以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1から図12を参照して、本発明についての第1の実施の形態に係る情報処理システムS1について説明する。
図1のブロック図に示すように、第1の実施の形態に係る情報処理システムS1は、LAN等のネットワークNを介して、情報処理装置の一種である例えば複合機(プリンタ機能やスキャナ機能等を備える機器)500と、パーソナルコンピュータ等で構成される情報処理装置100,200,300とから構成されている。
詳しくは後述するが、情報処理装置500は、記憶装置(NVRAM(不揮発性RAM)510)に、認証情報やユーザ(使用者)毎のメニュー情報(メニュー画面に関する情報)を格納したテーブルT1を格納している。
また、各情報処理装置100〜300は、それぞれユーザA,ユーザv,ユーザ ウが使用者となっているものとする。
また、現状において、ユーザAはグループAに属し、ユーザvはグループBに属し、ユーザ ウはグループCに属しているものとする。
そして、ユーザAの情報処理装置100を例にすると、ユーザAの操作により認証情報(ユーザ名、パスワード等)が情報処理装置500に送信される(図1の(1))。
情報処理装置500では、ユーザ名、パス名からユーザ認証を行い、正規ユーザと認証されると、ユーザAの属するグループ名:グループAを識別子として、その識別子に対応するメニュー情報を取り出し、ユーザA用のメニュー情報を作成する(図1の(2))。なお、正規ユーザとして認証されなかった場合には、メニュー情報は生成しない。
情報処理装置100は、情報処理装置500から送信されるメニュー情報を受信(図1の(3))することにより、ユーザAの情報処理装置100には、ユーザAに最適化されたグループA用のメニュー画面を表示させることができる。
なお、ユーザAが正規ユーザとして認証されなかった場合には、例えば「正規ユーザ登録されていないため、メニュー表示できません。」等のメッセージが表示されることとなる。
次に、図2のブロック図を参照して、情報処理装置(複合機)500の構成について説明する。なお、本発明と関係の薄い構成については省略する。
情報処理装置(複合機)500は、情報処理装置100〜300の認証情報やメニュー表示要求をネットワークNを介して受信し、作成されたメニュー情報等を情報処理装置100〜300に送信する有線インターフェイス(IF)カード501と、USB等の外部インターフェイス502と、液晶パネルや操作ボタン等で構成されるユーザインターフェイス部(U/I部)503と、マイクロコンピュータ等で構成され各部を制御するコントローラ部504と、複合機が備える印刷機能において所定の媒体に画像形成(印刷)を行うプリンタエンジン等で構成される画像形成部505と、メニュー情報の原型(ひな形)のデータを格納するROM510、予め登録された認証情報,メニューの設定値,メニュー情報(メニュー画面に関する情報)を格納するNVRAM(不揮発性RAM:装置電源がオフであっても記憶内容を失わないメモリ)520、作成中のメニュー情報や作成されたメニュー情報を一時的に格納するRAM530とから構成されている。
なお、RAM530上のデータは所定のタイミングでNVRAM520に書き込まれる。
また、特には限定されないが、有線インターフェイスカード501は、CPU,RAM,ROM等を備えている。
また、例えば、有線IFカード501が、WEBサーバを備え、情報処理装置100〜300との間でネットワークNを介したHTTPプロトコル通信によって情報処理装置500の状態表示や設定メニューの表示、設定を実行することができるようになっている。
次に、図3を参照して、RAM530に格納されるメニュー情報D1の構成について説明する。
メニュー情報D1は、グループ(本実施の形態では、A〜Dの4つのグループが存在する)を識別するグループ識別子532と、メニュー管理情報533と、生成されたメニュー511と、項目(選択肢)の設定値521とから構成されている。
また、メニュー管理情報533は、メニューアクセス履歴534とメニュー表示情報535から構成されている。
メニューアクセス履歴534は、さらに、メニュー選択累積回数、設定累積回数、設定ミス累積回数、機能実行累積回数の情報をメニュー、設定項目、機能実行ボタンの数に応じて有している。
ここで、メニュー選択累積回数は複数のメニュー画面毎の選択回数を累計したもの、設定累積回数は項目(選択肢)毎の選択回数を累計したもの、設定ミス累積回数は項目(選択肢)毎に本来設定できない設定(即ち、設定ミス)を行った回数を累計したもの、機能実行累積回数は項目(選択肢)毎に設定が成功しその機能が実行された回数を累計したものをいう。
次に、図4を参照して、ユーザの属するグループについて説明する。
本実施の形態では、各ユーザに経験値が付与され、この経験値と所定の閾値との比較結果により各グループ(A〜Dの4つのグループ)に振り分けられている。
具体的には、グループAには経験値が閾値1000を超えているユーザ(例えば、ユーザA,B,C)が所属し、グループBには経験値が500〜1000のユーザ(例えば、ユーザv,w,x,y,z)が所属し、グループCには経験値が100〜500を超えているユーザ(例えば、ユーザ ア,イ,ウ,エ)が所属し、グループDには経験値が閾値100未満のユーザ(例えば、ユーザ七,八,九)が所属している。
そして、設定が成功した場合(選択肢の選択が成功した場合)には該当するユーザの経験値を上げ、その経験値がグループA〜D毎に設定された閾値を越えると上位のグループに自動的に所属が遷移される。
また、設定を間違えた場合(選択肢の選択を誤った場合)は該当するユーザの経験値を下げ、閾値を下回った場合は下位グループに遷移される。
ここで、図5を参照して、ユーザが他のグループに遷移する状態を説明する。
ここに示す例では、経験値の増減は、設定が成功すると+1、設定をミスすると−2とする。
図5では、例えばユーザvが、メニュー画面における設定に成功した場合には、現行の経験値「999」に「+1」されて経験値「1000」となり、グループBの閾値(1000)に達するためグループAに遷移される。
また、例えばユーザ(エ)が、メニュー画面における設定に失敗した場合には、現行の経験値「100」が「−2」されて経験値「98」となり、グループDの閾値(100)を下回るためグループDに遷移される。
これにより、各ユーザのスキルに適したメニュー画面を提供することができる。
なお、各ユーザ経験値の初期値は、ユーザを登録する際に、自己申告に基づいて決定してもよいし、管理者の判断により決定するようにしてもよい。
次に、図6のフローチャートを参照して、上記構成の情報処理システムS1によって実行されるメニュー作成処理の処理手順について説明する。
