JP2009087585A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池内部における防火効果を高める。
【解決手段】燃料電池は、電解質膜と、電解質膜上に形成される電極と、電極上に配置されて電極に給排されるガスが流れるガス流路と、を備える。また、ガス流路に連通して設けられ、ガス流路に供給される前記ガス、あるいは、ガス流路から排出されるガスが流れる流路であるガス給排流路52,53,56,57を備える。さらに、ガス給排流路内において、ガスを迂回させることなく内部を通過させる位置に配置された多孔質体から成る防火部材を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は、一般に、アノードに供給される水素を含有する燃料ガスと、カソードに供給される酸素を含有する酸化ガスとを用いて、電気化学反応を進行する。このように、電解質膜のそれぞれの面に水素あるいは酸素が供給される燃料電池では、例えば電解質膜の劣化など、何らかの不測の事態に起因して燃料電池内で燃料ガスと酸化ガスとが混合し、電極が備える触媒上で燃焼反応が進行する可能性がある。燃料電池内部で進行する燃焼反応に対応する方策としては、従来、燃料電池に供給されるガスが燃料電池スタック内に流入するガス入り口部において、燃料電池スタックに供給するガスを整流して分配する分配部をハニカム部材にする構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような構成とすることで、燃料電池内部で燃焼が生じた場合に、火炎の伝播を抑制可能にしている。
特開2006−147456 特開平3−219563
しかしながら、このように燃料電池スタックに対するガス入り口部にハニカム部材を配置しても、上記ガス入り口部よりもガス流れ上流方向への火炎の伝播を抑制可能となるだけであり、上記ガス入り口部までのスタック内における火炎の伝播を抑制することはできない。そのため、さらなる安全性の向上のため、より早い段階で火炎の伝播を抑制して防火効果を高めることが望まれていた。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池内部における防火効果を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様としての燃料電池は、
電解質膜と、
前記電解質膜上に形成される電極と、
前記電極上に配置されて前記電極に給排されるガスが流れるガス流路と、
前記ガス流路に連通して設けられ、前記ガス流路に供給される前記ガス、あるいは、前記ガス流路から排出される前記ガスが流れる流路であるガス給排流路と、
前記ガス給排流路内において、ガスを迂回させることなく内部を通過させる位置に配置された多孔質体から成る防火部材と、を備える。
以上のように構成された本発明の一態様としての燃料電池によれば、ガス流路に供給されるガスやガス流路から排出されるガスが流れるガス給排流路において、ガスを迂回させることなく内部を通過させる位置に防火部材を配置している。そのため、燃料電池の内部において、何らかの理由により着火した場合に、ガス流路から防火部材を迂回して火炎が伝播するのを抑制し、ガス流路から外部への火炎の伝播を抑制することができる。したがって、燃料電池における安全性を高めることができる。
本発明の一態様としての燃料電池において、前記電解質膜と、前記電極と、前記ガス流路と、を備える発電単位を複数積層して成り、前記発電単位の積層方向に平行に設けられ、各々の前記発電単位が備える前記ガス流路に対して前記ガスを供給し、または、各々の前記発電単位が備える前記ガス流路から前記ガスが排出されるガスマニホールドを備え、前記ガス給排流路は、前記ガスマニホールドと前記ガス流路とを接続する流路であることとしても良い。このような構成とすれば、発電単位の内部で何らかの理由により着火した場合に、ガス流路からガスマニホールドへと火炎が伝播するのを抑制することができる。
本発明の一態様としての燃料電池において、前記防火部材は、前記ガス給排流路の断面を覆うように配置された多孔質体であることとしても良い。このような構成とすれば、防火部材である多孔質体を、ガス給排流路の断面に対して隙間無く配置することにより、防火部材を迂回した火炎の伝播を、容易に防止できる。
本発明の一態様としての燃料電池において、前記電解質膜は、高分子電解質から成り、前記防火部材は、前記高分子電解質の燃焼温度に対する耐熱性を有する多孔質体から成ることとしても良い。このような構成とすれば、燃料電池の内部で何らかの理由により着火して、電解質膜が焼失しても、ガス流路から外部への火炎の伝播を、防火部材によって抑制することができる。
本発明の一態様としての燃料電池において、前記ガス流路は、水素を含有する燃料ガスが流れる燃料ガス流路であり、前記防火部材が配置された前記ガス給排流路は、前記燃料ガス流路に連通して設けられた前記燃料ガスが流れる流路であることとしても良い。このような構成とすれば、燃焼の燃料となる水素が流れるために火炎が容易に伝播し易い燃料ガスの流路を介した火炎の伝播を抑制することができる。
本発明の一態様としての燃料電池において、前記ガス給排流路は、前記ガス流路に供給される前記ガスが流れるガス供給流路と、前記ガス流路から排出される前記ガスが流れるガス排出流路と、を備え、前記防火部材は、前記ガス供給流路と前記ガス排出流路との双方に配置されていることとしても良い。このような構成とすれば、ガスの流入側と排出側の双方において防火部材が配置されることにより、ガス流路から外部への火炎の伝播を効果的に抑制することができる。
