JP2009092900A - クリーニング装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

クリーニング装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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奈緒美 杉本
Hidetoshi Yano
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健治 杉浦
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修 成瀬
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Abstract

【課題】トナーへの電荷注入を抑制し被清掃体のクリーニングを良好に行え、且つ、ブラシローラや回収部材に印加する電圧を低電圧化できるクリーニング装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】表面移動する被清掃体1上のトナーを被清掃体1上から除去する、導電性を有する繊維を導電性芯金の外周から直径方向外側へ延びるように植毛されたブラシローラ23と、導電性芯金に電圧を印加する導電性芯金電圧印加手段30と、導電性部材と導電性部材上に形成された高抵抗部材または絶縁性部材からなる表面層とを有しブラシローラ23と接触しブラシローラ23に付着したトナーを静電力によって回収する回収部材24と、上記導電性部材に電圧を印加する導電性部材電圧印加手段28とを備えたクリーニング装置18において、上記繊維の抵抗でが10[Ω]以上10[Ω]以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられるクリーニング装置、並びに、これを備えた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
従来、被清掃体としてトナー像転写後の感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段としては、ゴム製のブレードを感光体に当接させてトナーを除去するブレードクリーニング方式のものが知られている。ブレードクリーニング方式では、ブレードと感光体表面との密着の精度が低いとトナーがすり抜けてしまいクリーニング性が低下しやすい。これを防止するために、ブレードを強い当接圧で感光体に押し付けることがおこなわれている。しかしながら、ブレードを強い当接圧で感光体に押し付けると、ブレードのめくれが発生し、スジ状あるいは帯状のクリーニング不良を引き起こしてしまい、安定したクリーニング性能を保ちつづけることが困難であった。また、長期的には、感光体の表面膜削れを増進させ、感光体寿命を短くさせてしまう。
また、近年、高画質化の要望が高まり、トナーを小粒径化する傾向にある。さらに、トナー製造コスト低減及び転写率向上の要望から、粉砕(不定形)トナーから重合法による球形トナーを採用する画像形成装置が製品化されている。このような小粒径、球形トナーを用いると、ブレードクリーニング方式ではクリーニング性が粉砕トナーに比べて劣ることが知られている。
小粒径トナーや球形トナーのクリーニング時にも良好なクリーニング性を備え、且つ、感光体の表面膜削れを軽減できる機械的な摺擦を抑えたクリーニング方式として、特許文献1に記載されているような静電ブラシクリーニング方式がある。静電ブラシクリーニング方式は、感光体表面に接触摺擦するようにクリーニングブラシを配し、さらにクリーニングブラシに接触して清掃部材たる回収ローラを配し、回収ローラでトナーを除去する。この際、クリーニングブラシあるいはクリーニングブラシと回収ローラとの両方に電圧を印加する。そして、クリーニングブラシに印加した電圧と逆極性に帯電したトナーを静電気力でクリーニングブラシのブラシ繊維に付着させて感光体からトナーを除去するものである。このため、小粒径トナーや球形トナーに対してもクリーニング性能が得られる。
クリーニングブラシに付着したトナーは、回収部材たる回収ローラに電圧を印加して、帯電したトナーを静電気力で回収ローラに付着させてクリーニングブラシからトナーを除去している。具体的には、クリーニングブラシに印加される電圧よりも高く同極性の電圧を回収ローラに印加することで、クリーニングブラシに付着した、クリーニングブラシに印加される電圧の極性と逆極性のトナーが、回収ローラに静電的に付着してクリーニングブラシから回収される。
特開2005−265907号公報
ところが、回収ローラとして金属ローラを用いた場合には、クリーニングブラシに付着したトナーが回収ローラに回収されず感光体へ再付着するという不具合が生じることがわかった。
本出願人らが鋭意研究を行ったところ、クリーニングブラシと回収ローラとが接したときに、回収ローラからクリーニングブラシに付着したトナーへ電荷が注入され極性が反転するトナーが確認された。極性が反転したトナーは、回収ローラで回収されずに、JOB終了後もクリーニングブラシに付着し続けると考えられる。この回収ローラによって極性が反転しクリーニングブラシに印加される電圧の極性と同極性に帯電したトナーが、感光体へ再付着したと考えられる。
そこで、回収ローラとして、導電性部材であるステンレス鋼などの芯金上に絶縁部材からなる表層を設けた高抵抗回収ローラを用いたところ、次のような効果があることがわかった。すなわち、クリーニングブラシから高抵抗回収ローラへトナーを回収するときに、トナーへの電荷注入が抑制されクリーニングブラシに付着したトナーの極性が反転するのを抑制することができるという効果である。これにより、トナーがクリーニングブラシに留まり続けたり、感光体へ再付着したりするのを抑制することができた。
ここで、感光体とクリーニングブラシとが接したときに、クリーニングブラシから感光体上のトナーへ電荷が注入されトナーの極性が反転する恐れがある。このように感光体上のトナーの極性が反転してしまうと、静電的な力によって感光体上からトナーをクリーニングブラシで除去することができなくなる。また、感光体上からクリーニングブラシにトナーを付着させることができたとしても、その付着したトナーにクリーニングブラシから電荷が注入されトナーの極性が反転する恐れがある。このようにクリーニングブラシに付着したトナーの極性が反転すると、そのトナーが回収ローラによって回収されずクリーニングブラシに留まり続けてしまいクリーニング性が低下する。したがって、高抵抗回収ローラを用いてクリーニングブラシに付着したトナーの極性が反転するのを抑制して、クリーニングブラシにトナーが留まり続けるのを抑えるだけでは、クリーニングブラシによって感光体を良好にクリーニングすることができない恐れがある。そのため、高抵抗回収ローラを用いるだけではなく、クリーニングブラシのブラシ抵抗を高抵抗にして、クリーニングブラシから感光体上やクリーニングブラシに付着したトナーへ電荷が注入されるのを抑え、トナーの極性が反転するのを抑制することが考えられる。
しかしながら、クリーニングブラシのブラシ抵抗を単に高抵抗にしただけでは次のような問題が生じ得る。つまり、ブラシ抵抗が高抵抗になると静電的な力によって感光体を良好にクリーニングするために必要なクリーニングブラシへ印加する電圧が高電圧となる。例えば、後述する実験においてブラシ抵抗が10[Ω]の場合には、1200[V]から1500[V]の電圧を印加しないとクリーニングブラシによって感光体を良好にクリーニングすることができなかった。また、上述したようにクリーニングブラシから回収ローラに静電的な力によってトナーを付着させるためには、クリーニングブラシに印加した電圧よりも高い電圧を回収ローラに印加する必要がある。そのため、クリーニングブラシや回収ローラに電圧を印加する電源に高コストな高圧電源が必要となったり、高電圧を印加するためブラシや回収ローラ表面が劣化し易くなってしまう。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、トナーへの電荷注入を抑制し被清掃体のクリーニングを良好に行え、且つ、ブラシローラや回収部材に印加する電圧を低電圧化できるクリーニング装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面移動する被清掃体上のトナーを被清掃体上から除去する、導電性を有する繊維を導電性芯金の外周から直径方向外側へ延びるように植毛されたブラシローラと、該導電性芯金に電圧を印加する導電性芯金電圧印加手段と、導電性部材と該導電性部材上に形成された高抵抗部材または絶縁性部材からなる表面層とを有し、該ブラシローラと接触し該ブラシローラに付着したトナーを静電的な力によって回収する回収部材と、該導電性部材に電圧を印加する導電性部材電圧印加手段とを備えたクリーニング装置において、該繊維の抵抗が10[Ω]以上10[Ω]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のクリーニング装置において、上記表面層に電荷を付与する回収部材表面電荷付与手段と、上記ブラシローラが被清掃体上のトナーを除去する位置よりもブラシローラ回転方向上流側、且つ、該ブラシローラと上記回収部材とが接する位置よりもブラシローラ回転方向下流側に、該ブラシローラのブラシ先端部に電荷を付与するブラシ先端電荷付与手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のクリーニング装置において、上記導電性芯金と上記ブラシ先端電荷付与手段とに同電圧を印加することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3のクリーニング装置において、上記表面層の抵抗が1010[Ω/□]以上であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4のクリーニング装置において、上記ブラシローラが上記被清掃体上のトナーを除去する位置に対して被清掃体表面移動方向上流側の該被清掃体の表面と対向する位置に、被清掃体上のトナーの帯電を制御する帯電制御部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5のクリーニング装置において、上記帯電制御部材として、上記被清掃体と当接する導電性ブレードを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体を帯電せしめる帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の静電潜像をトナーにより現像しトナー像化する現像手段と、該潜像担持体上のトナー像を転写体又は記録媒体に転写する転写