JP2009090660A - グラビア製版ロール及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷版、特に、クッション性を有することにより、硬質な被印刷物に対してブランケットロールを用いないダイレクトなグラビア印刷が可能であり、段ボール印刷等、粗面に対するグラビア印刷が良好に行えて、液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷する、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印刷するのに好適であるグラビア製版ロール及びその製造方法を提供する。
【解決手段】版母材を準備する工程と、該版母材の表面に銅メッキ層を形成する銅メッキ工程と、該銅メッキ層の表面に感光性組成物層を形成する工程と、該感光性組成物層の表面に非グラビアセル凹部を形成する工程と、該非グラビアセル凹部に金属メッキ層を形成する工程と、前記金属メッキ層の形成工程後、感光性組成物層を除去してグラビアセル凹部を形成する工程と、を含むようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規なグラビアセルの作成方法及びその方法により製造したグラビア製版ロール及びその製造方法に関し、特に段ボール等の粗面に印刷したり、あるいはコンパクトディスク等に画像を印刷したり、あるいは液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷するのに好適なクッション性を有するグラビア製版ロール及びその製造方法に関し、さらに、当該グラビア製版ロールを用いて製造されるグラビア印刷物、マイクロレンズ、壁紙、電磁波シールドシート、カラーフィルタ、偏光板、コンデンサー、電子ペーパー等に関する。
グラビア印刷では、グラビア製版ロール(グラビアシリンダー)に対し、製版情報に応じた微小な凹部(グラビアセル)を形成して版面を製作し当該グラビアセルにインキを充填して被印刷物に転写するものである。一般的なグラビア製版ロールにおいては、アルミニウムや鉄などの版母材の表面に版面形成用の銅メッキ層(版材)を設け、該銅メッキ層にエッチングによって製版情報に応じ多数の微小な凹部(グラビアセル)を形成し、次いでグラビア製版ロールの耐刷力を増すためのクロムメッキによって硬質のクロム層を形成して表面強化被覆層とし、製版(版面の製作)が完了する。
従来、印刷版、特に、液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷したり、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印刷するには、グラビアオフセット印刷または水なしオフセット印刷が採用されてきており、グラビア印刷は採用されてこなかった。その理由は、グラビア印刷は、クッション性がないので印圧が増大するとガラスを割ってしまったり、コンパクトディスク等に歪みを与えるおそれがあるので、ゴムからなるブランケットロールを介して印刷することにより、印圧が増大するときはゴムの変形により印圧の増大を抑制できるグラビアオフセット印刷が適切だからである。
液晶パネル用ガラスへカラー印刷するには、ガラスに転移した直後のウエットのインキの膜厚を均一な5〜6μmとして、ドライなインキの膜厚を均一な1〜1.5μmとして、バックライト光を均一に透過しかつ高い透過率を保障する必要がある。また、コンパクトディスク等に画像をカラー印刷するには、画像がシャープに得られる限度にインキの膜厚を可能な限り薄くする必要がある。その理由は、コンパクトディスク等に印刷する画像は、中心に対して偏って印刷されるので、画像を形成しているインキの重量が、次世代のコンパクトディスク装置の流体動圧軸受を採用したスピンドルモータの高速回転化にともなって、アンバランス回転の原因として無視できなくなることが分かったからである。
従来のグラビア印刷版は、銅メッキの表層部に深さが15〜25μmとなるようにセルを形成する必要があり、そうすると、ウエットのインキの膜厚が15〜25μmとなるから、液晶パネル用ガラスへカラー印刷する、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印刷するのにはインキの膜厚が厚すぎて適していない。
従来のグラビア印刷版において、銅メッキの表面に深さが5〜6μmとなるようにエッチングし、セルをエッチング形成できないのは、セルの大きさにより、エッチング速度にバラツキが出来、セルの深度が均一にならないためである。セルの輪郭や底面に凹凸が生じたり、大きさによって深度が異なったセルができるのは避けられない。特にシャドウ部の大きなセルについて、深さが5〜6μmとなるようにできても、ハイライト部の小さなセルについては、輪郭や底面に凹凸が生じる確率が高く、深さが5〜6μmになるようにすることはほとんど望めない。
本願出願人は、シャープなグラビア画像が得られるグラビア印刷版として、版基材に下地金属被膜を形成し、該下地金属被膜の表面にバラードメッキ被膜を形成し、該バラードメッキ被膜の表面に、膜厚がセルの深さに等しくなるようにクロムメッキ被膜を形成し、クロムメッキの表面を活性化処理してから感光膜を塗布し、露光し現像した後、エッチングすることにより、バラードメッキ被膜が露出するようにセルをクロムメッキに形成する方法を提案した(特許文献1)。しかしながら、該方法は、クロムメッキをエッチングすることによりセルを形成する為、近年求められている更なる高精細でシャープなグラビアセルの形状を形成するまでには至っていないのが現状である。
そこで、セルの深さが5〜6μmのグラビア版を確実に得るには、ガラスに画像を焼き付けて現像しフッ酸によりエッチングすることにより深さが均一なかなり正確なセルを形成することができる。ただし、これは、グラビア印刷とはならず、ブランケットロールを介して印刷を行うグラビアオフセット印刷となる。
こうして、従来は、液晶パネル用ガラスへカラー印刷したり、あるいはコンパクトディスク等にカラー印刷するには、グラビアオフセット印刷、または水なし平版オフセット印刷が採用されてきており、グラビア印刷は採用されてこなかった。
他方、従来のフレキソ版(樹脂凸版)は、光硬化性樹脂にマスクフィルムを重ねて、紫外線で露光するか、または半導体サーマルレーザ、YAGレーザ等を照射して現像する、又は光硬化性樹脂にカーボンブラックの被膜を塗布し、レーザーでカーボンブラックを焼飛ばしてポジ画像を形成し、紫外線により最初の光硬化性樹脂を焼き付けて現像することにより製版している。
しかしながら、従来の印刷法によって製作される液晶パネル用カラーフィルタは、画像のシャープさが低く、線画像のエッジの乱れ、線画像の凹凸があり、フィルム法によって製作される液晶パネル用カラーフィルタに比べて著しく品質が劣り、このため、玩具関係にしか用途が広がらず、TFTの付いているコンピュータディスプレイや液晶テレビジョン等の高級品には全く採用されていない。
グラビアオフセット印刷によって製作される液晶パネル用カラーフィルタの品質が劣る原因は、次のように考えられる。グラビアオフセット印刷は、ブランケットロールからガラス等の被印刷物にインキを転移させる際に多少なりとも印圧が加わる。該印圧は、インキを押圧するので、インキの輪郭が外側に広がりあるいは乱れ、これが、解像性或いは精細性の指標として用いるラインアンドスペースの数値を小さくできない原因の一つである。また、転移するインキが版からブランケットロールに、さらにブランケットロールからガラス等の被印刷物に、それぞれ100%の確率で転移しないときは、インキが引きちぎられる結果となり、ガラス等の被印刷物に印刷されるインキの膜厚は均一でなく表面に凹凸ができる。
グラビアオフセット印刷機械の高精度をいくら追求しても、印圧をかける必要があり、印圧の変動を抑えることは不可能である。従って、印圧がかかり、印圧が変動することが必須なので、ブランケットロールから液晶パネル用ガラスに100%の確率でインキを転移させることは、実験ではできたとしても、実用化はとても困難であると考えられる。
他方、従来のフレキソ版(樹脂凸版)は、光硬化性樹脂を使用しているので、ちいさなドットを柱状に形成すると容易に折損してしまい、硬化樹脂の脆性を解消できず、高精細な版を作ることができなかった。
特開平11−321140号公報
本発明は、従来の銅メッキ層の表面にエッチングによって作成されていたグラビアセルの作成について研究を重ね、エッチングを用いることなくグラビアセルを形成する方法を新たに開発し、新規なグラビア製版ロールの製造方法及びグラビア製版ロールの提案に及ぶものである。また、本発明は、印刷版、特に、クッション性を有することにより、硬質な被印刷物に対してブランケットロールを用いないダイレクトなグラビア印刷が可能であり、段ボール印刷等、粗面に対するグラビア印刷が良好に行えて、液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷する、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印刷するのに好適であるグラビア製版ロール及びその製造方法を提供することを目的としている。さらに本発明は、当該グラビア製版ロールを用いて製造されるグラビア印刷物、マイクロレンズ、壁紙、電磁波シールドシート、カラーフィルタ、偏光板、コンデンサー、電子ペーパー等を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明のグラビア製版ロールの製造方法は、版母材を準備する工程と、該版母材の表面に銅メッキ層を形成する銅メッキ工程と、該銅メッキ層の表面に金属メッキ層のグラビアセル壁体を有するグラビアセルを形成するグラビアセル形成工程と、を含むグラビア製版ロールの製造方法であって、前記グラビアセル形成工程が、前記銅メッキ層の表面に感光性組成物層を形成する工程と、該感光性組成物層の表面に非グラビアセル凹部を形成する工程と、該非グラビアセル凹部に金属メッキ層を形成する工程と、前記金属メッキ層の形成工程後、感光性組成物層を除去してグラビアセル凹部を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