本発明の一態様としての燃料電池システムは、
本発明の一態様としての燃料電池と、
前記燃料電池に対して水素を含有する燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
前記燃料電池に対して酸素を含有する酸化ガスを供給する酸化ガス供給部と、
前記酸化ガス供給部が前記燃料電池に供給する前記酸化ガスに対して、水素を混入させる水素混入部と、
前記燃料電池の始動時に、予め定めた所定の低温条件に該当するか否かを判断し、前記低温条件に該当すると判断する場合には、前記水素混入部を駆動して、前記燃料電池に供給される前記酸化ガスに対して水素を混入させる水素添加制御部と
を備える。
以上のように構成された本発明の一態様としての燃料電池システムによれば、低温始動時に酸化ガスに水素を添加することにより、カソードにおいて酸化反応を進行させて、燃料電池の内部温度の上昇を促進することができる。このように、酸化ガス中に水素を添加する動作を行なうシステムにおいても、本発明の一態様としての燃料電池を用いることにより、何らかの理由により着火しても、ガス流路から外部へと火炎が伝播するのを抑制して、安全性を高めることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、本発明の燃料電池を備える燃料電池システムや、燃料電池における、火炎伝播の抑制方法などの形態で実現することが可能である。
A.燃料電池の構成:
図1は、実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面模式図である。本実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池である。また、本実施例の燃料電池は、電気化学反応が進行する発電の単位であるセルアセンブリ10を複数備えると共に、各々のセルアセンブリ10間にセパレータ30を介在させつつセルアセンブリ10を積層させたスタック構造を有している。
セルアセンブリ10は、電解質膜と、電解質膜上に形成された電極であるアノードおよびカソードと、上記電極上に配置されたガス拡散層と、から成る発電体12を備える。また、セルアセンブリ10は、発電体12を挟持する一対のガス流路形成部14,15と、発電体12およびガス流路形成部14,15の外周部に配置されるシール部16と、を備える。
電解質膜は、固体高分子材料、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸を備えるフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。電極は、電気化学反応を促進する触媒、例えば、白金、あるいは白金と他の金属から成る合金を備えている。電極を形成するには、例えば、白金等の触媒金属を担持させたカーボン粉を作製し、この触媒担持カーボンと、電解質膜を構成する電解質と同様の電解質とを用いてペーストを作製し、作製した触媒ペーストを電解質膜上に塗布すればよい。ガス拡散層は、カーボン製の多孔質部材であり、例えばカーボンクロスやカーボンペーパによって形成される。
ガス流路形成部14,15は、発泡金属や金属メッシュなどの金属製多孔質体、あるいは、カーボン製の多孔質体によって形成される導電性の薄板状部材である。ガス流路形成部14,15は、発電体12およびセパレータ30との双方に、面全体で接触するように配置されており、内部に形成される多数の細孔から成る空間は、電気化学反応に供されるガスが通過するセル内ガス流路として機能する。すなわち、カソードとセパレータ30との間に配置されるガス流路形成部14の細孔が形成する空間は、酸素を含有する酸化ガスが通過するセル内酸化ガス流路として機能する。また、アノードとセパレータ30との間に配置されるガス流路形成部15の細孔が形成する空間は、水素を含有する燃料ガスが通過するセル内燃料ガス流路として機能する。
シール部16は、発電体12と一体で形成されており、弾性材料、例えば、ゴム(例えば、シリコンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム)や、熱可塑性エラストマーによって形成されている。このようなシール部は、凸部60において、隣り合うセパレータ30の双方と接触している。
図2は、セルアセンブリ10の概略構成を表わす平面図である。図2に示すように、シール部16は、略四角形状の薄板状部材であり、外周部に設けられた6つの穴部(後述する6つの穴部40〜45)と、中央部に設けられて発電体12およびガス流路形成部14,15が組み込まれている略四角形の穴部とを有している。図2は、図1における右側から見た図であって、中央部に設けられた穴部において、ガス流路形成部14が嵌め込まれた様子を表わしている。凸部60は、ガス流路形成部14,15の外周および6つの穴部40〜45を囲んで形成されており、ガス流路形成部14,15および穴部40〜45が形成する流路におけるシール性を実現している。なお、以下の説明では、各部材において、シール部16の中央部に形成される穴部に対応する領域を、発電領域DAと呼ぶ。
