JP2009088595A - バンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器 - Google Patents

バンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 非常に広い通過帯域の両側に減衰極を有する作動入出力が可能なバンドパスフィルタおよびそれを用いた高周波モジュールならびにそれらを用いた無線通信機器を提供する。
【解決手段】 積層体の第1の層間に第1の入出力段1/4波長共振電極30a,第2の入出力段1/4波長共振電極30b,中段1/2波長共振電極30c,第1の中段1/4波長共振電極30d,第2の中段1/4波長共振電極30e,入出力段1/2波長共振電極30fが、第2の層間に第1の結合電極40a,第2の結合電極40b,第3の結合電極40c,第4の結合電極40dが、積層体の第3の層間に両端が接地されるとともに第1の入出力段1/4波長共振電極30aおよび第2の入出力段1/4波長共振電極30bの接地端側ならびに入出力段1/2波長共振電極30fの中央部と対向して電磁界結合する共振電極結合導体32がそれぞれ配置されたバンドパスフィルタである。
【選択図】 図1

Description

本発明はバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器に関するものであり、例えばUWB(Ultra Wide Band)に好適に使用可能な、非常に広い通過帯域の両側近傍に減衰極を有する作動入出力が可能なバンドパスフィルタおよびそれを用いた高周波モジュールならびにそれらを用いた無線通信機器に関するものである。
近年、新しい通信手段としてUWBが着目されている。UWBは10m程度の短い距離において広い周波数帯域を使用して大容量のデータ転送を実現するものであり、例えば米国FCC(Federal Communication Commission)の規定によると3.1〜10.6GHzの周波数帯域を使用する計画となっている。このようにUWBの特徴は非常に広い周波数帯域を用いることである。日本やITU−Rでは、IEEE802.11.aで使用する5.3GHzを避ける形で3.1〜4.7GHz程度の帯域を使用するLow Band(ローバンド)と6GHz〜10.6GHz程度の帯域を使用するHigh Band(ハイバンド)とに分割された規格が立案されており、Low Band用のフィルタには、2.5GHzと5.3GHzで急峻に減衰する特性が求められている。
このようなUWBに使用可能な超広帯域のフィルタに関する研究は近年盛んに行なわれており、例えば、方向性結合器の原理を応用したバンドパスフィルタによって、通過帯域幅が比帯域(帯域幅/中心周波数)で100%を超える広帯域な特性が得られたとの報告がある(例えば、非特許文献1を参照。)。
一方、従来よく使用されるフィルタとして、複数の1/4波長ストリップライン共振器を併設して相互に結合させて構成したバンドパスフィルタが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、短絡端と開放端とが互い違いとなるようにインターデジタル型に配置された複数の共振器内導体(1/4波長ストリップ線路型共振器)を具備し、各共振器内導体を設けた層とは別の層に、隣接する共振器内導体の短絡端近傍の共振器外導体間を繋ぐ短絡端接続パターンが埋設された構成の積層誘電体フィルタが知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
「マイクロストリップ−CPWブロードサイド結合構造を用いた超広帯域バンドパスフィルタ」2005年3月電子情報通信学会総合大会講演論文集 C-2-114 p.147 特開2004−180032号公報 特開平11−88009号公報
しかしながら、前述したバンドパスフィルタはそれぞれ問題点を有しており、UWB用のバンドパスフィルタには適さないものであった。
例えば、非特許文献1にて提案されたバンドパスフィルタは通過帯域幅が広すぎるという問題があった。すなわち、UWBは最終的に3.1GHz〜10.6GHzの周波数帯域を使用するが、当初は3.1GHz〜4.7GHz程度の周波数帯域を使用する計画となっており、比帯域で40%程度となる。よって、これに使用されるフィルタには比帯域で40%程度の通過帯域幅が要求される。また、W−LAN(IEEE 802.11.a)との間の影響を考慮する必要があり、5.15GHzにおける減衰が要求されている。よって、通過帯域幅が比帯域で100%を超えるような特性を有する非特許文献1にて提案されたバンドパスフィルタは通過帯域幅が広すぎて使えないものであった。
また、従来の1/4波長共振器を使用したバンドパスフィルタの通過帯域幅は狭すぎ、広帯域化を図った特許文献1に記載のバンドパスフィルタの通過帯域幅であっても比帯域で10%にも満たないものであった。よって、比帯域で40%程度に相当する広い通過帯域幅を要求されるUWB用のバンドパスフィルタとして使えるものではなかった。
さらに、特許文献2に記載のバンドパスフィルタでは、通過帯域よりも低域側または高域側のいずれか一方に1個しか減衰極を発生させることができないため、通過帯域の両側近傍の2.5GHzと5.3GHzで急峻に減衰させる必要があるUWB用のLow Bandのフィルタとして使えるものではなかった。
またさらに、UWB等の無線通信機器のRF部に用いられるICの入出力には外部からのノイズの影響が小さく、かつ外部へのノイズの放射も少ない差動線路が用いられることが多いため、ICに接続されるバンドパスフィルタにも作動入出力が可能であることが要求されており、また、広帯域化に有利な平衡型のアンテナとバンドパスフィルタとの接続の観点からもバンドパスフィルタに対して作動入出力が可能であることが要求されているが、前述した従来のバンドパスフィルタは作動入出力に対応できるものではなかった。
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、例えばUWBのLow Band用のバンドパスフィルタとして好適に使用可能な、非常に広い通過帯域の両側に減衰極を有する作動入出力が可能なバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器を提供することにある。
本発明のバンドパスフィルタは、複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、該積層体の下面に配置された第1の接地電極および上面に配置された第2の接地電極と、前記積層体の第1の層間に互いに平行に配置された帯状の入出力段1/2波長共振電極および中段1/2波長共振電極と、前記入出力段1/2波長共振電極および前記中段1/2波長共振電極の間の前記第1の層間に前記入出力段1/2波長共振電極の一方端側領域および前記中段1/2波長共振電極の一方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、前記入出力段1/2波長共振電極および前記中段1/2波長共振電極の一方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第1の中段1/4波長共振電極と、前記入出力段1/2波長共振電極および前記中段1/2波長共振電極の間の前記第1の層間に前記入出力段1/2波長共振電極の他方端側領域および前記中段1/2波長共振電極の他方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、前記入出力段1/2波長共振電極および前記中段1/2波長共振電極の他方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第2の中段1/4波長共振電極と、前記第1の層間の前記中段1/2波長共振電極を挟んで前記第1の中段1/4波長共振電極と反対側に前記中段1/2波長共振電極の前記一方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、前記中段1/2波長共振電極の前記一方