JP2009087753A - 角形非水電解質電池 - Google Patents

角形非水電解質電池 Download PDF

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Abstract

【課題】低温放電特性の向上を確保すると共に、絶縁シール部材のシール性を向上した角形非水電解質電池を提供する。
【解決手段】角形金属缶、金属蓋体からなる一極性端子を兼ねる角形金属外装材と、蓋体に絶縁シール部材を介して挿着された他極性の端子と、外装材内に収納され、外装材に第1タブリードを通して接続される一極性電極とセパレータと前記蓋体に挿着された他極性の端子に第2タブリードを通して接続される他極性電極とを含む電極群と、外装材内に収容された非水電解質を具備し、非水電解質の非水溶媒はγ−ブチロラクトンが全非水溶媒に対して40体積%以上、80体積%以下で、γ−ブチロラクトンと特定の環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%以上であり、かつ前記絶縁シール部材は、温度372℃、荷重5kgでのMFRが5g/10min以下のPFAから作られることを特徴とする角形非水電解質電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は、角形非水電解質電池に関する。
リチウムイオンが負極と正極を移動することにより充放電が行われる非水電解質電池は、高エネルギー密度電池として、盛んに研究が進められている。
非水電解質電池は、小型電子機器用電源としての利用に加え、中大型電源としての利用も期待されている。中大型電源の用途では、長寿命化や高い耐久性が要求される。
このような中大型電源として、角形金属缶およびこの金属缶の開口部に気密に取り付けられた金属蓋体からなる正極端子を兼ねる角形金属外装材と、蓋体に絶縁シール部材を介して挿着された負極端子と備えた角形非水電解質電池が知られている。絶縁シール部材は、通常、成形加工性が容易な温度372℃、荷重5kgでのメルトフローレート(MFR)が10〜18g/10minのPFA(パーフロロアルコキシアルカンポリマー)の材料が用いられている。
一方、特許文献1には非水電解質電池において非水電解質の非水溶媒としてプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートおよびγーブチロラクトンの混合溶媒を用いることにより低温放電特性を向上することが記載されている。
特開平4−14769号公報
前述した角形非水電解質電池において、低温放電特性の向上のために非水電解質としてγーブチロラクトンを含む混合溶媒を用いると、次のような問題が生じる。すなわち、前記負極端子を蓋体に絶縁固定する絶縁シール部材は成形加工性が容易な温度372℃、荷重5kgでのMFRが10〜18g/10minのPFAから作られるため、前記非水電解質中の混合溶媒(特にγーブチロラクトンが40体積%以上含む混合溶媒)に対する耐性が低下する。また、電池の大型化により絶縁シール部材に大きな応力が加わる。その結果、絶縁シール部材のシール信頼性が損なわれ、角形非水電解質電池のリーク等に起因する高温サイクル特性を低下させる。
本発明は、低温放電特性の向上を確保すると共に、絶縁シール部材のシール性を向上した角形非水電解質電池を提供することを目的とする。
本発明の第1態様によると、角形金属缶およびこの金属缶の開口部に気密に取り付けられた金属蓋体からなる一極性端子を兼ねる角形金属外装材;
前記蓋体に絶縁シール部材を介して挿着された他極性の端子;
前記外装材内に収納され、前記外装材に第1タブリードを通して接続される一極性電極とセパレータと前記蓋体に挿着された他極性の端子に第2タブリードを通して接続される他極性電極とを含む電極群;および
前記外装材内に収容された非水電解質;
を具備し、
前記非水電解質中の非水溶媒は、γ−ブチロラクトンと、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、γ−ブチロラクトンが全非水溶媒に対して40体積%以上、80体積%以下で、γ−ブチロラクトンと環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%以上であり、かつ
前記絶縁シール部材は、温度372℃、荷重5kgでのメルトフローレート(MFR)が5g/10min以下のパーフロロアルコキシアルカンポリマーから作られることを特徴とする角形非水電解質電池が提供される。
本発明の第2態様によると、角形金属缶およびこの金属缶の開口部に気密に取り付けられた金属蓋体からなる一極性端子を兼ねる角形金属外装材;
前記蓋体に絶縁シール部材を介して挿着された他極性の端子;
前記外装材内に収納され、一極性電極、セパレータおよび他極性電極を含む電極群;
前記外装材内に収容された非水電解質;
前記一極性電極から延出され、先端が前記外装材の蓋体内面に第1中継リード部材を介して接続される第1タブリード;および
前記他極性電極から延出され、先端が前記外装材の蓋体に挿着された他極性の端子に第2中継リード部材を介して接続される第2タブリード;
を具備し、
前記非水電解質中の非水溶媒は、γ−ブチロラクトンと、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、γ−ブチロラクトンが全非水溶媒に対して40体積%以上、80体積%以下で、γ−ブチロラクトンと環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%以上であり、
前記絶縁シール部材は、温度372℃、荷重5kgでのメルトフローレート(MFR)が5g/10min以下のパーフロロアルコキシアルカンポリマーから作られ、
