以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30K、現像剤回収補給装置100Y、100M、100C、100Kは、画像形成装置の下部に配置され、中間転写体40、二次転写部60は、画像形成装置の上部に配置されている。
画像形成部は、感光体ドラムからなる像担持体10Y、10M、10C、10K、帯電器11Y、11M、11C、11K、露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。露光ユニット12Y、12M、12C、12Kは、LED等を並べたラインヘッド等からなり、帯電器11Y、11M、11C、11Kにより、像担持体10Y、10M、10C、10Kを一様に帯電させ、露光ユニット12Y、12M、12C、12Kにより、入力された画像信号に基づいて、変調された光を照射して、帯電された像担持体10Y、10M、10C、10K上に静電潜像を形成する。
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラ20Y、20M、20C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Y、31M、31C、31K、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラ20Y、20M、20C、20Kに供給する現像剤供給ローラ32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により像担持体10Y、10M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
本実施形態の現像装置は、像担持体10Y、10M、10C、10Kには、これらにスクイーズ作用を及ぼす第1キャリア液除去手段としての第1像担持体スクイーズローラ13aY、13aM、13aC、13aK及び第2キャリア液除去手段としての第2像担持体スクイーズローラ13bY、13bM、13bC、13bKが当接し、また、現像ローラ20Y、20M、20C、20Kには、これらにコンパクション効果を及ぼすトナー圧縮装置22Y、22M、22C、22Kを有する構造となっている。
次に、現像剤回収補給装置100Y、100M、100C、100Kについて説明する。
撹拌槽70Y、70M、70C、70Kは、トナー供給経路83Y、83M、83C、83Kを介して高濃度トナー槽71Y、71M、71C、71Kから高濃度トナーの供給を受けると共に、キャリア供給経路84Y、84M、84C、84Kを介してキャリアオイル槽72Y、72M、72C、72Kからキャリアオイルの供給を受ける。
撹拌槽70Y、70M、70C、70Kには、第1現像剤回収経路81Y、81M、81C、81Kを介して、第1像担持体スクイーズローラ13aY、13aM、13aC、13aK及び第2像担持体スクイーズローラ13bY、13bM、13bC、13bK及び現像ローラ20Y、20M、20C、20Kから回収された液体現像剤がリサイクルされる。なお、第1現像剤回収経路81Y、81M、81C、81Kなどの回収経路及び後述するトナー供給経路83Y、83M、83C、83Kやキャリア供給経路84Y、84M、84C、84Kなどの供給経路の経路中には、不図示のポンプなどの強制液体移動手段が必要に応じて設けられる。
ここで、撹拌槽70Y、70M、70C、70Kには、現像剤の濃度コントロールするため、濃度を検知する手段として、図示省略したトナーの分散重量比率を検知する透過型のフォトセンサなどを設ける。また、撹拌槽70Y、70M、70C、70Kには、フィンなどからなる撹拌装置75Y、75M、75C、75Kが設けられており、供給を受けた高濃度トナーとキャリアオイルとリサイクルされた液体現像剤の撹拌を行う。なお、濃度を検知するためにフォトセンサを設ける代わりに、フィンなどからなる撹拌装置の攪拌トルクを検知するトルク検知手段を設け、この検知トルクによって濃度を検知するようにしてもよい。
撹拌槽70Y、70M、70C、70Kで撹拌・調整された液体現像剤は、現像剤供給経路80Y、80M、80C、80Kを介して現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31Kに供給される。
なお、撹拌槽70Y、70M、70C、70Kにおける液体現像剤の濃度コントロールは、例えば、画像信号を管理するコントローラ(不図示)において、出力する画像のドット数をカウントすることによって液体現像剤の消費量を予測し、これに応じて現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31Kの現像剤濃度を予測して、撹拌槽70Y、70M、70C、70Kに対する高濃度トナー槽71Y、71M、71C、71Kからの高濃度トナーの供給量及びキャリアオイル槽72Y、72M、72C、72Kからの供給量を予測制御することも可能である。このような予測制御により画像形成装置のコントロール応答性と信頼性を高めることができる。
