JP2009098767A - 入退出管理システムおよび入退出管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複雑なシステム構成や個人情報の安全管理を不要にする入退出管理システムおよび入退出管理方法を提供する。
【解決手段】 工事現場A、Bに出入りする関係者から取得される取得情報と、取得情報に対応し、かつ、関係者に関する情報を関係者情報としてそれぞれ記憶すると共に、工事現場A、Bとは異なる管理部門に設置されている管理サーバ2と、工事現場A、Bに入退出しようとする入退出者から取得した取得情報を管理サーバ2に送ると共に、工事現場A、Bに設置されている読み取り装置10とを備え、管理サーバ2は、あらかじめ記憶している各取得情報と、読み取り装置10から受け取った取得情報とを対比して関係者かどうかを判断し、関係者の場合には関係者に対応する関係者情報を読み取り装置10に送る。
【選択図】 図1

Description

この発明は、管理対象とする区域への入退出を管理する入退出管理システムおよび入退出管理方法に関する。
従来、管理対象とする区域(以下、「管理対象区域」という)に対する入退出者を管理する場合、例えば管理対象区域が工事現場であるとき、この現場に掲示板を設置し、監督者や作業者などの関係者が工事現場に入退出する毎に、掲示板に入退出をペン等で書き込んでいた。こうした不便さを解消するために、生体認証を利用して入退出を管理するシステム(例えば、特許文献1参照。)がある。このシステムでは、生体認証をする装置をドアなどに設置し、このドアを開閉する際に関係者が生態認証を行い、本人と確認された場合にドアが開く。こうしたシステムとは別に、ICタグを利用して入退出を管理する管理システム(例えば、特許文献2参照。)がある。このシステムでは、施設の出入り口に入所を判定する装置を設置し、ICタグが付けられている認証カードを、入退出する関係者が携帯する。そして、関係者が入退出する毎に、読み取り装置が認証カードから関係者の情報を読み取り、システムがドアの開閉を記録する。
特開2005−273281号公報 特開2006−318314号公報
先に述べた管理システムには次の課題がある。生体認証を利用するシステムの場合、関係者の生体情報をあらかじめ記憶している。そして、入室しようとする人から生体情報を読み取り、読み取った生体情報を処理して、関係者かどうかを判定するので、システム構成が複雑になってしまう。また、ICタグを利用するシステムの場合、認証カードのICタグに関係者の氏名や所属などの個人情報を記録するので、認証カードに記録された個人情報の安全管理に問題が生じる場合がある。
この発明の目的は、前記の課題を解決し、複雑なシステム構成や個人情報の安全管理を不要にする入退出管理システムおよび入退出管理方法を提供することにある。
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、管理対象区域に出入りする関係者から取得される取得情報と、該取得情報に対応し、かつ、該関係者に関する情報を関係者情報としてそれぞれ記憶すると共に、該管理対象区域とは異なる場所に設置されている処理装置と、前記管理対象区域に入退出しようとする入退出者から取得した取得情報を前記処理装置に送ると共に、該管理対象区域に設置されている読み取り装置とを備え、前記処理装置は、あらかじめ記憶している各取得情報と、前記読み取り装置から受け取った取得情報とを対比して関係者かどうかを判断し、関係者の場合には該関係者に対応する関係者情報を該読み取り装置に送ることを特徴とする入退出管理システムである。
請求項1の発明では、管理対象区域に読み取り装置が設置され、管理対象区域とは離れた所に処理装置が設置されている。そして、処理装置は、管理対象区域に出入りする関係者から取得される取得情報と、取得情報に対応し、かつ、関係者に関する情報を関係者情報としてそれぞれ記憶している。こうした状態のときに、読み取り装置は、管理対象区域に入退出しようとする入退出者から取得した取得情報を処理装置に送る。処理装置は、あらかじめ記憶している各取得情報と、読み取り装置から受け取った取得情報とを対比して、処理装置に登録された関係者かどうかを判断する。そして、入退出者が関係者の場合、処理装置は、関係者に対応する関係者情報を読み取り装置に送る。
請求項2の発明は、請求項1に記載の入退出管理システムにおいて、前記処理装置は、前記入退出者が関係者である場合、該関係者に対応する関係者情報を入場者リストに記録して更新し、該更新した入場者リストを前記読み取り装置に送り、前記読み取り装置は、前記入場者リストを受け取ると、このリストを表示することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の入退出管理システムにおいて、前記取得情報は入退出者から取得した生体認証用のデータであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の入退出管理システムにおいて、前記読み取り装置は、入退出者から生体認証用のデータを読み取る読み取り部と、前記読み取り部からの生体認証用のデータを前記処理部に送る携帯用のコンピュータとを備えることを特徴とする。
請求項5の発明は、管理対象区域に出入りする関係者から取得される取得情報と、該取得情報に対応し、かつ、該関係者に関する情報を関係者情報として、該管理対象区域とは異なる場所に設置されている記憶装置でそれぞれ記憶し、前記管理対象区域に入退出しようとする入退出者から取得した取得情報を、該管理対象区域に設置されている読み取り装置で読み取って前記処理装置に送り、前記記憶装置にあらかじめ記憶している各取得情報と、前記読み取り装置から受け取った取得情報とを対比して関係者かどうかを判断し、関係者の場合には該関係者に対応する関係者情報を前記読み取り装置に送ることを特徴とする入退出管理方法である。
請求項1および請求項5の発明によれば、管理対象区域に読み取り装置が設置され、管理対象区域とは離れた所に、個人情報を記憶している処理装置が設置され、さらに、入退出者が関係者かどうかを処理装置が判断する。これにより、読み取り装置に対しては複雑なシステム構成を不要にすることができ、かつ、読み取り装置が個人情報を記憶していないので、個人情報の安全管理を不要にすることができる。
請求項2の発明によれば、入場者リストを読み取り装置が表示するので、管理対象区域に関係者が残っているかどうかを知らせることができる。
請求項3の発明によれば、生体認証により、入退出者が関係者かどうかを判断するので、ICタグが付けられている認証カードなどを不要にして、個人情報の安全管理を確実なものにすることができる。
