JP2009092242A - クラッチ用の中央クラッチオペレータ - Google Patents

Abstract

【課題】クラッチ用の中央クラッチオペレータを提供する。
【解決手段】自動車のドライブトレインのクラッチ用の中央クラッチオペレータであって、ドライブトレインが、駆動ユニットから自動車の少なくとも１つの車輪にトルクを伝達するための少なくとも１つのシャフトを有し、クラッチを選択的に開閉するための作動装置を固定するために設けられる中央クラッチオペレータは、シャフトの半径方向周囲の領域に、複数の位置で支持され得、作動装置を回転しないようにほぼ固定できる固定領域を有する、ことによって特徴付けられている。
【選択図】図１

Description

本出願は、請求項１の前段部に記載のクラッチ用の中央クラッチオペレータに関する。

クラッチは、多くの場合、駆動ユニットを自動車のドライブトレインに選択的に接続しまたそれらを切り離すために設けられる。例えば、前記クラッチは、駆動ユニット、例えば内燃機関に接続されるフライホイールを有する。フライホイールはプレッシャプレートまたはカバープレートに接続され、前記フライホイールとプレッシャプレートまたはカバープレートとの間にはクラッチディスクが設けられ、このクラッチディスクは、クラッチを開閉することによって、例えば内燃機関のクランクシャフトを自動車のドライブトレインのシャフトから切り離すために軸方向に移動可能である。この場合、クラッチの構成要素、すなわち、フライホイール、プレッシャプレートまたはカバープレートおよびクラッチディスクは、通常、対応するハウジングに回転可能に取り付けられ、これにより、ハウジングを自動車に固定できる。作動装置、例えば油圧ラインまたはボーデンケーブル（Ｂｏｗｄｅｎ ｃａｂｌｅ）が、クラッチを選択的に開閉するために設けられる。構成要素、すなわち、フライホイール、プレッシャプレートまたはカバープレートおよびクラッチディスクは回転するので、前記構成要素に対して作動装置をハウジングに固定しなければならない。このために、中央クラッチオペレータが設けられ、さらに、この中央クラッチオペレータにより、回転して切り離される作動がなされ、発生している軸方向の力が吸収される。このために、中央クラッチオペレータは、従来、ハウジングに固定されるモーメントアームを有する。このようにして、作動装置が前記構成要素に対して、すなわち回転するクラッチに対して回転することが防止される。しかし、このために、比較的複雑な組立て工程が必要となるが、この理由は、例えば、対応するボルトをモーメントアームの溝に挿入し、次に固定し、これによって、中央クラッチオペレータを固定しなければならないからである。このことは、特に、制限された設置空間内では困難である場合がある。さらに、クラッチの動作中に、溝が高負荷を受ける。ドライブトレインの対応する運動、例えば振動および／または回転運動により、溝の膨張が生じることがあり、これにより、クラッチの確実な動作に悪影響が生じる。

本発明の目的は、確実なクラッチ動作を保証しかつ組み立てが容易な構造である中央クラッチオペレータを提供することである。

上記目的は、請求項１の特徴によって達成される。従属請求項は本発明の有利な実施形態および改良形態に関する。

本発明によれば、中央クラッチオペレータが、ドライブトレインのシャフトの半径方向周囲の領域に、複数の位置で支持され得る固定領域を有し、この固定領域によって、作動装置を回転しないようにほぼ固定できる。本発明は、モーメントアームを固定するための穴または溝を使用した場合に、中央クラッチオペレータが１つの位置でのみ固定支持されるという認識に基づいている。荒い動作状態では、これにより、大きな負荷が生じ、したがって溝の膨張が生じる。特に、カバーに固定される中央クラッチオペレータの場合、すなわち、中央クラッチオペレータをハウジングに固定して取り付けていない場合、中央クラッチオペレータの領域では、振動および軸方向運動が増大される。ここで、適切な形状にすることにより、中央クラッチオペレータの固定領域とそれに対応するブラケットとの間の有効な表面が大きくなり、このことにより、機械的負荷が低減される。さらに、中央クラッチオペレータは、もはや単一の位置で固定支持されず、複数の位置で支持できるように設けられる。このようにして、小さな大きさの軸方向の遊びおよび半径方向の遊びを提供しつつ、中央クラッチオペレータを回転しないように固定できる。したがって、このことにより、個々の位置に作用する力が低減され、中央クラッチオペレータの固定領域の摩耗が低減されることによって、中央クラッチオペレータのより確実な配置が得られる。従って、本発明は、内燃機関のクランクシャフトを起点としてハウジングに向かう運動、特に振動のクラッチの作動装置からの確実な分離も提供する。この場合、作動装置は、例えばボーデンケーブルとしての機械構造、または例えば圧力ラインとしての油圧構造であることができる。