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第1の入出力段1/4波長共振電極と、前記第1の層間の前記中段1/2波長共振電極を挟んで前記第2の中段1/4波長共振電極と反対側に前記中段1/2波長共振電極の前記他方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、前記中段1/2波長共振電極の前記他方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第2の入出力段1/4波長共振電極と、前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に前記第1の入出力段1/4波長共振電極に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第1の結合電極と、前記第2の層間に前記第2の入出力段1/4波長共振電極に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第2の結合電極と、前記第2の層間に前記入出力段1/2波長共振電極の前記一方端側領域に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第3の結合電極と、前記第2の層間に前記入出力段1/2波長共振電極の前記他方端側領域に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第4の結合電極と、前記積層体の前記第1の層間を挟んで前記第2の層間と反対側に位置する第3の層間に配置され、一方端が前記第1の入出力段1/4波長共振電極の前記接地端の近傍で接地されるとともに前記第1の入出力段1/4波長共振電極の前記接地端側に対向して電磁界結合する領域を有し、他方端が前記第2の入出力段1/4波長共振電極の前記接地端側の近傍で接地されるとともに前記第2の入出力段1/4波長共振電極の前記接地端側に対向して電磁界結合する領域を有し、中央部に前記入出力段1/2波長共振電極の前記一方端側領域における該一方端側領域の中央より前記他方端側および前記他方端側領域における該他方端側領域の中央より前記一方端側に対向して電磁界結合する領域を有する共振電極結合導体とを備えるバンドパスフィルタであって、前記第1の結合電極および前記第2の結合電極と外部回路との間ならびに前記第3の結合電極および前記第4の結合電極と外部回路との間で差動信号が入出力されるとともに、前記第1の結合電極において前記差動信号の一方が入力または出力される第1入出力点が、前記第1の入出力段1/4波長共振電極の中央よりも前記開放端側と対向する位置にあり、前記第2の結合電極において前記差動信号の他方が入力または出力される第2入出力点が、前記第2の入出力段1/4波長共振電極の中央よりも前記開放端側と対向する位置にあり、前記第3の結合電極において前記差動信号の一方が入力または出力される第3入出力点が、前記入出力段1/2波長共振電極の前記一方端側領域の中央よりも前記一方端側と対向する位置にあり、前記第4の結合電極において前記差動信号の他方が入力または出力される第4入出力点が、前記入出力段1/2波長共振電極の前記他方端側領域の中央よりも前記他方端側と対向する位置にあることを特徴とするものである。
また、本発明のバンドパスフィルタは、上記構成において、前記共振電極結合導体が前記入出力段1/2波長共振電極の長さ方向の中央部と対向する部分を境にして2つに分割されており、分割されたそれぞれの端部が接地されることを特徴とするものである。
さらに、本発明のバンドパスフィルタは、上記各構成において、前記積層体の前記第1の層間に、前記入出力段1/2波長共振電極、前記中段1/2波長共振電極、前記第1の中段1/4波長共振電極、前記第2の中段1/4波長共振電極、前記第1の入出力段1/4波長共振電極および前記第2の入出力段1/4波長共振電極を取り囲むように環状接地電極が形成され、前記第1の中段1/4波長共振電極、前記第2の中段1/4波長共振電極、前記第1の入出力段1/4波長共振電極および前記第2の入出力段1/4波長共振電極のそれぞれの接地端が前記環状接地電極に接続されていることを特徴とするものである。
またさらに、本発明のバンドパスフィルタは、上記各構成において、前記積層体の前記第1の層間に対して前記第2の層間と同じ側に位置する層間に、貫通導体によって前記第1の入出力段1/4波長共振電極の前記開放端側に接続された第1の共振補助電極と、貫通導体によって前記第2の入出力段1/4波長共振電極の前記開放端側に接続された第2の共振補助電極と、貫通導体によって前記入出力段1/2波長共振電極の前記一方端側領域における前記一方端側に接続された第3の共振補助電極と、貫通導体によって前記入出力段1/2波長共振電極の前記他方端側領域における前記他方端側に接続された第4の共振補助電極とが配置されるとともに、前記積層体の前記第1〜第4の共振補助電極が配置された層間および前記第1の層間ならびに前記第2の層間と異なる層間に、貫通導体によって前記第1の結合電極の前記第1入出力点に接続され、前記第1の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第1の結合補助電極と、貫通導体によって前記第2の結合電極の前記第2入出力点に接続され、前記第2の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第2の結合補助電極と、貫通導体によって前記第3の結合電極の前記第3入出力点に接続され、前記第3の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第3の結合補助電極と、貫通導体によって前記第4の結合電極の前記第4入出力点に接続され、前記第4の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第4の結合補助電極とを備え、前記第1の結合補助電極および前記第2の結合補助電極を介して前記第1の結合電極および前記第2の結合電極と外部回路との間で前記差動信号が入出力されるとともに、前記第3の結合補助電極および前記第4の結合補助電極を介して前記第3の結合電極および前記第4の結合電極と外部回路との間で前記差動信号が入出力されることを特徴とするものである。
本発明の無線通信モジュールは、上記各構成のいずれかのバンドパスフィルタを備えることを特徴とするものである。
本発明の無線通信機器は、アンテナと、該アンテナに接続された上記各構成のいずれかのバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部とを備えることを特徴とするものである。
本発明のバンドパスフィルタは、複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、積層体の下面に配置された第1の接地電極および上面に配置された第2の接地電極と、積層体の第1の層間に互いに平行に配置された帯状の入出力段1/2波長共振電極および中段1/2波長共振電極と、入出力段1/2波長共振電極および中段1/2波長共振電極の間の第1の層間に入出力段1/2波長共振電極の一方端側領域および中段1/2波長共振電極の一方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、入出力段1/2波長共振電極および中段1/2波長共振電極の一方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第1の中段1/4波長共振電極と、入出力段1/2波長共振電極および中段1/2波長共振電極の間の第1の層間に入出力段1/2波長共振電極の他方端側領域および中段1/2波長共振電極の他方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、入出力段1/2波長共振電極および中段1/2波長共振電極の他方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第2の中段1/4波長共振電極と、第1の層間の中段1/2波長共振電極を挟んで第1の中段1/4波長共振電極と反対側に中段1/2波長共振電極の一方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、中段1/2波長共振電極の一方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第1の入出力段1/4波長共振電極と、第1の層間の中段1/2波長共振電極を挟んで第2の中段1/4波長共振電極と反対側に中段1/2波長共振電極の他方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、中段1/2波長共振電極の他方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第2の入出力段1/4波長共振電極とを備えている。