JP2009089675A - 反応処理装置及び反応検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光検出によって反応を検出する際に、励起光の照射対象である蛍光物質等の光退色を抑制し、高精度に反応を検出することができる反応処理装置の提供。
【解決手段】反応領域と、該反応領域中の試料の蛍光を測定する光学手段と、前記反応領域を加熱する加熱部15と、前記反応領域の温度を検出する温度検出部と、を少なくとも備えた反応処理装置であり、前記光学手段は、前記反応領域中の試料に所定波長の励起光を照射可能な光源12と、前記温度検出部により検出された前記反応領域の温度が定常温度であるときに、前記光源から励起光を照射させるように制御する照射制御手段と、前記励起光の照射により試料から発せられる蛍光を検出する蛍光検出部14と、を少なくとも備え、前記加熱部15は、少なくとも前記光源が励起光を照射する際に、前記反応領域の温度が定常温度となるように温度制御を行う温度制御部と、を備えた反応処理装置1。
【選択図】図1

Description

本発明は、反応処理装置に関する。より詳しくは、蛍光検出手段を備える反応処理装置に関する。
化学反応の検出技術の一つとして、蛍光検出による反応検出技術が一般的に用いられている。蛍光検出による反応検出技術は、検出感度が高く、広いダイナミックレンジでの定量が可能であるなどの点から、例えば分子生物学等の領域で普及している。
その中で、例えば、PCRによる核酸の検出などにおいて、蛍光物質を用いて核酸量を検出する各種方法が知られている。
第一の技術として、例えば、二本鎖核酸の相補的塩基対間に挿入(インターカレーション)されて蛍光を発する「インターカレーター」と呼ばれる試薬をPCR反応系に加える方法(インターカレーター法)が挙げられる。インターカレーターは、PCR反応によって合成された二本鎖核酸に結合し、励起光の照射により蛍光を発する。この蛍光強度を検出することにより、増幅された核酸の量を検出することができる。
さらに、近年では特異的な蛍光プローブを用いて目的遺伝子の増幅を検出する方法も実用化されている。例えば、5’末端を蛍光物質、3’末端を該蛍光物質の蛍光を消光し得るクエンチャー物質で修飾したプローブ核酸鎖(TaqMan(登録商標)プローブ)を用いる方法で、ポリメラーゼ反応が進むことにより蛍光物質がクエンチャーと離れて発する蛍光を測定することにより、目的遺伝子の増幅を検出することができる。
また、蛍光検出によって反応を検出する際の検出精度をさらに向上させるために、補正措置を講ずる技術等が開発されている。
特許文献1には、蛍光物質で標識された核酸プローブを用いる核酸測定方法において、前記核酸プローブが標的核酸にハイブリダイゼーションしたときに、蛍光物質が、その発光を減少させる核酸プローブであり、前記核酸プローブを標的核酸にハイブリダイゼーションさせ、ハイブリダイゼーション前後における蛍光物質の発光の減少量を測定することを特徴とする標的核酸の濃度の測定方法が開示されている。
特開2004−267215号公報。
しかしながら、これらの蛍光検出による反応の検出は、反応系の温度が高い場合において、感度の低下を生ずるという問題があった。すなわち、反応系の温度が高い状態で蛍光物質等に励起光を照射すると、光退色が起こり、蛍光の検出感度が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、蛍光検出によって反応を検出する際に、励起光の照射対象である蛍光物質等の光退色を抑制し、高精度に反応を検出することができる反応処理装置及び反応検出方法を提供することを主目的とする。
上記技術的課題を解決するために、本発明は、反応領域と、該反応領域中の試料の蛍光を測定する光学手段と、前記反応領域を加熱する加熱部と、前記反応領域の温度を検出する温度検出部と、を少なくとも備えた反応処理装置であり、前記光学手段は、前記反応領域中の試料に所定波長の励起光を照射可能な光源と、前記温度検出部により検出された前記反応領域の温度が定常温度であるときに、前記光源から励起光を照射させるように制御する照射制御手段と、前記励起光の照射により試料から発せられる蛍光を検出する蛍光検出部と、を少なくとも備えた反応処理装置を提供する。かかる反応処理装置によれば、試料内の蛍光物質等の光退色が抑制され、高感度に検出を行うことができる。
