g・cm−3以下が特に好ましい。
正極集電体の材質としては特に制限は無く、公知のものを任意に用いることができる。具体例としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタル等の金属材料;カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素質材料が挙げられる。中でも金属材料、特にアルミニウムが好ましい。
高出力かつ高温時の安定性を高める観点から、正極活物質層の面積は、電池外装ケースの外表面積に対して大きくすることが好ましい。具体的には、二次電池の外装の表面積に対する前記正極の電極面積の総和が面積比で20倍以上とすることが好ましく、更に40倍以上とすることがより好ましい。外装ケースの外表面積とは、有底角型形状の場合には、端子の突起部分を除いた発電要素が充填されたケース部分の縦と横と厚さの寸法から計算で求める総面積をいう。有底円筒形状の場合には、端子の突起部分を除いた発電要素が充填されたケース部分を円筒として近似する幾何表面積である。正極の電極面積の総和とは、負極活物質を含む合材層に対向する正極合材層の幾何表面積であり、集電体箔を介して両面に正極合材層を形成してなる構造では、それぞれの面を別々に算出する面積の総和をいう。
本発明の非水系電解液を用いる場合、二次電池の1個の電池外装に収納される電池要素のもつ電気容量(電池を満充電状態から放電状態まで放電したときの電気容量)が、3アンペアーアワー(Ah)以上であると、低温放電特性の向上効果が大きくなるため好ましい。そのため、正極板は、放電容量が満充電で、通常3Ah(アンペアアワー)、好ましくは4Ah以上、また、通常20Ah以下、好ましくは10Ah以下になるように設計する。
正極板の厚さは特に限定されるものではないが、高容量かつ高出力、高レート特性の観点から、芯材の金属箔厚さを差し引いた合材層の厚さは、集電体の片面に対して、10μm以上が好ましく、20μm以上が更に好ましく、また、200μm以下が好ましく、100μm以下が更に好ましい。
正極と負極との間には、短絡を防止するために、通常はセパレータを介在させる。この場合、本発明の非水系電解液は、通常はこのセパレータに含浸させて用いる。
(電極群)
電極群は、前述の正極板と負極板とを前述のセパレータを介してなる積層構造のもの、および前述の正極板と負極板とを前述のセパレータを介して渦巻き状に捲回した構造のもののいずれでもよい。電極群の体積が電池内容積に占める割合(以下、電極群占有率と称する)は、通常40%以上であり、50%以上が好ましく、また、通常90%以下であり、80%以下が好ましい。
集電構造は特に限定されるものではないが、本発明の非水系電解液による低温放電特性の向上をより効果的に実現するには、配線部分や接合部分の抵抗を低減する構造にすることが好ましい。この様に内部抵抗を低減させた場合、本発明の非水系電解液を使用した効果は特に良好に発揮される。
外装ケースの材質は用いられる非水電解質に対して安定な物質であれば特に限定されるものではない。具体的には、ニッケルめっき鋼板、ステンレス、アルミニウムまたはアルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属類、または、樹脂とアルミ箔との積層フィルム(ラミネートフィルム)が用いられる。軽量化の観点から、アルミニウムまたはアルミニウム合金の金属、ラミネートフィルムが好適に用いられる。
前述の保護素子として、異常発熱や過大電流が流れた時に抵抗が増大するPTC(Positive Temperature Coefficient)、温度ヒューズ、サーミスター、異常発熱時に電池内部圧力や内部温度の急激な上昇により回路に流れる電流を遮断する弁(電流遮断弁)等が挙げられる。前記保護素子は高電流の通常使用で作動しない条件のものを選択することが好ましく、高出力の観点から、保護素子がなくても異常発熱や熱暴走に至らない設計にすることがより好ましい。
本発明の非水系電解液二次電池は、通常、上記の非水系電解液、負極、正極、セパレータ等を外装体内に収納して構成される。この外装体に制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない限り公知のものを任意に採用することができる。
乾燥アルゴン雰囲気下で精製した、炭酸エチレン/炭酸ジメチル/炭酸エチルメチル、それぞれ、381.6g/310.0g/391.5g(約290mL/290mL/385mL)を混合した溶媒に、151.9gの充分に乾燥したヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を溶解させた。この溶液の比重は1.22であった。上記の溶液に、添加剤を表1の通りの量を加えて溶解させた。
<「二次電池1」の作製>
(正極の作製)
正極活物質としてのコバルト酸リチウム(LiCoO2)90質量%と、導電材としてのアセチレンブラック5質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(polyvinylidenefluoride)(以下、「PVDF」と略記する)5質量%とを、N−メチルピロリドン溶媒中で混合して、スラリー化した。得られたスラリーを15μmのアルミ箔の両面に塗布して乾燥し、プレス機で厚さ80μmに圧延したものを、活物質層のサイズとして、幅100mm、長さ100mmおよび幅30mmの未塗工部を有する形状に切り出し正極とした。
人造黒鉛粉末KS−44(ティムカル社製、商品名)98質量部に、増粘剤、バインダーとして、それぞれ、カルボキシメチルセルロースナトリウムの水性ディスパージョン(カルボキシメチルセルロースナトリウムの濃度1質量%)100質量部、および、スチレン−ブタジエンゴムの水性ディスパージョン(スチレン−ブタジエンゴムの濃度50質量%)2質量部を加え、ディスパーザーで混合してスラリー化した。
正極と負極を、正極と負極が直接接触しないようにポリエチレン製のセパレータとともに重ねて捲回し、電極体とした。正極および負極の端子が外部に出るようにして電池缶に収容した。次いで、これに後述する電解液を5mL注入した後、かしめ成形を行い、18650型円筒電池を作製して、これを「二次電池1」とした。