前記第1中継リード部材は、前記蓋体内面に接続される逆L形の第1主リード部材と、この第1主リード部材に接続されると共に前記第1タブリードの先端が接続される第1中間リード部材とを備え、かつ
前記第2中継リード部材は、前記外装材の蓋体に挿着された他極性の端子に接続される逆L形の第2主リード部材と、この第2主リード部材に接続されると共に前記第2タブリードの先端が接続される第2中間リード部材とを備えることを特徴とする角形非水電解質電池が提供される。
本発明によれば、低温放電特性を確保しつつ、絶縁シール部材のシール性に優れ、信頼性を向上した角形非水電解質電池を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る角形非水電解質電池を図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る角形非水電解質電池の分解斜視図、図2は図1の角形非水電解質電池の要部断面図である。
角形金属外装材1は、角形金属缶2とこの金属缶2の開口部に例えばレーザ溶接により気密に取り付けられた金属蓋体(金属キャップ)3とから構成されている。金属外装材1は、一極性端子(例えば正極端子)を兼ねる。
扁平状の電極群4は、金属外装材1の角形金属缶2内に収納されている。電極群4は、正極および負極をセパレータを挟んでかつ外周面にセパレータが位置するように渦巻状に捲回し、プレス成型することにより作製される。複数の正極タブリード5は、電極群4の正極から金属キャップ3に向けて延出されている。複数の負極タブリード6は、電極群4の負極から金属キャップ3に向けて延出されている。
金属外装材1の内圧上昇で開裂可能な圧力開放弁7は、外装材1の金属キャップ3の中央部に形成されている。後述する絶縁シール部材および他極性の端子(例えば負極端子)が挿入される穴8は、金属キャップ3に開口されている。この穴8は、例えばキャップ3の外表面に形成された矩形凹部8aとこの凹部8aの底から金属外装材1内部に貫通され、矩形凹部8aより面積に小さい丸孔8bとから形成されている。外部負荷との接続端子となる突起部9は、圧力開放弁7を挟んで穴8と反対側の金属キャップ3に例えばパンチ等により形成されている。非水電解質の注液口10は、圧力開放弁7と突起部9の間の金属キャップ3部分に開口されている。非水電解質は注液口10を通して金属外装材1の金属缶2内に収容される。図示しない栓は、非水電解質の注液後に注液口10に挿着される。
貫通穴11aを有する絶縁板11は、金属キャップ3の内面にその穴8に貫通穴11aが合致するように当接されている。上板12aと側板12bとからなる逆L形で、上板12aに貫通穴11aより小径の貫通穴12cを有するリード部材12は、絶縁板11にその貫通穴11aに貫通穴12cが合致するように当接されている。有底矩形筒体13aおよびこの有底矩形筒体13a底部から一体的に下方に延びた円筒体13bからなる構造の絶縁シール部材(ガスケット)13は、金属キャップ3の穴8および絶縁板11の貫通穴11aに挿入されている。すなわち、このガスケット13を金属キャップ3の穴8に挿入したとき、ガスケット13の有底矩形筒体13aは穴8の矩形凹部8aに係合され、かつガスケット13の円筒体13bは穴8の丸穴8bから絶縁板11の貫通穴11aに挿入されると共に、その円筒体13b下端がリード部材12の上板12aに当接する。矩形体14aおよび矩形体14aから一体的に下方に延びる円柱体14bからなる構造の他極性の端子(負極端子;負極リベット)14は、ガスケット13に挿入される。すなわち、負極リベット14をガスケット13に挿入したとき、負極リベット14の矩形体14aはガスケット13の有底矩形筒体13aに係合され、かつ負極リベット14の円柱体14bはガスケット13の円筒体13bおよびリード部材12の貫通穴12cを通過して上板12aの下面から突出する。上板12aの下面から突出した負極リベット14の円柱体14b部分を拡張する、いわゆるかしめによりリード部材12は絶縁板11を介して金属キャップ3に固定されると共に、負極リベット14が正極端子を兼ねる金属キャップ3に対してガスケット13および絶縁板11で絶縁された状態でリード部材12に電気的に接続される。
前記複数の負極タブリード6は、それらの先端を束ねてリード部材12の側板12bに溶接等に接続されている。前記複数の正極タブリード5は、それらの先端を束ねて正極端子を兼ねる金属キャップ3の内面に溶接等により接続されている。
以下、非水電解質、負極、正極、セパレータ、絶縁シール部材(ガスケット)、正極廻りの部材、負極廻りの部材について詳細に説明する。
1)非水電解質
非水電解質は、γ−ブチロラクトン(GBL)と、エチレンカーボネート(EC)およびプロピレンカーボネート(PC)から選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、γ−ブチロラクトンが全非水溶媒に対して40体積%以上、80体積%以下で、γ−ブチロラクトンと環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%以上である非水溶媒にリチウム塩を溶解させたものを用いる。
非水溶媒中のγ−ブチロラクトン量を40体積%未満にすると、低温放電特性が低下する虞がある。非水溶媒中のγ−ブチロラクトン量が80体積%を超えると、絶縁シール部材の膨潤等によりシール性が低下する虞がある。より好ましい非水溶媒中のγ−ブチロラクトン量は、50体積%以上、75体積%以下である。