請求項4の発明によれば、読み取り装置が読み取り部と携帯用のコンピュータとで構成されているので、読み取り装置を持ち運ぶことにより、読み取り装置をどのような所でも設置することが可能である。
次に、この発明の実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。以下の実施の形態では、入退出者を管理する管理対象区域として、工事現場を例として説明する。
(実施の形態1)
この実施の形態による入退出管理システムを図1に示す。図1の入退出管理システムは、企業の管理部門に設置されている通信制御装置1、管理サーバ2、データベース(DB)3および管理パソコン(PC)4と、工事現場A、Bの出入り口A1、B1に運ばれて設置される読み取り装置10とを備えている。管理部門は通信網NWを経由して工事現場A、Bの読み取り装置10とデータの送受信が可能な状態にある。
読み取り装置10は、携帯パソコン(PC)11と読み取り部12とで構成され、現場の責任者によって自在に持ち運ばれる。読み取り部12は、現場で携帯パソコン11に接続されて使用される装置であり、携帯パソコン11の制御によって、人の指紋を読み取って生体データを生成する。生体データは、工事現場A、Bに出入りしようとする入退出者から、直接取得した取得データであり、生体認証用のデータである。読み取り部12は、生成した生体データを携帯パソコン11に送る。なお、読み取り部12が読み取る生体認証用のデータとしては、人の指紋以外にも、瞳の虹彩、声門など各種のものがあり、これらは指紋と同様にこの実施の形態で利用可能である。
読み取り装置10の携帯パソコン11は、現場の責任者等によって操作される携帯用のコンピュータであり、図2に示すように、処理部11A、記憶部11B、表示制御部11C、モニタ11D、通信部11E、インターフェース11Fおよび入力装置11Gを備えている。表示制御部11Cは、バスBSを経由した処理部11Aの制御によって、画像を表示するための画像信号を生成してモニタ11Dに送る。モニタ11Dはデータを表示するLCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置である。通信部11Eは、バスBSを経由した処理部11Aの制御によって、通信網NWとデータの送受信を行う。入力装置11Gは、キーボードやマウスのような、使用者によって操作されるものであり、インターフェース11Fを経由してバスBSに接続されている。インターフェース11Fには、先に述べた読み取り部12が接続されている。
記憶部11Bは、各種のデータを記憶する記憶装置である。また、記憶部11Bは、携帯パソコン11に必要とするプログラムをあらかじめ記憶している。
処理部11Aは、記憶部11Bに記憶されているプログラムによって各種の処理を行う。処理部11Aは、インターフェース11Fを経て入力装置11Gから出入り口番号を受け取ると、記憶部11Bに記憶する。この出入り口番号は、工事現場の出入り口A1、B1を識別するために付けられた識別情報である。
処理部11Aは、先に述べたように、記憶部11Bに記憶されているプログラムを実行する。処理部11Aが実行するプログラムには、人の指紋を読み取るための読み取り処理がある。処理部11Aは、入力装置11Gに読み取り開始の指示が入力されると、図3に示す読み取り処理を開始する。読み取り処理を開始すると、処理部11Aは読み取り部12からの生体データを待つ(ステップS1)。読み取り部12から生体データを受け取ると(ステップS2)、処理部11Aは、記憶部11Bから出入り口番号を読み出して、この番号を生体データに付加する(ステップS3)。この後、処理部11Aは、通信部11Eを制御して、生体データを管理部門に送る(ステップS4)。生体データの送信が終了すると、処理部11Aは管理部門からの照合結果を待つ(ステップS5)。管理部門から照合結果を受け取ると(ステップS6)、処理部11Aは、表示制御部11Cを制御して、モニタ11Dに照合結果を表示する(ステップS7)。
ステップS7が終了すると、処理部11Aは、入力装置11Gから作業を終了する指示である作業終了の指示が有るか無いかを判断する(ステップS8)。作業終了の指示が無ければ、処理部11Aは処理をステップS1に戻す。作業終了の指示が有ると、処理部11Aは、記憶部11Bの出入り口番号を削除して、(ステップS9)、読み取り処理を終了する。なお、ステップS9は携帯パソコン11の次回の使用に備えるための処理である。
処理部11Aが実行するプログラムには作業終了処理がある。処理部11Aは、入力装置11Gに読み取り作業終了の指示が入力されると、図4に示す作業終了処理を開始する。作業終了処理を開始すると、処理部11Aは、入力装置11Gから受け取った作業終了の指示に出入り口番号を付加する(ステップS21)。この後、処理部11Aは、通信部11Eを制御して、作業終了の指示を管理部門に送る(ステップS22)。作業終了の指示を送った後、処理部11Aは、管理部門からの検出結果を待つ(ステップS23)。管理部門から検出結果を受け取ると(ステップS24)、処理部11Aは、表示制御部11Cを制御して、モニタ11Dに検出結果を表示し(ステップS25)、作業終了処理を終了する。
管理部門の通信制御装置1は、管理サーバ2と工事現場A、Bの読み取り装置10とのデータ通信を可能にする。また、通信制御装置1は管理パソコン4と別の企業などとのデータ通信を可能にする。データベース3は、工事等に関する各種のデータを記憶している。工事に関するデータの場合、データベース3が記憶するデータには、工事現場の様子を表す現場データがある。この工事現場データを図5に示す。図5の工事現場データには、工事対象の名称、工事対象の住所が記録されている。さらに、工事現場データには、工事対象の様子を示す地図データが添付されている。この地図データには、関係者が出入りする出入り口などが記録されている。なお、この実施の形態では、工事対象の施設名が「TF変電所」であり、この変電所には、変電設備と建屋が設けられている。こうした工事対象である変電所では、例えば変電設備が工事現場Aであり、建屋内の設備が工事現場Bである。工事現場Aの出入り口A1、A2を識別するための識別番号が「GA01」と「GA02」であり、建屋の出入り口B1、B2を識別するための識別番号が「GB01」と「GB02」である。また、この実施の形態では、工事現場Aでは出入り口A1を使用し、工事現場Bでは出入り口B1を使用する。そして、残りの出入り口A2、B2を不使用とする。