手段と、転写後の該潜像担持体を被清掃体として表面に付着した転写残トナーを除去する潜像担持体クリーニング手段とを有する画像形成装置において、該潜像担持体クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5または6のクリーニング装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、一つの潜像担持体と複数の現像手段とで多色画像を形成することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項7の画像形成装置において、一つの潜像担持体と一つの現像装置からなる画像形成部を複数有し、該複数の画像形成部で形成されたトナー像を重ね合わせることで多色画像を形成することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項7、8または9の画像形成装置において、上記潜像担持体上のトナー像が、中間転写される中間転写体と、該中間転写体の表面をクリーニングする中間転写体クリーニング手段とを有し、該中間転写体クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5または6のクリーニング装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項7、8、9または10の画像形成装置において、上記トナー像を形成するトナーとして、形状係数SF−1が、100〜150のトナーを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項7、8、9、10または11の画像形成装置において、上記潜像担持体として、フィラー(粒子状物質)を含有する表面保護層が形成されたものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、上記潜像担持体として、架橋型の高分子材料を含有する表面保護層を有するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記表面保護層の構造中に電荷輸送層を有することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、像担持体と少なくともクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、該クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5または6のクリーニング装置を用いたことを特徴とするものである。
以上、本発明によれば、後述する実験で明らかにしたように、ブラシローラの導電性芯金に植毛された導電性を有する繊維の抵抗が10[Ω]以上10[Ω]以下であることで、トナーへの電荷注入を抑制し被清掃体のクリーニングを良好に行え、且つ、ブラシローラや回収部材に印加する電圧を低電圧化できるという優れた効果がある。
以下、本発明を画像形成装置である電子写真方式のプリンタ100に適用した実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタの要部及びその作像工程を説明するための概略構成図である。本実施形態のプリンタ100における画像形成の一連のプロセスは、N/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)の非接触帯電ローラ方式を用いている。
図示していない操作部のプリントボタンが押されると、図中の非接触帯電ローラ3、現像ローラ8、転写装置15、トナー極性制御ブレード22、クリーニング装置18に設けられたクリーニングブラシ23及び回収ローラ24、図示しない除電ランプにそれぞれ所定の電圧又は電流が順次所定のタイミングで印加される。それとほぼ同時に感光体ドラム1、非接触帯電ローラ3、転写装置15、現像ローラ8、左スクリュー9、右スクリュー10、クリーニングブラシ23、回収ローラ24、トナー排出スクリュー19は所定の方向に回転し始める。
感光体ドラム1は非接触配置された非接触帯電ローラ3で一様に負に帯電(−700[V])され、レーザ光4で潜像形成(黒ベタ電位は−120[V])が行われる。その潜像が現像ローラ8で形成される磁気ブラシにより現像(現像バイアスは−450[V])されトナー像が形成される。そして、そのトナー像が感光体ドラム1と転写装置15との間に図示していない給紙機構から給送され、図示しないレジストローラで画像先端と同期を取り供給された転写紙上にトナー像が転写される。このようにトナー像が転写されるときには、転写装置15の転写ローラに+10[μA]の電流が印加されることで、感光体ドラム上のトナー像が転写紙上に静電転写される。転写紙は図示しない分離機構で感光体ドラム1より分離され、図示していない定着装置を経てコピー画像として排出される。
トナー極性制御について、図2、図3を用いて説明する。図2は転写残トナーA(通常の転写残トナーを想定)をトナー極性制御ブレード22によって極性制御した場合を、図3は転写残トナーB(逆転写トナーを想定)をトナー極性制御ブレード22によって極性制御した場合を示したものである。また、転写残トナーの帯電量分布との比較として図4には現像後トナーの帯電量分布を示している。なお、図2、図3及び図4は、ホソカワミクロン製E−スパートアナライザで、トナー1個ずつの電荷量Qとそのトナーの粒径dを測定したデータをもとに、所定の条件で図1の作像装置で作像した時の転写残トナー数百個をサンプリングした時のQ/d(単位は[fC/μm])分布を表している。
転写装置15で転写され、残った感光体ドラム1上の転写残トナーは、図2や図3に示されるように「+極性」と「−極性」が混在した分布のトナーとなり、感光体ドラム1の回転でトナー極性制御ブレード22の位置まで移送される。
トナー極性制御ブレード22は、感光体ドラム1の回転方向に対してカウンター方向で当接させて配置している。このトナー極性制御ブレード22は、例えばポリウレタンゴムを素材とした弾性体で、導電性を持たせる。その厚みは1[mm]〜3[mm]の範囲内とするのが良い。厚さが薄すぎると、感光体ドラム表面及びトナー極性制御ブレード22自体のうねり等によってトナー極性制御ブレード22の感光体ドラム1への押しつけ量が確保しにくくなる。厚さが厚すぎると、図示しない振動部材からの振動を吸収し、トナー極性制御ブレード22先端部への振動が十分伝達されず、トナーの極性制御性が低下する。トナー極性制御ブレード22の厚さが厚い場合は、トナー極性制御ブレード22の材料としてJIS−A硬度で85[°]〜100[°]の範囲内の硬い部材を使用することで、振動の伝達効率を上げることができる。
本実施形態においては、トナー極性制御ブレード22は感光体ドラム1に対しカウンター方向で当接角度20[°]、当接圧20[g/cm]で当接し、感光体ドラム1への喰い込みは0.6[mm]で構成されている。また、電気抵抗は、1×10[Ω・cm]とした。電気抵抗は、2×10[Ω・cm]〜5×10[Ω・cm]くらいがよい。
また、トナー極性制御ブレード22は板金上に接着された板状によって構成され、厚みが2[mm]、自由長が7[mm]、JIS−A硬度で60[°]〜80[°]、反発弾性は30[%]で行ったが、この値以外でもよい。例えば、JIS−A硬度で40[°]〜85[°]の範囲内であれば良く、トナー極性制御ブレード22で100[%]クリーニングできず多少すり抜け量が増減しても問題ない。
トナー極性制御ブレード22ではほとんどのトナーは機械的に掻き落されるが、図5に示すように感光体ドラム1の回転方向に当接状態が変化する所謂ステックスリップが発生し、トナー極性制御ブレード22が図中C状態になったときにトナーの一部はトナー極性制御ブレード22をすり抜けて行く。
トナー極性制御ブレード22には、トナーの帯電極性と同じ極性(−極性)の電圧が印加されており、トナーがトナー極性制御ブレード22をすり抜けて行くときに、トナーを正規の帯電極性(−極性)に帯電せしめる。トナー極性制御ブレード22に印加する電圧値の一例としては、−500[V]である。
次にトナーと同極性の電圧(−極性)が印加されたトナー極性制御ブレード22をすり抜けて行くトナーの帯電極性が変わるときの詳細について説明する。なお、トナー極性制御ブレード22の電気抵抗は10[Ω・cm]〜10[Ω・cm]、感光体ドラム1との当接圧が20[g/cm]〜40[g/cm]でカウンター当接する場合とする。
トナー極性ブレード22に電圧を印加していない場合、トナー極性制御ブレード22をすり抜けるトナーは、感光体ドラム1とトナー極性制御ブレード22との圧力で摩擦帯電され、図2や図3の「ブレード通過後(電圧非印加)」に示すようにトナーの正規帯電極性側にシフトすることがわかる。
トナー極性ブレード22に電圧を印加した場合、トナーがトナー極性制御ブレード22と感光体ドラム1との間に挟まれたとき、トナー極性制御ブレード22に印加された電圧でトナーに電流が流れ込みトナーは印加電圧側の極性に帯電しトナー極性制御ブレード22を通過する。また、感光体ドラム1とトナー極性制御ブレード22とで形成された楔部の入り口と出口との微小ギャップ部の放電あるいは電荷注入により、トナーは図2や図3の「ブレード通過後(電圧−500[V]印加)」に示すように印加電圧と同極性に帯電することがわかる。
なお、図6に示すように、感光体ドラム上の転写残トナーに電荷を注入し、転写残トナーの帯電を制御するトナー極性制御部材を、トナー極性制御ブレード22ではなくトナー極性制御ブラシ201としてもよい。
トナー極性制御ブラシ201は、導電性繊維を導電性基布に植毛したブラシ織物を導電性電極に導電性接着剤で接着固定させたものである。なお、本実施形態では導電性電極として金属の板状電極を用いトナー極性制御ブラシ201を固定ブラシとしたが、導電性電極は板状のものでも丸棒でも良い。また、導電性の芯金にブラシ織物を巻きつけてブラシローラ状にしてもよい。トナー極性制御ブラシ201に用いたで導電性繊維は導電性ポリエステルであり、ブラシ抵抗は固定ブラシとして成形したものを金属の対向電極に食い込み量1[mm]で接触させブラシ電極に10[V]を印加したときの抵抗が1〜9×10[Ω]であるものを用いた。
上述したように、転写装置15で転写され、残った感光体ドラム1上の転写残トナーは図2や図3からわかる通り、「+極性」と「−極性」とが混在した分布のトナーとなり、感光体ドラム1の回転でトナー極性制御ブラシ201の位置まで移送される。
トナー極性制御ブラシ201には制御したい極性の電圧が印加されており、本実形態では−400[V]が印加されている。転写残トナーのうち、+極性トナーは何割かがトナー極性制御ブラシ201に静電気力で付着し、残りの+極性トナーは−極性に極性制御されてブラシをすり抜けていく。転写残トナーのうち−極性トナーは、より−極性の電荷を与えられながらブラシをすり抜ける。このようにして、ブラシにトナーが付着しながらも、極性を−極性に制御されたトナーがブラシをすり抜けていくことになる。