前記グラビアセル形成工程が、前記銅メッキの表面にネガ型感光性組成物からなるネガ型感光性組成物層を形成する工程と、該ネガ型感光性組成物層の表面にマスクを介して光線を照射し露光部分を現像液に対して不溶化する露光工程と、未露光部分を現像液によって前記銅メッキ層の表面が露出するまで溶解除去する現像工程と、前記銅メッキ層の露出部分に金属メッキ層を形成する工程と、前記不溶化露光部分を剥離除去することによってグラビアセルを形成する工程と、を含むことが好適である。
前記ネガ型感光性組成物の第1の態様としては、(A)カルボキシル基を有し且つエチレン性不飽和結合を有するポリマーと、(B)近赤外線吸収色素と、(C)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーと、(D)アミノアルコール、アミノアルコールの誘導体及び環状アミンからなる群から選択される1種以上のアミン類と、(E)有機ホウ素化合物と、(F)下記式(1)で示されるスルホニル化合物と、を含有する組成を採用することができる。
Figure 2009090660
[式(1)中、Qはアリール基又はヘテロ環基を示し、X〜Xは各々独立してハロゲン原子を示す]
前記アミノアルコールの誘導体が、アミノアルコールの(メタ)アクリル酸エステルであるのが好ましい。また、前記環状アミンが、モルホリノ基含有化合物又はピペラジン系化合物であることが好適である。なお、本願明細書において、アクリルとメタクリルをあわせて(メタ)アクリルと称し、アクリレートとメタクリレートをあわせて(メタ)アクリレートと称する。
前記式(1)で示される化合物(F)が、トリブロモメチルフェニルスルホン又は2−[(トリブロモメチル)スルホニル]ピリジンであることが好ましい。
前記ネガ型感光性組成物の第2の態様としては、(A)カルボキシル基を有し且つエチレン性不飽和結合を有するポリマーと、(B)近赤外線吸収色素と、(C)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーと、(G)2−メルカプトベンゾオキサゾール及び/又は2−メルカプトオキサゾールと、(H)下記式(2)で示されるジフェニルヨードニウム塩と、を含有する組成を採用することもできる。
Figure 2009090660
前記ネガ型感光性組成物の第2の態様が、(I)下記一般式(3)で示されるトリアジン化合物をさらに含有することが好適である。
Figure 2009090660
[前記一般式(3)において、Rはビニル基又はビニル基を含む1価の有機基である]
前記(I)トリアジン化合物としては、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン及び/又は2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジンであることが好ましい。
前記ネガ型感光性組成物の第1及び第2の態様が、(J)シランカップリング剤をさらに含有することが好適である。
前記ネガ型感光性組成物の第1及び第2の態様が、(K)重合禁止剤をさらに含有することが好ましい。前記重合禁止剤(K)として、チアゾール系化合物が好適に用いられる。
前記金属メッキ層がNi、Cr又はCuメッキ層であるのが好ましい。
前記版母材がゴム又はクッション性を有する樹脂からなるクッション層を備えたものであるのが好ましい。
本発明の製造方法は、前記銅メッキ層及び金属メッキ層表面を被覆する強化被覆層を形成する工程をさらに含むことが好適である。
前記強化被覆層としては、DLC層、二酸化珪素被膜又はクロムめっき層を用いることができる。前記二酸化珪素被膜を、ペルヒドロポリシラザン溶液を用いて形成するのが好適である。
本発明のグラビア製版ロールの第1の態様は、前述した本発明の方法により製造されるグラビア製版ロールであって、版母材と、該版母材の表面に設けられた銅メッキ層と、該銅メッキ層の表面に金属メッキ層のグラビアセル壁体を有するように形成されたグラビアセルと、を含むことを特徴とする。
前記銅メッキ層の厚さが50〜200μm、及び前記グラビアセルの深度が5〜150μmであることが好ましい。
本発明のグラビア製版ロールの第1の態様は、前述した本発明の方法により製造されるグラビア製版ロールであって、版母材と、該版母材の表面に設けられた銅メッキ層と、該銅メッキ層の表面に金属メッキ層のグラビアセル壁体を有するように形成されたグラビアセルと、該銅メッキ層及び金属メッキ層表面を被覆する強化被覆層と、を含むことを特徴とする。
前記銅メッキ層の厚さが50〜200μm、前記グラビアセルの深度が5〜150μm、及び前記強化被覆層の厚さが0.1〜10μmであるのが好適である。
本発明の印刷物は、本発明のグラビア製版ロールを用いて製造されることを特徴とする。
前記印刷物としては、被印刷物シートの表面に水性インキ、油性インキ又は相変化インキからなるグラビアインキを印刷により所定のパターンを形成するように配置することによってグラビア印刷される印刷物であって、本発明のグラビア製版ロールを用いて前記グラビアインキの印刷を行うようにした印刷物が好適である。
本発明のマイクロレンズは、シート状基材の表面にマイクロレンズ形成用インキを印刷により所定間隔を保って突条状に配置することによって製造されるマイクロレンズであって、本発明のグラビア製版ロールを用いて前記マイクロレンズ形成用インキの印刷を行うようにしたことを特徴とする。
本発明の壁紙は、壁紙基材の表面に壁紙用インキを印刷により所定のパターンを形成するように配置することによって製造される壁紙であって、本発明のグラビア製版ロールを用いて前記壁紙用インキの印刷を行うようにしたことを特徴とする。
本発明の電磁波シールドシートは、電磁波シールド基材の表面に導電性ペーストを印刷により所定パターンの電磁波シールド層を形成するように配置することによって製造される電磁波シールドシートであって、本発明のグラビア製版ロールを用いて前記導電性ペーストの印刷を行うようにしたことを特徴とする。
本発明のカラーフィルタは、カラーフィルタ基材の表面にカラーフィルタインキを印刷により所定パターンのカラーフィルタ層を形成するように配置することによって製造されるカラーフィルタであって、本発明のグラビア製版ロールを用いて前記カラーフィルタインキの印刷を行うようにしたことを特徴とする。
本発明の偏光板は、偏光板基材の表面に偏光インキを印刷により所定パターンの偏光層を形成するように配置することによって製造される偏光板であって、本発明のグラビア製版ロールを用いて前記偏光インキの印刷を行うようにしたことを特徴とする。
本発明のセラミックコンデンサは、セラミック基材上に導電性ペーストを印刷により内部電極を形成するように配置することによって製造されるセラミックコンデンサであって、本発明のグラビア製版ロールを用いて前記導電性ペーストの印刷を行うようにしたことを特徴とする。
本発明の電子ペーパーは、基材フィルム上に磁性粉を含有するマイクロカプセル化セルをバインダーを介して塗布することにより所定のパターンを形成するように配置することによって製造される電子ペーパーであって、本発明のグラビア製版ロールを用いて前記マイクロカプセル化セルを塗布するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、エッチングを用いることなくシャープな形状のグラビアセルを形成することができ、版母材にゴムロール等のクッション性を有するものを使用すれば、印刷版にクッション性を持たせることができ、硬質な被印刷物に対してブランケットロールを用いないダイレクトなグラビア印刷が可能であり、液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷したり、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印刷するのに好適であり、また、段ボール印刷等、粗面に対する印刷も良好にできる。さらに、本発明のグラビア製版ロールを用いることによって、印刷物、マイクロレンズ、壁紙、電磁波シールドシート、カラーフィルタ、偏光板、コンデンサー、電子ペーパー等の製造において、インキ材料や塗布材料の微細転写や微細転移が容易となり、性能に優れた最終製品を得ることが可能となる。
特に、前述した第1及び第2の態様のネガ型感光性組成物は、露光前のバーニング及びオーバーコートが不要であり、優れた感度、密着性及び保存安定性を有するものであり、このネガ型感光性組成物を用いてフォトリソグラフィを利用して形成された本発明のグラビアセルはグラビア印刷に対応しうる実用性のあるシャープなグラビアセル形状を有するという著大な効果を有する。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これら実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
図1は本発明のグラビア製版ロールの製造方法の工程の一例を模式的に示す説明図で、(a)はゴム又はクッション性を有する樹脂からなるクッション層を表面に形成した中空ロール(版母材)の全体断面図、(b)はクッション層の表面に銅メッキ層を形成した状態を示す部分拡大断面図、(c)は銅メッキ層の表面にネガ型感光性組成物層を形成した状態を示す部分拡大断面図、(d)はネガ型感光性組成物層の表面にマスクを設けた状態を示す部分拡大断面図、(e)は露光によって露光部分を現像液に対する不溶化露光部分とし現像液によって未露光部分を銅メッキ層面まで溶解除去し非グラビアセル部分を形成した状態を示す部分拡大断面図、(f)は金属メッキによって非グラビアセル部分に金属メッキ層を形成した状態を示す部分拡大断面図、(g)は不溶化露光部分を剥離除去して銅メッキ層を露出しグラビアセルを形成した状態を示す部分拡大断面図、(h)は銅メッキ層及び金属メッキ層の表面に強化被覆層を形成した状態を示す部分拡大断面図である。図2は図1に示した製造方法の工程順を示すフローチャートである。図3はクッション層を有しない中空ロール(版母材)を用いるグラビア製版ロールの製造方法の工程の一例を示す図1と同様の図面である。
