JP2009085350A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速時間を長くすることなく、かつ変速ショックを緩和することが可能な自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】入力軸回転数Nに変化が生じる実際の変速前にあって、入力軸回転数Nに変化が生じる油圧Paを予測しておき、解放するブレーキB−1の油圧の油圧指令値PB1をスイープダウンする際(t12〜t13)に、油圧指令値PB1・nをサンプリングしつつ、入力トルクとサンプリングされた油圧指令値PB1・nとに基づき油圧指令値PB1の勾配ΔPB1・nを、スイープ開始時に大きくなるように、かつ予測される入力軸の回転変化の開始が近づくほど小さくなるように制御する。これにより、一定勾配でスイープする場合に比して、スイープ制御の時間TAを短くし、かつ変速開始後の入力軸回転数Nの上昇が緩やかになって、ワンウェイクラッチの係合ショックが緩和される。
【選択図】図5

Description

本発明は、自動車等に搭載される自動変速機の制御装置に係り、詳しくは変速時における摩擦係合要素の解放制御又は係合制御を該摩擦係合要素の油圧サーボの油圧制御により行う自動変速機の制御装置に関する。
従来、例えば車輌が停車間近にあって、パワーオフ状態でアイドル回転数よりも入力軸回転数が低回転となる状態で、ワンウェイクラッチの係合による変速段(例えば1速段)にコーストダウンシフトする場合、変速前(例えば2速段)で係合している摩擦係合要素(例えばブレーキB−1)用油圧サーボの油圧(解放油圧)は、一定勾配によってスイープダウンしている(例えば特許文献1参照)。
具体的には、図9乃至図11に示すように、例えばブレーキB−1を解放してワンウェイクラッチF−1が係合する2−1コーストダウンシフトの開始が判断されると(時点t31、S11)、ブレーキB−1の解放制御が開始され、まず、ブレーキB−1の解放油圧PB1(即ち油圧指令値)として解放初期圧を算出して(S12)、該初期圧まで解放油圧PB1を下降し、ついで時点t32に解放油圧PB1の勾配を推定される変速後の入力回転数N(自動変速機構の入力軸、タービン回転数)に基づく一定勾配(例えば−200)として算出し(S13)、該一定勾配による解放油圧PB1を算出して(S14)、該算出した解放油圧PB1でスイープダウンを行う。
その後、時点t33において、入力軸回転数Nに変化が生じて変速開始判定が成立すると(S15のYes)、入力軸回転数Nの回転変化をフィードバックする形で随時の解放油圧PB1の勾配を算出し(S16)、該算出された勾配で解放油圧PB1をスイープダウンを行い、時点t34に1速段のギヤ比が成立してワンウェイクラッチF−1が係合し、入力軸回転数Nの回転上昇が納まると、変速終了が判定されて(S17のYes)、解放制御を終了するために急勾配で解放油圧PB1を0にして、解放制御を終了する(S18、時点t35)。
特開2005−147238号公報
しかしながら、上述の図9に示す時点t32から解放油圧PB1を一定勾配によってスイープダウンすることは、ブレーキB−1が滑りを開始してイナーシャ相に移行する瞬間にも解放油圧PB1の低下が進行し、トルクコンバータを介してエンジントルクにより入力軸(タービン回転)が急激に引き摺られるため、急激に入力軸回転数が上昇し(時点t34〜t35)、その後、入力軸回転数が変速後のギヤ比に到達する際に、ワンウェイクラッチが急係合してしまい、いわゆる変速ショック(係合ショック)が生じてしまうという問題がある。
また、このような変速ショックを緩和するためには、解放油圧をスイープする一定勾配を緩やかにすることでブレーキB−1の解放を緩やかにし、該ブレーキB−1の引き摺りトルクの残留を得ることで、イナーシャ相の移行後における入力軸回転数Nの上昇を緩やかにすることも考えられるが、スイープする一定勾配を緩やかにする分、解放油圧PB1が入力軸の回転変化を起こす圧Paに到達するまでの時間TA’が長くなり(図9参照)、つまり変速が間延びして変速時間が長くなり、良好なシフトフィーリングが得られなくなるという問題がある。
そこで本発明は、変速時間を長くすることなく、かつ変速ショックを緩和することが可能な自動変速機の制御装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は(例えば図1乃至図8参照)、入力軸(10)及び出力軸(11)間のギヤ比を変更する変速時に、摩擦係合要素(B−1)の油圧サーボの油圧を油圧指令値(PB1)に応じて調圧することで、前記摩擦係合要素(B−1)の解放制御又は係合制御を行う自動変速機(3)の制御装置(1)において、
