JP2009094996A - 原稿読取装置及び原稿読取システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原稿読取装置1は、原稿読取部より上流側の原稿搬送路中で原稿を加熱するヒータ91,92を備えている。そしてヒータ91,92による加熱を行わずに画像読取部で読み取った画像データと、加熱を行って画像読取部で読み取った画像データとを比較することで、加熱により変性して消色する着色材料により描画された描画画像データを抽出する。そして抽出した描画画像データで囲まれた指定領域を判定し、その指定領域の画像データに対して、ユーザによる操作入力に基づく特定の画像処理を施す。
【選択図】図2
Description
例えば特許文献1には、画像信号から特定の枠内の領域を検出し、検出した枠内領域の画像編集を容易にすること意図した枠内領域検出装置が開示されている。また特許文献2には、特定の温度まで加熱することにより色が消える消色インクが開示されている。
また、原稿画像を一度読み取って、その画像データを表示画面上に表示し、表示画面に対して操作を行うことで領域を指定できるようにする手法が考えられるが、この手法では原稿を汚すことはないものの、読み取った画像データに対する編集作業が必要となり、操作が煩雑になるという問題が生じる。
1回目の原稿画像の読み取り時には、ヒータによる加熱を行わずに原稿画像を読み取り、2回目の原稿画像の読み取り時には、ヒータによる加熱を行って原稿画像を読み取ることを特徴としたものである。
さらに本発明では、加熱により変性して消色する消色インクを用いて原稿自体に書き込みを行うことができるため、ユーザは、原稿を参照しながら直接原稿上に任意の領域を指定する書き込みを行うことができ、煩雑な操作を行う必要がなくなる。また原稿読取装置にはヒータが備えられ、ヒータにより原稿を加熱することで消色インクが消去されるので、原稿を汚すことなく、領域指定を容易に行うことが可能となる。
図1は、本発明による原稿読取システムの全体構成例を示す図である。原稿読取システムは、原稿読取装置1と、指定領域判定部2と、画像処理部3とを有する。
原稿読取装置1は、原稿画像を読み取って画像データを生成する。指定領域判定部2は、原稿読取装置1で読み取られた画像データから、所定の描画画像データで囲まれた指定領域を判定する。上記描画画像データは、加熱により変性して消色する着色材料により描画された画像データか、もしくは、特定の色の着色材料により描画された画像データである。
画像合成等の画像編集処理としては、例えば指定領域の画像データを消去して他の画像データを合成する処理が可能で、この場合、他の画像データを指定領域の大きさと一致するように自動変倍して合成する処理、複数の指定領域に対して所定の順序で複数の画像データを合成する処理、テキストデータをビットマップデータに変換して指定領域に合成する処理、元画像を隠蔽していることを示す画像データを指定領域に合成する処理、等を実行させることができる。
図2は、本発明に係る原稿読取装置の一実施形態を説明するための概略構成図である。本実施形態の原稿読取装置1は、複写機(図示せず)の上部に設けられるもので、主として第2画像読取手段50を収容するADF(Auto Document Feeder;自動原稿送り装置)100と、第1画像読取手段10を収容する主走査部200とから構成されている。
ADF100と主走査部200とはヒンジ(図示せず)によって連結され、ADF100はヒンジの回動によって主走査部200に対して開閉可能となっている。
第1画像読取手段10は、光源11及び第1ミラー12aを保持する光源ユニット21と、第2ミラー12b及び第3ミラー12cを保持するミラーユニット22と、レンズ13と、CCD14とから構成された縮小光学系の画像読取手段である。
そしてその後、光源ユニット21が原稿に対して光を照射しながら一定の速度で副走査方向(紙面に対して左右方向)に移動して原稿の画像を走査し、それと同時にミラーユニット22が光源ユニット21の移動速度の1/2の移動速度で同じく副走査方向に移動する。
なお、第2画像読取手段50において、光源51、レンズ53、及びCCD54は、第1画像読取手段10を構成する各要素と同一のものである。
また、ADF100の下面は、主走査部200のプラテン板40上に載置された読み取り原稿を上から押さえる押さえ板80となっている。この押さえ板80は、第1画像読取手段10の光源11に対峙する部分が開放可能な蓋体81となっている。
