JP2009092883A - 現像装置、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像剤の劣化速度を抑える事の可能な現像装置を提供する。
【解決手段】現像装置13は、磁性キャリアとトナーとを含む現像剤を収納する現像槽19と、回転する現像スリーブ20と、S1極とN3極とN2極とを含有する磁気部材21とを有する。S1極は、現像槽19内部の第1領域40に対して、現像スリーブ20の外周面に現像剤を引き付ける磁界を形成する。N3極は、現像槽19内部であって第1領域40よりも前記回転の方向の上流側に位置する第2領域41に対して、現像スリーブ20の外周面から現像剤を引き離す磁界を形成する。N2極は、第1領域40よりも前記回転の方向の上流側且つ第2領域41よりも前記回転の方向の下流側に位置する中間領域42に対して、前記現像剤が前記外周面に引き付けられる事を抑制するための磁界を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は電子写真方式の画像形成装置に備えられている現像装置に関する。
電子写真方式の画像形成プロセスにおいては、均一に帯電された感光体が画像情報に応じて露光されることによって前記感光体に静電潜像が形成され、前記感光体に形成された静電潜像に対して現像装置によって現像剤が供給され前記静電潜像が現像される。
現像の方式としては、磁性1成分現像剤または非磁性2成分現像剤を用いる1成分現像方式と、トナーと磁性キャリアとを含む2成分現像剤を用いる2成分現像方式とがある。2成分現像方式では、現像槽内において磁性キャリアとトナーとを攪拌して互いに摩擦帯電させることによってキャリアの表面にトナーを付着させる。そして、現像ローラの内側から発生する磁界によって現像ローラの外周面に現像槽内の現像剤を引き付けて、引き付けた現像剤を現像ローラから感光体の静電潜像へ移行させて現像する。このような2成分現像方式は1成分現像方式に比べて装置の構成が若干複雑になるが、トナーの電位設定が比較的容易であり、高速対応性および安定性に優れるため、多用されている。
つぎに、2成分現像方式の現像装置の構成について説明する。前記現像装置には、現像槽と現像ローラとが備えられている。現像ローラは、回転可能な現像スリーブと、現像スリーブ内側にて非回転に固定される磁気部材とからなる。現像スリーブは、その外周面が現像槽の内部と現像槽の外部の現像領域とを交互に繰り返し通るよう回転し、現像槽の内部にて磁力によって前記外周面に現像剤を引き付け、前記外周面に引き付けた現像剤を現像領域にて感光体に供給する。なお、現像剤は、現像スリーブ表面に引き付けられている時、トナーの付着されたキャリアからなる磁気ブラシ(穂立ち状)になっている。
また、現像槽の内部であって前記現像スリーブの周囲には、現像スリーブの回転方向の下流から上流に向けて順に、現像領域を通る前の前記外周面に対して前記現像槽の現像剤が引き付けられる引付領域と、前記現像領域を通った後の前記外周面に残存する現像剤が前記外周面から引き離される引離領域とが設定されている。
そして、現像スリーブ内側の中空部においては、前記外周面に前記現像剤を引き付けるための磁界を前記引付領域に形成する第1磁極と前記外周面から前記現像剤を引き離すための磁界を前記引離領域に形成する第2磁極とを有する磁気部材が非回転に固定されている。
これにより、現像スリーブは、現像槽内の引付領域にて現像剤を外周面に引き付けて、前記外周面に引き付けられた現像剤を現像槽外の現像領域にて感光体に供給し、現像領域を通過した後の前記外周面に残存している現像剤を現像槽内の引離領域にて前記外周面から引き離して現像槽へ戻す。そして、前記引離領域にて現像槽へ戻された現像剤は、前記引付領域にて再び現像スリーブの外周面に引き付けられる。
また、下記特許文献1および特許文献2には2成分現像方式の現像装置の典型的構成が示されている。なお、特許文献1の図5および図7には現像ローラが示されているが、この現像ローラに含まれるP2極は前記引付領域に磁界を形成する前記第1磁極に相当し、この現像ローラに含まれるP3極は前記引離領域に磁界を形成する前記第2磁極に相当する。また、特許文献2の図2および図4〜図6にも現像ローラが示されているが、この現像ローラに含まれるS2極は前記引付領域に磁界を形成する前記第1磁極に相当し、この現像ローラに含まれるS3極は前記引離領域に磁界を形成する前記第2磁極に相当する。
特開2004−219510号公報(公開日:平成16年8月5日) 特許3276093号(発行日:平成14年4月22日)
ところで、従来の現像装置では、現像ローラに含まれる現像スリーブの内側においては、現像スリーブの回転方向下流側から上流側に向けて前記第1磁極と前記第2磁極とがこの順序にて互いに隣り合うように配列されている。それゆえ、現像槽内且つ現像スリーブの外周においては、前記引付領域と前記引離領域とは互いに隣り合うことになる。
したがって、従来の現像装置では、特許文献2の図2に示されるように、引離領域と引付領域との境界付近において現像スリーブ外周面から引き離された現像剤が直ぐに現像スリーブ外周面に引き付けられるという現象が生じる。それゆえ、現像槽内の現像剤のうち、一部の現像剤のみが連続して繰り返し現像スリーブに引き付けられるという事態が生じ、現像剤が直ぐに劣化してしまうといった問題が生じる。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、現像剤の劣化速度を抑える事の可能な現像装置を提供することを目的としている。