まず、版母材を準備する(図1(a)及び図2のステップ100)。図1において、符号10は版母材であり、中空ロール11aの表面にクッション層11bを設けたものが用いられる。該クッション層11bは、ゴム又はクッション性を有する樹脂からなり、1mm〜10cm程度の均一な厚さで表面の平滑度が高いシート状のものを、継ぎ目に隙間が開かないように中空ロール11aに巻付け強固に接着し、その後精密円筒研削、鏡面研磨される。前記中空ロール11aが、アルミニウム、鉄等の金属製又は炭素繊維強化樹脂(CFRP)製であることが好ましい。
なお、この実施の形態では、版母材10として、クッション層11bを備えた版母材の場合について説明したが、後述する図3に示すように、クッション層11bのない通常の版母材(図3の10)に対しても、本発明は適用可能なものである。
次に、クッション層11bの表面に銅メッキ層13を形成する(図1(b)及び図2のステップ102)。前記銅メッキ層の形成方法は特に制限はなく、公知のメッキ方法を採用することができる。銅メッキ層の膜厚は特に制限はないが、50〜200μmであることが好ましい。
本発明は、エッチングを用いることなく、リソグラフィ法を用いて前記銅メッキ層13の表面に金属メッキ層のグラビアセル壁体を有するグラビアセルを形成するものである。具体的には、前記銅メッキ層の表面に感光性組成物層を形成した後、該感光性組成物層のグラビアセル形成部分を残し、非グラビアセル形成部分の感光性組成物層を除去して、感光性組成物層の表面に非グラビアセル凹部を形成する。その後、該非グラビアセル凹部に金属メッキ層を形成した後、前記グラビアセル形成部分の感光性組成物層を除去してグラビアセル凹部を形成する。
前記感光性組成物層は、感光性組成物を用いて形成される。該感光性組成物としては、ネガ型及びポジ型のいずれでも使用可能であるが、ネガ型感光性組成物を用いることが好ましい。
以下、ネガ型感光性組成物を用いることによる本発明におけるグラビアセルの形成工程をさらに説明する。
まず、前記銅メッキ層13の表面にネガ型感光性組成物からなる感光性組成物層12を形成する(図1(c)及び図2のステップ104)。
前記ネガ型感光性組成物は特に制限はなく、公知のネガ型感光性組成物を用いることができるが、後述する第1及び第2の態様のネガ型感光性組成物を用いることが好適である。
前記ネガ型感光性組成物の第1の態様として、(A)カルボキシル基を有し且つエチレン性不飽和結合を有するポリマーと、(B)近赤外線吸収色素と、(C)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーと、(D)アミノアルコール、アミノアルコールの誘導体及び環状アミンからなる群から選択される1種以上のアミン類と、(E)有機ホウ素化合物と、(F)下記式(1)で示されるスルホニル化合物と、を含有する組成を採用することが好適である。
Figure 2009090660
[式(1)中、Qはアリール基又はヘテロ環基を示し、X〜Xは各々独立してハロゲン原子を示す]
前記ポリマー(A)としては、カルボキシル基及びエチレン性不飽和結合を有するポリマーであれば特に限定されないが、例えば、カルボキシル基を有する不飽和化合物を単量体単位として有する(共)重合体を、エチレン性不飽和結合を有する化合物と反応させることにより得られるポリマーが好適に用いられる。前記ポリマー(A)は、カルボキシル基を酸価が30〜500、特に、200〜250になるように含むことが好ましい。重量平均分子量としては1,500〜100,000が好適で好ましく、6,000〜50,000前後のものが更に好ましい。
前記カルボキシル基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、及びそれらの誘導体等が好ましく、これらを単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
カルボキシル基を有する不飽和化合物を単量体単位として有する(共)重合体は、単量体単位として、前記カルボキシル基を有する不飽和化合物以外の他の不飽和化合物を併用してもよい。該他の不飽和化合物としては、不飽和二重結合を有する化合物が好ましく、スチレン、α−メチルスチレン、m又はp−メトキシスチレン、p−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ−スチレン等のスチレン系単量体や、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。これらを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、不飽和アルコール(例えば、アリルアルコール、2−ブテン−1−2−オール、フルフリルアルコール、オレイルアルコール、シンナミルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド等),アルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート等),オキシラン環及びエチレン性不飽和結合をそれぞれ1個有するエポキシ化合物(例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルグリシジルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等)等が好適な例として挙げられる。
また、上記ポリマー(A)として、不飽和アルコールによりエチレン性不飽和結合を導入されたものに、さらにエチレン性不飽和結合濃度を大きくするために、前記したオキシラン環及びエチレン性不飽和結合をそれぞれ1個有するエポキシ化合物を反応させ、さらにエチレン性不飽和結合濃度を大きくしたものを用いてもよい。
前記ネガ型感光性組成物の第1の態様における前記ポリマー(A)の含有割合は、特に限定されないが、組成物の固形分総量に対して、45〜65重量%であるのが好ましく、50〜60重量%であるのが更に好ましい。前記ポリマー(A)は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記(B)近赤外線吸収色素としては、波長700〜1,100nmの赤外線領域の一部又は全部に吸収帯を有する有機又は無機の色素が挙げられ、前記波長域の光を効率良く吸収し、且つ紫外線領域の光は殆ど吸収しないか又は吸収しても実質的に感応しない光吸収色素が好ましく、下記一般式(4)で示される化合物及びその誘導体、下記式(5)で示されるポリメチン系化合物(例えば、特開2001−64255号及びWO2005/049736号等参照)等がより好適に用いられる。
Figure 2009090660
[前記一般式(4)において、R〜Rは各々独立して、水素原子、アルコキシル基、又は3級アミノ基であり、メトキシ基、−N(CH、又は−N(Cが好ましい。Xは対アニオンを示し、XとしてはC−B(C、p−CHSO、又はCFSO等が好ましい。]
Figure 2009090660
[前記一般式(5)において、Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を示し、水素原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアルコキシ基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、総炭素数2〜8のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のスルホアルキル基、又は総炭素数2〜9のカルボキシアルキル基が好ましい。R及びRはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示し、メチル基が好ましく、またRとRは互いに連結して環状構造を形成してもよく、シクロペンタン環又はシクロヘキサン環を形成していることが好ましい。Yは水素原子、置換基を有してもよいアルコキシ基又は置換基を有してもよいアルキル基を示し、水素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。Yは水素原子、ハロゲン原子又は置換アルキル基を示し、H、Cl、Br又はジフェニルアミノ基が好ましい。Zは電荷中和イオンを示し、Cl、Br、I、ClO 、BF 、CFCO 、PF 、SbF 、CHSO 又はp−トルエンスルホネート、Na、K、トリエチルアンモニウムイオンが好ましい。]
また、他の光吸収色素としては、例えば、特開平11−231515号公報に記載されているような窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等を含む複素環等がポリメチン(−CH=)nで結合された、広義の所謂シアニン系色素が代表的なものとして挙げられ、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、シアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、イミノシクロヘキサジエン系(所謂、ポリメチン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、イミノシクロヘキサジエン系、ピリリウム系、又はチアピリリウム系が好ましい。特に、フタロシアニンやシアニンが好ましい。
前記ネガ型感光性組成物の第1の態様における近赤外線吸収色素(B)の含有割合は、特に限定されないが、組成物の固形分総量に対して、0.2〜4.0重量%であるのが好ましく、0.4〜3.0重量%であるのが更に好ましい。前記近赤外線吸収色素(B)は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記(C)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーとしては、エチレン性不飽和結合を分子中に1個以上有する化合物であれば特に制限はないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のイミド基又はマレイミド基を有する(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、レゾルシノールジ(メタ)アクリレート、p,p’−ジヒドロキシジフェニルジ(メタ)アクリレート、スピログリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ウレタン系ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記ネガ型感光性組成物の第1の態様におけるモノマー(C)の含有割合は、特に限定されないが、組成物の固形分総量に対して、25〜46重量%であるのが好ましく、30〜40重量%であるのが更に好ましい。前記モノマー(C)は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記(D)アミン類における前記アミノアルコールとしては、1分子中にアミノ基とアルコール性の水酸基とを有する有機化合物が使用可能であり、例えば、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等が好適な例として挙げられる。
