JP2009087170A - 車両用電子制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ECMには、イグニッションスイッチのオン・オフ信号が入力され、イグニッションスイッチがオフされてからセルフシャットオフ時間が経過したときに、自身への電源供給をオフすると同時に、VELコントローラへの電源供給をオフする。前記VELコントローラは、前記ECMから前記イグニッションスイッチのオフ情報を入力すると、フラッシュメモリに対するバックアップデータの書き込みを行う。ここで、前記オフ情報の受信において通信異常があった場合には、実際のオフタイミングよりも大きく遅れてオフ情報を受け取った可能性があるので、フラッシュメモリへのデータの書き込みをキャンセルする。
【選択図】図13
Description
しかし、電源の供給制御が他の電子制御装置でなされ、前記他の電子制御装置から、エンジンスイッチのオン・オフ情報を貰って、不揮発性メモリに対するデータの書き込みを行う場合、前記他の電子制御装置との間における通信に異常が生じると、エンジンスイッチが実際にオフされてから、エンジンスイッチのオフ情報を受信するまでに遅れが生じる場合がある。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、エンジンスイッチのオン・オフ情報を送受信する通信に異常が生じても、不揮発性メモリに対するデータの書き込み中に電源供給が遮断されてしまうことを回避できるようにすることを目的とする。
上記発明によると、エンジンスイッチのオフ情報の受信において通信異常があった場合には、実際のエンジンスイッチのオフタイミングよりも大きく遅れてオフ情報を受け取った可能性がある。
そこで、エンジンスイッチのオフ情報の受信において通信異常があった場合には、不揮発性メモリへのデータの書き込みをキャンセルし、書き込み中に電源供給が遮断されてしまうことを未然に防止する。
上記発明によると、エンジンスイッチのオフ情報の受信において通信異常があった場合には、実際のエンジンスイッチのオフタイミングよりも大きく遅れてオフ情報を受け取った可能性がある。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、前記電子制御装置が、電動アクチュエータに対して駆動信号を出力する駆動回路を備える一方、前記他の電子制御装置が前記電動アクチュエータの駆動制御における目標値を演算して前記電子制御装置に送信し、前記電子制御装置が前記目標値に基づいて前記駆動回路を制御するようにした。
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記不揮発性メモリに対するデータの書き込み中に、前記エンジンスイッチのオン情報を受信したときに、前記不揮発性メモリに対するデータの書き込みを中断して、前記エンジンスイッチのオン時の定常処理を開始するようにした。
従って、エンジンスイッチのオフ直後に再度オンされた場合に、定常処理の開始が不揮発性メモリに対するデータの書き込み処理によって遅れることがなく、エンジンスイッチの操作に対して定常処理を応答良く開始させることができる。
従って、エンジンスイッチがオンされた後も書き込み継続許容時間の間は書き込みの継続を許容するので、書き込みの中断を極力避けつつ、定常処理の開始が不揮発性メモリに対するデータの書き込みによって過剰に遅れることがない。
上記発明によると、エンジンスイッチがオンされてから書き込み継続許容時間の経過を待たずに、データの書き込みが終了した場合には、定常処理の開始を書き込み継続許容時間が経過するまで待つ必要はないので、書き込みが終了した時点で定常処理を開始させる。
図1は、本発明に係る車両用電子制御装置を含んで構成される車両用エンジンのシステム図である。
図1に示すエンジン101は、図示省略した車両に搭載されて車両の動力源となるものであり、エンジン101の出力は、図示省略した変速機を介して車両の駆動輪に伝達される。
各気筒からの燃焼排気は、燃焼室106内から排気バルブ107を介して排気管108に排出され、排気管108に介装されるフロント触媒コンバータ109a及びリア触媒コンバータ109bで浄化された後、大気中に放出される。
一方、吸気バルブ105は、可変リフト機構(VEL機構)112によってその最大バルブリフト量が作動角と共に連続的に可変とされる。
ここで、エンジンコントロールモジュール(ECM)114と相互通信可能なVELコントローラ113が設けられ、前記ECM114は、運転条件に応じて前記吸気バルブ105の目標最大バルブリフト量(目標値)を演算し、該目標最大バルブリフト量を前記VELコントローラ113に送信する。