データベース3が記録するデータには、工事の内容を記録した工事データがある。この工事データを図6に示す。図6の工事データには、工事の項目が「工事名」の欄に記録され、この工事を識別する識別情報が「工事番号」の欄に記録され、この工事を行う企業が「担当企業」の欄に記録されている。また、工事データには、工事を行う人数が「作業者数」の欄に記録され、この工事を行う期間が「工事期間」の欄に記録され、工事に用いられる主な機器が「使用機器」の欄に記録されている。なお、この実施の形態では、現場データ(図5)の「変電設備」に対する工事(工事現場A)が工事番号「C0001」の「機器点検」であり、「建屋」に対する工事(工事現場B)が工事番号「C0011」の「部品交換」である。
データベース3が記憶するデータには、工事の日程を記録した日程データがある。この日程データを図7に示す。図7の日程データには、当日に行う工事が「工事名」の欄に記録され、この工事を識別する識別情報が「工事番号」の欄に記録されている。さらに、日程データには、工事の日程が日毎に記録されている。
データベース3が記録するデータには認証データがある。認証データは、工事の関係者を識別する際に使用される生体認証のデータを記録したものである。この認証データを図8に示す。図8の認証データには、工事に関係する企業が「所属企業」の欄に記録され、各企業に所属する工事の関係者を識別するための識別情報が「関係者番号」の欄に記録され、該当する関係者の「氏名」が記録されている。関係者は、工事現場に出入りすることを許可されている。さらに、認証データには、各関係者の生体認証用のデータとして、指紋のデータが「生体認証データ」の欄に記録されている。なお、この実施の形態では、「本社」は工事を依頼する企業であり、「B社」と「C社」が「本社」の依頼により工事を行う企業である。また、関係者番号は、各企業で管理している社員番号のような識別情報であり、氏名と共に企業における社員の個人情報である。
管理パソコン4は、管理部門の担当者によって操作されるコンピュータである。担当者の操作によって、管理パソコン4は、当日行われる作業内容を表す当日作業データを作成してデータベース3に記憶する。この当日作業データを図9に示す。図9の当日作業データは、先に述べた現場データ(図5)、工事データ(図6)および日程データ(図7)を基にして、担当者の作業で作成される。この当日作業データには、当日行われる工事が「工事番号」の欄に記録され、各工事で使用される出入り口が「出入り口番号」の欄に記録されている。また、当日作業データには、各出入り口を使用する工事の関係者が「担当」の欄に記録され、各関係者を識別するための識別情報が「関係者番号」の欄に記録され、関係者の「氏名」と「所属企業」が記録されている。さらに、当日作業データには、関係者が現場に入った時刻を記録するための「入り時刻」の欄と、この関係者が現場から出た時刻を記録するための「出時刻」の欄と、この関係者が現場に居るかどうかを表す「入退出」の欄が設けられている。この欄には、関係者が現場に居ることを表す値である「1」、または、関係者が現場から出たことを表す値である「0」が記録される。当日作業データには、企業による工事情報と、監督者および作業者の個人情報とが含まれている。この実施の形態では、監督者は「本社」に所属し、作業者は「B社」または「C社」に所属する。
管理部門の管理サーバ2は、読み取り装置10に対して生体認証についての処理結果を提供する。このために、管理サーバ2は認証処理を行う。管理サーバ2は、工事現場A、Bの読み取り装置10から読み取り開始の通知を受けると、図10に示す認証処理を開始する。認証処理を開始すると、管理サーバ2は、読み取り装置10からの生体データを待つ(ステップS41)。この後、読み取り装置10から生体データを受け取ると(ステップS42)、管理サーバ2は、受け取った生体データと、データベース3に記憶している生体認証データ(図8)とを対比して(ステップS43)、該当者の有無を判定する(ステップS44)。
ステップS44で該当者が有ると、つまり、入退出者が工事の関係者であると、管理サーバ2は、認証データ(図8)から、該当する関係者のデータとして、関係者番号と氏名を抽出する(ステップS45)。この後、管理サーバ2は、ステップS42で生体データと共に受け取った出入り口番号およびステップS45で抽出した該当者のデータと、当日作業データ(図9)とを対比して(ステップS46)、該当者が有るかどうかを判断する(ステップS47)。該当者が有ると、管理サーバ2は、当日作業データ(図9)の「入り時刻」の欄に現在の時刻を記録し、「入退出」の欄を反対の値にして、当日作業データ(図9)を更新する(ステップS48)。「入退出」の欄の値を反対の値にすると、例えば、関係者が現場から出たことを表す値である「0」が記録されている場合、管理サーバ2は関係者が現場に居ることを表す値である「1」に変更する。
ステップS48が終了すると、管理サーバ2は、関係者が適正であることを表すメッセージと入場者リストを作成する(ステップS49)。入場者リストは、現場に居る監督者や作業者の氏名や所属企業などを表すデータであり、管理サーバ2は入場者リストを当日作業データから作成する。ステップS49の後、管理サーバ2は、作成したメッセージと入場者リストを照合結果として読み取り装置10に送る(ステップS50)。この後、管理サーバ2は、工事現場A、Bの読み取り装置10から作業終了の指示があるかどうかを判断する(ステップS51)。作業終了の指示が無ければ、管理サーバ2は処理をステップS41に戻し、作業終了の指示があると照合処理を終了する。
一方、ステップS44での生体認証の結果、該当者が無いと判断すると、管理サーバ2は、工事関係者ではないことを表すメッセージを作成する(ステップS52)。この後、管理サーバ2は、作成したメッセージを照合結果として読み取り装置10に送り(ステップS53)、処理をステップS41に戻して、認証処理を終了する。また、ステップS47で該当者が無いと判断すると、管理サーバ2は、出入り口が違うことを表すメッセージを作成する(ステップS54)。この後、管理サーバ2は、作成したメッセージを照合結果として読み取り装置10に送り(ステップS55)、処理をステップS41に戻して、認証処理を終了する。
管理サーバ2は、工事現場A、Bの読み取り装置10から作業終了の指示を受け取ると、図11に示す関係者検出処理を行う。関係者検出処理を開始すると、管理サーバ2は、最新の当日作業データの「入退出」の欄の値を参照し(ステップS81)、工事現場Aおよび工事現場Bに残留者が有るかどうかを判定する(ステップS82)。残留者があると、管理サーバ2は、最新の当日作業データを用いて、残留者のリストを作成する(ステップS83)。この後、管理サーバ2は、作成した残留者のリストを検出結果として該当の読み取り装置10に送り(ステップS84)、関係者検出処理を終了する。