中間転写体40は、エンドレスのベルト部材であり、第1駆動ローラ41a、第2駆動ローラ41b及びテンションローラ42の間に巻き掛けて張架され、一次転写部50Y、50M、50C、50Kで像担持体10Y、10M、10C、10Kと当接しながら駆動ローラ41により回転駆動される。一次転写部50Y、50M、50C、50Kは、像担持体10Y、10M、10C、10Kと中間転写体40を挟んで一次転写ローラ51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、像担持体10Y、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された像担持体10Y、10M、10C、10K上の各色のトナー像を中間転写体40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
二次転写ユニット60は、第1二次転写装置60aと第2二次転写装置60bとを有し、第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61bが中間転写体40を挟んで第1駆動ローラ41a及び第2駆動ローラ41bとそれぞれ対向配置され、さらに第1二次転写ローラクリーニングブレード62a及び第1現像剤回収部63aからなる第1クリーニング装置、並びに、第2現像剤回収部63b及び第2二次転写ローラクリーニングブレード62bからなる第2クリーニング装置がそれぞれ配置される。二次転写ユニット60では、中間転写体40上に色重ねして形成されたフルカラーのトナー画像や単色のトナー画像が二次転写ユニット60の転写位置に到達するタイミングに合せてシート材搬送経路Lにて用紙、フィルム、布等のシート材を搬送、供給し、そのシート材に単色のトナー画像やフルカラーのトナー画像を二次転写する。
シート材搬送経路Lには、不図示の定着ユニットが配置され、シート材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体(シート材)に融着させ定着させ、最終的なシート材上の画像形成を終了する。
ベルト駆動ローラ41と共に中間転写体40を張架するテンションローラ42側には、その外周に沿って中間転写体クリーニングブレード46、現像剤回収部47からなるクリーニング装置が配置されており、二次転写ユニット60を通過後の中間転写体40は、テンションローラ42の巻きかけ部へと進み、中間転写体クリーニングブレード46により中間転写体40上のクリーニングが行われ、再び、一次転写部50へと向かう。
次に、画像形成部及び現像装置について説明する。図2は画像形成部及び現像装置の主要構成要素を示した断面図である。図3は現像剤供給部材を説明する図、図4は現像剤圧縮装置22Yによる現像剤の圧縮を説明する図、図5は現像ローラ20Yによる現像を説明する図、図6は第1像担持体スクイーズローラ13aYによるスクイーズ作用を説明する図、図7は第2像担持体スクイーズローラ13bYによるスクイーズ作用を説明する図、図8は中間転写体スクイーズ装置52Yによるスクイーズ作用を説明する図である。各色の画像形成部及び現像蔵置の構成は同様であるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
画像形成部は、像担持体10Yの外周の回転方向に沿って、除電装置16Y、像担持体クリーニングブレード17Y及び現像剤回収部18Yからなるクリーニング装置、帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像蔵置30Yの現像ローラ20Y、並びに、第1像担持体スクイーズローラ13aYと第1クリーニングブレード14aYと第2像担持体スクイーズローラ13bYと第2クリーニングブレード14bYと現像剤回収部15Yからなる像担持体スクイーズ装置が配置されている。
そして、現像装置30Yは、現像ローラ20Yの外周に、クリーニングブレード21Y、アニロックスローラを用いた現像剤供給ローラ32Yが配置され、液体現像剤容器31Yの中に液体現像剤撹拌パドル34Y、現像剤供給ローラ32Yが収容されている。また、クリーニングブレード21Yに対応して、現像剤回収部25Yが設けられ、液体現像剤のリサイクルのために、現像剤回収部15Y及び現像剤回収部25Yには第1現像剤回収経路81Yの配管が接続されている。