前記入力軸(10)の回転変化が生じる実際の変速前にあって前記油圧指令値(PB1)をスイープする際に、前記油圧指令値(PB1・n)をサンプリングし、前記入力軸(10)に入力される入力トルクと前記サンプリングされた油圧指令値(PB1・n)とに基づき油圧指令値(PB1)の勾配(ΔPB1・n)を、スイープ開始時に大きくなるように設定し、かつ予測される前記入力軸(10)の回転変化の開始(例えばt13、t24)が近づくほど小さくなるように設定する油圧指令制御手段(23)を備えた、
ことを特徴とする自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図1乃至図8参照)、前記入力軸(10)の回転変化の開始は、前記入力トルクに基づき前記摩擦係合要素(B−1)が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する油圧指令値(PB1)の割合(例えば0.6)から予測されてなり、
前記油圧指令制御手段(23)は、前記入力トルクに基づき前記摩擦係合要素(B−1)が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する前記サンプリングされた油圧指令値(PB1・n)の割合を随時算出し、該割合に基づき前記油圧指令値(PB1)の勾配(ΔPB1・n)を設定する回転変化前勾配設定手段(27)を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項3に係る本発明は、前記摩擦係合要素(B−1)が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する油圧指令値(PB1)の割合が、前記スイープ開始時の割合(例えば1.2)から前記入力軸の回転変化の開始が予測される割合(例えば0.6)に向けて徐々に小さくなるように、前記勾配(ΔPB1)が定められた勾配マップ(28)を備え、
前記回転変化前勾配設定手段(27)は、変速後の入力軸回転数(N)を推定すると共に、該推定された変速後の入力軸回転数(N)と前記割合とに基づき前記勾配マップ(28)を参照して、前記油圧指令値(PB1)の勾配(ΔPB1・n)を設定してなる、
ことを特徴とする請求項2記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項4に係る本発明は、前記勾配マップ(28)は、変速後の入力軸回転数(N)が高いほど大きくなるように定められてなる、
ことを特徴とする請求項3記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項5に係る本発明は、前記勾配マップ(28)は、変速後の入力軸回転数(N)がエンジン回転数(N)に近いほど大きくなるように定められてなる、
ことを特徴とする請求項3記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項6に係る本発明は、前記自動変速機(3)は、内燃エンジン(2)と前記入力軸(10)との間に回転数差を吸収し得る流体伝動装置(4)を備え、
前記変速は、前記入力軸(10)の回転数(N)が前記流体伝動装置(4)を介してアイドル回転数以下の状態におけるコーストダウンシフトであって、前記摩擦係合要素(B−1)を解放制御すると共にワンウェイクラッチ(F−1)が係合する変速(2−1変速)である、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、スイープ開始時に油圧指令値の勾配が大きくなるので、スイープ制御を行う実際の変速開始までの時間を短くすることができ、変速時間が長くなることを防止できるものでありながら、入力軸の回転変化が開始される際には油圧指令値の勾配が小さくなるので、変速開始後の入力軸回転数の変化を緩やかにすることができ、変速ショックを緩和することができる。
請求項2に係る本発明によると、入力軸の回転変化の開始(即ち実際の変速開始)は、入力トルクに基づき摩擦係合要素が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する油圧指令値の割合から予測することができるため、該必要な油圧に対する油圧指令値の割合を随時算出することで、スイープ開始時に油圧指令値の勾配を大きくし、かつ入力軸の回転変化の開始が近づくに連れて油圧指令値の勾配を小さくすることを可能にすることができる。
請求項3に係る本発明によると、勾配マップに、摩擦係合要素が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する油圧指令値の割合が、スイープ開始時の割合から入力軸の回転変化の開始が予測される割合に向けて徐々に勾配が小さくなるように定めておくことで、随時勾配の演算を行うことなく、スイープ開始時に油圧指令値の勾配を大きくし、かつ入力軸の回転変化の開始が近づくに連れて油圧指令値の勾配を小さくすることを可能にすることができる。
