JP2009090611A - 制電性樹脂板及び制電性樹脂対を製造するための転写シート - Google Patents

制電性樹脂板及び制電性樹脂対を製造するための転写シート Download PDF

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倫成 宮川
Yoriyasu Yamamoto
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、透明性、制電性に優れた制電性樹脂板を提供する。
【解決手段】 上記課題を解決する制電性樹脂板は、基材と少なくとも1層の制電層を有する制電性樹脂板であって、前記制電層が炭素繊維を含有し、所定の手順により得られる画像の100μm×100μm辺りの輝度値129〜255の領域の全面積が、輝度値0〜128の領域の全面積と輝度値129〜255の領域の全面積との和の90%以下であり、かつ、輝度値129〜255の領域で囲まれた輝度値0〜128の領域の面積の最大値が0.3μm以下であることを特徴とする制電性樹脂板。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主としてクリーンルームのパーテーション、間仕切り、機械装置の窓等に好適に用いられる制電性樹脂板、及び前記制電性樹脂板を製造するために用いる転写シートに関する。
従来、クリーンルーム等で使用する間仕切り、パーテーション、また装置の覗き窓のように透視が可能で塵埃を嫌う用途においては、静電気を逃がして塵埃の付着を防止する透明な制電性樹脂板が使用されてきた。例えば、特許文献1には、プラスチック基板の表面に、制電層が設けられた透明帯電防止プレートが開示されている。前記透明帯電防止プレートの制電層は、導電性粉末とバインダー樹脂から構成されており、前記導電性粉末は、硫酸バリウム粒子に酸化アンチモン含有酸化錫がコーティングされた導電性粉末を使用していた。この透明帯電防止プレートは、前記導電性粉末が相互接触することにより導電性が発現され、帯電防止効果を発現している。
しかし、前記導電性粉末を制電層に使用した場合、導電性粉末の形状より多量に添加しないと制電性が発現しない、折り曲げ加工をすると制電層にクラックが入り制電層が白色化する、及び一定以上の厚みの制電層を形成しないと制電性が発現しないという問題があった。また、制電性を有する導電性粉末は、比較的高価であるという問題もあった。
そこで、従来使用されてきた導電材である導電性粉末を、カーボンナノチューブ等の炭素繊維に変えた制電性樹脂板が提案されている。例えば、特許文献2には、熱可塑性樹脂よりなる基板の少なくとも片面に、カーボンナノチューブを含んだ透明な熱可塑性樹脂よりなる制電層を有する制電性透明樹脂板が開示されている。また、前記制電性樹脂板のカーボンナノチューブは、一本ずつ分離した状態で、もしくは、複数本集まって束になったものが一束ずつ分離した状態で、制電層の熱可塑性樹脂中に分散して互いに接触している。
一方、特許文献3には、上記のように制電層の導電材として、カーボンナノチューブを使用した導電性成形体において、カーボンナノチューブの制電層における面積割合を測定した導電性成形体が開示されている。
特開平7−310034号公報 特開2004―230690号公報 WO2004/069737号公報
しかしながら上記のような、一本ずつ分離した状態で、もしくは、複数本集まったものが束になったものが一束ずつ分離した状態で、制電層の熱可塑性樹脂中に、互いに接触している形態で分散をしているだけでは、制電層中の炭素繊維が均一に分散しているとはいえない。前記のように、炭素繊維が均一に分散していない場合には、炭素繊維間が大きい箇所があり、π電子がジャンプして導電性を示すトンネル効果電流が発生しにくくなり制電性に劣るという問題があった。また、炭素繊維が制電層中で均一に分散していないので、炭素繊維が密集及び重なる箇所があり、制電性樹脂板の透明性が悪いという問題点があった。
また、制電層全表面に対する、炭素繊維の面積割合を規定しただけでは、炭素繊維の分散状態を正確には、現してはいなく、炭素繊維が配列している箇所が偏ってしまう場合には、透明性が悪く、制電性も発現しないという問題点があった。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、透明性、制電性に優れた制電性樹脂板を提供することにある。また、本発明のもう一つの目的は、透明性、制電性に優れた制電性樹脂板を製造するために用いる転写シートを提供することにある。
かかる目的を解決する手段は、基材と少なくとも1層の制電層を有する制電性樹脂板であって、前記制電層が炭素繊維を含有し、下記手順により得られる画像の100μm×100μm辺りの輝度値129〜255の領域の全面積が、輝度値0〜128の領域の全面積と輝度値129〜255の領域の全面積との和の90%以下であり、かつ、輝度値129〜255の領域で囲まれた輝度値0〜128の領域の面積の最大値が0.3μm以下であることを特徴とする制電性樹脂板である。