さらに、中間転写体40に沿って、像担持体10Yと対向する位置に一次転写部の一次転写ローラ51Yが配置され、その移動方向下流側に中間転写体スクイーズローラ53Y、バックアップローラ54Y、中間転写体スクイーズローラクリーニングブレード55Y、現像剤回収部56Yからなる中間転写体スクイーズ装置52Yが配置されている。
像担持体10Yは、現像ローラ20Yの幅約320mmより広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなる感光体ドラムであり、例えば図2に示すように時計回りの方向に回転する。該像担持体10Yの感光層は、有機像担持体又はアモルファスシリコン像担持体等で構成される。帯電器11Yは、像担持体10Yと現像ローラ20Yとのニップ部より像担持体10Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から現像トナー粒子の帯電極性と同極性のバイアスが印加され、像担持体10Yを帯電させる。露光ユニット12Yは、帯電器11Yより像担持体10Yの回転方向の下流側において、帯電器11Yによって帯電された像担持体10Y上を露光し、像担持体10Y上に潜像を形成する。
現像装置30Yは、キャリア液内にトナーを概略重量比25%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器31Y、該液体現像剤を担持する現像ローラ20Y、液体現像剤を攪拌して一様の分散状態に維持し現像ローラ20Yに供給するための現像剤供給ローラ32Yと規制ブレード33Yと撹拌パドル34Y、現像ローラ20Yのクリーニングを行う現像ローラクリーニングブレード21Y、及び、現像ローラ20Yに担持された液体現像剤を圧縮状態にする現像剤圧縮装置22Yを有する。
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されている、Isopar(商標:エクソン)をキャリア液とした低濃度(1〜2wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約25%とした高粘度(30〜10000mPa・s程度)の液体現像剤である。
現像剤供給ローラ32Yは、図3に示すように、円筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状の溝による凹凸面を形成したアニロックスローラであり、例えば図2に示すように反時計回りの方向に回転する。溝の寸法は、溝ピッチが約130μm、溝深さが約30μmである。この現像剤供給ローラ32Yにより、現像剤容器31Yから現像ローラ20Yへと液体現像剤が供給される。撹拌パドル34Yと現像剤供給ローラ32Yは摺接していても良いが離れた配置関係であっても良い。
規制ブレード33Yは、表面に弾性体を被覆して構成した弾性ブレード、現像剤供給ローラ32Yの表面に当接するウレタンゴム等からなるゴム部と、該ゴム部を支持する金属等の板で構成される。そして、アニロックスローラからなる現像剤供給ローラ32Yに担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、量を規制、調整し、現像ローラ20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。なお、現像剤供給ローラ32Yの回転方向は図2に示す矢印方向ではなくその逆の方向であっても良く、その際の規制ブレード33Yは、回転方向に対応した配置を要する。
現像ローラ20Yは、幅約320mmの円筒状の部材であり、回転軸を中心に図2に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラ20Yは鉄等金属製の内芯の外周部に、ポリウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性層を設けたものである。現像ローラクリーニングブレード21Yは、現像ローラ20Yの表面に当接するゴム等で構成され、現像ローラ20Yが像担持体10Yと当接する現像ニップ部より現像ローラ20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラ20Yに残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。ここで掻き落された液体現像剤は、現像剤回収部25Yから第1現像剤回収経路81Yの配管を通じてリサイクルされる。
現像剤圧縮装置22Yは、コロナ放電器からのコロナ放電を適用する。この現像剤圧縮装置22Yにより、図4に示すようにキャリア液Cに一様分散したトナーTを現像ローラ20Y側に移動させて凝集させ、所謂現像剤圧縮状態T′を形成する。現像ローラ20Yに担持されて現像剤圧縮された現像剤Dは、図5に示すように現像ローラ20Yが像担持体10Yに当接する現像ニップ部において、所望の電界印加によって、像担持体10Yの潜像に対応して現像される。そして、現像残りの現像剤Dは、現像ローラクリーニングブレード21Yによって掻き落として除去され現像剤容器31Y内の現像剤に合流して再利用される。尚、これら合流するキャリア液及びトナーは混色状態ではない。