前記(D)アミン類における前記アミノアルコールの誘導体としては、アミノアルコールのエステルや塩が好ましく、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルがより好ましい。
前記(D)アミン類における前記環状アミンとしては、環の内外にアミン性窒素を有する化合物であれば特に制限はないが、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン及びモルホリノエチルメタクリレート等のモルホリノ基含有化化合物や、ピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン及び2−メチルピペラジン等のピペラジン環を有する化合物(ピペラジン系化合物)が好ましい。
前記ネガ型感光性組成物の第1の態様における前記アミン類(D)の含有割合は、特に限定されないが、組成物の固形分総量に対して、0.3〜5.0重量%であるのが好ましく、0.5〜4.0重量%であるのが更に好ましい。前記アミン類(D)は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記(E)有機ホウ素化合物としては、例えば、4級ホウ素アニオンのアンモニウム塩の構造を有するものが好ましく、具体的には、下記一般式(6)で示される構造を有する化合物が好適である。
Figure 2009090660
[前記一般式(6)において、R10は、1価の有機基であり、アルキル基が好ましく、n−ブチル基がより好ましい。R11〜R13は各々独立して1価の有機基であり、アリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、アルキルフェニル基がより好ましい。R14〜R17は各々独立して1価の有機基であり、アルキル基が好ましい。]
また、前記一般式(6)で示される化合物として、下記式(7)で示される化合物が好適に用いられる。
Figure 2009090660
前記ネガ型感光性組成物の第1の態様における有機ホウ素化合物(E)の含有割合は、特に限定されないが、組成物の固形分総量に対して、0.3〜4.0重量%であるのが好ましく、0.5〜3.0重量%であるのが更に好ましい。前記有機ホウ素化合物(E)は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(F)前記式(1)で示されるスルホニル化合物において、Qはアリール基又はヘテロ環基であり、アリール基は単環のアリール基及び多環のアリール基のいずれでもよく、また置換されていてもよい。前記アリール基としては、例えば、置換又は非置換のベンゼン環、置換又は非置換のナフタレン環が挙げられ、フェニレン基が好ましい。
前記ヘテロ環基は単環又は多環のヘテロ環基であり、芳香族のヘテロ環基が好ましく、他のアリール基と縮環していてもよい。前記ヘテロ環基としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、キノリン環、イソキノリン環、ベンズイミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環等が挙げられ、ピリジン環がより好ましい。
前記スルホニル化合物(F)としては、具体的には、トリブロモメチルフェニルスルホン又は2−[(トリブロモメチル)スルホニル]ピリジンがより好ましい。
前記ネガ型感光性組成物の第1の態様におけるスルホニル化合物(F)の含有割合は、特に限定されないが、組成物の固形分総量に対して、0.1〜5.0重量%であるのが好ましく、0.3〜4.0重量%であるのが更に好ましい。前記スルホニル化合物(F)は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記ネガ型感光性組成物の第1の態様は、(J)シランカップリング剤をさらに含有することが好ましい。前記(J)シランカップリング剤を添加することにより、密着性を向上させることができる。前記(J)シランカップリング剤としては、反応性官能基を有するアルコキシシラン化合物が好ましく、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するアルコキシシラン化合物、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を含有するアルコキシシラン化合物、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するアルコキシシラン化合物、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン及び3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシ基を有するアルコキシシラン化合物、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノ基を有するアルコキシシラン化合物、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基を有するアルコキシシラン化合物、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロプロピル基を有するアルコキシシラン化合物、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するアルコキシシラン化合物、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド基を有するアルコキシシラン化合物、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するアルコキシシラン化合物、イミダゾールシラン等のイミダゾール基を有するアルコキシシラン化合物が挙げられ、特に、イミダゾール基を有するアルコキシシラン化合部が、ニッケルやステンレス等の鏡面基材に対する密着性をより向上させることができ好ましい。
前記ネガ型感光性組成物の第1の態様におけるシランカップリング剤(J)の含有割合は、特に限定されないが、組成物の固形分総量に対して、0〜3.0重量%であるのが好ましく、0.3〜2.0重量%であるのが更に好ましい。前記シランカップリング剤(J)は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記ネガ型感光性組成物は、(K)重合禁止剤をさらに含むことが好適である。重合禁止剤としては、エチレン性不飽和結合含有基の重合を抑制しうる化合物であればよいが、例えば、ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ハイドロキノン等のハイドロキノン系化合物;4−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール類;フェノチアジン及びフェノチアジン誘導体等のフェノチアジン系化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸塩;N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等のニトロソ系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2(4−モルフォリニルジチオ)ベンゾチアゾール等のチアゾール系化合物が挙げられ、チアゾール系化合物がより好ましい。
前記ネガ型感光性組成物の第1の態様における重合禁止剤(K)の含有割合は、特に限定されないが、組成物の固形分総量に対して、0.1〜7重量%であるのが好ましく、0.1〜5重量%であるのが更に好ましい。前記重合禁止剤(K)は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、本発明で用いられる前記ネガ型感光性組成物の第2の態様として、(A)カルボキシル基を有し且つエチレン性不飽和結合を有するポリマーと、(B)近赤外線吸収色素と、(C)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーと、(G)2−メルカプトベンゾオキサゾール及び/又は2−メルカプトオキサゾールと、(H)下記式(2)で示されるジフェニルヨードニウム塩と、を含有する組成を採用することが好適である。
Figure 2009090660
前記ネガ型感光性組成物の第2の態様における、(A)カルボキシル基を有し且つエチレン性不飽和結合を有するポリマー、(B)近赤外線吸収色素、及び(C)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーは、前記第1の態様のネガ型感光性組成物と同様の成分であり、これら成分の具体例や含有割合については前述した内容と同様であるので再度の説明は省略する。
前記成分(G)は、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトオキサゾール、又は両者の併用であり、連鎖移動剤として用いられる。前記ネガ型感光性組成物の第2の態様における成分(G)の含有割合は、特に限定されないが、組成物の固形分総量に対して、0.5〜20重量%であるのが好ましく、3〜15重量%であるのが更に好ましい。
前記成分(H)は、前記式(2)で示されるジフェニルヨードニウム塩であり、光開始剤として用いられる。前記ネガ型感光性組成物の第2の態様における成分(H)の含有割合は、特に限定されないが、組成物の固形分総量に対して、0.5〜20.0重量%であるのが好ましく、4.0〜15.0重量%であるのが更に好ましい。