尚、前記ECM114及びVELコントローラ113は共にマイクロコンピュータを含んで構成され、前記VELコントローラ113が本願発明に係る電子制御装置に該当し、前記ECM114が本願発明における他の電子制御装置に該当する。
前記ECM114は、各種検出信号に基づいて燃料噴射パルス幅(燃料噴射量)を演算し、前記パルス幅の噴射パルス信号を前記燃料噴射弁131に出力して、前記パルス幅に比例する量の燃料を噴射させ、エンジン101への燃料供給を制御する。
図2〜図4は、前記可変リフト機構112の構造を詳細に示すものである。
図2〜図4に示す可変リフト機構112は、一対の吸気バルブ105,105と、シリンダヘッド11のカム軸受14に回転自在に支持された中空状のカム軸(駆動軸)13と、該カム軸13に軸支された回転カムである2つの偏心カム15,15(駆動カム)と、前記カム軸13の上方位置に同じ軸受14に回転自在に支持された制御軸16と、該制御軸16に制御カム17を介して揺動自在に支持された一対のロッカアーム18,18と、各吸気バルブ105,105の上端部にバルブリフター19,19を介して配置された一対のそれぞれ独立した揺動カム20,20と、を備えている。
上記ロッカアーム18,18,リンクアーム25,25,リンク部材26,26が伝達機構を構成する。
また、前記偏心カム15は、カム軸13に対し前記バルブリフター19に干渉しない両外側にカム軸挿通孔15cを介して圧入固定されている。
また、基部18aの外端部に突設された一端部18bには、リンクアーム25の先端部と連結するピン21が圧入されるピン孔18dが貫通形成されている一方、基部18aの内端部に突設された他端部18cには、各リンク部材26の後述する一端部26aと連結するピン28が圧入されるピン孔18eが形成されている。
前記揺動カム20は、図2及び図6,図7に示すように略横U字形状を呈し、略円環状の基端部22にカム軸13が嵌挿されて回転自在に支持される支持孔22aが貫通形成されていると共に、ロッカアーム18の他端部18c側に位置する端部23にピン孔23aが貫通形成されている。
即ち、図8に示すバルブリフト特性からみると、図2に示すように基円面24aの所定角度範囲θ1がベースサークル区間になり、カム面24bの前記ベースサークル区間θ1から所定角度範囲θ2が所謂ランプ区間となり、更に、カム面24bのランプ区間θ2から所定角度範囲θ3がリフト区間になるように設定されている。
更に、前記リンク部材26は、所定長さの直線状に形成され、円形状の両端部26a,26bには前記ロッカアーム18の他端部18cと揺動カム20の端部23の各ピン孔18d,23aに圧入した各ピン28,29の端部が回転自在に挿通するピン挿通孔26c,26dが貫通形成されている。
上記構成において、制御軸16の軸心P2と制御カム17の軸心P1との位置関係によって、図6,7に示すように、最大バルブリフト量が変化することになり、前記制御軸16を回転駆動させることで、制御カム17の軸心P1に対する制御軸16の軸心P2の位置が変化して最大バルブリフト量が変化する。
図10において、モータ121は、その回転軸が制御軸16と平行になるように配置され、回転軸の先端には、かさ歯車122が軸支されている。
一方、前記制御軸16の先端に一対のステー123a,123bが固定され、一対のステー123a,123bの先端部を連結する制御軸16と平行な軸周りに、ナット124が揺動可能に支持される。
ここで、ナット124の位置をかさ歯車126に近づける方向が、最大バルブリフト量が小さくなる方向で、逆に、ナット124の位置をかさ歯車126から遠ざける方向が、最大バルブリフト量が大きくなる方向となっている。
前記前記VELコントローラ113は、前記角度センサ127で検出される制御軸16の実際の角度が、前記ECM114で算出される目標角度(目標最大バルブリフト量相当値)に近づくように、前記実際の角度と目標角度との偏差に基づく比例・積分・微分動作によって、前記モータ121の通電制御量を設定する。
図11において、VELコントローラ113の電源回路301には、電源リレー328を介してバッテリ電圧が供給され、前記電源回路301からCPU302に電源が供給される。
また、前記電源回路301からの電源電圧が電源バッファ回路303を介して外部の角度センサ127に供給され、角度センサ127の出力は、入力回路304を介して前記CPU302に読み込まれる。