セパレータ30は、図1に示すように、ガス流路形成部14と接するカソード側プレート31と、ガス流路形成部15と接するアノード側プレート32と、カソード側プレート31およびアノード側プレート32に挟持される中間プレート33と、を備えている。これら3枚のプレートは、導電性材料、例えばステンレス鋼あるいはチタンやチタン合金といった金属によって形成される薄板状部材であり、カソード側プレート31、中間プレート33、アノード側プレート32の順に重ね合わされて、例えば拡散接合により接合されている。これら3種のプレートは、いずれも凹凸のない平坦な表面を有すると共に、各々、所定の位置に所定形状の穴部を有している。図3は、カソード側プレート31の形状を示す平面図であり、図4は、アノード側プレート32の形状を示す説明図であり、図5は、中間プレート33の形状を示す説明図である。これら図3〜図5は、各プレートを、図3に示すシール部16と同じ側、すなわち、図1における右側から見た様子を表わす図である。これら図3〜図5では、既述した発電領域DAを、一点破線で囲んで示している。
カソード側プレート31、アノード側プレート32は、いずれも、その外周部においてシール部16と同様の位置に、6つの穴部を備えている。これらの6つの穴部は、スタック構造を形成するために各々の薄板状部材が積層された際に互いに重なり合って、燃料電池内部において積層方向に平行に流体を導くマニホールドを形成する。上記各薄板状部材では、略四角形状である外周の一辺の近傍に穴部40が形成されている。また、近傍に穴部40が形成された辺と対向する辺の近傍には、穴部41が形成されている。さらに、他の2辺のうちの一方の辺の近傍には穴部42,44が形成されており、他方の辺の近傍には穴部43,45が形成されている。なお、中間プレート33は、上記6つの穴部のうち、穴部44,45は有していないが、後述する複数の冷媒孔58が、穴部44,45に対応する位置に重なるように設けられている。
上記各薄板状部材が備える穴部41は、燃料電池に対して供給された酸化ガスを各セル内酸化ガス流路に分配する酸化ガス供給マニホールドを形成し(図中、O2 inと表わす)、穴部40は、各セル内酸化ガス流路から排出されて集合した酸化ガスを外部へと導く酸化ガス排出マニホールドを形成する(図中、O2 outと表わす)。また、穴部42は、燃料電池に対して供給された燃料ガスを各セル内燃料ガス流路に分配する燃料ガス供給マニホールドを形成し(図中、H2 inと表わす)、穴部43は、各セル内燃料ガス流路から排出されて集合した燃料ガスを外部へと導く燃料ガス排出マニホールドを形成する(図中、H2 outと表わす)。さらに、穴部44は、燃料電池に対して供給された冷却水などの冷媒を各セパレータ30内に分配する冷媒供給マニホールドを形成し(図中、CLT inと表わす)、穴部45は、各セパレータ30から排出されて集合した冷媒を外部へと導く冷媒排出マニホールドを形成する(図中、CLT outと表わす)。
また、カソード側プレート31は、穴部40におけるプレート中央部側の辺の近傍において発電領域DAの一辺(図3における上端部)に沿って設けられ、カソード側プレート31を貫通して形成された酸化ガス排出スリット50を備えている。また、同様に、穴部41におけるプレート中央部側の辺の近傍において発電領域DAの他の一辺(図3における下端部)に沿って設けられた酸化ガス供給スリット51を備えている(図3参照)。
アノード側プレート32は、カソード側プレート31と同様に、穴部40におけるプレート中央部側の辺の近傍において発電領域DAの一辺(図4における上端部)に沿って設けられ、アノード側プレート32を貫通して形成された燃料ガス供給スリット52を備えている。また、穴部41におけるプレート中央部側の辺の近傍において発電領域DAの他の一辺(図4における下端部)に沿って設けられた燃料ガス排出スリット53を備えている(図4参照)。これらの燃料ガス供給スリット52および燃料ガス排出スリット53は、それぞれ、酸化ガス排出スリット50および酸化ガス供給スリット51と重ならないように、プレートのさらに中央部寄りに配置されている。ここで、燃料ガス供給スリット52および燃料ガス排出スリット53には、それぞれ、多孔質体62,63が、アノード側プレート32の面方向に対して隙間無く嵌め込まれている。
中間プレート33においては、穴部40の形状が他のプレートとは異なっており、中間プレート33の穴部40は、この穴部40のプレート中央部側の辺が、プレート中央部方向へと突出する複数の突出部を備える形状となっている。穴部40が有する上記複数の突出部を、連通部54と呼ぶ。この連通部54は、中間プレート33とカソード側プレート31とが積層されたときに酸化ガス排出スリット50と重なり合うように形成されており、酸化ガス排出マニホールドと酸化ガス排出スリット50とを連通させる。また、穴部41においても同様に、酸化ガス供給スリット51に対応して、複数の連通部55が設けられている(図5参照)。さらに、中間プレート33には、穴部42および穴部43の各々に連通して、アノード側プレート32の燃料ガス供給スリット52あるいは燃料ガス排出スリット53と重なる形状の、連通部56および連通部57が設けられている。ここで、連通部56および連通部57には、それぞれ、多孔質体64,65が、中間プレート33の面方向に対して隙間無く嵌め込まれている。
アノード側プレート32および中間プレート33に嵌め込まれた多孔質体62〜65は、後述するように、燃料ガスマニホールドを介してスタック内で火炎が伝播するのを抑制する防火部材として働く。そのため、多孔質体62〜65は、例えば金属製多孔質体やカーボン製多孔質体のように、電解質膜を構成する高分子電解質の燃焼温度に対する耐熱性を有する部材により構成すればよい。