本実施形態の原稿読取装置1は、主として制御部301、スキャナ部302、画像処理部303、記憶部304、通信部305、操作パネル部306、原稿走査部駆動モータ307aを駆動制御するドライバ307、原稿搬送ローラ駆動モータ308aを駆動制御するドライバ308から構成されている。
スキャナ部302は、図2に示す第1及び第2画像読取手段10,50の走査光学系を構成する。第1及び第2画像読取手段10,50の各CCD14,54は、上記説明では光学縮小方式のCCD(Charge Coupled Devices)としているが、等倍光学方式のCIS(Contact Image Sensor)でもよい。
記憶部304は、例えばRAM、EEPROM、ハードディスク、MOなどで構成され、制御部301によって制御される制御中のデータや、入力された各種指示内容、及びスキャナ部302で読み取った原稿の画像データ等を記憶する。
原稿搬送ローラ駆動モータ308aは、原稿搬送路Fに配置された呼び込みローラ70、搬送ローラ71、レジストローラ72、排紙ローラ73などの各ローラを駆動するモータであり、制御部301の制御に従って、ドライバ308により適宜駆動制御される。
消色インクは、加熱により変性して消色するものであり、各種のものが提案されている。本発明では消色インクの組成や特性を限定することはなく、視認できるように着色された状態のインクが加熱によって変性して消色するものを適宜適用することができる。例えば、消色インクの技術が上記特開平2004−18642号公報に開示されている。
ここではユーザがまず原稿に対して消色インクを用いて任意の領域を囲むように描画を行う。例えば消色インクを収容したマジックペンなどを用いて、ユーザが原稿上に任意の描画を行う。消色インクにより囲まれた領域が指定領域となる。
指定領域の判定処理が開始されると、原稿読取装置1は1回目の原稿画像の読み取り指示を待つ(ステップS1)。原稿画像の読み取り指示は、ユーザが原稿トレイに原稿をセットして、原稿読取装置1のスタートボタンをオンすることで実行することができる。
そして原稿読取装置1では、1回目の原稿画像の読み取りが指示された場合には(ステップS1−YES)、通常の搬送速度で原稿を送りながら原稿画像を読み取り、読み取った画像データを記憶する(ステップS2)。
ここでは、消色インクによる描画部分を含んだ原稿の画像データを1回目の画像読み取りで読み取ることができ、また2回目の画像読み取りでは、ヒータをオンにすることで消色インクが消去された原稿の画像データを読み取ることができる。そしてこれらの画像データを比較することにより、消色インクによる描画部分の画像データ(描画画像データ)を抽出することができる(ステップS7)。描画画像データの抽出は、記憶部304に記憶させた1回目と2回目の画像データを使用して制御部301によって実行することができる。
1回目の原稿画像の読み取り処理によって、図5(A)に示すような画像データ400を画像処理部303から取得できたものとする。この画像データ400には、消色インクを用いて描画された部分の画像データである描画画像データ401が含まれている。
そして制御部301は、1回目の画像データ400と、2回目の画像データ410とを比較し、1回目と2回目とで異なる部分の画像データを取得する。この異なる部分の画像データとして、図5(C)に示すような描画画像データ401が取得される。また図5(C)の画像データ範囲420は、1回目及び2回目で取得した画像データの範囲を示している。この画像データ範囲420は、原稿1頁分の画像データの範囲になる。
そして制御部301は、1回目の画像データ400と2回目の画像データ410との間で、1ドットずつ全てのドットについてEX−OR処理(比較処理)を行う。このEX−OR処理によって、2つの画像データ400,410のうち異なるデータの部分、すなわち描画画像データ401のみが比較結果として残ることになる。
従って1回目の画像データと2回目の画像データとを比較する際には、2つの画像データのうち同じ位置のドットの画像データ同士を比較するのみならず、一方の画像データの1つドットに対して、他方の画像データの同じ位置のドットとそのドットから上下左右に数ドットずらしたドットとをそれぞれ比較して、複数の比較後の画像データを得る。そして複数の比較後の画像データのうち、異なるデータが最小となる画像データを真の描画画像データ401とする。