次に、キャリア液除去装置としての像担持体スクイーズ装置について説明する。本実施形態の像担持体スクイーズ装置は、第1像担持体スクイーズ装置と、第2像担持体スクイーズ装置とを有し、像担持体10Yに対向して現像ローラ20Yの下流側に配置され、像担持体10Yに常時当接して、現像されたトナー像の余剰現像剤を回収するものである。
第1像担持体スクイーズ装置は、図6に示すように、表面に第1弾性体13a−1Yを被覆して像担持体10Yに摺接して回転する弾性ローラ部材から成る第1像担持体スクイーズローラ13aYと、図2に示すように、該第1像担持体スクイーズローラ13aYに押圧摺接して表面をクリーニングする第1クリーニングブレード14aYと、現像剤回収部15Yとから構成される。
また、第2像担持体スクイーズ装置は、図7に示すように、表面に第2弾性体13b−1Yを被覆して像担持体10Yに摺接して回転する弾性ローラ部材から成る第2像担持体スクイーズローラ13bYと、図2に示すように、該第2像担持体スクイーズローラ13bYに押圧摺接して表面をクリーニングする第2クリーニングブレード14bYとから構成される。
像担持体スクイーズ装置は、像担持体10Yに現像された現像剤Dから余剰なキャリア液C及び本来不要なカブリトナーT″を回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。余剰キャリア液Cの回収能力は、第1像担持体スクイーズローラ13aY及び第2像担持体スクイーズローラ13bYの回転方向及び像担持体10Y表面の周速度に対する第1像担持体スクイーズローラ13aY及び第2像担持体スクイーズローラ13bY表面の相対的な周速度差によって所望の回収能力に設定することが可能であり、像担持体10Yに対してカウンタ方向に回転させると回収能力は高まり、また、周速度差を大きく設定しても回収能力が高まり、更に、この相乗作用も可能である。
このように構成することにより、キャリア液Cを多く除去して、画像の乱れを防止することができる。また、本実施形態では、第1像担持体スクイーズローラ13aYで画像部のトナー粒子を像担持体10Yの表面側へ凝集させ、第2像担持体スクイーズローラ13bYでキャリア液Cを除去しつつ、トナー粒子を帯電付与することで、良好な一次転写性を確保することができる。
中間転写体スクイーズ装置52Yは、一次転写部50Yの下流側に配置され、中間転写体40上から余剰なキャリア液Cを除去し、顕像内のトナー粒子比率を上げる処理を行うものであり、一次転写部50Yで中間転写体40に転写された現像剤(キャリア内に分散したトナー)のキャリア液量が前述した終段階のシート材に二次転写して図示省略した定着行程に進行する段階で、好ましい二次転写機能及び定着機能を発揮させるために当該液体現像剤の望ましい分散状態の概略トナー重量比で40%〜60%程度に至っていない場合に、中間転写体40から更に余剰キャリア液を除去する手段として設けられている。中間転写体スクイーズ装置52Yは、像担持体スクイーズ装置と同様、表面に弾性体を被覆して像担持体40に摺接して回転する弾性ローラ部材から成る中間転写体スクイーズローラ53Y、像担持体40を挟んで中間転写体スクイーズローラ53Yと対向配置されるバックアップローラ54Y、中間転写体スクイーズローラ53Yに押圧摺接して表面をクリーニングするクリーニングブレード55Y及び現像剤回収部56Yから構成され、図6に示すように中間転写体40に一次転写された現像剤Dから余剰なキャリアC及び本来不要なカブリトナーT″を回収する機能を有する。現像剤回収部56Yは、その下流側に配置されたマゼンタの像担持体スクイーズローラクリーニングブレード14Mで回収されるキャリア液の回収機構も兼ねている。
余剰キャリアの回収能力は、中間転写体スクイーズローラ53Yの回転方向及び中間転写体40の移動速度に対する中間転写体スクイーズローラ53Y表面の相対的な周速度差によって所望の回収能力に設定することが可能であり、中間転写体40に対してカウンタ方向に回転させると回収能力は高まり、また、周速度差を大きく設定しても回収能力が高まり、更に、この相乗作用も可能である。本実施形態では、一例として中間転写体スクイーズローラ53Yを中間転写体40に対して略同一周速度でウィズ回転させ、中間転写体40に一次転写された現像剤から重量比5〜10%程度の余剰キャリア及びカブリトナーを回収していて双方の回転駆動負荷を軽減するとともに、中間転写体40のトナー像への外乱作用を抑制している。