なお、ブラシ繊維の母体をナイロンなどの帯電系列がプラス極性のものを選択することで、摩擦帯電でトナー極性をマイナス極性にして、極性制御を補助する機能をもたせることもできる。
また、本実施形態では極性制御ブラシ201にマイナス極性の電圧を印加して転写残トナーの極性をマイナスに制御する説明をしたが、プラス極性に制御したい場合はもちろんプラス電圧を印加し、ブラシ繊維の帯電系列もトナーがプラス極性になるような繊維を選ぶとよい。
ここで、トナー極性制御ブレード22とトナー極性制御ブラシ201との極性制御性能ではトナー極性制御ブラシ201の方がやや優れるが、ほとんど同一と考えて差し支えない。異なる点は、次の工程であるクリーニングブラシ23へ通過させるトナー量と、異物に対する安定性である。
トナー極性制御ブレード22は、トナーをせき止める効果が高いのでクリーニングブラシ23へのトナー入力量をトナー極性制御ブラシ201よりも低減させることができる。なお、トナーの回収はトナー極性制御ブレード22やトナー極性制御ブラシ201で主に行なわれるので、回収トナーを搬送する搬送機構をトナー極性制御ブレード22の下にも設置したり、トナー極性制御ブラシ201に付着したトナーを回収する機構を設置する必要がある。
また、トナー極性制御ブラシ201は異物が入力されても柔軟に撓むことができるので、経時にわたり安定して感光体ドラム1に当接することができるが、トナー極性制御ブレード22は欠けなどが発生すると極性制御性が低下する恐れがある。
このように、トナー極性制御部材としては、トナー極性制御ブレード22とトナー極性制御ブラシ201とのそれぞれの特徴を考慮して使用するシステムに適したものを選択すればよい。
図1において、トナー極性制御ブレード22により正規の帯電極性に帯電されたトナーは、次のクリーニングブラシ23の位置に感光体ドラム1の回転により移送される。クリーニングブラシ23の芯金(ブラシ軸)へは電源30によりトナーの帯電極性とは逆の電圧(+極性)が印加されトナー極性制御ブレード22をすり抜けたトナーを静電的に吸着する。
クリーニングブラシ23上に移動したトナーはクリーニングブラシ23より更に高い+極性の電圧を電源28によって回収ローラ軸に印加された回収ローラ24へ電位勾配により移動する。回収ローラ24上のトナーは回収ローラ用クリーニングブレードである導電性ブレード31により掻き落とされ、トナー排出スクリュー19で機外に排出又は現像器に戻される。
ここで、クリーニングブラシ23と回収ローラ24との具体的な構成条件を表1に示す。
Figure 2009092900
なお、、ブラシ抵抗は直径10[mm]のSUS(ステンレス鋼)ローラにクリーニングブラシ23を対向させて200[mm/sec]で両方を回転させ、クリーニングブラシ23の芯金に電圧を印加して測定した。なお、芯金へ印加した電圧は表中に記載した通りである。
ブラシ繊維はポリエステル、ナイロン、アクリル等の絶縁材が一般的で何れの材料の場合も同じ効果を得ることができる。また、ブラシ繊維として用いた表面に絶縁体、内部に導電材があるような「芯鞘構造」の代表的な繊維は、特開平10−310974、特開平10−131035、特開平01−292116、特公平07−033637、特公平07−033606、特公平03−064604に開示されている。
トナー極性制御ブレード22などのトナー極性制御部材でトナーの極性制御をする際は、いろいろな電荷量分布をもった転写残トナーや逆転写トナーを単一極性に制御する必要がある。そのため、トナー極性制御部材にはどのような電荷量分布のトナーが入力されても単一極性トナーになるよう、充分な電圧を印加することになる。具体的には環境条件や画像パターンによって転写装置15に印加する印加電圧が高い場合や低い場合がある。そのほか、カラー画像形成装置の場合には各色のトナー像を感光体ドラム上に作像し、その各色のトナー像を転写するときの転写電圧あるいは転写電流は色によって変えることが多く、かつ複数の感光体ドラムを中間転写ベルトに対して横に並べたタンデム型のカラー画像形成装置では、1色目トナーが中間転写ベルトに転写された後、後工程の色の感光体ドラムに中間転写ベルト上のトナーが再付着する、いわゆる逆転写がおきることが多い。つまり、図2や図3に示すような転写残トナーA(通常の転写残トナーを想定)、転写残トナーB(逆転写トナーを想定)がトナー極性制御部材に入力されることになる。
本実施形態の場合は、トナー極性制御ブレード22に−500[V]の電圧を印加しトナーの極性制御を行なった。このとき極性制御後のトナー電荷量はコロナチャージャーでのトナー極性制御と比較して図2や図3に示すような比較的ブロードな分布となり、転写残トナーAのような低帯電量のトナーは極性制御後には−極性の高帯電量トナーになり、他方、転写残トナーBのような+極性に高帯電量だったトナーは極性制御後は−極性の低帯電量トナーとなる。
一方、周知のこととして、低電荷量のトナーは弱いクリーニング電界でクリーニングされ、高帯電量のトナーは強いクリーニング電界でクリーニングされる。しかしながら、低電荷量のトナーは強い電界下に置かれると反対極性電荷が注入されて、感光体ドラム上に再付着する。つまり、極性制御後のトナーは単一極性ではあるが、先に述べたように低電荷量から高電荷量までブロードな電荷量分布をもつため、クリーニング部材であるクリーニングブラシ23の芯金への印加電圧は高帯電量トナーをクリーニングできるような高電圧でありながら、電荷注入により低電荷量のトナーが感光体ドラム上へ再付着させないような印加電圧に設定する必要がある。
そのために、ブラシ抵抗および回収ローラ抵抗を高くして感光体ドラム1やトナーに電流が流れにくくなるようにし、電荷注入を防ぐことが考えられる。
回収ローラは表面に抵抗層を有するローラであるほうがSUS(ステンレル鋼)回収ローラよりもクリーニングブラシ表面と回収ローラ表面との電位差を大きくすることができることを、図7、図8を用いて説明する。ただし、図7と図8とに示す結果が得られた実験の実験条件は表1の通りではなく、次のような条件で行なった。つまり、図7に示す結果が得られた実験の実験条件は、トナー極性制御部材を設けず感光体ドラム1上の現像後トナーのクリーニングを行ない、回収ローラはSUS回収ローラを用いて、その他の条件は表1の「構成例1」と同じである。図8に示す結果が得られた実験の実験条件は、トナー極性制御部材を設けず感光体ドラム1上の現像後トナーのクリーニングを行ない、その他の条件は表1の「構成例1」と同じである。
図7は、32[℃]80[%]環境にて、SUS回収ローラを用い、ブラシ軸に500[V]を印加して、回収ローラ軸に550[V]〜700[V]を印加したときの、ブラシ軸電位、ブラシ先端電位、回収ローラ軸電位、回収ローラ表面電位、(回収ローラ表面電位―ブラシ先端電位の)電位差、を示したものである。また、図8は、32[℃]80[%]環境にて、表1に記載した回収ローラである高抵抗回収ローラを用い、ブラシ軸に500[V]を印加して、回収ローラ軸に500[V]〜800[V]を印加したときの、ブラシ軸電位、ブラシ先端電位、回収ローラ軸電位、回収ローラ表面電位、(回収ローラ表面電位―ブラシ先端電位の)電位差、を示したものである。
SUS回収ローラを用いると、ブラシ先端電位が回収ローラ表面電位と近づいてしまい、回収ローラ軸印加電圧を上げても、その2部材表面間の電位差が上がらない。
次に、図9に、ブラシ先端電位と回収ローラ表面電位との電位差を横軸に取り、縦軸に回収率を取ったグラフを示す。ここで、回収率とは、実験的に既知のトナー量(ここでは計算しやすいように単位面積当たりのトナー量[mg/cm]を用いる。)を感光体ドラム1上に付着させ、クリーニングブラシ23でクリーニング後に回収ローラ24に回収されたトナー量(単位面積あたりのトナー量)を測定し、数1で計算したものである。
Figure 2009092900
ただし、M/Aは単位面積当たりのトナー質量[単位:[mg/cm]を計算したものである。
図9からわかるように、回収ローラ24としてSUS回収ローラを用いたときには回収率が80[%]どまりなのに対し、表1に示す高抵抗回収ローラを用いると、回収率が100[%]以上になるものが存在する。ここで、回収率が100[%]を超えているのは、トナー入力を10秒間行なったため、毎回のブラシ・回収ローラ回転で最初の数秒間は100[%]のトナー回収ができずにブラシにトナーが溜まり、次に溜まったトナーと逐次入力してくるトナーをあわせた量の数十[%]の量を回収ローラ24が回収しているため、その回収量が入力量を上回ってしまうことがあるためである。
ここまでの図7、図8及び図9に示す結果をまとめると、ブラシからのトナー回収性をあげようとして回収ローラ軸に印加する電圧を増加させても、SUS回収ローラの場合にはトナーの回収性が上がらないが、表1に示す高抵抗回収ローラを用いて回収ローラ軸に印加する電圧を上げるとブラシ先端と回収ローラ表面との電位差が大きくなり、回収ローラ24でのトナー回収性が向上するということがわかる。したがって、トナー回収性を上げるためには、SUS回収ローラよりも高抵抗回収ローラのほうが良いことがわかる。
また、図7と図8とに示す結果が得られた実験を行った場合における感光体ドラム1上のクリーニング性も、回収ローラ24として表1に示す高抵抗回収ローラを用いたほうがSUS回収ローラを用いるよりも良好となった。その結果を図10に示す。
なお、図10における縦軸のクリーニング残IDというのは次のような指標である。「クリーニング残ID」はクリーニングブラシ23によるクリーニング後の感光体ドラム1上のトナーをスコッチテープでテープ転写し、白紙上に貼り付けそれを分光測色計(X−Rite938)で測定し、一方スコッチテープでテープのみを同じ白紙に貼り付け分光測色計で測定し、トナーとテープと白紙をあわせた反射濃度(ID:Image Density)からスコッチテープでテープと白紙をあわせた反射濃度(ID)の分を引いた値である。IDとトナー個数とは相関関係が有り、トナー個数が多いとIDの値は増加する。従ってIDでクリーニング性の判断ができる。クリーニング残IDが小さいほどクリーニング性が良いという指標である。
図に示すように、SUS回収ローラと比較して表1に示す高抵抗回収ローラは回収ローラ印加電圧を高くしたときのクリーニング残IDに対しての印加電圧の余裕度が大きく、印加電圧を上げたときでもクリーニング性が良好に維持される。
