JP2009093726A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Toru Hotta
徹 堀田
Ryoichi Kawasaki
良一 川崎
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Abstract

【課題】 光検出器に対する戻り光のスポット位置を調整することが出来る光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】 入射されたレーザー光を第1光学系方向及び第2光学系方向に分離する偏光ビームスプリッタ3と、第1光学系に組み込まれているとともにレーザー光を第1光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる第1対物レンズと、第2光学系に組み込まれているとともにレーザー光を第2光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる第2対物レンズと、前記第1光ディスクの信号記録層から反射される戻り光及び第2光ディスクの信号記録層から反射される戻り光が照射される位置に設けられている光検出器16とを備え、前記第1光学系または第2光学系の一方に前記光検出器16に照射されて生成されるスポットを調整する調整レンズ17を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ディスクに記録されている信号の読み出し動作や光ディスクに信号の記録動作を行う光ピックアップ装置に関する。
光ピックアップ装置から照射されるレーザー光を光ディスクの信号記録層に照射することによって信号の読み出し動作や信号の記録動作を行うことが出来る光ディスク装置が普及している。
光ディスク装置としては、CDやDVDと呼ばれる光ディスクを使用するものが一般に普及しているが、最近では記録密度を向上させた光ディスク、即ちBlu−ray規格やHD DVD(High Density Digital Versatile Disk)規格の光ディスクを使用するものが開発されている。
CD規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作を行うレーザー光としては、波長が780nmである赤外光が使用され、DVD規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作行うレーザー光としては、波長が650nmの赤色光が使用されている。
そして、前記CD規格の光ディスクにおける信号記録層の上面、即ち信号記録層とレーザー光が入射する表面との間に設けられている保護層の厚さは1.2mmであり、この信号記録層から信号の読み出し動作を行うために使用される対物レンズの開口数は0.45と規定されている。また、DVD規格の光ディスクにおける信号記録層の上面に設けられている保護層の厚さは0.6mmであり、この信号記録層から信号の読み出し動作を行うために使用される対物レンズの開口数は0.6と規定されている。
斯かるCD規格及びDVD規格の光ディスクに対して、Blu−ray規格やHD DVD規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作を行うレーザー光としては、波長が短いレーザー光、例えば波長が405nmの青紫色光が使用されている。
Blu−ray規格の光ディスクにおける信号記録層の上面に設けられている保護層の厚さは、0.1mmであり、この信号記録層から信号の読み出し動作を行うために使用される対物レンズの開口数は、0.85と規定されている。
一方、HD DVD規格の光ディスクにおける信号記録層の上面に設けられている保護層の厚さは、0.6mmであり、この信号記録層から信号の読み出し動作を行うために使用される対物レンズの開口数は、0.65と規定されている。
前述したようにBlu−ray規格やHD DVD規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作を行うためのレーザー光としては、波長が405nmの青紫色光を使用することが出来るので、レーザーダイオードを兼用することによって両規格の光ディスクから信号の読み出し動作を行うことが出来る光ピックアップ装置を作ることが出来る。
しかしながら、両光ディスクから信号を読み出すためには、信号記録層の位置が大きく相違し、対物レンズの必要とする開口数が大きく異なるため、各光ディスクに対応させて開口数を切り換える必要があり、斯かる動作を行うことが出来る光ピックアップ装置が開発されている。(特許文献1参照。)
また、最近では、前述したCD規格及びDVD規格の光ディスクだけでなく、Blu−ray規格やHD DVD規格の光ディスクも使用することが出来る光ディスク装置の製品化が行われている。斯かる光ディスク装置に使用される光ピックアップ装置は、当然使用可能な規格の光ディスクに設けられている信号記録層から信号の読み出し動作や該信号記録層への信号の記録動作を行うことが出来るように構成されることになる。