なお、「定常温度」とは、励起光照射による蛍光物質の退色速度が、無視しうる程度に小さい温度範囲をいい、対象となる蛍光物質の種類によってその温度は異なる。
本発明に係る反応処理装置の前記加熱部は、少なくとも前記光源が励起光を照射する際に、前記反応領域の温度が定常温度となるように温度制御を行う温度制御部と、を備えることができる。かかる温度制御部を備えることにより、蛍光検出の際の温度制御を高精度で行うことができる。
そして、本発明に係る反応処理装置は、前記加熱部を、前記定常温度以上に加熱可能であり、前記温度制御部は、少なくとも加熱実施の有無を制御するものとすることができる。かかる構成とすることにより、前記反応領域内の温度をより高精度に制御することができる。
本発明に係る反応処理装置は、前記反応領域で核酸増幅反応を行う核酸増幅装置として好適に用いられる。
また、本発明に係る反応処理装置を核酸増幅装置として用いる場合、前記核酸増幅反応は、反応温度を前記定常温度以上とした後に、前記反応温度を前記定常温度とするサイクルを少なくとも1回行うことができる。
さらに、本発明は、蛍光物質の蛍光を検出することによって反応系内の反応を検出する方法であって、定常温度において反応系内に所定波長の励起光を照射する工程と、前記励起光の照射により発生する蛍光を検出する工程と、を少なくとも行うことを特徴とする反応検出方法を提供する。かかる反応検出方法によれば、前記蛍光物質の高温での光照射による退色を抑制して、高精度に蛍光を検出することができる。
本発明によれば、励起光の照射対象である蛍光物質等の光退色を抑制し、高精度に蛍光を検出できる反応処理装置とすることができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
図1は、本発明に係る反応処理装置の第1実施形態を側面視した概念図である。なお、以下に使用する図面では、説明の便宜上、装置の構成などについては簡素化して示している。
図1中の符号1は、本発明に係る反応処理装置を示している。この反応処理装置1のサイズや層構造は、目的に応じて適宜選定可能であり、反応処理装置1の形態構成についても本発明の目的に沿う範囲で設計または変更可能である。
反応処理装置1は、反応領域A1を有するウェル基板11と、光源12と、該光源12より発せられた励起光P1,P2を導く励起光走査板13と、蛍光Lを検出する蛍光検出部14とを備えている。さらに、前記反応領域A1を加熱する加熱部15と、反応領域A1の温度を検出する温度検出部16とが設けられている。また、図示しないが、前記加熱部15は、少なくとも前記光源12から励起光が照射される際、前記反応領域A1の温度が定常温度となるように、温度制御を行う温度制御部を備えている。
図2は、反応処理装置1の反応領域A1で所定の反応を行う際の概念図である。本発明において行う反応検出について図2を参照しながら説明する。
まず、反応領域A1内には試料が存在しており、この試料には蛍光物質がラベリングされている。反応領域A1の温度は、温度検出部16によって検出されている。そして、反応領域A1において反応を開始する。反応を進行させるために加熱部15によって反応領域A1が加熱される。これにより、前記反応領域A1の温度は上昇し、温度検出部16により検出される前記反応領域A1の温度は、定常温度T1を超えてT2となる(図2,S1)。
前記反応領域A1中の試料に励起光P2を照射する際、加熱部15に備えられた温度制御部は、前記反応領域A1の温度が定常温度T1となるように温度制御を行う。具体的には、反応領域A1の加熱部15による加熱を停止したり、冷却したりすることなどにより、前記反応領域A1の温度を定常温度T1とする(S2)。
温度検出部16により検出された前記反応領域A1の温度が定常温度T1となると、照射制御手段によって光源12より励起光P1が発せられ、励起光走査板13を経て、励起光P2として反応領域A1内の試料に照射される。そして、前記励起光P2の照射により前記試料から発せられる蛍光Lが、蛍光検出部14により検出、測定される(S3)。
