JP2009097084A - 微細形状、微細表面性状を有する精密金属部材の製造方法 - Google Patents

微細形状、微細表面性状を有する精密金属部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 微細形状、微細表面性状を有する精密金属部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 所望の部品形状を得るために精密加工されたダイ内に金属ガラス合金粉末を挿入し、該金属ガラス合金粉末をガラス遷移温度以上、結晶化温度以下に保った状態でパンチで加圧して精密部品を得る工程において、該金属ガラス合金粉末の昇温中に、軟化開始温度以上、ガラス遷移温度以下でダイ内にて一旦温度を保持して仮焼結した後、結晶化温度以下に昇温して加圧焼結成形することを特徴とする精密部材の製造方法。
【選択図】 図5

Description

本発明は、微細形状、微細表面性状を有する精密金属部材の製造方法に関するものである。
近年、半導体微細加工技術の発達に伴い、それを部品加工に応用して医療用などのマイクロマシンやセンサー用の機械部材の開発やそれらを半導体技術と融合させたMEMS開発が盛んになっている。これらの精密部品では高耐久性、低コスト化を実現すべく金属部品への要求が根強く、また将来の医療高度化や機器の精密化に対応するためにさらなる小型化、高精度化が要求されるようになってきており、超精密金属部品を経済的に製造する方法が求められている。
これまでのマイクロマシンや精密機械部品の製造方法としては、例えば、特開平6−194832号公報(特許文献1)に開示されているように、液状感光性樹脂を硬化させた母型に無電解メッキ膜を形成後、電鋳によってバルク金属部品を製造する方法や放射光を利用したX線リソグラフィーと電鋳とを組み合わせた(LIGA)方法などが提案されている。しかし、これらの方法では電鋳部品を取り出すために樹脂やLIGAで作製したモールド型は酸等によって溶融除去させるために再利用ができず、量産プロセスとしては煩雑でコスト高になるといった課題があった。
これらの課題に対し、近年では金属ガラスを精密加工素材として利用することが提案されている。金属ガラスは金属溶湯を超急冷せずとも非晶質組織が得られる合金で、その非晶質金属固体を加熱すると明確なガラス遷移温度と結晶化温度を示すことが特徴である。そこで、特開平11−71602号公報(特許文献2)に開示されているように、金属ガラスを精密加工するにはガラス遷移温度以上、結晶化温度以下の極めて粘性流動性に優れた温度領域で加工することがポイントであり、成形用型に金属ガラス合金粉末を充填した後パルス放電焼結させて精密な凹凸部を有する部材を得るプロセスなどが提案されている。また、金属ガラスの特徴である非晶質相は従来の金属相に見られる結晶粒界が存在しないために耐食性や強度に優れている。そのため金属ガラス粉末を所望の部材形状に成形加工する際には結晶化を防いで非晶質相を保つことが工業的に非常に重要である。
特開平6−194832号公報 特開平11−71602号公報 特開平3−253525号公報
しかし、金属ガラス粉末をガラス遷移温度以上で固化成形する場合は粉末充填層の熱伝導性が悪く、均一に加熱することが困難であった。ホットプレスの際に粉末充填層の一部が加熱不足になった際にはその部分の成形密度が上がらず強度不足になる。また、ホットプレスの際に粉末充填層の一部が結晶化温度以上に過熱された場合にはその部分が結晶化して耐食性や強度の劣化につながる旨が特開平3−253525号公報(特許文献3)に記載されている。パルス放電焼結法は従来のホットプレス法の欠点を解決する手段として提案されているが、パルス放電による粉末界面の過熱温度上昇によって界面部分が結晶化する恐れがあるため現実的な解決手段とはいえないのが現状である。
上述したような問題を解消するために、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、精密金属部材の工業的な製造において問題となっていたこれらの課題について、金属ガラス粉末をホットプレス成形する際に温度や圧力を精密に制御することによって非晶質相を保ったまま高密度かつ高精度に成形できる方法を見出した。
本発明によると、金属ガラス粉末をホットプレス成形する工程において、金型中に粉末を充填して昇温する際に金属ガラス合金粉末の軟化点以上、ガラス遷移温度以下の温度で一旦保持して金型中の粉末を仮焼結させた後、結晶化温度以下に昇温してホットプレス成形することによって非晶質相の特徴を保った精密金属部材が高密度、高精度に得られるものである。
その発明の要旨とするところは、
(1)所望の部品形状を得るために精密加工されたダイ内に金属ガラス合金粉末を挿入し、該金属ガラス合金粉末をガラス遷移温度以上、結晶化温度以下に保った状態でパンチで加圧して精密部品を得る工程において、該金属ガラス合金粉末の昇温中に、軟化開始温度以上、ガラス遷移温度以下でダイ内にて一旦温度を保持して仮焼結した後、結晶化温度以下に昇温して加圧焼結成形することを特徴とする精密部材の製造方法。
(2)前記(1)に記載の方法において、金属ガラス合金粉末の軟化開始温度を示差熱分析で測定される吸熱開始温度であることを特徴とする精密部材の製造方法。
(3)前記(1)または(2)において、金属ガラス合金粉末が球状であることを特徴とする精密部材の製造方法にある。