なお、図6に示す例では、ユーザAの情報処理装置100についてのメニュー画面を生成する場合を想定する。
この処理が開始されると、まずステップS100でユーザAは情報処理装置100から情報処理装置500に対してメニュー表示の要求(指示)を行ってステップS101に移行する。
ステップS101では、情報処理装置500は、ユーザAからのメニュー表示要求とユーザAの認証情報(ユーザ名、パスワード等)を受信してステップS102に移行する。
ステップS102では、認証情報に基づいた個人認証(正規ユーザか否かの判定)が行われ、判定結果が「No」の場合にはステップS104に移行して、正規ユーザではない旨のメッセージ(例えば「正規ユーザ登録されていないため、メニュー表示できません。」等のメッセージ)をユーザAの情報処理装置100に送信して処理を終了する。 これにより、ユーザAが不正ユーザである場合には、メニュー操作による不正な設定変更等を回避することができる。また、ユーザAが正当なアクセス権限を有する場合には、認証情報(ユーザ名、パスワード等)に入力間違い等があった可能性もあるので、認証情報の再送信等を試行することができる。
一方、ステップS102で「Yes」と判定された場合(正規ユーザと認証された場合)には、新規のメニュー作成であるか否かが判定され、「No」の場合にはステップS107に移行し、「Yes」の場合にはステップS105に移行する。
ステップS105では、ユーザAの属するグループ名(図4に示す例では、グループA)と同じメニュー識別子を探してステップS106に移行する。
ステップS106では、一致したメニュー識別子に対応するメニュー情報(A)をRAM530にロードしてステップS107に移行する。
ステップS107では、RAM530にロードされたメニュー情報(A)の項目(選択肢)の表示順序、表示方法(フォントの大きさ、種類、色の変更等を含む)、付加表示方法(ヘルプ表示や注意喚起表示等の付加を含む)等について対応するメニュー情報の原型(ひな形)の変更を行って、メニュー情報(A’)(図2参照)を生成してステップS108に移行する。
ステップS108では、生成されたメニュー情報(A’)をユーザAに送信してステップS109に移行する。
ステップS109では、ユーザAの情報処理装置100上で、情報処理装置500から受信したメニュー情報(A’)に基づいてメニュー画面を表示して処理を終了する。
これにより、ユーザAに適したメニュー画面を的確に提供することができ、利便性を向上させることができる。
また、図4に示す他のユーザについても、上記と同様のメニュー作成処理により、当該ユーザのスキル(経験値等)に応じた適切なメニュー画面を提供することができ、利便性を向上させることができる。
ここで、図7および図8を参照して、上記メニュー作成処理によって、メニュー情報の原型(ひな形)が変化されて最適化されたメニュー情報が作成される状態を説明する。
図7の(a)には、メニュー情報の原型(ひな形)としてのメニュー情報(A)の構成例を示す。
メニュー情報(A)では、メニューの構成は、大分類での機能分けとなるメニューM1と、中分類での機能分けとなるページM2と、小分類の機能分けとなる項目(選択肢)M3および項目それぞれの設定値とから構成されている。
また、メニュー情報(A)では、先頭のメニューは10000で、そこにはページ10100〜10500までが用意されており、さらにページ10100には項目10101〜10110とそれぞれの設定値が配置されている。
以降、メニュー20000,30000,・・・と、徐々に番号が大きくなる順序で配列されている。
なお、具体的な項目として、特には限定されないが、例えば情報処理装置100〜300と情報処理装置500との間の通信にIPPプロトコルを用いる場合には、プリンタURI,タイムアウト,ポート番号,DNS使用,最大セッション数などに関する設定項目が挙げられる。
また、図4に示すようにグループAは、スキル(経験値)が高いユーザが所属するグループであるので、このグループAに対応するメニュー情報(A)においては、上述のような比較的高度な設定項目を全て表示するようにしてもよいが、他のグループB〜Dに対応させたメニュー情報(B)〜(D)では、設定が難しいような項目については表示させないようにすることもできる。
そして、図7の(b)に示す作成されたメニュー情報(A’)の例では、大分類での機能分けとなるメニューM1’と、中分類での機能分けとなるページM2’と、小分類の機能分けとなる項目(選択肢)M3’において項目等の表示順序が変更されている。
例えば、大分類での機能分けとなるメニューM1’では、先頭のメニューが30000に、2番目のメニューが40000に変更されている。
このようなメニュー表示の変更(最適化)は、例えば、メニュー選択回数、設定回数、機能実行回数の各アクセス履歴をコントローラ部504の制御によって解析した結果に基づいて行うことができる。
これにより、例えば、よく使う機能の設定項目のメニューが上位に表示されるように配列するなどの変更を行うことができ、ユーザの操作性を向上させることができる。
また、図8の(a)には、メニュー情報の原型(ひな形)としてのメニュー情報(A)の他の構成例を示す。
図8の(a)において、メニュー情報(A)は、大分類(メニュー)M4、中分類(ページ)M5、小分類(項目)M6が所定のレイアウトで配置されている。
また、大分類(メニュー)M4等においてメニュー10000,20000,30000,・・・というように、徐々に番号が大きくなる順序で配列されている。
そして、図8の(b)に示す作成されたメニュー情報(A’)の例では、大分類(メニュー)M4’、中分類(ページ)M5’、小分類(項目)M6’において項目等の表示順序が変更されている。
例えば、大分類(メニュー)M4’では、先頭のメニューが30000に、2番目のメニューが40000に変更されている。
このようなメニュー表示の変更(最適化)は、例えば、メニュー選択回数、設定回数、機能実行回数の各アクセス履歴をコントローラ部504の制御によって解析した結果に基づいて行うことができる。
これにより、例えば、よく使う機能の設定項目のメニューが上位に表示されるように配列するなどの変更を行うことができ、ユーザの操作性を向上させることができる。
なお、メニュー表示の変更態様は、図7,図8の例に限定されるものではなく、例えば、特定の項目を表示する文字のフォントの大きさ,種類(ゴシック体,明朝体等),色などを変更するようにしてもよい。また、表示項目のボックスの大きさや背景色を変えることも考えられる。さらに、特定項目について、設定上の注意点等を伝えるヘルプ表示や、「!」などの注意を喚起する記号等を付加表示させるようにしてもよい。
次に、図9を参照して、メニューを変更(最適化)する際の変更の仕方の例について説明する。