請求項4に係る本発明によると、入力軸回転数が高い場合は、変速前後での回転数差が大きいため、変速時間が長く、その間に解放する要素の油圧を制御することで係合要素(クラッチ、ブレーキ、ワンウェイクラッチ)による係合ショックを抑えることができるため、入力軸回転数が高いほど油圧指令値の勾配を大きくすることで、変速時間の短縮化を図ることができ、反対に、入力軸回転数が低い場合は、油圧指令値の勾配を小さくすることで、係合ショックの緩和を図ることができる。
請求項5に係る本発明によると、変速後の入力軸回転数がエンジン回転数に近い場合は、回転数差が小さいことに起因して係合する要素(クラッチ、ブレーキ、ワンウェイクラッチ)による係合ショックが生じ難くいため、変速後の入力軸回転数がエンジン回転数に近いほど油圧指令値の勾配を大きくすることで、変速時間の短縮化を図ることができ、反対に、変速後の入力軸回転数がエンジン回転数と遠い場合は、油圧指令値の勾配を小さくすることで、係合ショックの緩和を図ることができる。
請求項6に係る本発明によると、変速が、入力軸の回転数が流体伝動装置を介してアイドル回転数以下の状態におけるコーストダウンシフトであって、摩擦係合要素を解放制御すると共にワンウェイクラッチが係合する変速である場合は、特に係合する要素がワンウェイクラッチであるために、例えば油圧制御等によってスリップ制御しつつ緩やかに係合させることができず、入力軸回転数の急上昇による係合ショックが生じ易いが、上述のように油圧指令値の勾配を設定することによって、変速開始後の入力軸回転数の変化(上昇)を緩やかにすることができるので、ワンウェイクラッチの係合ショックを緩和する上で極めて有用とすることができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図1乃至図8に沿って説明する。
まず、本発明を適用し得る自動変速機3の概略構成について図2に沿って説明する。図2に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車両に用いて好適な自動変速機3は、エンジン2(図1参照)に接続し得る自動変速機の入力軸8を有しており、該入力軸8の軸方向を中心としてトルクコンバータ4と、自動変速機構5とを備えている。
上記トルクコンバータ4は、自動変速機3の入力軸8に接続されたポンプインペラ4aと、作動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が伝達されるタービンランナ4bとを有しており、該タービンランナ4bは、上記入力軸8と同軸上に配設された上記自動変速機構5の入力軸10に接続されている。また、該トルクコンバータ4には、ロックアップクラッチ7が備えられており、該ロックアップクラッチ7が油圧制御装置6(図1参照)の油圧制御によって係合されると、上記自動変速機3の入力軸8の回転が自動変速機構5の入力軸10に直接伝達される。
上記自動変速機構5には、入力軸10上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2、及びリングギヤR2を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合するショートピニオンPSとを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、不図示のミッションケースに一体的に固定されている不図示のボス部に接続されて回転が固定されている。また、上記リングギヤR1は、上記入力軸10の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっている。更に上記キャリヤCR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するリングギヤR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、クラッチC−1及びクラッチC−3に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、バンドブレーキからなるブレーキB−1(摩擦係合要素)に接続されてミッションケースに対して固定自在となっていると共に、上記クラッチC−3に接続され、該クラッチC−3を介して上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、クラッチC−1に接続されており、上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、入力軸10の回転が入力されるクラッチC−2に接続され、該クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及びブレーキB−2に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケースに対して一方向の回転が規制されると共に、該ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR2は、カウンタギヤ11に接続されており、該カウンタギヤ11は、不図示のカウンタシャフト、ディファレンシャル装置を介して駆動車輪に接続されている。