以上述べたように、本発明により金型加工により精密部材を工業的に量産でき、しかもその金属部材は金属ガラスの特徴である非晶質相を保持しているために耐食性や強度に優れる微細形状、微細表面性状を有する金属部品を安価に製造できるといった極めて有意義な特徴を有するものである。
以下、本発明について図面に従って詳細に説明する。
図1は、金属ガラス合金粉末加工装置を示す図である。この図に示すように、金属ダイ4中に金属ガラス合金粉末3を金型パンチ5間に挿入し、上加圧用ラム2および下加圧用ラム3に挟み上加圧用ラム2をラム駆動用モーター1の駆動により金属ガラス合金粉末5を加圧する。この場合に上下加圧用ラム2、3に挟まれた金属ガラス合金粉末3の温度を調整せるための加熱用ヒーター7を上下加圧用ラム2、3に埋設し、この加熱用ヒーター7により、加圧温度を最適温度に精密制御する。
図2は、ガスアトマイズによる金属ガラス粉末のX線回折パターンを示す図である。この図2に示すように、横軸にX線回折角、縦軸に強度を示したもので、例えば金属ガラス合金粉末(成分:Ni60Nb15Ti20Zr5 )をArガスアトマズで作製し、粒度別にX線回折パターンを取って金属ガラス(非晶質相)になる粒径が53μm以下であることを確認した。すなわち、粒径38μm未満、38〜45μm未満、45〜53μm未満のそれぞれの場合は金属ガラスは非晶質相であるが、しかし、粒径53μm以上〜75μm未満の場合には結晶質が微少現れ、75〜105μm未満および105〜150μm未満では明確に結晶質のあることが確認された。
図3は、金属ガラス粉末の示差熱分析結果を示す図である。この図3に示すように、横軸に温度、縦軸に示差熱量を示し、X線回折で金属ガラス単相になっていることが確認できた粒度(53μm以下)についての示差熱分析を行い、吸熱・発熱挙動を測定すると共に、高温硬度計を用いて温度上昇に伴う粉末の硬さ変化を測定した。その結果、粉末の熱分析挙動の変曲点は3箇所観察され、最初の515℃の点は高温硬度計のデータと照合した結果、金属ガラスの軟化開始温度であった。また、次の565℃の点は一般的に言われているガラス遷移温度であり、その次の615℃の点は結晶化温度であることが分かった。
図4は、金属ガラス粉末の高温硬さの試験結果を示す図である。この図4に示すように、横軸に温度、縦軸に高温硬さ(Hv)を示す。この図から分かるように、室温状態での高温硬さが約1000Hvである場合に、温度を上げて515℃から軟化開始温度の時点で高温硬さが低下し始め、結晶化温度に近い615℃の時点では高温硬さが10Hvとなることが分かる。
図5は、本発明に係る金属ガラス粉末の加熱温度パターンを示す図である。ガスアトマイズされた粉末を金属ガラス単相になる粒径を53μm未満に分級して得られた金属ガラス粉末を金型中に充填して各種条件にて加熱、成形を行った。途中での保持温度は示差熱分析での吸熱開始温度(515℃)を基準に設定し、加工温度は結晶化温度(615℃)を基準に設定した。金型温度が所定の加工温度に達した後、プレス圧力200MPaで成形加工した。加工後の部材について、走査電子顕微鏡観察を行ってポアの有無で密度を評価し、断面のX線回折パターンを採取して構成相を評価した。なお、※印は保持時間を示す。
上記したように、金属ガラス合金粉末を軟化開始温度である515℃以上、ガラス遷移温度565℃以下でダイ内にて一旦保持して、粉末が稠密充填されながら焼結ネックを形成し、昇温後の温度不均一がなく非晶質領域での安定加工が可能となる。すなわち、加工後の部材密度を高め、かつ結晶質の形成をなくし、安定した加圧焼結を形成するため一旦保持した状態で仮焼結を行う。この仮焼結は軟化開始温度以上、ガラス遷移温度以下の温度域で行う。
その後、結晶化温度以下に昇温して加圧焼結する。本発明において、焼結を行う際の昇温速度は10℃/分以上とすることが望ましい。また、その温度を結晶化温度以下としたのは、結晶化温度を超えると結晶相を生じることから、この結晶相を生じないために結晶化温度以下とした。また、金属ガラス合金粉末を球状としたのは、加圧成形時の充填密度を高くすることが可能となり、より熱伝導性の良い焼結体の作製が可能になるためである。焼結の際の圧力については、加圧力が低過ぎると焼結体を形成できないために、30MPa以上とすることが望ましい。
以下、本発明について実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
ガスアトマイズなどによる流動性と充填性に優れた球状の金属ガラス粉末をX線回折パターンがガラス相単相であることを示すハローパターンのみとなる粒度以下に分級した粉末を使用し、表1に示す成分組成Ni60Nb15Ti20Zr5 (軟化開始温度:515℃、ガラス遷移温度:565℃、結晶化温度:615℃)の各種金属ガラス粉末のパターン設定温度と加工後の部材評価結果を示す。粉末の加工は、内径φ8mmの円筒状金型に該粉末1gを充填して行い、100%密度でφ8mm、高さ2.6mmの円筒状の焼結部材を作製した。また、粉末全体を均一温度にするために所定の保持時間にて10分間保持を行った。加工後の部材密度は、100%を○、100%未満から95%を△、95%未満を×で表示した。また、加工後の部材構成相は非晶質を○、結晶質を×で評価した。
Figure 2009097084
表1に示すように、No.1〜10は本発明例であり、No.11〜16は比較例である。