このような構成を有していることから、作動入出力が可能になるとともに、第1の入出力段1/4波長共振電極および第2の入出力段1/4波長共振電極と中段1/2波長共振電極とが互いにインターデジタル型に電磁界結合し、中段1/2波長共振電極と第1の中段1/4波長共振電極および第2の中段1/4波長共振電極とが互いにインターデジタル型に電磁界結合し、第1の中段1/4波長共振電極および第2の中段1/4波長共振電極と入出力段1/2波長共振電極とが互いにインターデジタル型に電磁界結合するため、隣接する共振電極同士が全てインターデジタル型に電磁界結合する。これにより、電界による結合と磁界による結合とが加算されて、コムライン型に結合する場合と比較してより強い結合が生じるため、それぞれの共振モードにおける共振周波数の間の周波数間隔を、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた、比帯域で40%程度という非常に広い通過帯域幅を得るのに適度なものにすることができる。
その上で、本発明のバンドパスフィルタは、積層体の第1の層間とは異なる第2の層間に第1の入出力段1/4波長共振電極に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第1の結合電極と、第2の層間に第2の入出力段1/4波長共振電極に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第2の結合電極と、第2の層間に入出力段1/2波長共振電極の一方端側領域に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第3の結合電極と、第2の層間に入出力段1/2波長共振電極の他方端側領域に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第4の結合電極とを備えており、第1の結合電極および第2の結合電極と外部回路との間ならびに第3の結合電極および第4の結合電極と外部回路との間で差動信号が入出力されるとともに、第1の結合電極において差動信号の一方が入力または出力される第1入出力点が、第1の入出力段1/4波長共振電極の中央よりも開放端側と対向する位置にあり、第2の結合電極において差動信号の他方が入力または出力される第2入出力点が、第2の入出力段1/4波長共振電極の中央よりも開放端側と対向する位置にあり、第3の結合電極において差動信号の一方が入力または出力される第3入出力点が、入出力段1/2波長共振電極の一方端側領域の中央よりも一方端側と対向する位置にあり、第4の結合電極において差動信号の他方が入力または出力される第4入出力点が、入出力段1/2波長共振電極の他方端側領域の中央よりも他方端側と対向する位置にある。このような構成を有していることから、第1の結合電極および第2の結合電極と第1の入出力段1/4波長共振電極および第2の入出力段1/4波長共振電極とがブロードサイド結合するとともにインターデジタル型に結合し、第3の結合電極および第4の結合電極と入出力段1/2波長共振電極の一方端側領域および他方端側領域とがブロードサイド結合するとともにインターデジタル型に結合する。ブロードサイド結合であるためエッジ結合と比較して強い結合になるとともに、インターデジタル型に結合するため、前述した共振電極同士の場合と同様に磁界による結合と電界による結合とが加算されて強い結合になるので、第1の結合電極および第2の結合電極と第1の入出力段1/4波長共振電極および第2の入出力段1/4波長共振電極との間ならびに第3の結合電極および第4の結合電極と入出力段1/2波長共振電極の一方端側領域および他方端側領域との間に非常に強い結合が生じる。これにより、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失が大きく増加することのない、広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
そして、本発明のバンドパスフィルタは、積層体の第1の層間を挟んで第2の層間と反対側に位置する第3の層間に配置され、一方端が第1の入出力段1/4波長共振電極の接地端の近傍で接地されるとともに第1の入出力段1/4波長共振電極の接地端側に対向して電磁界結合する領域を有し、他方端が第2の入出力段1/4波長共振電極の接地端側の近傍で接地されるとともに第2の入出力段1/4波長共振電極の接地端側に対向して電磁界結合する領域を有し、中央部に入出力段1/2波長共振電極の一方端側領域における一方端側領域の中央より他方端側および他方端側領域における他方端側領域の中央より一方端側に対向して電磁界結合する領域を有する共振電極結合導体とを備えている。このような構成を有していることから、第1の入出力段1/4波長共振電極,中段1/2波長共振電極の一方端領域,第1の中段1/4波長共振電極および入出力段1/2波長共振電極の一方端領域の4段の共振電極により構成されるフィルタ回路ならびに第2の入出力段1/4波長共振電極,中段1/2波長共振電極の他方端領域,第2の中段1/4波長共振電極および入出力段1/2波長共振電極の他方端領域の4段の共振電極により構成されるフィルタ回路からなる互いに並列に接続された2つのフィルタ回路の両方において、4段の共振電極からなるフィルタ回路の最前段の共振電極と最後段の共振電極との間に共振電極結合導体によって誘導性の結合が生じる。また、それぞれのフィルタ回路において、隣り合う共振電極同士はインターデジタル型に結合しており、磁界による結合と電界による結合が加算されて強く結合しているが、全体としては容量性の結合になっている。このため、4段の共振電極からなるフィルタ回路の最前段の共振電極と最後段の共振電極との間で、共振電極結合導体を介した誘導性の結合により伝達された信号と、隣り合う共振電極同士の容量性の結合により伝達された信号との間に180°の位相差が生じて互いに打ち消し合う現象を生じさせることができる。この現象をバンドパスフィルタの通過帯域の両側近傍で生じさせることができるため、バンドパスフィルタの通過特性において、通過帯域の両側近傍において信号が殆ど伝達されない減衰極を形成することができる。
また、本発明のバンドパスフィルタによれば、積層体の第1の層間に、入出力段1/2波長共振電極、中段1/2波長共振電極、第1の中段1/4波長共振電極、第2の中段1/4波長共振電極、第1の入出力段1/4波長共振電極および第2の入出力段1/4波長共振電極を取り囲むように環状接地電極が形成され、第1の中段1/4波長共振電極、第2の中段1/4波長共振電極、第1の入出力段1/4波長共振電極および第2の入出力段1/4波長共振電極のそれぞれの接地端が環状接地電極に接続されているときには、第1の中段1/4波長共振電極、第2の中段1/4波長共振電極、第1の入出力段1/4波長共振電極および第2の入出力段1/4波長共振電極のそれぞれを容易に接地することができる。