正極活物質としてコバルト酸リチウムに代えて、ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)を用い、充電電圧を4.25Vとした以外は、二次電池1と同様に電池を作成して、これを「二次電池2」とした。
負極活物質として、非炭素材料であるケイ素73.2質量部および銅8.1質量部と、人造黒鉛粉末(ティムカル社製商品名「KS−6」)12.2質量部とを用い、これらにPVDFを12質量%含有するN−メチルピロリドン溶液54.2質量部、および、N−メチルピロリドン50質量部を加え、ディスパーザーで混合してスラリー状とした。
負極活物質(Li4/3Ti5/3O4)を90質量%と、導電材としてのアセチレンブラック5質量%、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量%とを、N−メチルピロリドン溶媒中で混合してスラリー化した。
実施例1〜14および比較例1〜8として、実施例、比較例毎に、下記表2、表3に記載された実験条件(電解液および二次電池の種類)の組み合わせに従って実験を行い、以下に述べる評価項目について結果を得た。その結果も下記表2、表3に示す。
二次電池の評価は、電池毎に以下の条件で評価を行なった。
<二次電池1の評価>
(初期容量)
25℃において0.2Cの定電流定電圧充電法で4.2Vまで充電した後、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。これを5サイクル行って電池を安定させた。このときの第5サイクルの放電容量を「初期容量」とした。なお、定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする。
初期充放電を実施した電池を、60℃において、1Cの定電流定電圧法で4.2Vまで充電した後、1Cの定電流で3.0Vまで放電する充放電を500サイクル行った。このときの第1サイクル放電容量に対する第500サイクル放電容量の割合を「サイクル維持率」とした。
初期充放電を実施した電池を、25℃において、0.2Cの定電流定電圧充電法で、4.2Vまで充電した後、−30℃において0.2Cの定電流放電を実施した。このときの放電容量を初期低温容量とし、初期容量に対する初期低温容量の割合を「初期低温放電率」とした。
サイクル試験後の電池を、25℃において、0.2Cの定電流定電圧充電法で、4.2Vまで充電した後、0.2Cの定電流で3.0Vまで放電した。これを3サイクル行い、その第3サイクルの放電容量をサイクル後容量とした。その後、同一の電池を、25℃において、0.2Cの定電流定電圧充電法で4.2Vまで充電した後、−30℃において0.2Cの定電流放電を実施した。このときの放電容量をサイクル後低温容量とし、サイクル後容量に対するサイクル後低温容量の割合を「サイクル後低温放電率」とした。
各々の試験における充電電圧を、4.2Vから4.25Vとした以外は、二次電池1の評価と同項目について同様に評価を行った。
各々の試験における充電電圧を4.2Vから3.8V、および放電電圧を3.0Vから2.5Vとした以外は、二次電池1の評価と同項目について同様に評価を行った。
各々の試験における放電電圧を、3.0Vから2.5Vとした以外は、二次電池1の評価と同項目について同様に評価を行った。
各々の試験における充電電圧を4.2Vから2.7V、および放電電圧を3.0Vから1.9Vとした以外は、二次電池1の評価と同項目について同様に評価を行った。
Claims (13)
- 更に、不飽和結合およびハロゲン原子のうち少なくとも一方を有する炭酸エステルを含有することを特徴とする請求項1に記載の非水系電解液。
- 一般式(1)で表される化合物を、非水系電解液全体に対し0.001体積%〜1体積%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の非水系電解液。
- モノフルオロリン酸塩および/またはジフルオロリン酸塩を、非水系電解液全体に対し0.001質量%〜5質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系電解液。
- 不飽和結合およびハロゲン原子のうち少なくとも一方を有する炭酸エステルを、非水系電解液全体に対し0.001質量%〜5質量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系電解液。
- 一般式(1)で表される化合物を、非水系電解液全体に対し0.001体積%〜1体積%含有することを特徴とする請求項6記載の非水系電解液。
- 炭素質材料を含む活物質を負極に用いる非水系電解液二次電池に用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水系電解液。
- Si原子、Sn原子、Pb原子およびTi原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を有する活物質を負極に用いる非水系電解液二次電池に用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水系電解液。
- リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極および正極、並びに非水系電解液を含む非水系電解液二次電池であって、該非水系電解液が請求項1〜9のいずれか1項に記載の非水系電解液であることを特徴とする非水系電解液二次電池。
- 負極が炭素質材料を含むことを特徴とする請求項10に記載の非水系電解液二次電池。
- 負極が、Si原子、Sn原子、Pb原子およびTi原子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の原子を有する負極活物質を含むことを特徴とする請求項10に記載の非水系電解液二次電池。
- 正極および/または負極の構造体内に少なくとも1種のモノフルオロリン酸塩および/またはジフルオロリン酸塩を含有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の非水系電解液二次電池。
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