前記制御軸16の角度を検出する角度センサ127は2重に備えられ、これら2つの角度センサ127a,127bに対応して入力回路304も2系統(304a,304b)備えられており、各角度センサ127a,127bの検出角度が略同等である正常時には、これら角度センサ127a,127bによる検出角度の平均値や、一方のセンサ出力に基づいてモータ121を制御するようになっている。
前記モータ駆動回路305には、外部に設けられるリレー回路306を介してバッテリ電圧が供給され、前記リレー回路306は、VELコントローラ113に設けられるリレー駆動回路307によってON・OFF駆動される。
前記リレー駆動回路307は、AND回路(論理積演算回路)321の出力がハイレベル(1)であるときに、リレー回路306をONして、モータ駆動回路305に電源を供給し、AND回路321の出力がローレベル(0)であるときに、リレー回路306をOFFして、モータ駆動回路305への電源供給を遮断する。
また、前記VELコントローラ113には、前記ECM114との間において通信を行なうための通信回路309が備えられ、一方、前記ECM114には、前記VELコントローラ113との間において通信を行なうための通信回路114cが備えられており、前記VELコントローラ113と前記ECM114とは相互通信可能に構成される。
そして、前記ECM114においてアクセル開度,エンジン回転速度等に基づいて算出された制御軸16の目標角度が、前記CANを介して前記VELコントローラ113に送信され、前記VELコントローラ113では、前記角度センサ127で検出された実際の角度と前記目標角度との偏差に基づく比例・積分・微分制御によってモータ121の通電制御量を演算し、該演算結果に基づき駆動回路305を制御する。
そして、前記ECM114では、前記VELコントローラ113から送信された実際の角度と、自身の演算結果である目標角度との偏差に基づいて、前記フィードバック制御の異常(応答異常)を診断し、前記フィードバック制御に異常が認められた場合には、前記AND回路321にローレベル信号を出力する。
従って、ECM114とVELコントローラ113との少なくとも一方で異常を判定すると、AND回路321の出力がローレベルになって、リレー回路306がOFFされ、モータ駆動回路305への電源供給が遮断されることで、モータ121の駆動が停止される。
イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオフされると、該オフ判定(エンスト判定)時から予め設定されたセルフシャットオフ時間が経過した時点で、前記電源リレー328をオフして、自身をセルフシャットオフすると同時に、前記VELコントローラ113への電源供給を遮断する。
前記VELコントローラ113には、前記ECM114からCANを介してイグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオン・オフ情報が送信され、オフ情報の受信をトリガーとして、前記角度センサ127の出力値の学習及びフラッシュメモリ302aへのデータ書き込みを行う。
この場合、ECM114側は、セルフシャットオフ時間が経過した時点でVELコントローラ113への電源供給を遮断することになるが、VELコントローラ113側では、遅れて受信したオフ情報に基づいてフラッシュメモリ302aへのデータ書き込みを開始しているので、書き込み中であるにも関わらずに電源供給が遮断され、書き込みデータの異常やフラッシュメモリ302a自体の損傷を生じさせる可能性がある(図12参照)。
尚、図13のフローチャートに示すルーチンは、微小時間(例えば10ms)毎に実行されるものとする。
前記CAN通信の異常は、例えば、ECM114からの所定微小時間毎の目標最大バルブリフト量の送信が途切れているか否か、ECM114からの一定周波数の信号を出力させて、この信号が正常に受信されているかなどに基づいて診断でき、診断方法は公知の種々の方法を適宜選択できる。
イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオン状態であると判断した場合には、フラッシュメモリ302aへのデータ書き込みを行わないので、そのまま本ルーチンを終了させる。
ステップS003では、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオン状態からオフ状態への切り換りを判断してから500ms経過したか否かを判断する。
そして、オン状態からオフ状態への切り換り判断から500ms以上経過していれば、フラッシュメモリ302aへのデータ書き込みを行わせるべく、ステップS004へ進み、オン状態からオフ状態への切り換り判断からの経過時間が500ms未満であれば、そのまま本ルーチンを終了させる。