斯かる光ピックアップ装置は、前述した波長のレーザー光を単一の対物レンズにて光ディスクの信号記録層に照射させることが困難であるため、例えばCD規格及びDVD規格の光ディスクにレーザー光を照射する対物レンズと例えばBlu−ray規格の光ディスクにレーザー光を照射する対物レンズの2つの対物レンズが使用されることになる。(特許文献2参照。)
特開2006−172605号公報 特開平11−23960号公報
前述したようにBlu−ray規格やHD DVD規格の光ディスクに記録されている信号の読み出し動作を行うためのレーザー光としては、波長が405nmの青紫色光を使用することが出来るので、レーザーダイオードを兼用することによって両規格の光ディスクから信号の読み出し動作を行うことが出来る光ピックアップ装置を作ることが出来る。
また、斯かる両規格の光ディスクは、光ディスクの保護層の厚さが異なるだけでなく対物レンズの開口数が異なるため、各規格の光ディスクに対応した2つの対物レンズを使用する光ピックアップが開発されている。
2つの対物レンズが組み込まれている光ピックアップ装置において、第1対物レンズ及び第2対物レンズは、支持ワイヤーにて光ディスクの信号面方向及び光ディスクの径方向へ変位可能に支持されているレンズホルダー上に固定されており、前記レンズホルダーの変位動作によってレーザー光を光ディスクに設けられている信号記録層にスポットとして集光させるフォーカス制御動作及び信号記録層に設けられている信号トラック上にスポットを追従させるトラッキング制御動作を行うように構成されている。
光ピックアップ装置におけるフォーカス制御動作やトラッキング制御動作は、光ディスクに設けられている信号記録層から反射される戻り光と呼ばれるレーザー光を光検出器に照射させ、該光検出器から得られるフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を利用して行うように構成されている。
2つの対物レンズが組み込まれた光ピックアップ装置では、各々の対物レンズから得られる戻り光を光検出器に照射させることによって各光ディスクに対するフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を生成するように構成されるが、この光検出器を兼用使用するように構成された光ピックアップ装置では、一方の対物レンズから得られる戻り光に適した位置に光検出器の取り付け位置を決定すると他方の対物レンズから得られる戻り光に対して最適な位置にならないという問題がある。
本発明は、斯かる問題を解決することが出来る光ピックアップ装置を提供しようとするものである。
本発明は、レーザーダイオードから放射されたレーザー光が入射されるとともに入射されたレーザー光を第1光学系方向及び第2光学系方向に分離する偏光ビームスプリッタと
、第1光学系に組み込まれているとともにレーザー光を第1光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる第1対物レンズと、第2光学系に組み込まれているとともにレーザー光を第2光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる第2対物レンズと、前記第1光ディスクの信号記録層から反射される戻り光及び第2光ディスクの信号記録層から反射される戻り光が照射される位置に設けられている光検出器とを備えた光ピックアップ装置において、前記第1光学系または第2光学系の一方に前記光検出器に照射されて生成される照射スポットを調整する調整レンズを設けたことを特徴とするものである。
また、本発明は、調整レンズを光軸方向に対して垂直方向へ変位させることによって光検出器に対する照射スポットの生成位置を調整するようにしたことを特徴とするものである。
そして、本発明は、調整レンズを光軸方向へ変位させることによってデフォーカスを調整するようにしたことを特徴とするものである。
更に、本発明は、調整レンズを光軸方向に対して垂直方向へ変位させることによって光検出器に対する照射スポットの生成位置を調整した後調整レンズを光軸方向へ変位させることによってデフォーカスを調整するようにしたことを特徴とするものである。
また、本発明は、第1光ディスクの保護層が第2光ディスクの保護層と比較して薄いとき、調整レンズを第2光学系に組み込むようにしたことを特徴とするものである。
そして、本発明は、第1光学系に対する光検出器の位置を調整固定した後調整レンズの位置調整を行うようにしたことを特徴とするものである。