一般的に、蛍光物質等は反応系内の温度が高いほど励起光による退色が生じやすい。従って、前記温度検出部16により検出された前記反応領域A1の温度が定常温度であるときに励起光P1を照射することにより、励起光P1の照射対象である蛍光物質等の光退色が抑制され、その結果高精度に反応を検出することができる。
反応領域A1の温度制御は、特に限定されないが、前記加熱部15は、前記定常温度以上に加熱可能であり、かつ前記温度制御部によって加熱実施の有無を制御するのが望ましい。加熱実施の有無によって温度制御を行うことにより、簡便に温度制御を行うことができる。
励起光P1は、前記温度検出部16により検出された前記反応領域A1の温度が定常温度であるときに限って照射されるのが望ましい。前記反応領域A1の温度が定常温度以上であるときに前記励起光P1が照射されると、前記励起光P1の測定対象である蛍光物質等の光退色が起こり、蛍光の検出感度が低下するため望ましくない。
蛍光検出後は特に限定されず、再度前記加熱部15により反応領域A1を加熱することができ(S4)、また、そのまま反応を終了させることもできる。再度反応領域A1を加熱する際の加熱条件等は特に限定されず、S1と異なる温度や加熱時間とすることもできる(S4)。
また、前記反応領域A1の温度を定常温度となるように温度制御を行い、前記反応領域A1中の試料の蛍光検出を行う工程を、複数回繰り返して行うこともできる(S5,S6)。このとき、前記温度制御部によって制御される前記反応領域A1の温度は、励起光の照射対象の定常温度の範囲内であれば特に限定されず、各回において異なる温度に設定することもできる(S3,S6)。
反応処理装置1は前記反応領域で核酸増幅反応を行う核酸増幅装置として好適に用いられる。核酸増幅反応では、ターゲットとなる核酸の増幅量を検出する際に蛍光物質を用いる。反応処理装置1を用いて前記核酸増幅反応を行うことにより、蛍光の検出対象である蛍光物質の光退色を抑制することができ、高精度で核酸の増幅量を検出することができるため望ましい。
続いて、本発明において行う反応検出の別の一例について図3を参照しながら説明する。図3は、反応処理装置1の反応領域A1で核酸増幅反応を行う際の概念図である。各反応領域A1には、あらかじめ設計された異なる遺伝子配列を有するプライマーを投入する。投入方法については、特に限定されず、例えば、インクジェット等を用いる方法によることができる。このように各反応領域A1に各プライマーを含む溶液を滴下して乾燥させる。
続いて、検体から抽出したTotal RNAを逆転写(reverse transcription)法によりcRNAに転写して、各反応領域A1に投入する。これと併せて、増幅に必要となる各塩基の原材料となるデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)、インターカレーター(「SYBR(登録商標)GREEN I」)、DNA伸長増幅反応に必要な酵素DNAポリメラーゼ等を投入する。
熱変性ステップでは、反応領域A1内が95℃となるように加熱部15等により設定し、二本鎖のDNAを変性させ一本鎖DNAにする。続くアニーリングステップでは、反応領域A1内が55℃となるように設定することで、プライマーが前記一本鎖DNAと相補的な塩基配列と結合する。次のDNA伸長ステップでは、反応領域A1内が72℃となるように設定することで、プライマーをDNA合成の開始点として、ポリメラーゼ反応を進行させてcDNAを伸長させる。
DNA複製反応時に生成されたds−DNAには、SYBR GREEN Iがインターカレートする。このSYBR GREEN Iは、ds−DNAにインターカレートし、その後に励起光P2を照射することで励起して蛍光を発光する物質である(励起波長:497nm、発光波長:520nm)。
前記DNA伸長ステップの後に、反応領域A1内がSYBR GREEN Iの定常温度である30℃となるように設定する。前記反応領域A1の温度が30℃となったときに、光源12から励起光P1を照射し、これが励起光走査板13を経由した励起光P2としてインターカレートしたSYBR GREEN Iを励起する。励起されたSYBR GREEN Iは蛍光Lを発し、この蛍光Lの発光量を蛍光検出部14で測定し、定量化する。そして温度サイクル数とこれに対応する発光量との相関関係に基づいて、遺伝子発現量として初期cDNA量を求めることができる。