以上の目的を達成するために、本発明は、磁性キャリアおよびトナーを含む現像剤を収納する現像槽と、外周面が前記現像槽の内部と前記現像槽の外部の現像領域とを交互に通るように回転し、前記現像槽の内部の第1領域にて磁力によって前記外周面に現像剤を引き付け、前記外周面に引き付けられている現像剤によって前記現像領域にて現像を行い、前記現像槽の内部に位置し且つ前記第1領域より前記回転の方向の上流に位置する第2領域にて前記現像領域通過後の前記外周面に残存する現像剤を磁力により引き離して前記現像槽に戻す現像スリーブと、前記現像スリーブの内周側にて固定され、前記現像剤を前記外周面に引き付ける磁界を前記第1領域に形成する第1磁極、および、前記現像剤を前記外周面から引き離す磁界を前記第2領域に形成する第2磁極を含む磁気部材とを有する現像装置において、前記現像剤が前記外周面に引き付けられる事を抑制する磁界を、前記現像槽の内部に位置し且つ第1領域よりも前記回転の方向の上流側であって前記第2領域よりも前記回転の方向の下流側に位置する中間領域に形成する第3磁極が前記磁気部材に含まれていることを特徴とする。
本願発明の現像装置によれば、現像槽内において、現像スリーブに現像剤が引き付けられる領域である第1領域と、現像スリーブに引き付けられている現像剤が現像槽へ戻される領域である第2領域との間には、現像槽の現像剤が現像スリーブに引き付けられる事が抑制される領域である中間領域が配され、第2領域と第1領域とは離間していることになる。それゆえ、第2領域にて現像スリーブから現像槽へ戻された現像剤が直ちに第1領域にて現像スリーブへ引き付けられるというような事は生じない。これにより、一部の現像剤のみが繰り返し使用される事を抑制でき、現像剤の劣化速度を抑制する事が可能になるという効果を奏する。
これに対し、従来の現像装置では、現像スリーブに引き付けられている現像剤が現像スリーブから引き離されて現像槽へ落下する領域である引離領域と、現像槽の現像剤が現像スリーブへ引き付けられる領域である引付領域とが隣接し合っていたため、引離領域と引付領域との境界付近において現像スリーブから落下した現像剤が落下後直ちに現像スリーブへ引き付けられるという事が生じ、これにより、一部の現像剤のみが繰り返し使用され、一部の現像剤のみが直ぐに劣化してしまうという不都合が生じていた。
また、前記第2磁極の極性と前記第3磁極の極性とを同一にした場合に、前記第3磁極の磁束密度のピーク値が10mTに満たなければ、第1磁極の影響が第2領域にまで及び、第2領域において前記現像剤を前記外周面から反発させるような磁界を形成することが困難になる。また、前記第3磁極の磁束密度のピーク値が30mTを超えてしまうと、前記第3磁極に形成される磁界によって現像剤が現像スリーブに引き付けられてしまい、中間領域にて現像剤が現像スリーブに引き付けられるという不都合が生じる。それゆえ、本発明の現像装置は、前記構成に加えて、前記第2磁極の極性と前記第3磁極の極性とは同一であり、前記第3磁極のピーク値は10mT以上であって30mT以下であることが好ましい。
なお、前記の極性とはN極またはS極を意味する。つまり、第2磁極の極性と前記第3磁極の極性とを同一である場合とは、第2磁極と第3磁極とのいずれもがN極である場合、または、第2磁極と第3磁極とのいずれもがS極である場合を意味する。
さらに、本発明の現像装置には、前記現像領域よりも前記回転の方向の上流側且つ前記第1領域よりも前記回転の方向の下流側において前記現像スリーブの外周面に対して間隙を空けて配され、前記外周面に引き付けられている現像剤の一部を前記外周面から前記現像槽へ掻き落とすブレード部材を備えてもよい。
また、前記第1磁極の磁束密度のピーク値が30mTに満たなければ、十分な量の現像剤を現像スリーブに引き付けることができず、現像処理に必要な量の現像剤を現像領域まで搬送できないため、良質な画像を得る事ができなくなる。また、前記第1磁極の磁束密度のピーク値が60mTを超えてしまうと、第1領域にて現像スリーブに引き付けられる現像剤が多くなりすぎ、ブレード部材によって掻き落とされる現像剤の量が増加し、現像剤に対するストレスの付加頻度が高くなり、現像剤の劣化が促進されるために、画質劣化が生じやすくなる。それゆえ、前記第1磁極の磁極密度のピーク値は30mT以上であって60mT以下であることが好ましい。
また、前記ブレード部材は、前記現像スリーブの外周面に対する法線方向に沿った磁束の磁束密度よりも前記外周面に対する接線方向に沿った磁束の磁束密度が大きい領域に配置されていることが好ましい。これにより、現像剤がドクターブレードに衝突する際に生じる磁性キャリアと磁性キャリアとの間の摩擦が起こりにくくなり、現像剤の劣化速度を抑制することが可能になる。
さらに、前記ブレード部材は、前記接線方向に沿った磁束の磁束密度が前記回転の方向の上流側よりも下流側の方が高くなっている領域に配置されていることが好ましい。これにより、現像剤がブレード部材に衝突する際に生じる磁性キャリアと磁性キャリアとの間の摩擦をより一層低減でき、現像剤の劣化速度をより一層抑制できる。
また、本発明の現像装置は画像形成装置に備えられる。なお、画像形成装置とは、電子写真方式のプリンタ,複写機,複合機,ファクシミリ等の印刷装置を意味する。
以上のように、本発明の現像装置は、前記現像剤が前記現像スリーブの外周面に引き付けられる事を抑制する磁界を、前記現像槽の内部に位置し且つ第1領域よりも前記回転の方向の上流側であって前記第2領域よりも前記回転の方向の下流側に位置する中間領域に形成する第3磁極を含むことを特徴とする。これにより、一部の現像剤のみが繰り返し使用される事を抑制でき、現像剤の劣化速度を抑制する事が可能になるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態の画像形成装置について説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置の内部構成を示す図である。