なお、1色目の中間転写体スクイーズ部位では初回中間転写体スクイーズなので混色現象は発生しないが、2色目以降は既に一次転写されたトナー像部位に更に異なるトナー像が転写されて色重ねされているので中間転写体40から中間転写体スクイーズローラ53Yへトナーが移行した場合のトナーは混色して余剰キャリアとともに中間転写体スクイーズローラ53Yに担持されて移動し、クリーニングブレードの作用によって中間転写体スクイーズローラ53Yから回収してプールされる。また、上述した中間転写体スクイーズ行程上流側の一次転写部位の像担持体40によるスクイーズ能力及び像担持体スクイーズローラ53Yのスクイーズ能力が充分な能力をもって行われる場合には、必ずしも全ての一次転写行程の下流側に中間転写体スクイーズ装置を設ける必要はない。
次に本発明の画像形成装置の動作について説明する。引き続き、画像形成部及び現像蔵置に関しては、4つの画像形成部及び現像蔵置のうちイエローの画像形成部及び現像蔵置30Yを例にとり説明する。
現像剤容器31Yにおいて、液体現像剤の中のトナー粒子はプラスの電荷を有し、この液体現像剤は、撹拌パドル34Yにより撹拌され、現像剤供給ローラ32Yが回転することによって、現像剤容器31Yから汲み上げられる。
規制ブレード33Yは、現像剤供給ローラ32Yの表面に当接し、現像剤供給ローラ32Yの表面に形成されたアニロックスパターンの凹凸の溝内に液体現像剤を残しその他の余分な液体現像剤を掻き取って、現像ローラ20Yに供給する液体現像剤量を規制する。このような規制によって、現像ローラ20Yへ塗布される液体現像剤の膜厚が約6μmとなるように定量化される。規制ブレード33Yにより掻き取られた液体現像剤は、重力によって現像剤容器31Yに落下し戻され、規制ブレード33Yにより掻き取られなかった液体現像剤は、現像剤供給ローラ32Yの表面の凹凸の溝内に収容され、現像ローラ20Yに圧接することで、現像ローラ20Yの表面に塗布される。
現像剤供給ローラ32Yによって液体現像剤を塗布された現像ローラ20Yは、現像剤供給ローラ32Yとのニップ部下流で現像剤圧縮装置22Yに対向する。現像ローラ20Yには約+400Vのバイアスが印加されており、現像剤圧縮装置22Yには、現像ローラ20Yより高く、トナーの帯電極性と同極性のバイアスが印加される。例えば、現像剤圧縮装置22Yには、約+600Vのバイアスが印加される。このため現像ローラ20Y上の液体現像剤中のトナー粒子は、図4に示すように現像剤圧縮装置22Yとの対向部を通過する際に、現像ローラ20Y側へ移動する。これによりトナー粒子同士が緩やかに結合され膜化された状態となり、像担持体10Yでの現像の際、トナー粒子は、現像ローラ20Yから像担持体10Yへの移動がすばやくなり、画像濃度が向上する。
像担持体10Yはアモルファスシリコン製であり、現像ローラ20Yとのニップ部上流で帯電器11Yにより表面を約+600Vに帯電させられた後、露光ユニット12Yにより画像部の電位が+25Vとなるように潜像が形成される。現像ローラ20Yと像担持体10Yとの間に形成される現像ニップ部では、現像ローラ20Yに印加されているバイアス+400Vと像担持体10Y上の潜像(画像部+25V、非画像部+600V)で形成される電界に従い、図5に示すように選択的にトナー粒子Tが像担持体10Y上の画像部へと移動し、これにより、像担持体10Y上にトナー画像が形成される。また、キャリア液Cは電界の影響を受けないため、図5に示すように現像ローラ20Yと像担持体10Yとの現像ニップ部出口で分離して、現像ローラ20Yと像担持体10Yとの両方に付着する。
現像ニップ部を通過した像担持体10Yは、像担持体スクイーズローラ13Y部を通過する。第1像担持体スクイーズローラ13aY及び第2像担持体スクイーズローラ13bYは、図6及び図7に示すように像担持体10Yに現像された現像剤Dから余剰なキャリア液C及び本来不要なカブリトナーT″を回収し、顕像内のトナー粒子比率を上げる機能を有する。
第1像担持体スクイーズローラ13aYによって回収された余剰なキャリアC及び不要なカブリトナーT″は第1クリーニングブレード14aYの作用によって第1像担持体スクイーズローラ13aYから現像剤回収部15Yに回収され、第2像担持体スクイーズローラ13bYによって回収された余剰なキャリアC及び不要なカブリトナーT″は第2クリーニングブレード14bYの作用によって第2像担持体スクイーズローラ13bYから現像剤回収部15Yに回収され、第1現像剤回収経路81Yの配管を通じてリサイクルされる。なお、この回収した余剰なキャリアC及びカブリトナーT″は専用の孤立した像担持体10Yから回収しているので全個所にわたって混色現象は発生しない。
