JP2009093569A - 業務サービス利用システム、業務サービス実行システム、業務サービス利用方法およびプログラム、並びに業務サービス実行方法およびプログラム - Google Patents

業務サービス利用システム、業務サービス実行システム、業務サービス利用方法およびプログラム、並びに業務サービス実行方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】SaaS環境からSI環境へ変更する場合、SaaS形態で利用を始めた業務サービスにおいて、埋没コストや機会損失の発生を軽減する。
【解決手段】業務サービスをSaaS事業者環境(A社(101))からSI形態の環境(B市(102))に移行する場合、B市(102)に業務サービスのアドレスを記録するサービスアドレスリスト(343)を設け、業務サービスの移行に合わせてサービスアドレスリスト(343)のアドレスを更新する。また、A社(101)に蓄積された業務データも移行する場合、A社(101)及びB市(102)に業務データのアドレスを記録するデータアドレスリスト(314、334)を設け、業務データの移行に合わせて双方のデータアドレスリスト(314、334)のアドレスを更新する。それらの更新においては、アドレスが論理的に同一になるようにアクセス方法を変更する。
【選択図】図11

Description

本発明は、ネットワークを介してアプリケーションを用いた業務サービスを提供または利用するシステムの技術に関し、特に、業務サービスを提供するシステムをプロバイダ環境および利用者環境の双方に設置する形態において、業務サービスの利用者が業務サービスを提供するシステムの設置場所を意識せずに業務サービスを利用可能にする技術、プロバイダ環境および利用者環境の双方に任意の割合で業務サービスを移行可能とする技術、ならびに業務サービスの移行割合変更を行う適切なタイミングを把握する技術に関する。
近年、インターネットやWeb技術の発展により、アプリケーションを用いた業務サービスを提供するシステムを利用者環境に設置せずに、プロバイダ環境に設置する形態の利用が拡がっている。従来このような形態は、アプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP:Application Service Provider)と呼ばれていたが(例えば、特許文献1参照。)、近年では「SaaS」(Software as a Service)と呼ばれることも多い。ASPとSaaSの違いについては様々な解釈があるが、アプリケーションや業務サービスを提供するシステムを利用者環境に設置しないという特徴は同じである。そこで、ここではASPもSaaSも含めて「SaaS」と呼び、(1)SaaSによる業務サービスの提供・利用形態を「SaaS形態」と呼び、(2)利用者環境に業務サービス提供システムを構築する形態を「SI(System Integration)形態」と呼ぶ。また、SaaSを提供する者を「SaaS事業者」、SaaSを利用する者を「SaaS利用者」、利用者環境にシステムを構築する者を「SI事業者」、SIを利用する者を「SI利用者」と呼ぶ。なお、SI形態とSaaS形態とを比較した場合、一般に利用規模が小さい場合や利用期間が短い場合はSaaS形態がコスト面で有利であり、逆に規模が大きい場合や利用期間が長い場合はSI形態がコスト面で有利であると言われている。
特開2002−163232号公報
組織が新たなシステムを導入する場合、小規模ではじめることが多く、またどのくらい長期に利用するか不確実であることが多い。そのため、まずはSaaS形態で利用を始めることは十分に合理的である。一方、SaaS形態で利用を始めた業務サービスが組織の実態に即したものであれば、次第に利用規模が大きくなり利用期間も延びてくる可能性が高く、いずれはSaaS形態よりもSI形態を採用した方がコスト面で有利になる。
上記の背景から、利用規模の増大、利用期間の長期化を見込み、はじめからSI形態を採用する方法も考えられる。しかし、利用開始当初に規模の増大や期間の長期化を正確に予想することは難しい。そのため、せっかく構築したシステムが無駄になるといったリスクを考慮すると、SI形態で利用を開始することに抵抗を感じるケースは多い。
一方、SaaS形態で利用を始めた業務サービスを、利用規模が大きくなり、利用期間が長期化してきたところでSI形態に変更しようとした場合、SI形態に変更しようとするSaaS利用者がSaaS事業者からデータを買い取ることができないという場合がある。この場合、SaaS事業者環境に蓄積されたデータ等、それまでSaaS形態で利用していた資産を捨てなければならないという埋没コストが発生し、この埋没コスト発生の恐れからSI形態への変更を進めにくいという現状がある。また、SaaS事業者からデータを買い取ることができて埋没コストを発生させずにSI形態に変更できた場合でも、SaaS事業者環境にあるデータを利用者環境に移行し、利用者が業務サービスの接続先の変更を行う間は、実質的な業務サービスの利用および提供を停止しなければならない。そのため、その停止期間に利益を上げる機会を失うという機会損失が発生し、この機会損失の発生の恐れからSI形態への変更を進めにくいという現状がある。
本発明は上記事情を鑑みたものであり、本発明の目的は、SaaS環境からSI環境へ変更する場合、SaaS形態で利用を始めた業務サービスにおいて、SaaS事業者環境に蓄積したデータを捨てることによる埋没コストや、その変更により発生しうる機会損失の発生を軽減し、SaaS環境からSI環境への変更を支援する手段の提供にある。
また、SaaS形態からSI形態に変更するためには、業務サービスや必要なデータの移行等、やはりそれなりの経済的、時間的負担が生じる。そして、その変更を行っている間であっても、利用者による業務サービスの利用になるべく支障をきたさないように移行を調整する必要がある。そこで、本発明のさらなる目的は、上記手段を用いてSaaS形態からSI形態への変更を行うべき契機や、業務サービスや必要なデータの移行の把握を容易にする手段の提供にある。
上記手段として、以下のものを採り上げる。
(1)SaaS利用者環境にSI形態を構築して、業務サービスをSaaS事業者環境からSI形態の環境に移行する場合、SI形態の環境(元のSaaS利用者環境)に業務サービスのアドレスを記録するリスト(サービスアドレスリスト)を設け、業務サービスの移行に合わせてサービスアドレスリストに記録されるアドレスを更新する。すなわち、サービスアドレスリストにおいて、まだSI形態の環境に移行せず、SaaS事業者環境にある業務サービスのアドレスは、SaaS事業者環境にあるように示すアドレスのままにしておき、SI形態の環境に移行した業務サービスのアドレスはSI形態の環境にあるように示すアドレスに書き換える。
また、SaaS事業者環境に蓄積され、業務サービスを実行するときに用いるデータ(業務データ)をSaaS事業者環境からSI形態の環境に移行する場合、SaaS事業者環境およびSI形態の環境(元のSaaS利用者環境)に業務データのアドレスを記録するリスト(データアドレスリスト)を設け、業務データの移行に合わせて双方のデータアドレスリストに記録されるアドレスを更新する。すなわち、データアドレスリストにおいて、まだSI形態の環境に移行せず、SaaS事業者環境にある業務データのアドレスは、SaaS事業者環境にあるように示すアドレスのままにしておき、SI形態の環境に移行した業務データのアドレスはSI形態の環境にあるように示すアドレスに書き換える。
ただし、SaaS事業者環境とSI形態の環境はネットワークを介して接続されているため、業務サービスや業務データの移行により業務サービスや業務データへのアクセス方法が変更してしまう。よって、上記アドレスの書き換えにおいては、アクセス方法の変更に伴い、アドレスの解決の方法も合わせて変更する点に留意する。詳細は後記する。
(2)SaaS形態からSI形態への変更の契機として、SaaS形態で事業を行う場合の損益とSI形態で事業を行う場合の損益とを比較して、双方の損益から損益分岐点を求める。その損益分岐点を形態変更の契機として使用する。詳細は後記する。
(3)SaaS利用者環境に構築したSI形態の稼動状況等を考慮して、業務サービスや業務データの移行の移行率および移行時期を調整する。詳細は後記する。
本発明により、SaaS形態で利用を始めた業務サービスを、SaaS事業者環境に蓄積したデータを捨てることによる埋没コストや、SaaS環境からSI環境へ変更する場合に発生しうる機会損失の発生を軽減し、SaaS環境からSI環境への変更を支援することができる。また、SaaS形態からSI形態への変更を行うべき契機や、業務サービスや必要なデータの移行の把握を容易にすることができる。
以下、本発明の業務サービス実行システム(以下、単に、「システム」という。)を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」という。)について説明する。説明する際には、本明細書と同時に提出する図面を適宜参照する。
1.概略;
本実施の形態として、業務サービスをSaaS形態で提供するA社(SaaS事業者)と、一部門でA社の業務サービスを利用するB市(SaaS利用者)があり、B市の他部門でもA社の業務サービスの利用が増えてきた際に、A社の関連会社でSI事業を手がけるC社(SI事業者)がB市に対しSI形態の構築を行いSaaS形態からSI形態に変更する場合を一例として採り上げ、本発明が適用される状況の概略について説明する。
まず、図1と図2を用いて、SaaS事業者であるA社と、SaaS利用者であるB市と、SI事業者であるC社との関係を、システムのハードウェアの構成の説明も含めて説明し、その関係における業務サービスの提供または利用に関するビジネスの大きな流れを説明する。
1.1.A社、B市、C社の関係;
図1は、SaaS事業者A社と、SaaS利用者B市と、SI事業者C社との関係を示した概念図である。A社(101)とB市(102)の関係は、A社がB市に対してSaaS形態により業務サービスを提供するという(1)SaaSの提供と、B市がA社の業務サービスを利用するという(2)SaaSの利用、という関係となる。また、A社とC社の関係は、A社がC社に対してA社の経営状況を示す経営情報を提供するという(3)経営情報の提供と、C社がA社の経営情報を基にしてA社の事業に関する損益を損益情報として取り扱い監視するという(4)損益情報のモニタリング、という関係となる。また、B市とC社の関係は、B市がC社に対しSI形態の構築を委託するという(5)SIの委託と、C社がB市に対してSI形態の構築をし、その保守を行うという(6)SIの提供、という関係になる。
1.2.システムのハードウェアの構成;
A社(101)は、ネットワーク(301)に接続した業務サーバA(111)を所有している。業務サーバA(111)は、例えば、キーボードやマウス等で実装された入力部111a、CPU(Central Processing Unit:中央制御装置)等で実装された制御部111b、読み書きされるデータを展開するための記憶領域を確保するRAM(Random Access Memory)や外部記憶装置としてのHDD(Hard Disk Drive)等で実装された記憶部111cおよびディスプレイやプリンタ等で実装された出力部111dといったハードウェア資源を備えた、一般的なコンピュータである。そして、制御部111bは、(1)SaaSの提供や(3)経営情報の提供等に関する情報処理を実行するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の業務サーバA(111)用の記録媒体から、そのプログラムを読み出す。
B市(102)は、ネットワーク(301)に接続したプロキシサーバ(112)とプロキシサーバ(112)に接続した(一または二以上の)業務クライアント(341)とを所有している。なお、本実施の形態では、SaaS利用者であるB市(102)が所有する、プロキシサーバ(112)、業務クライアント(341)から構成される情報処理システムを「SaaS利用者システム」(SaaS形態における業務サービス利用システムに相当)と呼ぶ。
プロキシサーバ(112)は、例えば、キーボードやマウス等で実装された入力部112a、CPU等で実装された制御部112b、読み書きされるデータを展開するための記憶領域を確保するRAMや外部記憶装置としてのHDD等で実装された記憶部112cおよびディスプレイやプリンタ等で実装された出力部112dといったハードウェア資源を備えた、業務クライアント(341)の代理で要求や応答する一般的なコンピュータである。そして、制御部112bは、(2)SaaSの利用や(5)SIの委託によりB市(102)内に構築されるSI形態において行われる情報処理等に関する情報処理を実行するためのプログラムを格納したROM等のプロキシサーバ(112)用の記録媒体から、そのプログラムを読み出す。
また、業務クライアント(341)は、例えば、キーボードやマウス等で実装された入力部341a、CPU等で実装された制御部341b、読み書きされるデータを展開するための記憶領域を確保するRAMや外部記憶装置としてのHDD等で実装された記憶部341cおよびディスプレイやプリンタ等で実装された出力部341dといったハードウェア資源を備えた、一般的なコンピュータである。そして、制御部341bは、業務サービスを利用するための情報処理を実行するためのプログラムを格納したROM等の業務クライアント(341)用の記録媒体から、そのプログラムを読み出す。