従って、学習を行わずに直ぐにフラッシュメモリ302aへのデータ書き込み開始させる場合には、ステップS003において、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオン状態からオフ状態への切り換りタイミングであるか否かを判断させる。
但し、異常の有無を診断させる過去の期間を1秒間に限定するものではなく、セルフシャットオフ時間に含まれる余裕時間等から適宜設定されるものであり、通信の一時的な停止が許容される時間を基準に前記過去の期間が設定されるようになっている。
ステップS004において過去1秒間にCAN通信に異常がなかったと判断された場合には、ステップS006へ進み、フラッシュメモリ302aへのデータ書き込みを実行することを決定し、次のステップS007では、実際にデータ書き込みを行う。
そして、この場合、ECM114によってVELコントローラ113への電源供給が遮断されるまでには、フラッシュメモリ302aへのデータ書き込みを完了できると見込まれるので、フラッシュメモリ302aへのデータ書き込み処理の実行を許可する。
即ち、過去1秒間にCAN通信に異常があった場合には、ECM114におけるオフ検知から大きく遅れて(余裕時間以上に越えて)、VELコントローラ113がイグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオフ情報を受け取っている可能性があり、この場合に、通常にフラッシュメモリ302aへのデータ書き込みを行わせると、データ書き込み中にECM114によってVELコントローラ113への電源供給が停止されてしまうことになる。
例えば、各種の学習データをフラッシュメモリ302aに更新して書き込む場合には、書き込みを禁止することで、直前の1トリップにおける学習結果が反映されない(データが更新されない)ことになるが、データ書き込み中に電源供給が遮断された場合には、フラッシュメモリ302aの損傷によってそれまでの学習結果が全く残らなく可能性があり、データ書き込みを禁止することによるデメリットよりも、データ書き込みを禁止してフラッシュメモリ302aを保護することのメリットの方が一般的には大きい。
ところで、上記のように通信異常によって、VELコントローラ113がイグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオフ情報を受け取るタイミングが遅れ、結果的に、実際のイグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオフから、書き込みが完了するまでの時間が長くなっても、ECM114による電源供給の遮断タイミングを遅延させれば、書き込み中に電源供給が遮断されることを回避することが可能であり、係る構成とした第2実施形態を、以下に説明する。
ステップS121では、CAN通信をチェックして、通信が途絶えるなどの異常が発生していないかなどを判定する。
前記CAN通信の異常は、例えば、ECM114からの所定微小時間毎の目標最大バルブリフト量の送信が途切れているか否か、ECM114からの一定周波数の信号を出力させて、この信号が正常に受信されているかなどに基づいて診断でき、診断方法は公知の種々の方法を適宜選択できる。
イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオン状態であると判断した場合には、フラッシュメモリ302aへのデータ書き込みを行わないので、そのまま本ルーチンを終了させる。
ステップS123では、過去1秒間にCAN通信に異常があったか否かを判断する。
異常の有無を診断させる過去の期間を1秒間に限定するものではなく、セルフシャットオフ時間に含まれる余裕時間等から適宜設定されるものであり、通信の一時的な停止が許容される時間を基準に前記過去の期間が設定されるようになっている。
一方、過去1秒間にCAN通信に異常があった場合には、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオフ情報を大きく遅れて受け取った(余裕時間を越える時間だけ遅れて受け取った)可能性があり、オフ情報の受信に基づいて開始させたフラッシュメモリ302aへの書き込み中に、VELコントローラ113に対する電源供給が遮断されてしまう可能性がある。
尚、今回ステップS125へ進んで、遅延要求状態を判定しても、次回のステップS123で異常がないと判断された場合には、遅延要求はキャンセルされることになる。