つづいて、上記構成に基づき、自動変速機構5の作用について図2、図3及び図4に沿って説明する。なお、図4に示す速度線図において、縦軸方向はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転数を示しており、横軸方向はそれら回転要素のギヤ比に対応して示している。また、該速度線図のプラネタリギヤSPの部分において、縦軸は、図4中左方側から順に、サンギヤS1、キャリヤCR1、リングギヤR1に対応している。更に、該速度線図のプラネタリギヤユニットPUの部分において、縦軸は、図4中右方側から順に、サンギヤS3、リングギヤR2、キャリヤCR2、サンギヤS2に対応している。
例えばD(ドライブ)レンジであって、前進1速段(1ST)では、図3に示すように、クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−1が係合される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、キャリヤCR2の回転が一方向(正転回転方向)に規制されて、つまりキャリヤCR2の逆転回転が防止されて固定された状態になる。すると、サンギヤS3に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進1速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
なお、エンジンブレーキ時(コースト時)には、ブレーキB−2を係止してキャリヤCR2を固定し、該キャリヤCR2の正転回転を防止する形で、上記前進1速段の状態を維持する。また、該前進1速段では、ワンウェイクラッチF−1によりキャリヤCR2の逆転回転を防止し、かつ正転回転を可能にするので、例えば非走行レンジから走行レンジに切換えた際の前進1速段の達成を、ワンウェイクラッチF−1の自動係合により滑らかに行うことができる。
前進2速段(2ND)では、図3に示すように、クラッチC−1が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、キャリヤCR2がサンギヤS3よりも低回転の減速回転となり、該サンギヤS3に入力された減速回転が該キャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進2速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進3速段(3TH)では、図3に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−3が係合される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−3の係合によりキャリヤCR1の減速回転がサンギヤS2に入力される。つまり、サンギヤS2及びサンギヤS3にキャリヤCR1の減速回転が入力されるため、プラネタリギヤユニットPUが減速回転の直結状態となり、そのまま減速回転がリングギヤR2に出力され、前進3速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進4速段(4TH)では、図3に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−2が係合される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−2に係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS3に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、上記前進3速段より高い減速回転となってリングギヤR2に出力され、前進4速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進5速段(5TH)では、図3に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−3が係合される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS2に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、入力回転より僅かに高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進5速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進6速段(6TH)では、図3に示すように、クラッチC−2が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図2及び図4に示すように、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、固定されたサンギヤS2によりキャリヤCR2の入力回転が上記前進5速段より高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進6速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