非水溶媒中には、γ−ブチロラクトンと、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートの他に、ビニレンカーボネート(VC)またはジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネート、テトラヒドロフラン(THF)、2メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)などの環状エーテル;ジメトキシエタン(DME)などの鎖状エーテル;アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)等を用いることができる。ただし、γ−ブチロラクトンと環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%未満にすると、高温サイクル特性が低下する虞がある。
リチウム塩としては、例えばLiPF6,Li[PF3(C25)3]、Li[PF3(CF3)3]、LiBF4,Li[BF2(CF3)2]、Li[BF2(C25)2]、Li[BF3(CF3)]、Li[BF3(C25)]、LiBOB、LiTf、LiNf、LiTFSI、LiBETI、Li[(CF3SO2)(C49SO2)N]、Li[(CN)2N]、Li[(CF3SO2)3C]などを用いることができる。これらリチウム塩は単独で用いても複数種を混合して用いてもよい。中でも、LiBF4,Li[BF3(CF3)]、Li[BF3(C25)]、LiTFSI、LiBETI、Li[(CF3SO2)(C49SO2)N]から選ばれるリチウム塩を含む非水電解質は、低い粘度を有するために好ましい。
リチウム塩の濃度は、0.2モル/L以上、4.0モル/L以下であることが好ましい。リチウム塩濃度が0.2モル/L未満にすると、リチウムイオン伝導度が低下して大電流放電特性が低下する虞がある。一方、リチウム塩濃度が4.0モル/Lを超えると、非水電解質の粘度が高くなって電極やセパレータへの含浸が困難になる。その上、リチウム塩が溶解しきれずに析出するため、充分な特性を得ることが困難になる。特に好ましいリチウム塩濃度は、0.5モル/L以上、2.5モル/L以下である。
2)負極
負極は、例えば集電体と、この集電体の片面もしくは両面に担持された負極活物質、バインダーおよび必要に応じて導電剤を含む負極活物質含有層とを有する。
負極活物質は、炭素系材料の他に、チタン酸リチウムのようなチタン含有金属複合酸化物を用いることができる。
炭素系材料としては、例えば黒鉛、コークス、炭素繊維、球状炭素などの黒鉛質材料もしくは炭素質材料、熱硬化性樹脂、等方性ピッチ、メソフェーズピッチ、メソフェーズピッチ系炭素繊維、メソフェーズ小球体など(特に、メソフェーズピッチ系炭素繊維が容量や充放電サイクル特性が高くなり好ましい)に500〜3000℃で熱処理を施すことにより得られる黒鉛質材料または炭素質材料等を挙げることができる。
導電剤は、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛等の炭素材料を用いることができる。
結着剤は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。
集電体は、負極の電位に応じて種々の金属箔を用いることができる。金属箔は、例えば銅箔、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ステンレス鋼箔、チタン箔、チタン合金箔、ニッケル箔、ニッケル合金箔などを用いることが好ましい。金属箔の厚さは、8μm以上、25μm以下であることが好ましい。負極電位が金属リチウムに対して0.3Vよりも貴で、負極活物質として例えばリチウムチタン酸化物を用いる場合には、アルミニウム箔やアルミニウム合金箔が電池重量を抑えることができるため好ましい。
負極活物質、導電剤、結着剤の配合比は、負極活物質80〜95質量%、導電剤3〜20質量%、結着剤1.5〜7質量%の範囲にすることが好ましい。
3)正極
正極は、集電体の片面または両面に正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極活物質含有層を担持させた構造を有する。
正極活物質は、種々の酸化物、硫化物などが挙げられる。正極活物質は、例えば二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn24またはLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1-yCoy2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixMnyCo1-y2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2-yNiy4)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(LixFePO4,LixFe1-yMnyPO4,LixCoPO4など)、硫酸鉄[Fe2(SO43]、バナジウム酸化物(例えばV25)などが挙げられる。ここでx、yは、0〜1の範囲である。また、ポリアニリンやポリピロールなどの導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料、イオウ(S)、フッ化カーボンなどの有機材料および無機材料も正極活物質として用いることができる。
より好ましい二次電池用の正極活物質は、電池電圧が高いリチウムマンガン複合酸化物(LixMn24)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNi1-yCoy2)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2-yNiy4)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(LixMnyCo1-y2)、リチウムリン酸鉄(LixFePO4)などが挙げられる。なお、x、yは0〜1の範囲である。