本発明の光ピックアップ装置は、レーザーダイオードから放射されたレーザー光が入射されるとともに入射されたレーザー光を第1光学系方向及び第2光学系方向に分離する偏光ビームスプリッタと、第1光学系に組み込まれているとともにレーザー光を第1光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる第1対物レンズと、第2光学系に組み込まれているとともにレーザー光を第2光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる第2対物レンズと、前記第1光ディスクの信号記録層から反射される戻り光及び第2光ディスクの信号記録層から反射される戻り光が照射される位置に設けられている光検出器に加え、前記第1光学系または第2光学系の一方に前記光検出器に照射されて生成される照射スポットを調整する調整レンズを設けたので、第1光学系及び第2光学系に対する光検出器による検出動作を正確に行うことが出来る。
図1は本発明の光ピックアップ装置の光学系を示す概略図、図2及び図3は光ディスクと光学系との関係を示す概略図、図4、図5及び図6は光検出器と照射スポットとの関係を示す説明図である。
本実施例では、Blu−ray規格の光ディスク(第1光ディスクD1)とHD DVD規格の光ディスク(第2光ディスクD2)に対して使用することが出来る光ピックアップ装置について説明する。
図1において、Lは波長が405nm、即ち青紫色光であるレーザー光を放射するレーザーダイオードであり、本実施例ではS方向の直線偏光光を放射するように構成されている。1は前記レーザーダイオードLから放射されるレーザー光が入射されるとともに該レーザー光を0次光、+1次光及び−1次光に分離する回折格子、2は回折格子1を透過し
たレーザー光が入射されるとともにS方向の直線偏光光をP方向の直線偏光光に変換する1/2波長板であり、第1光ディスクD1に対応した動作を行う場合には変換動作を行わず第2光ディスクD2に対応した動作を行う場合に変換動作を行う状態になるように構成されている。
斯かる1/2波長板2による偏光方向の偏光選択動作は機械的に波長板を移動させる方法や液晶素子を電気的に制御する方法にて構成することが出来るので、その説明は省略する。
3は前記回折格子1及び1/2波長板2を透過した信号が入射される偏光ビームスプリッタであり、S方向の直線偏光光は第1光学系Aのレーザー光として反射させるとともに前記1/2波長板2にてP方向の直線偏光光に変換されたレーザー光は第2光学系Bのレーザー光として透過させる制御膜3aが設けられている。即ち、前記偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aは、S偏光光のレーザー光は反射させ、P偏光光のレーザー光は透過させる特性を有するように構成されている。
4は前記偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aにて反射されたレーザー光及び第1光ディスクD1に設けられている信号記録層L1から反射される戻り光が入射されるとともに第1光学系Aに組み込まれている第1光学系1/4波長板であり、入射されるレーザー光を直線偏光光から円偏光光、また円偏光光から直線偏光光に変換する作用を成すものである。
5は前記第1光学系1/4波長板4を透過したレーザー光が入射されるとともに第1光学系Aに組み込まれている第1コリメートレンズであり、入射されたレーザー光を平行光にする作用を成すとともに第1光ディスクD1の保護層による球面収差を補正するために最適な位置に調整固定されるように構成されている。
6は前記第1コリメートレンズ5にて平行光に変換されたレーザー光が入射されるとともに該レーザー光を反射させる第1反射ミラー、7は前記第1反射ミラー6にて反射されたレーザー光が入射される第1立ち上げミラーであり、図2に示したようにレーザー光を第1光ディスクD1に設けられている信号記録層L1に集光させるべく設けられている第1対物レンズ8方向へ反射させる作用を成すものである。
前述したように第1光ディスクD1を使用する場合に作用する第1光学系Aは、第1光学系1/4波長板4、第1コリメートレンズ5、第1反射ミラー6、第1立ち上げミラー7及び第1対物レンズ8にて構成されている。
9は前記偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aを透過したレーザー光及び第2光ディスクD2に設けられている信号記録層L2から反射される戻り光が入射されるとともに第2光学系Bに組み込まれている第2光学系1/4波長板であり、入射されるレーザー光を直線偏光光から円偏光光、また円偏光光から直線偏光光に変換する作用を成すものである。
10は前記第2光学系1/4波長板9を透過したレーザー光が入射されるとともに第2光学系Bに組み込まれている第2反射板、11は前記第2反射板10にて反射されたレーザー光が入射される第2コリメートレンズであり、入射されたレーザー光を平行光にする作用を成すとともに第2光ディスクD2の保護層による球面収差を補正するために最適な位置に調整固定されるように構成されている。