「95℃(熱変性)→55℃(プライマーのハイブリダイゼーション)→72℃(DNA伸長)」の温度サイクルごとに、各反応領域A1内のcDNAは2倍量に増幅されていく。そして、この温度サイクルに、反応領域A1を蛍光物質の定常温度とするステップを追加し、前記定常温度における蛍光を検出する。定常温度において蛍光検出を行うことによって、蛍光物質の光退色を抑制し、高精度で核酸の増幅量を検出することができる。
また、反応処理装置1において、反応領域ごとに個別温度制御と個別蛍光検出を行うことで、網羅的に遺伝子の発現量を短時間で解析することができる。
例えば、一般的なPCR反応では、約2℃/秒の温度制御を行っている。これに対して、本発明に係る反応処理装置では、反応領域A1をマイクロ空間とすることにより前記反応領域A1の容量が減少し、加熱及び冷却効率が向上する。その結果、20℃以上/秒の温度制御が可能となる。特に、「伸長反応→蛍光検出」の温度制御を30℃〜40℃/秒で行うことができ、極めて短時間で蛍光検出を行うことができる。
また、プライマーの設計に応じて、アニーリング時間、伸長反応時間を高精度でコントロールすることができるため、増幅率を一定倍率(例えば2倍等)に揃えることができるため、遺伝子発現長の検出精度を向上させることができる。
以下、反応処理装置1の各構成について詳細に説明する。
ウェル基板11に設けられる反応領域(ウェル)A1の数は特に限定されないが、複数の反応領域A1を設けるのが好適である。複数の反応領域を設けることにより、同時に複数の反応を行うことができる。また、低蛍光発光プラスチック材料やガラスで形成され、例えば人の遺伝子数に匹敵する数をマトリクス状に配置することができる。
本発明では、前記反応領域(ウェル)A1はマイクロ空間であることが望ましい。前記反応領域(ウェル)をマイクロ空間とすることによって、前記反応領域(ウェル)の容量が少なくなり、加熱及び冷却の効率が向上する。これにより、加熱部15による加熱実施の有無を制御するだけで、きわめて短時間で前記反応領域(ウェル)の温度を変化させることができるため望ましい。例えば、ウェルを300μm×300μm×300μm(約30nL容量)とし、約4万個のウェルを並べるとすると、約6cm角の面積を有するデバイスとなる。
ここで、個々の反応領域A1の形状は特に限定されず、前記直方体に限らず、反応液を保持できる形状であれば、どのような形状でもよい。励起光P1、L2を照射する光路や、蛍光L3を検出する光路などを考慮して適宜好適な形状を選択することができる。例えば、反応処理装置1では、反応領域A1内で前記蛍光L3を反射させるため、前記反応領域A1は曲面部分を有している。
また、光散乱の影響及び外光の影響による、検出感度の低下を抑制するために、反応領域A1は、遮光する材質(例えば、ダイヤモンドライクカーボン等)にてコーティングされていることが望ましい。
反応処理装置1は、光源12と、反応領域A1中の試料から発せられる蛍光を検出する蛍光検出部14と、光源12を制御する照射制御手段とからなる光学手段を備える。
光源12は、特定波長の光を発光するものであればよく、その種類は特に限定されないが、好適には、白色もしくは単色の発光ダイオード(LED)を用いるのが望ましい。光源12に発光ダイオードを用いることにより、不要な紫外線や赤外線を含まない光を簡便に得ることができる。
反応処理装置1は、反応領域が複数の場合に、複数の反応領域A1に特定波長の励起光P1,P2を照射するために、励起光P1,P2を各反応領域A1に導入するための励起光走査板13などを用いることができる。
もっとも、本発明では光源12の設置場所や光源数は特に限定されない。図示はしないが、各反応領域A1に対応するように光源12を複数設け、各光源12が対応する各反応領域A1に向かって励起光を直接照射する構造としてもよい。
この場合、各反応領域A1を光源12で直接照射できるため、励起光P1,P2の光量をより多くとることができるとともに、すべての反応領域A1に均一な励起光照射を行うことができる。さらには、各反応領域A1に照射される励起光P1,P2の励起波長や光量を個別制御することができる。励起波長を個別制御するには、例えば、波長の異なる発光素子等を光源12として複数使用することができる。