変更の仕方として、以下の(1)〜(5)などが考えられる。
(1)メニューアクセス履歴のメニュー選択累積回数、設定累積回数、機能実行累積回数のアクセス回数が、その階層に設定される累積回数の閾値を越えたときに、それに対する表示順番、表示方法の順番を変更する。
(2)メニューアクセス履歴の設定ミス累積回数が、閾値を超えたときに、それに対する付加表示方法レベルを変更する。
(3)メニューを表示するときは、表示順番にメニュー、設定項目、機能実行ボタンが並ぶようにメニューを生成する。
(4)メニューを表示するときは、表示方法に従った方法で、メニュー、設定項目、機能実行ボタンが表示されるようにメニューを生成する。
(5)設定項目、機能実行ボタンについては、設定ミス累積回数、機能実行ミス累積回数のレベルに従った方法で、注意を促す方法などを表示するようにメニューを生成する。
また、注意を促す方法としては、例えばユーザAが最初に間違えたときは「設定内容に注意してください」と表示する。
また、2回目に間違えたときは「ヘルプを参照してください」と表示させる。
その後、ユーザ(B)が最初に間違えた場合は、「設定内容に注意してください」と表示される(即ち、ユーザ(B)についての表示内容は、ユーザAの履歴とは無関係とすることができる)。
設定を間違えたユーザ名や、頻繁に設定しているユーザ名、あるいは正しく設定しているユーザ名を表示して、そのユーザに設定方法を問い合わせることを促すような表示を行うようにしてもよい。
また、設定内容を参考情報としてユーザの情報処理装置上に表示させるようにしてもよい。その際には、パスワードなどセキュリティの理由により公開できない設定項目を除くようにするとよい。
次に、図10のフローチャートを参照して、情報処理システムS1で実行されるメニュー情報更新処理の処理手順について説明する。
なお、図10の例では、図4におけるグループAに属するユーザAのメニュー情報を更新する場合を想定する。
この処理が開始されると、ステップS200でユーザAの情報処理装置100上で、情報処理装置500に対してメニュー画面(例えば、図7(b)や図8(b)のようなメニュー画面)の操作(所定項目の選択などの操作)を実行してステップS201に移行する。
ステップS201では、情報処理装置500は、ユーザAからのメニュー設定変更や機能実行要求と、ユーザAの認証情報(ユーザ名、パスワード等)を受信してステップS202に移行する。
ステップS202では、認証情報に基づいた個人認証(正規ユーザか否かの判定)が行われ、判定結果が「No」の場合にはステップS203に移行して、正規ユーザではない旨のメッセージ(例えば「正規ユーザ登録されていないため、メニューの設定変更を実行できません。」等のメッセージ)をユーザAの情報処理装置100に送信して処理を終了する。
これにより、ユーザAが不正ユーザである場合には、メニュー操作による不正な設定変更等を回避することができる。また、ユーザAが正当なアクセス権限を有する場合には、認証情報(ユーザ名、パスワード等)に入力間違い等があった可能性もあるので、認証情報の再送信等を試行することができる。
一方、ステップS202で「Yes」と判定された場合(正規ユーザと認証された場合)には、ステップS204に移行して、設定変更あるいは機能実行を行ってからステップS205に進む。
ステップS205では、エラー発生か否かが判定され、「No」の場合にはステップS207に移行し、「Yes」の場合にはステップS206に移行する。
ステップS206では、ユーザAの対応する項目の設定ミス累積回数をインクリメントしてステップS207に移行する。
ステップS207では、ユーザAの対応する項目等のメニュー選択累積回数、設定累積回数、機能実行累積回数(あるいは設定成功累積回数)をインクリメントしてステップS208に移行する。
ステップS208では、メニュー選択累積回数、設定累積回数、機能実行累積回数、設定ミス累積回数のそれぞれについて、予め設定されている閾値との比較を行ってステップS209に移行し、閾値を超えたメニュー,設定項目,機能実行の表示順番、表示方法、付加表示方法の順位を更新して処理を終了する。
これにより、ユーザAの使用環境の変化に応じた適切なメニュー画面を提供することができ、利便性を一層向上させることができる。
また、図4に示す他のユーザについても、上記と同様のメニュー情報更新処理により、当該ユーザの使用環境の変化に応じた適切なメニュー画面を提供することができ、利便性を一層向上させることができる。
ここで、図11および図12を参照して、グループ毎のメニュー画面の表示例について説明する。
図11は、グループ毎に使えない項目(あるいは設定できない項目(選択肢))を変えている例を示す。
即ち、図11では、背景をグレーとした項目(グレーアウトの項目)は、使えない項目(あるいは設定できない項目(選択肢))を示しており、ユーザのスキルが最も高いグループAでは8個の項目中、0個(つまり、全ての項目を使用可能)、次にスキルの高いユーザが属するグループBでは2個、グループCでは4個、最もスキルが低いユーザが属するグループDでは5個の項目を使用できない(あるいは設定できない)ようにしている。
これにより、ユーザのスキルに応じて、設定が難しい項目や、設定を誤ると装置の停止等の事態を招く虞のある項目等を使用できないようにして、ユーザの利便性向上と、情報処理装置500のセキュリティ性向上を図ることができる。
図12に示すメニュー表示例では、グループ毎に表示される項目を限定している。
即ち、ユーザのスキルが最も高いグループAについては全項目(図12の例では8項目)を通常の表示態様で表示している。
次にスキルの高いユーザが属するグループBでは、表示項目数を6個に減らすと共に、例えばアクセス頻度が高い項目(図12では項目10107)を先頭に配置し、さらにボックスを2重線で囲って目立つようにしている。
また、アクセス頻度などが低い項目については、ボックスの枠線を変更してユーザの注目度が変化するように表示させている。
また、グループCでは、例えば、表示項目数を4個に減らすと共に、上位の項目ほど大きく表示されるようにしてユーザの注目度が変化するように表示させている。
また、最もスキルが低いユーザが属するグループDでは、表示項目を3個に限定すると共に、例えば項目毎に背景色を変えるなどして、ユーザの注目度が変化するように表示させている。
これにより、ユーザのスキルに応じて、設定が難しい項目や、設定を誤ると装置の停止等の事態を招く虞のある項目等を表示しないようにして、ユーザの利便性向上と、情報処理装置500のセキュリティ性向上を図ることができる。
また、項目のアクセス頻度等によりユーザの注目度が変化するように表示態様を工夫することにより、所望の項目にアクセスし易くすることができ、ユーザの利便性を一層向上させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図13から図22を参照して、本発明についての第2の実施の形態に係る画像形成システムS2について説明する。