12は前記第2コリメートレンズ11にて平行光に変換されたレーザー光が入射される
とともに該レーザー光を反射させる第3反射ミラー、13は前記第3反射ミラー12にて反射されたレーザー光が入射される第2立ち上げミラーであり、図3に示したようにレーザー光を第2光ディスクD2に設けられている信号記録層L2に集光させるべく設けられている第2対物レンズ14方向へ反射させる作用を成すものである。
前述したように第2光ディスクD2を使用する場合に作用する第2光学系Bは、第2光学系1/4波長板9、第2反射ミラー10、第2コリメートレンズ11、第3反射ミラー12、第2立ち上げミラー13及び第2対物レンズ14にて構成されている。
斯かる構成において、第1光学系Aを構成する第1対物レンズ8にて第1光ディスクD1の信号記録層L1に集光されたレーザー光は該信号記録層L1から戻り光として反射されて該第1対物レンズ8に入射される。このようにして、前記第1対物レンズ8に入射された戻り光は第1立ち上げミラー7、第1反射ミラー6、第1コリメートレンズ5及び第1光学系1/4波長板4を介して前記偏光ビームスプリッタ3に入射される。
このようにして偏光ビームスプリッタ3に入射される第1光学系Aからの戻り光は、前記第1光学系1/4波長板4によって円偏光光からP方向の直線偏光光に変換されているので、該偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aを透過し、矢印P方向へ出射されることになる。
また、斯かる構成において、第2光学系Bを構成する第2対物レンズ14にて第2光ディスクD2の信号記録層L2に集光されたレーザー光は該信号記録層L2から戻り光として反射されて該第2対物レンズ14に入射される。このようにして、前記第2対物レンズ14に入射された戻り光は第2立ち上げミラー13、第3反射ミラー12、第2コリメートレンズ11、第2反射ミラー10及び第2光学系1/4波長板9を介して前記偏光ビームスプリッタ3に入射される。
このようにして偏光ビームスプリッタ3に入射される第2光学系Bからの戻り光は、前記第2光学系1/4波長板9によって円偏光光からS方向の直線偏光光に変換されているので、該偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aにて反射され、矢印P方向へ出射されることになる。
15は前記偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aを透過した第1光学系Aからのレーザー光及び該制御膜3aにて反射された第2光学系Bからのレーザー光が入射されるアナモフィックレンズであり、シリンドリカル面、平面、凹曲面または凸曲面等が入射面側及び出射面側に形成されている。
斯かるアナモフィックレンズ15は戻り光に非点収差を発生させることによってフォーカス制御動作に使用されるフォーカスエラー信号を生成させるために設けられている。16は前記アナモフィックレンズ15を通過した戻り光が集光されて照射される位置に設けられている光検出器であり、フォトダイオードが配列された4分割センサー等にて構成されている。斯かる光検出器16を構成する4分割センサーの構造及び非点収差法によるフォーカスエラー信号の生成動作等は周知であり、その説明は省略する。
17は前記第2光学系Bを構成する第2光学系1/4波長板9と第2反射ミラー10との間に設けられている調整レンズであり、光軸方向及び光軸に対して垂直方向への変位を可能に設けられ、後述する調整動作によって最適となる位置にて接着固定されるように構成されている。
以上に説明したように本発明に係る光ピックアップ装置の光学系は構成されているが、
次に斯かる構成の光ピックアップ装置における信号の読み取り動作について説明する。
第1光ディスクD1を使用する場合には、該第1光ディスクD1に設けられている信号記録層L1の位置と第1対物レンズ8との位置関係は図2に示した状態になる。斯かる第1光ディスクD1を使用する場合には、レーザーダイオードLに駆動電流が供給され、該レーザーダイオードLから青紫色のレーザー光が放射される。
前記レーザーダイオードLから放射されたS偏光光であるレーザー光は、回折格子2に入射され、0次光、+1次光及び−1次光に分離された後1/2波長板2に入射される。第1光ディスクD1を使用する場合には、前記1/2波長板2は偏光動作を行わない状態にあるので、レーザー光はS偏光光のままで前記偏光ビームスプリッタ3に入射される。斯かるS偏光光が前記偏光ビームスプリッタ3に入射されると、該偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aにて第1光学系A方向へ反射されることになる。