一方、ステップS82で残留者が無ければ、管理サーバ2は、残留者が無いことを表すメッセージを作成する(ステップS85)。この後、管理サーバ2は、作成したメッセージを検出結果として該当の読み取り装置10に送り(ステップS86)、関係者検出処理を終了する。
次に、この実施の形態による入退出管理システムを用いた入退出管理方法について、図12を用いて説明する。なお、図12では、工事現場Aを例とし、工事現場Bの読み取り装置10を省略しているが、工事現場Bは工事現場Aと同様である。
当日の作業が始まる前に、管理部門の担当者は管理パソコン4を操作して、「入り時刻」および「出時刻」が未記入であり、かつ、「入退出」の欄の値が「0」である当日作業データ、つまり初期状態の当日作業データ(図9)を作成して、データベース3に保存しておく。
当日、現場の責任者は、携帯パソコン11と読み取り部12を工事現場Aの出入り口A1に持ち運び、読み取り部12を携帯パソコン11に接続して、読み取り装置10を準備する。そして、出入り口A1を使用する工事現場Aでは、責任者が読み取り装置10のパソコン11を操作して出入り口番号「GA01」を入力する。これにより、工事現場Aの出入り口A1に設置されているパソコン11は、管理部門にデータを送信するときに、出入り口番号「GA01」を必ずデータに添付する。この後、読み取り装置10のパソコン11に読み取り開始の指示を現場の責任者が入力すると、パソコン11は読み取り処理を行う。同時に、管理部門の管理サーバ2に、出入り口番号「GA01」を付加して読み取り開始を通知する。これにより、管理サーバ2は認証処理を開始する。
こうした状態で、作業者が出入り口A1から工事現場Aに入るときに、読み取り装置10の読み取り部12に指を当てる。これにより、読み取り部12は指の指紋を読み取って生体データを生成し、この生体データを携帯パソコン11に送る。携帯パソコン11は、読み取り処理により、生体データに出入り口番号「GA01」を付加して、管理部門の管理サーバ2に送る。
管理サーバ2は、生体データを受け取ると、認証処理により当日作業データ(図9)を更新する。つまり、当日作業データ(図9)の「入退出」の欄が値「0」であれば、この値を「1」にすると共に「入り時刻」に現在の時刻を記録する。更新後の当日作業データを図13に示す。なお、図13では、工事現場Aおよび工事現場Bで作業する作業者のすべてが現場に入ったことを表している。管理サーバ2は、当日作業データを更新すると同時に、認証処理による照合結果を工事現場Aの読み取り装置10に送る。
読み取り装置10の携帯パソコン11は、管理サーバ2から照合結果を受け取ると、表示制御部11Cを制御して、この照合結果をモニタ11Dに表示する。つまり、工事現場Aに入ろうとした作業者が認証データ(図13)に登録されていて、当日作業データ(図13)の工事番号「C0001」に記録されている関係者であるとき、携帯パソコン11は、適正な作業者であることを示すメッセージを表示し、工事現場Aに居る監督者および作業者のリストを表示する。また、工事現場Aに入ろうとした作業者が認証データ(図13)に登録されていなければ、携帯パソコン11は工事関係者ではないことを表すメッセージを表示する。さらに、工事現場Aに入ろうとした作業者が工事関係者ではあるが、当日作業データ(図13)の工事番号「C0001」に記録されている関係者ではないとき、携帯パソコン11は出入り口が違うことを表すメッセージを表示する。
この後、当日の作業が終了し、工事現場Aの出入り口A1から作業者が出るときには、入る時と同じようにして、読み取り装置10の読み取り部12に指を当てる。これにより、携帯パソコン11は、生体データに出入り口番号「GA01」を付加して、管理部門の管理サーバ2に送る。管理サーバ2は、工事現場Aの読み取り装置10から生体データを受け取ると、認証処理により当日作業データ(図13)を更新する。つまり、「入退出」の欄が値「1」であれば、この値を「0」にすると共に「出時刻」に現在の時刻を記録する。そして、管理サーバ2は、監督者や作業者が出入り口A1を通る毎に当日作業データを更新していく。工事現場Aの携帯パソコン11は、管理サーバ2から照合結果を受け取ると、この照合結果をモニタ11Dに表示する。
工事現場Aの責任者が読み取り装置10の携帯パソコン11を操作して、作業終了の指示を入力すると、携帯パソコン11は、出入り口番号「GA01」を付加して、終了の指示を管理部門の管理サーバ2に送る。
管理サーバ2は、終了の指示を受け取ると、認証処理を終了して関係者検出処理を行う。これにより、管理サーバ2は、最新の当日作業データを参照して、検出結果を読み取り装置10に送る。更新された最新の当日作業データを図14に示す。図14では、工事現場Aで作業する関係者番号「PB0001」の作業者が未退出であり、現場に居ることを表している。管理サーバ2は、最新の当日作業データ(図14)を用いて、工事現場Aで作業する、関係者番号が「PB0001」の作業者が未退出であり、この作業者を残留者として表すリストを検出結果として、工事現場Aの読み取り装置10に送る。
読み取り装置10の携帯パソコン11は、管理部門の管理サーバ2から検出結果を受け取ると、この検出結果による残留者のリストをモニタ11Dに表示する。つまり、携帯パソコン11は、関係者番号が「PB0001」の作業者が工事現場Aに残っていることを表すリストをモニタ11Dに表示する。これにより、工事現場Aに残留者が有ることを知らせることができる。
この実施の形態によれば、企業の工事情報や監督者および作業者の個人情報を管理部門のデータベース3に保存し、工事現場A、Bとは別の所に設置されている管理サーバ2で生体認証を行うことで、個人情報を記録した従来の認証カードを不要にすることができる。この結果、工事情報や個人情報の安全管理に問題が生じることがない。また、工事現場A、Bで用いる読み取り装置10の携帯パソコン11には、関係者の個人情報が記録されていないので、携帯パソコン11が盗難にあっても、個人情報の安全管理に問題が生じることがない。さらに、この実施の形態によれば、管理部門の管理サーバ2が認証処理を行い、携帯パソコン11は処理結果を表示するだけであるので、携帯パソコン11のシステム構成が複雑になることを防ぎ、携帯パソコン11の負担が重くなることを防ぐことができる。
(実施の形態2)