図13のブロック図に示すように、第2の実施の形態に係る画像形成システムS2は、LAN等のネットワークNを介して、画像形成装置としてのプリンタPR1と、パーソナルコンピュータ等で構成される情報処理装置100(ユーザA),200(ユーザB),300(ユーザC)とから構成されている。
なお、本実施の形態では、プリンタPR1の種別は特には限定されず、レーザプリンタ、フルカラープリンタ,インクジェットプリンタ等の何れであってもよい。
また、詳しくは後述するが、プリンタPR1は、記憶装置(RAM601,NVRAM(不揮発性RAM)602)に、利用履歴のデータを格納している。
利用履歴としては、メニュー毎のアクセス回数を計数したアクセス情報、各ユーザに設定項目に対するアンケートを集計したアンケート情報、パケット通信の種別等を記録しちゃネットワーク通信情報などがある。
また、本実施の形態では、情報処理装置100〜300の何れにおいても、プリンタPR1についての共通の設定メニューが表示されるものとする。
次に、図14のブロック図を参照して、プリンタPR1の構成について説明する。なお、本発明と関係の薄い構成については省略する。
プリンタPR1は、情報処理装置100〜300の認証情報やメニュー表示要求をネットワークNを介して受信し、作成されたメニュー情報等を情報処理装置100〜300に送信するネットワークインターフェイス(I/F)600と、アクセス情報,アンケート情報およびネットワーク通信情報を一時的に格納するRAM601と、アクセス情報,アンケート情報,ネットワーク通信情報の計数結果とに基づいてアクセス状態を解析するアクセス解析部603と、アクセス情報,アンケート情報およびネットワーク通信情報の計数結果を利用履歴として保存するNVRAM(不揮発性RAM:装置電源がオフであっても記憶内容を失わないメモリ)602と、USB等の外部インターフェイス610と、液晶パネルや操作ボタン等で構成されるユーザインターフェイス部(U/I部)611と、マイクロコンピュータ等で構成され各部を制御するコントローラ部612と、プリンタエンジン等で構成される画像形成部613とから構成されている。
なお、RAM601上のデータは所定のタイミングでNVRAM602に書き込まれるようにできる。
また、特には限定されないが、ネットワークインターフェイス600は、CPU,RAM,ROM等を備えている。
また、例えば、ネットワークI/F600が、WEBサーバを備え、情報処理装置100〜300との間でネットワークNを介したHTTPプロトコル通信によってプリンタPR1の状態表示や設定メニューの表示、設定を実行することができるようになっている。
ここで、図15を参照して、プリンタPR1によって提供されるメニューの構成例について説明する。
図15に示す例では、大分類での機能分けとなるメニューM10と、中分類での機能分けとなるページM11、小分類の機能分けとなる項目M12および項目それぞれの設定値M13とから構成される。
メニューM10としては、例えばプリンタPR1が複合機(プリンタ機能,スキャナ機能,ファクシミリ機能等を備える)である場合には、メニュー10000はプリンタ機能の設定メニュー、メニュー20000はスキャナ機能の設定メニュー、メニュー30000はファクシミリ機能の設定メニューなどを対応させることができる。
そして、メニューM10の所望の設定メニューを選択してクリックすると、ページM11、項目M12および項目それぞれの設定値M13の表示が対応したものに切り換えられるようになっている。
なお、図15のメニュー構成は一例であり、本発明はメニュー表示の形式等では限定されず、種々の表示形式のメニュー画面に広く適用可能である。
次に、図16のフローチャートを参照して、上記構成の画像形成システムS2によって実行されるメニュー表示処理の処理手順について説明する。
なお、図16に示す例では、ユーザAの情報処理装置100についてのメニュー画面を表示する場合を想定する。また、特には限定されないが、本実施の形態では、情報処理装置100とプリンタPR1との間の通信にはHTTPプロトコルを用いるものとする。
この処理が開始されると、まずステップS301で、ユーザAの情報処理装置100からプリンタPR1にHTTP Getメソッド・リクエスト・メッセージでメニュー表示の要求が送出される。
次いでステップS302で、プリンタPR1は情報処理装置100に対して、HTTP Getメソッド・リクエスト・レスポンスで設定メニューデータを送出し、ユーザAは受信したメニューを画面表示する。
次にステップS303に移行して、プリンタPR1は、ユーザAが設定したい項目に対して、設定値をドロップダウンやラジオボタンで選択を行ない、設定(確定)のハイパーリンクをクリックことで、HTTP Postメソッド・リクエスト・メッセージで項目の設定が変更されたフレームデータがプリンタPR1に送出される。
ステップS304では、プリンタPR1は、フレームデータを受け取ると、設定値の変更されている項目を検出してステップS305に移行する。
ステップS305では、プリンタPR1は、アクセス解析部603で設定の変更されている項目のアクセスカウントをインクリメントし、アクセス情報を更新してステップS306に移行する。
ステップS306では、プリンタPR1は、設定の変更を行ない、設定が完了した旨の通知をHTTP Postメソッド・レスポンス・メッセージで情報処理装置100に対して送出する。
次いで、ステップS307では、ユーザAは、受信したHTTP Postメソッド・レスポンス・メッセージ内のURLを元に、プリンタPR1に対してHTTP Getメソッド・リクエスト・メッセージを送出する。プリンタPR1はHTTP Getメソッド・リクエスト・レスポンスで設定完了データを送出し、受信した情報処理装置100は設定完了の表示を行ってステップS308に移行する。
ステップS308では、情報処理装置100で、同一フレーム内の項目で再設定するものがあれば、ステップS303に戻って項目の設定操作が行われる。
また、ステップS309では、フレームの変更があれば、ステップS301に戻り新しいフレームの表示が行われる。
また、プリンタPR1の電源OFF時においてアクセス解析部603は、ウェブサーバのアクセス数を項目およびユーザ別に利用履歴としてNVRAM602に保存して処理を終了する(ステップS310)。
また、図16のフローチャートには現れないが、ネットワークインターフェイス600は、各ユーザA,B,CからプリンタPR1に対してウェブサーバ以外のプロトコルでセッションが張られた場合には、アクセス解析部603のネットワーク通信情報にネットワーク通信に使用されているプロトコルを通知する。