励起光走査板13は、光源12から発光する励起光P1をウェル基板11内の各反応領域A1に導くものである。前記励起光走査板13内部のスペーサー131に光源12から発せられる励起光P1が導入される。そして、前記励起光走査板13の底部には反射膜132が設けられており、ウェル基板11へ励起光P2を導入することができる。これにより、各反応領域A1内に均一な光量の励起光を照射することができる。前記反射膜132の材料等については特に限定されないが、好適には、ダイクロイックミラーを用いることが望ましい。
また、本発明では、励起光走査板13の上部に、前記励起光P1,P2の波長光のみを透過するフィルター133を設けることが望ましい。これにより、光源12から発せられる光から励起光P2を効率よく取り出し、反応領域A1へ導くことができる。このフィルター133としては、例えば偏光フィルター133などを用いることができる。
反応領域A1に照射された励起光P2は、反応領域A1内の試料中の蛍光物質等を励起し、ここから蛍光Lが発せられる。この蛍光Lは反応領域A1内の壁面で反射して、反応領域A1の下方に設けられた蛍光検出部14で検出・測定される。
また、本発明では、特定波長の光(蛍光L等)を取り出すことができるように、反応領域A1と蛍光検出部14との間にもフィルター141を配置することができる。前記フィルター141は特定波長の光を取り出すことができればよく、その材料は特に限定されないが、例えば、ダイクロイックミラーを用いることができる。
そして、反応処理装置1では、蛍光検出部14は、受光した蛍光Lの光量を電気的信号に変換して検出する蛍光検出機構を備えることができる。蛍光検出機構を備えることによって、受光した蛍光Lの光量を電気的信号に変換することができ、この電気的信号に基づいて蛍光Lの光量を高精度で測定・検出することができる。
また、本発明で検出する電気的信号の種類は特に限定されず、例えば電流値でもよいし、電圧値でもよい。さらに、本発明では、蛍光検出部14の蛍光検出機構の検出媒体については、特に限定されないが、フォトダイオード等のフォトセンサーを用いることが望ましく、より好適にはEL素子や薄膜トランジスタ等を用いることが望ましい。
反応処理装置1は、反応領域A1の温度を検出する温度検出部16を備えている。温度検出部16で使用する測温体は特に限定されないが、例えば、発熱抵抗体を用いることができる。まず発熱抵抗体の電気的情報(例えば、電流値、電圧値、抵抗値)と温度との相関関係をあらかじめ得ておく。そして測温体の電気的情報を実際に検出し、検出された抵抗値から対応する温度を検出することなどを行うことができる。
前記光学手段に備えられた照射制御手段は、温度検出部16により検出された反応領域A1の温度情報をフィードバックし、前記反応領域A1の温度が定常温度であるときに、前記光源12に励起光を照射させるものである。
図4は、前記照射制御手段のシステム図である。このシステムは、例えば、温度検出回路と、スイッチング素子と、アナログディジタルコンバーター(ADC)と、ディジタルポテンショメータと、CPUと、により構成することができる。
照射制御手段は、以下のような手順によって光源12の励起光P1の照射を制御する。測温体Sは反応領域A1の温度に応じて抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を検出回路によって検出し、その信号はアナログディジタルコンバーターによりディジタル信号として変換され、ディジタルデータとしてCPUに取り込まれる。
CPUは、この測温体Sにより取り込まれた温度情報と、あらかじめ設定された定常温度との差分を演算処理する。測温体Sにより検出された前記反応領域A1の温度が定常温度となったとき、ディジタル信号をスイッチング素子に出力し、光源12に励起光P1を照射させる。このように、測温体S等を用いて検出された信号によって光源12の励起光照射を制御することができる。その結果、より高精度の光照射制御を行うことができる。