さらに、本発明のバンドパスフィルタは、積層体の第1の層間に対して第2の層間と同じ側に位置する層間に、貫通導体によって第1の入出力段1/4波長共振電極の開放端側に接続された第1の共振補助電極と、貫通導体によって第2の入出力段1/4波長共振電極の開放端側に接続された第2の共振補助電極と、貫通導体によって入出力段1/2波長共振電極の一方端側領域における一方端側に接続された第3の共振補助電極と、貫通導体によって入出力段1/2波長共振電極の他方端側領域における他方端側に接続された第4の共振補助電極とが配置されるとともに、積層体の第1〜第4の共振補助電極が配置された層間および第1の層間ならびに第2の層間と異なる層間に、貫通導体によって第1の結合電極の第1入出力点に接続され、第1の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第1の結合補助電極と、貫通導体によって第2の結合電極の第2入出力点に接続され、第2の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第2の結合補助電極と、貫通導体によって第3の結合電極の第3入出力点に接続され、第3の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第3の結合補助電極と、貫通導体によって第4の結合電極の第4入出力点に接続され、第4の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第4の結合補助電極とを備え、第1の結合補助電極および第2の結合補助電極を介して第1の結合電極および第2の結合電極と外部回路との間で差動信号が入出力されるとともに、第3の結合補助電極および第4の結合補助電極を介して第3の結合電極および第4の結合電極と外部回路との間で差動信号が入出力されるようにしてもよい。このような構成を有するときには、第1の結合補助電極および第2の結合補助電極と第1の共振補助電極および第2の共振補助電極との電磁界による結合が第1の結合電極および第2の結合電極と第1の入出力段1/4波長共振電極および第2の入出力段1/4波長共振電極との電磁界による結合に加算されるとともに、第3の結合補助電極および第4の結合補助電極と第3の共振補助電極および第4の共振補助電極との電磁界による結合が第3の結合電極および第4の結合電極と入出力段1/2波長共振電極の一方端側領域および他方端側領域との電磁界による結合に加算される。これによって、第1の結合電極および第2の結合電極と第1の入出力段1/4波長共振電極および第2の入出力段1/4波長共振電極との電磁界による結合ならびに第3の結合電極および第4の結合電極と入出力段1/2波長共振電極の一方端側領域および他方端側領域との電磁界による結合がさらに強まるので、非常に広い通過帯域幅であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに低減された、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
本発明の無線通信モジュールおよび本発明の無線通信機器によれば、通信帯域の全域に渡って通過する信号の損失が小さい本発明のバンドパスフィルタを送信信号および受信信号の濾波に用いることにより、バンドパスフィルタを通過する受信信号および送信信号の減衰が少なくなるため、受信感度が向上し、また、送信信号をおよび受信信号の増幅度を小さくできるため増幅回路における消費電力が少なくなる。また、バンドパスフィルタの入出力に差動信号を用いることができるので外部からのノイズの影響を受けにくくなるとともに、広帯域化に有利な平衡型のアンテナにバンドパスフィルタをそのまま接続することが可能になる。よって受信感度が高く消費電力が少ない安定性に優れた無線通信モジュールおよび無線通信機器を得ることができる。
以下、本発明のバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態の第1の例)
図1は本発明のバンドパスフィルタの実施の形態の一例を模式的に示す分解斜視図である。
本例のバンドパスフィルタは、複数の誘電体層11が積層されてなる積層体と、積層体の下面に配置された第1の接地電極21および上面に配置された第2の接地電極22と、積層体の第1の層間に互いに平行に配置された帯状の入出力段1/2波長共振電極30fおよび中段1/2波長共振電極30cと、入出力段1/2波長共振電極30fおよび中段1/2波長共振電極30cの間の第1の層間に入出力段1/2波長共振電極30fの長さ方向の中央よりも一方端側の一方端側領域および中段1/2波長共振電極30cの長さ方向の中央よりも一方端側の一方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、入出力段1/2波長共振電極30fおよび中段1/2波長共振電極30cの一方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第1の中段1/4波長共振電極30dと、入出力段1/2波長共振電極30fおよび中段1/2波長共振電極30cの間の第1の層間に入出力段1/2波長共振電極30fの長さ方向の中央よりも他方端側の他方端側領域および中段1/2波長共振電極30cの長さ方向の中央よりも他方端側の他方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、入出力段1/2波長共振電極30fおよび中段1/2波長共振電極30cの他方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第2の中段1/4波長共振電極30eと、第1の層間の中段1/2波長共振電極30cを挟んで第1の中段1/4波長共振電極30dと反対側に中段1/2波長共振電極30cの一方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、中段1/2波長共振電極30cの一方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第1の入出力段1/4波長共振電極30aと、第1の層間の中段1/2波長共振電極30cを挟んで第2の中段1/4波長共振電極30eと反対側に中段1/2波長共振電極30cの他方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、中段1/2波長共振電極30cの他方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第2の入出力段1/4波長共振電極30bと、積層体の第1の層間とは異なる第2の層間に第1の入出力段1/4波長共振電極30aに対向して電磁界結合するように配置された帯状の第1の結合電極40aと、第2の層間に第2の入出力段1/4波長共振電極30bに対向して電磁界結合するように配置された帯状の第2の結合電極40bと、第2の層間に入出力段1/2波長共振電極30fの一方端側領域に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第3の結合電極40cと、第2の層間に入出力段1/2波長共振電極30fの他方端側領域に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第4の結合電極40dと、積層体の第1の層間を挟んで第2の層間と反対側に位置する第3の層間に配置され、一方端が第1の入出力段1/4波長共振電極30aの接地端の近傍で接地されるとともに第1の入出力段1/4波長共振電極30aの接地端側に対向して電磁界結合する領域を有し、他方端が第2の入出力段1/4波長共振電極30bの接地端側の近傍で接地されるとともに第2の入出力段1/4波長共振電極30bの接地端側に対向して電磁界結合する領域を有し、中央部に入出力段1/2波長共振電極30fの一方端側領域における一方端側領域の中央より他方端側および他方端側領域における他方端側領域の中央より一方端側に対向して電磁界結合する領域を有する共振電極結合導体32とを備えている。
また、本例のバンドパスフィルタは、積層体の第1の層間に、入出力段1/2波長共振電極30f、中段1/2波長共振電極30c、第1の中段1/4波長共振電極30d、第2の中段1/4波長共振電極30e、第1の入出力段1/4波長共振電極30aおよび第2の入出力段1/4波長共振電極30bを取り囲むように環状接地電極23が形成され、第1の中段1/4波長共振電極30d、第2の中段1/4波長共振電極30e、第1の入出力段1/4波長共振電極30aおよび第2の入出力段1/4波長共振電極30bのそれぞれの接地端が環状接地電極23に接続されている。そして、共振電極結合導体32の一方端が第1の入出力段1/4波長共振電極30aの接地端の近傍で貫通導体50を介して第1の接地電極21および環状接地電極23に接続されており、他方端が第2の入出力段1/4波長共振電極30bの接地端側の近傍で貫通導体50を介して第1の接地電極21および環状接地電極23に接続されている。