(手順1:制電層表面のエッチング処理)
制電層表面を下記条件1でイオンエッチング処理する。
<条件1>
使用ガス:空気
放電電圧:200V(交流)
放電電流:20mA
時間:15分間
(手順2:成膜処理)
スパッタリング装置(真空度8Pa)を用いて手順1で処理した制電層表面に膜厚5nmのPt−Pdをコートする。
(手順3:SEM観察による画像取得)
手順2で得られた試料より下記条件2でSEMを用いて画像を取得する。
<条件2>
試料の傾斜角:30度
加速電圧:5kV
ワーキングディスタンス:15mm
直接倍率:30,000倍
(手順4:画像解析及び輝度値の面積測定)
手順3で得られた画像を下記条件3で画像処理手段を用いて解析し、得られた画像の輝度値0〜255の範囲における輝度値0〜128の領域の面積と、輝度値129〜255の領域の面積と、をそれぞれ測定する。
<条件3>
読み込み条件:8ビットグレースケール
明度:70
コントラスト:76
本発明によれば、炭素繊維が制電層中に均一に分散しているので、良好な透明性、制電性を発現する制電性樹脂板を提供することが可能である。
以下、本発明の実施形態の一例としての制電性樹脂板(以下「本樹脂板」という)について説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本樹脂板は、基材と基材上に少なくとも1層の制電層を有する制電性樹脂板である。ここで、本発明でいう「基材上に」とは、基材表面に、直に制電層を設ける場合、及び基材表面に単層または多層である他の層を設け、前記他の層上に制電層を設けることを意味するものである。
また、本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意図と共に、「Xより大きくYよりも小さいことが好ましい」旨の意図も包含する。
本樹脂板は、基材と少なくとも一層の制電層を有する構成である。本発明の制電層は、主にバインダー樹脂と導電材である炭素繊維から構成されており、導電性を発現するので静電気を逃がすことが可能であり、塵埃が本樹脂板に付着することを防ぐ機能を有する。
(基材)
本樹脂板を構成する基材は、公知の基材として使用する材質のものを使用可能である。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂である。中でも、成形加工の点から熱可塑性樹脂を基材として使用することが好ましい。本樹脂板に使用する熱可塑性樹脂としては、
例えば、ポリオレフィン(PO)系樹脂またはポリオレフィン系エラストマー、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)等のポリスチレン系樹脂またはスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)等の水素添加されたスチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、共重合アクリル等のアクリル系樹脂、シクロヘキサンジメタノールを共重合させたポリエステル樹脂(PET−G)、アモルファスポリエチレンフタレート(A−PET)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、などが挙げられる。尚上記、基材に使用する熱可塑性樹脂は一種のみで使用することも可能だが、二種以上を混合して使用することも可能である。
なかでも、透明性、耐久性に優れた、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、シクロヘキサンジメタノールを共重合させたポリエステル樹脂(PET−G)、アモルファスポリエチレンフタレート(A−PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、共重合アクリル等のアクリル系樹脂が好ましい。
尚、本樹脂板の基材には、難燃性、透明性、熱安定性等を考慮して様々な添加剤を含んだ基材も使用することが可能である。添加剤の具体例は、滑剤、着色剤、顔料、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、流動調整剤等である。
熱硬化性樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ザイロック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、変性フェノール型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、やフェノキシ樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いることも、2種類以上を混合して用いることもできる。