C社(103)は、ネットワーク(301)に接続した業務サーバC(113)を所有している。業務サーバC(113)は、例えば、キーボードやマウス等で実装された入力部113a、CPU等で実装された制御部113b、読み書きされるデータを展開するための記憶領域を確保するRAMや外部記憶装置としてのHDD等で実装された記憶部113cおよびディスプレイやプリンタ等で実装された出力部113dといったハードウェア資源を備えた、一般的なコンピュータである。そして、制御部113bは、(4)損益情報のモニタリングや(6)SIの提供によりB市(102)内に構築されるSI形態において行われる情報処理等に関する情報処理を実行するためのプログラムを格納したROM等の業務サーバC(113)用の記録媒体から、そのプログラムを読み出す。
もし、B市(102)がSaaS形態からSI形態に変更する場合には、2点鎖線で示すように、B市(102)は、ネットワーク(301)およびプロキシサーバ(112)に接続した業務サーバB(114)を所有することになる。業務サーバB(114)は、例えば、キーボードやマウス等で実装された入力部114a、CPU等で実装された制御部114b、読み書きされるデータを展開するための記憶領域を確保するRAMや外部記憶装置としてのHDD等で実装された記憶部114cおよびディスプレイやプリンタ等で実装された出力部114dといったハードウェア資源を備えた、一般的なコンピュータである。そして、制御部114bは、SI形態により業務サービスを提供するための情報処理を実行するためのプログラムを格納したROM等の業務サーバB(114)用の記録媒体から、そのプログラムを読み出す。なお、本実施の形態では、SI形態に変更してSI利用者となったB市(102)が所有することになる、プロキシサーバ(112)、業務クライアント(341)および業務サーバB(114)から構成される情報処理システムを「SI利用者システム」(SI形態における業務サービス利用システムに相当)と呼ぶ。
1.3.業務サービスの提供または利用に関するビジネスの大きな流れについて;
図2は、A社、B市、C社の関係を時間軸に沿って示した概念図である。A社(101)はB市(102)にSaaSを提供し(ステップS201、図1(1)参照)、一方のB市(102)はA社(101)からSaaSを利用する(ステップS202、図1(2)参照)。B市(102)がA社(101)からSaaSの提供を受けている間、C社(103)はA社(101)の損益情報をモニタリングし(ステップS203、図1(4)参照)、B市(102)の利用状況からSaaS形態とSI形態のどちらがB市にとって低コストであるかという損益に関する分析をする。
分析の結果、SaaS形態よりもSI形態の方がB市(102)にとって低コストであることが分かると、C社(103)はA社(101)に対してSI形態への変更を勧めるように形態変更提案を行う(ステップS204)。B市(102)にとってSaaS形態よりもSI形態の方が低コストであり、B市(102)が移行したことにより空いたキャパシティで新規顧客を受け入れた方が、B市(102)の利用規模が増大することによる追加投資のリスクを回避できるとA社(101)が判断した場合、A社(101)はB市(102)に対して形態変更の提案を行う(ステップS205)。B市(102)はSaaS形態からSI形態に変更した方が低コストであると判断した場合、C社(103)とSI形態の構築を委託して、B市(102)がSIによる業務サービスを実施するという契約(SI契約)を結び(ステップS206、図1(5)参照)、C社(103)はB市(102)に対してSI形態を構築する(SI実施)(ステップS207)。
SI実施後、A社(101)が提供する業務サービスと業務データの一部をB市(102)に移行し(ステップS208)、C社(103)は、A社(101)とB市(102)双方の稼働状況をモニタリングする(ステップS209)。稼働状況のモニタリングの結果、移行がうまくいっていることが分かり、業務サービスと業務データを更に移行させてもよいことが分かると、C社(103)はA社(101)とB市(102)に対して移行率の調整を行う(ステップS210)。移行率の調整を受けたA社(101)とB市(102)は、さらに業務サービスと業務データをA社(101)からB市(102)へ移行させる(ステップS211)。この稼働状況のモニタリング(ステップS209)から業務サービスと業務データの移行(ステップS211)までのステップを、すべての業務サービスと業務データがA社(101)からB市(102)へ移行されるまで繰り返し行う。
2.SaaS形態における業務サービスの提供および利用について;
次に、図3から図7を用いて、SaaS事業者A社とSaaS利用者B市との間で、業務サービスの提供および利用がどのように行われるかを示す。A社(101)からB市(102)へのSaaSの提供(ステップS201)から、A社(101)からB市(102)への形態変更提案(ステップS205)までに行われる情報処理について説明する。
2.1.システムの機能構成(形態変更前);
図3は、C社によるSI実施がされる前の、A社、B市、C社に設置されるシステムの機能構成を示した図である。A社(101)の業務サーバA(111)と、B市(102)のプロキシサーバ(112)と、C社(101)の業務サーバC(113)との間は、インターネット等のネットワーク(301)で接続されている。
A社(101)の業務サーバA(111)は、業務サービス提供部(311)、データ連携部(312)、業務データ(313)、データアドレスリスト(314)、ログ(315)、データ同期部(316)、経営データ(317)およびモニタリング部(318)を備えている。
業務サービス提供部(311)は、SaaS形態として提供されるアプリケーションを実行して、その実行内容を業務サービスとしてB市(102)に提供する。業務サービスを提供する場合は、業務データ(313)を読み書きすることでアプリケーションを実行する。このとき、業務データ(313)に直接アクセスするのではなく、データ連携部(312)を経由して業務データ(313)に間接的にアクセスする。
データ連携部(312)は、業務サービス提供部(311)がアクセスしようとする業務データ(313)のアドレス(ロケーション)やアクセス方法(プロトコル)が登録されたデータアドレスリスト(314)を参照することで、実際にアクセスするアドレスやアクセス方法を解決する。
例えば、業務サービス提供部(311)からデータ連携部(312)に対してSQL(Structured Query Language)文を発行すると、データ連携部(312)は発行されたSQL文からテーブル名などを抽出し、データアドレスリスト(314)に登録された値と照合し、実際にデータが登録されているアドレスやアクセス方法を解決し、データを取得し、業務サービス提供部(311)に取得したデータを返す。
データ同期部(316)は、業務データ(313)の中身のデータをコピーし、およびコピーしたデータを他の情報処理装置へ移動(送信または受信)する。業務データ(313)の中身のデータに移動があった際は、移動したデータに基づいてデータアドレスリスト(314)を更新するように制御部(111b)に指示する。制御部(11b)はその指示に従ってデータアドレスリスト(314)を更新する。
モニタリング部(318)は、サービス価格体系や追加投資をせずに受入可能な顧客キャパシティ等といった、業務サービスの提供において経営にかかわる事業形態を定めたデータである経営データ(317)を取得し、また、業務サービス提供部(311)が出力する、利用者(この場合はSaaS利用者)による業務サービスの利用状況の履歴を示すログ(315)を取得する。そして、取得した経営データ(317)とログ(315)とに対して所定の統計処理をして、利用頻度などの統計情報として生成する。生成した統計情報はC社(103)の業務サーバC(113)に送信して、C社(103)が損益分析や予測のために利用する情報として提供する。このような処理を行い、A市(101)による業務サービスの提供を監視する。
以上、A社(101)内に配置されるサービス(つまり、業務サービス提供部(311)、データ連携部(312)、データ同期部(316)およびモニタリング部(318))とは、計算機上で実行されるプログラムである。また、データ(業務データ(313)、経営データ(317))とは、データベースプログラムおよびデータベースプログラムがデータベースに登録するデータである。また、ログ(315)およびデータアドレスリスト(314)とは、計算機上のファイルである。これらのサービス、データ、及びファイルは一台以上の計算機(本実施の形態では業務サーバA(111))上に配置される。
C社(103)の業務サーバC(113)は、損益分析・予測部(351)および移行率調整部(352)を備えている。
損益分析・予測部(351)は、モニタリング部(318)から統計情報を受信して取得し、所定の演算処理を行って損益分析や損益予測を行う。C社(103)はこの損益分析や損益予測から形態変更の契機を判断する。
移行率調整部(352)は、B市(102)がSaaS形態からSI形態へ変更する場合に、業務サービスや業務データの移行の移行率及び移行タイミングを調整する。
以上、C社(103)内に配置されるツール(損益分析・予測部(351)、移行率調整部(352))とは、計算機上で実行されるプログラムであり、これらのプログラムは一台以上の計算機(本実施の形態では業務サーバC(113))上に配置される。
SaaS利用者であるB市(102)のプロキシサーバ(112)は、Proxy(342)およびサービスアドレスリスト(343)を備えている。業務サービスを利用する業務クライアント(341)は、Proxy(342)を経由して業務サービス提供部(311)にアクセスする。その際、アクセスする業務サービス提供部(311)が提供する業務サービスのアドレスが記載されたサービスアドレスリスト(343)からそのアドレスを読み出すことにより、Proxy(342)は接続先を知ることができる。
以上、業務クライアント(341)とプロキシサーバ(112)とはそれぞれ独立した計算機であり、Proxy(342)はプロキシサーバ(112)という計算機上で実行される、主に業務クライアント(341)からのアクセスの要求や応答を代理するプログラムである。また、サービスアドレスリスト(343)とはProxy(342)のファイルシステム上のファイルである。
なお、各プログラムと、サービスと、データとの間では、必要に応じて暗号化や認証といったセキュリティ対策を講じることが好ましい。例えば、モニタリング部(318)と損益分析・予測部(351)との間では、経営情報が第三者に漏洩するとA社の競争力が失われるため、ネットワーク(301)上で通信内容を盗み見られないよう暗号化を施す必要がある。また、C社以外は経営情報を見ることができないようにするための認証を行うが必要である。同様に、業務サービス提供部(311)とProxy(342)や業務クライアント(341)の間でも、暗号化を施したり、認証を行うことが必要である。この場合、暗号化や認証の情報処理は、Proxy(342)において実行することが好ましい。本実施形態では、このような暗号化や認証が実行されているものとして説明を続ける。しかし、暗号化や認証に関する詳細な説明は省略する。
2.2.サービスアドレスリストについて;
図4は、サービスアドレスリスト(343)の概要を示した図である。サービスアドレスリスト(343)は、業務サービスを識別する情報が登録されるサービスID(Identification)フィールド(401)、業務サービスの名称が登録されるサービス名フィールド(402)、および業務サービスの場所を示すアドレスが登録されるサービスアドレスフィールド(403)を備えたデータベースとして構成される。図4のサービスアドレスフィールド(403)に登場する「SaaSorSI.com」は、A社(101)が提供するSaaSのドメインであり、システムはまだ、SaaS形態であるので、Proxy(342)はすべての業務サービスをA社(101)の業務サービス提供部(311)へ接続する。この場合において、ネットワーク(301)を介して接続するので、サービスアドレスフィールド(403)に登録されるすべての業務サービスのアドレスはhttpsスキーマで書かれる。
2.3.データアドレスリストについて;
図5は、A社(101)内のデータアドレスリスト(314)の概要を示した図である。データアドレスリスト(314)は、業務サービスを実行するときに用いる業務データ(313)を構成するデータベース(DB(Data Base))を識別する情報が登録されるDBIDフィールド(501)、そのデータベースの名称が登録されるDB名フィールド(502)、そのデータベースの場所を示すデータアドレスが登録されるデータアドレスフィールド(503)、SaaS事業者であるA社(101)が業務サービスを提供する場合に、その業務サービスを実行するときに用いる業務データ(313)を構成するデータベースへアクセスするSaaS事業者を識別する情報が登録されるIDフィールド(504)およびそのSaaS事業者がアクセスするときに用いるパスワード(PW:Password)が登録されるPWフィールド(505)を備えたデータベースとして構成される。