さらに、本例のバンドパスフィルタは、第1の入出力端子電極60aおよび第2の入出力端子電極60bがそれぞれ貫通導体50を介して第1の結合電極40aおよび第2の結合電極40bに接続されるとともに、第3の入出力端子電極60cおよび第4の入出力端子電極60dがそれぞれ貫通導体50を介して第3の結合電極40cおよび第4の結合電極40dに接続されている。そして、第1の結合電極40aおよび第2の結合電極40bと外部回路との間で第1の入出力端子電極60aおよび第2の入出力端子電極60bならびに貫通導体50を介して差動信号が入出力されるとともに、第3の結合電極40cおよび第4の結合電極40dと外部回路との間で第3の入出力端子電極60cおよび第4の入出力端子電極60dならびに貫通導体50を介して差動信号が入出力されて、作動入出力が可能なバンドパスフィルタとして機能する。
なお、本例のバンドパスフィルタは、第1の結合電極40aにおいて貫通導体50に接続されて差動信号の一方が入力または出力される第1入出力点45aが、第1の入出力段1/4波長共振電極30aの中央よりも開放端側と対向する位置にあり、第2の結合電極40bにおいて貫通導体50に接続されて差動信号の他方が入力または出力される第2入出力点45bが、第2の入出力段1/4波長共振電極30bの中央よりも開放端側と対向する位置にあり、第3の結合電極40cにおいて貫通導体50に接続されて差動信号の一方が入力または出力される第3入出力点45cが、入出力段1/2波長共振電極30fの一方端側領域の中央よりも一方端側と対向する位置にあり、第4の結合電極40dにおいて貫通導体50に接続されて差動信号の他方が入力または出力される第4入出力点45dが、入出力段1/2波長共振電極30fの他方端側領域の中央よりも他方端側と対向する位置にある。
このような本例のバンドパスフィルタによれば、第1の入出力段1/4波長共振電極30aおよび第2の入出力段1/4波長共振電極30bと中段1/2波長共振電極30cとが互いにインターデジタル型に電磁界結合し、中段1/2波長共振電極30cと第1の中段1/4波長共振電極30dおよび第2の中段1/4波長共振電極30eとが互いにインターデジタル型に電磁界結合し、第1の中段1/4波長共振電極30dおよび第2の中段1/4波長共振電極30eと入出力段1/2波長共振電極30fとが互いにインターデジタル型に電磁界結合するため、隣接する共振電極同士が全てインターデジタル型に電磁界結合する。これにより、電界による結合と磁界による結合とが加算されて、コムライン型に結合する場合と比較してより強い結合が生じるため、それぞれの共振モードにおける共振周波数の間の周波数間隔を、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた、比帯域で40%程度という非常に広い通過帯域幅を得るのに適度なものにすることができる。
また、本例のバンドパスフィルタによれば、第1の結合電極40aおよび第2の結合電極40bと第1の入出力段1/4波長共振電極30aおよび第2の入出力段1/4波長共振電極30bとがブロードサイド結合するとともにインターデジタル型に結合し、第3の結合電極40cおよび第4の結合電極40dと入出力段1/2波長共振電極30fの一方端側領域および他方端側領域とがブロードサイド結合するとともにインターデジタル型に結合する。ブロードサイド結合であるためエッジ結合と比較して強い結合になるとともに、インターデジタル型に結合するため、前述した共振電極同士の場合と同様に磁界による結合と電界による結合とが加算されて強い結合になるので、第1の結合電極40aおよび第2の結合電極40bと第1の入出力段1/4波長共振電極30aおよび第2の入出力段1/4波長共振電極30bとの間ならびに第3の結合電極40cおよび第4の結合電極40dと入出力段1/2波長共振電極30fの一方端側領域および他方端側領域との間に非常に強い結合が生じる。これにより、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失が大きく増加することのない、広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
またさらに、本例のバンドパスフィルタによれば、第1の入出力段1/4波長共振電極30a,中段1/2波長共振電極30cの一方端領域,第1の中段1/4波長共振電極30dおよび入出力段1/2波長共振電極30fの一方端領域の4段の共振電極により構成されるフィルタ回路ならびに第2の入出力段1/4波長共振電極30b,中段1/2波長共振電極30cの他方端領域,第2の中段1/4波長共振電極30eおよび入出力段1/2波長共振電極30fの他方端領域の4段の共振電極により構成されるフィルタ回路からなる互いに並列に接続された2つのフィルタ回路の両方において、4段の共振電極からなるフィルタ回路の最前段の共振電極と最後段の共振電極との間に共振電極結合導体32によって誘導性の結合が生じる。また、それぞれのフィルタ回路において、隣り合う共振電極同士はインターデジタル型に結合しており、磁界による結合と電界による結合が加算されて強く結合しているが、全体としては容量性の結合になっている。このため、4段の共振電極からなるフィルタ回路の最前段の共振電極と最後段の共振電極との間で、共振電極結合導体32を介した誘導性の結合により伝達された信号と、隣り合う共振電極同士の容量性の結合により伝達された信号との間に180°の位相差が生じて互いに打ち消し合う現象を生じさせることができる。この現象をバンドパスフィルタの通過帯域の両側近傍で生じさせることができるため、バンドパスフィルタの通過特性において、通過帯域の両側近傍において信号が殆ど伝達されない減衰極を形成することができる。
さらにまた、本例のバンドパスフィルタによれば、積層体の第1の層間に、入出力段1/2波長共振電極30f、中段1/2波長共振電極30c、第1の中段1/4波長共振電極30d、第2の中段1/4波長共振電極30e、第1の入出力段1/4波長共振電極30aおよび第2の入出力段1/4波長共振電極30bを取り囲むように環状接地電極23が形成されていることから、第1の入出力段1/4波長共振電極30a、第2の入出力段1/4波長共振電極30b、第1の中段1/4波長共振電極30dおよび第2の中段1/4波長共振電極30eのそれぞれの接地端を環状接地電極23に接続することによって容易に接地することができる。また、各々の共振電極の周囲を電磁気的に遮蔽することによって、外部からの電磁ノイズの影響を低減することができるとともに、各々の共振電極から発生する電磁波の周囲への漏洩を低減することができる。この効果はモジュール基板の中の一部の領域にバンドパスフィルタが形成される場合に、モジュール基板の他の領域への悪影響を防止する上で特に有用である。
(実施の形態の第2の例)
図2は本発明のバンドパスフィルタの実施の形態の他の例を模式的に示す分解斜視図である。なお、本例においては前述した第1の例と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本例のバンドパスフィルタは、積層体の第2の層間に、貫通導体50によって第1の入出力段1/4波長共振電極30aの開放端側に接続された第1の共振補助電極31aと、貫通導体50によって第2の入出力段1/4波長共振電極30bの開放端側に接続された第2の共振補助電極31bと、貫通導体50によって入出力段1/2波長共振電極30fの一方端側領域における一方端側に接続された第3の共振補助電極31cと、貫通導体50によって入出力段1/2波長共振電極30fの他方端側領域における他方端側に接続された第4の共振補助電極31dとが配置されている。なお、第1の共振補助電極31a,第2の共振補助電極31b,第3の共振補助電極31cおよび第4の共振補助電極31dは、それぞれ環状接地電極23と対向する領域を有するように配置されている。