本樹脂板の基材の厚みの下限値は、1mm以上、好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以上、上限値は、20mm以下、好ましくは10mm以下さらに好ましくは、5mm以下の範囲である。基材の厚みが1mm以上であれば、基材の厚みが薄すぎて、制電性樹脂板の強度が弱くなるという問題が起こりにくくなる。また、基材の厚みが20mm以下であれば可視光線を透過でき、全光線透過率が極端に低下することもなく、良好なヘーズ値が得られる。
(制電層)
本樹脂板は、基板上に少なくとも1層の制電層を有する。制電層は、炭素繊維とバインダー樹脂から主に構成されている。ただし、本発明の炭素繊維、バインダー樹脂の期待される物性を阻害しない範囲で他の添加物を加えても良い。他の添加物としては、例えば分散剤、可塑剤、滑剤、表面改質剤、安定剤等の添加剤が挙げられる。分散剤としては、具体的に酸性ポリマーのアルキルアンモニウム塩溶液や3級アミン修飾アクリル共重合物やポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合物などの高分子系分散剤、カップリング剤等が使用される。尚、本発明で定義する「主に」とは、制電層全質量に対して、炭素繊維とバインダー樹脂の合計量が50質量%以上のことを意味する。
制電層の厚みの下限値は、0.04μm以上、好ましくは0.045μm以上、さらに好ましくは0.05μm以上であり、上限値は、0.30μm以下、好ましくは0.20μm以下さらに好ましくは、0.15μm以下の範囲である。制電層厚みが0.04μm以上であれば、制電層の厚みが薄すぎて、ピンホールが発生することが少なく、また製膜がしやすい。また、制電層の厚みが0.30μm以下であれば可視光線が透過し易く、全光線透過率が高くなり、ヘーズ値も低くなりやすい。
(炭素繊維)
本樹脂板の制電層には、炭素繊維が含まれている。炭素繊維の好ましい平均繊維径は、下限値が0.7nm以上、好ましくは10nm以上、さらに好ましくは20nm以上であり、上限値は80nm以下、好ましくは70nm以下、さらに好ましくは60nm以下が透明性、分散性の点から好ましい。平均繊維径が0.7nm以上であれば、繊維径が小さ過ぎてしまい飛散し衛生上の問題が発生することは無い。また、平均繊維径が80nm以下であれば、ヘーズ値が高くなるという問題が発生しない。尚、本平均繊維径は、繊維の断面を円相当径として計算した値である。尚、円相当径とは、粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことをいう。
制電層に含まれる炭素繊維のアスペクト比は、100以上、好ましくは200以上、さらに好ましくは500以上である。アスペクト比が100以上であれば、炭素繊維が接触しやすく、導電性に優れる。尚、炭素繊維の形態を考慮すると、炭素繊維のアスペクト比が1,000,000以下であれば制電性が十分得られる。
炭素繊維には、いわゆるカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーが含まれる。カーボンナノチューブは、炭素のチューブ構造が単一チューブであるシングル型、チューブ構造が二重のチューブであるダブル型、およびチューブ構造が三重以上となっているマルチ型構造のものを含む。またチューブの一方の端の口が閉じており、他方の口の端が開いているナノホーン型、一方の端の開口が他方の端の開口よりも大きいカップ型等の形態を有する炭素繊維を使用することも可能である。中でも、透明性、導電性の観点からマルチ型カーボンナノチューブが好ましく使用される。
制電層中の炭素繊維の含有率は、2質量%以上、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上であり、上限値は19質量%以下、15質量%以下、さらに好ましくは12質量%以下の範囲である。制電層中の炭素繊維の含有率が2質量%以上であれば、炭素繊維の量が十分であるために、炭素繊維が接触しにくく、制電性が発現しないという問題が発生しない。さらには、一定の距離を有する炭素繊維間で、π電子がジャンプして制電性を示すトンネル効果によるトンネル電流が発生しやすくなるため、表面抵抗率が小さくなり、塵埃が付着し難くなる。また、制電層中の炭素繊維の質量比が9質量%以下であれば、可視光線が透過し易く、全光線透過率が高くなり、ヘーズ値も低くなりやすい。尚、本発明の炭素繊維の質量比は、制電層の全質量比に対しての質量比である。
(バインダー樹脂)