これを受けて、アクセス解析部603はネットワーク通信情報を更新する。
また、プリンタPR1の電源OFF時にアクセス解析部603は、プロトコルのアクセス数を利用履歴としてNVRAM602に保存する。
これにより、アクセス情報に基づいて各ユーザに適したメニュー画面を提供することができる。
ここで、図17を参照して、アクセス解析部603によるアクセス情報の解析例について説明する。
なお、図17に示す例では、統計の上限値を「5」に設定している。
図17に示すように、項目10101については、ユーザAから10回、ユーザBから2回、ユーザCから1回となっている。
また、項目10102については、ユーザAから3回、ユーザBから4回、ユーザCから2回となっている。
また、項目10103については、ユーザAから3回、ユーザBから4回、ユーザCから2回となっている。
また、各項目には、重み付け係数の一種として優先度が設定されている。
図17に示す例では、項目10101については優先度「±0」、項目10102については優先度「+1」、項目10103については優先度「+1」が設定されている。
そして、上記の回数だけ考慮すると項目10101が優先されることとなるが、単純にアクセス数だけでは、特定ユーザのアクセスが強く反映される結果となる虞がある。
そこで、図17の例では、アクセス数の統計に上限値(本実施例では「5」)を設け、使用ユーザの全体からの項目アクセスの傾向を取得すると項目10102と項目10103の方が上位となり、ユーザ全体の使用傾向を反映したアクセス履歴とすることができる。
次に、図18を参照して、ウェブサーバ以外のプロトコルのアクセス数の解析例について説明する。
なお、図18の(a)に示す例では、便宜上mプロトコル、nプロトコル、oプロトコルとしているが、具体的なウェブサーバ以外のプロトコルとしては、印刷用プロトコルであるLPD,FTP,IPPや管理用プロトコルであるSNMPなどが挙げられる。
図18の(a)に示す例では、mプロトコルについては10回、nプロトコルについては8回、oプロトコルについては5回となっている。
また、各プロトコルには、重み付け係数の一種として優先度が設定されている。
図18の(a)に示す例では、mプロトコルについては優先度「+2」、nプロトコルについては優先度「+1」、oプロトコルについては優先度「±0」が設定されている。
そして、図18の(a)に示すように、mプロトコルに関連するメニューは項目10102、nプロトコルは項目10103、oプロトコルは項目10101である場合に、セッション数(アクセス数)の多いmプロトコルに関連する項目10102が項目アクセスの上位となる。
また、上記優先度を勘案して順位を算出すると、図18の(b)に示すように、表示順位は項目10102、10103、10101の順となる。
このように、各プロトコルの使用頻度に応じて、各ユーザに適した項目順序となったメニュー画面を提供することができる。
次に、図19から図21を参照して、各ユーザから項目設定についてのアンケートを取得し、そのアンケート集計結果を項目の表示順位の変更に反映させる例について説明する。
上記図18等に示す結果は各項目に対するアクセス数だけで導き出されたアクセス頻度であったため、例えば誤操作など設定変更に関係の無いアクセス数も組み入れられた結果となる。
そこで、次に示す例では、各ユーザA,B,Cに対して設定の変更に関するアンケートを行ない、その回答結果であるユーザの意図をアクセスの解析に組み入れることで、よりユーザの使いやすい項目表示の順位とすることのできる技術を提供する。
図19に示す例では、アンケートの項目として、4段階(強く希望する、希望する、できれば変更したい、誤って設定した)が設けられ、各ユーザA,B,Cがメニュー画面から所定の設定を行った際に、このアンケート項目の何れかを選択することにより項目変更に対するユーザの意図を取得することができる。
なお、図19に示す例では、アンケート項目の何れかをラジオボタンにより選択した後に、「回答」ボタンをクリックすることによりアンケートの回答がプリンタPR1側に送信される。
次に、図20のフローチャートに基づいて、画像形成システムS2で実行されるアンケート解析処理の処理手順について説明する。
なお、図20に示す例では、ユーザAについてアンケートを取得する場合を想定する。また、特には限定されないが、本実施の形態では、情報処理装置100とプリンタPR1との間の通信にはHTTPプロトコルを用いるものとする。
この処理が開始されると、まずステップS401で、ユーザAが設定したい項目に対して、設定値をドロップダウンやラジオボタンで選択を行ない、設定(確定)のハイパーリンクをクリックことで、HTTP Postメソッド・リクエスト・メッセージで項目の設定が変更されたフレームデータがプリンタPR1に送出される。
次いで、ステップS402では、プリンタPR1は、フレームデータを受け取ると、設定値の変更されている項目を検出してステップS403に移行する。
ステップS403では、プリンタPR1は、アクセス解析部603で設定の変更されている項目のアクセスカウントをインクリメントし、アクセス情報を更新してステップS404に移行する。
ステップS404では、アクセス数が予め設定される閾値(本実施の形態では「1」とする。即ち、各項目へのアクセスがある度にアンケートへの回答の要求を行うこととなる)以下か否かが判定され、「Yes」の場合にはステップS410に移行し、「No」の場合にはステップS405に移行する。
ステップS405では、プリンタPR1は、アンケートのフレームをHTTP Postメソッド・レスポンス・メッセージで情報処理装置100へ送出する。
次いで、ステップS406では、ユーザAは、受信したHTTP Postメソッド・レスポンス・メッセージ内のURLを元に、プリンタPR1に対してHTTP Getメソッド・リクエスト・メッセージを送出する。
ステップS407で、プリンタPR1はHTTP Getメソッド・リクエスト・レスポンスでアンケートフレームデータを送出し、受信した情報処理装置100ではアンケートフレームの表示が行われる。
次いで、ステップS408では、ユーザAが、アンケートの何れかのラジオボタンを選択(図19参照)し、回答のハイパーリンクをクリックすることで、HTTP Postメソッド・リクエスト・メッセージでアンケート回答のされたフレームデータがプリンタPR1に送出される。
ステップS409では、プリンタPR1は、アクセス解析部603でアンケート回答から、項目別のユーザ意向テーブルのカウントをインクリメントし、アンケート情報を更新してステップS410に移行する。
ステップS410では、プリンタPR1は、設定の変更を行ない、設定が完了した旨の通知をHTTP Postメソッド・レスポンス・メッセージで送出する。