また、本例のバンドパスフィルタは、積層体の第2の層間を挟んで第1の層間と反対側に位置する層間Aに、貫通導体50によって第1の結合電極40aの第1入出力点45aに接続され、第1の共振補助電極31aに対向する領域を有するように配置された第1の結合補助電極41aと、貫通導体50によって第2の結合電極40bの第2入出力点45bに接続され、第2の共振補助電極31bに対向する領域を有するように配置された第2の結合補助電極41bと、貫通導体50によって第3の結合電極40cにおける入出力段1/2波長共振電極30fの第3入出力点45cに接続され、第3の共振補助電極31cに対向する領域を有するように配置された第3の結合補助電極41cと、貫通導体50によって第4の結合電極40dの第4入出力点45dに接続され、第4の共振補助電極31dに対向する領域を有するように配置された第4の結合補助電極41dとを備えている。
さらに、本例のバンドパスフィルタは、第1の入出力端子電極60aおよび第2の入出力端子電極60bがそれぞれ貫通導体50を介して第1の結合補助電極41aおよび第2の結合補助電極41bに接続されるとともに、第3の入出力端子電極60cおよび第4の入出力端子電極60dがそれぞれ貫通導体50を介して第3の結合補助電極41cおよび第4の結合補助電極41dに接続されている。そして、第1の結合電極40aおよび第2の結合電極40bと外部回路との間で第1の入出力端子電極60aおよび第2の入出力端子電極60bならびに第1の結合補助電極41aおよび第2の結合補助電極41bならびに貫通導体50を介して差動信号が入出力されるとともに、第3の結合電極40cおよび第4の結合電極40dと外部回路との間で第3の入出力端子電極60cおよび第4の入出力端子電極60dならびに第3の結合補助電極41cおよび第4の結合補助電極41dならびに貫通導体50を介して差動信号が入出力されて、作動入出力が可能なバンドパスフィルタとして機能する。
なお、本例のバンドパスフィルタは、積層体の第1の層間と積層体の上面との間に位置する層間Bに第2の接地電極22と対向するように配置された、貫通導体50によって中段1/2波長共振電極30cの一方端および他方端にそれぞれ接続された共振補助電極31eおよび共振補助電極31fと、貫通導体50によって第1の中段1/4波長共振電極30dおよび第2の中段1/4波長共振電極30e開放端側にそれぞれ接続された共振補助電極31gおよび共振補助電極31hとをさらに有している。
本例のバンドパスフィルタによれば、第1の結合補助電極41aおよび第2の結合補助電極41bと第1の共振補助電極31aおよび第2の共振補助電極31bとの電磁界による結合が第1の結合電極40aおよび第2の結合電極40bと第1の入出力段1/4波長共振電極30aおよび第2の入出力段1/4波長共振電極30bとの電磁界による結合に加算されるとともに、第3の結合補助電極41cおよび第4の結合補助電極41dと第3の共振補助電極31cおよび第4の共振補助電極31dとの電磁界による結合が第3の結合電極40cおよび第4の結合電極40dと入出力段1/2波長共振電極30fの一方端側領域および他方端側領域との電磁界による結合に加算される。これによって、第1の結合電極40aおよび第2の結合電極40bと第1の入出力段1/4波長共振電極30aおよび第2の入出力段1/4波長共振電極30bとの電磁界による結合ならびに第3の結合電極40cおよび第4の結合電極40dと入出力段1/2波長共振電極30fの一方端側領域および他方端側領域との電磁界による結合がさらに強まるので、非常に広い通過帯域幅であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに低減された、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
また、本例のバンドパスフィルタによれば、第1の共振補助電極31a,第2の共振補助電極31b,第3の共振補助電極31cおよび第4の共振補助電極31dが、それぞれ環状接地電極23と対向する領域を有するように配置されているとともに、共振補助電極31e,共振補助電極31f,共振補助電極31gおよび共振補助電極31hが第2の接地電極22と対向する領域を有するように配置されていることから、それぞれの共振補助電極と環状接地電極23または第2の接地電極22との間に発生する静電容量によって、それぞれの共振補助電極に接続された共振電極の長さを短くすることができるので、より小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
(実施の形態の第3の例)
図3は本発明のバンドパスフィルタを用いた無線通信モジュール80および無線通信機器85の構成例を示すブロック図である。
本発明の無線通信モジュール80は、例えば、ベースバンド信号が処理されるベースバンド部81と、ベースバンド部81に接続されてベースバンド信号の変調後および復調前のRF信号が処理されるRF部82とを備えている。
RF部82には前述した本発明のバンドパスフィルタ821が含まれており、ベースバンド信号が変調されてなるRF信号または受信したRF信号における通信帯域以外の信号をバンドパスフィルタ821によって減衰させている。
具体的な構成としては、ベースバンド部81にはベースバンドIC 811が配置され、RF部82にはバンドパスフィルタ821とベースバンド部81との間にRF IC 822が配置されている。なお、これらの回路間には別の回路が介在していてもよい。
そして、無線通信モジュール80のバンドパスフィルタ821にアンテナ84を接続することによってRF信号の送受信がなされる本発明の無線通信機器85が構成される。なお、本例においてアンテナ84は広帯域化に有利な平衡型のアンテナ84とされている。
このような構成を有する本発明の無線通信モジュール80および無線通信機器85によれば、通信帯域の全域に渡って通過する信号の損失が小さい本発明のバンドパスフィルタ821を用いて送信信号および受信信号の濾波を行なうことから、通信帯域の全体に渡ってバンドパスフィルタ821を通過する送信信号および受信信号の減衰を少なくすることができるため、受信感度が向上するとともに、送信信号および受信信号の増幅度を小さくすることができるので、増幅回路における消費電力が少なくなる。また、バンドパスフィルタの入出力に差動信号を用いることができるので外部からのノイズの影響を受けにくくなるとともに、広帯域化に有利な平衡型のアンテナ84とバンドパスフィルタとをそのまま接続することが可能となる。よって受信感度が高く消費電力が少ない安定性に優れた無線通信モジュール80および無線通信機器85を得ることができる。
本発明のバンドパスフィルタにおいて、誘電体層11の材質としては、例えばエポキシ樹脂等の樹脂や例えば誘電体セラミックス等のセラミックスを用いることができる。例えば、BaTiO,PbFeNb12,TiO等の誘電体セラミック材料と、B,SiO,Al,ZnO等のガラス材料とからなり、800〜1200℃程度の比較的低い温度で焼成が可能なガラス−セラミック材料が好適に用いられる。また、誘電体層11の厚みとしては、例えば0.01〜0.4mm程度に設定される。
前述した各種の電極および貫通導体の材質としては、例えば、Ag,Ag−Pd,Ag−Pt等のAg合金を主成分とする導電材料やCu系,W系,Mo系,Pd系導電材料等が好適に用いられる。各種の電極の厚みは、例えば0.001〜0.03mmに設定される。
本発明のバンドパスフィルタは、例えば次のようにして作製することができる。まず、セラミック原料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して泥漿状にするとともに、ドクターブレード法によってセラミックグリーンシートを形成する。次に、得られたセラミックグリーンシートにパンチングマシーン等を用いて貫通導体となる貫通孔を形成し、Ag,Ag−Pd,Au,Cu等の導体ペーストを充填することで貫通導体を形成する。次に、セラミックグリーンシートに印刷法を用いて前述した各種の電極を形成する。次に、これらを積層し、ホットプレス装置を用いて圧着し、800℃〜1050℃程度のピーク温度で焼成することにより作製される。