制電層に含まれるバインダー樹脂は、基材との密着性を考慮して適宜選択すれば良い。例えばエチレンを含む単独重合体または共重合体等のポリオレフィン(PO)系樹脂またはポリオレフィン系エラストマー、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)等のポリスチレン系樹脂またはスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)等の水素添加されたスチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、共重合アクリル等のアクリル系樹脂、シクロヘキサンジメタノールを共重合させたポリエステル樹脂(PET−G)、アモルファスポリエチレンフタレート(A−PET)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
上記樹脂の中で、透明性、耐久性に優れ、かつ基材との密着性に優れた、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート(PC)樹脂、シクロヘキサンジメタノールを共重合させたポリエステル樹脂(PET−G)、アモルファスポリエチレンフタレート(A−PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、共重合アクリル等のアクリル系樹脂、ウレタン樹脂の使用が好ましい。尚、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体では、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体に対する酢酸ビニル樹脂の占める成分が30質量%以下、好ましくは20質量%以下さらに好ましくは15%以下である。
本樹脂板のJIS K7105に準じて測定した全光線透過率は、60%以上、好ましくは62%以上、さらには65%以上が良い。本樹脂板のJIS K7105に準じて測定したヘーズ値は、5%以下、好ましくは4%以下、更に好ましくは3.5%以下が良い。全光線透過率が60%以上及びへーズ値が5%以下であれば、本樹脂板をクリーンルームのパーテーションや試験装置の覗き窓に使用した場合、透視が良好であり、視認性に優る。
本樹脂板の制電層のJISK6911に準じて測定した表面抵抗率は、1010Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下、さらに好ましくは108Ω/□以下が良い。表面抵抗率が1010Ω/□以下であれば適度な制電性が発揮され、制電性樹脂板に塵埃が付着し難くなる。
本樹脂板の制電層においては、炭素繊維が均一に分散しているので透明性、制電性が優れている。本発明において、炭素繊維が均一に分散しているとは、後述する手順1〜4により得られる画像の100μm×100μm辺りの輝度値129〜255の領域(図1のb部分、以後bともいう)の全面積が、輝度値0〜128の領域(図1のa部分、以後aともいう)の全面積とbの全面積との和の90%以下であり、かつbで囲まれたaの面積の最大値が0.3μm以下であることをいう。
本樹脂板の制電層上の後述する手順1〜4により得られる画像の100μm×100μm辺りのbの全面積の、aの全面積とbの全面積との和に対する面積比率の下限値は、40%以上、好ましくは45%以上、さらに好ましくは50%以上、上限値は90%以下、好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下である。制電層中の炭素繊維の面積比率が40%以上であれば、炭素繊維の面積比率が大きいので、炭素繊維同士の距離が長い箇所がないために、π電子がジャンプして導電性を示すトンネル効果が発生しやすく、トンネル電流を得られ導電性に劣るという問題が発生し難い。また、炭素繊維の占有率が90%以下では、可視光が透過し易く、透明性に優れる。
本発明のbで囲まれたaの面積の最大値は、0.3μm以下である。また、透明性、導電性の観点から、bの領域で囲まれたaの面積の最大値、0.3μm以下、好ましくは0.2μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下である。一方、bで囲まれたaの面積の最大値は、小さいほうが好ましいが、bで囲まれたaの面積の最大値が0.3μm以下であれば、十分に制電性、透明性を発現することが可能である。
本樹脂板の、100μm×100μm辺りのbの全面積の、aの全面積とbの全面積との和に対する面積比率と、bで囲まれたaの領域の面積の最大値は、本樹脂体の制電層の厚さを調節することにより、好ましい値に調整することが可能である。すなわち、本樹脂体の制電層の層厚が厚くすると、100μm×100μm辺りのbの全面積の、aの全面積とbの全面積との和に対する面積比率が高くなり、bで囲まれたaの面積の最大値は小さくなる。一方、制電層の厚さが薄くなると、100μm×100μm辺りのbの全面積の、aの全面積とbの全面積との和に対する面積比率が低くなり、bで囲まれたaの面積の最大値は大きくなる。