画像形成装置100は、電子写真方式のプリンタであり、感光体ドラム10が配置されている。さらに、感光体ドラム10の周囲には、感光体ドラム10の回転方向に沿って、帯電装置11、露光装置12、現像装置13、転写装置14、クリーニング装置15、除電装置16が順に配されている。
感光体ドラム10は、図1に示すように、アルミニウム等の金属ドラムからなる基材と、基材の外周面において薄膜状に形成されている有機光半導体(OPC)やアモルファスシリコン(a−Si)等の光導電層とからなる。
帯電装置11は、感光体ドラム10の表面を均一に帯電する装置である。なお、帯電装置11は、タングステンワイヤ等の帯電線、金属製のシールド板またはグリット板よりなるコロナ帯電器、帯電ローラ、帯電ブラシのいずれであってもよい。
露光装置12は、均一に帯電された感光体ドラム10上に光を走査して感光体ドラム10上に静電潜像を書き込むものである。なお、露光装置12は、レーザスキャニングユニット(LSU)であってもよいし、LED(Light Emitting Diode)アレイであってもよい。
現像装置13は、露光装置12によって書き込まれた静電潜像に対して現像剤を供給することにより当該静電潜像を顕像化(現像処理)するものである。この現像装置13については後に詳述する。
転写装置14は、感光体ドラム10上に顕像化された画像を記録媒体(用紙)上に転写するための転写バイアスを放出するものである。なお、転写装置14としては、図1に示される転写ローラであってもよいし、帯電ブラシやコロナ帯電器を転写装置14として用いてもよい。
クリーニング装置15は、転写後の感光体ドラム10上に残留した現像剤を除去して感光体ドラム10上に新たな画像を記録することを可能にするものである。除電装置16は、感光体ドラム10表面を除電するためのものである。除電装置16にて除電された感光体ドラム10表面は再び帯電装置11により一様に帯電され、上記で述べたプロセスが繰り返される。
また、転写装置14によって画像が転写された記録媒体は定着装置17に搬送される。そして、定着装置17において、記録媒体上の画像は熱と圧力とによって定着され、これにより記録媒体上に画像が印刷されることになる。
図2に、現像装置13の要部の一構成例を示す。なお、図2は、現像装置13を、現像ローラ89の長手方向(軸方向)の端部側より見た図面である。図2に示すように、現像装置13は、現像剤を引き付ける現像スリーブ20および磁気部材21からなる現像ローラ89と、現像スリーブ20による現像剤の引き付け量を規制するドクターブレード101と、現像剤を収容する現像槽19と、現像槽19の内部で現像剤を攪拌搬送する第1攪拌搬送部材28及び第2攪拌搬送部材29と、現像槽19の内部の現像剤量を検出するセンサ34とを備えている。なお、本実施形態の現像剤とは、磁性キャリアとトナーとからなる2成分現像剤であるものとする。また、本実施形態では、平均粒径が6.2μmのトナーと平均粒径が50μmの磁性キャリアとが用いられるが、各平均粒径はこれら値に限定されるものではない。
現像スリーブ20は、参照符102に示される回転方向に回転、つまり現像槽19から露出している部分が下方から上方へ向けて回転する汲み上げ現像方式であり、感光体ドラム10と対向する領域である現像領域において、感光体ドラム10と同一方向に移動する(つまり、回転方向は逆)。なお、本実施形態の現像装置13では汲み上げ現像方式が採用されているが、この方式に限定されるものではない。そして、現像スリーブ20は、現像槽19内の現像剤を磁気部材21の磁力によって外周面に吸着し、現像剤が穂状に連なった磁気ブラシを前記外周面に形成する。つまり、現像剤は磁気ブラシの形で現像スリーブ20に担持される。さらに、現像スリーブ20は、回転することによって、外周面に吸着した現像剤を現像領域に搬送する。現像領域では、磁気ブラシを形成する現像剤中の電荷を有するトナーが、現像スリーブ20と感光体ドラム10との電位差に応じて、現像スリーブ20から感光体ドラム10に供給される。これにより、感光体ドラム10上の静電潜像が現像され、トナー像が形成される。なお、現像スリーブ20および磁気部材21の構成については後に詳述する。
ドクターブレード(ブレード部材)101は非磁性材料からなる。ドクターブレード101は、現像槽19や、固定用板金(不図示)等にネジもしくはリベットにより固定される。ここでは、固定用板金等に固定ビスを用いて固定したが、特に限定するものではない。また、ドクターブレード101は、現像スリーブ20の外周面に対して間隙を空けて設置されている。この間隔をドクターギャップ(以下、DGと記載)とする。本実施の形態の現像装置13では、DGは例えば0.5mmに設定されている。DGの設定値は、現像剤の条件、現像ローラ89の条件などにより適宜調整しても良い。
図3に、図2に示した現像槽19の内部構成を示す。なお、図3は、現像槽19内部を上方より見た図面である。現像槽19は、たとえば硬質の合成樹脂などからなり、図3に示すように、現像ローラ89の軸方向を長手方向とした筐体である。現像槽19は、現像ローラ89の軸方向の長さL1にほぼ対応する長さを有しており、内部は、現像槽19の長手方向(現像ローラ89の軸方向に同じ)と平行に延設される仕切壁部材25にて2槽に仕切られている。
2槽のうちの一方は、現像剤を攪拌搬送して現像ローラ89に供給する現像領域槽23であり、他方は、トナーホッパ104(図2参照)から補給されるトナーを現像剤と攪拌し、かつ搬送して現像領域槽23へ供給される攪拌領域槽24である。