燃料電池の内部において、穴部41が形成する酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、中間プレート33の連通部55が形成する空間と、カソード側プレート31の酸化ガス供給スリット51とを介して、ガス流路形成部14内に形成されるセル内酸化ガス流路へと流入する。セル内酸化ガス流路において酸化ガスは、ガス流路形成部14に平行な方向(面方向)に流れると共に、カソード22で進行する電気化学反応に供される。このように電気化学反応に寄与しつつセル内酸化ガス流路を通過した酸化ガスは、ガス流路形成部14から、カソード側プレート31の酸化ガス排出スリット50および中間プレート33の連通部54が形成する空間を介して、穴部40が形成する酸化ガス排出マニホールドへと排出される。同様に、燃料電池の内部において、穴部42が形成する燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、中間プレート33の連通部56が形成する空間と、アノード側プレート32の燃料ガス供給スリット52とを介して、ガス流路形成部15内に形成されるセル内燃料ガス流路へと流入する。セル内燃料ガス流路において燃料ガスは、面方向に流れると共に、アノード24で進行する電気化学反応に供される。このように電気化学反応に寄与しつつセル内燃料ガス流路を通過した燃料ガスは、ガス流路形成部15から、アノード側プレート32の燃料ガス排出スリット53および中間プレート33の連通部57が形成する空間を介して、穴部42が形成する燃料ガス排出マニホールドへと排出される。図2ないし図5では、図1に示した断面図に相当する位置を、1−1断面として示しており、図1では、酸化ガスマニホールドとセル内酸化ガス流路との間の酸化ガスの流れを矢印で示している。
なお、中間プレート33は、さらに、発電領域DAを含む領域に、互いに平行に形成された細長い複数の冷媒孔58を備えている。これらの冷媒孔58の端部は、中間プレート33を他の薄板状部材と重ね合わせたときに、穴部44,45と重なり合い、冷媒が流れるためのセル間冷媒流路をセパレータ30内で形成する。すなわち、燃料電池の内部において、穴部44が形成する冷媒供給マニホールドを流れる冷媒は、上記冷媒孔58によって形成されるセル間冷媒流路に分配され、セル間冷媒流路から排出される冷媒は、穴部45が形成する冷媒排出マニホールドに排出される。
以上のように構成された本実施例の燃料電池によれば、燃料ガスマニホールドとセル内燃料ガス流路とを接続する流路であるガス給排流路において、耐熱性を有する多孔質体が配置されているため、スタックを構成する各セルアセンブリ10のいずれかにおいて、何らかの理由により着火した場合に、セル内燃料ガス流路から燃料ガスマニホールドへと火炎が伝播するのを抑制することができる。したがって、水素を含有する燃料ガスと酸素を含有する酸化ガスとを用いる燃料電池における安全性を高めることができる。
セルアセンブリ10の内部において、例えば電解質膜の劣化などの何らかの理由により燃料ガスと酸化ガスとが混合されると、電極が備える触媒上で燃焼反応が進行する可能性がある。このように燃焼反応が生じると、セルアセンブリ10内に存在する隙間、例えば、電解質膜が焼失することによって生じる隙間や、あるいは、ガス流路形成部14,15とシール部16との間に存在する隙間を伝って、水素が燃えることによる火炎が広がる可能性がある。このようにセルアセンブリ10内で火炎が広がっても、本実施例の燃料電池では、防火部材である多孔質体62〜65を備えるため、セルアセンブリ10内から、燃焼反応の燃料となる水素が流れる燃料ガスマニホールドへの、火炎の広がりを抑制することができる。
ここで、防火部材として用いる多孔質体62〜65は、それぞれ、燃料ガス供給スリット52、燃料ガス排出スリット53、連通部56、57において、面方向に隙間無く嵌め込まれているため、燃料ガスマニホールドへとセル内燃料ガス流路との間を流れる燃料ガスは、迂回することなく、上記多孔質体62〜65の内部を通過する。そのため、セルアセンブリ10内から燃料ガスマニホールドへの火炎の伝播を、効果的に抑制することができる。また、本実施例では、セル内燃料ガス流路と燃料ガス供給マニホールドとの間の接続部と、セル内燃料ガス流路と燃料ガス排出マニホールドとの間の接続部との両方に、上記多孔質体から成る防火部材を配置している。そのため、水素を含有するガスが流れるいずれのマニホールドにおいても、火炎の伝播を抑制することができる。
多孔質体から成る防火部材によって火炎の伝播を抑制する際には、ガスの流れに対して多孔質体を配置した距離が長いほどその効果は高まるが、ガスが流れる際の圧損が大きくなる。そのため、セル内燃料ガス流路と燃料ガスマニホールドとの間を流れるガスが迂回することなく内部を通過する位置に配置するのであれば、防火部材である多孔質体を、実施例とは異なる形状としても良い。例えば、アノード側プレート32と中間プレート33との内の、いずれか一方のみに、多孔質体を嵌め込むこととしても良い。例えば、多孔質体62,63あるいは多孔質体64,65のうちのいずれか一方だけを配置することとしても良い。あるいは、中間プレート33の連通部56,57内に多孔質体を配置する場合に、図5に示したように連通部56,57全体に多孔質体を嵌め込むのではなく、連通部56,57の一部にだけ多孔質体を嵌め込むこととしても良い。例えば、連通部56,57の内、発電領域DAと重なる領域だけに多孔質体を嵌め込むこととしても良く、あるいは、連通部56,57の内、発電領域DAと重ならない領域だけに多孔質体を嵌め込むこととしても良い。このような構成としても、セル内燃料ガス流路と燃料ガス供給マニホールドとの間を流れる燃料ガスを、迂回させることなく防火部材の内部を通過させて、同様の効果が得られる。また、実施例のように、アノード側プレート32と中間プレート33との両方に防火部材である多孔質体を配置する場合には、連続して配置される多孔質体(実施例における多孔質体62と多孔質体64、あるいは、多孔質体63と多孔質体65)は、一体で形成しても良い。