また、本樹脂板の100μm×100μm辺りのbの全面積の、aの全面積とbの全面積との和に対する面積比率と、bで囲まれたaの面積の最大値は、制電層中の炭素繊維の含有率を調節することによっても、好ましい値に調整することが可能である。すなわち、制電層の炭素繊維の含有率が多くなると、100μm×100μm辺りのbの全面積の、aの全面積とbの全面積との和に対する面積比率が高くなり、bで囲まれたaの面積の最大値は小さくなる。一方、制電層の炭素繊維の含有率が少なくなると、100μm×100μm辺りのbの全面積の、aの全面積とbの全面積との和に対する面積比率が低くなり、bで囲まれたaの面積の最大値は大きくなる。
更に、本樹脂板の、100μm×100μm辺りのbの全面積の、aの全面積とbの全面積との和に対する面積比率と、bで囲まれたaの面積の最大値は、制電層中の炭素繊維の分散状態を調節することにより、好ましい値に調整することが可能である。すなわち、制電層中の炭素繊維の分散状態が良く、炭素繊維の凝集物無く分散している状態になると、100μm×100μm辺りのbの全面積の、aの全面積とbの全面積との和に対する面積比率が高くなり、bで囲まれたaの面積の最大値は小さくなる。一方、制電層中の炭素繊維の分散状態が良くなく、炭素繊維の凝集物が存在していると、100μm×100μm辺りのbの全面積の、aの全面積とbの全面積との和に対する面積比率が低くなり、bで囲まれたaの面積の最大値は大きくなる。
制電層中の炭素繊維の分散状態を調節するには、分散方法、分散時間、分散剤の添加などを適宜選択することで、調整が可能となる。分散方法としては、公知の分散方法を使用することが可能であるが、ビーズミルによる炭素繊維を分散させることが好ましい。また、また分散時間は1時間行なうと通常炭素繊維の凝集物が少なくなった状態となる。また、添加する分散剤としては、例えば、ビス−2エチルへキシルスルホコハク酸塩、ドデシルスルホン産塩、アミン系分散剤、シランカップリング剤などがある。分散状態を調節するには、前記の分散方法の選択、分散時間の調節、分散剤の添加を単独で行なってもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。例えば、分散方法としてはビーズミルを選択し、分散時間を1時間にすることで、良い分散状態を得ることができる。
(画像取得の手順及び画像処理の手順)
本発明の画像取得手順を以下に説明する。但し、本制電性樹脂板の画像取得方法は、以下に限定されない。すなわち、同様の条件、同様な画像が取得可能であれば公知の方法を採用することが可能である。また、画像処理手段とは、画像処理ソフトのことである。画像処理ソフトに関しては、バージョンアップされることがあるので、バージョンアップしたもので、本発明と同様な画像処理が可能であればバージョンアップしたものでの処理も可能とする。
(手順1:制電層表面のエッチング処理)
本樹脂板の制電層表面を下記条件1でイオンエッチング処理する。尚、イオンエチングとは、使用ガスになどを与え化し、プラズマ中のやが試料に衝突することを利用したエッチング方法である。尚本発明では、使用ガスとして空気を使用しているが、本樹脂板の制電層をイオンエッチングすることが可能であれば、公知の使用ガスを使用してもよい。例えば、アルゴンガス、窒素ガス等が挙げられる。使用ガスに空気を使用した場合には、空気中の主に窒素や酸素などがイオン化し制電層に衝突しスパッタリングが行なわれる。本発明では、放電電圧を200V、放電電流を20mA、処理時間を15分でイオンエッチング処理を行なったが、本発明の画像の取得が可能であれば、下記条件1より多少の変更があってもよい。
(条件1)
使用ガス:空気
放電電圧:200V(交流)
放電電流:20mA
時間 :15分間
(手順2:成膜処理)
スパッタリング装置(真空度8Pa)を用いて手順1で処理した制電層表面に膜厚5nmのPt−Pdをコートする。尚、Ptとは白金を意味し、Pbとは鉛を意味する。またPt−Pbの混合比率は、Pt:Pb=8:2のものを使用した。
(手順3:SEM観察による画像取得)
手順2で得られた試料より下記条件2でSEMを用いて画像を取得する。本発明でいう試料の傾斜角は、電子線照射方向に対して試料を傾斜させた角度をいう。また、ワーキングディスタンスとは、電子線レンズと試料との距離をいう。尚、ワーキングディスタンスの誤差範囲のずれは、本発明の得られる画像には、影響はほぼ無いと考えられる。
<条件2>
試料の傾斜角:30度
加速電圧:5kV
ワーキングディスタンス:15mm
直接倍率:30,000倍
(手順4:画像解析及び輝度値の面積測定)