その理由として、以下のように考えている。負極性トナーに対して、正極性電圧V1をブラシ軸に印加し、回収ローラ軸に正極性電圧V2(ここでV2>V1)を印加した場合、負極性トナーは正極性を帯びたブラシに付着し、ついでクリーニングブラシ23よりもより正極性で高電圧な回収ローラ24に付着して回収される。ところが、回収ローラ表面が金属(SUS鋼)の場合には回収ローラ24がブラシ毛及びブラシ付着トナーに接触すると、回収ローラ表面と同電位になるまでブラシ毛及びブラシ付着トナーに電荷を供給しつづけようとする。そのスピードは、SUS回収ローラ表面が、ブラシやトナーに電荷を与えてから、電源からまた電荷が供給されて、回収ローラ表面が電源と同電位となるまでのスピード(時間)は、高抵抗回収ローラに比べて速いと推測される。そのため、SUS回収ローラのほうが高抵抗回収ローラよりもブラシ付着トナーの極性を反転させ易くなる。トナーの極性が反転するとトナーは正極性となり、同じ正極性でも電圧が低いブラシのほうに付着する。よって、ブラシ中に正極性トナーが存在することになり、感光体ドラム1の表面電位はブラシ先端の電位よりも負極性側にあるので、ブラシから感光体ドラム1にトナーが付着してクリーニング不良となってクリーニング装置18から出力される。これが帯電器汚れなどの不具合を引き起こす。
一方、ローラ表面に1010[Ω/□]〜1013[Ω/□]の高抵抗層を有する高抵抗回収ローラの場合は、ブラシと回収ローラ24とに挟まれたトナーが極性反転しにくいので結果的に極性反転トナーによるクリーニング不良が発生しにくい。
以上のように、高温高湿環境においては回収ローラ表面を高抵抗層(1010[Ω・cm]以上)、あるいは絶縁層にした場合に、ブラシと回収ローラ24とに挟まれたトナーの極性が反転しにくいというメリットがある。
なお、回収ローラとしてローラ表面が1010[Ω]以上の抵抗を有する高抵抗回収ローラを用いる場合の材料は任意に選択できる。また、回収ローラ24には、回収ローラ24上のクリーニング性が良いことも求められるので、表面を摩擦係数の低い材料でコーティングしたり、SUS鋼などを用いた金属ローラの表面に摩擦係数の低い導電性チューブを巻いたりしてもよい。
また、高抵抗回収ローラとしてローラ表面に絶縁層を有するものでも良く、この場合の回収ローラ24の絶縁表面材料としては、PVDFチューブ、PIチューブ、アクリルコート、シリコーンコート(例えばシリコーン粒子を含有したPCをコート)、セラミックスなどを用いれば良い。
ここで、上述したように、ブラシ抵抗および回収ローラ抵抗を高くして感光体ドラム1やトナーに流れる電流を流しにくくし電荷注入を防ぐとした場合、ブラシ抵抗を高くすると、−極性で高帯電量になった前述の転写残トナーAの極性制御後トナーを静電力によってクリーニングするのに必要となるブラシ軸へ印加する電圧が高くなり(ブラシ抵抗10[Ω]で1200[V]〜1500[V]印加しないとクリーニングできない)、高圧電源が必要となる。さらに、高圧印加のためブラシが劣化し易くなる。
また、回収ローラ24の軸にはブラシ軸に印加する電圧よりも高い電圧を印加する必要があり、さらに導電性ブレード31には回収ローラ軸印加電圧よりも放電開始電圧以上上乗せした電圧を印加する必要があるため、高コストな高圧電源が必要になる。さらに、高圧印加のため回収ローラ表層や導電性ブレード表面などが劣化し易くなったり、放電生成物の発生量も増えるため、高湿環境では特に回収ローラ表面に粘性のある放電生成物が付着して回収ローラ表面に付着したトナーを除去しにくくなる。
ブラシ抵抗が10[Ω]ほど高い場合には、上述したようなな問題が発生する。そのため、回収ローラ24には表面抵抗が高抵抗(1010[Ω/□])のものを用いてトナーへの電荷注入を抑制し、クリーニングブラシ23としてはブラシ抵抗は10[Ω]〜10[Ω]のものを用いる。これにより、表1に示した構成条件でブラシ印加電圧を変動させて実験を行った結果、図11に示すように構成例2(ブラシ抵抗が10[Ω])及び構成例3(ブラシ抵抗が10[Ω])においては、クリーニングブラシ23で感光体ドラム1を良好にクリーニングするのに必要となるブラシ軸印加電圧を構成例1(ブラシ抵抗が10[Ω])に比べ大幅に低減させることができた。つまり、クリーニングブラシ23のブラシ抵抗を10[Ω]〜10[Ω]とすることで、トナーへの電荷注入抑制効果を保ちつつ、ブラシ軸、回収ローラ軸及び導電性ブレード31への印加電圧を低電圧化することができ、省エネルギー化や低コスト化が可能となる。
しかしながら、回収ローラ24として高抵抗回収ローラを用いた場合には、低温低湿環境で以下に述べる不具合があることがわかった。
図12に示す実験装置で低温低湿環境(10[℃]15[%])にてクリーニング実験を行い、トナーが高抵抗回収ローラ表面に付着した後、導電性ブレード31で清掃した後の図12中B点で回収ローラ表面電位を測定した。その結果、回収ローラ表面電位が低下することがわかった。また、同時にその高抵抗回収ローラに接触・回転しているクリーニングブラシ23のA点でのブラシ先端電位を表面電位計を用いて測定したところ、ブラシ先端電位も数百V単位で変動することがわかった。
トナーを入力しながら回収ローラ表面電位とブラシ先端電位とを表面電位計を用いて10[s]間測定した結果を図13に示しており、両方の電位が低下してしまい電位差が30[V]ほどに低下している。図14はトナーを入力しながら回収ローラ表面電位とブラシ先端電位とを表面電位計を用いて2[s]間測定した例で、電位低下がはじまっているものの、まだ電位差は150[V]ほどある。図15はトナーの入力をしないで回収ローラ表面電位とブラシ先端電位とを表面電位計を用いて10[s]間電位を測定したもので、数百V単位の電位の低下はみられない。また、このときの感光体ドラム1上入力トナーのM/Aは0.1[mg/cm]、Q/M(単位質量あたりの電荷量)は−5[μC/g]〜−11[μC/g]であった。通常、転写後に感光体ドラム1上に残留する転写残トナーは変動はあるものの、およそ0.02[mg/cm]〜0.08[mg/cm]と見積もられ、今回の条件はこれを多少上回るように設定した。
ブラシ先端電位変動及び回収ローラ表面電位低下の原因はまだ明らかになっていないが、トナーの有り無しとトナーM/Aの量とに相関があることから、トナーの授受がなんらかの影響を与えていることは確かである。現在は、回収ローラ表面に付着した電荷を持ったトナーが導電性ブレード31で掻き落とされるときに剥離放電がおきて高抵抗層あるいは絶縁層に負極性の電荷を与えてしまうためと考えられる。もしくは、トナー付着により回収ローラ表面層に負極性の電荷を与え、導電性ブレード31でトナーを掻き落としても回収ローラ表面層に与えられた電荷が残ってしまうと考えている。なお、ブラシ表面電位は以下のような場合などに低下することが認められた。すなわち、環境変動、特に低温低湿環境下でブラシ抵抗が上昇する場合、極性制御後トナーが、単一極性に制御されるために比較的高帯電量になっている場合、ベタ画像など高画像面積の原稿の作像時、転写残トナーの単位面積当たりの重量(トナーM/Aと呼ぶ)が多くなる場合などである。
図13のようにクリーニングブラシ23と回収ローラ24との電位差がなくなってしまうと、当然静電力によってトナー回収ができず、クリーニングブラシ23のブラシにトナーが溜まる一方となり、その結果、クリーニングブラシによる感光体ドラム1のクリーニング性が悪化する。そのため、上述したように本実施形態では、高抵抗回収ローラの表面へ電荷を与えるために、図12中で高抵抗回収ローラに当接しているポリウレタンゴムブレードを導電性に変更、つまり導電性ブレード31を用いて、それに電圧を印加して回収ローラ表面電位が低下するのを抑制している。
図12に示す実験装置を用いてブラシ軸に700[V]、回収ローラ軸に1000[V]、導電性ブレード31に1000[V]印加したところ、回収ローラ表面電位が上昇し、クリーニングブラシ23と回収ローラ24との表面電位差が大きくなった。なお、導電性ブレード31の抵抗を低抵抗にする、あるいは導電性ブレード31の印加電圧を上昇させることによって、さらに回収ローラ表面電位を上昇させ一定値に維持することができる。
図16は、低温低湿(10[℃]15[%])環境におけるブラシ先端電位と感光体ドラム1上におけるクリーニング残IDとの関係を示す図であり、図17は、高温高湿(32[℃]80[%])環境におけるブラシ先端電位と感光体ドラム1における上クリーニング残IDとの関係を示す図である。図16に示すように、低温低湿環境ではブラシ先端電位が400[V]〜1000[V]でクリーニング残IDが目標の0.01以下となり良好であることがわかる。また、図17に示すように、高温高湿環境ではブラシ先端電位が300[V]〜500[V]でクリーニング残IDが目標の0.01以下となり良好である。このことから、低温低湿環境でも高温高湿環境でもクリーニング性が良好なブラシ先端電位は400[V]〜500[V]であることがわかる。
しかしながら、前述したように、回収ローラ24として表1に示す高抵抗回収ローラを用いた場合では、低温低湿環境においてクリーニング動作開始から終了までの時間が2秒以上あるとブラシ先端電位が変動、例えば図13においては約250[V]の幅で変動、するという問題が発生した。そこで、本実施形態においては、ブラシ先端電位を一定に保つ対策として回収ローラ24によってクリーニングブラシ23に付着したトナーを回収した後のクリーニングブラシ23のブラシ先端に電荷を与えて、感光体ドラム1上のトナーのクリーニングに寄与するブラシ先端電位の制御を行う。
図1や図18に示すように、クリーニングブラシ23と回収ローラ24とが接触した後のブラシ先端にクリーニングブラシ軸方向全域に渡って接触するように電荷付与部材33を配置する。電源34から電荷付与部材33に、クリーニングブラシ23の芯金(ブラシ軸)への印加電圧と同じ極性の電圧を印加する。本実施形態では、ブラシ先端から1[mm]食い込んだ位置に電荷付与部材33としてステンレス棒をクリーニングブラシ軸方向に配置し、電源34から700[V]を印加した。この電荷付与部材33としてはステンレス鋼に限るものでなく導電性を有する部材であればよい。また、形状は棒状でなく板状でも良い。
電荷付与部材33を設ける前には図13に示されるようにクリーニング動作10[s]後までブラシ先端電位は低下を続けていたのに対し、図19に示すように、クリーニングブラシ23の芯金に700[V]、電荷付与部材33に700[V]、回収ローラ軸に1000[V]及び導電性ブレード31に1000[V]を印加した場合、ブラシ先端電位が大きく低下するのを抑制できたことがわかる。このように、ブラシ先端電位低下分をもとに戻すために、ブラシ先端に電荷付与部材33を当てて電圧を印加しブラシ先端電位を一定に保つことで、良好なブラシクリーニング性を維持することができる。
ここで、ブラシ先端に電荷付与部材33を当てて電圧を印加する場合のブラシ軸印加電圧をVa、ブラシ先端印加電圧をVbとすると、Va=Vbであることが好ましい。