形態変更前の段階では、すべての業務データ(313)はA社(101)内にあるため、データアドレスフィールド(503)に登録されるデータアドレスはすべてA社(101)内の計算機(業務サーバA(111))を示している。つまり、ネットワーク(301)を介して接続するわけではないので、データアドレスフィールド(503)に登録されるデータアドレスはjdbcスキーマで書かれる。なお、本実施の形態では、業務サービスを実行するプログラムはJava(登録商標)で作成したものとし、業務データ(313)にアクセスするためのインターフェース仕様はJDBC(Java DataBase Connectivity)を用いることとする。しかし、本発明を適用するにあたり、プログラムやインターフェース仕様の種類はこれに限定するものではない。
2.4.業務データについて;
業務データは、データアドレスリスト(314)のデータアドレスフィールド(503)に登録されたアドレスを解決することにより実行することが可能な業務サービスを提供する場合に用いられる。業務サービスには、利用者が各種の業務サービスの利用を開始する場合に行う利用者の認証を実行するユーザ認証サービス(図4参照)も含まれる。ユーザ認証サービスを実行する場合には、業務データ(314)として、データアドレスリスト(314)においてアドレスが登録されているユーザDB(図5参照)が用いられる。
なお、ユーザ認証サービスを含め、すべての業務サービスにおいて、B市(102)内のサービスアドレスリスト(343)に登録されているレコードと、A社(101)内のデータアドレスリスト(314)に登録されているレコードとは、周知の技術を用いて紐付けられているものとする。例えば、上記のように、ユーザ認証サービスのサービスID「s00001」(図4参照)は、ユーザDBのDBID「d00001」(図5参照)と紐付けられている。他のサービスIDやDBIDについても同様である。
図6は、業務データ(313)内の一項目であるユーザDB(600)の概要を示した図である。先に、業務サービス提供部(311)とProxy(342)、業務クライアント(341)の間で適切な認証が必要であることを説明したが、ユーザDB(600)は利用者認証のために業務サービス提供部(311)からデータ連携部(312)経由で利用される。
ユーザDB(600)は、利用者を識別する情報が登録されるユーザIDフィールド(601)、利用者が業務サービスの利用を開始する場合に用いるパスワードが登録されるPWフィールド(602)、およびその利用者が利用を許可された業務サービスを識別する情報が登録される許可サービスIDフィールド(603)を備えたデータベースとして構成される。許可サービスIDフィールド(603)に登録された許可サービスIDは、サービスIDフィールド(401)に登録されたいずれかの値(情報)と一致している。
図7は、業務クライアント(341)の画面例を示しており、例えば、出力部341dとして実装されるディスプレイ上にユーザ認証サービス画面(710)が表示されている。SaaSを利用するクライアントアプリケーションは、Ajax(Asynchronous JavaScript And XML)などの手法を用いてWebブラウザ上で動作させることが一般的であり、図7もWebブラウザをイメージしている。業務クライアント(341)の出力部341dにはアドレス表示・入力欄(701)があり、このアドレス表示・入力欄(701)に入力されているアドレスを変えることにより、利用する業務サービスを選択することができる。Webブラウザ上での動作となるため、入力するアドレスの表記はURL(Uniform Resource Locator)形式となる。アドレスの入力は、入力部341aを用いることが一般的であるが、必ずしも利用者による手入力とは限らず、ボタン操作などにより自動的にアドレスが入力されて画面が遷移する場合もある。
ユーザ認証サービス画面(710)には、ユーザID入力欄(711)、パスワード入力欄(712)、ログインボタン(713)、及びキャンセルボタン(714)が配置されている。例えば、「u00001」という値で識別されている利用者が、A社(101)の業務サービスの利用を開始する場合、まず、ユーザ認証サービス(図4参照)を実行することになるので、利用者は、ユーザID入力欄(711)には「u00001」と、パスワード入力欄(712)にはパスワード「p00001」とそれぞれ入力する。パスワード入力欄(712)に入力される文字等は、外部に見せないようにするため、「******」と表示される。その後、その利用者がログインボタン(713)を押すと、サービス要求が行われ、業務サービスのうちユーザ認証サービスが動作し、業務データ(313)のユーザDB(600)に適合しているか否かの確認がなされる。その確認の際には、ユーザID入力欄(711)に入力された「u00001」という値がユーザDB(600)のユーザIDフィールド(601)に登録された値と一致するか否かを判定する。また、パスワード入力欄(712)に入力された「p00001」値がPWフィールド(602)に登録された値と一致するか否か判定する。また、ユーザ認証サービスであることを示すサービスIDフィールド(401)に登録された値「s00001」が許可サービスIDフィールド(603)に登録された値と一致するか否か判定する。その確認により、すべて一致すれば、登録ユーザであると判定し、認証が許容される。登録ユーザであることが認証されると、ユーザ認証サービス画面(710)において、許可サービスIDフィールド(603)に登録された値(「s00001」、「s00002」、「s00003」、「s00004」)に従い、利用を許可された業務サービス(「ユーザ認証サービス」、「スケジューラサービス」、「電子メールサービス」、「掲示板サービス」)のメニューが表示される。
2.5.Proxy(342)によるアドレスの解決方法について;
ここで、アドレス表示・入力欄(701)に入力されたアドレス「https://SaaSproxy/common/login」は、サービスアドレスフィールド(403)に登録されたアドレス「https://SaaSorSI.com/common/login」(図4参照)と異なっている。アドレス表示・入力欄(701)に入力されたアドレスが示すホスト名(SaaSproxy)は、Proxy(342)を示している。従って、アドレス表示・入力欄(701)に入力されたアドレス(https://SaaSproxy/common/login)により、業務クライアント(341)からのサービス要求は入力されたアドレスとともに、まずProxy(342)に送られる。
Proxy(342)は、業務クライアント(341)から送られたアドレスのうちパス名(/common/login)がサービスアドレスフィールド(403)のパス名と一致するものをサービスアドレスリスト(343)から見つけ出し、見つかったサービスアドレス(http://SaaSorSI.com/common/login)(図4参照)に要求を送る。このサービスアドレスは業務サービス提供部(311)のアドレスを示しているため、業務クライアント(341)からのサービス要求はProxy(342)を経由して業務サービス提供部(311)に送信される。その後、Proxy(342)は業務サービス提供部(311)からのサービス応答を受け取ると、業務クライアント(341)に応答を転送する。
このようにして、業務クライアント(341)からのサービス要求は、業務クライアント(341)が業務サービス提供部(311)のアドレスを知らなくとも、Proxy(342)を経由し、Proxy(342)がサービスアドレスリスト(343)によりアドレスを解決することで、業務サービス提供部(311)に転送される。
また、Proxy(342)におけるアドレス解決の別の方法として、業務クライアント(341)のアドレス表示・入力欄(701)に入力するアドレスのうち、パス名にサービスIDを指定する方法もある。つまり、ユーザ認証サービスを利用する場合に、図7のようにアドレス表示・入力欄(701)には「https://SaaSproxy/common/login」を指定するのではなく、「https://SaaSproxy/s00001」を指定する。この場合Proxy(342)は、パス名として指定された「s00001」に一致したサービスIDフィールド(401)を持つサービスアドレスをサービスアドレスリスト(343)のサービスアドレスフィールド(403)から探し出すことができる。
同様の変形として、アドレス表示・入力欄(701)に指定するパス名にサービス名(402)を指定してもよい。つまり、「https://SaaSproxy/ユーザ認証サービス」と指定する。この場合Proxy(342)は、パス名として指定された「ユーザ認証サービス」に一致したサービス名フィールド(402)を持つサービスアドレスをサービスアドレスリスト(343)のサービスアドレスフィールド(403)から探し出すことができる。
2.6.形態変更タイミングについて;
次に、図8から図10を用いて、SI事業者C社がどのようにして利用形態変更の適時(形態変更タイミング)を把握するか示す。
図8は、業務サービス提供部(311)が出力するログ(315)に記録される内容を示した図である。通常、SaaS形態で提供されるアプリケーションはWebアプリケーションであり、Webアプリケーションのプログラムは処理が実施される度に、処理が実施された日時(801)、処理を実施したプログラム名(802)(サービスアドレスリスト(343)のサービスIDフィールド(401)に登録される値と一致)、処理を依頼したユーザ名(803)(ユーザDB(600)のユーザIDフィールド(601)に登録される値と一致)、その他メッセージ(804)(例えば、処理が成功したことを示す「OK」、処理が失敗したことを示す「NG」等)を一レコードとしてログファイルとして追記しながら出力する。一件のレコードは処理が呼び出されたタイミング、処理が終了したタイミングなど適宜出力されるので、ログ(315)に記録された情報を解析することで、業務サービスの利用率やよく利用される業務サービス、処理に時間を要している業務サービスなどを把握することができる。
図9は、経営データ(317)に記録される内容を示した図である。SaaS形態とSI形態とのどちらが低コストであるかは、SaaS利用者にとっては主に利用ユーザ数や利用アプリケーション数によって決まる。そのため、図9では、経営データ(317)として、利用ユーザ数に応じて利用者一人あたりに課す月額基本料金を示す月額基本料金体系(901)、業務サービスの一つである電子メールサービスにおいて、利用者が使用するメールボックスの容量に応じて利用者に課す月額料金を示すメール月額料金体系(902)、業務サービスに応じて一のSaaS利用者(B市やD市等)にどのくらいの利用者が登録されているかを示す利用ユーザ数(903)などのデータが記録されている。
一方、SaaS事業者にとっては、どちらの形態が低コストであるかということは、業務サービスの性能やキャパシティ(現在のシステムで受入が可能な利用者数等)によって決まる。そのため、図9では、経営データ(317)として、業務サービスに応じて、クライアント端末(341)とSaaS事業者であるA社(101)の業務サーバA(111)との間でサービス要求、サービス応答が転送されるのに要する最長の期間であることを示すサービス応答保証時間(904)が記録されている。
図10は、損益分析・予測部(351)の画面例を示している。C社(103)の業務サーバC(113)は、損益分析・予測部(351)による処理を実行する場合、出力部113dとして実装されるディスプレイ上に図10に示した画面が表示される。損益分析・予測部(351)は、モニタリング部(318)から取得した経営データ(317)や業務サービス提供部(311)のログ(315)に関するデータを解析し、損益に関する予測結果を画面出力する。A社(101)のSaaSを利用しているSaaS利用者(B市やD市等)ごとに損益を分析するため、タブ表示(1001)で表示をSaaS利用者単位で切り替えることができる。画面には、損益予想(1002)、登録ユーザ予想(1003)、利用アプリケーション数(1004)をはじめとする情報がグラフ表示され、現在までの実測値と今後の予測値の違いが分かるよう、線の種類や色等を変えて表示される。
損益予想(1002)では、横軸に年月日をとり、縦軸に業務サービスの提供事業を行ったときの損益をとってグラフ表示している。そのグラフには、SaaS形態時における損益の推移(1006)(事業開始時から現在(2007年4月1日)までに実際に上げた損益の実測値(実線で表示)および現在から数ヶ月先までに上げることになると予想される予測値(破線で表示))と、SI形態時における損益の推移(1005)(仮に事業開始時から現在(2007年4月1日)までにSI形態を利用していれば要したであろう損益の見積値(実線で表示)と現在からのSI形態への変更の準備期間を考慮してSI形態に変更した場合に今後要するであろう予測値(二点鎖線で表示))とが表示されている。これらの損益の推移は、登録ユーザ予想(1003)と利用アプリケーション数(1004における予想にも基づいて算出される。
登録ユーザ予想(1003)では、横軸に年月日をとり、縦軸に業務サービスの提供事業を行ったときの登録ユーザ数をとってグラフ表示している。事業開始時から現在までに実際に登録したユーザ数の実測値は実線で表示してあり、現在から数ヶ月先までに登録すると予想されるユーザ数の予測値は破線で表示している。また、利用アプリケーション数(1004)では、横軸に年月日をとり、縦軸に業務サービスの提供事業において利用者が利用可能なアプリケーション数をとってグラフ表示している。事業開始時から現在までに実際に利用可能なアプリケーション数の実測値は実線で表示してあり、現在から数ヶ月先までに登録すると予想される利用可能なアプリケーション数の予測値は破線で表示している。