正極活物質は、また組成がLiaNibCocMnd2(ここで、モル比a、b、c、dは0≦a≦1.1、0.1≦b≦0.5、0≦c≦0.9、0.1≦d≦0.5を示す)で表されるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を使用することができる。
導電剤は、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、人工黒鉛、天然黒鉛、導電性ポリマー等を用いることができる。
結着剤は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、PVdFの水素もしくはフッ素のうち、少なくとも1つを他の置換基で置換した変性PVdF、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレンの共重合体、ポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−6フッ化プロピレンの3元共重合体等を用いることができる。
結着剤を分散させるための有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)等が使用できる。
集電体は、例えば厚さ8〜25μmのアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ステンレス箔、チタン箔等が挙げられる。
集電体であるアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔は、50μm以下の平均結晶粒径を有することが好ましい。このような箔は、集電体の強度を飛躍的に増大させることが可能になる。このため、負極を高いプレス圧で高密度化することが可能となり、電池容量を増大させることができる。また、高温環境下(40℃以上)における過放電サイクルでの負極集電体の溶解・腐食劣化を防ぐことができるため、負極インピーダンスの上昇を抑制することができる。さらに、出力特性、急速充電、充放電サイクル特性も向上させることができる。より好ましい平均結晶粒径は30μm以下、最も好ましい平均結晶粒径は5μm以下である。
平均結晶粒径は次のようにして求められる。集電体表面の組織を光学顕微鏡で組織観察し、1mm×1mm内に存在する結晶粒の数nを求める。このnを用いてS=1×106/n(μm2)から平均結晶粒面積Sを求める。得られたSの値から下記(1)式により平均結晶粒径d(μm)を算出する。
d=2(S/π)1/2 …(1)
平均結晶粒径が50μm以下のアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔は、材料組成、不純物、加工条件、熱処理履歴ならび焼なましの加熱条件など多くの因子に複雑に影響され、前記結晶粒径(直径)は、製造工程の中で、前記諸因子を組み合わせて調整される。
アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム箔の純度は99%以上が好ましい。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を含む合金が好ましい。鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属を含む場合、その含有量は1%以下にすることが好ましい。なお、車載用のリチウムイオン二次電池の場合は、集電体としてアルミニウム合金箔を用いることが特に好ましい。
正極活物質、導電剤、結着剤の配合比は、正極活物質80〜95質量%、導電剤3〜20質量%、結着剤1.5〜7質量%の範囲にすることが好ましい。
4)セパレータ
セパレータは、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、ポリヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)、ポリエチレンーテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、セルロースポリエチレン、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)などの有機高分子を含む多孔質フィルムや、合成樹脂製不織布、あるいはガラス繊維製不織布などを用いることができる。
5)絶縁シール部材
絶縁シール部材は、温度372℃、荷重5kgでのメルトフローレート(MFR)が5g/10min以下のパーフロロアルコキシアルカンポリマー(PFA)から作られる。絶縁シール部材の材料としてMFRが5g/10minを超えるPFAを用いると、γ−ブチロラクトンと、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含む特定の非水溶媒の使用において、シール性が低下して、高温サイクル特性の劣化を招く虞がある。より好ましい絶縁シール部材の材料は、温度372℃、荷重5kgでのMFRが1〜3g/10minのPFAである。
6)正極廻りの部材
正極端子を兼ねる角形金属外装材、正極タブリードは、リチウムイオン金属に対する電位が3.0V以上4.25V以下の範囲における電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウムまたはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。
7)負極廻りの部材