(変形例)
本発明は前述した実施の形態の第1〜第3の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
例えば、前述した実施の形態の例においては、1つの共振電極結合導体32を配置した例を示したが、共振電極結合導体32が入出力段1/2波長共振電極30fの長さ方向の中央部と対向する部分を境にして2つに分割されており、分割されたそれぞれの端部が接地されるようにしても構わない。このような構造の共振電極結合導体も前述した実施の形態のバンドパスフィルタの共振電極結合導体32と全く同様に機能する。
また、前述した実施の形態の例においては、第1〜第4の入出力端子電極60a〜60dを備えた例を示したが、モジュール基板の中の一領域にバンドパスフィルタが形成されるような場合には第1〜第4の入出力端子電極60a〜60dは必ずしも必要なく、モジュール基板内の外部回路からの配線導体が、第1〜第4の結合電極40a〜40dに直接接続するようにしても構わない。この場合は、第1〜第4の結合電極40a〜40dのそれぞれと配線導体との接続点が、第1〜第4入出力点45a〜45dとなる。
さらに、前述した実施の形態の第2の例では第1〜第4の共振補助電極31a〜31dが第1〜第4の結合電極40a〜40dと同じく第2の層間に配置された例を示したが、第1〜第4の共振補助電極31a〜31dと第1〜第4の結合電極40a〜40dとが積層体10の異なる層間に配置されるようにしても構わない。
またさらに、第1〜第4の共振補助電極31a〜31dが環状接地電極23と対向する領域を有するように配置された例を示したが、第1〜第4の共振補助電極31a〜31dが第1の接地電極21または第2の接地電極22と対向するように配置しても構わない。
さらにまた、前述した実施の形態の例においては、積層体の下面に第1の接地電極21を配置し、積層体10の上面に第2の接地電極22を配置した例を示したが、例えば、第1の接地電極21の下にさらに誘電体層11を配置しても構わないし、第2の接地電極22の上にさらに誘電体層11を配置しても構わない。
またさらに、UWBに用いられるバンドパスフィルタを例示してこれまで説明を行なってきたが、広帯域を要求される他の用途においても本発明のバンドパスフィルタが有効であることは言うまでもない。
次に、本発明のバンドパスフィルタの具体例について説明する。
図2に示した構造を有する本発明のバンドパスフィルタの電気特性を有限要素法を用いたシミュレーションによって算出した。算出条件は、物性値としては、誘電体層11の比誘電率=9.4とし、誘電体層11の誘電正接を0.0005とし、各種電極の導電率を3.0×10S/mとした。形状寸法としては、第1および第2の入出力段1/4波長共振電極30a,30bならびに第1および第2の中段1/4波長共振電極30d,30eの形状は幅が0.4mmで長さが2.9mmとし、入出力段1/2波長共振電極30fおよび中段1/2波長共振電極30cの形状は幅が0.4mmで長さが5.8mmとし、隣り合う共振電極同士の間隔は0.13mmとした。第1〜第4の結合電極40a,40b,40c,40dの形状は幅が0.3mmで長さが2.5mmとし、第1〜第4の結合補助電極41a,41b,41c,41dの形状は幅が0.3mm、長さが1.4mmとした。第1〜第4の共振補助電極31a,31b,31c,31dは幅が0.55mmで長さが0.6mmの矩形と幅が0.2mmで長さが0.7mmの矩形とを接合した形状とした。共振補助電極31e,31f,31g,31hは幅が0.65mmで長さが0.7mmの矩形の形状とした。第1および第2接地電極21,22ならびに環状接地電極23の外形は幅が4.6mmで長さが7.1mmとし、環状接地電極23の開口部は幅が2.9mmで長さが6mmとした。減衰極を形成させるための共振電極結合導体32は、第1および第2の入出力段1/4波長共振電極30a,30bと対向して電磁界結合する領域の幅が0.2mmで長さが1.7mmの矩形の形状と、入出力段1/2波長共振電極30fと対向して電磁界結合する領域の幅が0.2mmで長さが3.2mmの矩形の形状を、幅0.1mmの接続部分で接合した形状とした。バンドパスフィルタ全体の形状は幅が4.6mmで長さが7.1mmで厚みが0.91mmとし、厚み方向の中央に第1の層間が位置するようにした。第1〜第3の層間および層間Aにおいて隣接する層間の間隔をそれぞれ0.065mmとし、層間Bと積層体の上面との間隔も0.065mmとした。各種電極の厚みは0.01mmとし、各種貫通導体の直径は0.1mmとした。
図4はそのシミュレーション結果を示すグラフであり、図5は図2に示した本発明のバンドパスフィルタから共振電極結合導体32を取り除いた構造を有する比較例のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示すグラフである。それぞれのグラフにおいて、横軸は周波数,縦軸は減衰量を表しており、バンドパスフィルタの通過特性(S21)および反射特性(S11)を示している。図4に示すグラフによれば、本発明のバンドパスフィルタでは、従来の1/4波長共振器を用いたフィルタで実現されていた領域よりも遙かに広い、比帯域で40%〜50%程度の非常に広い通過帯域の全体において低損失な特性が得られている。また、図5に示す比較例のバンドパスフィルタの電気特性と比較すると、通過帯域の両側近傍に減衰極が形成されることによって通過帯域の両側近傍における減衰量が大きく増加していることがわかる。この結果により、本発明によれば、非常に広い通過帯域の両側に減衰極を有する作動入出力が可能なバンドパスフィルタが得られることがわかり、本発明の有効性が確認できた。
本発明のバンドパスフィルタの実施の形態の一例を模式的に示す分解斜視図である。 本発明のバンドパスフィルタの実施の形態の他の例を模式的に示す分解斜視図である。 本発明のバンドパスフィルタを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器の構成例を示すブロック図である。 本発明のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示す図である。 比較例のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示す図である。
符号の説明
11:誘電体層
21:第1の接地電極
22:第2の接地電極
23:環状接地電極
30a:第1の入出力段1/4共振電極
30b:第2の入出力段1/4共振電極
30c:中段1/2波長共振電極
30d:第1の中段1/4波長共振電極
30e:第2の中段1/4波長共振電極
30f:入出力段1/2波長共振電極
31a:第1の共振補助電極
31b:第2の共振補助電極
31c:第3の共振補助電極
31d:第4の共振補助電極
32:共振電極結合導体
40a:第1の結合電極
40b:第2の結合電極
40c:第3の結合電極
40d:第4の結合電極
41a:第1の結合補助電極
41b:第2の結合補助電極
41c:第3の結合補助電極
41d:第4の結合補助電極
45a:第1入出力点
45b:第2入出力点
45c:第3入出力点
45d:第4入出力点
50:貫通導体
80:無線通信モジュール
81:ベースバンド部
82:RF部
84:アンテナ
85:無線通信機器

Claims (6)

  1. 複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、
    該積層体の下面に配置された第1の接地電極および上面に配置された第2の接地電極と、
    前記積層体の第1の層間に互いに平行に配置された帯状の入出力段1/2波長共振電極および中段1/2波長共振電極と、
    前記入出力段1/2波長共振電極および前記中段1/2波長共振電極の間の前記第1の層間に前記入出力段1/2波長共振電極の一方端側領域および前記中段1/2波長共振電極の一方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、前記入出力段1/2波長共振電極および前記中段1/2波長共振電極の一方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第1の中段1/4波長共振電極と、