手順3で得られた画像を下記条件3で画像処理手段を用いて解析し、得られた画像の輝度値0〜255の範囲におけるaの面積と、輝度値129〜255の領域の面積と、をそれぞれ測定する。尚、本発明の画像を取得することが可能であれば、他の画像処理手段(ソフト)を使用してもよい。
<条件3>
読み込み条件:8ビットグレースケール
明度:70
コントラスト:76
尚、この時にaと輝度値129〜255の領域を2値化して処理を行なってもよい。
(本樹脂板の製造方法)
本樹脂板は、一般的な方法により製造することが可能である。例えば、基材に直接塗布液をバーコータ、ロールコータ等で基材に塗布し制電層を設ける本樹脂板を製造する方法、転写法により基材に制電層を設けて本樹脂板を製造する方法等がある。本発明の制電性樹脂板を製造する塗布液は、溶剤、バインダー樹脂、炭素繊維、必要に応じて分散剤等の添加剤を溶剤に入れて攪拌し製造される。
(溶剤)
本樹脂板を製造する場合に使用する溶剤は、バインダー樹脂および炭素繊維の相溶性等を考慮し選択すれば良い。例えば、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサン、イソプロピルアルコールと水の混合溶液、エタノール、シクロヘキサンノンと酢酸エチルの混合溶液等が使用可能である。
本樹脂板を製造する場合に用いる塗布液中おいて、炭素繊維が分散している状態にすることが好ましい。この炭素繊維が塗布液中で分散させる方法としては、公知の方法を使用することが可能である。例えば、塗布液中に分散剤を添加して、炭素繊維が分散している状態にしてもよいし、また塗布液を攪拌することにより、炭素繊維が分散している状態にしてもよい。
本樹脂板を製造する場合に用いる塗布液に添加する分散剤としては、具体的に酸性ポリマーのアルキルアンモニウム塩溶液や3級アミン修飾アクリル共重合物やポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合物などの高分子系分散剤、カップリング剤等が使用される。分散剤の添加量は、炭素繊維の分散状態を確認しながら適当に調整することが好ましいが、例えば、制電層中の分散剤の添加量は、下限値が0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、上限値が20質量%以下、好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。分散剤の添加量が0.01質量%以上であれば炭素繊維を効率良く分散させることができ、20質量%以下であれば、制電層の導電性、透明性、強度を阻害することが無い。
(分散方法)
本樹脂板を製造する場合に用いる塗布液を分散攪拌する方法としては、公知の方法が使用可能できる。例えば、攪拌羽根が高速で回転する際のせん断力により分散撹拌させる高速撹拌法、容器の中へビーズを充填しておき、中央の回転軸を回転させることにより、ビーズに動きを与え、ビーズ間で摺りつぶすビーズミル法、塗布液を高圧もしくは超高圧に加圧し、スリット(隙間)を抜ける際のせん断力を利用して分散撹拌させるホモジナイザー法、塗布液を、高速回転するホイールによって容器内壁に沿って薄膜状にして、容器内壁面との速度差により生ずる「ずり応力」によって、分散撹拌さ薄膜旋回法、塗布液同士を超高速で斜め衝突させて分散撹拌させる衝突法、超音波で真空の泡を発生させ、泡が潰れる力を使って分散撹拌させる超音波法などがある。
攪拌時間としては、攪拌方法にもよるが10分以上、好ましくは30分以上、さらに好ましくは60分以上行なえば炭素繊維が分散している塗布液を得ることが可能である。また、攪拌する時間は、5時間以内であれば、炭素繊維が切れずに、分散が良好な塗布液を得ることが可能である。
本樹脂板を製造するもう1つの例として、転写方法が挙げられる。すなわち、先ず、転写フィルム上に上記塗布液をバーコータ、ロールコータ等で塗布し、制電層を形成する。その後、熱可塑性樹脂の基板に、転写フィルム上に形成された制電層を基板に転写する方法がある。
本樹脂板を製造する更にもう1つの例として、先ず、基板とは異なるシートまたはフィルム上に上記塗布液をバーコータ、ロールコータ等で塗布し、制電層を形成する。その後、熱可塑性樹脂の基板と、制電層を形成したシートまたはフィルムを、基板とシートまたはフィルムが向き合うように配置し、熱プレス、熱加圧ロール等で熱融着させて制電層を基板上に形成する方法がある。
(基材)
本樹脂板を製造する場合に用いる基材は、公知の方法により製造することが可能である。例えば、押出し製造方法、押出し連続プレス方法、カレンダープレス製造方法等により製造可能である。また、市販されている樹脂板を購入してきて本樹脂板の基材とすることが可能である。
(転写シート)
本樹脂板を製造する方法として、前記したように転写フィルムに形成された制電層を、樹脂成形体に転写する方法がある。本発明の転写フィルムは、転写基材と少なくとも一層の制電層を有する。必要に応じて、接着層を設けることもできる。