損益予想(1002)における損益の推移のグラフ(1005、1006)が交差する点が、予測に基づく損益分岐点(LG)である。この予想が正確であるとすると、移行コスト(SaaS形態からSI形態に変更する場合に業務サービス及び業務データの移行に要するコスト。埋没コストや機会損失により発生する損失を含めても良い。)が限りなく小さければ損益分岐点(LG)付近でSaaS形態からSI形態に変更した方がB市(102)にとってはメリットがある。そこで、C社(103)はSaaS形態からSI形態への形態変更提案をA社(101)に対して行い(図2のステップS204)、A社(101)はB市(102)が形態変更することで新規顧客受入のキャパシティを確保できることにメリットを感じた場合、B市(102)に対して形態変更提案を行う(図2のステップS205)。B市(102)が形態変更提案を受け入れると、B市(102)とC社(103)との間でSI契約が結ばれる(図2のステップS206)。
3.SI形態に変更した場合の業務サービスの提供および利用について;
次に、図11から図13を用いて、B市とC社でSI契約が結ばれた後にSI実施(図2のステップS207)されたことによるシステム構成の変化について説明する。
3.1.システムの機能構成(形態変更後);
図11は、C社によるSIが実施された後の、A社、B市、C社のシステム構成の概要を示している。SI実施前のシステム構成である図3からの変更点は、主にB市(102)のSI対象範囲(1101)であるので、SI対象範囲(1101)を中心に説明する。なお、SI対象範囲(1101)を備えることにより、B市(102)は、SaaS利用者からSI利用者に変化した。
C社(103)は、A社(101)の業務サーバA(111)が有するSaaS形態を実現する機能構成のうちB市(102)が利用している範囲と同等の機能を持つ機能構成をB市(102)内に構築する。すなわち、業務サービス提供部(311)、データ連携部(312)、業務データ(313)、データアドレスリスト(314)、データ同期部(316)、およびモニタリング部(318)のそれぞれと同等の機能を有する業務サービス提供部(331)、データ連携部(332)、業務データ(333)、データアドレスリスト(334)、データ同期部(336)、およびモニタリング部(338)をSI対象範囲(1101)に構築する。ログ(335)も対象範囲(1101)に構築し、ログ(315)と同等の機能を有するが、業務サービス提供部(331)が利用される場合に出力されるログである。
これら、SI対象範囲(1101)内に配置されるサービス(つまり、業務サービス提供部(331)、データ連携部(332)、データ同期部(336)、およびモニタリング部(338))とは計算機上で実行されるプログラムである。また、業務データ(333)とはデータベースプログラムおよびデータベースプログラムが記録するデータである。ログ(335)及びデータアドレスリスト(334)とは計算機上のファイルである。これらのサービス、データ、及びファイルは一台以上の計算機(本実施の形態では業務サーバB(114))上に配置される。
SIを実施したばかりの状態では、業務データ(333)はデータベース領域が存在するだけで中身は空である。また、サービスアドレスリスト(343)に記録されたサービスアドレス(403)は、全てA社(101)側の業務サービス(311)のアドレスを示している(つまり、httpsスキーマで書かれている。図4参照)。また、データアドレスリスト(314、334)は、論理的に同じ内容が記録される必要があり、SIを実施したばかりの状態では全てのデータが業務データ(313)を指し示している(つまり、データアドレスリスト(314)のデータアドレスがすべてhttpsスキーマで書かれている。)。
3.2.論理的に同じ内容が記録されることについて;
データアドレスリスト(314、334)に記録されたデータアドレスが表記上は一致していないのに、論理的には同一のデータを指し示す仕組みについて、図12を用いて説明する。
図12は、データアドレスリストの概要を示した図である。(a)は、データアドレスリスト(314)に記録される内容を示しており、図5の再掲である。一方、(b)はデータアドレスリスト(334)に記録される内容を示しており、(a)と比べてデータアドレスフィールド(1203)、IDフィールド(1204)、PWフィールド(1205)の内容が異なっている。データアドレスフィールド(1203)に登録される値は、スキーマが「jdbc」から「https」に変更されるために変更されている。また、ホスト部も「db1:9999」から「db.SaaSorSI.com」へと変更されている。
A社(101)内のデータ連携部(312)から業務データ(313)を見た場合、同一LAN(Local Area Network)上にありjdbcスキーマでのアクセスが可能である。一方、B市(102)内のデータ連携部(332)から業務データ(313)を見た場合、ネットワーク(301)を間に挟むためjdbcスキーマでのアクセスができない。
そこで、B市(102)内のデータ連携部(332)は、業務データが存在するA社(101)内の業務データ(313)に直接アクセスするのではなく、A社(101)のデータ連携部(312)に要求を送り、データ連携部(312)を経由して業務データ(313)内の目的とするデータを入手するようにする。このとき、データ連携部(332)はネットワーク(301)越しにデータ連携部(312)を呼び出すことになるため、Webサービスでアクセスを行う。その結果、データアドレスフィールド(1203)に登録されるアドレス(ロケーション)は、データ連携部(312)のWebサービスエンドポイントを示しており、IDフィールド(1204)とPWフィールド(1205)はそれぞれ、Webサービスを利用するためのID(hoge)とパスワード(wspw)になっている。このようにして、データアドレスリスト(314、334)に論理的に同じ内容が記録されるということは、SI形態に変更することで業務データにアクセスするときのスキーマが変更しても、データアドレスのホスト部も変更する(必要に応じてその他のデータも変更する)ことにより、利用する業務サービスのアドレスがどうであれデータ連携部(312、332)が直接アクセスできるようにするということを意味する。
データアドレスリスト(314、334)は、上記のようにデータベース単位でロケーションとプロトコルを記録する以外に、テーブル単位、レコード単位でロケーションとプロトコルを記録してもよい。図13は、データアドレス(503)をテーブル単位、レコード単位で記録したデータアドレスリスト(314)の例である。業務サービスの一つであるスケジューラサービスが利用する業務データのうち、DBIDフィールド(501)に登録された「d00002-1」という値を持つレコードに着目する。このレコードにおいて、テーブル名「daily」で指定されるテーブルに記録されたデータは業務データ(313)内に記録されている(例えば、スケジューラサービスの処理内容を1日単位で1つのレコードを作成する状況を想定すればよい。)。そのため、データ連携部(312)からはローカル環境へのアクセスとなるため、データアドレス(1210)はjdbcスキーマで書かれている。
一方、DBIDフィールド(501)に登録された「d00002-2」という値を持つレコードに着目する。このレコードにおいて、テーブル名「monthly」で指定されるテーブルのうち、列名「month」の値が「1−6」のデータはB市(102)環境の業務データ(333)に移行して記録されている(例えば、スケジューラサービスのある年の1月〜6月までに処理されたデータは、既にSI形態としてのB市(102)に移行された状況を想定すればよい。)。そのため、データアドレス(1211)はhttpsスキーマで書かれ、データ連携サービス(312、332)間のWebサービスでアクセスされる。
同様に、テーブル名「monthly」で指定される列名「month」の値が「7−12」のデータはA社(101)の業務データ(313)内にある(例えば、スケジューラサービスのある年の7月〜12月までに処理されたデータは、まだSI形態としてのB市(102)に移行されていない状況を想定すればよい。)。そのため、データアドレス(1212)はjdbcスキーマで書かれ、データ連携部(312)からはローカル環境へのアクセスとなる。
このように、SaaS形態からSI形態への変更の過渡期においては、データアドレスのテーブル名を当該業務データの移行状況に合わせて書き込むことにより、データ連携部(312、332)が業務データに直接アクセスする対象を絞り込むことが可能になり、形態の変更に伴う不具合(移行したことによりデータが存在しないアドレスにアクセスしてしまう等)を解消することができる。
なお、データアドレスリスト(334)についても同様に、テーブル単位、レコード単位でロケーションとプロトコルを記録することが可能である。ただし、SaaS形態からSI形態への変更の過渡期において、データアドレスリスト(334)のデータアドレス(503)に登録される値は、移行先のものについては、jdbcスキーマで書かれたアドレスであり、移行元のものについては、httpsスキーマで書かれたアドレスである。
4.移行率の調整について;
次に、主に図14から図19を用いて、C社(103)がB市(102)にSI実施(図2のステップS207参照)した後、業務サービスや業務データの一部をA社(101)のSaaS環境からB市(102)のSI環境に移行し(図2のステップS208)、モニタリング部(338)および移行率調整部(352)を用いてB市(102)のSI環境の稼働状況をモニタリングし(図2のステップS209参照)、移行率調整部(352)を用いて移行率の調整を行い(図2のステップS210参照)、調整された移行率に基づき業務サービスや業務データの移行(図2のステップS211参照)を行う手順について説明する。
図11において、A社(101)のSaaS環境からB市(102)のSI環境に業務サービスや業務データの一部移行(図2のステップS208参照)を行う場合、業務データ(313)内のデータを業務データ(333)に移行する処理は、データ同期部(316、336)により行われる。データを正常に移行した後、データ同期部(316、336)はデータアドレスリスト(314、334)を更新することで、図12に示した場合と同様に、データアドレスリスト(314、334)に記録された内容は異なるものの、そのリストが示すデータの実体は論理的に同じものとなる。
また、業務サービス提供部(311、331)による業務サービスの提供については業務データ(313、333)と異なり、A社(101)とB市(102)に同じ業務サービスが重複して存在しても、Proxy(342)での振り分けができれば問題ない。例えば、業務サービスとしてユーザ認証サービスを実行する場合、形態変更前では、サービスアドレスリスト(343)のサービスアドレスにはhttpsスキーマで定まるアドレス(https://SaaSorSI.com/common/login)(図4参照)だけが登録されるが、形態変更の過渡期では、jdbcスキーマで定まるアドレスもサービスアドレスリスト(343)に登録する。必要に応じてサービスIDやサービス名も変更する(図4参照)。Proxy(342)は、業務クライアント(341)のサービス要求(例えば、ユーザ認証サービスのサービス要求)から、当該利用者に関する業務データがA社(101)とB市(102)のいずれに存在するかを解析し、存在する方のサービスアドレスをサービスアドレスリスト(343)から抽出し、抽出したサービスアドレスに従い、業務サービス提供部(311、331)にサービス要求する。最終的には、業務サービスの移行は、移行率調整部(352)からProxy(342)へ移行コマンド(業務サービスを移行するように指示するコマンド)を送信し、Proxy(342)がサービスアドレスリスト(343)を更新する(移行先のサービスアドレスのみ登録する)ことで達成される。これら、業務サービス(311、331)と業務データ(313、333)の移行を実施するタイミングは、モニタリング部(338)と移行率調整部(352)により行う。
モニタリング部(338)は、業務サービスのログ(335)および業務データ(333)を取得し、その取得されたログ(335)および業務データ(333)に対して所定の演算処理をし、移行した業務サービスと業務データがうまく動作しているか、応答性能などについて十分なパフォーマンス(性能)が得られているか否かを定めた稼働情報(つまり、B市(102)のSI利用者システムの稼動状況を示す情報である。詳細は後記する。)を生成する。このような処理を行い、B市(102)による業務サービスの提供を監視する。
移行率調整部(352)は、モニタリング部(338)において生成された稼働情報を取得して業務サービスおよび業務データの移行の性能を判定し、その判定結果を元に移行率の調整(図2のステップS210参照)をデータ同期部(316、336)とサービスアドレスリスト(343)に対して行う。そして、データ同期部(316、336)による同期処理により、調整された移行率に基づく移行(図2のステップS211参照)が行われる。
4.1.移行率の調整の処理手順について;