このときにその探索用ドットが描画画像データ401で囲まれていなければ、いずれ探索用ドットは1頁の画像データ範囲420の端部に到着する。またその探索用ドットが描画画像データ401に囲まれていれば、1頁の画像データ範囲420の端部に到着することはない。従って探索用ドットを移動させながら、描画画像データ401による囲み領域内を埋め尽くすことにより、画像処理対象の指定領域を判定することができる。
こうして1回目と2回目の探索処理を行って、その探索領域が描画画像データ401に囲まれていることが解れば、描画画像データ401による囲み領域があることが判定できる。描画画像データ401の囲み領域の内部は、ユーザにより指定された指定領域である。
図7は、本発明に係る原稿読取装置の他の実施形態を説明するための概略構成図である。上記図2に示す実施形態では、第1ヒータ91及び第2ヒータ92よりなるヒータユニット90を、画像読取部(第1画像読取手段10及び第2画像読取手段50)の上流側の搬送路に設けた構成を有しているが、本実施形態では、ヒータユニット90を画像読取部の下流側の搬送路に設けたものとなっている。本例では、ヒータユニット90は、排紙ローラ73の内部に設けられているが、これに限らず、画像読取部の下流側の搬送路における適当な位置にヒータユニット90を配置させることができる。ヒータユニット90の第1ヒータ91及び第2ヒータ92は原稿の搬送路を挟んで互いに対向して配置する。またヒータユニット90は、原稿の裏面と面面とを選択的に加熱することが可能である。
指定領域の判定処理が開始されると、原稿読取装置1は原稿画像の読み取り指示を待つ(ステップS11)。原稿画像の読み取り指示は、ユーザが原稿トレイに原稿をセットして、原稿読取装置1のスタートボタンをオンすることで実行することができる。
このときに、別途転送された修正データを、指定領域の大きさと一致するよう自動変倍して差し換えることができる。これは、指定領域のXY方向の長さと修正データのXY方向の長さの比に応じて修正データの変倍率を定め、設定することで実現できる。
また、複数の指定領域の位置を登録し、複数の修正データを順次、差し換えるよう処理することもできる。これは、識別した複数の指定領域に上から下に向けて(または左から右に向けて)序数を付与し、序数と一致する修正データを選択して、差し換えるデータとする。
例えば図9(A)に示すような画像データに顧客情報(ここでは氏名501及び住所502)と、購入履歴情報503が含まれているものとする。そして、このような画像データを複写するときに、顧客情報は隠して購入履歴情報のみを複写することを想定する。
このとき、原稿読取装置では、図9(C)に示すように、修正データとして「秘」の文字を含む画像データ505を用意して記憶部304に記憶させておき、操作パネル部304に対する所定の操作入力に従って、判定した指定領域内の元画像データを「秘」の文字を含む画像データ505に差し換える処理を行う。この場合、「秘」の文字を含む画像データ505は、元画像を隠蔽していることを示す画像データであり、ユーザは、これにより元画像が隠されていることを知ることができる。
本発明の原稿読取システムに係る実施形態について説明する。原稿読取装置の実施形態は、上記実施形態1,2の機能を実現する手段を備え、これら実施形態と同様の画像処理を行うことができる。
本実施形態に係る原稿読取システムでは、少なくとも消色インクによる描画画像データで囲まれた指定領域を判定する指定領域判定部と、判定した指定領域に対して画像処理を行う画像処理部とが、原稿読取装置1の外部に構成され、原稿読取装置1から出力された画像データに基づいて指定領域を判定し、所定のユーザ操作に従って指定された画像処理を実行する。
Claims (17)
- 原稿画像を読み取って画像データを生成する画像読取部を備えた原稿読取装置であって、原稿搬送路中で原稿を加熱するヒータを備え、
前記ヒータによる加熱を行わずに前記画像読取部で読み取った画像データと、前記ヒータによる加熱を行った後に前記画像読取部で読み取った画像データとを比較することで、加熱により変性して消色する着色材料により描画された描画画像データを抽出する画像データ抽出部を有することを特徴とする原稿読取装置。 - 請求項1に記載の原稿読取装置において、前記画像データ抽出部が前記描画画像データの抽出を行う際に、前記画像読取部は、同一の原稿を2回連続して読み取る動作を行い、