ステップS411では、ユーザAは、受信したHTTP Postメソッド・レスポンス・メッセージ内のURLを元に、プリンタPR1に対してHTTP Getメソッド・リクエスト・メッセージを送出する。プリンタPR1はHTTP Getメソッド・リクエスト・レスポンスで設定完了データを送出し、受信した情報処理装置100では設定完了の表示が行われる。
次いで、ステップS412では、同一フレーム内の項目で再設定するものがあれば、ステップS401に戻って項目の設定操作が行われる。
また、プリンタPR1の電源OFF時にアクセス解析部603は、ユーザ意向テーブルのアクセス数を項目および意向別に利用履歴としてNVRAM602に保存して(ステップS413)、処理を終了する。
ここで、図21を参照して、上記のアンケート解析処理によるアンケート情報の解析例について説明する。
図21の(a)の例では、設定変更を希望する回答のうち、強いものほど大きな重み付けを行なうことでユーザの意図を反映するようにしている。
即ち、例えば、「強く希望」は2倍(×2)、「希望」は1倍(×1)、「できれば」は0倍(つまり、集計結果によらず「0」)に設定されている。
その結果、図21の(a)に示す例では、小計結果で項目10103が「9」で最大となり、最も強く希望される項目という結果となっている。
そして、アクセス情報、ネットワーク通信情報、アンケート情報の各解析結果から得た優先度の結果から、最も上位となる項目を利用頻度が高いと判断する。
図21の(a)に示す例では、各情報の重みづけ(優先度付け)結果から、表示順位は図21の(b)に示すように、項目10103、10102、10101の順となっている。
このように、アンケート結果を勘案することにより、アクセス頻度の結果では2番目であった項目10103が、ユーザの意図を反映させた結果、最も設定変更の利用頻度が高い項目と判断されることとなっている。
したがって、例えば図22に示すように、アンケート結果を反映させ各ユーザにより適した項目の表示順となったメニュー画面を提供することができ、利便性を一層向上させることができる。
(第3の実施の形態)
図23から図31を参照して、本発明についての第3の実施の形態に係る情報処理システムS3について説明する。
図23のブロック図に示すように、第3の実施の形態に係る情報処理システムS3は、LAN等のネットワークNを介して、情報処理装置の一種である例えば複合機(プリンタ機能やスキャナ機能等を備える機器)1500と、パーソナルコンピュータ等で構成される情報処理装置100,200,300とから構成されている。
情報処理装置1500は、記憶装置(NVRAM(不揮発性RAM)1520)に、認証情報やユーザ(使用者)毎のメニュー情報(メニュー画面に関する情報)を格納したテーブルT1を格納している。
また、各情報処理装置100〜300は、それぞれユーザA,ユーザB,ユーザCが使用者となっているものとする。
そして、ユーザAの情報処理装置100を例にすると、ユーザAの操作により認証情報(ユーザ名、パスワード等)が情報処理装置1500に送信される(図23の(1))。
情報処理装置1500では、ユーザ名、パス名からユーザ認証を行い、正規ユーザと認証されると、ユーザAのユーザ名を識別子として、その識別子に対応するメニュー情報を取り出し、ユーザA用のメニュー情報を作成する(図23の(2))。なお、正規ユーザとして認証されなかった場合には、メニュー情報は生成しない。
情報処理装置100は、情報処理装置1500から送信されるメニュー情報を受信(図23の(3))することにより、ユーザAの情報処理装置100には、ユーザAに最適化されたメニュー画面を表示させることができる。
なお、ユーザAが正規ユーザとして認証されなかった場合には、例えば「正規ユーザ登録されていないため、メニュー表示できません。」等のメッセージが表示されることとなる。
次に、図24のブロック図を参照して、情報処理装置(複合機)1500の構成について説明する。なお、本発明と関係の薄い構成については省略する。
情報処理装置(複合機)1500は、情報処理装置100〜300の認証情報やメニュー表示要求をネットワークNを介して受信し、作成されたメニュー情報等を情報処理装置100〜300に送信する有線インターフェイス(IF)カード1501と、USB等の外部インターフェイス1502と、液晶パネルや操作ボタン等で構成されるユーザインターフェイス部(U/I部)1503と、マイクロコンピュータ等で構成され各部を制御するコントローラ部1504と、複合機が備える印刷機能において所定の媒体に画像形成(印刷)を行うプリンタエンジン等で構成される画像形成部1505と、メニュー情報の原型(ひな形)のデータを格納するROM1510、予め登録された認証情報,メニューの設定値,メニュー情報(メニュー画面に関する情報)を格納するNVRAM(不揮発性RAM:装置電源がオフであっても記憶内容を失わないメモリ)1520、作成中のメニュー情報や作成されたメニュー情報を一時的に格納するRAM1530とから構成されている。
なお、RAM1530上のデータは所定のタイミングでNVRAM1520に書き込まれる。
また、特には限定されないが、有線インターフェイスカード1501は、CPU,RAM,ROM等を備えている。
また、例えば、有線IFカード1501が、WEBサーバを備え、情報処理装置100〜300との間でネットワークNを介したHTTPプロトコル通信によって情報処理装置500の状態表示や設定メニューの表示、設定を実行することができるようになっている。
次に、図25を参照して、RAM1530に格納されるメニュー情報D2の構成について説明する。
メニュー情報D2は、ユーザを識別するユーザ識別子1532と、メニュー管理情報1533と、生成されたメニュー1511と、項目(選択肢)の設定値1521とから構成されている。
また、メニュー管理情報1533は、メニューアクセス履歴1534とメニュー表示情報1535から構成されている。
メニューアクセス履歴1534は、さらに、メニュー選択累積回数、設定累積回数、設定ミス累積回数、機能実行累積回数の情報をメニュー、設定項目、機能実行ボタンの数に応じて有している。
ここで、メニュー選択累積回数は複数のメニュー画面毎の選択回数を累計したもの、設定累積回数は項目(選択肢)毎の選択回数を累計したもの、設定ミス累積回数は項目(選択肢)毎に本来設定できない設定(即ち、設定ミス)を行った回数を累計したもの、機能実行累積回数は項目(選択肢)毎に設定が成功しその機能が実行された回数を累計したものをいう。
次に、図26のフローチャートを参照して、上記構成の情報処理システムS3によって実行されるメニュー作成処理の処理手順について説明する。