後進1速段(REV)では、図3に示すように、クラッチC−3が係合され、ブレーキB−2が係止される。すると、図2及び図4に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、ブレーキB−2の係止によりキャリヤCR2の回転が固定される。すると、サンギヤS2に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、後進1速段としての逆転回転がカウンタギヤ11から出力される。
なお、例えばP(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジでは、クラッチC−1、クラッチC−2、及びクラッチC−3、が解放される。すると、キャリヤCR1とサンギヤS2及びサンギヤS3との間、即ちプラネタリギヤSPとプラネタリギヤユニットPUとの間が切断状態となり、かつ、入力軸10とキャリヤCR2との間が切断状態となる。これにより、入力軸10とプラネタリギヤユニットPUとの間の動力伝達が切断状態となり、つまり入力軸10とカウンタギヤ11との動力伝達が切断状態となる。
つづいて、本発明に係る自動変速機の制御装置1について、図1に沿って説明する。図1に示すように、本自動変速機の制御装置1は、制御部(ECU)20を有しており、該制御部20には、変速制御手段21と、変速マップ22と、油圧指令制御手段23とが備えられている。また、該油圧指令制御手段23には、解放側指令手段24と、係合側指令手段25と、回転変化前勾配設定手段27を有する油圧算出手段26と、勾配マップ28と、が備えられて構成されている。
さらに、該制御部20には、不図示のアクセルペダルの角度を検出するアクセル開度センサ31と、自動変速機構5の入力軸10の回転数を検出する入力軸回転数センサ32と、駆動車輪に連動するカウンタギヤ11の回転数を検出することで車輌の車速を検出する出力軸回転数センサ33とが接続されて各種の信号が入力されている。また、制御部20は、エンジン2に接続されて、エンジン2がアイドル状態となったことを示すアイドル信号と、エンジン2の出力トルクの値であるエンジントルク信号とが入力されている。
なお、出力軸回転数センサ33は、カウンタギヤ11の回転数を検出する代わりに、カウンタシャフト(不図示)の回転数を検出するものや車軸(車輪)の回転を検出するものであってもよい。また、カウンタギヤ11やカウンタシャフトの回転数を検出する場合は、ディファレンシャルギヤ装置のギヤ比やカウンタシャフトのギヤ比等に基づき車輌の車速を演算することになる。
上記変速制御手段30は、アクセル開度センサ31により検出されるアクセル開度と、出力軸回転数センサ33により検出する車速とに基づき変速マップ22を参照し、上述の前進1速段〜前進6速段を選択判断すると共に、油圧制御装置6のソレノイドバルブ等を電子制御して、その選択された変速段となるように上記クラッチC−1,C−2,C−3,B−1,B−2の係合・解放状態を制御する。
ついで、本発明に係る変速制御を、2−1コーストダウンシフトを一例に、図1及び図5ないし図7に沿って説明する。例えばイグニッション(エンジン)がONされると、本自動変速機の制御装置1による制御が開始される。
例えば走行中の車輌が減速し、停車間近な状態にあって、パワーオフ状態、つまりアクセル開度センサ31の検出に基づきアクセル開度が0(コースト時)であり、上記アイドル信号によりアイドリングがON状態であり、かつ上記入力軸回転数センサ32の検出に基づく入力軸回転数がアイドル回転数よりも低回転となった場合であって、変速制御手段21により車速とアクセル開度とに基づき変速マップ22における2−1ダウンシフトの変速点が検出されると、前進2速段から前進1速段へのコーストダウンシフトの開始を判断する(図5の時点t11、図6のS1)。なお、この前進2速段から前進1速段へのコーストダウンシフトは、ブレーキB−1が解放されると共に、ワンウェイクラッチF−1が係合される変速である(図2乃至4参照)。
前進2速段から前進1速段へのコーストダウンシフトの開始が判断されると、変速制御手段21から油圧制御指令手段23に対して、該コーストダウンシフト制御が指令される(図6のS2)。それを受けた油圧制御指令手段23にあっては、まず、油圧算出手段26が、ブレーキB−1の解放油圧PB1(即ち油圧指令値)として、エンジントルク信号等に基づき解放初期圧を算出し(図6のS3)、解放側指令手段24によって該解放初期圧まで解放油圧PB1を下降させる(図5の時点t11)。