次に像担持体10Yは、一次転写50Yにおいて中間転写体40とのニップ部を通過し顕像トナー像の中間転写体40への一次転写が行われる。一次転写ローラ51Yには、トナー粒子の帯電特性と逆極性の約−200Vが印加されることにより、像担持体10Y上からトナーは中間転写体40に一次転写され、像担持体10Yにキャリア液のみが残る。一次転写部より像担持体10Yの回転方向の下流側において、一次転写後の、像担持体10YはLED等から成る除電装置16Yによって静電潜像が消去され、像担持体10Y上に残ったキャリア液は、像担持体クリーニングブレード17Yにより掻き取られ、現像剤回収部18Yで回収される。
複数の像担持体10に形成したトナー像を順次一次転写して重ね合わせ担持した中間転写体40上のトナー画像は、次に二次転写ユニット60へと進み、中間転写体40と第1二次転写ローラ61aと第2二次転写ローラ61bとのニップ部に進入する。二次転写ユニット60において、第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61bには−1200Vが、また、ベルト駆動ローラ41には+200Vがそれぞれ印加されており、これにより中間転写体40上のトナー画像は用紙等の記録媒体(シート材)に転写される。
しかし、ジャムなどのシート材供給トラブルが発生した場合には、全てのトナー画像が二次転写ロールに転写されて回収されるものではなく、一部は中間転写体上に残り、通常の二次転写行程においても中間転写体上のトナー像は100%二次転写されてシート材に移行するものではなく、数パーセントの二次転写残りが発生する。特に、ジャムなどのシート材供給トラブルが発生した場合には、シート材が介在しない状態でトナー画像が第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61bに接して転写されシート材裏面汚れを引き起こす。これら不要トナー像に対し、本実施形態においては、非転写時に、液体現像剤のトナー粒子を中間転写体に押しつける方向のバイアス、トナー粒子の帯電極性と同極性のバイアスを第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61bに印加する。このことにより、中間転写体40に残った液体現像剤のトナー粒子を中間転写体40側に押しつけてコンパクション状態にすると共に、第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61b側にキャリア液を回収(スクイーズ)し、中間転写体クリーニングブレード46による中間転写体40上のクリーニング、第1二次転写ローラクリーニングブレード62aによる第1二次転写ローラ61aのクリーニング、第2二次転写ローラクリーニングブレード62bによる第2二次転写ローラ61bのクリーニングを行う。
次に、第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61bのスクイーズ機能について説明する。中間転写体40上に色重ねしたトナー像が二次転写部位に到達するタイミングに合せてシート材を供給し、該トナー画像をシート材に二次転写して図示省略した定着行程へと進めて最終的なシート材上の画像形成を終了するが、ジャムなどのシート材供給トラブルが発生した場合には、シート材が介在しない状態でトナー画像が第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61bに接して転写されシート材裏面汚れを引き起こす。本実施形態の第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61bは、表面が繊維質などによって平滑でないシート材であっても、この非平滑なシート材表面に倣って二次転写特性を向上させる手段として、複数の感光体に形成したトナー像を順次一次転写して重ね合わせて担持し、一括してシート材に二次転写する中間転写体40に採用した弾性ベルトと同様の目的で表面に弾性体を被覆した弾性ローラで構成している。第1二次転写ローラクリーニングブレード62a及び第2二次転写ローラクリーニングブレード62bは、第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61bに転写された現像剤(キャリア内に分散したトナー)を除去する手段として備え、第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61bから現像剤を回収してプールされる。尚、このプールした現像剤は混色状態のものであり、紙粉等の異物も含んでいる場合がある。