負極端子(負極リベット)、負極タブリードおよびリード部材は、リチウムイオン金属に対する電位が1.0V以上3.0V以下の範囲における電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウムまたはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。
以上説明した第1実施形態によれば、図1および図2に示すように正極端子を兼ねる角形金属外装材1内にγ−ブチロラクトンと、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、γ−ブチロラクトンが全非水溶媒に対して40体積%以上、80体積%以下で、γ−ブチロラクトンと環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%以上である非水溶媒を含む非水電解質を収容することによって、低温放電特性を向上した角形非水電解質電池を得ることができる。
このような特定の非水溶媒を含む非水電解質が収容された金属外装材1の金属蓋体(金属キャップ)3に負極端子(負極リベット)14を絶縁シール部材(ガスケット)13を介して取り付ける構成において、ガスケット13を温度372℃、荷重5kgでのMFRが5g/10min以下のパーフロロアルコキシアルカンポリマー(PFA)から作ることによって、ガスケット13の溶媒耐性を向上できるため、γ−ブチロラクトンを含む非水電解質に起因する膨潤するのを防止できる。また、このガスケット13は高い機械的強度、弾性係数を有するため、負極タブリード6およびリード部材12から加わる負極リベット14への引張力による応力を吸収して変形を防止できる。その結果、ガスケット13でのシール信頼性を向上でき、金属外装材1内への水分侵入および充放電時の金属外装材1内の非水電解質の分解ガスの逃散を防止して優れたサイクル特性を示す角形非水電解質電池を得ることができる。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係る角形非水電解質電池の分解斜視図、図4は図2の角形非水電解質電池の要部断面図である。
角形金属外装材21は、角形金属缶22とこの金属缶22の開口部に例えばレーザ溶接により気密に取り付けられた金属蓋体(金属キャップ)23とから構成されている。金属外装材21は、一極性端子(例えば正極端子)を兼ねる。
扁平状の電極群24は、金属外装材21の角形金属缶22内に収納されている。電極群24は、正極および負極をセパレータを挟んでかつ外周面にセパレータが位置するように渦巻状に捲回し、プレス成型することにより作製される。正極、負極およびセパレータは、第1実施形態で説明したのと同様なものを用いることができる。複数の第1タブリード(例えば正極タブリード)25は、電極群24の正極から金属キャップ23に向けて延出されている。複数の第2タブリード(負極タブリード)26は、電極群24の負極から金属キャップ23に向けて延出されている。
金属外装材21の内圧上昇で開裂可能な圧力開放弁27は、外装材21の金属キャップ23の中央部に形成されている。後述する絶縁シール部材および他極性の端子(例えば負極端子)が挿入される穴28は、金属キャップ23に開口されている。この穴28は、例えばキャップ23の外表面に形成された矩形凹部28aとこの凹部28aの底から金属外装材21内部に貫通され、矩形凹部28aより面積に小さい丸孔28bとから形成されている。外部負荷との接続端子となる突起部29は、圧力開放弁27を挟んで穴28と反対側の金属キャップ23に例えばパンチ等により形成されている。非水電解質の第1注液口30は、圧力開放弁27と突起部2の間の金属キャップ23部分に開口されている。
絶縁板31は、金属キャップ23の内面に当接されている。すなわち、絶縁板31は左端に金属キャップ13の突起部29背面の凹部に嵌合する舌片31aと、金属キャップ23の第1注液口30と連通する第2注液口31bと、圧力開放弁27に対向して開口された矩形穴31cと、金属キャップ23の穴28に合致する貫通穴31dを有する。非水電解質は、第1注液口30および第2注液口31bを通して金属外装材21の角形金属缶22内に収容される。この非水電解質は、第1実施形態で説明したのと同様な組成、つまりγ−ブチロラクトン(GBL)と、エチレンカーボネート(EC)およびプロピレンカーボネート(PC)から選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、γ−ブチロラクトンが全非水溶媒に対して40体積%以上、80体積%以下で、γ−ブチロラクトンと環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%以上である非水溶媒にリチウム塩を溶解させたものを用いる。図示しない栓は、非水電解質の注液後に第1、第2注液口30,31bに挿着される。
上板32aと側板32bとからなる逆L形で、上板32aに長さ方向に沿うスリット32cが形成された第1主リード部材32は、絶縁板31にその舌片31aがスリット32cに入り込むように配置されると共に、上板32aが金属キャップ23の内面に当接している。第1主リード部材32は、金属キャップ23の内面に当接する上板32a部分で溶接等により接続、固定されている。第1中間リード部材33は、図4に示すように第1主リード部材32の側板32bに溶接等により接続、固定されている。前記複数の正極タブリード25は、それらの先端が束ねられた状態で2つ折りの第1バックアップリード部材34により溶接等により一体的に接続されている。第1バックアップリード部材34は、第1中間リード部材33に溶接等により接続されている。このような絶縁板31、第1主リード部材32、第1中間リード部材33および第1バックアップリード部材34により第1タブリードである正極タブリード25を正極端子である金属外装材21の金属キャップ23に接続するための第1中継部材を構成している。