この実施の形態では、工事の関係者を生体認証で特定する代わりに、IC(Integrated Circuit)タグを用いて関係者を特定する。この実施の形態による入退出管理システムを図15および図16に示す。なお、この実施の形態では、先の実施の形態と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。この実施の形態では、実施の形態1の読み取り部12に代わりにタグリーダ13を用いている。
ICタグ100は、工事の関係者のヘルメットや、工事に用いられる主な機器類に貼り付けられている。これらのICタグ100は、管理番号をあらかじめ記憶している。管理番号は、工事現場A、Bに出入りする監督者、作業者、機器類に仮に付与された番号である。また、ICタグ100は、工事現場A、Bの出入り口A1、B1に貼り付けられている。これらのICタグ100は、出入り口番号「GA01」、「GB01」をそれぞれ記憶している。ICタグ100は、読み取り装置10のタグリーダ13から電磁界を受信すると、あらかじめ記憶しているデータをタグリーダ13に送信する。
タグリーダ13は、現場で携帯パソコン11に接続されて使用されるものであり、携帯パソコン11の制御によって、ICタグ100に記録されている管理番号や出入り口番号を読み取る。タグリーダ13は、読み取った管理番号や出入り口番号を携帯パソコン11に送る。
携帯パソコン11の処理部11Aは、インターフェース11Fを経て入力装置11Gから出入り口番号の読み取り指示を受け取った後に、インターフェース11Fを経てタグリーダ13から、出入り口A1、B1のICタグ100に記録されている出入り口番号を受け取ると、この出入り口番号を記憶部11Bに記憶する。
携帯パソコン11の処理部11Aは、実施の形態1の読み取り処理の代わりに次の読み取り処理を行う。処理部11Aは、入力装置11Gに読み取り開始の指示が入力されると、図17に示す読み取り処理を開始する。読み取り処理を開始すると、処理部11Aはタグリーダ13からの管理番号を待つ(ステップS101)。処理部11Aは、所定時間以内にタグリーダ13から受け取った管理番号を1組として送信データとする(ステップS102)。この所定時間は、1人の関係者が機器などと共に出入り口A1、B1を通過するときに、関係者のヘルメットおよび機器に設けられたICタグ100から管理番号を読み取るために必要とする時間である。
ステップS102の後、処理部11Aは、記憶部11Bから出入り口番号を読み出して、この番号を送信データに付加する(ステップS103)。そして、処理部11Aは、通信部11Eを制御して、送信データを管理部門に送信する(ステップS104)。以降のステップS105〜S109の処理は、実施の形態1のステップS5〜S9(図3)と同じであるので、説明を省略する。
この実施の形態では、実施の形態1で用いた認証データ(図8)の代わりに、データベース3は管理番号に対応する関係者のデータを関係者データに記憶している。この関係者データを図18に示す。図18の関係者データには、工事に関係する企業が「所属企業」の欄に記録され、各企業に所属する関係者を識別するための識別情報が「関係者番号」の欄に記録され、該当する関係者の「氏名」が記録されている。さらに、関係者データには関係者毎に付けられている番号が「管理番号」の欄に記録されている。管理番号は、関係者を識別するための関係者番号と異なる番号であり、各関係者に対して一時的に付けられている仮の番号である。これに対して関係者番号は、各企業で管理している社員番号のような識別情報であり、氏名と共に企業における社員の個人情報である。
この実施の形態では、管理部門の担当者の操作によって、管理パソコン4は、当日作業データ(図9)と共に当日用いられる作業用機器を示す機器データを作成してデータベース3に記憶する。この機器データを図19に示す。図19の機器データには、当日行われる工事が「工事番号」の欄に記録され、各工事で使用される出入り口の識別情報が「出入り口番号」の欄に記録されている。また、機器データには、工事で使用される工事用の機器が「機器名」の欄に記録され、各機器に付けられた番号が「管理番号」の欄に記録されている。この実施の形態では、管理番号の値に応じて、関係者と機器とを区別している。例えば、関係者には5000以前の値を付け、機器には5001以降の値を付けている。機器データには、機器が現場に入った時刻を記録するための「入り時刻」欄と、この機器が現場から出た時刻を記録するための「出時刻」の欄と、この機器が現場に有るかどうかを表す「入退出」の欄が設けられている。この欄には、機器が現場に有ることを表す値である「1」、または、機器が現場に無いことを表す値である「0」が記録される。
管理サーバ2は、実施の形態1の認証処理の代わりに、図20〜図22に示す識別処理を行う。管理サーバ2は、工事現場A、Bの読み取り装置10から読み取り開始の通知を受けると、図20に示すように、読み取り装置10からの送信データを待つ(ステップS121)。この後、読み取り装置10から送信データを受け取ると(ステップS122)、管理サーバ2は、受け取った送信データに含まれる管理番号を抽出する(ステップS123)。そして、管理サーバ2は、抽出した管理番号の大きさに応じて、工事の関係者かどうかを判定する(ステップS124)。ステップS124で管理番号が関係者に該当する場合、管理サーバ2は関係者識別処理を行い(ステップS125)、関係者に該当しない場合、機器識別処理を行う(ステップS126)。
ステップS125の関係者識別処理を図21に示す。管理サーバ2は、関係者識別処理を行うと、関係者データ(図18)を用いて、該当する関係者のデータとして、関係者番号と氏名を抽出する(ステップS141)。この後、管理サーバ2は、送信データと共に受け取った出入り口番号およびステップS141で抽出した該当者のデータと、当日作業データ(図9)とを対比して(ステップS142)、該当者が有るかどうかを判断する(ステップS143)。該当者が有ると、管理サーバ2は、当日作業データ(図9)の「入り時刻」の欄に現在の時刻を記録し、「入退出」の欄の値を反対の値にして、当日作業データ(図9)を更新する(ステップS144)。この後、管理サーバ2は、関係者が適正であることを表すメッセージと入場者リストを作成し(ステップS145)、作成したメッセージと入場者リストを照合結果として読み取り装置10に送り(ステップS146)、関係者識別処理を終了する。
一方、ステップS143で該当者が無いと判断すると、管理サーバ2は、出入り口が違うことを表すメッセージを作成する(ステップS147)。この後、管理サーバ2は、作成したメッセージを照合結果として読み取り装置10に送り(ステップS148)、関係者識別処理を終了する。