ステップS127では、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオン状態からオフ状態への切り換りを判断してから500ms経過したか否かを判断する。
そして、オン状態からオフ状態への切り換り判断から500ms以上経過していれば、フラッシュメモリ302aへのデータ書き込みを行わせるべく、ステップS128へ進み、オン状態からオフ状態への切り換り判断からの経過時間が500ms未満であれば、そのまま本ルーチンを終了させる。
従って、学習を行わずに直ぐにフラッシュメモリ302aへのデータ書き込み開始させる場合には、ステップS127において、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオン状態からオフ状態への切り換りタイミングであるか否かを判断させる。
ステップS101では、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオンからオフに切り換ったか否かを判断し、オンからオフへの切り換りを判断すると、ステップS102へ進んで、オンからオフへの切り換りからの経過時間を計測するためのタイマTIGNOFFを0にリセットする。
セルフシャットオフ時間が経過している場合には、ステップS105へ進んで、前記電源リレー328をオフして、セルフシャットオフを実行し、また、VELコントローラ113に対する電源供給を遮断する。
次のステップS107では、ステップS123と同様にして、過去1秒間にCAN通信に異常があったか否かを判断する。
また、ステップS107で異常がなかったと判断された場合には、ステップS108へ進み、VELコントローラ113から送信される、電源供給遮断タイミングの遅延要求の有無を示す信号から、遅延要求があるか否かを判断する。
一方、ステップS108で、VELコントローラ113側が、電源供給遮断タイミングの遅延を要求していないと判断した場合には、ステップS109へ進んで、前記フラグIGOFDLに「0」をセットする。
前記フラグIGOFDLに「1」がセットされている場合には、CAN通信の異常がECM114又はVELコントローラ113で検出された状態であり、この場合には、ステップS112へ進んで、前記タイマTIGNOFFによる計測時間を0にリセットさせ、その時点から改めて時間経過の計測が行われるようにする。
本来、前記タイマTIGNOFFは、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオンからオフに切り換った時点で0にリセットされ、オンからオフに切り換った時点からの経過時間を計測するが、その後にCAN通信の異常が検出されると、再度0にリセットされることになって、実質的にセルフシャットオフ時間が延長され、VELコントローラ113の電源供給が遮断されるタイミングが、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオフ時を基準に遅延されることになる。
尚、CAN通信の異常が検知されたときに、前記タイマTIGNOFFを0にリセットする代わりに、セルフシャットオフ時間を増大補正したり、前記タイマTIGNOFFによる計測時間を減算補正したりすることができ、結果的に、電源供給の遮断タイミングを遅延させる全ての処理が含まれる。
尚、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオフされた後のバックアップデータの書き込みの処理は、前記第1,第2実施形態のうちのいずれで開始されるものであってもよい。
書き込み中でない場合には、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオンされたときに、直ちに定常処理を開始させればよいので、そのまま本ルーチンを終了させる。
フラッシュメモリ302aに対するデータの書き込み中に、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオフ状態を保持する場合には、そのまま書き込みを継続させるので、そのまま本ルーチンを終了させる。
ステップS203では、フラッシュメモリ302aに対するデータの書き込みをその時点で中断し、次のステップS204では、VELコントローラ113におけるイグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオン状態での定常処理を開始させる。
この第2実施形態においても、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオフされた後のバックアップデータの書き込みの処理は、前記第1,第2実施形態のうちのいずれで開始されるものであってもよい。