本発明で使用する転写基材は、制電層を構成する塗料に侵されないフィルムであれば限定されるものではないが、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレートなどの樹脂類、または金属箔などが適宜用いられる。中でも耐熱性、剛性の観点より、特に2軸延伸したポリエチレンテレフタレートが最も好ましく使用される。
この転写基材の厚さの範囲は、下限値が10μm以上、好ましくは15μm以上、さらに好ましくは、30μm以上であり、上限値は200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。転写基材の厚さが10μm以上であれば、転写フィルムの強度として好ましい、一方200μm以下であれば、転写の際の熱伝達性が良いという点で好ましい。
尚、本発明で使用する転写基材は、東レ株式会社(商品名:ルミラー)、東洋紡績株式会社(商品名:コスモシャイン)、三菱化学ポリエステル(商品名:ダイアホイルまたはフォスタファン)から商業的に入手可能である。
以下、実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(評価方法)
制電性樹脂板の制電層中の輝度値0〜128の領域および129〜255の領域の面積の測定
(1)制電性樹脂板の制電層表面のエッチング処理
日立ハイテクノロジーズ社製 Ion Sputter E−1030及びETCHING UNITを用い、以下の条件にて、本樹脂板の制電層にイオンエッチング処理を施し、制電層表面を処理した。
使用ガス:空気
放電電圧:200V(交流)
放電電流:20mA
時間 :15分間
(2)成膜処理
日立ハイテクノロジーズ社製 Ion Sputter E−1030を用い、イオンエッチング後の前記本樹脂板の制電層表面に、膜厚が5nmになるように、Pt−Pdを表面コートする。
(3)高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)観察による画像の取り込み、日立ハイテクノロジーズ社製高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)S−4500を用い、試料の傾斜角を30度、加速電圧5kV、ワーキングディスタンス15mm、直接倍率を30,000倍に設定し、画像を取得する。
(4)画像処理
得られた画像を、画像処理ソフト(Media Cybernetics,Inc.製 Image−Pro Plus Version4.0)を用い、8ビットグレースケールで取り込み、明度(0〜100)を70、コントラスト(0〜100)76に変換する。変換された画像の輝度値範囲0(暗)〜255(明)において、炭素繊維以外の領域画像の輝度値を0〜128、炭素繊維の領域画像の輝度値を129〜255として、各々の面積を測定した。面積比率を得るために、制電層の100μm×100μm辺りにおいて、輝度値129〜255の領域の全面積/(輝度値0〜128の領域の全面積と輝度値129〜255の領域の全面積との和)×100、により輝度値129〜255の領域の面積比率を算出する。尚前記「/」は、割り算を意味する。
2.表面抵抗率測定
制電性樹脂板の表面抵抗率はJIS K6911に準じて、以下のように行った。
(1)測定装置
ハイテスターUP MCP−HT450型 (三菱化学社製)
(2)測定方式
定電圧印加方式
(3)印加電圧
1000V
3.全光線透過率・ヘーズ値測定
制電性樹脂板の全光線透過率・ヘーズ値は、JIS K7105に準じて、以下の装置を使用して行った。
反射・透過率計:株式会社村上色彩技術研究所 HR−100
(実施例、比較例)
THF(テトラヒドロフラン)溶剤に、下記に示すバインダー樹脂と炭素繊維(CNT社製 C100 繊維径10〜40nm、アスペクト比125〜2,000)とを表1の炭素繊維の割合になるように、塗料中で固形分(バインダー樹脂と炭素繊維の合計固形分)濃度が1.8質量%になるように添加し溶解・分散させ、塗料を作製した。
上記、塗料の中にガラスビーズ(アズワン社製 BZ−08)を塗料100質量部に対して、70質量部添加し、ペイントシェーカー(東洋精機製作所製)にて1時間撹拌させた。 撹拌後、塗料を濾過し、塗料とガラスビーズを分離した。
使用したバインダー樹脂:塩化ビニル樹脂(PVC:株式会社カネカ製 S−1008)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(塩ビ−酢ビ:新第一塩ビ株式会社製 C−150S 酢酸ビニル含有量11質量%)
各塗料をポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製 S100−50 厚み50μm ヘーズ値3.0%)にバーコータの番手を変えて制電層の厚みを表1のように調節して塗布し、100℃、3分で乾燥させ、ポリエステルフィルム上に制電層を形成した。