ステップS126の機器識別処理を図22に示す。管理サーバ2は、機器識別処理を行うと、送信データと共に受け取った出入り口番号およびステップS123で抽出した管理番号と、機器データ(図19)とを対比して(ステップS161)、該当機器が有るかどうかを判断する(ステップS162)。該当機器が有ると、管理サーバ2は、機器データ(図19)の「入り時刻」の欄に現在の時刻を記録し、「入退出」の欄の値を反対の値にして、機器データ(図19)を更新する(ステップS163)。この後、管理サーバ2は、機器があらかじめ登録されていること、つまり、機器が適正であることを表すメッセージと機器リストを作成する(ステップS164)。機器リストは、現場に有る機器を表すデータであり、管理サーバ2は機器リストを機器データ(図19)から作成する。管理サーバ2は、作成したメッセージと機器リストを照合結果として読み取り装置10に送り(ステップS165)、機器識別処理を終了する。
一方、ステップS162で該当機器が無いと判断すると、管理サーバ2は、出入り口が違うことを表すメッセージを作成する(ステップS166)。この後、管理サーバ2は、作成したメッセージを照合結果として読み取り装置10に送り(ステップS167)、機器識別処理を終了する。
こうしたステップS125またはステップS126が終了すると、管理サーバ2は、未抽出の管理番号が有るかどうかを判断する(ステップS127)。未抽出の管理番号が有る場合、管理サーバ2は、ステップS123で抽出した番号とは別の管理番号を抽出して(ステップS128)、処理をステップS124に戻す。また、未抽出の管理番号が無い場合、管理サーバ2は識別処理を終了する。
管理サーバ2は、読み取り装置10から作業終了の指示を受け取ると、関係者検出処理(図11)と共に図23に示す機器検出処理を行う。機器検出処理を開始すると、管理サーバ2は、最新の機器データの「入退出」の欄の値を参照し(ステップS181)、工事現場A、Bに残留機器が有るかどうかを判断する(ステップS182)。残留機器があると、管理サーバ2は、最新の機器データを用いて、残留機器のリストを作成する(ステップS183)。この後、管理サーバ2は、作成した残留機器のリストを検出結果として読み取り装置10に送り(ステップS184)、機器検出処理を終了する。
一方、ステップS182で残留機器が無ければ、管理サーバ2は、残留機器が無いことを表すメッセージを作成する(ステップS185)。この後、管理サーバ2は、作成したメッセージを検出結果として読み取り装置10に送り(ステップS186)、機器検出処理を終了する。
次に、この実施の形態による入退出管理システムを用いた入退出管理方法について、図24を用いて説明する。なお、図24では、工事現場Bの読み取り装置10を省略しているが、工事現場Bは工事現場Aと同様である。
当日の作業が始まる前に、管理部門の担当者は管理パソコン4を操作して、「入り時刻」および「出時刻」が無記入であり、かつ、「入退出」の欄の値が「0」である当日作業データおよび機器データ、つまり初期状態の当日作業データ(図9)および機器データ(図19)を作成して、データベース3に保存しておく。
当日の作業が始まると、出入り口A1を使用する工事現場Aでは、出入り口A1に設けられているICタグ100から出入り口番号「GA01」を、現場の責任者が読み取り装置10のタグリーダ13を操作して読み取り、タグリーダ13は読み取った出入り口番号「GA01」を携帯パソコン11に入力する。これにより、工事現場Aの出入り口A1に設置されているパソコン11は、管理部門にデータを送信するときに、出入り口番号「GA01」を必ずデータに添付する。この後、読み取り装置10の携帯パソコン11に読み取り開始の指示を現場の責任者が入力すると、パソコン11は読み取り処理を行う。同時に、管理部門の管理サーバ2に、出入り口番号「GA01」を付加して読み取り開始を通知する。これにより、管理サーバ2は識別処理を開始する。
こうした状態で、作業者が出入り口から工事現場Aに入るときに、作業者のヘルメットや機器に設けられているICタグ100から、読み取り装置10のタグリーダ13が管理番号を読み取り、読み取った管理番号を携帯パソコン11に送る。携帯パソコン11は、読み取り処理により、読み取った各管理番号を送信データとし、この送信データに出入り口番号「GA01」を付加して、管理部門の管理サーバ2に送る。
管理サーバ2は、管理番号を受け取ると、識別処理により当日作業データ(図9)を更新する。つまり、当日作業データ(図9)の「入退出」の欄が値「0」であれば、この値を「1」にすると共に「入り時刻」に現在の時刻を記録する。同じようにして、管理サーバ2は機器データ(図19)を更新する。更新後の当日作業データは、実施の形態1と同様に図13に示すものである。また、更新後の機器データを図25に示す。なお、図25では、すべての機器が工事現場Aおよび工事現場Bに入ったことを表している。管理サーバ2は、当日作業データを更新すると同時に、識別処理による照合結果を工事現場Aの読み取り装置10に送る。
読み取り装置10の携帯パソコン11は、管理サーバ2から照合結果を受け取ると、この照合結果をモニタ11Dに表示する。このとき、作業者については実施の形態1と同様に照合結果が表示される。また、搬入される機器については、工事現場Aに搬入される機器が機器データ(図19)に適正に記録されているとき、例えば、搬入される管理番号「5001」の「搬送台」が機器データに記録され、かつ、工事番号「B0001」の工事現場Aに対応して記録されているとき、携帯パソコン11は、適正な機器であることを示すメッセージを表示し、搬入された機器のリストを表示する。また、機器データに記録されているが、工事番号「B0001」の工事現場Aに対応していない機器であるとき、携帯パソコン11は出入り口が違うことを表すメッセージを表示する。
この後、当日の工事が終了し、工事現場Aの出入り口A1から作業者と機器が出るときに、読み取り装置10のタグリーダ13は、入る時と同じようにして、ICタグ100から管理番号を読み取って携帯パソコン11に入力する。これにより、携帯パソコン11は、送信データに出入り口番号「GA01」を付加して、管理部門の管理サーバ2に送る。管理サーバ2は、工事現場Aの読み取り装置10から送信データを受け取ると、識別処理により当日作業データ(図13)と機器データ(図25)を更新する。つまり、当日作業データ(図13)と機器データ(図25)の「入退出」の欄が値「1」であれば、この値を「0」にすると共に「出時刻」の欄に現在の時刻を記録する。そして、管理サーバ2は、監督者や作業者、機器が出入り口A1を通る毎に当日作業データと機器データを更新していく。工事現場Aの携帯パソコン11は、管理サーバ2から照合結果を受け取ると、この照合結果をモニタ11Dに表示する。