次に、中間転写体40のクリーニング装置について説明する。ジャムなどのシート材供給トラブルが発生した場合には、全てのトナー画像が第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61bに転写されて回収されることなく、一部は中間転写体40上に残る。また、通常の二次転写行程においても中間転写体上40のトナー像は100%二次転写されてシート材に移行することはなく、数パーセントの二次転写残りが発生する。この二種の不要トナー像は次の画像形成のために中間転写体40に当接するように配置された中間転写体クリーニングブレード46、現像剤回収部47によって回収される。このような非転写時、第1二次転写ローラ61a及び第2二次転写ローラ61bには、中間転写体40上の残留トナーを中間転写体40に押し付けるようなバイアスが印加される。
次に、第1像担持体スクイーズローラ13aYと第2像担持体スクイーズローラ13bYの具体的な実施形態について説明する。
本実施形態では、第1像担持体スクイーズローラ13aYは、第2像担持体スクイーズローラ13bYよりも抵抗値が大きいものとする。
ここで、抵抗値の測定方法について説明する。図9に示すように、まず、金属製の素管111の上に測定対象ローラ113を設置する。次に、金属製素管111を図示しない外部のモータで回転させ、測定対象ローラ113を連れ回りで回転させる。この状態で、測定対象ローラ113の軸に対して高圧電源112からバイアスを印可し、金属製素管111を通した出力バイアスと電流値から測定対象ローラ113の抵抗値を計算によって求める。本実施形態では、50V印可して測定対象ローラ113の抵抗値を測定した。
次に、第1像担持体スクイーズローラ13aYと第2像担持体スクイーズローラ13bYの抵抗値を異ならせた具体的な実施例について説明する。
本実施形態では、第1像担持体スクイーズローラ13aYの抵抗値R1を第2像担持体スクイーズローラ13bYの抵抗値R2よりも大きくする。このように設定することにより、現像直後のキャリア液が多い状態で第1像担持体スクイーズローラ13aYによりトナー圧縮を行うので、キャリア液中でのトナー粒子の移動をスムーズに行うことができる。
第1実施例として、第1像担持体スクイーズローラ13aYの抵抗値R1を107Ωと設定し、第2像担持体スクイーズローラ13bYの抵抗値R2を104Ωと設定する。また、第1像担持体スクイーズローラ13aY及び第2像担持体スクイーズローラ13bYのそれぞれに400Vの電荷を印可する。
このように、設定することで、第1像担持体スクイーズローラ13aYでは、像担持体10Y上の画像部のトナー粒子に対して帯電付与することなく、トナー層を圧縮することができる。また、現像直後のキャリア液が多い状態でトナー圧縮を行うことで、キャリア液中でのトナー粒子の移動をスムーズに行うことができる。この時のスクイーズ前後の像担持体10Y上の表面電位は、変化していない。
また、第2像担持体スクイーズローラ13bYでは、圧縮されたトナー粒子に対して電荷付与することができる。このため、キャリア液を除去されて帯電が低下したトナー粒子に対して、転写前に電荷付与することで、像担持体10Y上のトナー粒子を確実に転写することが可能になるとともに、カブリトナーとキャリア液を除去することができる。この時のスクイーズ前後の像担持体10Y上の表面電位は、20V程度上昇している。
なお、第1像担持体スクイーズローラ13aYの抵抗値R1をR1≧105Ωと設定し、第2像担持体スクイーズローラ13bYの抵抗値R2をR2≦107Ωと設定すると、より好ましい。
第2実施例では、第1像担持体スクイーズローラ13aYに印可するバイアスを、第2像担持体スクイーズローラ13bYに印可するバイアスより大きくするものである。例えば、第1像担持体スクイーズローラ13aYの抵抗値R1を107Ωと設定し、第2像担持体スクイーズローラ13bYの抵抗値R2を104Ωと設定し、第1像担持体スクイーズローラ13aYに500Vのバイアスを印可し、第2像担持体スクイーズローラ13bYに400Vのバイアスを印可したものである。
また、第1像担持体スクイーズローラ13aYに印可するバイアスと第2像担持体スクイーズローラ13bYに印可するバイアスとの差を200V以内に設定するとより好ましい。
このように、設定することで、第1像担持体スクイーズローラ13aYでは、像担持体10Y上の画像部のトナー粒子に対して帯電付与することなく、トナー層を圧縮することができる。また、現像直後のキャリア液が多い状態でトナー圧縮を行うことで、キャリア液中でのトナー粒子の移動をスムーズに行うことができる。
さらに、第2像担持体スクイーズローラ13bYでは、圧縮されたトナー粒子に対して電荷付与することができる。このため、キャリア液を除去されて帯電が低下したトナー粒子に対して、転写前に電荷付与することで、像担持体10Y上のトナー粒子を確実に転写することが可能になるとともに、カブリトナーとキャリア液を確実に除去することができる。
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