尚、制電層の厚みは、制電層/ポリエステルフィルムをミクロトームにて、それらの断面切片を作成し、走査型電子顕微鏡を用い観察した。
前記、制電層/ポリエステルフィルムを、ポリエステルフィルム/制電層/塩化ビニル樹脂基板/制電層/ポリエステルフィルムの順に配置し、熱プレスにて制電層と塩化ビニル樹脂基板を一体化させた後、ポリエステルフィルムを剥離し、制電性樹脂板を作成した。
尚、用いた塩化ビニル樹脂基板は、厚み5mm(三菱樹脂社製ヒシプレート、ヘーズ値2.8%、全光線透過率72%、表面抵抗率2.2×1015Ω/□)、厚み20mm(三菱樹脂社製ヒシプレート、ヘーズ値3.2%、全光線透過率66%、表面抵抗率2.7×1015Ω/□)、厚み1mm(三菱樹脂社製ヒシプレート、ヘーズ値2.6%、全光線透過率80%、表面抵抗率3.9×1015Ω/□)のものを使用した。
また、熱プレスは、温度100℃、時間10分、圧力1.96MPaで行った。
得られた実施例1〜10、比較例1〜4、表面抵抗率、ヘーズ値、全光線透過率、輝度値129〜255の面積比率、輝度値0〜128の面積の最大値を表1に示した。尚、制電性樹脂板の制電層の厚みは、ミクロトームを用い、断面切片を作成し、走査型電子顕微鏡を用い観察した。
Figure 2009090611
表1に示すように、本発明の範囲である実施例1〜10は、表面抵抗率が小さく、制電特性に優れ、ヘーズ値が小さく、全光線透過率も大きいので、透明性にも優れた制電性樹脂板であった。
一方、比較例1、2は、前記した手順によって、走査型電子顕微鏡により得られた処理した画像において、輝度値0〜128の最大面積値が大きいので、炭素繊維の分散性に劣り、表面抵抗値が大きく、制電特性が十分に発現しなかった。
更に、比較例3、4は、前述した手順によって、走査型電子顕微鏡により得られた処理した画像において、輝度値129〜255面積比率が90以上であるために、透明性が悪かった。
上述したように、本樹脂板は、透視性、導電性に優れ、特に量産性、経済性に優れた制電性樹脂板であり、クリーンルームのパーテーションや試験装置の覗き窓としての利用性が大きい。
本発明の制電性樹脂板の制電層表面を、画像処理手段をもちいて解析した図である。
符号の説明
a 輝度値0〜128の領域
b 輝度値129〜255の領域

Claims (4)

  1. 基材と少なくとも1層の制電層を有する制電性樹脂板であって、前記制電層が炭素繊維を含有し、下記手順により得られる画像の100μm×100μm辺りの輝度値129〜255の領域の全面積が、輝度値0〜128の領域の全面積と輝度値129〜255の領域の全面積との和の90%以下であり、かつ、輝度値129〜255の領域で囲まれた輝度値0〜128の領域の面積の最大値が0.3μm以下であることを特徴とする制電性樹脂板。
    (手順1:制電層表面のエッチング処理)
    制電層表面を下記条件1でイオンエッチング処理する。
    <条件1>
    使用ガス:空気
    放電電圧:200V(交流)
    放電電流:20mA
    時間:15分間
    (手順2:成膜処理)
    スパッタリング装置(真空度8Pa)を用いて手順1で処理した制電層表面に膜厚5nmのPt−Pdをコートする。
    (手順3:SEM観察による画像取得)
    手順2で得られた試料より下記条件2でSEMを用いて画像を取得する。
    <条件2>
    試料の傾斜角:30度
    加速電圧:5kV
    ワーキングディスタンス:15mm
    直接倍率:30,000倍
    (手順4:画像解析及び輝度値の面積測定)
    手順3で得られた画像を下記条件3で画像処理手段を用いて解析し、得られた画像の輝度値0〜255の範囲における輝度値0〜128の領域の面積と、輝度値129〜255の領域の面積と、をそれぞれ測定する。
    <条件3>
    読み込み条件:8ビットグレースケール
    明度:70
    コントラスト:76
  2. JIS K7105で測定される全光線透過率が60%以上であり、JIS K7105で測定されるヘーズ値が5%以下であり、かつJIS K6911で測定される表面抵抗率が1010Ω/□未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の制電性樹脂板。
  3. 前記炭素繊維が、平均繊維径0.7〜80nm、アスペクト比100以上であることを特徴とする請求項1に記載の制電性樹脂板。
  4. 請求項1〜3に記載の制電性樹脂板を製造するための転写シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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