複数の領域で固定および支持されるアームレスの中央クラッチオペレータに関する本発明では、その複数の領域をドライブトレインのシャフトの領域の周囲に円形または多角形に付与することができる。この組み立て容易な解決策では、作動装置をクラッチのハウジングにほぼ固定できる。すなわち、組み立ての際に、中央クラッチオペレータによって支持される作動装置を回転しないようにほぼ固定するには、固定領域をハウジングの対応するブラケット内に配置するだけでよい。ここでは、特に、クラッチ圧力ラインの対応する加圧によってクラッチを選択的に開閉するためのクラッチ圧力ラインを想定している。

第１の好ましい実施形態では、中央クラッチオペレータの固定領域と、ハウジングに対して固定されるブラケットとの間に、形状が合致することによる接続（ａ ｆｏｒｍ−ｆｉｔｔｉｎｇ ｃｏｎｎｅｃｔｉｏｎ）が少なくとも部分的に提供され、この結果、前記固定領域を複数の位置で支持できる。中央クラッチオペレータの固定領域に対応するブラケットを使用することによって、中央クラッチオペレータの固定領域とブラケットとの間に設けられた表面が大きくなり、したがって、伝達力がより良く分配される。このために、中央クラッチオペレータの固定領域は、例えば、歯車（ｇｅａｒ ｗｈｅｅｌ）と同様の回転に関して対称的な歯を有し、またブラケットは、リングギヤと同様の対応する歯を有する。中央クラッチオペレータの固定領域にまたブラケットに丸められた歯を使用することによって、有効な負荷のさらなる低減が得られる。さらに、切り離しのために、必要に応じて、内歯と外歯との間に弾性中間要素（弾性中間材料）を挿入することが可能であり、この中間要素は、さらなる減衰を与えまた表面積を大きくし、したがって表面圧力を低減するように機能する。

第２の好ましい実施形態では、中央クラッチオペレータの固定領域と、ハウジングに対して固定されるブラケットとの間に、互いを圧入することによる接続（ａ ｆｏｒｃｅ−ｆｉｔｔｉｎｇ ｃｏｎｎｅｃｔｉｏｎ）が少なくとも部分的に提供され、この結果、前記固定領域を複数の位置で支持できる。このようにして、この場合にも、中央クラッチオペレータの固定領域に対応するブラケットを使用することにより、中央クラッチオペレータの固定領域とブラケットとの間の表面が大きくなり、したがって、伝達力がより良く分配される。このために、中央クラッチオペレータの固定領域は例えば複数のピンを有する。特に簡単な１つの解決策はピンを円形に配置することによって得られ、ブラケットは、例えば、前記ピン用の対応する支持部（例えば、ピンが圧入される凹部を有する部材）を有する。勿論、ピンの代わりに、例えばウェブ（Ｗｅｂｓ）、突出部等のような他の適切な形状のものを設けることも可能である。さらに、前記ピンには、例えばプッシュオンゴムスリーブ等の弾性材料を設けることも可能であり、この弾性材料は、さらなる減衰をなしまた表面積を大きくし、したがって表面圧力を低減するように機能する。

クラッチ用の本発明による中央クラッチオペレータは、ハイブリッド車両用のドライブトレインに使用されることが好ましい。特に、内燃機関と電動機との間にクラッチが設けられるパラレルハイブリッド車両の場合、クラッチに作用する大きな力が発生される。このような力は、例えば、電気駆動からの内燃機関の再始動中に、内燃機関を回転するように設定するために、クラッチが、短い時間間隔で作動されたときに発生する。

次に、図面を参照して、本発明についてより詳細に説明する。ここで、図は、本発明に従って構成される模範的な中央クラッチオペレータを使用するために設けられるクラッチを示している。