B.システムの適用例:
以上説明した実施例の燃料電池を適用する燃料電池システムの一例を、以下に示す。図6は、このような燃料電池システム70の概略構成を表わす説明図である。図6に示した燃料電池システム70は、既述した構造を有する実施例の燃料電池72と、燃料電池72に対して燃料ガスを給排する燃料ガス給排部80と、燃料電池72に対して酸化ガスを給排する酸化ガス給排部90と、水素混入部74と、制御部78と、を備える。
燃料ガス給排部80は、燃料ガスである水素を貯蔵する水素タンク82と、気液分離器83と、水素循環ポンプ84と、水素供給路85と、水素循環路86と、調圧弁87と、を備える。水素供給路85は、水素タンク82と、燃料電池72の燃料ガス供給マニホールドとを接続している。また、水素循環路86は、燃料電池72の燃料ガス排出マニホールドと、水素供給路85とを接続している。そのため、燃料電池システム70では、水素タンク82に貯蔵される水素ガスは、燃料電池72に供給されて燃料電池72内を流れた後に、再び水素供給路85へと合流する。水素供給路85の一部と水素循環路86とは、燃料電池72内部の燃料ガスの流路と共に、水素が循環する循環流路を形成する。ここで、調圧弁87は、水素供給路85における水素タンク82との接続部近傍に設けられ、水素タンク82から燃料電池72へと供給される水素圧を減圧して、上記循環流路内の燃料ガス圧を一定の値に保ちつつ、発電による消費分の水素を水素供給路85へと補給している。水素循環ポンプ84は、水素循環路86に設けられ、上記循環流路内で水素を循環させる。また、気液分離器83は、水素循環路86に設けられ、アノード排ガス中の水分量を削減する。
酸化ガス給排部90は、ブロワ92と、加湿モジュール93と、酸化ガス供給路94と、酸化ガス排出路95と、を備える。酸化ガス供給路94は、酸化ガスである空気を取り込むブロワ92と、燃料電池72の酸化ガス供給マニホールドとを接続している。また、酸化ガス排出路95は、燃料電池72の酸化ガス排出マニホールドに一端が接続しており、カソード排ガスを外部へと導く。加湿モジュールは、酸化ガス供給路94および酸化ガス排出路95が内部を経由しており、両方の流路間を中空子膜等の水蒸気透過膜によって隔てることにより、水蒸気含有量の多いカソード排ガスを用いて、燃料電池72に供給する空気を加湿している。
なお、燃料ガス給排部80が備える気液分離器83と、酸化ガス給排部90が備える酸化ガス排出路95とは、バルブ88を備える排気路89によって接続されている。燃料電池システム70のように、燃料ガスを循環させるシステムでは、燃料電池72の発電に伴って、循環流路内で、窒素や水蒸気などの不純物濃度が高まる。そのため、燃料電池システム70では、バルブ88を間欠的に解放して循環流路内の燃料ガスの一部を排出することによって、循環流路内の燃料ガスにおける不純物濃度を抑制している。
水素混入部74は、水素混入路75と、水素混入路75に設けたバルブ76と、を備える。水素混入路75は、水素供給路85と酸化ガス供給路94とを接続する流路である。バルブ76を解放することにより、内部のガス圧のより高い水素供給路85から、内部のガス圧のより低い酸化ガス供給路94へと、水素混入路75を介して水素が混入される。
制御部78は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、CPU、ROM、RAM、および、各種の信号を入出力する入出力ポート等を備える。この制御部78は、既述した水素循環ポンプ84やブロワ92、あるいはバルブ76やバルブ88等に駆動信号を出力して、燃料電池システム70の運転状態を制御する。
図7は、燃料電池システム70の始動時に実行される低温始動時制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。本ルーチンは、燃料電池システム70において、システムを始動する指示が入力されたときに、制御部78において実行される。
本ルーチンが開始されると、制御部78のCPUは、始動時運転制御を開始する(ステップS100)。ここでは、調圧弁87、水素循環ポンプ84、およびブロワ92を駆動して、燃料電池72への燃料ガスおよび酸化ガスの供給を開始すると共に、燃料電池72を所定の負荷へと接続して、燃料電池72における発電を開始する。なお、燃料電池システム70の始動時には、通常は燃料電池72の温度は定常状態よりも低いため、定常状態と同様の運転制御を行なうと、出力電流が過大となって、出力電圧が降下する等の不都合が生じる場合がある。そこで、上記始動時運転制御においては、燃料電池72に接続する負荷の大きさを抑えることによって、出力電流を抑えて発電を開始する。
このように、始動時運転制御を開始する際には、制御部78は、図示しない温度センサから、システム始動時の温度情報を取得し、氷点下の温度条件であるか否かを判断する(ステップS110)。氷点下の温度条件とは、燃料電池72内部で生じた液水が凍結する温度条件をいう。このステップS110で温度情報を取得する温度センサは、例えば、燃料電池システム70の環境温度を検出するセンサとしても良く、あるいは燃料電池72の内部温度に係る情報を取得するセンサとしても良い。
ステップS110において氷点下の温度条件であると判断すると、制御部78は、バルブ76を解放して(ステップS120)、酸化ガスへの水素の混入を行なう。水素を混入した酸化ガスを燃料電池72に供給すると、カソードが備える触媒上で酸化反応が進行して発熱する。燃料電池では、電気化学反応の進行に伴って熱が生じるが、酸化ガスに水素を積極的に混入させることにより、さらに酸化反応が進行して発熱し、燃料電池72の内部温度の上昇が促進される。燃料電池72内部が、既述した氷点下の温度条件であれば、発電時に生じた水が燃料電池72内部で凍結して、ガス流れを阻害する可能性があるが、上記のように酸化反応をさらに進行させて温度上昇を促進することで、液水の凍結を抑えることができる。また、温度上昇を促進することで、燃料電池72の内部温度が氷点下の温度条件から脱するのを助けることができる。