工事現場Aの責任者が読み取り装置10の携帯パソコン11を操作して、作業終了の指示を入力すると、携帯パソコン11は、出入り口番号を付加して、終了の指示を管理部門の管理サーバ2に送る。
管理サーバ2は、終了の指示を受け取ると、識別処理を終了して関係者検出処理および機器検出処理を行う。これにより、管理サーバ2は、最新の当日作業データを参照して、検出結果を読み取り装置10に送る。更新された最新の当日作業データは、実施の形態1と同様に図14である。また、更新された最新の機器データを図26に示す。図26では、工事現場Aの「搬送台」と「コンプレッサ」が未退出であり、現場に有ることを表している。管理サーバ2は、最新の当日作業データ(図14)を用いて、工事現場Aで作業する関係者番号が「PB0001」の作業者が未退出であり、この作業者を残留者として表すリストを検出結果として、工事現場Aの読み取り装置10に送る。また、管理サーバ2は、最新の機器データ(図26)を用いて、工事現場Aの「搬送台」と「コンプレッサ」が未退出であり、これらの機器を残留機器として表すリストを検出結果として、工事現場Aの読み取り装置10に送る。
読み取り装置10の携帯パソコン11は、管理部門の管理サーバ2から検出結果を受け取ると、この検出結果による残留者のリストと残留機器のリストをモニタ11Dに表示する。つまり、携帯パソコン11は、関係者番号が「PB0001」の作業者と、「搬送台」および「コンプレッサ」とが工事現場Aに残っていることをモニタ11Dに表示する。これにより、工事現場Aに関係者と機器とが残っていることを知らせることができる。
この実施の形態によれば、ICタグ100には個人情報が記録されていないので、ICタグ100を貼り付けた作業用ヘルメットの紛失等があっても、個人情報の安全管理に問題が生じることがない。また、この実施の形態によれば、読み取り装置10の携帯パソコン11には、関係者の個人情報が記録されていないので、携帯パソコン11が盗難にあっても、個人情報の安全管理に問題が生じることがない。また、この実施の形態によれば、携帯パソコン11が識別処理を行わないので、携帯パソコン11のシステム構成が複雑になることを防ぎ、携帯パソコン11の負担が重くなることを防ぐことができる。また、この実施の形態によれば、工事現場A、Bに搬入された機器を管理するので、機器を工事現場A、Bに置き忘れることを防ぐことができる。さらに、この実施の形態によれば、出入り口番号「GA01」、「GB01」を記録したICタグ100を、工事現場A、Bの出入り口A1、B1に設けたので、責任者が携帯パソコン11に出入り口番号「GA01」、「GB01」を入力する手間を省くと共に入力ミスも防ぐことができる。
(実施の形態3)
この実施の形態では、1つの工事現場に複数の出入り口が設けられている場合に、関係者の入退出を管理する。この実施の形態による入退出管理システムを図27に示す。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。図27では工事現場Aの出入り口として、出入り口番号が「GA01」である出入り口A1と、出入り口番号が「GA02」である出入り口A2を利用する。そして、工事現場Aの出入り口A1および出入り口A2に読み取り装置10がそれぞれ運ばれて設置されている。工事現場Bについては工事現場Aと同様であるので、説明を省略する。
この実施の形態では、当日作業データとして次のものを用いる。この当日作業データを図28に示す。図28の当日作業データは、実施の形態1で用いられた当日作業データ(図9)と大体同じであるが、「出入り口番号」の欄に複数の出入り口が登録されている。この実施の形態では、「出入り口番号」の欄に、出入り口A1の出入り口番号「GA01」と、出入り口A2の出入り口番号「GA02」とが記録されている。これにより、出入り口A1に設置された読み取り装置10と、出入り口A2に設置された読み取り装置10とが、当日作業データを参照することができるようになり、認証処理を行うときに、2つの出入り口A1、A2による出入り結果を当日作業データに反映することが可能になる。
この後、管理サーバ2は、関係者検出処理で、2つの出入り口A1、A2による出入り結果を反映した当日作業データを用いることにより、工事現場Aに対して2つの出入り口A1、A2を利用した場合の検出結果を読み取り装置10に送る。
この実施の形態によれば、工事現場に複数の出入り口があっても、関係者の入退出を確実に把握することを可能にする。なお、同じようにして、実施の形態2に対して、この実施の形態による技術を適用することが可能である。
(実施の形態4)
この実施の形態では、工事現場Aの出入り口A1の特定と、工事現場Bの出入り口B1の特定とを、GPS(Global Positioning System)を利用して行っている。この実施の形態による入退出管理システムを図29に示す。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。図29の入退出管理システムでは、読み取り装置10がGPS受信部14を備えている。
GPS受信部14は、図30に示すように、インターフェース11Fを経由してバスBSに接続されている。GPS受信部14は、人工衛星SAからの電波信号を受信して位置データを得る。そして、GPS受信部14は、取得した位置データを携帯パソコン11に送る。携帯パソコン11は、GPS受信部14から位置データを受け取ると、通信部11Eを制御して、この位置データを管理部門の管理サーバ2に送る。
管理サーバ2は、読み取り装置10から位置データを受け取ると、あらかじめデータベース3に記憶している地図データを参照し、位置データが表す位置が工事現場Aの出入り口A1か工事現場Bの出入り口B1かを特定する。この後、管理サーバ2は、位置データが表す位置が工事現場Aの出入り口A1であると、出入り口番号「GA01」を読み取り装置10に送り、また、位置データが表す位置が工事現場Bの出入り口B1であると、出入り口番号「GB01」を読み取り装置10に送る。
読み取り装置10の携帯パソコン11では、処理部11Aは通信部11Eを経由して、管理サーバ2から出入り口番号を受け取ると記憶部11Bに記憶し、この出入り口番号を以降の各処理で用いる。