ここで、仕切壁部材25は、現像領域槽23と攪拌領域槽24とを仕切るものではあるが、現像領域槽23と攪拌領域槽24との各々を完全に封じきるように仕切るものではない。即ち、仕切壁部材25における現像槽19の長手方向の両側部の2箇所には、現像領域槽23と攪拌領域槽24とを連通させる第1通路26及び第2通路27が形成されている。
これにより、現像槽19内に収容される現像剤は、その一部が現像領域槽23から攪拌領域槽24へ移動することが可能であり、また逆に攪拌領域槽24から現像領域槽23へ移動可能となる。
そして、現像槽19内には、回転軸方向が現像槽19の長手方向に対して平行になるように、現像ローラ89と、現像剤を攪拌搬送する第1攪拌搬送部材28と第2攪拌搬送部材29とが回転自在に設けられている。詳細には、現像領域槽23内に、現像ローラ89と第1攪拌搬送部材28とが設けられ、攪拌領域槽24内に第2攪拌搬送部材29が設けられている。
本実施の形態において、第1攪拌搬送部材28及び第2攪拌搬送部材29は、いわゆるスクリュー部材であり、回転動作することによって、現像槽19内の現像剤を攪拌し、搬送する。
第1攪拌搬送部材28は、現像領域槽23内の現像ローラ89の下近傍にて、矢印35方向(現像槽19の一方の端部Aから他方の端部Bへ向う方向)へ現像剤を搬送する。第2攪拌搬送部材29は、第1攪拌搬送部材28によって現像槽19の端部B付近に搬送された現像剤を、第1通路26で攪拌領域槽24に移動させ、矢印36方向に搬送するとともに、仕切壁部材25に沿って矢印37方向(端部Bから端部Aへ向かう方向)へ搬送する。
現像剤は、端部A付近で第2通路27を通りぬけ矢印38方向へと搬送され、再び第1攪拌搬送部材28にて移動される。したがって、現像槽19内では、第1及び第2の各攪拌搬送部材28,29と仕切壁部材25とによって、矢印35,36,37,38で示される現像剤の循環流が形成される。
センサ34は、現像槽19内の現像剤量を検出するものである。センサ34としては、透磁率センサや、圧電検知式センサを用いることができる。これらのセンサによれば、現像剤量として、現像剤中のトナー量、換言すれば磁性キャリアとトナーとの配合比であるトナー濃度を検出できる。
また、センサ34は、図2および図3に示すように、現像領域槽23内で、現像剤の攪拌搬送方向下流側、すなわち現像槽19の端部B付近且つ現像領域槽23の壁材に装着されている。このような位置にセンサ34を取り付けることによって、センサ34は、現像ローラ89でトナーを消費した直後の現像剤のトナー濃度を測定することができる。
現像装置13では、トナー濃度の検出出力に応じ、制御部(不図示)がトナーホッパ104(図2)を動作させて、攪拌領域槽24へトナーを補給する。
このように、現像装置13では、現像された後の現像剤のトナー濃度を検出して、適正なトナー濃度になるように、現像剤のトナー濃度を高い精度で制御することが可能になる。なお、センサ34の位置は、上記位置以外に設置しても、トナー濃度を適正に検知できればどこでも良い。
つぎに、図2を用いて、トナーホッパ104から現像槽19にトナーを補給する処理の概要を説明する。トナーホッパ104は、たとえば硬質合成樹脂などからなる容器部材である。トナーホッパ104は、内部空間にトナーを収容し、制御部(不図示)からの動作指令に応じて内部のトナー補給ローラ49を駆動させて、現像槽19に対してトナー50を補給する。
トナー補給ローラ49は、攪拌領域槽24の直上であって、その外周がトナー補給口104aに摺接しながら回転可能なように設けられる。トナー補給ローラ49は、芯金のまわりに円筒状のたとえば発泡ウレタンなどの多孔性弾性部材が設けられたものである。トナーホッパ104内でトナー補給ローラ49に保持されるトナーが、トナー補給口104aとトナー補給ローラ49との摺擦でトナー補給ローラ49から脱落し、現像槽19へ補給される。
また、トナーホッパ104のトナー補給口104aは、攪拌領域槽24内の第2攪拌搬送部材29の上方に配されている。これにより、トナーホッパ104のトナー50が第2攪拌搬送部材29上に落下するように現像槽19に補給される。攪拌領域槽24において、トナー50が補給された現像剤は、前述の現像槽19内の循環流(矢印35〜38で示す流れ)に従って攪拌される。
つぎに、現像ローラ89に含まれる現像スリーブ20および磁気部材21の詳細について説明する。図2に示すように、現像スリーブ20は、感光体ドラム10に対面し、且つ、その軸方向が感光体ドラム10の軸方向に平行になるように配置され、現像槽19のフレームに支持されている。
そして、現像スリーブ20は、磁気部材21の外周に回転自在に設けられた部材であり、磁気部材21は、現像スリーブ20の中空部(内周側)にて非回転に配設されると共に複数の磁石より形成された円柱状のマグネットローラである。また、磁気部材21は、たとえば複数の永久磁石から構成され、永久磁石が円周方向に沿って並ぶように配され、全体では円柱形状を成している。
現像スリーブ20は、非磁性材料からなる円筒形状の部材である。非磁性材料としては、例えば、SUS302、SUS303、SUS304、SUS304Cu、SUS304L、SUS304N1、SUS304J3、SUS305、SUS305J1、SUS309S、SUS310S、SUS316、SUS316L、SUS316N、SUS316Ti、SUS316J1、SUS316F、SUS317、SUS317F、SUS321、SUS347などのステンレス、アルミニウム、銅を用いることができる。
磁気部材21は、現像領域に対向する位置に配されるN1極と、N1極よりも回転方向102の下流側にてN1極に隣り合うように配されるS2極と、S2極よりも回転方向102の下流側にてS2極に隣り合うように配されるN3極と、N3極よりも回転方向102の下流側にてN3極と隣り合うように配されるN2極と、N1極よりも回転方向102の上流側且つN2極よりも回転方向102の下流側にて配されるS1極とを含む。なお、S1極およびS2極は各々S極の磁極であり、N1極〜N3極は各々N極の磁極である。