なお、図26に示す例では、ユーザAの情報処理装置100についてのメニュー画面を生成する場合を想定する。
この処理が開始されると、まずステップS500でユーザAは情報処理装置100から情報処理装置1500に対してメニュー表示の要求(指示)を行ってステップS501に移行する。
ステップS501では、情報処理装置1500は、ユーザAからのメニュー表示要求とユーザAの認証情報(ユーザ名、パスワード等)を受信してステップS502に移行する。
ステップS502では、認証情報に基づいた個人認証(正規ユーザか否かの判定)が行われ、判定結果が「No」の場合にはステップS503に移行して、正規ユーザではない旨のメッセージ(例えば「正規ユーザ登録されていないため、メニュー表示できません。」等のメッセージ)をユーザAの情報処理装置100に送信して処理を終了する。 これにより、ユーザAが不正ユーザである場合には、メニュー操作による不正な設定変更等を回避することができる。また、ユーザAが正当なアクセス権限を有する場合には、認証情報(ユーザ名、パスワード等)に入力間違い等があった可能性もあるので、認証情報の再送信等を試行することができる。
一方、ステップS502で「Yes」と判定された場合(正規ユーザと認証された場合)には、ステップS504に移行して新規のメニュー作成であるか否かが判定され、「No」の場合にはステップS507に移行し、「Yes」の場合にはステップS505に移行する。
ステップS505では、ユーザAのユーザ名と同じメニュー識別子を探してステップS506に移行する。
ステップS506では、一致したメニュー識別子に対応するメニュー情報(A)をRAM1530にロードしてステップS507に移行する。
ステップS507では、RAM1530にロードされたメニュー情報(A)の項目(選択肢)の表示順序、表示方法(フォントの大きさ、種類、色の変更等を含む)、付加表示方法(ヘルプ表示や注意喚起表示等の付加を含む)等について対応するメニュー情報の原型(ひな形)の変更を行って、メニュー情報(A’)(図24参照)を生成してステップS508に移行する。
ステップS508では、生成されたメニュー情報(A’)をユーザAに送信してステップS509に移行する。
ステップS509では、ユーザAの情報処理装置100上で、情報処理装置1500から受信したメニュー情報(A’)に基づいてメニュー画面を表示して処理を終了する。
これにより、ユーザAに適したメニュー画面を的確に提供することができ、利便性を向上させることができる。
また、他のユーザB、Cについても、上記と同様のメニュー作成処理により、当該ユーザに適したメニュー画面を提供することができ、利便性を向上させることができる。
ここで、図27から図29を参照して、上記メニュー作成処理によって、メニュー情報の原型(ひな形)が変化されて最適化されたメニュー情報が作成される状態を説明する。
図27の(a)には、メニュー情報の原型(ひな形)としてのメニュー情報(A)の構成例を示す。
メニュー情報(A)では、メニューの構成は、大分類での機能分けとなるメニューM20と、中分類での機能分けとなるページM21と、小分類の機能分けとなる項目(選択肢)M22および項目それぞれの設定値とから構成されている。
また、メニュー情報(A)では、先頭のメニューは10000で、そこにはページ10100〜10500までが用意されており、さらにページ10100には項目10101〜10110とそれぞれの設定値が配置されている。
以降、メニュー20000,30000,・・・と、徐々に番号が大きくなる順序で配列されている。
なお、具体的な項目として、特には限定されないが、例えば情報処理装置100〜300と情報処理装置1500との間の通信にIPPプロトコルを用いる場合には、プリンタURI,タイムアウト,ポート番号,DNS使用,最大セッション数などに関する設定項目が挙げられる。
そして、図27の(b)に示す作成されたメニュー情報(A’)の例では、大分類での機能分けとなるメニューM20’と、中分類での機能分けとなるページM21’と、小分類の機能分けとなる項目(選択肢)M22’において項目等の表示順序が変更されている。
例えば、大分類での機能分けとなるメニューM1’では、先頭のメニューが30000に、2番目のメニューが40000に変更されている。
このようなメニュー表示の変更(最適化)は、例えば、メニュー選択回数、設定回数、機能実行回数の各アクセス履歴をコントローラ部1504の制御によって解析した結果に基づいて行うことができる。
これにより、例えば、よく使う機能の設定項目のメニューが上位に表示されるように配列するなどの変更を行うことができ、ユーザの操作性を向上させることができる。
また、図28の(a)には、メニュー情報の原型(ひな形)としてのメニュー情報(A)の他の構成例を示す。
図28の(a)において、メニュー情報(A)は、大分類(メニュー)M23、中分類(ページ)M24、小分類(項目)M25が所定のレイアウトで配置されている。
また、大分類(メニュー)M23等においてメニュー10000,20000,30000,・・・というように、徐々に番号が大きくなる順序で配列されている。
そして、図28の(b)に示す作成されたメニュー情報(A’)の例では、大分類(メニュー)M23’、中分類(ページ)M24’、小分類(項目)M25’において項目等の表示順序が変更されている。
例えば、大分類(メニュー)M23’では、先頭のメニューが30000に、2番目のメニューが40000に変更されている。
このようなメニュー表示の変更(最適化)は、例えば、メニュー選択回数、設定回数、機能実行回数の各アクセス履歴をコントローラ部1504の制御によって解析した結果に基づいて行うことができる。
これにより、例えば、よく使う機能の設定項目のメニューが上位に表示されるように配列するなどの変更を行うことができ、ユーザの操作性を向上させることができる。
図29の(a)には、メニュー情報の原型(ひな形)としてのメニュー情報(A)の構成例を示す。
メニュー情報(A)では、メニューの構成は、大分類での機能分けとなるメニューM30と、中分類での機能分けとなるページM31と、小分類の機能分けとなる項目(選択肢)M32および項目それぞれの設定値とから構成されている。
また、メニュー情報(A)では、先頭のメニューは10000で、そこにはページ10100〜10500までが用意されており、さらにページ10100には項目10101〜10110とそれぞれの設定値が配置されている。
以降、メニュー20000,30000,・・・と、徐々に番号が大きくなる順序で配列されている。
また、各メニュー,ページ,項目には、表示順番、表示方法、アクセス回数の情報が付加されている。
なお、表示方法は、予め数字と表示方法が対応付けされている。