前記スイッチング素子として、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)等を用いることができる。薄膜トランジスタの種類については特に限定されず、例えば、ポリ珪素や、α−珪素等のタイプを用いることができる。
反応処理装置1では、加熱部15を各反応領域にそれぞれ設けている。前記加熱部15は、少なくとも光源12が励起光P1を照射する際に、前記反応領域A1の温度が定常温度となるように温度制御を行う温度制御部を備えている。温度制御部を備えることにより、反応領域A1の温度制御を行うことができる。これにより、例えば、反応を進行させるために加熱を実施する工程(図2、S1)と、蛍光検出を行うために反応領域A1の温度を定常温度とする工程(図2、S3)との間の温度制御を高精度に行うことができる(図2参照)。
さらに、本発明によれば、反応領域A1が複数ある場合には、前記反応領域A1の加熱時間についても、前記反応領域A1に対応する加熱部15により個別に制御することができる。前記加熱部15により、前記反応領域A1ごとに加熱温度と加熱時間を個別に制御することで、前記反応領域A1内の反応をより高精度で制御できる。
さらに、加熱部15において、温度制御部を備えた熱源を用いて各反応領域A1を加熱することで、核反応領域A1をより高精度に温度制御することができる。前記加熱部15は、蛍光の検出対象の定常温度以上に加熱可能であり、かつ前記温度制御部は、少なくとも加熱実施の有無を制御するのが望ましい。前記反応領域A1がマイクロ空間である場合には、加熱実施の有無を制御するのみで、前記反応領域A1の温度を容易に制御することができる。
温度制御部は特に限定されないが、例えば、熱源の温度をスイッチング素子等を用いて制御する手段等が挙げられ、より具体的には温度制御機構の制御媒体として薄膜トランジスタを用いる手段が挙げられる。
加熱部15で使用する熱源は特に限定されないが、例えば、発熱抵抗体等を用いることができる。具体例として、例えば、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、炭化珪素、モリブデンシリサイド、ニッケル−クロム合金、鉄−クロム−アルミニウム合金などが挙げられる。また、赤外ヒーターや、光照射加熱等によって反応領域A1を加熱することもできる。
熱源を発熱抵抗体とした場合、熱源に流れる電流値や電圧値等の電気的信号を制御することによって高精度の温度制御が可能となる。例えば、薄膜トランジスタに印加する電圧をコントロールしてソース(S)−ドレイン(D)間の電流値を可変とすることや、ソース(S)−ドレイン(D)間の電流を定電流電源としてコントロールすること等によって、熱源の温度制御を行うことができる。
温度検出部16によって検出された温度情報を加熱制御手段にフィードバックすることで、より精度の高い温度制御を行うことができる。その結果、反応領域A1を複数設ける場合には、反応領域A1ごとに温度制御を行うこともでき、個別かつ高精度の温度制御ができる反応処理装置とすることができる。
フィードバックを行う構成としては、例えば、温度検出回路と、電流制御回路と、アナログディジタルコンバーター(ADC)と、ディジタルポテンショメータと、CPUと、を用いることができる。
CPUはあらかじめ設定した温度となるように、ディジタル制御信号をディジタルポテンショメータへ出力し、ディジタルポテンショメータと電流制御回路により、熱源は所定の温度に制御される。
加熱部15と同一回路に組み込まれた測温体の抵抗値の変化を、検出回路によって検出し、その信号をアナログディジタルコンバーターによりディジタル信号として変換し、ディジタルデータとしてCPUに取り込む。
CPUは、この測温体により取り込まれた温度情報と前記設定温度との差分を演算処理し、さらにディジタル信号をディジタルポテンショメーターへ出力する。このように測温体などを用いて検出された信号によって温度制御フィードバックを行うことができる。その結果、より高精度の温度制御を行うことができる。
また、温度検出に用いる前記測温体と、加熱制御に用いる前記熱源とは、同一回路内に設けることが望ましい。同一回路内に前記測温体と前記熱源とを組み込むことにより、一括制御が可能となり、デバイスとしても小型化が可能となる点で望ましい。