上板35aと側板35bとからなる逆L形で、上板35aに絶縁板31の貫通穴31dより小径の貫通穴35cが開口された第2主リード部材35は、絶縁板31にその貫通穴31dに貫通穴35cが合致するように当接されている。有底矩形筒体36aおよびこの有底矩形筒体36a底部から一体的に下方に延びた円筒体36bからなる構造の絶縁シール部材(ガスケット)36は、金属キャップ23の穴28および絶縁板31の貫通穴11dに挿入されている。すなわち、このガスケット36を金属キャップ23の穴28に挿入したとき、ガスケット36の有底矩形筒体36aは穴28の矩形凹部28aに係合され、かつガスケット36の円筒体36bは穴28の丸穴28bから絶縁板31の貫通穴31dに挿入されると共に、その円筒体36b下端が第2主リード部材35の上板35aに当接する。絶縁シール部材(ガスケット)36は、第1実施形態で説明したように温度372℃、荷重5kgでのMFRが5g/10min以下、好ましくは1g/10min以上、3g/10min以下のパーフロロアルコキシアルカンポリマー(PFA)から作られる。矩形体37aおよび矩形体37aから一体的に下方に延びる円柱体37bからなる構造の他極性の端子(負極端子;負極リベット)37は、ガスケット36に挿入される。すなわち、負極リベット37をガスケット36に挿入したとき、負極リベット37の矩形体37aはガスケット36の有底矩形筒体36aに係合され、かつ負極リベット37の円柱体37bはガスケット36の円筒体36bおよび第2主リード部材35の貫通穴35dを通過して上板35aの下面から突出する。上板35aの下面から突出した負極リベット37の円柱体37b部分を拡張する、いわゆるかしめにより第2主リード部材35は絶縁板31を介して金属キャップ23に固定されると共に、負極リベット37が正極端子を兼ねる金属キャップ23に対してガスケット36および絶縁板31で絶縁された状態で第2主リード部材35に電気的に接続される。第2中間リード部材38は、前述した第1中間リード部材33と同様に第2主リード部材35の側板35bに溶接等により接続、固定される。前記複数の負極タブリード26は、それらの先端が束ねられた状態で2つ折りの第2バックアップリード部材39により溶接等により一体的に接続されている。第2バックアップリード部材39は、第2中間リード部材38に溶接等により接続されている。このような絶縁板31、第2主リード部材35、第2中間リード部材38および第2バックアップリード部材39により第2タブリードである負極タブリード26を負極端子(負極リベット)37に接続するための第2中継部材を構成している。
正極廻りの部材である正極端子を兼ねる角形金属外装材、正極タブリード、第1主リード部材、第1中間リード部材および第1バックアップリード部材はリチウムイオン金属に対する電位が3.0V以上4.25V以下の範囲における電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウムまたはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。
負極廻りの部材である負極端子(負極リベット)、負極タブリード、第2主リード部材、第2中間リード部材および第2バックアップリード部材は、リチウムイオン金属に対する電位が1.0V以上3.0V以下の範囲における電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウムまたはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。
このような第2実施形態によれば、図3、図4に示すように正極端子を兼ねる角形金属外装材21内にγ−ブチロラクトンと、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、γ−ブチロラクトンが全非水溶媒に対して40体積%以上、80体積%以下で、γ−ブチロラクトンと環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%以上である非水溶媒を含む非水電解質を収容することによって、低温放電特性を向上した角形非水電解質電池を得ることができる。
また、電極群24の正負極からそれぞれ複数の正極タブリード25、負極タブリード26を取出すこと、複数の正極タブリード25を第1中継部材である第1バックアップリード部材34、第1中間リード部材33および第1主リード部材32を通して正極端子である金属外装材21の金属キャップ23に接続し、複数の負極タブリード26を第2中継部材である第2バックアップリード部材39、第2中間リード部材38および第2主リード部材35を通して負極端子(負極リベット)37に接続し、複数の正極タブリード25と金属キャップ23の接続抵抗および複数の負極タブリード26と負極端子37の接続抵抗をそれぞれ下げることによって、優れた大電流特性を有する角形非水電解質電池を得ることができる。
さらに、特定の非水溶媒を含む非水電解質が収容された金属外装材21の金属蓋体(金属キャップ)23に負極端子(負極リベット)37を絶縁シール部材(ガスケット)36を介して取り付ける構造において、ガスケット36を温度372℃、荷重5kgでのMFRが5g/10min以下のパーフロロアルコキシアルカンポリマー(PFA)から作ることによって、ガスケット36の溶媒耐性を向上できるため、γ−ブチロラクトンを含む非水電解質に起因する膨潤するのを防止できる。また、このガスケット36は高い機械的強度、弾性係数を有するため、負極タブリード26、第2中間リード部材38および第2主リード部材35から加わる負極リベット37へのより一層大きな引張力に起因する応力を吸収して変形を防止できる。その結果、ガスケット36でのシール信頼性を向上でき、金属外装材21内への水分侵入および充放電時の金属外装材21内の非水電解質の分解ガスの逃散を防止して優れたサイクル特性を示す角形非水電解質電池を得ることができる。