水素の混入を開始すると、次に、制御部78は、燃料電池72の内部温度を検出する図示しない温度センサから温度情報を取得し、基準温度に達したか否かを判断する(ステップS130)。この基準温度は、水素混入による酸化反応が無くても、燃料電池72内で液水が凍結しない温度として予め設定した温度である。制御部78は、基準温度に達するまで、水素を混入する状態を維持して、ステップS130の動作を繰り返す。ステップS130で基準温度に達したと判断すると、制御部78は、バルブ76を閉じて(ステップS140)、本ルーチンを終了する。
なお、ステップS110において、氷点下の温度条件ではないと判断したときには、凍結防止のための積極的な加熱を行なう必要がないため、制御部78は、水素混入の制御を行なうことなく、本ルーチンを終了する。
上記のように、酸化ガスへの水素の添加を行なう燃料電池システム70では、特に、酸化ガスへの水素の添加を行なっているときに、触媒上で着火する可能性が高まる。しかしながら、燃料電池72が、実施例の燃料電池と同様の構造を備えることにより、触媒上で水素と酸素が反応する際に、たとえ着火が起こったとしても、火炎がマニホールドへと伝播するのを抑えることができる。そのため、酸化ガスへの水素の添加を行なう燃料電池システムにおける安全性を向上させることができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
実施例の燃料電池は、セパレータの内部に、セル内ガス流路とマニホールドとを接続する接続流路を形成し、このセパレータ内の接続流路内に、防火部材としての多孔質体を配置したが、異なる構成としても良い。以下に、第1の変形例として、セル内ガス流路とマニホールドとを接続する接続流路を、セパレータ表面に設けた溝によって形成した構成を説明する。
図8は、第1の変形例の燃料電池の概略構成を表わす断面模式図である。第1の変形例の燃料電池は、実施例の燃料電池と同様に、セルアセンブリ110間にセパレータ130を介在させつつ複数のセルアセンブリ110を積層させて構成されている。第1の変形例において、実施例と共通する部材には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。なお、図8では、積層体の一部の断面であって、後述する穴部40によって形成される酸化ガス排出マニホールドの近傍の様子のみを表わしている。
第1の変形例が備えるセパレータ130は、実施例のセパレータ30と同様の三層構造を有しており、同様の位置に、マニホールドを形成するための6つの穴部40〜45が形成されている。ただし、セパレータ130が備える中間マニホールドには、図5に示した実施例のような連通部54〜57は形成されていない。また、カソード側プレートおよびアノード側プレートには、図3,4に示したようなスリット50〜53が形成されていない。したがって、セパレータ130の内部には、セル内ガス流路とガスマニホールドとを接続する流路が形成されていない。
また、第1の変形例の燃料電池では、セルアセンブリ110は、実施例のような発電体12と一体形成されたシール部16に代えて樹脂フレーム116,117を備え、接着剤から成る接着層118によってシール性を確保している。樹脂フレーム116,117は、シール部16と同様に、発電体12の発電領域DAを露出させて発電体12の外周部に配置される部材であって、各マニホールドを形成する穴部40〜45が形成されている。樹脂フレーム116,117は、発電体12の外周部を間に挟みつつ、接着剤によって張り合わされ、カソード側に配置される樹脂フレーム116とカソード側プレートの間、および、アノード側に配置される樹脂フレーム117とアノード側プレートとの間も、接着剤によって接着されている。
図9は、発電体12と樹脂フレーム116,117とを一体化したときの樹脂フレーム116側の面の様子を表わす説明図であり、発電領域DA上にさらにガス流路形成部14を配置した様子を表わしている。また、図10は、発電体12と樹脂フレーム116,117とを一体化したときの樹脂フレーム117側の面の様子を表わす説明図であり、発電領域DA上にさらにガス流路形成部15を配置した様子を表わしている。なお、図9,10では、図8に示した断面を含む断面の位置を、8−8断面として示している。
図8、図9に示すように、樹脂フレーム116の表面には、穴部40と発電領域DAとの間、および、穴部41と発電領域DAとの間を連通させるように、それぞれ、互いに平行な複数の溝部150,151が形成されている。これらの溝部150,151は、隣り合うセパレータ130のカソード側プレートとの間に、酸化ガスマニホールドとセル内酸化ガス流路との間を流れるガスの流路である接続流路を形成する。
また、図8、図10に示すように、樹脂フレーム117の表面には、穴部42から穴部40の長手方向(図8に示す断面に垂直な方向)に平行な方向に延出する溝部156と、穴部43から穴部41の長手方向(図8に示す断面に垂直な方向)に平行な方向に延出する溝部157と、が形成されている。また、上記溝部156と発電領域DAとの間、および、溝部157と発電領域DAとの間を連通させるように、それぞれ、互いに平行な複数の溝部152,153が形成されている。これらの溝部152,153,156,157は、隣り合うセパレータ130のアノード側プレートとの間に、燃料ガスマニホールドとセル内燃料ガス流路との間を流れるガスの流路であるガス給排流路を形成する。ここで、第1の変形例の燃料電池では、ガス流路形成部15は、発電領域DAに対応した矩形形状ではなく、各々の溝部152,153の内部に嵌り込むように、各々の溝部152,153に対応した形状に延出するように形成されている。