図14は、移行率調整部(352)で移行率の調整を行う処理手順の概要を説明した図である。移行率調整部(352)はまず、B市(102)のモニタリング部(338)から稼働情報を取得する(ステップS1401)。取得した稼働情報から、一定以上の性能が得られているか否か判断し(ステップS1402)、性能を満たさない場合は(ステップS1402でNo)、その原因となるボトルネック箇所を、業務サーバC(113)の出力部113dとして実装されるディスプレイ上の画面に提示する(ステップS1403)。その後、一定の期間スリープ処理(ステップS1404)を行い、再びB市(102)の稼働情報をモニタリングする(ステップS1401)。ボトルネック箇所を提示されたC社(103)は、必要に応じ、B市(102)のSI利用者システムのチューニングを実施する。
一定以上の性能が得られた場合は(ステップS1402でYes)、全ての業務サービスおよび業務データがB市(102)に移行されているかどうかを判断し(ステップS1405)、移行が完了していれば(ステップS1405でYes)処理を終了する。まだ移行が完了していない場合は(ステップS1405でNo)、稼働情報から更に業務サービスや業務データを移行してもよいと判断し、ステップS1406及びステップS1408に進む。
業務データを移行する場合、移行する業務データの移行率を設定し(ステップS1406)、データ同期部(316、336)へ移行コマンドを送信し(ステップS1407)、スリープ処理(ステップS1404)の後、再びB市(102)の稼働情報をモニタリングする(ステップS1401)。一方、業務サービスを移行する場合、移行する業務サービスの移行率を設定し(ステップS1408)、Proxy(342)へ移行コマンドを送信し(ステップS1409)、スリープ処理(ステップS1404)の後、再びB市(102)の稼働情報をモニタリングする(ステップS1401)。このように、すべての業務サービスと業務データが移行されるまで実行される。
4.2.稼働情報について;
図15は、移行率調整部(352)がモニタリング部(338)から取得する稼働情報の稼働情報メッセージ(1501)の例を示す図である。移行率調整部(352)とモニタリング部(338)はネットワーク(301)で接続されており、ネットワーク(301)がインターネットに代表されるオープンネットワークであることも考慮し、稼働情報メッセージ(1501)はWebサービスを通じて取得されるXML(eXtensible Markup Language)メッセージ形式を例に説明する。
稼働情報メッセージ(1501)は、大きく、ロケーション情報部(1502)とパフォーマンス情報部(1503)と移行情報部(1504)とから構成される。
ロケーション情報部(1502)は、業務サービスの所在を示す業務サービスロケーション情報部(1505)と業務データの所在を示す業務データロケーション情報部(1506)とから構成される。ロケーション情報部(1502)のすべてのlocation属性値が「B」となっていれば、すべての業務サービスおよび業務データがB市(102)に移行されていることが分かる。
パフォーマンス情報部(1503)は、スループット情報部(1507)とキャパシティ情報部(1508)から構成される。スループット情報部(1507)には、ログ(335)から抽出された時間(response time)のかかった処理のリストが記録されている。キャパシティ情報部(1508)には、B市(102)環境のサーバ単位(ウェブサーバ(web)、アプリケーションサーバ(ap)、データベースサーバ(db))で平均負荷率(loadaverage)やディスク容量(volume)等の情報が記載されている。パフォーマンス情報部(1507)およびキャパシティ情報部(1508)に記載された情報から、移行率調整部(352)は一定の性能(パフォーマンス)が得られているか否かを判断することができる。
移行情報部(1504)は、業務サービスや業務データの移行の履歴を記録した移行ログ情報部(1509)から構成される。移行ログ情報部(1509)に記載された情報から、移行が行われた日時(move date)と移行の方向(from)、および移行率(change)が分かる。
4.3.データの同期の処理手順について;
図16は、データ同期部(316)の処理フローを示した図である。データ同期部(316)は、移行率調整部(352)からの移行コマンドを受信(ステップS1602)するまでは待機処理(ステップS1601)を行う。移行コマンド受信後、モニタリング部(318)から稼働情報を受信して取得し(ステップS1603)、移行対象データ候補を選定する(ステップS1604)。選定した移行対象データ候補を記録した移行対象データ候補リストをデータ同期部(336)に送信し(ステップS1605)、そのリストの良否が判断される(ステップS1606)。
リストの候補でOKであるという応答がデータ同期部(336)から得られなければ(ステップS1606でNo)、ステップS1604に戻り、再び移行対象データ候補の選定を行う(ステップS1604)。リストの候補でOKであるという応答が得られれば(ステップS1606でYes)、移行対象データ候補として選定した移行対象データをデータ同期部(336)に送信し(ステップS1607)、移行対象データの移行において実行したコピーが正常に行われたか否かが判断される(ステップS1608)。
コピーが正常に行われず、移行対象データの移行の要求に対する応答が返らなかった場合(ステップS1608でNo)、再度移行対象データを送る(ステップS1607)。正常にコピーが行われ、移行対象データの移行の要求に対する応答を受け取った場合(ステップS1608でYes)には、移行対象データに基づいてデータアドレスリスト(314)を更新するように制御部(111b)に指示し、移行済みのデータを削除する(ステップS1609)。制御部(111b)はその指示に従い、移行済みのデータを削除する。
以上の処理の後、移行率調整部(352)から指定された移行率を達成したか否か確認し(ステップS1610)、達成できた場合は(ステップS1610でYes)待機処理(ステップS1601)に戻り、達成できていない場合は(ステップS1610でNo)モニタリング部(318)から稼働情報を取得する処理(ステップS1603)に戻る。
なお、移行するデータを受け取るB市(102)のデータ同期部(336)は、上記のデータ同期部(316)の処理に対応した処理を実行することにより、業務データの移行処理において、A市(101)とB市(102)とでその移行の状況を揃える(同期する)ことができる。データ同期部(336)は、ステップS1607により、移行対象データを受信した場合、受信した移行対象データに基づいてデータアドレスリスト(334)を更新するように制御部(114b)に指示する。制御部(114b)はその指示に従い、移行したデータを更新する。
4.4.移行対象データの選定について;
ここで、移行対象データ候補の選定(ステップS1604)には、業務データの移行に伴う業務サービスのパフォーマンス(稼働情報のパフォーマンス情報部(1503)から取得される)の低下を回避する工夫が必要となる。移行対象データをデータ同期部(336)に送信する(ステップS1607)処理を開始してから、データアドレスリスト(314)が更新される(ステップS1609)までの間(更新処理中)は、データ連携部(312、332)がデータアドレスリスト(314、334)および業務データ(313、333)にアクセスするタイミングによっては、データの一意性が保たれなく恐れがある。
そこで、更新処理中にはデータ連携部(312、332)によるアクセスを受け付けないようにするという方法を採る。その方法について図17を用いて説明する。
図17は、データアドレスリスト(334)に記録される内容を示した図である。図12(b)のデータアドレスリスト(334)と比較すると、更新フィールド(1220)を設けた点で相違する。この相違点について説明する。なお、データアドレスリスト(314)についても同様のことが言えるので、まとめて説明する。
更新フィールド(1220)は、データアドレスリスト(314、334)にデータが移行中であるか否かを設定することができるフィールドである。データ連携部(312、332)はアクセスしようとするデータが更新中でない場合のみ業務データ(313、333)にアクセスする必要がある。そのために、情報処理としては、まず、データ同期部(316、336)は移行対象データを相手のデータ同期部(336、316)に送信する(ステップS1607)前に更新フィールド(1220)の値を「1」にして更新中であることを示すようにする。そして、データアドレスリスト(314、334)を更新(ステップS1609)し終えた後には、更新フィールド(1220)の値も「0」に書き換えて非更新中であることを示すようにする。本実施の形態では、更新フィールド(1220)にデータ移行中であることを示す情報が登録され、データ連携部(312、332)が業務データ(313、333)にアクセスできないようにする処理のことを「業務データロック」と呼ぶ。
データ連携部(312、332)が業務データ(313、333)にアクセスする際に、対象とするデータに業務データロックがかかっていると、データ連携部(312、332)は処理を進めることができず、業務サービス提供部(311、331)も処理を進めることができない。そのため、業務データロックがかかる時間を短くすることが、業務サービスのパフォーマンスを低下させないためには重要である。
そこで、移行対象データ候補の選定(ステップS1604)を行う際、その移行タイミングではデータ連携部(312、332)からのアクセスが発生する可能性の低いデータを選定する必要がある。どのデータがよく利用されるか、またどのタイミングで利用されるかは、業務サービス(311、331)が出力するログ(315、335)や、業務データ(313、333)に関する稼働情報を調べることで、ある程度の予想がつく。そのため、データ同期部(316、336)はモニタリング部(318、338)から業務データ(313、333)のアクセス頻度やアクセス履歴に関する情報を得ることで、この移行タイミングで業務データロックが発生してもデータ連携部(312、332)への影響が低いと予想される移行対象データ候補を選定することができる。
図18は、移行率調整部(352)の画面例を示す図である。C社(103)の業務サーバC(113)は、移行率調整部(352)による処理を実行する場合、出力部113dとして実装されるディスプレイ上に図18に示した画面が表示される。タブ(1701)により、調整を行う対象利用者(B市やD市等)を指定する。画面には、横軸に年月日をとり、縦軸には移行率をとり、これまでの移行率の遷移状況を示した移行率遷移グラフ(1702)が表示されている。稼働情報取得ボタン(1703)を押すことでモニタリング部(338)に問い合わせを行い、稼働情報を取得する。移行率遷移グラフ(1702)は、移行率調整部(352)がモニタリング部(338)から取得する稼働情報メッセージ(1501)内の移行情報部(1504)を元に作成され、一定期間毎に更新する。
また、画面には移行率遷移グラフ(1702)以外に、現在の移行率と設定する移行率とを入力する移行率入力欄(1704)と、次回の移行までに推奨される確認期間(入力した移行率でデータの移行を進めても良いかどうかを、移行率調整部(352)を用いる者(ここでは、C社(103))に確認する期間)と設定する確認期間とを入力する確認期間入力欄(1705)があり、送信ボタン(1706)を押すことでデータ同期部(316、336)とProxy(342)に移行コマンドが送信される。なお、移行率や確認期間等の入力は、例えば、入力部113aからの入力により達成される。また、移行率入力欄(1704)は、業務サービスの移行率を入力する欄と業務データの移行率を入力する欄との2部に分けて、業務サービスの移行率と業務データを移行率を個別に設定することができるようにしても良い。
確認期間入力欄(1705)に入力された日数は、移行対象データ候補の選定(ステップS1604)で利用される。確認期間を長く指定した場合、データ同期部(316、336)は一回あたりの対象データ件数を少なく選定し、確認期間を短く指定した場合は一回あたりの対象データ件数を多く選定する。従って、確認期間を長く指定した方が業務データロックは発生しにくくなるため、業務サービスのパフォーマンス劣化が少なく、また一回あたりのデータの移行による影響が少ないので信頼性が高くなるというメリットがある。その反面、SaaS形態とSI形態の共存期間が長くなり、SaaS利用料金を支払う期間が長くなるというデメリットがある。
4.5.移行コマンドについて;
図19は、移行率調整部(352)からデータ同期部(316、336)、Proxy(342)に送信する移行コマンドの移行コマンドメッセージの例(a)〜(c)を示している。稼働情報(図15)の場合と同様、移行コマンドもWebサービスのXMLメッセージ形式として表現している。
(a)に示すように、移行コマンドメッセージ(1801)には、移行コマンド(1802)を記載する。移行コマンド(1802)には、実施日(move date)、移行元(from)、移行先(to)、移行率(change)、および確認期間(duration)を含める。また、(b)に示す移行コマンド(1803)のように「move type」という属性を設け、業務サービスと業務データとで移行率を変えてもよい。また、(c)に示す移行コマンド(1804)のように業務サービスと業務データとで移行する方向を変えてもよい。つまり、移行元(from)および移行先(to)において「A(A市(101)を意味する。)」と「B(B市(102)を意味する。)」とを入れ替えて、移行コマンド(1804)に示すように、業務サービスの移行は、B市(102)からA市(101)に対して行う。このような逆の移行は、例えば、移行のパフォーマンスが十分でなく、ボトルネックが発生している(図14のステップS1403参照)場合に、B市(102)のSI利用者システムのチューニングとして有効な処理である。