ついで、解放油圧PB1を上記解放初期圧に制御して所定時間が経過すると、時点t12において、油圧算出手段26が、本発明の要部となるスイープダウン制御(図5のt12〜t13、図6のS4〜S6)を開始する。該スイープダウン制御にあっては、回転変化前勾配設定手段27が、解放油圧PB1の油圧指令値(以下、単に「解放油圧PB1」という)のサンプリングを所定周期毎(或いは油圧指令値の所定降下幅毎であってもよい)に行う。また、回転変化前勾配設定手段27は、エンジントルク信号(入力トルク)に基づき、ブレーキB−1が担持するトルク容量から必要な油圧(即ち、安全率等を加味しない伝達トルクとトルク容量とが同じになるはずの圧)を算出し、上記サンプリングした解放油圧PB1を該必要油圧で乗算し、つまりトルク容量に対する現在担持しているトルクの割合を算出する。更に、回転変化前勾配設定手段27は、例えば変速開始時の入力軸回転数(タービン回転数)Nに基づき、回転変化や変速時間等を考慮しつつギヤ比から推定される変速終了時の入力軸回転数(変速後推定入力回転数)も算出する。そして、回転変化前勾配設定手段27は、図7に示す2−1ダウンシフト用の勾配マップ28を参照し、上記変速後推定入力回転数とトルク容量に対する割合とに基づき、線形補完を行いつつ、勾配ΔPB1・nを参照し、これからスイープダウンする勾配として設定する(図6のS4)。
そして、該算出された解放油圧PB1の勾配ΔPB1・nから実際に解放側指令手段24により指令する解放油圧PB1を算出し(図6のS5)、それを受けて解放側指令手段24は、該算出した解放油圧PB1によってブレーキB−1を制御し、スイープダウンを行う。次に、油圧算出手段26は、入力軸回転数Nに回転変化(イナーシャ相の開始)が生じるか否かを判断することで実際の変速が開始されたか否かの判定を行い(図6のS6)、該変速開始判定が成立していない場合は(図6のS6のNo)、図6のステップS4に戻り、引き続き油圧算出手段26が、所定周期で解放油圧PB1のサンプリングを行いつつ勾配ΔPB1・nを算出し、該勾配による解放油圧PB1を算出して、該算出した解放油圧PB1でスイープダウンを行う。
ところで、上記勾配マップ28に設定されている勾配は、トルク容量に対する割合が、予測される入力軸回転数Nの変化開始が生じる(実際の変速が開始される)割合(例えば0.6付近)に向けて徐々に勾配が小さくなるように設定されている。このため、上記スイープダウンの開始時には、上記勾配ΔPB1・nが大きくなるように設定され、かつ予測される入力軸の回転変化を起こす割合に近づくほど勾配ΔPB1・nが小さくなるように設定されている。
なお、本実施の形態においては、上記勾配を設定する際に、入力軸の回転変化を起こす割合を指標としているが、油圧Paを指標とすることも可能である。その場合、油圧Paは、入力トルク(エンジントルク信号)とギヤトレーンにおける摩擦係合要素(ブレーキB−1)のトルク分担などに基づき算出することができ、言い換えれば、入力トルクによって油圧Paの値が上下することになる。
また、上記勾配マップ28に設定されている勾配は、変速後推定入力回転数が高いほど勾配が大きくなるように設定されている。即ち、変速後推定入力回転数が高い場合には、変速前後での回転数差が大きいため、変速時間が長く解放油圧の制御により、変速終期の回転変化速度を緩めることでワンウェイクラッチF−1が係合するときのショックを緩和できる。反対に、変速後推定入力回転数が低い場合は、変速前後で回転数差が小さいため、変速時間が短く、その間に解放油圧を制御することが困難であるため、変速開始前の解放油圧勾配を緩く設定することで、ワンウェイクラッチF−1の係合をゆっくりと起こすことが可能となる。
なお、上記勾配マップ28に設定されている勾配を、変速後推定入力回転数がエンジン回転数、即ちアイドル回転数に近いほど勾配が大きくなるように設定してもよい。即ち、変速後推定入力回転数がエンジン回転数に近い場合は、ワンウェイクラッチF−1が係合する瞬間に回転数差が小さいので、上記勾配を大きくしてイナーシャ相における入力軸回転数Nの変化が大きくても係合ショックが生じ難く、反対に、変速後推定入力回転数がエンジン回転数から遠い場合は、ワンウェイクラッチF−1が係合する瞬間に回転数差が大きいので、係合ショックを緩和するために上記勾配を小さくしてイナーシャ相における入力軸回転数Nの変化を小さくする必要がある。これにより、変速後推定入力回転数がエンジン回転数に近い場合は、上記勾配を大きくして変速時間の短縮化を図ることが可能となり、変速後推定入力回転数がエンジン回転数から遠い場合は、ワンウェイクラッチF−1における係合ショックの緩和を図ることが可能となる。