S1極(第1磁極)は、現像槽19内に位置し且つ現像領域より回転方向102の上流側に位置する第1領域40に対して、現像槽19の現像剤を現像スリーブ20の外周面に引き付ける(汲み上げる)ための磁界を形成する引付極(汲み上げ極)としての機能を有する。
N1極は、S1極によって現像スリーブ20の外周面に引き付けられた現像剤が現像領域においても前記外周面に保持され続けるための磁界を現像領域に形成する現像極としての機能を有する。
N3極(第2磁極)は、現像槽19内に位置し且つ現像領域より回転方向102の下流側であって第1領域40よりも回転方向102の上流側に位置する第2領域41に、現像スリーブ20外周面に付着している現像剤を当該外周面から引き離す(釈放する)ための磁界を形成する引離極(釈放極)としての機能を有する。これにより、現像領域通過後の現像スリーブ20外周面に残存している現像剤は、第2領域41において前記外周面から現像槽19へ落下する。したがって、第2領域41を通過した後の現像スリーブ20外周面からは現像剤がほぼ除去されていることとなる。
N2極(第3磁極)は、現像槽19内に位置し且つ第1領域40より回転方向102の上流側であって第2領域41よりも回転方向102の下流側に位置する中間領域42に、現像槽19内の現像剤が現像スリーブ20外周面に引き付けられる(汲み上げられる)ことを抑制するための磁界を形成する引付規制極(汲み上げ規制極)としての機能を有する。これにより、第2領域41を通過した後であって第1領域40へ到達する前の現像スリーブ20の外周面には現像槽19の現像剤は引き付けられない。
また、現像スリーブ20の周囲において、現像領域よりも回転方向102の上流側且つ第1領域40よりも回転方向102の下流側にドクターブレード101が配されている。
このような構成により、現像槽19内の現像剤は、第1領域40において、S1極(引付極)に形成される磁界によって現像スリーブ20の外周面に引き付けられる。そして、ドクターブレード101が、S1極によって現像スリーブ20の外周面に引き付けられている現像剤の量を規制する。これによって、現像領域に搬送される現像剤の量が調整されることになる。
その後、現像スリーブ20外周面に引き付けられている現像剤に含まれるトナーが、現像領域において感光体ドラム10へ供給される。さらに、現像領域通過後の現像スリーブ20の外周面に残存している現像剤は、第2領域41において、N3極(引離極)に形成される磁界によって前記外周面から引き離されて現像槽19へ落下する。
そして、第2領域41よりも回転方向102下流側であって第1領域40よりも回転方向102の上流側の中間領域42においては、N2極(引付規制極)に形成される磁界によって、現像槽19内の現像剤は現像スリーブ20の外周面に対して反発する。
つまり、図2に示すように、現像槽19の現像剤が現像スリーブ20へ引き付けられる領域である第1領域40と、現像スリーブ20に引き付けられている現像剤が現像槽19へ落下する領域である第2領域41との間には、現像槽19の現像剤が現像スリーブ20に対して反発する領域である中間領域42が配され、第2領域41と第1領域40とは離間していることになる。それゆえ、第2領域41にて現像スリーブ20から現像槽19へ落下した現像剤が、落下後直ちに第1領域40にて現像スリーブ20へ引き付けられるというような事は生じない。これにより、一部の現像剤のみが繰り返し使用される事を抑制でき、現像剤の劣化速度を抑制する事が可能になる。
これに対し、従来の現像装置では、現像スリーブに引き付けられている現像剤が現像スリーブから引き離され現像槽へ落下する領域である引離領域と、現像槽の現像剤が現像スリーブへ引き付けられる領域である引付領域とが隣接し合っていたため、落下領域と引付領域との境界付近において現像スリーブから落下した現像剤が落下後直ちに現像スリーブへ引き付けられるという事が生じ、これにより、一部の現像剤のみが繰り返し使用され、一部の現像剤のみが直ぐに劣化してしまうという不都合が生じていた。
また、本実施形態においては、S1極を前記引付極として機能させ、N1極を前記現像極として機能させ、N3極を前記引離極として機能させ、N2極を前記引付規制極として機能させるために、磁束密度のピーク値が125mTのN極をN1極とし、磁束密度のピーク値が45mTのS極をS1極とし、磁束密度のピーク値が20mTのN極をN2極とし、磁束密度のピーク値が42mTのN極をN3極とし、磁束密度のピーク値が80mTのS極をS2極とした。
なお、N3極を前記引離極として機能させ、且つ、N3極よりも回転方向102の下流側にてN3極と隣り合うN2極を前記引付規制極として機能させるためには、N3極とN2極とを同一極性の磁極として、N2極の磁束密度のピーク値を10mT〜30mTにする必要がある。
また、本実施形態では、磁気部材21は5つの磁石を有していることになるが、磁気部材21に前記現像極と前記引付極と前記引離極と前記引付規制極とが含まれていれば、磁石の含有数は5つに限定されるものではない。なお、磁気部材21に含有される各磁石の厚みや幅を調整し、また、磁気部材21に含有されている各磁石に対する着磁処理の条件を変更することによって、各極の磁力強さを調整することが可能である。
〔実施の形態2〕