前記制御膜3aにて反射されたレーザー光は、第1光学系1/4波長板4に入射されて直線偏光光から円偏光光に変換された後第1コリメートレンズ5に入射される。該第1コリメートレンズ5に入射されたレーザー光は、該第1コリメートレンズ5の働きによって平行光に変換される。前記第1コリメートレンズ5によって平行光に変換されたレーザー光は、第1反射ミラー6にて反射された後第1立ち上げミラー7に入射される。
前記第1立ち上げミラー7に入射されたレーザー光は、図2に示すように入射方向に対して直角になる方向に反射されて第1対物レンズ8に入射される。前記第1対物レンズ8に入射されたレーザー光は該第1対物レンズ8の集光動作によって第1光ディスクD1の信号記録層L1にスポットとして照射されることになる。このようにして、レーザーダイオードLから放射されるレーザー光は、第1光ディスクD1の信号記録層L1に所望のスポットとして照射されるが、この場合における第1対物レンズ8の開口数は0.85になるように設定されている。
前述した動作によってレーザー光の第1光ディスクD1に設けられている信号記録層L1への照射動作が行われるが、斯かる照射動作が行われるとき、該信号記録層L1から反射される戻り光が第1対物レンズ8に第1光ディスクD1側から入射される。前記第1対物レンズ8に入射された戻り光は、第1立ち上げミラー7、第1反射ミラー6、第1コリメートレンズ5及び第1光学系1/4波長板4を通して偏光ビームスプリッタ3に入射される。前記偏光ビームスプリッタ3に入射される戻り光は、P方向の直線偏光光に変換されているので、該偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aを透過することになる。
前記制御膜3aを透過した第1光学系Aからの戻り光は、アナモフィックレンズ15に入射され、該アナモフィックレンズ15の働きによって非点収差が発生せしめられる。前記アナモフィックレンズ15によって非点収差が発生せしめられた戻り光は、該アナモフィックレンズ15の集光動作によって光検出器16に設けられている4分割センサー等のセンサー部に照射される。このようにして戻り光が光検出器16に照射される結果、該光検出器16に組み込まれているセンサー部に照射されるスポット形状の変化を利用して周知のようにフォーカスエラー信号の生成動作が行われる。斯かるフォーカスエラー信号を利用して第1対物レンズ8を第1光ディスクD1の信号面方向へ変位させることによってフォーカス制御動作を行うことが出来る。
以上に説明したように第1光ディスクD1を使用する場合の動作、即ち光ピックアップ装置を構成する第1光学系Aを使用する場合の動作は行われるが、次に第2光ディスクD2を使用する場合の動作、即ち第2光学系Bを使用する場合の動作について説明する。
第2光ディスクD2を使用する場合には、該第2光ディスクD2に設けられている信号記録層L2の位置と第2対物レンズ14との位置関係は図3に示した状態になる。斯かる第2光ディスクD2を使用する場合には、第1光ディスクD1と同様に前記レーザーダイオードLに駆動電流が供給され、該レーザーダイオードLから青紫色のレーザー光が放射される。
前記レーザーダイオードLから放射されたS偏光光であるレーザー光は、回折格子2に入射され、0次光、+1次光及び−1次光に分離された後1/2波長板2に入射される。第1光ディスクD1を使用する場合には、前記1/2波長板2は偏光動作を行う状態にあるので、レーザー光はS偏光光からP偏光光に変換された後前記偏光ビームスプリッタ3に入射される。斯かるP偏光光は前記偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aを透過するので、入射レーザー光は第2光学系B方向へ出射されることになる。
前記制御膜3aを透過したレーザー光は、第2光学系1/4波長板9に入射されて直線偏光光から円偏光光に変換された後調整レンズ17を通して第2反射ミラー10に照射される。該第2反射ミラー10に照射されたレーザー光は反射された後第2コリメートレンズ11に入射される。該第2コリメートレンズ11に入射されたレーザー光は、該第2コリメートレンズ11の働きによって平行光に変換される。前記第2コリメートレンズ11によって平行光に変換されたレーザー光は、第3反射ミラー12にて反射された後第2立ち上げミラー13に入射される。
前記第2立ち上げミラー13に入射されたレーザー光は、図3に示すように反射されて第2対物レンズ14に入射される。前記第2対物レンズ14に入射されたレーザー光は該第2対物レンズ14の集光動作によって第2光ディスクD2の信号記録層L2にスポットとして照射されることになる。このようにして、レーザーダイオードLから放射されるレーザー光は、第2光ディスクD2の信号記録層L2に所望のスポットとして照射されるが、この場合における第1対物レンズ8の開口数は0.65になるように設定されている。