前記ネガ型感光性組成物の第2の態様は、(I)下記一般式(3)で示されるトリアジン化合物をさらに含有することが好ましい。
Figure 2009090660
前記一般式(3)において、Rはビニル基又はビニル基を含む1価の有機基であり、ビニル基又は(メタ)アクリロイルオキシアルキル基が好ましい。前記(I)トリアジン化合物としては、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン及び/又は2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン等が好適な例として挙げられる。
前記ネガ型感光性組成物の第2の態様における成分(I)の含有割合は、特に限定されないが、組成物の固形分総量に対して、0.1〜5.0重量%であるのが好ましく、0.2〜4.0重量%であるのが更に好ましい。前記(I)トリアジン化合物は単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記ネガ型感光性組成物の第2の態様において、前記ネガ型感光性組成物の第1の態様における成分である(D)アミノアルコール、アミノアルコールの誘導体及び環状アミンからなる群から選択される1種以上のアミン類をさらに含有することが好適である。このアミン類の具体例や含有割合については前述した内容と同様であるので再度の説明は省略する。
前記ネガ型感光性組成物の第2の態様において、前記ネガ型感光性組成物の第1の態様の場合と同様に(J)シランカップリング剤をさらに含有するのが好ましい。このシランカップリング剤の具体例や含有割合については前述した内容と同様であるので再度の説明は省略する。
前記ネガ型感光性組成物の第2の態様において、前記ネガ型感光性組成物の第1の態様の場合と同様に(K)重合禁止剤をさらに含有するのが好ましい。この重合禁止剤の具体例や含有割合については前述した内容と同様であるので再度の説明は省略する。
前記ネガ型感光性組成物(第1及び第2の態様を含めて)は、上記した成分に加えて、必要に応じて、顔料又は染料等の着色剤、増感剤、現像促進剤、密着性改質剤、塗布性改良剤、表面調整剤等の各種添加剤を配合してもよい。
現像促進剤は、例えば、ジカルボン酸又はアミン類又はグリコール類を微量添加することが好ましい。
前記着色剤は特に限定されないが、トリアリールメタン系染料が好ましい。該トリアリールメタン系染料としては、従来公知のトリアリールメタン系の着色染料を広く使用できるが、具体的には、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ビクトリアブルーB、オイルブルー613(オリエント化学工業(株)製の商品名)及びこれらの誘導体が好ましい。これらトリアリールメタン系色素は単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
着色染料を用いることにより、現像によりパターンができた際に感光膜の表面のピンホール、ゴミ等がはっきり認識でき修正液(オペーク)で塗込み作業がし易いという効果がある。染料の濃度が高いほど見やすく好ましい。なお、半導体産業では修正出来ないため、クリーンルームで製造を行っているが、印刷業界、電子部品関連では失敗品を再生させるため、修正を行う。
前記ネガ型感光性組成物は、通常、溶媒に溶解した溶液(感光液)として使用される。溶媒の使用割合は、感光性組成物の固形分総量に対して、通常、重量比で1〜20倍程度の範囲である。
溶媒としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はなく、セロソルブ系溶媒、プロピレングリコール系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、高極性溶媒を使用できる。セロソルブ系溶媒としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等が挙げられる。プロピレングリコール系溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。エステル系溶媒としては、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等が挙げられる。アルコール系溶媒としては、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等が挙げられる。高極性溶媒としては、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒やジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。その他、酢酸、あるいはこれらの混合溶媒、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。
ネガ型感光性組成物を感光液として用いたネガ型感光性組成物層の形成方法の一例を以下に説明する。
まず、前記銅メッキ層13の表面に感光液を塗布する。塗布方法としては、メニスカスコート、ファウンティンコート、ディップコート、回転塗布、ロール塗布、ワイヤーバー塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。
この感光液の塗布膜の膜厚は、所望のネガ型感光性組成物層12の膜厚に応じて適宜設定すればよいが、ドライ膜厚で1〜10μmの範囲とすることが好ましく、3〜7μmとするのがより好ましい。塗布膜の厚さは、ピンホールを無くすためには、膜は厚い方が良いが、薄い方が感光液の使用量が少ない分コストは安くなる利点がある。
次に、塗布した感光液を乾燥し、ネガ型感光膜からなる感光性組成物層12を形成する(図2のステップ106)。乾燥方法は特に制限はないが、感光液を銅メッキ層の表面に塗布し自然乾燥した後、高速回転して銅メッキ層の表面で風を切り感光膜内における遠心力による質量作用と表面近傍が若干の負圧状態になることで溶剤残留濃度を6%以下に低減することが好適である。この乾燥に要する時間は膜厚にもよるが、タッチドライまで15分程度であり、乾燥終了までは15〜20分程度である。前述した第1及び第2の態様のネガ型感光性組成物により形成されるネガ型感光膜は、露光前のバーニング処理(加熱処理)を行なわなくても十分な密着性を発揮するという効果を奏する。
前記形成されたネガ型の感光性組成物層12の表面に、グラビア画像であるマスク画像を有するマスク15を積層し又は密着して重ね、マスク15を介して光線(紫外線等)20を照射して露光する(図1(d)及び図2のステップ108)。該露光処理により、ネガ型の感光性組成物層12の必要な部分に光反応を生じさせ、現像液に対して露光部分を不溶化する。
前記マスク15としては、カーボン含有ポリマーよりなる黒色コート剤、又は、ネガチブのフォトクロミック剤をコーティングにより成膜してなるものが好適である。前記ネガチブのフォトクロミック剤とは、有色のときに紫外線遮蔽性を有しレーザ照射により透明になる有機フォトクロミック分子単独、又は有機フォトクロミック分子と高分子との相溶体であり、半導体レーザによる焼付けが良好にでき省エネルギーが図れる。
感光性組成物層を画像露光する光源としては、波長700〜1,100nmの赤外レーザー光線を発生する半導体レーザーやYAGレーザーが好ましく、例えば、波長830nm、強度220mJ/cmの半導体レーザー20を用いることが好適である。他に、ルビーレーザー、LED等の固体レーザーを用いることが出来る。レーザー光源の光強度としては、2.0×10mJ/s・cm以上とすることが好ましく、1.0×10mJ/s・cm以上とすることが特に好ましい。
上記露光後の感光性組成物層に対して、現像前にバーニング処理(加熱処理)を行なっても良い。バーニング処理を行なうことにより、より密着性を高めることができる。バーニング処理を行なう場合、処理条件は特に制限はないが、過熱水蒸気を用いて所定時間加熱処理することが好ましい。過熱水蒸気の温度は100℃以上、好ましくは100℃を越え300℃以下、より好ましくは105℃以上200℃以下が好適である。加熱時間は過熱水蒸気の温度によって変動するが、5分から1時間程度で十分である。また、複数回バーニング処理を行なってもよい。
続いて、この露光した感光性組成物層12上のマスク15を除いた後、現像し、未露光部分を銅メッキ層13まで溶解除去する(図2のステップ110)。この現像処理により、未露光部分が溶解除去されて凹部状の非グラビアセル部分12bとなり、光反応した不溶化露光部分12aのみを残した状態となる。
現像は、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等により、通常、15〜45℃程度の温度、好ましくは22〜32℃で行なう。
該現像に用いられる現像液としては、無機アルカリ(例えば、Na、Kの塩等)、又は有機アルカリ(例えば、TMAH(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)、又はコリン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等)などの無機又は有機のアルカリからなる現像剤が好ましい。例えば、トリエタノールアミン0.8%液等の現像液を用いて、20℃〜30℃の温度で60〜90秒程度現像を行うことが好適である。
この現像処理された銅メッキ層13表面をスプレー水洗等で20秒〜1分程度水洗し未露光部分を完全に除去し、未露光部分12bに対応する銅メッキ層13の面を露出させる(図1(e)及び図2のステップ112)。
続いて、露出した銅メッキ層13の面、即ち凹部状の非グラビアセル部分12bに金属メッキ処理を施して金属メッキ層16を形成する[図1(f)]。好適な金属メッキとしてはニッケルメッキ、クロムメッキ及び銅メッキ等を挙げることができる。本発明においては、金属メッキ層でグラビアセルの壁体が形成されるため、グラビアセルの深さに応じた厚みの金属メッキ層を形成する。