以上のように構成された第1の変形例の燃料電池によれば、ガス流路形成部15が、各々の溝部152,153に嵌り込むように延出した形状に形成されているため、燃料ガスマニホールドとセル内燃料ガス流路との接続部において、燃料ガスが迂回することなく上記延出した部分の内部を通過する。そのため、上記延出した部分は、防火部材として機能して、実施例と同様の効果を奏することができる。なお、防火部材として機能する多孔質体は、燃料ガスマニホールドとセル内燃料ガス流路との接続部において、燃料ガスを迂回させることなく内部を通過させる位置に設けられていればよいため、異なる配置としても良い。例えば、溝部152,153に加えて、あるいは、溝部152,153に代えてガス流路形成部15とは別体で、溝部156,157内に多孔質体を配置しても良い。
C2.変形例2:
また、実施例の燃料電池は、セル内ガス流路を多孔質体内の細孔によって形成しているが、異なる構成としても良い。以下に、第2の変形例として、セル内ガス流路とマニホールドとを接続する接続流路を、セパレータ表面に設けた溝によって形成した構成を説明する。
図11は、第2の変形例の燃料電池の概略構成を表わす分解斜視図である。第2の変形例において、実施例と共通する部材には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。第2の変形例の燃料電池は、実施例の燃料電池とは異なり、セパレータ30に代えてセパレータ230を備えている。セパレータ230は、実施例のセパレータ30と同様に、その外周部に、ガスマニホールドとを形成するための穴部40〜43が形成されている。このようなセパレータ230において、発電体12のアノード側と対向する面には、燃料ガス供給マニホールドを形成する穴部42と、燃料ガス排出マニホールドを形成する穴部43との間を連通させるように、複数の溝部215が形成されている。また、発電体12のカソード側と対向する面には、酸化ガス供給マニホールドを形成する穴部41と、酸化ガス排出マニホールドを形成する穴部40とを連通させるように、複数の溝部214が形成されている。上記溝部215によって発電体12との間に形成される空間は、セル内燃料ガス流路となり、溝部214によって発電体12との間に形成される空間は、セル内酸化ガス流路となる。図11では、発電体12が備える電極と重なる領域であって、上記セル内燃料ガス流路やセル内酸化ガス流路から燃料ガスおよび酸化ガスを供給される領域を、発電領域DAとして示している。
ここで、第2の変形例の燃料電池では、溝部215において、穴部42および43との接続部の近傍のすべてに、溝部215が形成する燃料ガス流路の断面を覆うように、実施例の多孔質体62〜65と同様に燃焼温度に対する耐熱性を有する多孔質体162,163が配置されている。すなわち、溝部215において、発電領域DAと重なってセル内燃料ガス流路を形成する部分と、穴部42,43との間の接続部のすべてに、多孔質体162,163が配置されている。なお、図11では、冷媒流路については記載を省略している。また、第2の変形例の燃料電池では、発電体12とセパレータ230との間、あるいは隣り合うセパレータ230間は、図示しない接着剤の層により、シール性を確保している。
以上のように構成された第2の変形例の燃料電池によれば、セル内燃料ガス流路と燃料ガスマニホールドとの接続部の各々に、多孔質体162,163が配置されているため、燃料ガスマニホールドとセル内燃料ガス流路との間を流れる燃料ガスが、迂回することなく上記多孔質体の内部を通過する。そのため、上記多孔質体162,163は、防火部材として機能して、実施例と同様の効果を奏することができる。このように、発電領域DA上に形成されるセル内燃料ガス流路と、燃料ガスマニホールドとの間の接続部に、防火部材としての多孔質体が配置されるならば、セル内燃料ガス流路の形状や、接続部の形状に拘わらず、同様の効果が得られる。
C3.変形例3:
セル内ガス流路において着火した場合に、火炎が伝播するのは、主として燃料ガスマニホールドであるため、実施例では、燃料ガスマニホールドとセル内燃料ガス流路との接続部に防火部材を配置したが、酸化ガス流路においても同様の多孔質体から成る防火部材を配置しても良い。例えば、セル内酸化ガス流路と、酸化ガス供給マニホールドおよび酸化ガス排出マニホールドとを接続する酸化ガス給排流路において、酸化ガスを迂回させることなく内部を通過させる位置に、防火部材としての多孔質体を配置しても良い。酸化ガスマニホールドでは、燃料ガスマニホールドのように一気に火炎が伝播することはないが、酸化ガスマニホールドを介して近隣のセルへと火炎が伝播する場合が考えられ、このような火炎の伝播を抑制することが可能になる。
C4.変形例4:
実施例では、燃料電池は固体高分子型としたが、異なる種類の燃料電池に本発明を適用しても良い。固体高分子型燃料電池に限らず、燃焼性を有する部材を内部に備え、燃料電池内部で燃焼反応が生じたときには燃料電池内部で火炎が伝播する可能性がある燃料電池であれば、本発明を適用することにより、同様の効果が得られる。