そして、図29の(b)に示す作成されたメニュー情報(A’)の例では、大分類での機能分けとなるメニューM30’と、中分類での機能分けとなるページM31’と、小分類の機能分けとなる項目(選択肢)M32’において表示順番、表示方法、アクセス回数の情報が変更されている。
従って、情報処理装置1500は、表示順番、表示方法、アクセス回数の情報に基づいて各メニュー,ページ,項目の表示順番や表示方法を変更することができる。
これにより、例えば、よく使う機能の設定項目のメニューが上位に表示されるように配列するなどの変更を行うことができ、ユーザの操作性を向上させることができる。
なお、メニュー表示の変更態様は、図27〜図29の例に限定されるものではなく、例えば、特定の項目を表示する文字のフォントの大きさ,種類(ゴシック体,明朝体等),色などを変更するようにしてもよい。また、表示項目のボックスの大きさや背景色を変えることも考えられる。さらに、特定項目について、設定上の注意点等を伝えるヘルプ表示や、「!」などの注意を喚起する記号等を付加表示させるようにしてもよい。
次に、図30を参照して、メニューを変更(最適化)する際の変更の仕方の例について説明する。
変更の仕方として、以下の(1)〜(5)などが考えられる。
(1)メニューアクセス履歴のメニュー選択累積回数、設定累積回数、機能実行累積回数のアクセス回数が、その階層に設定される累積回数の閾値を越えたときに、それに対する表示順番、表示方法の順番を変更する。
(2)メニューアクセス履歴の設定ミス累積回数が、閾値を超えたときに、それに対する付加表示方法レベルを変更する。
(3)メニューを表示するときは、表示順番にメニュー、設定項目、機能実行ボタンが並ぶようにメニューを生成する。
(4)メニューを表示するときは、表示方法に従った方法で、メニュー、設定項目、機能実行ボタンが表示されるようにメニューを生成する。
(5)また、メニューを表示するときは、表示方法に従った方法で、メニュー/設定項目/機能実行ボタンが表示されるようにメニューを生成する。
(6)さらに、設定項目/機能実行ボタンについては、設定ミス累積回数/機能実行ミス累積回数のレベルに従った方法で、注意を促す方法を表示するようにメニューを生成する。
(7)設定項目、機能実行ボタンについては、設定ミス累積回数、機能実行ミス累積回数のレベルに従った方法で、注意を促す方法などを表示するようにメニューを生成する。
また、注意を促す方法としては、例えばユーザAが最初に間違えたときは「設定内容に注意してください」と表示する。
また、2回目に間違えたときは「ヘルプを参照してください」と表示させる。
その後、ユーザ(B)が最初に間違えた場合は、「設定内容に注意してください」と表示される(即ち、ユーザ(B)についての表示内容は、ユーザAの履歴とは無関係とすることができる)。
設定を間違えたユーザ名や、頻繁に設定しているユーザ名、あるいは正しく設定しているユーザ名を表示して、そのユーザに設定方法を問い合わせることを促すような表示を行うようにしてもよい。
また、設定内容を参考情報としてユーザの情報処理装置上に表示させるようにしてもよい。その際には、パスワードなどセキュリティの理由により公開できない設定項目を除くようにするとよい。
次に、図31のフローチャートを参照して、情報処理システムS3で実行されるメニュー情報更新処理の処理手順について説明する。
なお、図31の例では、ユーザAのメニュー情報を更新する場合を想定する。
この処理が開始されると、ステップS600でユーザAの情報処理装置100上で、情報処理装置1500に対してメニュー画面(例えば、図27(b)〜図29(b)のようなメニュー画面)の操作(所定項目の選択などの操作)を実行してステップS601に移行する。
ステップS601では、情報処理装置1500は、ユーザAからのメニュー設定変更や機能実行要求と、ユーザAの認証情報(ユーザ名、パスワード等)を受信してステップS602に移行する。
ステップS602では、認証情報に基づいた個人認証(正規ユーザか否かの判定)が行われ、判定結果が「No」の場合にはステップS603に移行して、正規ユーザではない旨のメッセージ(例えば「正規ユーザ登録されていないため、メニューの設定変更を実行できません。」等のメッセージ)をユーザAの情報処理装置100に送信して処理を終了する。
これにより、ユーザAが不正ユーザである場合には、メニュー操作による不正な設定変更等を回避することができる。また、ユーザAが正当なアクセス権限を有する場合には、認証情報(ユーザ名、パスワード等)に入力間違い等があった可能性もあるので、認証情報の再送信等を試行することができる。
一方、ステップS602で「Yes」と判定された場合(正規ユーザと認証された場合)には、ステップS604に移行して、設定変更あるいは機能実行を行ってからステップS605に進む。
ステップS605では、エラー発生か否かが判定され、「No」の場合にはステップS607に移行し、「Yes」の場合にはステップS606に移行する。
ステップS606では、ユーザAの対応する項目の設定ミス累積回数をインクリメントしてステップS607に移行する。
ステップS607では、ユーザAの対応する項目等のメニュー選択累積回数、設定累積回数、機能実行累積回数(あるいは設定成功累積回数)をインクリメントしてステップS608に移行する。
ステップS608では、メニュー選択累積回数、設定累積回数、機能実行累積回数、設定ミス累積回数のそれぞれについて、予め設定されている閾値との比較を行ってステップS609に移行し、閾値を超えたメニュー,設定項目,機能実行の表示順番、表示方法、付加表示方法の順位を更新して処理を終了する。
これにより、ユーザAの使用環境の変化に応じた適切なメニュー画面を提供することができ、利便性を一層向上させることができる。
また、他のユーザB、Cについても、上記と同様のメニュー情報更新処理により、当該ユーザの使用環境の変化に応じた適切なメニュー画面を提供することができ、利便性を一層向上させることができる。
また、情報処理装置1500が複合機である場合において、ファクシミリを送る感覚で対象物を読み込んでから対象PCに送り込むプッシュスキャン機能を備えている場合の例について簡単に説明する。
アドレス帳の送信先サーバーアドレス設定において、ユーザAが設定を行ってプッシュスキャン機能を実施した際に、サーバーアドレスが間違っていたために接続できなかった場合には、例えば、正しく設定してあるユーザBのサーバーアドレス設定の内容をユーザPC上に表示するようにできる。
これにより、ユーザAは表示された内容を参考情報として、サーバーアドレスを再設定することができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
また、プログラムを用いる場合には、ネットワークを介して提供し、或いはCD−ROM等の記録媒体に格納して提供することが可能である。