図は、内燃機関のクランクシャフト（図示せず）に接続されるフライホイール２を有するクラッチ１を示している。さらに、クラッチは、フライホイール２に固定して接続されるプレッシャプレート３を有する。内燃機関と自動車のドライブトレインとを選択的に接続しまたそれらを切り離すために、前記プレッシャプレート３とフライホイール２との間には、ドライブトレイン（図示せず）が接続される自由に回転可能なクラッチディスク４が設けられる。クラッチを作動させるために、クラッチ圧力ライン５が設けられる。前記クラッチ圧力ライン５は、クラッチを選択的に開閉するために、したがって、内燃機関と車両のドライブトレインとを接続しまたそれらを切り離すために、クラッチへの流体供給を保証するように機能する。さらに、回転するプレッシャプレートに対してクラッチ圧力ラインを固定する中央クラッチオペレータ６が設けられる。プレッシャプレートは、接続されたフライホイールを介して内燃機関のクランクシャフトによって駆動される。ここで、中央クラッチオペレータは、プレッシャプレートの回転を許容し、一方、同時に、油圧ラインは回転しないように固定される。固定のために、中央クラッチオペレータは、内燃機関のクランクシャフト（図示せず）の半径方向周囲の領域に、対応する固定領域６Ａを有する。前記固定領域は、円形に配置される複数の丸められた歯を有する。前記歯は、クラッチのハウジングの対応して設計されたブラケット（図示せず）に支持される。これにより、中央クラッチオペレータに作用する力は、ここで、個々の歯に対応する複数の位置の間に分配され、このようにして、個々の位置に作用する力が低減される。さらに、このような固定を行うのに、ここでは、歯数に応じて、ブラケットもしくは中央クラッチオペレータの固定領域を小さな角度範囲だけ回転させるだけで済むという、特に組み立てが容易な解決策が得られる。

本発明に従って構成される模範的な中央クラッチオペレータを使用するために設けられるクラッチの図である。

符号の説明

１ クラッチ
２ フライホイール
３ プレッシャプレート
４ クラッチディスク
５ クラッチ圧力ライン
６ 中央クラッチオペレータ
６Ａ 固定領域

Claims (8)

1. 自動車のドライブトレインのクラッチ用の中央クラッチオペレータ（６）であって、前記ドライブトレインが、駆動ユニットから前記自動車の少なくとも１つの車輪にトルクを伝達するための少なくとも１つのシャフトを有し、前記クラッチを選択的に開閉するための作動装置を固定するために設けられる、中央クラッチオペレータ（６）において、
   前記シャフトの半径方向周囲の領域に、複数の位置で支持され得、前記作動装置を回転しないようにほぼ固定できる固定領域（６Ａ）を有する、ことを特徴とする中央クラッチオペレータ（６）。
2. 前記作動装置を固定するための前記固定領域が、前記クラッチのハウジングに対して設けられる請求項１に記載の中央クラッチオペレータ。
3. 前記中央クラッチオペレータの前記固定領域と、前記ハウジングに対して固定されるブラケットとの間に、形状が合致することによる接続が少なくとも部分的に提供され、当該接続により、前記固定領域が複数の位置で支持され得る、請求項２に記載の中央クラッチオペレータ。
4. 前記中央クラッチオペレータの前記固定領域が、回転に関して対称的な丸められた歯を有する請求項３に記載の中央クラッチオペレータ。
5. 前記中央クラッチオペレータの前記固定領域と、前記ハウジングに対して固定されるブラケットとの間に、互いを圧入することによる接続が少なくとも部分的に提供され、当該接続により、前記固定領域が複数の位置で支持され得る、請求項２に記載のクラッチ用の中央クラッチオペレータ。
6. 前記中央クラッチオペレータの前記固定領域が、ほぼ円形に配置される複数のピンを備える請求項５に記載の中央クラッチオペレータ。
7. 請求項１乃至６のいずれか一項に記載の中央クラッチオペレータを有するクラッチ。
8. 内燃機関と少なくとも１つの電動機とを有し、請求項７に記載のクラッチを備えるハイブリッド車両用のドライブトレインであって、前記中央クラッチオペレータが、前記クラッチのプレッシャプレートまたはカバープレートに設けられ、前記プレッシャプレートまたはカバープレートが、前記内燃機関のクランクシャフトに接続されるフライホイールに接続され、前記クラッチの前記プレッシャプレートまたはカバープレートおよび前記フライホイールが、前記電動機のロータのシャフトに接続されるクラッチディスクを囲むドライブトレイン。

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