その理由として、Va<Vbの場合、例えばVaが300[V]でVbが400[V]のようにVaとVbとの電位差が大きいと、ブラシ軸電位及びブラシ先端電位ともに上昇し、感光体ドラム上のトナーをクリーニングブラシ23によってクリーニングする際にトナーに+極性の電荷を与えてしまい、トナーが感光体ドラムに再付着してしまう恐れがある。
また、Va>Vb、例えばVaが300[V]でVbが200[V]、の場合、クリーニング動作中にブラシ先端電位が低下しても、ブラシ軸印加電圧Vaよりもブラシ先端印加電圧Vbのほうが小さいため、ブラシ先端電位を元に戻すことができない。
以上のことから、本実施形態においては、ブラシ軸印加電圧Vaとブラシ先端印加電圧Vbとを同電圧にしている。
また、図20は、導電性ブレード31に印加する電圧を1000[V]、1500[V]、2000[V]と高くしていった場合のおけるブラシ先端電位と回収ローラ表面電位とをトナーを入力しながら表面電位計で測定した結果である。なお、ブラシ軸に700[V]、電荷付与部材33に700[V]、回収ローラ軸に1000[V]をそれぞれ印加した。図20に示すように、導電性ブレード31に印加する電圧を高くすることで、回収ローラ表面電位の低下をより一層抑制することができ、また、ブラシ先端電位の変動量もさらに小さくすることができることがわかった。
なお、導電性ブレード31の体積抵抗は10[Ω・cm]のものを用いたが、回収ローラ24上におけるトナーのクリーニング性を低下させない範囲で低抵抗のブレード材料を選ぶほうが電荷付与の効果が高くなる。また、高温高湿時にはあまり問題とならないが、低温低湿時には特に導電性ブレード31の抵抗値が高抵抗にならないようなブレード材料を選定することが望ましい。
ここで、ブラシ軸、電荷付与部材33、回収ローラ軸及び導電性ブレード31に印加する電圧は、上記の電圧値に限るものではなく、トナー特性、トナー極性制御ブレード22を通過した後の感光体ドラム表面電位、感光体ドラム1を帯電ローラ3によって帯電した後の感光体ドラム表面電位またはブラシ抵抗などにより適正な電圧値が変動する。そのため、これらの電圧値の設定は使用環境などを加味して適切にすればよい。また、トナー極性制御ブレード22、クリーニングブラシ23及び回収ローラ24へ印加する電圧が上記極性とは逆極性の場合でも可能である。
次に、ブラシ軸印加電圧Vaとブラシ先端印加電圧Vbとを同電圧にして感光体ドラム1のクリーニングを行なった例について説明する。
クリーニング条件は次の通りである。
・極性制御部材:導電性ブレード、ブレード喰い込み量1[mm]、ブレード厚み2.8[mm]、ブレードカット面形状:直角、ブレード電気抵抗:8乗品、極性制御部材印加電圧:−500[V]
・回収ローラ:芯金:SUS、回収ローラ表面材:PVDF(厚み100[μm])の表層にアクリル系UV硬化樹脂層(厚み3[μm]〜5[μm])抵抗:表面抵抗1×1010[Ω/□]〜1×1013[Ω/□](32[℃]80[%]環境)1×1013[Ω/□](10[℃]15[%]環境)、回収ローラ軸印加電圧700[V]
・クリーニングブラシ:導電性ポリエステル(繊維内部に導電性カーボンを内包し、繊維表面はポリエステル)φ18[mm]、植毛密度10[万本/inch]、繊維径25[μm]〜35[μm]、ブラシ先端の毛倒れ処理あり
・感光体ドラムへのブラシ繊維喰い込み量:1[mm]
・ブラシ抵抗:10[Ω](印加電圧100〜700V)、10[Ω](印加電圧10〜40V)の2種類
・ブラシ軸印加電圧:400[V]
・ブラシ表面印加電圧:400[V]
・回収ローラへのブラシ繊維喰い込み量:1[mm]
・(回収ローラ表面電荷付与部材を兼ねる)回収ローラブレード(導電性ブレード31に相当)材質:導電性カーボン含有ポリウレタンゴム・体積抵抗:10[Ω・cm](25[℃]50[%]にて測定)、回収ローラブレード印加電圧:1600[V]
・(回収ローラ表面電荷付与部材を兼ねる)回収ローラブレード(導電性ブレード31に相当)条件:ブレード当接角度:20[°]、ブレード厚み:2.8[mm]、回収ローラへのブレード喰い込み量:0.6[mm]
・感光体ドラム径:φ90[mm](感光体厚み30[μm])、感光体速度:200[mm/sec]、ブラシローラおよび回収ローラ回転速度:200[mm/sec]
・現像M/A:0.45[mg/cm]、トナー粒径5[μm]
・転写装置:転写ベルト方式、転写電流:30[μA]
・試験環境:10[℃]15[%]、32[℃]80[%]
・A4サイズ、全面ベタ画像
以上のような条件で図1に示す装置で複数枚分の画像形成を行いクリーニングを行なったところ、クリーニング率が高い良好なクリーニング性を得られた。また、クリーニング後のクリーニング装置18を観察すると、クリーニングブラシ23によって感光体ドラム1から除去されたトナーは回収ローラ24に移動し、さらに回収ローラブレード(導電性ブレード)31で掻き落とされて、回収ローラ接触後のブラシ表面にはトナーが存在しなかった。また、ブラシ抵抗は10[Ω]のものでも10[Ω]のものでも同様なクリーニング性能であった。
ここで、クリーニング率とはM1とM2とから数2のように定義する。
Figure 2009092900
M1(=像担持体上の極性制御後かつクリーニング前の単位面積あたりのトナー量)
M2(=像担持体上のクリーニング後の単位面積あたりのトナー量)
なお、M2はかなり少なく重量が正しく測れない場合が多い。その場合は透明テープにテープ転写したものを白紙に貼り付けて反射式分光測色濃度計で画像濃度を測定したもの(=ID2とする)を代用し、M1の代用も同様に「ID1」としてとって、数3からクリーニング率(ID)[%]としても良い。
Figure 2009092900
次に、本実施形態に係るプリンタに用いられる感光体ドラム1について詳しく説明する。
感光体ドラム1は、導電性基体上に下引層(接着層)を介して感光層を有するものである。この感光層が少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質とフィラー(粒子状物質)を含有し、かかる感光層のフィラーが導電性基体側より最も離れた表面側の含有率を多くすることにより、耐摩耗性の向上、電気特性の安定化が達成され、高感度、高耐久の感光体を得ることができる。また、感光体の基本的構成を、導電性支持体、下引層、感光層、フィラーを含有した表面層としてもよい。また、感光層としては帯電可能な電気絶縁性で有ることが必要であるが、非光導電性の誘電層又は光導電性を有した感光層が使用可能で有る。
フィラー(粒子状物質)はバインダー樹脂、低分子電荷輸送物質、及び高分子電荷輸送物質と粉砕、分散し、塗工される。フィラーとしては表面層の構成樹脂より堅い粒子状物質であれば使用可能であり、有機フィラーや有機フィラーが使用可能である。例えば、有機フィラーとしては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられる。無機フィラーとしては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、チタン酸カリウムなどの無機材料が挙げられる。なお、これらのフィラーは単独もしくは2種類以上混合して用いられる。さらに、これらフィラーは、保護層用塗工液に適当な分散機を用いることにより分散できる。また、フィラーの平均粒径は、0.5[μm]以下、好ましくは0.2[μm]以下にあることが保護層の透過率の点から好ましい。また、本実施形態において保護層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。
感光体ドラム1の最外層には、ビニルフルオライド、ビニリデンフルオライド、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルより選ばれる化合物の重合体もしくは共重合を用いている。
導電性支持体としては、アルミニウム、ステンレスなどの金属、紙、プラスチックなどの円筒状シリンダーまたはフィルムが用いられる。導電性支持体の上には上述したように、バリアー機能と下引機能とをもつ下引層(接着層)を設けることができる。下引層は感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的被覆に対する保護などのために形成される。下引層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、ゼラチン、等が知られている。これらはそれぞれに適した溶剤に溶解されて導電性支持体上に塗布される。その膜厚は0.2[μm]〜2[μm]程度である。
感光層の具体例としては、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層との積層構造を有する感光層、電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する単一の層から成る感光層などがある。電荷発生物質としては、ピリリウム、チオピリリウム系染料、フタロシアニン系顔料アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン系顔料、非対称キノシアニン、キノシアニンなどを用いることができる。電荷輸送物質としては、ピレン、N−エチルカルバゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノチアジン、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノキサジン、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ジエチルアミノベンズアルデヒノ−2−メチルフェニル)−フェニルメタン等のトリアリールメタン系化合物、1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)ヘプタン、1,1,2,2−テトラキス(4−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)エタン等のポリアリールアルカン類、およびトリアリールアミン類などを用いることができる。
<電子感光体ドラムA>
電子感光体ドラムAは、次のようにして製造されたものである。すなわち、メチルトリメトキシシラン182部、ジヒドロキシトリフェニルアミン40部、2−プロパノール225部、2%酢酸106部、アルミニウムトリスアセチルアセトナート1部を混合し、表面層用の塗布液を調整した。この塗布液を電荷輸送層の上に塗布・乾燥し、110[℃]、1時間の加熱硬化を行い、膜厚3[μm]の表面層を形成した。
<電子感光体ドラムB>