感光体ドラム上に高画質のトナー画像を長期間安定して形成し続けるためには、現像ローラによって現像領域に搬送される現像剤の搬送量を安定させることが肝心である。しかし、現像剤が劣化すると、現像剤のスペント化(トナーが融けてキャリアにトナーの膜が形成される)が生じ、また、トナーから外添剤(シリカや酸化チタン)が剥れると共に外添剤がトナーに埋没する現象が生じる。これにより、現像剤の流動性が悪くなり、現像剤の搬送量が不安定化し、その結果、ベタ画像等を印字した時に白筋が生じてしまうという画質不良が生じる。
そこで、現像剤の劣化が生じる要因について検討したので、検討内容について以下説明する。現像槽内においては、スクリューによる現像剤の攪拌、現像スリーブ外周面への現像剤の引き付け、現像領域での現像、現像スリーブ外周面からの現像剤の引き離しが繰り返し行われ、常に、現像剤にストレスがかかっている。その中でも、現像スリーブ外周面に現像剤が引き付けられる過程と、ドクターブレードによって現像スリーブ外周面に引き付けられる現像剤の量が規制される過程とで顕著にストレスが付与され、このストレスによって現像剤の劣化が顕著に促進されることになる。
また、ドクターブレードに起因した現像剤の劣化について詳細に検討したので、この検討の内容も以下説明する。現像槽内の現像剤は、引付極から発生する磁束であって現像スリーブ外周の法線方向に伸びる磁束によって現像スリーブ外周面に引き付けられ、現像スリーブ外周面に付着する。また、現像剤は、現像スリーブ外周面において、前記法線方向の磁束によって前記法線方向に伸びる穂立ち状の磁気ブラシになる。そして、現像スリーブの回転によって磁気ブラシは現像スリーブの回転方向(スリーブ外周の接線方向)に沿って移動し、DG(ドクターギャップ)においてドクターブレード101に衝突する。このとき、磁気ブラシには前記法線方向の磁束によって前記法線方向の拘束力が作用している一方で前記衝突による衝撃力が前記回転方向に作用する。これにより、磁気ブラシのキャリアとキャリアとが摩擦を起こし、この摩擦によって現像剤に大きなストレスが付与され、このストレスによって現像剤が劣化する。
以上にて示した検討の内容からすれば、前記法線方向の磁束とドクターブレードとが現像剤の劣化に寄与しているものと考えられる。そこで、本願発明者は、ドクターブレードの配置を調整することによって現像剤の劣化を抑制することを検討した。この検討内容を図4に基づいて説明する。
図4は、実施の形態1にて示した現像スリーブ20の周囲に形成される磁界の分布を示した図である。図4において、1点鎖線によって示される領域は、接線方向(現像スリーブ外周に対する接線の方向)に伸びる磁束からなる磁界の分布を示し、2点鎖線によって示される領域は、法線方向(現像スリーブ外周に対する法線の方向)に伸びる磁束からなる磁界の分布を示す。
また、図4では、N1極(現像極)によって形成され且つ法線方向の磁束からなる磁界105の磁束密度(磁力)と、N1極とS1極とによって形成され且つ接線方向の磁束からなる磁界106の磁束密度と、が点線L1上にて等しくなる。さらに、図4では、磁界106の磁束密度と、S1極(引付極,汲み上げ極)によって形成され且つ法線方向の磁束からなる磁界107の磁束密度とが、点線L2上において等しくなる。そして、図4において、点線L1と点線L2との間の領域では、接線方向の磁束からなる磁界106の磁束密度が法線方向の磁束からなる磁界105の磁束密度よりも大きくなる。
ここで、図4に示すように、点線L1と点線L2との間の領域にドクターブレード101を配置すれば、現像スリーブ20外周面に形成されている磁気ブラシがドクターブレード101に衝突する際に磁気ブラシに作用する摩擦力が低減し、これにより現像剤に付与されるストレスも低減し、現像剤の劣化速度が抑制される。これは、点線L1と点線L2との間の領域においては、法線方向の磁束よりも接線方向の磁束の方が顕著になり、前記磁気ブラシに作用する前記法線方向の拘束力は小さくなると共に、前記接線方向(現像スリーブ20の回転方向)に移動する磁気ブラシに対して前記接線方向への磁力が作用するため、前記接線方向に移動する磁気ブラシがドクターブレードに衝突しても、キャリアとキャリアとの間に摩擦が起こりにくくなるからである。
〔実験例〕
現像ローラに含まれる各磁極について磁束密度の適正値の検討を行う為の実験を行ったので、この実験を以下にて説明する。
実験は、実施例1の現像装置〜実施例8の現像装置,比較例1の現像装置〜比較例6の現像装置に対して行われた。この実験とは、現像スリーブを10時間回転させ続ける間(回転数:500rpm)、一定時間ごとに複写機(商品名:MX−7000N、シャープ(株)社製)にて一定現像条件(帯電、現像、一定条件)下で全面ベタ画像を印字し、ベタ画像中に濃度ムラや白筋が生じているかチェックを行うものである。このチェックにおいて、画像に問題がない場合は○、画像に濃度ムラや白筋が明らかに発生している場合は×、画像には問題ないレベルであるが若干濃度ムラが発生しかかっている場合は△とした。なお、(1)現像槽の内部温度25℃且つ内部湿度50%,(2)現像槽の内部温度35℃且つ内部湿度50%,(3)現像槽の内部温度45℃且つ内部湿度50%,の各条件にて実験を行った。実験の結果は以下の表1に示される。
Figure 2009092883
(a)実施例1〜3、比較例1〜2について
実施例1は、図2の現像装置13において、N1極の磁束密度のピーク値を125mT、S1極の磁束密度のピーク値を45mT、N2極の磁束密度のピーク値を20mT、N3極の磁束密度のピーク値を42mT、S2極の磁束密度のピーク値を80mTとしたものである。実施例2は、N2極の磁束密度のピーク値を10mTとした以外は実施例1と同一条件にしたものである。実施例3は、N2極の磁束密度のピーク値を30mTとした以外は実施例1と同一条件にしたものである。また、比較例1は、N2極の磁束密度のピーク値を5mTとした以外は実施例1と同一条件にしたものである。比較例2は、N2極の磁束密度のピーク値を40mTとした以外は実施例1と同一条件にしたものである。