グラビアセルの深さは特に制限はなく、版の使用目的に対応して適宜選択すればよいが、グラビアセルの深度が5〜150μmであることが好ましい。例えば、段ボール印刷等ではグラビアセルの深さを1ミリ以上とすることがある。また、例えば、液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷するには、インキ膜厚が均一になるようにするため、グラビアセルを均一な5〜6μmの深さに形成する必要がある。コンパクトディスク等も極めて薄いインキ膜厚となるのが良いので、セルの深さを数μmとする。
次に、前記不溶化露光部分12aをKOH水溶液及びNaOH水溶液等のアルカリ水溶液(濃度は5wt%程度で十分である)を用いて剥離除去する。この不溶化露光部分12aの除去によってグラビアセル14が形成される(図1(g)及び図2のステップ116)。
ついで、表面にグラビアセル14が形成された銅メッキ層13及び金属メッキ層16の表面に強化被覆層18を形成する(図1(h)及び図2のステップ118)。これによって、グラビア製版ロール(グラビア版)が完成する。
前記強化被覆層18としてはDLC層、二酸化珪素被膜又はクロムめっき層を適用することができる。
前記DLC層はCVD法又はスパッタ法によって好適に形成される。前記DLC層の厚さは0.1〜10μmを適用することができる。
また、前記クロムメッキ層は常法により形成することができる。前記クロムメッキ層の厚さは0.1〜10μm程度が好適である。
前記二酸化珪素被膜はペルヒドロポリシラザン溶液を用いて形成するのが好適である。前記ペルヒドロポリシラザン溶液を用いて二酸化珪素被膜を形成する方法としては、前記感光性組成物層の表面にペルヒドロポリシラザン溶液を塗布し所定の膜厚の塗布膜を形成する塗布膜形成工程と、前記塗布されたペルヒドロポリシラザン塗布膜を過熱水蒸気によって所定の条件で加熱処理して所定の硬度の二酸化珪素被膜を前記感光性組成物層の表面に形成する工程と、を含むことが好ましい。
ペルヒドロポリシラザンを溶解する溶剤としては公知のものを用いればよいが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エーテル、THF、塩化メチレン、四塩化炭素、アニソール、デカリン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、ソルベッソ、デカヒドロナフタリン、メチルターシャリーブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、エチルシクロヘキサン、リモネン、ヘキサン、オクタン、ノナン,デカン、C8−C11アルカン混合物、C18−C11芳香族炭化水素混合物、C8以上の芳香族炭化水素を5重量%以上25重量%以下含有する脂肪族/脂環式炭化水素混合物、及びジブチルエーテルなどを用いることができる。
上記した各種溶剤に溶解されて作製されるペルヒドロポリシラザン溶液は、そのままでも過熱水蒸気による加熱処理によって二酸化珪素へ転化するが、反応速度の増加、反応時間の短縮、反応温度の低下、形成される二酸化珪素被膜の密着性の向上等を図る目的で触媒を用いるのが好ましい。これらの触媒も公知であり、例えばアミンやパラジウムが用いられるが、具体的には、有機アミン、例えばC1−5のアルキル基が1−3個配置された第1−第3級の直鎖状脂肪族アミン、フェニル基が1−3個配置された第1−第3級の芳香族アミン、ピリジン又はこれにメチル、エチル基等のアルキル基が核置換された環状脂肪族アミン等が挙げられ、さらに好ましいものとして、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノブチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン等を挙げることができる。これらの触媒はペルヒドロポリシラザン溶液に予め添加しておいてもよく、また過熱水蒸気による加熱処理の際の処理雰囲気中に気化状態で含有させることもできる。
ペルヒドロポリシラザン溶液の塗布層の形成方法としては、ペルヒドロポリシラザン溶液をスプレーコート方式やインクジェット方式で塗布すればよい。
続いて、前記ペルヒドロポリシラザン塗布層に対して過熱水蒸気による熱処理を行うことにより二酸化珪素被膜とする。前記過熱水蒸気の温度は100〜300℃が用いられるが、中空ロールの材質がアルミニウムの場合には200℃を超える加熱は中空ロールの劣化を招くため、高い硬度の二酸化珪素被膜の形成は100〜200℃が好適である。
前記加熱処理としては、第1次及び第2次加熱処理を含む複数段の加熱処理とするのがより好ましく、第1次加熱処理の条件を100℃〜170℃、1分〜30分、及び第2次加熱処理の条件を140℃〜200℃、1分〜30分とし、第2次加熱処理の温度を第1次加熱処理の温度よりも高く設定するようにした構成を採用するのが好適である。さらに、上記第2次加熱処理の温度を第1次加熱処理の温度よりも5℃以上、好ましくは10℃以上高く設定するのがよい。
前記加熱処理によって形成された二酸化珪素被膜の表面を冷水又は温水で洗浄する工程をさらに設けることによって、得られた二酸化珪素被膜の硬度をさらに向上させることが可能である。
前記二酸化珪素被膜の厚さは0.1〜5μm、好ましくは0.1〜3μm、さらに好ましくは0.1〜1μmであることが好適である。
図1及び図2の例では版母材10として、クッション層11bを備えた版母材の場合について説明したが、クッション層11bのない通常の版母材(図3の10)に対しても、本発明は適用可能なものである。通常の版母材10を用いた場合を図3に示した。図3においては、版母材10においてクッション層11bが設けられていない構成を除いては図1の工程順と全く同様にしてグラビア製版ロールを製造することができるので、再度の説明は省略する。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(製造例1〜6)
表1に示す配合物質及び配合割合(重量部)によりネガ型感光性組成物を調製し、テスト感光液とした。
Figure 2009090660
表1中の各成分は下記の通りである。
ポリマーA1:下記式(8)で示される構造を有するポリマー[酸価(mgKOH/g)=55]
Figure 2009090660
(前記式(8)において、R21はメチル基又はエチル基を示し、lは20〜50、mは15〜25、nは5〜25である。)
ポリマーA2:下記式(9)で示される構造を有するポリマー(酸価65)
Figure 2009090660
[前記式(9)において、R22は水素又は下記式(10)で示される基であり、ポリマー中のR22における水素原子:下記式(10)で示される基の当量比は、0.6:0.4である。mは37〜40である。]
Figure 2009090660
近赤外線吸収色素B1:IR−T(昭和電工(株)製、下記式(11)で示される構造を有する化合物)
Figure 2009090660
近赤外線吸収色素B2:YKR−2100(山本化成(株)製、近赤外線吸収色素)
モノマーC1:DPE−6A(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
アミン類D1:ジメチルアミノエチルアクリレート
アミン類D2:N,N−ジメチルエタノールアミン
アミン類D3:モルホリン
アミン類D4:ピペラジン・6水塩
有機ホウ素化合物E1:P3B(昭和電工(株)製、下記式(12)で示される構造を有する化合物)
Figure 2009090660
有機ホウ素化合物E2:CGI909(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、前記式(7)で示される化合物)
スルホニル化合物F1:α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン
スルホニル化合物F2:2−[(トリブロモメチル)スルホニル]ピリジン
シランカップリング剤J1:イミダゾールシラン[(株)日鉱マテリアルズ製]
重合禁止剤K1:クペロン(和光純薬工業(株)製、商品名Q−1300)
重合禁止剤K2:2−メルカプトベンゾチアゾール
着色色素:オイルブルー613(オリエント化学工業(株)製、Color Index(C.I.)No. 42595)
表面調整剤:BYK−378(3%溶液、ビックケミー社製、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン)
PM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
MeOH:メタノール
IPA:イソプロピルアルコール
MEK:メチルエチルケトン
(製造例7〜9)
表2に示す配合物質及び配合割合(重量部)によりネガ型感光性組成物を調製し、テスト感光液とした。
Figure 2009090660
表2中の各成分は下記の通りである。
ポリマーA3:下記式(13)で示される構造を有するポリマー[酸価(mgKOH/g)=97、分子量Mw=17000,Mn=9200]
Figure 2009090660
[前記式(13)において、R23はメチル基又はエチル基を示し、mは15〜60、nは40〜85である。]
イルガキュア(イルガキュアはチバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッドの登録商標)250:チバ・ジャパン(株)製の光開始剤、前記式(2)で示される化合物。
トリアジン化合物I1:キュアゾール(キュアゾールは四国化成工業(株)の登録商標)VT(四国化成工業(株)製、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン)
トリアジン化合物I2:キュアゾール(キュアゾールは四国化成工業(株)の登録商標)MAVT(四国化成工業(株)製、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン)
重合禁止剤K3:MNT(4−メトキシナフトール)
なお、近赤外線吸収色素B2、モノマーC1、着色色素、表面調整剤、PM、MeOH、IPA及びMEKは表1と同じである。
(製造例10)
表3に示す配合物質及び配合割合(重量部)によりネガ型感光性組成物を調製し、テスト感光液とした。
Figure 2009090660
表3中の各成分は表1と同じである。
(実施例1)
製造例1で得られたテスト感光液を用いて下記の実験を行った。