この実施の形態によれば、読み取り装置10にGPS機能を設け、読み取り装置10を設置した際に、自動的に出入り口番号を取得するので、出入り口番号を入力する作業を省くことができ、しかも、出入り口番号の入力ミスを防ぐことができる。
(実施の形態5)
実施の形態4では、工事現場Aの出入り口A1の特定と、工事現場Bの出入り口B1工事現場B1の特定とを、GPSを用いて行ったが、この実施の形態では、三次元GPSを用いて、工事現場の特定を行う。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。
この実施の形態では、例えば工事現場Bである建屋が4階建ての場合、各階の出入り口に、実施の形態4で用いた読み取り装置10を設置する。GPS受信部14は、三次元GPSにより、位置データに高さ方向を含めることができる。そして、GPS受信部14は、取得した三次元の位置データを携帯パソコン11に送る。携帯パソコン11は、GPS受信部14から位置データを受け取ると、通信部11Eを制御して、この位置データを管理部門の管理サーバ2に送る。
管理サーバ2は、読み取り装置10から位置データを受け取ると、あらかじめデータベース3に記憶している地図データおよび建物の各階の高さデータを参照し、位置データが表す高さデータにより、工事現場Bの建屋の階を特定する。この後、管理サーバ2は、特定した階の出入り口に対応する出入り口番号を読み取り装置10に送る。
読み取り装置10の携帯パソコン11では、処理部11Aは通信部11Eを経由して、管理サーバ2から出入り口番号を受け取ると記憶部11Bに記憶し、この出入り口番号を以降の各処理で用いる。
この実施の形態によれば、読み取り装置10に三次元GPS機能を設けたので、工事現場が複数階からなる建物であっても、各階の出入り口に読み取り装置10を設置するだけで、出入り口番号を自動で取得することができる。
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は各実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態3では、あらかじめデータベース3に記憶している地図データを管理サーバ2が参照し、工事現場Aの出入り口A1か工事現場Bの出入り口B1かを特定したが、読み取り装置10の携帯パソコン11が地図データを記憶して、出入り口の特定を行うようにしてもよい。
この発明の実施の形態1による入退出管理システムを示す構成図である。 図1の読み取り装置を示す構成図である。 読み取り処理を示すフローチャートである。 作業終了処理を示すフローチャートである。 現場データの一例を示す図である。 工事データの一例を示す図である。 日程データの一例を示す図である。 認証データの一例を示す図である。 当日作業データの一例を示す図である。 認証処理を示すフローチャートである。 関係者検出処理を示すフローチャートである。 実施の形態1による入退出管理方法を説明するシーケンス図である。 更新後の当日作業データの一例を示す図である。 更新後の当日作業データの一例を示す図である。 この発明の実施の形態2による入退出管理システムを示す構成図である。 図15の携帯パソコンを示す構成図である。 実施の形態2による読み取り処理を示すフローチャートである。 実施の形態2による関係者データの一例を示す図である。 実施の形態2による機器データの一例を示す図である。 実施の形態2による識別処理を示すフローチャートである。 実施の形態2による関係者識別処理を示すフローチャートである。 実施の形態2による機器識別処理を示すフローチャートである。 実施の形態2による機器検出処理を示すフローチャートである。 実施の形態2による入退出管理方法を説明するシーケンス図である。 作業開始時に更新された機器データの一例を示す図である。 作業終了時に更新された機器データの一例を示す図である。 この発明の実施の形態3による入退出管理システムを示す構成図である。 実施の形態3による当日作業データの一例を示す図である。 この発明の実施の形態4による入退出管理システムを示す構成図である。 図29の読み取り装置を示す構成図である。
符号の説明
1 通信制御装置
2 管理サーバ(処理装置)
3 データベース(記憶装置)
10 読み取り装置
11 携帯パソコン
12 読み取り部
13 タグリーダ
14 GPS受信部

Claims (5)

  1. 管理対象区域に出入りする関係者から取得される取得情報と、該取得情報に対応し、かつ、該関係者に関する情報を関係者情報としてそれぞれ記憶すると共に、該管理対象区域とは異なる場所に設置されている処理装置と、
    前記管理対象区域に入退出しようとする入退出者から取得した取得情報を前記処理装置に送ると共に、該管理対象区域に設置されている読み取り装置と、
    を備え、前記処理装置は、あらかじめ記憶している各取得情報と、前記読み取り装置から受け取った取得情報とを対比して関係者かどうかを判断し、関係者の場合には該関係者に対応する関係者情報を該読み取り装置に送ることを特徴とする入退出管理システム。
  2. 前記処理装置は、前記入退出者が関係者である場合、該関係者に対応する関係者情報を入場者リストに記録して更新し、該更新した入場者リストを前記読み取り装置に送り、
    前記読み取り装置は、前記入場者リストを受け取ると、このリストを表示することを特徴とする請求項1に記載の入退出管理システム。
  3. 前記取得情報は入退出者から取得した生体認証用のデータであることを特徴とする請求項1または2に記載の入退出管理システム。
  4. 前記読み取り装置は、入退出者から生体認証用のデータを読み取る読み取り部と、前記読み取り部からの生体認証用のデータを前記処理部に送る携帯用のコンピュータとを備えることを特徴とする請求項3に記載の入退出管理システム。
  5. 管理対象区域に出入りする関係者から取得される取得情報と、該取得情報に対応し、かつ、該関係者に関する情報を関係者情報として、該管理対象区域とは異なる場所に設置されている記憶装置でそれぞれ記憶し、
    前記管理対象区域に入退出しようとする入退出者から取得した取得情報を、該管理対象区域に設置されている読み取り装置で読み取って前記処理装置に送り、
    前記記憶装置にあらかじめ記憶している各取得情報と、前記読み取り装置から受け取った取得情報とを対比して関係者かどうかを判断し、
    関係者の場合には該関係者に対応する関係者情報を前記読み取り装置に送ることを特徴とする入退出管理方法。
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