表1に示されるように、実施例1〜実施例3では良好な画像が得られたのに対して、比較例1および比較例2では、各環境下において1時間後に白筋が発生した。これは、比較例1では、N2極の磁力が弱いため、S1極による影響が第2領域41やN3極に及ぼされ、第2領域41においてN3極によって現像スリーブ20外周面から引き離されるはずの現像剤が十分に引き離されずに現像スリーブ20外周面に残ったままになり、同じ現像剤が使用され続けるという事態が生じ、直ぐに現像剤が劣化したためであると考えられる。また、比較例2では、N2極の磁力が実施例1に比べて強すぎるため、図6に示すように、中間領域42においてN2極によって現像槽19の現像剤が現像スリーブ20に引き付けられるという事態が生じ、第2領域41にて現像スリーブ20から現像槽19へ落下した現像剤が、落下後直ちに中間領域42にて現像スリーブ20へ引き付けられるというようになり、同じ現像剤が何度も使用され続けることになり、直ぐに現像剤が劣化したためであると考えられる。
それゆえ、実施例1〜3および比較例1〜2からすれば、N2極の磁束密度のピーク値は10mT〜30mTが好ましいといえる。
(b)実施例4〜5、比較例3〜4について
実施例4は、S1極の磁束密度のピーク値を30mTとした以外は実施例1と同一条件にしたものである。実施例5は、S1極の磁束密度のピーク値を60mTとした以外は実施例1と同一条件にしたものである。また、比較例3は、S1極の磁束密度のピーク値を20mTとした以外は実施例1と同一条件としたものである。比較例4は、S1極の磁束密度のピーク値を70mTとした以外は実施例1と同一条件にしたものである。
表1に示されるように、実施例4および実施例5では良好な画像が得られたのに対して、比較例3では初期から実験終了までベタ画像において濃度ムラが生じ、比較例4では35℃及び45℃環境下において実験途中からベタ画像に白筋が発生した。これは、比較例3では、S1極の磁力が弱いために、十分な量の現像剤を現像スリーブ20に引き付けることができず、現像処理に必要な量の現像剤を現像領域まで搬送できないため、良質な画像を得る事ができないものと考えられる。また、比較例4では、S1極の磁力が強すぎるために、第1領域40にて現像スリーブ20に引き付けられる現像剤が多くなりすぎ、ドクターブレード101によって掻き落とされる現像剤の量が増加し、現像剤に対するストレスの付加頻度が高くなり、現像剤の劣化が促進されるために、画質劣化が生じたものと考えられる。
それゆえ、実施例4〜5および比較例3〜4からすれば、S1極の磁束密度のピーク値は30mT〜60mTが好ましいといえる。
(c)実施例6〜8、比較例5〜6について
実施例6〜8、比較例5〜6は、図5に示す現像ローラ89aを有する現像装置である。現像ローラ89aは、図5に示すように、現像スリーブ20と現像スリーブ20の内側に配される磁気部材21aとを有し、磁気部材21aは7つの磁石を含んでいる。そして、磁気部材21aにおいては、図5に示すように、N11極とS14極とN13極とS13極とS12極とN12極とS11極とがこの順で現像スリーブ20の回転方向102aに沿って並ぶように配置される。なお、S11極〜S14極は各々S極の磁極であって、N11極〜N13極は各々N極の磁極である。
さらに、図5の磁気部材21aにおいて、現像極として機能する磁極はN11極であり、引離極(釈放極)として機能する磁極はS13極であり、引付規制極(汲み上げ規制極)として機能する磁極はS12極であり、引付極(汲み上げ極)として機能する磁極はN12極である。また、図5の磁気部材21aにおいては、N11極の磁束密度のピーク値は115mTであり、S11極の磁束密度のピーク値は65mTであり、N12極の磁束密度のピーク値は40mTであり、S12極の磁束密度のピーク値は25mTであり、S13極の磁束密度のピーク値は25mTであり、N13極の磁束密度のピーク値は45mTであり、S13極の磁束密度のピーク値は75mTである。
また、図5では、S11極によって形成され且つ法線方向の磁束からなる磁界105aの磁束密度(磁力)と、S11極とN12極とによって形成され且つ接線方向の磁束からなる磁界106aの磁束密度と、が点線L1´上において等しくなる。さらに、図5では、磁界106aの磁束密度と、N12極(引付極,汲み上げ極)によって形成され且つ法線方向の磁束からなる磁界107aの磁束密度と、が点線L2´上において等しくなる。
そして、点線L1´と点線L2´との間の領域では接線方向の磁束からなる磁界106aの磁束密度が法線方向の磁束からなる磁界105aの磁束密度よりも高くなり、点線L1´と点線L2´との間の領域にある点線L3´上においては接線方向の磁束からなる磁界106aの磁束密度がピークを示す。
さらに、図5では、点線L4´上において磁界105aの磁束密度がピークを示し、点線L5´上において磁界107aの磁束密度がピークを示す。ここで、点線L4´と点線L1´との間の領域では接線方向の磁束からなる磁界106aの磁束密度よりも法線方向の磁束からなる磁界105aの磁束密度の方がおおきくなる。また、点線L2´と点線L5´との間の領域では接線方向の磁束からなる磁界106aの磁束密度よりも法線方向の磁束からなる磁界107aの磁束密度の方がおおきくなる。
そして、図示していないが、実施例6の現像装置では、図5において点線L1´と点線L3´との間にドクターブレードが設置されている。また、実施例7の現像装置では、図5において点線L2´と点線L3´との間にドクターブレードが配置されている。さらに、実施例8の現像装置では、図5において点線L3´上にドクターブレードが配置されている。