本発明に係る反応処理装置1と同様に、本発明の反応検出方法でも同様の効果を得ることができることはもちろんである。さらに、前記反応処理装置1でも、本発明に係る反応検出方法を行うことができる。
図5は、本発明に係る反応処理装置の第2実施形態を側面視した概念図である。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明し、共通する部分についてはその説明を割愛する。
この反応処理装置2は、反応領域(ウェル)A2ごとに蛍光検出部24や加熱部25を設けている点では、第1の実施形態と共通する。しかし、励起光P2をウェル基板21の上方から照射して、反応領域A2内を透過した蛍光L3を検出する点等で相違する。
反応処理装置2では、光源22から発せられる励起光P1が、励起光走査板23によって反応領域A2に導かれる。励起光走査板23では、スペーサー231を励起光P1が通過し、反射膜232とフィルター233によりウェル基板21に励起光が導入される。
そして、該励起光P2は、反応領域A2内の反応液中のプローブの蛍光物質等に照射されることで蛍光Lを発する。この蛍光Lは、反応領域A2の下方に設けられた蛍光検出部24で検出・測定される。
本発明に係る反応処理装置の第1実施形態を側面視した概念図である。 本発明に係る反応処理装置1の反応領域A1で所定の反応を行う際の概念図である。 本発明に係る反応処理装置1の反応領域で核酸増幅反応を行う際の概念図である。 同実施形態において、照射制御装置の温度制御フィードバックを行うシステム図である。 本発明に係る反応処理装置の第2実施形態を側面視した概念図である。
符号の説明
1、2 反応処理装置
A1、A2 反応領域
11、21 ウェル基板
12、22 光源
13、23 励起光走査板
14、24 蛍光検出部
15、25 加熱部
16、26 温度検出部

Claims (6)

  1. 反応領域と、
    該反応領域中の試料の蛍光を測定する光学手段と、
    前記反応領域を加熱する加熱部と、
    前記反応領域の温度を検出する温度検出部と、を少なくとも備えた反応処理装置であり、
    前記光学手段は、
    前記反応領域中の試料に所定波長の励起光を照射可能な光源と、
    前記温度検出部により検出された前記反応領域の温度が定常温度であるときに、前記光源から励起光を照射させるように制御する照射制御手段と、
    前記励起光の照射により試料から発せられる蛍光を検出する蛍光検出部と、を少なくとも備え、
    前記加熱部は、少なくとも前記光源が励起光を照射する際に、前記反応領域の温度が定常温度となるように温度制御を行う温度制御部と、を備えた反応処理装置。
  2. 前記加熱部は、前記定常温度以上に加熱可能であり、かつ前記温度制御部は、少なくとも加熱実施の有無を制御することを特徴とする請求項1記載の反応処理装置。
  3. 前記反応領域で核酸増幅反応を行う核酸増幅装置であることを特徴とする請求項1記載の反応処理装置。
  4. 前記核酸増幅反応は、反応温度を前記定常温度以上とした後に、前記反応温度を前記定常温度とするサイクルを少なくとも1回以上行うことを特徴とする請求項3記載の反応処理装置。
  5. 反応領域と、
    該反応領域中の試料の蛍光を測定する光学手段と、
    前記反応領域を加熱する加熱部と、
    前記反応領域の温度を検出する温度検出部と、を少なくとも備えた反応処理装置であり、
    前記光学手段は、
    前記反応領域中の試料に所定波長の励起光を照射可能な光源と、
    前記温度検出部により検出された前記反応領域の温度が定常温度であるときに、前記光源から励起光を照射させるように制御する照射制御手段と、
    前記励起光の照射により試料から発せられる蛍光を検出する蛍光検出部と、を少なくとも備えた反応処理装置。
  6. 蛍光物質の蛍光を検出することによって反応系内の反応を検出する方法であって、
    定常温度において反応系内に所定波長の励起光を照射する工程と、
    前記励起光の照射により発生する蛍光を検出する工程と、を少なくとも行うことを特徴とする反応検出方法。

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