1回目の原稿画像の読み取り時には、前記ヒータによる加熱を行わずに原稿画像を読み取り、2回目の原稿画像の読み取り時には、前記ヒータによる加熱を行って原稿画像を読み取ることを特徴とする原稿読取装置。 - 原稿画像を読み取って画像データを生成する画像読取部を備えた原稿読取装置であって、前記画像読取部より下流側の原稿搬送路中で原稿を加熱するヒータを備え、
前記画像読取部で読み取った画像データから、特定の色の着色材料により描画された描画画像データを抽出する画像データ抽出部を有することを特徴とする原稿読取装置。 - 請求項1〜3のいずれか1に記載の原稿読取装置において、前記画像データ抽出部で抽出した描画画像データに基づいて、該描画画像データで囲まれた指定領域を判定する指定領域判定部と、
該指定領域判定部が判定した前記指定領域の画像データに対して、指定された画像処理を施す画像処理部と、を有することを特徴とする原稿読取装置。 - 請求項3に記載の原稿読取装置において、前記ヒータによる加熱を行わずに前記画像読取部で読み取った画像データと、前記ヒータによる加熱を行った後に前記画像読取部で読み取った画像データとを表示させる表示部を有し、
前記画像処理部は、前記表示部に表示した画像データを確認する操作入力を受け付けて、該操作入力後に前記指定された画像処理を施すことを特徴とする原稿読取装置。 - 請求項3に記載の原稿読取装置において、前記画像読取部で読み取った画像データを表示させる表示部を有し、前記画像処理部は、前記表示部に表示した画像データを確認する操作入力を受け付けて、該操作入力後に前記指定された画像処理を施すことを特徴とする原稿読取装置。
- 請求項1〜6のいずれか1に記載の原稿読取装置において、前記ヒータは、原稿の表裏の両方の面を加熱可能に設けられていることを特徴とする原稿読取装置。
- 請求項7に記載の原稿読取装置において、前記ヒータは、原稿の表面と裏面とを選択的に加熱することを特徴とする原稿読取装置。
- 請求項8に記載の原稿読取装置において、前記ヒータは、原稿の表面を加熱する第1ヒータと、原稿の裏面を加熱する第2ヒータとからなり、前記第1及び第2ヒータは、原稿の搬送路を挟んで対向配置していることを特徴とする原稿読取装置。
- 請求項1または2記載の原稿読取装置において、前記ヒータによる加熱を行って原稿画像を読み取るときの原稿の搬送速度は、前記ヒータによる加熱を行わずに原稿画像を読み取るときの搬送速度よりも遅いことを特徴とする原稿読取装置。
- 請求項1〜10のいずれか1に記載の原稿読取装置において、前記描画画像データを抽出すべき原稿のページ番号が指定されているときに、該指定されたページ番号の原稿を加熱するように前記ヒータを制御することを特徴とする原稿読取装置。
- 原稿画像を読み取って画像データを生成する画像読取部と、原稿を加熱して加熱により変性して消色する着色材料により描画された原稿上の描画部を消去するヒータとを有する原稿読取装置と、
前記着色材料により描画された描画画像データを抽出する描画画像データ抽出部と、
前記画像データ抽出部で抽出した描画画像データに基づいて、該描画画像データで囲まれた指定領域を判定する指定領域判定部と、
該指定領域判定部が判定した前記指定領域の画像データに対して、指定された画像処理を施す画像処理部とを有することを特徴とする原稿読取システム。 - 請求項12に記載の原稿読取システムにおいて、前記画像処理部は、前記指定領域の画像データを消去して他の画像データを合成することを特徴とする原稿読取システム。
- 請求項13に記載の原稿読取システムにおいて、前記画像処理部は、他の画像データを前記指定領域の大きさに一致するように自動変倍して合成することを特徴とする原稿読取装置。
- 請求項13に記載の原稿読取システムにおいて、前記画像処理部は、複数の前記指定領域に対して複数の他の画像データを所定の順序で合成することを特徴とする原稿読取システム。
- 請求項13に記載の原稿読取システムにおいて、前記画像処理部は、テキストデータをビットマップデータに変換し、該変換したビットマップデータを前記他の画像データとして前記指定領域に合成することを特徴とする原稿読取システム。
- 請求項13に記載の原稿読取システムにおいて、前記画像処理部は、元画像を隠蔽していることを示す他の画像データを前記指定領域に合成することを特徴とする原稿読取システム。
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