    前記入出力段1/2波長共振電極および前記中段1/2波長共振電極の間の前記第1の層間に前記入出力段1/2波長共振電極の他方端側領域および前記中段1/2波長共振電極の他方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、前記入出力段1/2波長共振電極および前記中段1/2波長共振電極の他方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第2の中段1/4波長共振電極と、
    前記第1の層間の前記中段1/2波長共振電極を挟んで前記第1の中段1/4波長共振電極と反対側に前記中段1/2波長共振電極の前記一方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、前記中段1/2波長共振電極の前記一方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第1の入出力段1/4波長共振電極と、
    前記第1の層間の前記中段1/2波長共振電極を挟んで前記第2の中段1/4波長共振電極と反対側に前記中段1/2波長共振電極の前記他方端側領域と対向して相互に電磁界結合するように配置され、前記中段1/2波長共振電極の前記他方端に近い側の端部が接地端であり、反対側の端部が開放端である帯状の第2の入出力段1/4波長共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に前記第1の入出力段1/4波長共振電極に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第1の結合電極と、
    前記第2の層間に前記第2の入出力段1/4波長共振電極に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第2の結合電極と、
    前記第2の層間に前記入出力段1/2波長共振電極の前記一方端側領域に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第3の結合電極と、
    前記第2の層間に前記入出力段1/2波長共振電極の前記他方端側領域に対向して電磁界結合するように配置された帯状の第4の結合電極と、
    前記積層体の前記第1の層間を挟んで前記第2の層間と反対側に位置する第3の層間に配置され、一方端が前記第1の入出力段1/4波長共振電極の前記接地端の近傍で接地されるとともに前記第1の入出力段1/4波長共振電極の前記接地端側に対向して電磁界結合する領域を有し、他方端が前記第2の入出力段1/4波長共振電極の前記接地端側の近傍で接地されるとともに前記第2の入出力段1/4波長共振電極の前記接地端側に対向して電磁界結合する領域を有し、中央部に前記入出力段1/2波長共振電極の前記一方端側領域における該一方端側領域の中央より前記他方端側および前記他方端側領域における該他方端側領域の中央より前記一方端側に対向して電磁界結合する領域を有する共振電極結合導体とを備えるバンドパスフィルタであって、
    前記第1の結合電極および前記第2の結合電極と外部回路との間ならびに前記第3の結合電極および前記第4の結合電極と外部回路との間で差動信号が入出力されるとともに、
    前記第1の結合電極において前記差動信号の一方が入力または出力される第1入出力点が、前記第1の入出力段1/4波長共振電極の中央よりも前記開放端側と対向する位置にあり、
    前記第2の結合電極において前記差動信号の他方が入力または出力される第2入出力点が、前記第2の入出力段1/4波長共振電極の中央よりも前記開放端側と対向する位置にあり、
    前記第3の結合電極において前記差動信号の一方が入力または出力される第3入出力点が、前記入出力段1/2波長共振電極の前記一方端側領域の中央よりも前記一方端側と対向する位置にあり、
    前記第4の結合電極において前記差動信号の他方が入力または出力される第4入出力点が、前記入出力段1/2波長共振電極の前記他方端側領域の中央よりも前記他方端側と対向する位置にあることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  2. 前記共振電極結合導体が前記入出力段1/2波長共振電極の長さ方向の中央部と対向する部分を境にして2つに分割されており、分割されたそれぞれの端部が接地されることを特徴とする請求項1に記載のバンドパスフィルタ。
  3. 前記積層体の前記第1の層間に、前記入出力段1/2波長共振電極、前記中段1/2波長共振電極、前記第1の中段1/4波長共振電極、前記第2の中段1/4波長共振電極、前記第1の入出力段1/4波長共振電極および前記第2の入出力段1/4波長共振電極を取り囲むように環状接地電極が形成され、前記第1の中段1/4波長共振電極、前記第2の中段1/4波長共振電極、前記第1の入出力段1/4波長共振電極および前記第2の入出力段1/4波長共振電極のそれぞれの接地端が前記環状接地電極に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバンドパスフィルタ。
  4. 前記積層体の前記第1の層間に対して前記第2の層間と同じ側に位置する層間に、
    貫通導体によって前記第1の入出力段1/4波長共振電極の前記開放端側に接続された第1の共振補助電極と、
    貫通導体によって前記第2の入出力段1/4波長共振電極の前記開放端側に接続された第2の共振補助電極と、
    貫通導体によって前記入出力段1/2波長共振電極の前記一方端側領域における前記一方端側に接続された第3の共振補助電極と、
    貫通導体によって前記入出力段1/2波長共振電極の前記他方端側領域における前記他方端側に接続された第4の共振補助電極とが配置されるとともに、
    前記積層体の前記第1〜第4の共振補助電極が配置された層間および前記第1の層間ならびに前記第2の層間と異なる層間に、
    貫通導体によって前記第1の結合電極の前記第1入出力点に接続され、前記第1の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第1の結合補助電極と、
    貫通導体によって前記第2の結合電極の前記第2入出力点に接続され、前記第2の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第2の結合補助電極と、
    貫通導体によって前記第3の結合電極の前記第3入出力点に接続され、前記第3の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第3の結合補助電極と、
    貫通導体によって前記第4の結合電極の前記第4入出力点に接続され、前記第4の共振補助電極に対向する領域を有するように配置された第4の結合補助電極とを備え、
    前記第1の結合補助電極および前記第2の結合補助電極を介して前記第1の結合電極および前記第2の結合電極と外部回路との間で前記差動信号が入出力されるとともに、前記第3の結合補助電極および前記第4の結合補助電極を介して前記第3の結合電極および前記第4の結合電極と外部回路との間で前記差動信号が入出力されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  5. 請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載のバンドパスフィルタを備えることを特徴とする無線通信モジュール。
  6. アンテナと、該アンテナに接続された請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部とを備えることを特徴とする無線通信機器。
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