電子感光体Bは、次のようにして製造されたものである。すなわち、正孔輸送性化合物(化1)を30部、アクリルモノマー(化2)及び光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)0.6部を、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し、表面層用塗料を調製した。これをスプレーコーティング法によって電荷輸送層上に塗布し、メタルハライドランプを用いて500[mW/cm]の光強度で30秒間硬化させることによって、膜厚5[μm]の表面層を得た。
Figure 2009092900
Figure 2009092900
次に、本実施形態に好適に用いられるトナーについて説明する。
本発明者らは、トナーとして、粒子の形状係数SF1が100であるもの、150であるもの、160であるもの、の3種類を用意して、それぞれのトナーでテスト画像を出力した場合における感光体ドラム表面上の転写残トナー付着量を比較する実験を行った。ただし、トナーの円形度は、円形度=粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長とした。同じ作像条件(帯電、露光、現像)で感光体ドラム上にベタ画像を作像したあと、ベルト転写器に電圧を印加することにより中間転写ベルトにトナー像を転写した。また、現像トナーの単位面積あたりの付着量は同じになるように現像バイアスを調整した。
図21は、現像トナー付着量M1と中間転写ベルトに転写された転写トナー付着量M2とを吸引治具により測定し、転写残トナー付着量M3を算出してグラフにしたものである。なお、横軸は転写バイアスである。
図21からわかるように、感光体ドラム上に残った転写残トナー量は形状係数SF1が100のトナーがもっとも少なかった。次が形状係数SF1が150のトナー、最も転写残トナー量が多いのが形状係数SF1が160のトナーであった。このことから、クリーニング装置18に入力されるトナー量は形状係数SF1が100に近いほど少ないことがわかる。一般にクリーニング装置に入力するトナー量は少ないほうが装置への負担が少なく長寿命が図れる。そのため、形状係数SF1の小さなトナーを用いることにより、装置の長寿命化が図れることができる。
トナーとしては、有機溶媒中にウレア結合し得る変性されたポリエステル系樹脂を含む結着樹脂、着色剤を含有したトナー組成物を溶解或いは分散させ、水系媒体中で粒子化するとともに重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去、洗浄、乾燥して得られたトナーを用いた。平均円形度を大きくした所謂球形トナーを得る製造として、先述の製造方法以外に公知の乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等の重合法を用いても良いし、従来の粉砕法で得られたトナーを熱処理により球形化処理したものを用いてもよい。
なお、形状係数SF1とは、球状物質の形状の丸さの割合を示す数値であり、図22に示すように球状物質を二次元平面状に投影してできる楕円状図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで割って、100π/4を乗じた値で表される。つまり、数4によって定義されるものである。
Figure 2009092900
形状係数SF1が100〜150の所謂球形トナーを用いた場合は、粉砕トナーを用いた場合に比べてトナー極性制御ブレード22による感光体ドラム1上からのトナー除去は少なくなるが、トナーすり抜けが多くても上記で説明したようにトナー極性制御ブレード22でトナー帯電量を片側に揃えてクリーニングブラシ23で感光体ドラム1上から除去するので効果は同じである。
次に、上述したような本発明のクリーニング装置をカラー画像形成装置に適用した例について、図23と図25とを用いて説明する。
図23は、本発明のクリーニング装置317をいわゆるタンデム型のフルカラー画像形成装置に適用した例を示す図である。この画像形成装置は、水平面上に設置したときに、水平方向に長尺な状態となるように、複数のローラ324、325、326に張架された中間転写ベルト321を備えている。この中間転写ベルト321は、図中矢印Dの向きに表面移動する。中間転写ベルト321における水平方向に延在する平面部分には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像を形成するための後述する、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカ−トリッジ300Y、300M、300C、300Kが並んで配設されている。なお、プロセスカ−トリッジ300は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で説明したが、この順番に特定されるものではなく、どの順番で並置してもよい。
プロセスカ−トリッジ300は、図24に示すように感光体ドラム301とクリーニング装置317との他に帯電装置311と現像装置313とを一体に支持したものであるが、少なくとも、感光体ドラム301とクリーニング装置317とを一体に支持したものであればよい。
通常、カラーの画像形成装置は複数の画像形成部を有するため装置が大きくなってしまう。また、クリーニング装置317や帯電装置311などの各ユニットが個別で故障したり、寿命による交換時期がきたりした場合は、装置が複雑でユニットの交換に非常に手間がかかることになる。そこで、図24に示すように感光体ドラム301、帯電装置311、現像装置313、クリーニング装置317の構成要素をプロセスカ−トリッジ300として一体に支持して構成することによって、ユーザーによる交換も可能な小型で高耐久のカラー画像形成装置を提供することができる。
また、画像形成装置は、複数枚の記録材としての記録紙Pを収納する図示しない給紙カセットを備えている。給紙カセット内の記録紙Pは、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ図示しないレジストローラ対でタイミング調整された後、二次転写ローラ322と中間転写ベルト312との間の二次転写領域に送り出される。
図23の画像形成装置において画像形成を行う場合、まず、各感光体ドラム1を図23中時計方向に回転駆動するとともに中間転写ベルト321を図23中反時計方向に回転駆動する。そして、各感光体ドラム301の表面を帯電装置311で一様に帯電した後、各感光体ドラム301の表面に対して画像データで変調されたレーザー光303を照射して、各感光体ドラム301の表面に各色の静電潜像を形成する。各感光体ドラム301の表面上の各色静電潜像には、現像装置313により各色トナーがそれぞれ付着し、これにより各色トナー像が形成される。この各色トナー像は、中間転写ベルト321上に互いに重なり合うように一次転写される。中間転写ベルト321上の各色トナー像は、互いに重なり合った状態で、二次転写ローラ322により二次転写領域に搬送されてきた記録紙P上に転写される。このようにしてトナー像が転写された記録紙Pは、図示しない定着部に搬送され、記録紙Pを加熱、加圧して、記録紙P上のトナー像を記録紙Pに定着させる。定着後の記録紙Pは、図示しない排紙トレー上に排出する。転写後の各感光体ドラム301の表面に残留した転写残トナーは、クリーニング装置317で除去される。なお、中間転写ベルト321の表面に残留した転写残トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置220を本発明のクリーニング装置と同様の構成を用いて設けても良い。
図23に示すタンデム型のフルカラー画像形成装置において、感光体ドラム1の表面に残留した転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段としてクリーニング装置317を用いることで、転写残トナーの帯電極性がプラス極性とマイナス極性とが混在していても、感光体ドラム301表面から転写残トナーを良好に除去することができる。
図25は、本発明の特徴部を有するクリーニング装置75をいわゆる1ドラム型のフルカラー画像形成装置に適用した例を示す図である。この画像形成装置では、図示しない本体筐体内に、感光体ドラム1が収納されている。この感光体ドラム1の周囲には、それぞれ、帯電手段としての帯電ローラ72、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の各色に対応した現像装置74C,74M,74Y,74K、除電ランプ80、中間転写手段としての中間転写部70、クリーニング手段としてのクリーニング装置75等が設けられている。また、この画像形成装置は、複数枚の記録材としての記録紙Pを収納する図示しない給紙カセットを備えている。給紙カセット内の記録紙は、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ図示しないレジストローラ対でタイミング調整された後、二次転写ローラ77と中間転写部76との間の二次転写領域に送り出される。
現像装置74C,74M,74Y,74Kは、静電潜像を現像するために現像剤の穂を感光体ドラム71の表面に接触させて回転する図示しない現像スリーブと、現像剤を汲み上げて撹拌するために回転する図示しない現像剤パドルなどで構成されている。各現像装置内のトナーはフェライトキャリアとの撹拌によって本例では負極性に−10[μC/g]〜−25[μC/g]に帯電される。また、各現像スリーブには図示しない現像バイアス印加手段としての現像バイアス電源によって負の直流電圧Vdcに交流電圧Vacが重畳された現像バイアス、又は直流電圧のみの現像バイアスが印加され、図示しない現像スリーブが感光体ドラム71の金属基体層に対して所定電位にバイアスされている。
中間転写部70は、中間転写ベルト69、ベルトクリーニング装置220などで構成されている。中間転写ベルト69は駆動ローラ61、バイアスローラ62、クリーニング対向ローラ63及び従動ローラ64、65に張架されており、図示しない駆動モータにより駆動制御される。中間転写ベルト69は、カーボン分散のフッ素系樹脂ETFE(エチレンテトラフロロエチレン)で構成され、電気抵抗は、体積抵抗率が1010[Ω・cm]、表面抵抗率が10[Ω/□]のものを用いた。また、二次転写ローラ77は、ヒドリンゴムローラにPFEチューブを被覆したものであり体積抵抗率が10[Ω・cm]にものを用いた。二次転写ローラ77には、図示しない二次バイアス印加手段としての二次バイアス電源によって、直流電圧に交流電圧が重畳された二次転写バイアス、又は直流電圧のみの二次転写バイアスが印加される。