前述した動作によってレーザー光の第2光ディスクD2に設けられている信号記録層L2への照射動作が行われるが、斯かる照射動作が行われるとき、該信号記録層L2から反射される戻り光が第2対物レンズ14に第2光ディスクD2側から入射される。前記第2対物レンズ14に入射された戻り光は、第2立ち上げミラー13、第3反射ミラー12、第2コリメートレンズ11、第2反射ミラー10及び第2光学系1/4波長板9を通して偏光ビームスプリッタ3に入射される。前記偏光ビームスプリッタ3に入射される戻り光は、S方向の直線偏光光に変換されているので、該偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aにて反射されることになる。
前記制御膜3aにて反射された第2光学系Bからの戻り光は、アナモフィックレンズ15に入射され、該アナモフィックレンズ15の働きによって非点収差が発生せしめられる。前記アナモフィックレンズ15によって非点収差が発生せしめられた戻り光は、該アナモフィックレンズ15の集光動作によって光検出器16に設けられている4分割センサー等のセンサー部に照射される。このようにして戻り光が光検出器16に照射される結果、該光検出器16に組み込まれているセンサー部に照射されるスポット形状の変化を利用して周知のようにフォーカスエラー信号の生成動作が行われる。斯かるフォーカスエラー信号を利用して第1対物レンズ8を第1光ディスクD1の信号面方向へ変位させることによってフォーカス制御動作を行うことが出来る。
前述したように本実施例における第1光ディスクD1及び第2光ディスクD2を使用する場合の動作は行われるが、次に本発明の要旨である調整レンズ17の動作について説明
する。
光ピックアップ装置を構成する光学部品を各部品のために設けられている取り付け位置へ接着固定する動作が行われるが、斯かる組み立て動作は第1光ディスクD1に対応して設けられている第1光学系Aに対して行われる。
即ち、斯かる組み立て動作は、レーザーダイオードL、回折格子1、1/2波長板2、偏光ビームスプリッタ3、第1光学系1/4波長板4、第1コリメートレンズ5、第1反射板6、第1立ち上げミラー7、第1対物レンズ8、アナモフィックレンズ15及び光検出器16を最適な位置に対して調整固定することによって行われる。
斯かる組み立て調整作業によって各光学部品が第1光学系Aに対して最適な位置に接着固定された場合には、光検出器16を構成する4分割センサー部に戻り光が照射されて生成される照射スポットは、図4に示すようになる。即ち、戻り光から生成される照射スポットは、前記光検出器16を構成する4分割センサー部の中心部に正確に位置されるとともにフォーカス調整が正確に行われた円形状になる。
前述したように第1光学系A及び第1光学系Aに対して作用する各光学部品の調整固定動作が完了した後に第2光ディスクD2に対応して設けられている第2光学系Bに対する組み立て動作が行われる。
斯かる組み立て動作は、第2光学系1/4波長板9、第2反射ミラー10、第2コリメートレンズ11、第3反射板12、第2立ち上げミラー13及び第2対物レンズ14を最適な位置に対して調整固定することによって行われるが、調整レンズ17に対する固定動作は後で行われる。
図5の(A)、(B)、(C)及び(D)は、光検出器16に設けられている4分割センサーに対する第2光ディスクD2からの戻り光によって生成される照射スポットの位置を示すものであり、照射スポットの位置がX及びY軸方向へずれた状態を示す。また、図6の(A)及び(B)は戻り光のフォーカスがずれている、即ちデフォーカスの状態を示すものである。
光検出器16に設けられている4分割センサーに対する第2光ディスクD2からの戻り光によって生成される照射スポットの位置や状態が図5または図6に示すようにずれている場合やデフォーカス状態の場合には、第2光ディスクD2に対するフォーカス制御動作等を正確に行うことが出来ないことになる。
本発明は、斯かる問題を解決するために第2光学系Bに組み込まれている調整レンズ17を光軸に対して直角方向へ変位させるとともに光軸方向へ変位させるように構成されている。
即ち、前記調整レンズ17を光軸に対して直角に変位させることによって図5に示すようにXY軸方向へずれている照射スポットの位置を図4に示す中心位置に調整移動させることが出来る。また、前記調整レンズ17を光軸方向へ変位させることによって図6に示すようにデフォーカスに伴って楕円形状に変化している照射スポットの形状を円形にすることが出来る。
前記調整レンズ17を光軸に対して直角方向及び光軸方向へ変位させ、光検出器16に設けられている4分割センサー上に生成される照射スポットが図5に示す状態になるように変位調整した状態にて該調整レンズ17を接着固定することによって第2光学系Bの組
み立て調整動作を行うことが出来る。
前述したように本発明の光ピックアップ装置は、第1光学系Aの組み立て調整動作を行った後に第2光学系Bに組み込まれている調整レンズ17による調整動作を行うことによって光検出器16に対する戻り光から生成される照射スポットの位置及びフォーカス制御動作を最適な状態にすることが出来るので、第1光ディスクD1及び第2光ディスクD2に対するフォーカス制御動作及び信号再生動作等を正確に行うことが出来る。