まず、円周600mm、面長1100mmの鉄製中空ロールの表面に厚さ5cmの合成ゴムシートを巻きつけ強固に接着して研磨機を用いて円筒研削及び鏡面研磨してその表面を均一な研磨面とし、クッション層を有する被製版ロールを形成した。
この被製版ロールをメッキ槽に装着し、陽極室をコンピュータシステムによる自動スライド装置で20mmまで被製版ロールに近接させ、メッキ液をオーバーフローさせ、被製版ロールを全没させて18A/dm2、6.0Vで80μmの銅メッキ層を形成した。メッキ時間は20分、メッキ表面はブツやピットの発生がなく、均一な銅メッキ層を得た。
上記被製版ロールを、ファウンテンコーティング装置(除湿装置と加湿装置が付設されていて湿度を所望にコントロールできる装置)で両端チャックして25r.p.mで回転し、ワイピングクロスで十分に拭浄した。なお、該ファウンテンコーティング装置は、ネガ型感光性組成物中の溶剤がコーティング中に蒸発して溶剤の割合が徐々にシリンダーが回転しながらレベリングするのに適している。
その後、上端からテスト感光液が涌き出るパイプを被製版ロールの一端に約500μmのギャップを有するように位置させ、テスト感光液をコーティングに必要な量だけ湧き出させるようにして、該パイプを被製版ロールの一端から他端まで移動してスパイラルスキャン方式でテスト感光液を5μmの厚さに均一に塗布し、塗布終了から8分間25r.p.mで回転を続行した後タッチドライ(塗膜のベトツキのない状態)になり回転停止した。
5分間待って、液垂れについて観察したところ、肉眼で液垂れが生じたことが観察できなかった。そして、膜厚測定をしたところ、ロールの下面部分と上面部分とで差異はなかった。もって、液垂れが生じなく状態に乾固した感光膜をセットできたことを確認した。
引き続いて、被製版ロールを100r.p.mで20分間回転して停止し、感光膜中の溶剤残留濃度を測定したところ、2%であった。
続いて、被製版ロールをクレオサイテックス社の高出力半導体レーザーヘッドを搭載した露光装置(株式会社シンク・ラボラトリー製)に取付けて感光膜の表面にグラビア画像であるマスク画像を有するマスクを積層し、該被製版ロールに赤外波長域のレーザーを照射してネガ画像を焼き付け、次いで、マスクを除いて被製版ロールを現像装置に取付けて回転して現像槽を上昇させて現像を行い、感光膜の光反応した不溶化露光部分を残し未露光部分を銅メッキ層が露出するように現像液に溶解し、その後水洗した。なお、現像液はトリエタノールアミン0.8%(24℃)を用いた。
この現像処理され不溶化露光部分を残した被製版ロールをスプレー水洗等で20秒〜1分程度水洗し未露光部分を完全に除去した。次いで、不溶化露光部分(レジスト)を残した被製版ロールに対してNiメッキ処理を施して未露光部分が除去された凹部にNiメッキ層を形成した。このNiメッキ処理は8〜10Vで10分処理して前記未露光部分が除去された凹部の高さである5μmのNiメッキ層を形成した。このNiメッキ処理終了後、不溶化露光部分(レジスト)を5%KOH水溶液で剥離除去して凹部(グラビアセル)を形成した。最後に、不溶化露光部分(レジスト)を除去した被製版ロールの表面を水洗した。得られた被製版ロールの銅メッキ層の表面にはグラビアセルの壁体がNiメッキ層であるエッジの綺麗な深度5μmの凹部(グラビアセル)を形成することができた。
このグラビアセルを形成した被製版ロールの銅メッキ層及びNiメッキ層の上面にスパッタリング法によってタングステン層を形成した。スパッタリング条件は次の通りである。
タングステン試料:固体タングステンターゲット、雰囲気:アルゴンガス雰囲気、成膜温度:200〜300℃、成膜時間:60分、成膜厚さ:0.1μm。
次に、タングステン層の上面に炭化タングステン層を形成した。スパッタリング条件は次の通りである。
タングステン試料:固体タングステンターゲット、雰囲気:アルゴンガス雰囲気で炭化水素ガスを徐々に増加、成膜温度:200〜300℃、成膜時間:60分、成膜厚さ:0.1μm。
さらに、炭化タングステン層の上面にスパッタリング法によってダイヤモンドライクカーボン(DLC)被膜を被覆形成した。スパッタリング条件は次の通りである。
DLC試料:固体カーボンターゲット、雰囲気:アルゴンガス雰囲気、成膜温度:200〜300℃、成膜時間:150分、成膜厚さ:1μm。
このようにして、グラビア製版ロール(グラビアシリンダー)を完成した。
続いて、得られたグラビアシリンダーに対して印刷インキとしてシアンインキ(ザーンカップ粘度18秒、サカタインクス社製水性インクスーパーラミピュア藍800PR−5)を適用しOPP(Oriented Polypropylene Film:2軸延伸ポリプロピレンフィルム)を用いて印刷テスト(印刷速度:120m/分)を行った。得られた印刷物は版カブリがなく、50,000mの長さまで印刷できた。パターンの精度は変化がなかった。このグラビア版のハイライト部からシャドウ部のグラデーションは、常法に従って作製した従来のグラビア版と変わらなかったことからインキ転移性は問題ないと判断される。
(実施例2〜9)
テスト感光液として製造例2〜9で得られたテスト感光液を用いた以外は実施例1と同様の手順でグラビアセルを形成したグラビアシリンダーを製造した。このグラビアシリンダーを用いて印刷テストを行ったところ、実施例1と同様に良好な印刷性能を示した。
(実施例10)
テスト感光液として、製造例10で得られたテスト感光液を用い、露光前にバーニング処理を行った以外は実施例1と同様に実験を行った結果、多数の凹部を形成することができたが、実施例1〜9に比べて凹部にムラがあり、凹凸形状の精度が劣っていた。
(実施例11)
実施例1と同様の手順で被製版ロールの銅メッキ層表面にグラビアセルを形成した。次に、グラビアセルが形成された銅メッキ層の表面に二酸化珪素被膜の形成を以下のように行った。ペルヒドロポリシラザンの20%ジブチルエーテル溶液(製品名:アクアミカ(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)の登録商標)NL120A、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製)を、上記感光性組成物層の表面に対してHVLPスプレー塗布を行った。当該感光性組成物層の表面に均一に塗布された塗布膜厚は0.8μmであった。このペルヒドロポリシラザンが塗布されたシリンダーに対して過熱水蒸気を用いて二段階の加熱処理(140℃5分+170℃5分)を施して二酸化珪素被膜を形成した。この被膜はカッターナイフで傷が付かない程度の極めて高い被膜硬度を有していた。このようにして、クッション性を有するグラビアシリンダーを完成した。このグラビアシリンダーを用いて印刷テストを行ったところ、実施例1と同様に良好な印刷性能を示した。
(実施例12)
強化被覆層としてDLC層(タングステン層及び炭化タングステン層を含めて)の替わりに常法によってクロムメッキ層を形成した以外は実施例1と同様の手順でグラビアシリンダーを製造した。このグラビアシリンダーを用いて印刷テストを行ったところ、実施例1と同様に良好な印刷性能を示した。
(実施例13)
Niメッキ層の替わりにCrメッキによって未露光部分が除去された凹部にCrメッキ層を形成した以外は、実施例1と同様にしてグラビア製版ロールを製造して、印刷テストを行ったところ、実施例1と同様に良好な印刷結果が得られた。
また、強化被覆層として、DLC層(タングステン層及び炭化タングステン層を含めて)の替わりに二酸化珪素被膜及びCrメッキ層を使用した場合についても同様のグラビア製版ロールを得ることができた。
(実施例14)
Niメッキ層の替わりにCuメッキによって未露光部分が除去された凹部にCuメッキ層を形成した以外は、実施例1と同様にしてグラビア製版ロールを製造して、印刷テストを行ったところ、実施例1と同様に良好な印刷結果が得られた。
また、強化被覆層として、DLC層(タングステン層及び炭化タングステン層を含めて)の替わりに二酸化珪素被膜及びCrメッキ層を使用した場合についても同様のグラビア製版ロールを得ることができた。
(実施例15)
DLC膜(タングステン層及び炭化タングステン層を含めて)をスパッタリングで形成した替わりにプラズマCVD法によって0.1μmのAl層及び1μmのDLC層を形成した以外は、実施例1と同様にしてグラビア製版ロールを製造して、実施例1と同様の結果が得られることを確認した。
(実施例16)
版母材としてクッション層を具備しない版母材をもちいた以外は、実施例1と同様にしてグラビア製版ロールを作製した。このグラビア製版ロールも良好な印刷性能を示した。
上記した実施形態及び実施例においては感光性組成物(感光液)の好ましい例としてネガ型感光性組成物を用いた例を示したが、本発明の技術思想から逸脱しない限り、ポジ型感光性組成物を用いることもでき、また例示した以外のネガ型感光性組成物を使用できることはいうまでもない。
本発明のグラビア製版ロールの製造方法の工程の一例を模式的に示す説明図で、(a)はゴム又はクッション性を有する樹脂からなるクッション層を表面に形成した中空ロール(版母材)の全体断面図、(b)はクッション層の表面に銅メッキ層を形成した状態を示す部分拡大断面図、(c)は銅メッキ層の表面にネガ型の感光性組成物層を形成した状態を示す部分拡大断面図、(d)は感光性組成物層の表面にマスクを設けた状態を示す部分拡大断面図、(e)は露光によって露光部分を現像液に対する不溶化露光部分とし現像液によって未露光部分を銅メッキ層面まで溶解除去し非グラビアセル部分を形成した状態を示す部分拡大断面図、(f)は金属メッキによって非グラビアセル部分に金属メッキ層を形成した状態を示す部分拡大断面図、(g)は不溶化露光部分を剥離除去して銅メッキ層を露出しグラビアセルを形成した状態を示す部分拡大断面図、(h)は銅メッキ層及び金属メッキ層の表面に強化被覆層を形成した状態を示す部分拡大断面図である。 図1に示した製造方法の工程順を示すフローチャートである。 クッション層を有しない中空ロール(版母材)を用いるグラビア製版ロールの製造方法の工程の一例を示す図1と同様の図面である。
符号の説明
10:版母材、10a:グラビア版(グラビア製版ロール)、11a:中空ロール、11b:クッション層、12:感光性組成物層、12a:不溶化露光部分、13:銅メッキ層、14:グラビアセル、15:マスク、16:金属メッキ層、18:強化被覆層、20:光線。