5.まとめ;
本実施の形態の業務サービス実行システムにより、以下の効果を奏する。すなわち、SaaS利用者環境(B市(102))の業務クライアント(341)はProxy(342)経由で業務サービスを利用するため業務サービスがSaaS事業者環境(A市(101))とSaaS利用者環境(B市(102))のどちらに設置されていても論理的に同じサービスアドレスを指示することで、業務サービスの利用者が接続先の変更を意識することなく、業務サービスを利用することができる。
また、業務サービス提供部(311、313)はデータ連携部(312、332)経由で業務データ(313、333)にアクセスするので、業務データ(313、333)がSaaS事業者環境(A市(101))とSaaS利用者環境(B市(102))のどちらに設置されていても業務データ(313、333)にアクセスすることができる。このため、埋没コストや機会損失を軽減したSaaS形態からSI形態への変更が可能となる。
また、モニタリング部(318、338)と損益分析・予測部(351)により、SaaS形態とSI形態の損益分岐点と現在の状況を把握することができるため、SaaS形態からSI形態への適正な変更時期を判断することができる。
また、データ同期部(316、336)と移行率調整部(352)により業務データと業務サービスのアドレスを柔軟に変更できるため、SaaS形態とSI形態の共存およびSaaS形態からSI形態への変更に伴う業務サービスや業務データの連続的な移行(移行率や移行時期の調整)が可能となる。このため、SaaS形態からSI形態への変更を行っている間であっても、利用者による業務サービスの利用に支障をきたさないようにすることができる。
6.その他;
以上、本発明の一実施の形態として、業務サービスをSaaS形態で提供するA社と、一部門でA社の業務サービスを利用するB市があり、B市の他部門でもA社の業務サービスの利用が増えてきた際に、A社の関連会社でSI事業を手がけるC社がSIを行いSaaS形態からSI形態に変更する場合の例を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、データアドレスリスト(314、334)は、ファイルではなく、データの論理名で問い合わせると物理アドレスを応答するプログラムにより実現することができる。同様に、サービスアドレスリスト(343)も、サービスの論理名で問い合わせると物理アドレスを応答するプログラムにより実現することができる。
また、他の変形として、サービスアドレスリスト(343)の書き換えは、移行率調整部(352)からProxy(342)に移行コマンドを送信することで行うのではなく、手作業により(プロキシサーバ112の入力部112aから)サービスアドレスリスト(343)を書き換えてもよい。
また、他の変形として、移行率調整部(352)をC社(103)に設置するのではなく、B市(102)内に設置することもできる。その際、移行率調整部(352)を業務サーバB(114)が備えても良いし、プロキシサーバ(112)が備えても良い。
また、他の変形として、B市(102)業務サービスの利用者がSI形態からSaaS形態に変更しようとする場合であっても、本発明を適用することができる。利用ユーザ数が減少してきてSI形態の規模が小さくなった場合に、SaaS形態のほうが低コストで済むと判断するのは合理的である。この場合、本実施の形態で説明したようなやり方で、SI形態からSaaS形態への変更についても埋没コストや機会損失を軽減するように業務サービスや業務データを移行することが望ましい。また、損益分析・予測部(351)や移行率調整部(352)を用いて上記のような形態変更を支援することができる。
SaaS事業者A社と、SaaS利用者B市と、SI事業者C社との関係を示した概念図である。 A社、B市、C社の関係を時間軸に沿って示した概念図である。 C社によるSI実施がされる前の、A社、B市、C社に設置されるシステムの機能構成を示した図である。 サービスアドレスリスト(343)の概要を示した図である。 A社(101)内のデータアドレスリスト(314)の概要を示した図である。 業務データ(313)内の一項目であるユーザDB(600)の概要を示した図である。 業務クライアント(341)の画面例である。 業務サービス提供部(311)が出力するログ(315)に記録される内容を示した図である。 経営データ(317)に記録される内容を示した図である。 損益分析・予測部(351)の画面例である。 C社によるSIが実施された後のA社、B市、C社のシステム構成の概要を示す図である。 (a)は、データアドレスリスト(314)に記録される内容を示した図である。(b)は、データアドレスリスト(334)に記録される内容を示した図である。 データアドレス(503)をテーブル単位、レコード単位で記録したデータアドレスリスト(314)の例である。 移行率調整部(352)で移行率の調整を行う処理手順の概要を説明した図である。 移行率調整部(352)がモニタリング部(338)から取得する稼働情報の稼働情報メッセージ(1501)の例を示す図である。 データ同期部(316)の処理フローを示した図である。 データアドレスリスト(334)に記録される内容を示した図である。 移行率調整部(352)の画面例を示す図である。 移行率調整部(352)からデータ同期部(316、336)、Proxy(342)に送信する移行コマンドの移行コマンドメッセージの例(a)〜(c)を示している。
符号の説明
101 A社(SaaS事業者)
102 B市(SaaS利用者)
103 C社(SI事業者)
111 業務サーバA
112 プロキシサーバ
113 業務サーバC
114 業務サーバB
301 ネットワーク
311、331 業務サービス提供部
312、332 データ連携部
313、333 業務データ
314、334 データアドレスリスト
315、335 ログ
316、336 データ同期部
317 経営データ
318、338 モニタリング部
341 業務クライアント
342 Proxy
343 サービスアドレスリスト
351 損益分析・予測部
352 移行率調整部

Claims (18)

  1. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置と、
    前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置と、
    を有する業務サービス利用システムにおいて、
    前記中継装置は、
    少なくとも前記業務サービスのアドレスが登録される業務サービスアドレスフィールドを備えるサービスアドレスリストを記憶する記憶手段と、
    前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記サービスアドレスリストにおいて、前記業務サービスアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務サービスと同一の業務サービスのアドレスを、前記登録された業務サービスの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する制御手段と、を有する
    ことを特徴とする業務サービス利用システム。
  2. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置と、
    前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置と、
    を有する業務サービス利用システムにおいて、
    前記第二の業務サービス提供装置は、
    少なくとも前記業務サービスを実行するために用いる業務データのアドレスが登録される業務データアドレスフィールドを備えるデータアドレスリストを記憶する記憶手段と、
    前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスを実行するために用いる業務データが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記データアドレスリストにおいて、前記業務データアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務データと同一の業務データのアドレスを、前記登録された業務データの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する制御手段と、を有する
    ことを特徴とする業務サービス利用システム。
  3. 前記第二の業務サービス提供装置は、
    前記第一の業務サービス提供装置から移行される業務データを受信し、前記移行された業務データに基づいて前記データアドレスリストを更新するように前記制御手段に指示するデータ同期手段を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の業務サービス利用システム。
  4. 前記第一の業務サービス提供装置が提供する一の業務サービスを実行するために用いる業務データの一部である第一の部分業務データが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、
    前記制御手段は、
    前記データアドレスリストにおいて、前記業務データアドレスフィールドに登録された、前記移行された第一の部分業務データと同一の業務データのアドレスを、前記登録された業務データの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新し、前記移行がされていない業務データの一部である第二の部分業務データと同一の業務データのアドレスを、前記登録された業務データの所在が前記第一の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する
    ことを特徴とする請求項2に記載の業務サービス利用システム。
  5. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置および前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置を有する業務サービス利用システムと、
    前記ネットワークに接続した前記第一の業務サービス提供装置と、
    を有する業務サービス実行システムであって、
    前記中継装置は、
    少なくとも前記業務サービスのアドレスが登録される業務サービスアドレスフィールドを備えるサービスアドレスリストを記憶する第一の記憶手段と、
    前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記サービスアドレスリストにおいて、前記業務サービスアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務サービスと同一の業務サービスのアドレスを、前記登録された業務サービスの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する第一の制御手段と、を有し、
    前記第二の業務サービス提供装置は、
    少なくとも前記業務サービスを実行するために用いる業務データのアドレスが登録される業務データアドレスフィールドを備えるデータアドレスリストを記憶する第二の記憶手段と、
    前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスを実行するために用いる業務データが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記データアドレスリストにおいて、前記業務データアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務データと同一の業務データのアドレスを、前記登録された業務データの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する第二の制御手段と、を有する
    ことを特徴とする業務サービス実行システム。
  6. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置および前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置を有する業務サービス利用システムと、
    前記ネットワークに接続した前記第一の業務サービス提供装置と、
    前記ネットワークに接続され、前記業務サービス利用システムに前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置を追加することを支援する支援装置と、
    を有する業務サービス実行システムであって、
    前記第一の業務サービス提供装置は、
    前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用状況の履歴を示すログおよび前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供において経営にかかわる事業形態を定めた経営情報を記憶した記憶手段と、