比較例No.11〜13はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が無いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が悪いか劣る。比較例No.14はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が無く、かつ加工温度が高いために、加工後の部材密度が悪く、かつ加工後の部材構成相は結晶質であった。比較例No.15は保持温度が低いために、加工後の構成相は非晶質であるが、部材密度が劣っていた。比較例No.16は加工温度が高いために、加工後の部材密度が劣り、かつ加工後の部材構成相は結晶質であった。
これに対し、本発明例No.1〜10のいずれも、特に球状の金属ガラス合金粉末を用いて軟化開始温度である515℃以上、ガラス遷移温度565℃以下で加圧保持することで粉末が稠密充填されながら焼結ネックを形成し、昇温後の温度不均一がなく非晶質領域での安定加工が可能となり、また、成形加工時の粉末加工歪みによる結晶化を防止し、熱伝導性の向上を図り、その後結晶化温度以下の温度まで昇温させた後、プレス加工して100%密度の精密成形体を得ることができた。
(実施例2)
実施例1と同様に、成分組成Ni53Nb20Ti10Zr8 Co6 Cu3 (軟化開始温度:525℃、ガラス遷移温度:575℃、結晶化温度:615℃)の各種金属ガラス粉末のパターン設定温度と加工後の部材評価結果を表2に示す。粉末の加工は、内径φ8mmの円筒状金型に該粉末1gを充填して行い、100%密度でφ8mm、高さ2.5mmの円筒状の焼結部材を作製した。また、粉末全体を均一温度にするために所定の保持時間にて10分間保持を行った。
Figure 2009097084
表2に示すように、No.1〜5は本発明例であり、No.6〜8は比較例である。
比較例No.6はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が無いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が悪い。比較例No.7はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が低いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が劣る。比較例No.8は加工温度が高いために、加工後の部材密度が劣り、かつ加工後の部材構成相は結晶質であった。
(実施例3)
実施例1と同様に、成分組成Ni43.2Fe28.819.2Si4.8 Nb4 (軟化開始温度:450℃、ガラス遷移温度:475℃、結晶化温度:525℃)の各種金属ガラス粉末のパターン設定温度と加工後の部材評価結果を表3に示す。粉末の加工は、内径φ8mmの円筒状金型に該粉末1gを充填して行い、100%密度でφ8mm、高さ2.8mmの円筒状の焼結部材を作製した。また、粉末全体を均一温度にするために所定の保持時間にて10分間保持を行った。
Figure 2009097084
表3に示すように、No.1〜5は本発明例であり、No.6〜8は比較例である。
比較例No.6はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が無いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が悪い。比較例No.7はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が低いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が劣る。比較例No.8は加工温度が高いために、加工後の部材密度が劣り、かつ加工後の部材構成相は結晶質であった。
(実施例4)
実施例1と同様に、成分組成Fe36Co3619.2Si4.8 Nb4 (軟化開始温度:500℃、ガラス遷移温度:540℃、結晶化温度:595℃)の各種金属ガラス粉末のパターン設定温度と加工後の部材評価結果を表4に示す。粉末の加工は、内径φ8mmの円筒状金型に該粉末1gを充填して行い、100%密度でφ8mm、高さ2.8mmの円筒状の焼結部材を作製した。また、粉末全体を均一温度にするために所定の保持時間にて10分間保持を行った。
Figure 2009097084
表4に示すように、No.1〜5は本発明例であり、No.6〜8は比較例である。
比較例No.6はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が無いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が悪い。比較例No.7はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が低いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が劣る。比較例No.8は加工温度が高いために、加工後の部材密度が劣り、かつ加工後の部材構成相は結晶質であった。
(実施例5)
実施例1と同様に、成分組成Fe77Ga3 9.5 4 4 Si2.5 (軟化開始温度:400℃、ガラス遷移温度:535℃、結晶化温度:495℃)の各種金属ガラス粉末のパターン設定温度と加工後の部材評価結果を表5に示す。粉末の加工は、内径φ8mmの円筒状金型に該粉末1gを充填して行い、100%密度でφ8mm、高さ3.2mmの円筒状の焼結部材を作製した。また、粉末全体を均一温度にするために所定の保持時間にて10分間保持を行った。