Claims (29)

  1. 版母材を準備する工程と、
    該版母材の表面に銅メッキ層を形成する銅メッキ工程と、
    該銅メッキ層の表面に金属メッキ層のグラビアセル壁体を有するグラビアセルを形成するグラビアセル形成工程と、
    を含むグラビア製版ロールの製造方法であって、
    前記グラビアセル形成工程が、
    前記銅メッキ層の表面に感光性組成物層を形成する工程と、
    該感光性組成物層の表面に非グラビアセル凹部を形成する工程と、
    該非グラビアセル凹部に金属メッキ層を形成する工程と、
    該金属メッキ層の形成工程後、感光性組成物層を除去してグラビアセル凹部を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするグラビア製版ロールの製造方法。
  2. 前記グラビアセル形成工程が、
    前記銅メッキの表面にネガ型感光性組成物からなるネガ型感光性組成物層を形成する工程と、
    該ネガ型感光性組成物層の表面にマスクを介して光線を照射し露光部分を現像液に対して不溶化する露光工程と、
    未露光部分を現像液によって前記銅メッキ層の表面が露出するまで溶解除去する現像工程と、
    前記銅メッキ層の露出部分に金属メッキ層を形成する工程と、
    前記不溶化露光部分を剥離除去することによってグラビアセルを形成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  3. 前記ネガ型感光性組成物が、
    (A)カルボキシル基を有し且つエチレン性不飽和結合を有するポリマーと、
    (B)近赤外線吸収色素と、
    (C)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーと、
    (D)アミノアルコール、アミノアルコールの誘導体及び環状アミンからなる群から選択される1種以上のアミン類と、
    (E)有機ホウ素化合物と、
    (F)下記式(1)で示されるスルホニル化合物と、
    を含有することを特徴とする請求項2記載のグラビア製版ロールの製造方法。
    Figure 2009090660
    [式(1)中、Qはアリール基又はヘテロ環基を示し、X〜Xは各々独立してハロゲン原子を示す]
  4. 前記アミノアルコールの誘導体が、アミノアルコールの(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする請求項3記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  5. 前記環状アミンが、モルホリノ基含有化合物又はピペラジン系化合物であることを特徴とする請求項3記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  6. 前記式(1)で示される化合物(F)が、トリブロモメチルフェニルスルホン又は2−[(トリブロモメチル)スルホニル]ピリジンであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  7. 前記ネガ型感光性組成物が、
    (A)カルボキシル基を有し且つエチレン性不飽和結合を有するポリマーと、
    (B)近赤外線吸収色素と、
    (C)少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有するモノマーと、
    (G)2−メルカプトベンゾオキサゾール及び/又は2−メルカプトオキサゾールと、
    (H)下記式(2)で示されるジフェニルヨードニウム塩と、
    を含有することを特徴とする請求項2記載のグラビア製版ロールの製造方法。
    Figure 2009090660
  8. 前記ネガ型感光性組成物が、(I)下記一般式(3)で示されるトリアジン化合物をさらに含有することを特徴とする請求項7記載のグラビア製版ロールの製造方法。
    Figure 2009090660
    [前記一般式(3)において、Rはビニル基又はビニル基を含む1価の有機基である]
  9. 前記(I)トリアジン化合物が、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン及び/又は2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジンであることを特徴とする請求項8記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  10. 前記ネガ型感光性組成物が、(J)シランカップリング剤をさらに含有することを特徴とする請求項3〜9のいずれか1項記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  11. 前記ネガ型感光性組成物が、(K)重合禁止剤をさらに含有することを特徴とする請求項3〜10のいずれか1項記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  12. 前記金属メッキ層がNi、Cr又はCuメッキ層であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  13. 前記版母材がゴム又はクッション性を有する樹脂からなるクッション層を備えたものであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  14. 前記銅メッキ層及び金属メッキ層表面を被覆する強化被覆層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  15. 前記強化被覆層がDLC層、二酸化珪素被膜又はクロムめっき層であることを特徴とする請求項14記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  16. 前記二酸化珪素被膜をペルヒドロポリシラザン溶液を用いて形成することを特徴とする請求項15記載のグラビア製版ロールの製造方法。
  17. 請求項1〜13のいずれか1項記載の方法により製造されるグラビア製版ロールであって、
    版母材と、
    該版母材の表面に設けられた銅メッキ層と、
    該銅メッキ層の表面に金属メッキ層のグラビアセル壁体を有するように形成されたグラビアセルと、
    を含むことを特徴とするグラビア製版ロール。
  18. 前記銅メッキ層の厚さが50〜200μm、及び前記グラビアセルの深度が5〜150μmであることを特徴とする請求項17記載のグラビア製版ロール。
  19. 請求項14〜16のいずれか1項記載の方法により製造されるグラビア製版ロールであって、
    版母材と、
    該版母材の表面に設けられた銅メッキ層と、
    該銅メッキ層の表面に金属メッキ層のグラビアセル壁体を有するように形成されたグラビアセルと、
    該銅メッキ層及び金属メッキ層表面を被覆する強化被覆層と、
    を含むことを特徴とするグラビア製版ロール。
  20. 前記銅メッキ層の厚さが50〜200μm、前記グラビアセルの深度が5〜150μm、及び前記強化被覆層の厚さが0.1〜10μmであることを特徴とする請求項19記載のグラビア製版ロール。
  21. 請求項17〜20のいずれか1項記載のグラビア製版ロールを用いて製造されることを特徴とする印刷物。
  22. 被印刷物シートの表面に水性インキ、油性インキ又は相変化インキからなるグラビアインキを印刷により所定のパターンを形成するように配置することによってグラビア印刷される印刷物であって、請求項17〜20のいずれか1項記載のグラビア製版ロールを用いて前記グラビアインキの印刷を行うようにしたことを特徴とする請求項21記載の印刷物。
  23. シート状基材の表面にマイクロレンズ形成用インキを印刷により所定間隔を保って突条状に配置することによって製造されるマイクロレンズであって、請求項17〜20のいずれか1項記載のグラビア製版ロールを用いて前記マイクロレンズ形成用インキの印刷を行うようにしたことを特徴とするマイクロレンズ。
  24. 壁紙基材の表面に壁紙用インキを印刷により所定のパターンを形成するように配置することによって製造される壁紙であって、請求項17〜20のいずれか1項記載のグラビア製版ロールを用いて前記壁紙用インキの印刷を行うようにしたことを特徴とする壁紙。
  25. 電磁波シールド基材の表面に導電性ペーストを印刷により所定パターンの電磁波シールド層を形成するように配置することによって製造される電磁波シールドシートであって、請求項17〜20のいずれか1項記載のグラビア製版ロールを用いて前記導電性ペーストの印刷を行うようにしたことを特徴とする電磁波シールドシート。
  26. カラーフィルタ基材の表面にカラーフィルタインキを印刷により所定パターンのカラーフィルタ層を形成するように配置することによって製造されるカラーフィルタであって、請求項17〜20のいずれか1項記載のグラビア製版ロールを用いて前記カラーフィルタインキの印刷を行うようにしたことを特徴とするカラーフィルタ。
  27. 偏光板基材の表面に偏光インキを印刷により所定パターンの偏光層を形成するように配置することによって製造される偏光板であって、請求項17〜20のいずれか1項記載のグラビア製版ロールを用いて前記偏光インキの印刷を行うようにしたことを特徴とする偏光板。
  28. セラミック基材上に導電性ペーストを印刷により内部電極を形成するように配置することによって製造されるセラミックコンデンサであって、請求項17〜20のいずれか1項記載のグラビア製版ロールを用いて前記導電性ペーストの印刷を行うようにしたことを特徴とするセラミックコンデンサ。
  29. 基材フィルム上に磁性粉を含有するマイクロカプセル化セルをバインダーを介して塗布することにより所定のパターンを形成するように配置することによって製造される電子ペーパーであって、請求項17〜20のいずれか1項記載のグラビア製版ロールを用いて前記マイクロカプセル化セルを塗布するようにしたことを特徴とする電子ペーパー。
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