図25の画像形成装置において画像形成を行う場合、まず、図示しないカラースキャナが、コンタクトガラス上の原稿の画像を照明ランプ、ミラー群及びレンズを介してカラーセンサに結像して、原稿のカラー画像情報を、例えばRed,Green,Blue(以下、それぞれR,G,Bという)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換する。カラーセンサは、本例ではR,G,Bの色分解手段とCCDのような光電変換素子で構成され、原稿の画像を色分解した3色のカラー画像を同時に読み取っている。そして、このカラースキャナで得たR,G,Bの色分解画像信号強度レベルをもとにして、図示しない画像処理部で色変換処理を行い、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)のカラー画像データを得る。
上記K,C,M,Yのカラー画像データを得るためのカラースキャナの動作は次のとおりである。後述のカラープリンタの動作とタイミングを取ったスキャナスタート信号を受けて、照明ランプ及びミラー群等からなる光学系が矢印左方向へ原稿を走査し、1回の走査毎に1色のカラー画像データを得る。この動作を合計4回繰り返すことによって、順次4色のカラー画像データを得る。
感光体ドラム71を図25中反時計方向に回転駆動するとともに中間転写部70の中間転写ベルト69を図25中時計方向に回転駆動する。そして、感光体ドラム71の表面を帯電ローラ72で−500[V]〜−700[V]に一様に帯電した後、感光体71の表面に対してC用画像データで変調されたレーザー光73を照射して、感光体ドラム71の表面に−80[V]〜−130[V]の電位を有するC用静電潜像を形成する。そして、このC用静電潜像を現像装置74CによりCトナーで現像を行う。これにより得られたトナー濃度が2[wt%]〜6[wt%]のC用トナー像は、中間転写部70の中間転写ベルト69上に一次転写される。その後、感光体ドラム71の表面に残留した転写残トナーをクリーニング装置75で除去した後、再び感光体ドラム71の表面を帯電ローラ72で一様に帯電する。次に、感光体ドラム71の表面に対してM用画像データで変調されたレーザー光73を照射して、感光体ドラム71の表面にM用静電潜像を形成する。そして、このM用静電潜像を現像装置74MによりMトナーで現像を行う。これにより得られたM用トナー像は、中間転写部70の中間転写ベルト69上に既に一次転写されているC用トナー像と重なり合うようにして、中間転写ベルト69上に一次転写される。以後、Y及びKについても、同様に中間転写ベルト69上に一次転写する。
なお、感光体ドラム71上に形成される色の順序は、上述に特定されるものではなく、どの順序で形成してもよい。また、一次転写バイアス電圧は、1色目1200[V]、2色目1300[V]、3色目1400[V]、4色目1500[V]とした。このようにして互いに重なり合った状態の中間転写ベルト69上の各色トナー像は、二次転写ローラ77により二次転写領域に搬送されてきた記録紙P上に転写される。なお、二次転写バイアス電圧は、1300[V]とした。このようにしてトナー像が転写された記録紙Pは、紙搬送ベルト79によって、図示しない定着部に搬送される。この定着部で、記録紙Pを加熱、加圧して、記録紙P上のトナー像を記録紙Pに定着させる。定着後の記録紙Pは、図示しない排紙トレー上に排出する。転写後の感光体ドラム71の表面に残留した転写残トナーは、クリーニング装置75で除去される。また、中間転写ベルト69の表面に残留した転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置78で除去される。この中間転写ベルトクリーニング装置78も本発明の特徴部を有するクリーニング装置75と同様の構成を適用できる。
この図25に示した1ドラム型のフルカラー画像形成装置において、感光体ドラム71の表面に残留した転写残トナーをクリーニングするクリーニング装置75として、上述したような本発明のクリーニング装置を用いることで、クリーニングブラシで感光体ドラム71表面の転写残トナーを良好に除去することができる。また、転写紙に転写されずに中間転写ベルト69の表面に残留した転写残トナーをクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置78として、上述したような本発明のクリーニング装置を用いることで、クリーニングブラシで中間転写ベルト69表面の転写残トナーを良好に除去することができる。
以上、本実施形態によれば、表面移動する被清掃体である感光体ドラム1上のトナーを感光体ドラム1上から除去する、導電性を有する繊維を導電性芯金の外周から直径方向外側へ延びるように植毛されたブラシローラであるクリーニングブラシ23と、導電性芯金に電圧を印加する導電性芯金電圧印加手段である電源30と、導電性部材と導電性部材上に形成された高抵抗部材または絶縁性部材からなる表面層とを有し、クリーニングブラシ23と接触しクリーニングブラシ23に付着したトナーを静電的な力によって回収する回収部材である回収ローラ24と、上記導電性部材に電圧を印加する導電性部材電圧印加手段である電源28とを備えたクリーニング装置18において、上記繊維の抵抗であるブラシ抵抗が10[Ω]以上10[Ω]以下であることで、上述した実験で明らかにしたように、トナーへの電荷注入を抑制し感光体ドラム1のクリーニングを良好に行うことができ、且つ、クリーニングブラシ23や回収ローラ24に印加する電圧を低電圧化でき省エネルギー化や低コスト化が可能となる。
また、本実施形態によれば、回収ローラ24の表面層に電荷を付与する回収部材表面電荷付与手段である導電性ブレード31と、クリーニングブラシ23が感光体ドラム1上のトナーを除去する位置よりもクリーニングブラシ回転方向上流側、且つ、クリーニングブラシ23と回収ローラ24とが接する位置よりもクリーニングブラシ回転方向下流側に、クリーニングブラシ23のブラシ先端部に電荷を付与するブラシ先端電荷付与手段である電荷付与部材33とを有している。このように、クリーニングブラシ23のブラシ先端部に電荷付与部材33によって電荷を付与することで、クリーニングブラシ23のブラシ先端電位が低下するのを抑制することができる。これにより、感光体ドラム1の表面電位とクリーニングブラシ23のブラシ先端電位との電位差が小さくなるのを抑制することができ、感光体ドラム1に付着したトナーを静電力によってクリーニングブラシ23のブラシに良好に吸着させることができる。また、導電性ブレード31で、回収ローラ24の表面層に電荷を付与することで、回収ローラ表面の電位低下を抑制することができる。これにより、回収ローラ表面とクリーニングブラシ23のブラシ先端との電位差が小さくなるのを抑制することができ、クリーニングブラシ23に付着したトナーを静電力によって回収ローラ表面に良好に吸着させることができる。よって、クリーニングブラシ23に付着したトナーを回収ローラ24へ良好に回収することができる。したがって、回収ローラ24の表面電位及びクリーニングブラシ23のブラシ先端電位の低下を抑制し、経時で感光体ドラム1のクリーニングを良好に行うことができる。
また、本実施形態によれば、上記表面層の抵抗が1010[Ω/□]以上であることで、上述したようにクリーニングブラシ23と回収ローラ24とに挟まれたトナーの極性が反転するのをより抑制することができる。
また、本実施形態によれば、クリーニングブラシ23が感光体ドラム1上のトナーを除去する位置に対して感光体ドラム移動方向上流側の感光体ドラム1の表面と対向する位置に、感光体ドラム1上のトナーの帯電を制御する帯電制御部材であるトナー極性制御部材を設けている。これにより、トナー極性制御部材で感光体ドラム1上のトナーをクリーニングブラシ23に印加されている電圧の極性とは逆極性に感光体ドラム1上のトナーの帯電極性を制御することで、クリーニングブラシ23に入力されるトナーにおけるクリーニングブラシ23に印加されている電圧の極性と同極性のトナー量を減少させることができ、クリーニングブラシ23によって静電的にトナーを良好に除去することができる。
また、本実施形態によれば、上記帯電制御部材として、感光体ドラム1と当接する導電性ブレードであるトナー極性制御ブレード22を用いることで、感光体ドラム1上の転写残トナーを掻き取ることができ、クリーニングブラシ23に入力される転写残トナー量を低減することができる。また、帯電制御部材をトナー極性制御ブラシ201としたもののように、ブラシに付着したトナーを除去する装置が不要となり、装置を簡素化することができる。
また、本実施形態によれば、潜像担持体である感光体ドラム1と、感光体ドラム1を帯電せしめる帯電手段である帯電ローラ3と、感光体ドラム1上に静電潜像を形成する潜像形成手段である光書込ユニットと、感光体ドラム1上の静電潜像をトナーにより現像しトナー像化する現像手段である現像装置6と、感光体ドラム1上のトナー像を転写体又は記録媒体に転写する転写手段である転写装置15と、転写後の感光体ドラム1上を被清掃体として表面に付着した転写残トナーを除去する感光体ドラムクリーニング手段とを有する画像形成装置において、感光体ドラムクリーニング手段として、本実施形態のクリーニング装置18を用いることにより、感光体ドラム1上の転写残トナーを良好にクリーニングすることができる。これにより、高画質な画像形成を実現することができる。
また、本実施形態によれば、上記画像形成装置が、一つの感光体ドラム301と一つの現像装置313とからなる画像形成部を複数有し、上記複数の画像形成部で形成されたトナー像を重ね合わせることで多色画像を形成する、タンデム型のフルカラー画像形成装置である場合の感光体ドラムクリーニング手段として、本実施形態のクリーニング装置317を用いることにより、各感光体ドラム301上の転写残トナーを良好にクリーニングすることができる。これにより、高画質な画像形成を実現することができる。
また、本実施形態によれば、上記画像形成装置が、一つの感光体ドラム71と複数の現像装置74とで多色画像を形成する、1ドラム型のフルカラー画像形成装置である場合の潜像担持体クリーニング手段として、本実施形態のクリーニング装置75を用いることにより、感光体ドラム71上の転写残トナーを良好にクリーニングすることができる。感光体ドラム71上の転写残トナーを良好にクリーニングできることにより、感光体ドラム71上の転写残トナーが他の色の現像装置74内に混入することを防止することができ、混色の発生を防止することができる。これにより、高画質な画像形成を実現することができる。
また、本実施形態によれば、上記画像形成装置が、感光体ドラム71上のトナー像が、中間転写される中間転写体である中間転写ベルト69と、中間転写ベルト69の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング手段とを有し、中間転写体クリーニング手段として、本実施形態のクリーニング装置78を用いることにより、中間転写ベルト69上の転写残トナーを良好にクリーニングすることができる。これにより、高画質な画像形成を実現することができる。