    前記ログおよび前記経営情報を前記記憶手段から取得し、前記取得した前記ログおよび前記経営情報に対して所定の統計処理をして統計情報を生成し、前記生成した統計情報を前記支援装置に送信して前記業務サービスの提供を監視する監視手段とを有し、
    前記支援装置は、
    前記監視手段から前記統計情報を受信し、前記統計情報に対して所定の演算処理を行うことにより、前記業務サービス利用システムに前記第二の業務サービス提供装置を追加しない場合に業務サービス実行システムを運営するときに予想される第一の損益の推移、および前記業務サービス利用システムに前記第二の業務サービス提供装置を追加した場合に業務サービス実行システムを運営するときに予想される第二の損益の推移を算出し、前記第一の損益の推移と前記第二の損益の推移とから、双方の場合を比較して損益分岐点を求める損益分析・予測手段を有する
    ことを特徴とする業務サービス実行システム。
  7. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置および前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置を有する業務サービス利用システムと、
    前記ネットワークに接続した前記第一の業務サービス提供装置と、
    前記ネットワークに接続され、前記業務サービス利用システムに前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置を追加することを支援する支援装置と、
    を有する業務サービス実行システムであって、
    前記中継装置は、
    少なくとも前記業務サービスのアドレスが登録される業務サービスアドレスフィールドを備えるサービスアドレスリストを記憶する第一の記憶手段と、
    前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記サービスアドレスリストにおいて、前記業務サービスアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務サービスと同一の業務サービスのアドレスを、前記登録された業務サービスの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する第一の制御手段と、を有し、
    前記第二の業務サービス提供装置は、
    少なくとも前記業務サービスを実行するために用いる業務データのアドレスが登録される業務データアドレスフィールドを備えるデータアドレスリストおよび前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用状況の履歴を示すログを記憶する第二の記憶手段と、
    前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスを実行するために用いる業務データが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記データアドレスリストにおいて、前記業務データアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務データと同一の業務データのアドレスを、前記登録された業務データの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する第二の制御手段と、
    前記第一の業務サービス提供装置から移行される業務データを受信し、前記移行された業務データに基づいて前記データアドレスリストを更新するように前記第二の制御手段に指示するデータ同期手段と、
    前記ログおよび前記移行された業務データに基づいて対して所定の演算処理をして、業務サービス利用システムにおける前記業務サービスおよび前記業務データの移行の性能を定めた稼働情報を生成し、前記生成した稼働情報を前記支援装置に送信して前記業務サービスの提供を監視する監視手段と、を有し、
    前記支援装置は、
    前記監視手段から前記稼働情報を受信し、前記業務サービスおよび前記業務データの移行の性能を判定し、一定以上の性能が得られた場合には、前記支援装置が備える入力手段から入力された前記業務サービスの移行の移行率に従って前記中継装置に対して前記業務サービスの移行コマンドを送信し、前記入力手段から入力された前記業務データの移行の移行率に従って前記データ同期手段に対して前記業務データの移行コマンドを送信する移行率調整手段を有する
    ことを特徴とする業務サービス実行システム。
  8. 前記第二の業務サービス提供装置において、
    前記データアドレスリストは、前記業務データアドレスフィールドに登録されているアドレスに所在する業務データへのアクセスを受け付けず、当該アドレスの更新の可否を定める値が登録される更新可否フィールドを備え、
    前記第二の制御手段は、前記データ同期手段が前記移行コマンドに従って前記第一の業務サービス提供装置から移行される業務データを受信した場合、前記データアドレスリストを読み出し、前記更新可否フィールドに登録された、前記移行される業務データと同一の業務データのアドレスの更新の可否を定める値を、当該アドレスの更新を不可にする値に更新する
    ことを特徴とする請求項7に記載の業務サービス実行システム。
  9. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置と、
    前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置と、
    を有する業務サービス利用システムにおける業務サービス利用方法において、
    前記中継装置は、
    少なくとも前記業務サービスのアドレスが登録される業務サービスアドレスフィールドを備えるサービスアドレスリストを記憶し、
    前記中継装置の制御手段が、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記サービスアドレスリストにおいて、前記業務サービスアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務サービスと同一の業務サービスのアドレスを、前記登録された業務サービスの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新するステップ、を実行する
    ことを特徴とする業務サービス利用方法。
  10. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置と、
    前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置と、
    を有する業務サービス利用システムにおける業務サービス利用方法において、
    前記第二の業務サービス提供装置は、
    少なくとも前記業務サービスを実行するために用いる業務データのアドレスが登録される業務データアドレスフィールドを備えるデータアドレスリストを記憶し、
    前記第二の業務サービス提供装置の制御手段が、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスを実行するために用いる業務データが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記データアドレスリストにおいて、前記業務データアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務データと同一の業務データのアドレスを、前記登録された業務データの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新するステップ、を実行する
    ことを特徴とする業務サービス利用方法。
  11. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置および前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置を有する業務サービス利用システムと、
    前記ネットワークに接続した前記第一の業務サービス提供装置と、
    を有する業務サービス実行システムにおける業務サービス実行方法であって、
    前記中継装置は、
    少なくとも前記業務サービスのアドレスが登録される業務サービスアドレスフィールドを備えるサービスアドレスリストを記憶し、
    前記中継装置の制御手段が、前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記サービスアドレスリストにおいて、前記業務サービスアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務サービスと同一の業務サービスのアドレスを、前記登録された業務サービスの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新するステップ、を実行し、
    前記第二の業務サービス提供装置は、
    少なくとも前記業務サービスを実行するために用いる業務データのアドレスが登録される業務データアドレスフィールドを備えるデータアドレスリストを記憶し、
    前記第二の業務サービス提供装置の制御手段が、前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスを実行するために用いる業務データが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記データアドレスリストにおいて、前記業務データアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務データと同一の業務データのアドレスを、前記登録された業務データの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新するステップ、を実行する
    ことを特徴とする業務サービス実行方法。
  12. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置および前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置を有する業務サービス利用システムと、
    前記ネットワークに接続した前記第一の業務サービス提供装置と、
    前記ネットワークに接続され、前記業務サービス利用システムに前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置を追加することを支援する支援装置と、
    を有する業務サービス実行システムにおける業務サービス実行方法であって、
    前記第一の業務サービス提供装置は、
    前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用状況の履歴を示すログおよび前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供において経営にかかわる事業形態を定めた経営情報を記憶し、
    前記ログおよび前記経営情報を前記記憶手段から取得し、前記取得した前記ログおよび前記経営情報に対して所定の統計処理をして統計情報を生成し、前記生成した統計情報を前記支援装置に送信して前記業務サービスの提供を監視するステップを実行し、
    前記支援装置は、
    前記第一の業務サービス提供装置から前記統計情報を受信し、前記統計情報に対して所定の演算処理を行うことにより、前記業務サービス利用システムに前記第二の業務サービス提供装置を追加しない場合に業務サービス実行システムを運営するときに予想される第一の損益の推移、および前記業務サービス利用システムに前記第二の業務サービス提供装置を追加した場合に業務サービス実行システムを運営するときに予想される第二の損益の推移を算出し、前記第一の損益の推移と前記第二の損益の推移とから、双方の場合を比較して損益分岐点を求めるステップを実行する
    ことを特徴とする業務サービス実行方法。
  13. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置および前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置を有する業務サービス利用システムと、
    前記ネットワークに接続した前記第一の業務サービス提供装置と、
    前記ネットワークに接続され、前記業務サービス利用システムに前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置を追加することを支援する支援装置と、
    を有する業務サービス実行システムにおける業務サービス実行方法であって、
    前記中継装置は、
    少なくとも前記業務サービスのアドレスが登録される業務サービスアドレスフィールドを備えるサービスアドレスリストを記憶し、
    前記中継装置の制御手段が、前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記サービスアドレスリストにおいて、前記業務サービスアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務サービスと同一の業務サービスのアドレスを、前記登録された業務サービスの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新するステップ、を実行し、