実施例の燃料電池の概略構成を表わす断面模式図である。 セルアセンブリ10の概略構成を表わす平面図である。 カソード側プレート31の形状を示す平面図である。 アノード側プレート32の形状を示す説明図である。 中間プレート33の形状を示す説明図である。 燃料電池システム70の概略構成を表わす説明図である。 低温始動時制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。 第1の変形例の燃料電池の概略構成を表わす断面模式図である。 樹脂フレーム116と一体化した発電体12の様子を表わす平面図である。 樹脂フレーム117と一体化した発電体12の様子を表わす平面図である。 第2の変形例の燃料電池の概略構成を表わす分解斜視図である。
符号の説明
10,110…セルアセンブリ
12…発電体
14,15…ガス流路形成部
16…シール部
22…カソード
24…アノード
30,130,230…セパレータ
31…カソード側プレート
32…アノード側プレート
33…中間プレート
40〜45…穴部
50…酸化ガス排出スリット
51…酸化ガス供給スリット
52…燃料ガス供給スリット
53…燃料ガス排出スリット
54〜57…連通部
58…冷媒孔
60…凸部
62〜65…多孔質体
70…燃料電池システム
72…燃料電池
74…水素混入部
75…水素混入路
76…バルブ
78…制御部
80…燃料ガス給排部
82…水素タンク
83…気液分離器
84…水素循環ポンプ
85…水素供給路
86…水素循環路
87…調圧弁
88…バルブ
89…排気路
90…酸化ガス給排部
92…ブロワ
93…加湿モジュール
94…酸化ガス供給路
95…酸化ガス排出路
116,117…樹脂フレーム
118…接着層
150,151,152,153,156,157…溝部
162,163…多孔質体
214,215…溝部

Claims (7)

  1. 燃料電池であって、
    電解質膜と、
    前記電解質膜上に形成される電極と、
    前記電極上に配置されて前記電極に給排されるガスが流れるガス流路と、
    前記ガス流路に連通して設けられ、前記ガス流路に供給される前記ガス、あるいは、前記ガス流路から排出される前記ガスが流れる流路であるガス給排流路と、
    前記ガス給排流路内において、ガスを迂回させることなく内部を通過させる位置に配置された多孔質体から成る防火部材と
    を備える燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池であって、
    前記電解質膜と、前記電極と、前記ガス流路と、を備える発電単位を複数積層して成り、
    前記発電単位の積層方向に平行に設けられ、各々の前記発電単位が備える前記ガス流路に対して前記ガスを供給し、または、各々の前記発電単位が備える前記ガス流路から前記ガスが排出されるガスマニホールドを備え、
    前記ガス給排流路は、前記ガスマニホールドと前記ガス流路とを接続する流路である
    燃料電池。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池であって、
    前記防火部材は、前記ガス給排流路の断面を覆うように配置された多孔質体である
    燃料電池。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池であって、
    前記電解質膜は、高分子電解質から成り、
    前記防火部材は、前記高分子電解質の燃焼温度に対する耐熱性を有する多孔質体から成る
    燃料電池。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の燃料電池であって、
    前記ガス流路は、水素を含有する燃料ガスが流れる燃料ガス流路であり、
    前記防火部材が配置された前記ガス給排流路は、前記燃料ガス流路に連通して設けられた前記燃料ガスが流れる流路である
    燃料電池。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の燃料電池であって、
    前記ガス給排流路は、前記ガス流路に供給される前記ガスが流れるガス供給流路と、前記ガス流路から排出される前記ガスが流れるガス排出流路と、を備え、
    前記防火部材は、前記ガス供給流路と前記ガス排出流路との双方に配置されている
    燃料電池。
  7. 燃料電池システムであって、
    請求項1ないし6いずれか記載の燃料電池と、
    前記燃料電池に対して水素を含有する燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
    前記燃料電池に対して酸素を含有する酸化ガスを供給する酸化ガス供給部と、
    前記酸化ガス供給部が前記燃料電池に供給する前記酸化ガスに対して、水素を混入させる水素混入部と、
    前記燃料電池の始動時に、予め定めた所定の低温条件に該当するか否かを判断し、前記低温条件に該当すると判断する場合には、前記水素混入部を駆動して、前記燃料電池に供給される前記酸化ガスに対して水素を混入させる水素添加制御部と
    を備える燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012227065A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 燃料電池システム
JP2016012507A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 本田技研工業株式会社 燃料電池

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