その後、時点t13において、油圧算出手段26は、入力軸回転数センサ32の検出に基づき、入力軸回転数Nの回転変化開始を検出すると、変速開始判定を行い(図6のS6のYes)、入力軸回転数Nの回転変化をフィードバックする形で随時の解放油圧PB1の勾配を算出し(図6のS7)、該算出された勾配で解放油圧PB1のスイープダウンを行う。そして、図5の時点t14に1速段のギヤ比が成立してワンウェイクラッチF−1が係合し、入力軸回転数Nの回転上昇が納まると、図5の時点t15において、変速終了が判定されて(図6のS8のYes)、解放制御を終了するために急勾配で解放油圧PB1を0にして、図5の時点t16において解放制御を終了する(図6のS9)。
以上説明したように本発明に係る自動変速機の制御装置1によると、スイープ開始時に解放油圧PB1の勾配が大きくなるので、スイープ制御を行う実際の変速開始までの時間TA(図5参照)を短くすることができ、変速時間が長くなることを防止できるものでありながら、入力軸10の回転変化が開始される際には解放油圧PB1の勾配が小さくなるので、変速開始後の入力軸回転数Nの変化を緩やかにすることができ、変速ショック(ワンウェイクラッチF−1の係合ショック)を緩和することができる。
また、入力軸10の回転変化の開始(即ち実際の変速開始)は、入力トルクに基づきブレーキB−1が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する解放油圧PB1の割合から予測することができるため、該必要な油圧に対する解放油圧PB1の割合を随時算出することで、スイープ開始時に解放油圧PB1の勾配を大きくし、かつ入力軸の回転変化の開始が近づくに連れて解放油圧PB1の勾配を小さくすることを可能にすることができる。
また、勾配マップ28に、ブレーキB−1が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する解放油圧PB1の割合が、スイープ開始時の割合から入力軸10の回転変化の開始が予測される割合に向けて徐々に勾配が小さくなるように定めておくことで、随時勾配の演算を行うことなく、スイープ開始時に解放油圧PB1の勾配を大きくし、かつ入力軸の回転変化の開始が近づくに連れて解放油圧PB1の勾配を小さくすることを可能にすることができる。
また、入力軸回転数Nが高い場合は、変速前後での回転数差が大きいため、変速時間が長く、その間に解放する要素の油圧を制御することで係合するワンウェイクラッチF−1による係合ショックを抑えることができるため、入力軸回転数Nが高いほど解放油圧PB1の勾配を大きくすることで、変速時間の短縮化を図ることができ、反対に、入力軸回転数Nが低い場合は、解放油圧PB1の勾配を小さくすることで、係合ショックの緩和を図ることができる。
なお、上記勾配マップ28に設定されている勾配を、変速後推定入力回転数がエンジン回転数に近いほど勾配が大きくなるように設定した際は、変速後の入力軸回転数Nがエンジン回転数Nに近い場合、回転数差が小さいことに起因して係合するワンウェイクラッチF−1による係合ショックが生じ難くいため、変速後の入力軸回転数Nがエンジン回転数Nに近いほど解放油圧PB1の勾配を大きくすることで、変速時間の短縮化を図ることができ、反対に、変速後の入力軸回転数Nがエンジン回転数Nと遠い場合は、解放油圧PB1の勾配を小さくすることで、ワンウェイクラッチF−1の係合ショックの緩和を図ることができる。
また、上述のように本発明を適用する変速が、入力軸10の回転数がトルクコンバータ4を介してアイドル回転数以下の状態におけるコーストダウンシフトであって、ブレーキB−1を解放制御すると共にワンウェイクラッチF−1が係合する変速である場合は、係合する要素がワンウェイクラッチF−1であるために、例えば油圧制御等によってスリップ制御しつつ緩やかに係合させることができず、入力軸回転数Nの急上昇による係合ショックが生じ易いが、上述のように解放油圧PB1の勾配を設定することによって、変速開始後の入力軸回転数Nの変化(上昇)を緩やかにすることができるので、ワンウェイクラッチF−1の係合ショックを緩和する上で極めて有用である。
なお、以上説明した本発明に係る油圧制御は、2−1コーストダウンシフトにおけるブレーキB−1の解放制御であるが、言うまでもなく、どのようなダウンシフトにあっても解放制御として用いることで、変速時間の短縮化や変速ショックの緩和を図ることができる。
さらに、以上説明した本発明に係る油圧制御は、係合制御においても用いることが可能である。以下に別の実施例として係合制御に本発明を用いた場合を、1−2パワーオフアップシフトを一例として、図1及び図8に沿って説明する。
上述と同様に、変速制御手段21により、車速とアクセル開度とに基づき変速マップ22を参照して1−2アップシフトが判断されると(t21)、油圧指令制御手段23の係合側指令手段25によるブレーキB−1の油圧制御が開始される。なお、この前進1速段から前進2速段へのアップシフトは、ブレーキB−1を係合すると共にワンウェイクラッチF−1が自動解放される変速である。