    前記第二の業務サービス提供装置は、
    少なくとも前記業務サービスを実行するために用いる業務データのアドレスが登録される業務データアドレスフィールドを備えるデータアドレスリストおよび前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用状況の履歴を示すログを記憶し、
    前記第二の業務サービス提供装置の制御手段が、前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスを実行するために用いる業務データが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記データアドレスリストにおいて、前記業務データアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務データと同一の業務データのアドレスを、前記登録された業務データの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新するステップと、
    前記第一の業務サービス提供装置から移行される業務データを受信し、前記移行された業務データに基づいて前記データアドレスリストを更新するように前記第二の制御手段に指示するステップと、
    前記ログおよび前記移行された業務データに基づいて対して所定の演算処理をして、業務サービス利用システムにおける前記業務サービスおよび前記業務データの移行の性能を定めた稼働情報を生成し、前記生成した稼働情報を前記支援装置に送信して前記業務サービスの提供を監視するステップと、を実行し、
    前記支援装置は、
    前記第二の業務サービス提供装置から前記稼働情報を受信し、前記業務サービスおよび前記業務データの移行の性能を判定し、一定以上の性能が得られた場合には、前記支援装置が備える入力手段から入力された前記業務サービスの移行の移行率に従って前記中継装置に対して前記業務サービスの移行コマンドを送信し、前記入力手段から入力された前記業務データの移行の移行率に従って前記データ同期手段に対して前記業務データの移行コマンドを送信するステップを実行する
    ことを特徴とする業務サービス実行方法。
  14. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置と、
    前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置と、
    を有する業務サービス利用システムのコンピュータとして機能させる業務サービス利用プログラムにおいて、
    前記中継装置は、
    少なくとも前記業務サービスのアドレスが登録される業務サービスアドレスフィールドを備えるサービスアドレスリストを記憶し、
    前記中継装置の制御手段に、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記サービスアドレスリストにおいて、前記業務サービスアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務サービスと同一の業務サービスのアドレスを、前記登録された業務サービスの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する処理、を実行させる
    ことを特徴とする業務サービス利用プログラム。
  15. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置と、
    前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置と、
    を有する業務サービス利用システムのコンピュータとして機能させる業務サービス利用プログラムにおいて、
    前記第二の業務サービス提供装置は、
    少なくとも前記業務サービスを実行するために用いる業務データのアドレスが登録される業務データアドレスフィールドを備えるデータアドレスリストを記憶し、
    前記第二の業務サービス提供装置の制御手段に、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスを実行するために用いる業務データが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記データアドレスリストにおいて、前記業務データアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務データと同一の業務データのアドレスを、前記登録された業務データの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する処理、を実行させる
    ことを特徴とする業務サービス利用プログラム。
  16. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置および前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置を有する業務サービス利用システムと、
    前記ネットワークに接続した前記第一の業務サービス提供装置と、
    を有する業務サービス実行システムのコンピュータとして機能させる業務サービス実行プログラムであって、
    前記中継装置は、
    少なくとも前記業務サービスのアドレスが登録される業務サービスアドレスフィールドを備えるサービスアドレスリストを記憶し、
    前記中継装置の制御手段に、前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記サービスアドレスリストにおいて、前記業務サービスアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務サービスと同一の業務サービスのアドレスを、前記登録された業務サービスの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する処理、を実行させ、
    前記第二の業務サービス提供装置は、
    少なくとも前記業務サービスを実行するために用いる業務データのアドレスが登録される業務データアドレスフィールドを備えるデータアドレスリストを記憶し、
    前記第二の業務サービス提供装置の制御手段に、前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスを実行するために用いる業務データが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記データアドレスリストにおいて、前記業務データアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務データと同一の業務データのアドレスを、前記登録された業務データの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する処理、を実行させる
    ことを特徴とする業務サービス実行プログラム。
  17. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置および前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置を有する業務サービス利用システムと、
    前記ネットワークに接続した前記第一の業務サービス提供装置と、
    前記ネットワークに接続され、前記業務サービス利用システムに前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置を追加することを支援する支援装置と、
    を有する業務サービス実行システムのコンピュータとして機能させる業務サービス実行プログラムであって、
    前記第一の業務サービス提供装置は、
    前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用状況の履歴を示すログおよび前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供において経営にかかわる事業形態を定めた経営情報を記憶し、
    前記ログおよび前記経営情報を前記記憶手段から取得し、前記取得した前記ログおよび前記経営情報に対して所定の統計処理をして統計情報を生成し、前記生成した統計情報を前記支援装置に送信して前記業務サービスの提供を監視する処理を実行させ、
    前記支援装置に、
    前記第一の業務サービス提供装置から前記統計情報を受信し、前記統計情報に対して所定の演算処理を行うことにより、前記業務サービス利用システムに前記第二の業務サービス提供装置を追加しない場合に業務サービス実行システムを運営するときに予想される第一の損益の推移、および前記業務サービス利用システムに前記第二の業務サービス提供装置を追加した場合に業務サービス実行システムを運営するときに予想される第二の損益の推移を算出し、前記第一の損益の推移と前記第二の損益の推移とから、双方の場合を比較して損益分岐点を求める処理を実行させる
    ことを特徴とする業務サービス実行方法。
  18. 業務サービスを提供する第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して業務サービス利用要求を送信して業務サービスを利用する業務サービス利用装置および前記業務サービス利用要求を、前記第一の業務サービス提供装置に、ネットワークを介して送信し、前記第一の業務サービス提供装置から前記業務サービス利用要求に対する応答を、前記ネットワークを介して受信し、前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用および前記第一の業務サービス提供装置による業務サービスの提供を中継する中継装置を有する業務サービス利用システムと、
    前記ネットワークに接続した前記第一の業務サービス提供装置と、
    前記ネットワークに接続され、前記業務サービス利用システムに前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置を追加することを支援する支援装置と、
    を有する業務サービス実行システムのコンピュータとして機能させる業務サービス実行プログラムであって、
    前記中継装置は、
    少なくとも前記業務サービスのアドレスが登録される業務サービスアドレスフィールドを備えるサービスアドレスリストを記憶し、
    前記中継装置の制御手段に、前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記サービスアドレスリストにおいて、前記業務サービスアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務サービスと同一の業務サービスのアドレスを、前記登録された業務サービスの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する処理、を実行させ、
    前記第二の業務サービス提供装置は、
    少なくとも前記業務サービスを実行するために用いる業務データのアドレスが登録される業務データアドレスフィールドを備えるデータアドレスリストおよび前記業務サービス利用装置による業務サービスの利用状況の履歴を示すログを記憶し、
    前記第二の業務サービス提供装置の制御手段に、前記業務サービス利用システムにおいて、前記第一の業務サービス提供装置と同等の機能を備える前記第二の業務サービス提供装置が前記ネットワークに追加され、前記第一の業務サービス提供装置が提供する業務サービスを実行するために用いる業務データが前記第二の業務サービス提供装置に移行されたとき、前記データアドレスリストにおいて、前記業務データアドレスフィールドに登録された、前記移行された業務データと同一の業務データのアドレスを、前記登録された業務データの所在が前記第二の業務サービス提供装置であることを示すアドレスに更新する処理と、
    前記第一の業務サービス提供装置から移行される業務データを受信し、前記移行された業務データに基づいて前記データアドレスリストを更新するように前記第二の制御手段に指示する処理と、
    前記ログおよび前記移行された業務データに基づいて対して所定の演算処理をして、業務サービス利用システムにおける前記業務サービスおよび前記業務データの移行の性能を定めた稼働情報を生成し、前記生成した稼働情報を前記支援装置に送信して前記業務サービスの提供を監視する処理と、を実行させ、
    前記支援装置に、
    前記第二の業務サービス提供装置から前記稼働情報を受信し、前記業務サービスおよび前記業務データの移行の性能を判定し、一定以上の性能が得られた場合には、前記支援装置が備える入力手段から入力された前記業務サービスの移行の移行率に従って前記中継装置に対して前記業務サービスの移行コマンドを送信し、前記入力手段から入力された前記業務データの移行の移行率に従って前記データ同期手段に対して前記業務データの移行コマンドを送信する処理を実行させる
    ことを特徴とする業務サービス実行プログラム。
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