以下に実施例を説明するが、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
<正極の作製>
リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)に黒鉛粉末およびポリフッ化ビニリデン(PVdF)のN−メチルピロリドン(NMP)溶液をそれぞれ配合し、混合して塗工液を調製した。塗工液中のリチウムコバルト酸化物、黒鉛粉末およびポリフッ化ビニリデンの配合割合は、それぞれ87重量%、8重量%、5重量%とした。得られた塗工液をアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥することにより複数のタブリードを有する正極シートを作製した。
<負極の作製>
メソフェーズピッチ系炭素繊維(MCF)にPVdFのNMP溶液を配合し、混合して塗工液を調製した。塗工液中のMCFおよびPVdFの配合割合は、それぞれ95重量%、5重量%とした。得られた塗工液を銅箔の両面に塗布し、乾燥することにより複数のタブリードを有する負極シートを作製した。
<電極群の作製>
前記正極シート、ポリエチレン製の多孔質フィルムからなるセパレータ、前記負極シートおよびセパレータをこの順序で積層した後、渦巻き状に捲回した。この捲回物を90℃で加熱プレスすることにより、偏平状電極群を作製した。
<液状非水電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC)40体積%、γ−ブチロラクトン(GBL)60体積%の混合溶媒に電解質であるLiBF4を1.5mol/L溶解することにより液状非水電解質を調製した。
<非水電解質電池の組立て>
前記電極群および非水電解質を用いて前述した図3、図4に示す構造で、3Ahの容量を持つ角形非水電解質電池を組み立てた。なお、外装材21はアルミニウム製で高さ85mm、幅55mm、厚さ10mmの寸法を有し、外装材21を除く正極廻りの部材である複数(例えば10本)の正極タブリード25、第1主リード部材32、第1中間リード部材33および第1バックアップリード部材34をアルミニウムで作り、負極廻りの部材である負極端子(負極リベット)37、複数(例えば10本)の負極タブリード26、第2主リード部材35、第2中間リード部材38および第2バックアップリード部材39もアルミニウムで作った。また、絶縁シール部材(ガスケット)36は温度372℃、荷重5kgでのMFRが2g/10minのパーフロロアルコキシアルカンポリマー(PFA)から作った。
(実施例2〜6および比較例1〜4)
非水電解質の非水溶媒が下記表1に示す組成のものを用い、絶縁シール部材(ガスケット)が下記表1に示すMFRを持つPFAから作った以外、実施例1と同様で、図3、図4に示す構造の角形非水電解質電池を組み立てた。なお、比較例3の角形非水電解質電池は非水溶媒の組成の関係で容量が2.4Ahであった。
得られた実施例1〜6および比較例1〜4の角形非水電解質電池について、以下の高温サイクル特性および低温放電特性の評価試験を行った。その結果を下記表1に示す。
1)高温サイクル特性評価試験
角形非水電解質電池を周囲温度60℃にて、1Cで4.2Vまで充電し、さらにその電圧で定電圧定電流充電を3時間行った後、1C,3Vカットの放電を行う充放電を繰り返し、100サイクル中のリークの有無および100サイクル後の外装材の厚さ変化を評価した。なお、外装材の厚さは外装材の角形金属缶の側面中央で測定した。
また、100サイクル時の電池容量を測定し、1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比率(容量維持率)を求めた。
2)低温放電特性評価試験
角形非水電解質電池を周囲温度20℃にて、1Cで4.2Vまで充電し、さらにその電圧で定電圧定電流充電を3時間行った後、周囲温度20℃にて、1C,3Vカットの放電を行って20℃での放電容量を測定した。また、角形非水電解質電池を周囲温度20℃の恒温槽内にて、1Cで4.2Vまで充電し、さらにその電圧で定電圧定電流充電を3時間行った後、恒温槽内の周囲温度を−20℃にし、電池温度が−20℃になってから1時間保持し、その後1C,3Vカットの放電を行って−20℃での放電容量を測定した。20℃での放電容量に対する−20℃での放電容量に対する容量率([−20℃での放電容量]/[20℃での放電容量]×100)を求めた。
Figure 2009087753
前記表1から明らかなようにGBLと、ECおよびPCから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、GBLが全非水溶媒に対して40体積%以上、80体積%以下で、GBLと環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%以上の非水溶媒を含む非水電解質を用い、絶縁シール部材が温度372℃、荷重5kgでのMFRが5g/10min以下のPFAからなる実施例1〜6の角形非水電解質電池は高温サイクル特性評価での容量維持率が高く、かつ低温放電特性も優れていることがわかる。
これに対し、温度372℃、荷重5kgでのMFRが5g/10minを超えるPFAからなる絶縁シール部材を用いた比較例1の角形非水電解質電池は、高温サイクル特性評価においてリークに起因して容量維持率が極端に低下することがわかる。