また、本実施形態によれば、上記トナー像を形成するトナーとして、形状係数SF−1が、100〜150のトナーを用いる。すなわち、球形トナーとして、形状係数SF−1が100〜150の真円度の高い球形トナーを用いている。トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体ドラム1との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり、したがって流動性が高くなり、また、トナーと感光体ドラム1との吸着力も弱くなって、転写率を高くすることができ、高品の画像を得ることができる。
また、本実施形態によれば、感光体ドラム1として、フィラー(粒子状物質)を含有する表面保護層が形成されたものを用いることで、感光体ドラム1の膜削れ量を低減することができ、耐摩耗性を向上することができる。これにより、摩耗によって、感光体ドラム1表面が削れて凹凸ができるの抑制することができる。その結果、感光体ドラム1とトナー極性制御ブレード22との接触圧が軸方向で均一に保たれ、トナーのすり抜けが発生し易い感光体ドラム1とトナー極性制御ブレード22との接触圧が低い部分が生じるのを抑制することができ、トナーのすり抜けを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、感光体ドラム1として、架橋型の高分子材料を含有する表面保護層を有するものを用いることで、感光体1の耐磨耗性を向上することができる。
また、本実施形態よれば、上記表面保護層の構造中に電荷輸送層を有することで、感光体1の電気的安定性を高めることができる。
また、本実施形態によれば、感光体ドラム1と少なくとも本実施形態のクリーニング装置18とを一体に備えたプロセスカートリッジ300とすることで、クリーニング装置18及び感光体ドラム1をプリンタに対して容易に着脱することができる。これにより、上述したように高画質な画像形成を実現することが可能となり、且つ、交換時の操作性が向上する。
本実施形態に係る画像形成装置の要部構成図。 感光体ドラム上に担持された転写残トナーAの帯電電位分布、及び、トナー極性制御ブレードと感光体との対向部を通過した転写残トナーAの帯電電位分布を示すグラフ。 感光体ドラム上に担持された転写残トナーBの帯電電位分布、及び、トナー極性制御ブレードと感光体との対向部を通過した転写残トナーBの帯電電位分布を示すグラフ。 感光体ドラム上に担持された現像後トナーの帯電電位分布を示したグラフ。 感光体ドラム移動時のトナー極性制御ブレードの説明図。 トナー極性制御ブラシを用いた場合の画像形成装置の要部構成図。 回収ローラとしてSUS回収ローラを用いた場合におけるクリーニングブラシの電位とSUS回収ローラの電位とを調べた結果を示すグラフ。 回収ローラとして高抵抗回収ローラを用いた場合におけるクリーニングブラシの電位と高抵抗回収ローラの電位とを調べた結果を示すグラフ。 各回収ローラにおける回収ローラ表面とブラシ先端との電位差と、トナー回収率との関係を示すグラフ。 各回収ローラにおけるクリーニング残IDと回収ローラ印加電圧との関係を示すグラフ。 各ブラシ抵抗におけるブラシ軸印加電圧とクリーニング残IDとの関係を示すグラフ。 ブラシ先端電位及び回収ローラ表面電位の測定を行う実験装置の概略構成図。 トナーを入力しながら回収ローラ表面電位とブラシ先端電位とを10秒間測定した結果を示すグラフ。 トナーを入力しながら回収ローラ表面電位とブラシ先端電位とを2秒間測定した結果を示すグラフ。 トナーを入力せずに回収ローラ表面電位とブラシ先端電位とを10秒間測定した結果を示すグラフ。 低温低湿環境下におけるブラシ先端電位とクリーニング残IDとの関係を示すグラフ。 高温高湿環境下におけるブラシ先端電位とクリーニング残IDとの関係を示すグラフ。 ブラシ先端に電荷を付与する電荷付与部材を有するクリーニング装置周辺の概略構成図。 ブラシローラ軸に700[V]、ブラシ先端に700[V]、回収ローラ軸に1000[V]及び導電性ブレードに1000[V]印加したときの高抵抗回収ローラ表面電位と、ブラシ先端電位とを、トナーを入力しながら測定した結果を示すグラフ。 導電性ブレードに印加する電圧を高くしていった場合におけるブラシ先端電位と高抵抗回収ローラの表面電位とをトナーを入力しながら測定した結果を示すグラフ。 形状係数SF1と転写残トナー量との関係を示すグラフ。 形状係数SF1を求めるための説明図。 タンデム型フルカラー画像形成装置の要部概略構成図。 プロセスカートリッジの概略構成図。 1ドラム型のフルカラー画像形成装置の要部概略構成図。
符号の説明
1 感光体ドラム
18 クリーニング装置
22 トナー極性制御ブレード
23 クリーニングブラシ
24 回収ローラ
31 導電性ブレード
33 電荷付与部材
69 中間転写ベルト
71 感光体ドラム
75 クリーニング装置
78 中間転写ベルトクリーニング装置
201 トナー極性制御ブラシ
300 プロセスカートリッジ
301 感光体ドラム
317 クリーニング装置

Claims (15)

  1. 表面移動する被清掃体上のトナーを被清掃体上から除去する、導電性を有する繊維を導電性芯金の外周から直径方向外側へ延びるように植毛されたブラシローラと、
    該導電性芯金に電圧を印加する導電性芯金電圧印加手段と、
    導電性部材と該導電性部材上に形成された高抵抗部材または絶縁性部材からなる表面層とを有し、該ブラシローラと接触し該ブラシローラに付着したトナーを静電的な力によって回収する回収部材と、
    該導電性部材に電圧を印加する導電性部材電圧印加手段とを備えたクリーニング装置において、
    該繊維の抵抗が10[Ω]以上10[Ω]以下であることを特徴とするクリーニング装置。
  2. 請求項1のクリーニング装置において、
    上記表面層に電荷を付与する回収部材表面電荷付与手段と、
    上記ブラシローラが被清掃体上のトナーを除去する位置よりもブラシローラ回転方向上流側、且つ、該ブラシローラと上記回収部材とが接する位置よりもブラシローラ回転方向下流側に、該ブラシローラのブラシ先端部に電荷を付与するブラシ先端電荷付与手段とを有することを特徴とするクリーニング装置。
  3. 請求項2のクリーニング装置において、
    上記導電性芯金と上記ブラシ先端電荷付与手段とに同電圧を印加することを特徴とするクリーニング装置。
  4. 請求項1、2または3のクリーニング装置において、
    上記表面層の抵抗が1010[Ω/□]以上であることを特徴とするクリーニング装置。
  5. 請求項1、2、3または4のクリーニング装置において、
    上記ブラシローラが上記被清掃体上のトナーを除去する位置に対して被清掃体表面移動方向上流側の該被清掃体の表面と対向する位置に、被清掃体上のトナーの帯電を制御する帯電制御部材を設けたことを特徴とするクリーニング装置。
  6. 請求項5のクリーニング装置において、
    上記帯電制御部材として、上記被清掃体と当接する導電性ブレードを用いたことを特徴とするクリーニング装置。
  7. 潜像担持体と、
    該潜像担持体を帯電せしめる帯電手段と、
    該潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    該潜像担持体上の静電潜像をトナーにより現像しトナー像化する現像手段と、
    該潜像担持体上のトナー像を転写体又は記録媒体に転写する転写手段と、
    転写後の該潜像担持体を被清掃体として表面に付着した転写残トナーを除去する潜像担持体クリーニング手段とを有する画像形成装置において、
    該潜像担持体クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5または6のクリーニング装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置において、
    一つの潜像担持体と複数の現像手段とで多色画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項7の画像形成装置において、
    一つの潜像担持体と一つの現像装置からなる画像形成部を複数有し、該複数の画像形成部で形成されたトナー像を重ね合わせることで多色画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項7、8または9の画像形成装置において、
    上記潜像担持体上のトナー像が、中間転写される中間転写体と、
    該中間転写体の表面をクリーニングする中間転写体クリーニング手段とを有し、
    該中間転写体クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5または6のクリーニング装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項7、8、9または10の画像形成装置において、
    上記トナー像を形成するトナーとして、形状係数SF−1が、100〜150のトナーを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項7、8、9、10または11の画像形成装置において、
    上記潜像担持体として、フィラー(粒子状物質)を含有する表面保護層が形成されたものを用いることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、
    上記潜像担持体として、架橋型の高分子材料を含有する表面保護層を有するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13の画像形成装置において、
    上記表面保護層の構造中に電荷輸送層を有することを特徴とする画像形成装置。
  15. 像担持体と少なくともクリーニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、
    該クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5または6のクリーニング装置を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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JP2012088669A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Ricoh Co Ltd クリーニング装置および画像形成装置

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