書き込み中でない場合には、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオンされたときに、直ちに定常処理を開始させればよいので、そのまま本ルーチンを終了させる。
そして、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオフ状態であれば、ステップS303へ進み、イグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329がオン状態になってからの経過時間を計測させるためのタイマTIGNONを0にリセットした後、そのまま本ルーチンを終了させる。
ステップS304の次はステップS305へ進み、タイマTIGNONによる計測時間が、書き込み継続許容時間Tt以上になっているか否かを判断する。
一方、前記タイマTIGNONによる計測時間が、前記書き込み継続許容時間Tt以上になると、ステップS306へ進み、フラッシュメモリ302aに対するデータの書き込みをその時点で中断し、次のステップS307では、VELコントローラ113におけるイグニッションスイッチ(エンジンスイッチ)329のオン状態での定常処理を開始させる。
これによって、前記書き込み継続許容時間Ttの経過するまで定常処理の開始が無用に遅延されることを回避できる。
Claims (6)
- 車両に搭載され、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを備えた電子制御装置であって、他の電子制御装置によってエンジンスイッチのオフから所定時間後に電源供給が停止されると共に、前記他の電子制御装置から前記エンジンスイッチのオン・オフ情報が送信され、前記エンジンスイッチのオフ情報を受信したときに、前記不揮発性メモリに対するデータの書き込みを行う車両用電子制御装置において、
前記エンジンスイッチのオフ情報の受信において通信異常があったか否かを判断し、
前記通信異常があった場合に、前記不揮発性メモリに対する書き込みをキャンセルすることを特徴とする車両用電子制御装置。 - 車両に搭載され、電気的にデータの消去及び書き込みが可能な不揮発性メモリを備えた電子制御装置であって、他の電子制御装置によってエンジンスイッチのオフから所定時間後に電源供給が停止されると共に、前記他の電子制御装置から前記エンジンスイッチのオン・オフ情報が送信され、前記エンジンスイッチのオフ情報を受信したときに、前記不揮発性メモリに対するデータの書き込みを行う車両用電子制御装置において、
前記エンジンスイッチのオフ情報の受信において通信異常があったか否かを判断し、
前記通信異常があった場合に、前記他の電子制御装置に対して電源供給の停止時期の遅延を要求することを特徴とする車両用電子制御装置。 - 前記電子制御装置が、電動アクチュエータに対して駆動信号を出力する駆動回路を備える一方、前記他の電子制御装置が前記電動アクチュエータの駆動制御における目標値を演算して前記電子制御装置に送信し、前記電子制御装置が前記目標値に基づいて前記駆動回路を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の車両用電子制御装置。
- 前記不揮発性メモリに対するデータの書き込み中に、前記エンジンスイッチのオン情報を受信したときに、前記不揮発性メモリに対するデータの書き込みを中断して、前記エンジンスイッチのオン時の定常処理を開始することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電子制御装置。
- 前記不揮発性メモリに対するデータの書き込み中に、前記エンジンスイッチのオン情報を受信したときに、オン情報の受信から書き込み継続許容時間が経過するまでの間、前記不揮発性メモリに対するデータの書き込みの継続を許容し、
前記書き込み継続許容時間が経過した時点でデータの書き込みが完了しなかった場合に、前記不揮発性メモリに対するデータの書き込みを中断して、前記エンジンスイッチのオン時の定常処理を開始することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用電子制御装置。 - 前記書き込み継続許容時間が経過する前に、前記データの書き込みが完了した場合に、書き込み完了時点で前記定常処理を開始することを特徴とする請求項5記載の車両用電子制御装置。
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