尚、本実施例では、調整レンズ17を第2光学系Bに組み込んだが第1光学系に組み込むことは勿論可能である。そして、この場合には、第2光学系Bの組み立て動作を行った後に第1光学系Bの組み立て動作が行われることになる。
第1光ディスクD1と第2光ディスクD2の規格とを比較すると第1光ディスクD1の方が短焦点であり、また開口数が大きく設定されているので、第1光学系Aを構成する光学部品の取り付け位置等の精度を厳格にする必要がある。従って、本実施例のように第2光学系Bに調整レンズ17を組み込み、第1光学系Aの組み立て調整動作を先に行った後に第2光学系Bの組み立て動作を行うようにした方が良いことになる。
また、調整レンズ17に対する調整動作は、該調整レンズ17を光軸に対して直角方向へ変位させて4分割センサーに対する照射スポットのXY方向の位置ずれ調整動作を行った後に該調整レンズ17を光軸方向へ変位させてデフォーカス調整を行う方が調整動作を容易に行うことが出来る。即ち、調整レンズ17の光軸に対する直角方向への変位動作に対して光軸方向への変位動作の方が位置の調整範囲が狭くて簡単であるからである。
更に、本実施例では、レーザーダイオードLからS方向の直線偏光光を放射させる場合について説明したが、P方向の直線偏光光を放射させるレーザーダイオードを使用する場合にも適応させることは出来る。また、S偏光光を偏光ビームスプリッタ3に設けられている制御膜3aにて反射させるようにしたが、S偏光光を透過させ、P偏光光を反射させるように構成することも出来る。
本発明の光ピックアップ装置の光学系を示す概略図である。 本発明に係る光ディスクと光学系との関係を示す概略図である。 本発明に係る光ディスクと光学系との関係を示す概略図である。 本発明に係る光検出器と照射スポットとの関係を示す説明図である。 本発明に係る光検出器と照射スポットとの関係を示す説明図である。 本発明に係る光検出器と照射スポットとの関係を示す説明図である。
符号の説明
2 1/2波長板
3 偏光ビームスプリッタ
5 第1コリメートレンズ
7 第1立ち上げミラー
8 第1対物レンズ
11 第2コリメートレンズ
13 第2立ち上げミラー
14 第2対物レンズ
15 アナモフィックレンズ
16 光検出器
L レーザーダイオード

Claims (6)

  1. 信号記録層とレーザー光が入射する表面との間に設けられている保護層の厚さが異なる第1光ディスク及び第2光ディスクに記録されている信号の再生動作を行うことが出来る光ピックアップ装置であり、レーザーダイオードから放射されたレーザー光が入射されるとともに入射されたレーザー光を第1光学系方向及び第2光学系方向に分離する偏光ビームスプリッタと、第1光学系に組み込まれているとともにレーザー光を第1光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる第1対物レンズと、第2光学系に組み込まれているとともにレーザー光を第2光ディスクに設けられている信号記録層に集光させる第2対物レンズと、前記第1光ディスクの信号記録層から反射される戻り光及び第2光ディスクの信号記録層から反射される戻り光が照射される位置に設けられている光検出器とを備え、前記第1光学系または第2光学系の一方に前記光検出器に照射されて生成されるスポットを調整する調整レンズを設けたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 調整レンズを光軸方向に対して垂直方向へ変位させることによって光検出器に対するスポットの生成位置を調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 調整レンズを光軸方向へ変位させることによってデフォーカスを調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  4. 調整レンズを光軸方向に対して垂直方向へ変位させることによって光検出器に対するスポットの生成位置を調整した後調整レンズを光軸方向へ変位させることによってデフォーカスを調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  5. 第1光ディスクの保護層が第2光ディスクの保護層と比較して薄いとき、調整レンズを第2光学系に組み込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  6. 第1光学系に対する光検出器の位置を調整固定した後調整レンズの位置調整を行うようにしたことを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
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