GBLと、ECおよびPCから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、GBLが全非水溶媒に対して40体積%未満の非水溶媒を含む非水電解質を用いた比較例2の角形非水電解質電池は、低温放電特性が極端に低下することがわかる。
GBLと、ECおよびPCから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、GBLが全非水溶媒に対して80体積%を超える非水溶媒を含む非水電解質を用いた比較例3の角形非水電解質電池は、高温サイクル特性評価において分解ガスのリークに起因して容量維持率が極端に低下することがわかる。
GBLと、ECおよびPCから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、GBLと環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%未満の非水溶媒を含む非水電解質を用いた比較例4の角形非水電解質電池は、高温サイクル特性評価において分解ガスに起因する多大な厚さ変化により容量維持率が極端に低下することがわかる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限られず、特許請求の範囲に記載の発明の要旨の範疇において様々に変更可能である。また、本発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。
第1実施形態に係る角形非水電解質電池を示す分解斜視図。 図1の要部拡大断面図。 第2実施形態に係るに係る角形非水電解質電池を示す分解斜視図。 図3の要部拡大断面図。
符号の説明
1,21…角形金属外装材、2,22…金属缶、3,23…金属蓋体(金属キャップ)、4,24…電極群、5,25…正極タブリード、6,26…負極タブリード、10,30,31b…注液口、11,31…絶縁板、12…リード部材、13,36…絶縁シール部材(ガスケット)、14,37…負極端子(負極リベット)、32,35…主リード部材、33,38…中間リード部材、34,39…バックアップリード部材。

Claims (3)

  1. 角形金属缶およびこの金属缶の開口部に気密に取り付けられた金属蓋体からなる一極性端子を兼ねる角形金属外装材;
    前記蓋体に絶縁シール部材を介して挿着された他極性の端子;
    前記外装材内に収納され、前記外装材に第1タブリードを通して接続される一極性電極とセパレータと前記蓋体に挿着された他極性の端子に第2タブリードを通して接続される他極性電極とを含む電極群;および
    前記外装材内に収容された非水電解質;
    を具備し、
    前記非水電解質中の非水溶媒は、γ−ブチロラクトンと、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、γ−ブチロラクトンが全非水溶媒に対して40体積%以上、80体積%以下で、γ−ブチロラクトンと環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%以上であり、かつ
    前記絶縁シール部材は、温度372℃、荷重5kgでのメルトフローレートが5g/10min以下のパーフロロアルコキシアルカンポリマーから作られることを特徴とする角形非水電解質電池。
  2. 角形金属缶およびこの金属缶の開口部に気密に取り付けられた金属蓋体からなる一極性端子を兼ねる角形金属外装材;
    前記蓋体に絶縁シール部材を介して挿着された他極性の端子;
    前記外装材内に収納され、一極性電極、セパレータおよび他極性電極を含む電極群;
    前記外装材内に収容された非水電解質;
    前記一極性電極から延出され、先端が前記外装材の蓋体内面に第1中継リード部材を介して接続される第1タブリード;および
    前記他極性電極から延出され、先端が前記外装材の蓋体に挿着された他極性の端子に第2中継リード部材を介して接続される第2タブリード;
    を具備し、
    前記非水電解質中の非水溶媒は、γ−ブチロラクトンと、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートから選ばれる少なくとも1つの環状カーボネートとを含み、γ−ブチロラクトンが全非水溶媒に対して40体積%以上、80体積%以下で、γ−ブチロラクトンと環状カーボネートの合計量が全非水溶媒に対して95体積%以上であり、
    前記絶縁シール部材は、温度372℃、荷重5kgでのメルトフローレートが5g/10min以下のパーフロロアルコキシアルカンポリマーから作られ、
    前記第1中継リード部材は、前記蓋体内面に接続される逆L形の第1主リード部材と、この第1主リード部材に接続されると共に前記第1タブリードの先端が接続される第1中間リード部材とを備え、かつ
    前記第2中継リード部材は、前記外装材の蓋体に挿着された他極性の端子に接続される逆L形の第2主リード部材と、この第2主リード部材に接続されると共に前記第2タブリードの先端が接続される第2中間リード部材とを備えることを特徴とする角形非水電解質電池。
  3. 前記第1中継部材は、前記第1中間リード部材と接続される前記第1タブリードの先端個所に取り付けられる2つ折りの第1バックアップリード部材をさらに備え、かつ前記第2中継部材は前記第2中間リード部材と接続される前記第2タブリードの先端個所に取り付けられる2つ折りの第2バックアップリード部材をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の角形非水電解質電池。
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