Figure 2009097084
表5に示すように、No.1〜5は本発明例であり、No.6〜8は比較例である。
比較例No.6はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が無いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が悪い。比較例No.7はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が低いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が劣る。比較例No.8は加工温度が高いために、加工後の部材密度が劣り、かつ加工後の部材構成相は結晶質であった。
(実施例6)
実施例1と同様に、成分組成Co40Fe22Nb8 30(軟化開始温度:580℃、ガラス遷移温度:620℃、結晶化温度:710℃)の各種金属ガラス粉末のパターン設定温度と加工後の部材評価結果を表6に示す。粉末の加工は、内径φ8mmの円筒状金型に該粉末1gを充填して行い、100%密度でφ8mm、高さ2.8mmの円筒状の焼結部材を作製した。また、粉末全体を均一温度にするために所定の保持時間にて10分間保持を行った。
Figure 2009097084
表6に示すように、No.1〜5は本発明例であり、No.6〜8は比較例である。
比較例No.6はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が無いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が悪い。比較例No.7はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が低いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が悪い。比較例No.8は加工温度が高いために、加工後の部材密度が劣り、かつ加工後の部材構成相は結晶質であった。
(実施例7)
実施例1と同様に、成分組成Zr55Cu30Ni5 Al10(軟化開始温度:350℃、ガラス遷移温度:400℃、結晶化温度:500℃)の各種金属ガラス粉末のパターン設定温度と加工後の部材評価結果を表7に示す。粉末の加工は、内径φ8mmの円筒状金型に該粉末1gを充填して行い、100%密度でφ8mm、高さ3mmの円筒状の焼結部材を作製した。また、粉末全体を均一温度にするために所定の保持時間にて10分間保持を行った。
Figure 2009097084
表7に示すように、No.1〜5は本発明例であり、No.6〜8は比較例である。
比較例No.6はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が無いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が悪い。比較例No.7はヒートパターンにおける加熱温度での保持時間が低いために、加工後の構成相は非晶質であるが、加工後の部材密度が劣る。比較例No.8は加工温度が高いために、加工後の部材密度が劣り、かつ加工後の部材構成相は結晶質であった。
これに対して、実施例2〜7のいずれの本発明例No.1〜5については、特に球状の金属ガラス合金粉末を用いてそれぞれの軟化開始温度以上、ガラス遷移温度以下で加圧保持することで粉末が稠密充填されながら焼結ネックを形成し、昇温後の温度不均一がなく非晶質領域での安定加工が可能となり、また、成形加工時の粉末加工歪みによる結晶化を防止し、熱伝導性の向上を図り、その後結晶化温度以下の温度まで昇温させた後、プレス加工して100%密度の精密成形体を得ることができた。
金属ガラス合金粉末加工装置を示す図である。 ガスアトマイズによる金属ガラス粉末のX線回折パターンを示す図である。 金属ガラス粉末の示差熱分析結果を示す図である。 金属ガラス粉末の高温硬さの試験結果を示す図である。 本発明に係る金属ガラス粉末の加熱温度パターンを示す図である。
符号の説明
1 ラム駆動用モーター
2 上加圧用ラム
3 下加圧用ラム
4 金属ガラス合金粉末
5 金属ダイ
6 金型パンチ
7 加熱用ヒーター


特許出願人 山陽特殊製鋼株式会社
代理人 弁理士 椎 名 彊

Claims (3)

  1. 所望の部品形状を得るために精密加工されたダイ内に金属ガラス合金粉末を挿入し、該金属ガラス合金粉末をガラス遷移温度以上、結晶化温度以下に保った状態でパンチで加圧して精密部品を得る工程において、該金属ガラス合金粉末の昇温中に、軟化開始温度以上、ガラス遷移温度以下でダイ内にて一旦温度を保持して仮焼結した後、結晶化温度以下に昇温して加圧焼結成形することを特徴とする精密部材の製造方法。
  2. 請求項1において、金属ガラス合金粉末の軟化開始温度を示差熱分析で測定される吸熱開始温度であることを特徴とする精密部材の製造方法。
  3. 請求項1または2において、金属ガラス合金粉末が球状であることを特徴とする精密部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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