また、比較例5の現像装置では、図5において点線L2´と点線L5´との間にドクターブレードが配置されている。比較例6の現像装置では、図5において点線L4´と点線L1´との間にドクターブレードが配置されている。
そして、表1に示されるように、比較例5および比較例6では、実験途中からベタ画像に白筋が発生し、良好な画像が得られなかった。この理由を以下説明する。比較例5および比較例6では、接線方向の磁束よりも法線方向の磁束が強い場所にドクターブレードが配置されているため、ドクターブレードに衝突する磁気ブラシには法線方向の磁束による磁気的拘束力が強く作用する一方、前記衝突によって現像スリーブの回転方向に向いた衝撃力が磁気ブラシに作用する。そして、これらの作用によって、磁気ブラシのキャリアとキャリアとが摩擦を起こし、この摩擦によって現像剤に大きなストレスが付与され、このストレスによって現像剤の劣化が促進され、印刷画像の画質が劣化するものと考えられる。
これに対し、実施例6〜8では各環境とも良好な画像が得られた。これは、実施例6〜8では、前記法線方向の磁束が弱く且つ前記接線方向の磁束の強い場所にドクターブレードが配置されているため、ドクターブレード近傍において、磁気ブラシに作用する前記法線方向の拘束力は小さくなり、磁気ブラシに対して前記接線方向への磁力が作用するため、前記接線方向に移動する磁気ブラシがドクターブレードに衝突しても、キャリアとキャリアとの間に摩擦が起こりにくくなるからである。
特に、実施例7および実施例8では、ドクターブレード101は、前記接線方向に沿った磁束の磁束密度が前記回転の方向の上流側よりも下流側の方が高くなっている領域(L2´とL3´との間)に配置されていることになるが、このような配置によって現像剤の劣化速度をより低減させることができ、より良好な画像を得ることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、上述した実施形態において開示された各技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の現像装置は電子写真方式の印刷装置に好適である。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置の構成を示す図である。 図2に示した現像装置における現像槽の内部を示す図である。 現像スリーブの周囲に形成される磁界の分布を示した図である。 7つの磁石を含有する現像ローラの周囲に形成される磁界の分布を示した図である。 比較例2の現像装置を示す図である。
符号の説明
10 感光体ドラム
13 現像装置
19 現像槽
20 現像スリーブ
21 磁気部材
40 第1領域
41 第2領域
42 中間領域
89 現像ローラ
100 画像形成装置
101 ドクターブレード(ブレード部材)
S1極 引付極(第1磁極)
N3極 引離極(第2磁極)
N2極 引付規制極(第3磁極)

Claims (7)

  1. 磁性キャリアおよびトナーを含む現像剤を収納する現像槽と、
    外周面が前記現像槽の内部と前記現像槽の外部の現像領域とを交互に通るように回転し、前記現像槽の内部の第1領域にて磁力によって前記外周面に現像剤を引き付け、前記外周面に引き付けられている現像剤によって前記現像領域にて現像を行い、前記現像槽の内部に位置し且つ前記第1領域より前記回転の方向の上流に位置する第2領域にて前記現像領域通過後の前記外周面に残存する現像剤を磁力により引き離して前記現像槽に戻す現像スリーブと、
    前記現像スリーブの内周側にて固定され、前記現像剤を前記外周面に引き付ける磁界を前記第1領域に形成する第1磁極、および、前記現像剤を前記外周面から引き離す磁界を前記第2領域に形成する第2磁極を含む磁気部材とを有する現像装置において、
    前記現像剤が前記外周面に引き付けられる事を抑制する磁界を、前記現像槽の内部に位置し且つ第1領域よりも前記回転の方向の上流側であって前記第2領域よりも前記回転の方向の下流側に位置する中間領域に形成する第3磁極が前記磁気部材に含まれていることを特徴とする現像装置。
  2. 前記第2磁極の極性と前記第3磁極の極性とは同一であり、
    前記第3磁極の磁束密度のピーク値は10mT以上であって30mT以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像領域よりも前記回転の方向の上流側且つ前記第1領域よりも前記回転の方向の下流側において前記現像スリーブの外周面に対して間隙を空けて配され、前記外周面に引き付けられている現像剤の一部を前記外周面から前記現像槽へ掻き落とすブレード部材が備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記第1磁極の磁束密度のピーク値は30mT以上であって60mT以下であることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
  5. 前記ブレード部材は、前記現像スリーブの外周面に対する法線方向に沿った磁束の磁束密度よりも前記外周面に対する接線方向に沿った磁束の磁束密度が大きい領域に配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の現像装置。
  6. 前記ブレード部材は、前記接線方向に沿った磁束の磁束密度が前記回転の方向の上流側よりも下流側の方が高くなっている領域に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の現像装置を備えた画像形成装置。
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