該1−2アップシフトにおける係合制御が開始されると、まず、時点t21からt22において、係合側指令手段25は、ブレーキB−1の係合油圧PB1を油圧算出手段26により算出された所定圧まで上昇し、所定時間の間、該ブレーキB−1のブレーキバンドの緩みを係合直前まで締める、いわゆるガタ詰め動作を行う。
ついで、時点t21から所定時間が経過し、時点t22となると、油圧算出手段26は、ブレーキB−1を係合直前で待機させるための待機圧を算出し、係合側指令手段25によって所定時間の間、係合油圧PB1を待機圧に維持する。
ついで、上記待機圧に維持して所定時間が経過すると、時点t23において、油圧算出手段26が、スイープアップ制御(t23〜t24)を開始する。該スイープアップ制御にあっては、回転変化前勾配設定手段27が、上記解放制御と同様に、係合油圧PB1・nのサンプリングを所定周期毎に行うと共に、入力トルクに基づくブレーキB−1に必要な油圧を算出して、トルク容量に対する現在担持しているトルクの割合を算出し、更に、変速後推定入力回転数も算出する。そして、回転変化前勾配設定手段27は、1−2アップシフト用の勾配マップ28を参照し、上記変速後推定入力回転数とトルク容量に対する割合とに基づき、線形補完を行いつつ、勾配ΔPB1・nを参照し、これからスイープアップする勾配として設定し、それを受けて解放側指令手段24が、スイープアップを行う。
上記1−2アップシフト用の勾配マップ28に設定されている勾配は、上記解放制御と同様に、トルク容量に対する割合が、予測される入力軸回転数Nの変化開始が生じる(実際の変速が開始される)割合に向けて徐々に勾配が小さくなるように設定されており、これにより、上記スイープアップの開始時には、上記勾配ΔPB1・nが大きくなるように設定され、かつ予測される入力軸の回転変化を起こす割合に近づくほど勾配ΔPB1・nが小さくなるように設定される。
なお、解放制御と同様に、本実施の形態においては、上記勾配を設定する際に、入力軸の回転変化を起こす割合を指標としているが、油圧Pbを指標とすることも可能である。その場合、油圧Pbは、入力トルク(エンジントルク信号)とギヤトレーンにおける摩擦係合要素(ブレーキB−1)のトルク分担などに基づき算出することができ、言い換えれば、入力トルクによって油圧Pbの値が上下することになる。
また、上記1−2アップシフト用の勾配マップ28に設定されている勾配は、同様に、変速後推定入力回転数が高いほど勾配が大きくなるように設定されていることが好ましく、つまり入力回転数が高い場合は車速が高く、反対に、入力回転数が低い場合は車速が低くなるので、入力回転数が高い場合は、上記勾配を大きくして変速時間の短縮化を図ることが可能となり、変速後推定入力回転数が低い場合は、ブレーキB−1における係合ショックの緩和を図ることが可能となる。
なお、上記勾配マップ28に設定されている勾配を、変速後推定入力回転数がエンジン回転数に近いほど勾配が大きくなるように設定した際は、変速後推定入力回転数がエンジン回転数に近い場合、ブレーキB−1が係合する瞬間に回転数差が小さく、反対に、変速後推定入力回転数がエンジン回転数から遠い場合はブレーキB−1が係合する瞬間に回転数差が大きくなるので、変速後推定入力回転数がエンジン回転数に近い場合は、上記勾配を大きくして変速時間の短縮化を図ることが可能となり、変速後推定入力回転数がエンジン回転数から遠い場合は、ブレーキB−1における係合ショックの緩和を図ることが可能となる。
その後、時点t24において、油圧算出手段26は、入力軸回転数Nに下降変化が生じて変速開始を判定すると、入力軸回転数Nの回転変化をフィードバックする形で随時の係合油圧PB1の勾配を算出し、該算出された勾配で係合油圧PB1をスイープアップを行い、時点t25に2速段のギヤ比が成立して、入力軸回転数Nの回転下降が納まると、変速終了が判定されて、急勾配で係合油圧PB1を例えばライン圧まで上昇させ、時点t26において、以上の係合制御を終了する。
以上説明したように係合制御にあっても、スイープ開始時に解放油圧PB1の勾配が大きくなるので、スイープ制御を行う実際の変速開始までの時間TBを短くすることができ、変速時間が長くなることを防止できるものでありながら、入力軸10の回転変化が開始される際には解放油圧PB1の勾配が小さくなるので、変速開始時の入力軸回転数Nの変化を緩やかにすることができ、ブレーキB−1の係合ショックを緩和することができる。
また、入力軸10の回転変化の開始(即ち実際の変速開始)は、入力トルクに基づきブレーキB−1が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する係合油圧PB1の割合から予測することができるため、該必要な油圧に対する係合油圧PB1の割合を随時算出することで、スイープ開始時に係合油圧PB1の勾配を大きくし、かつ入力軸の回転変化の開始が近づくに連れて係合油圧PB1の勾配を小さくすることを可能にすることができる。
また、勾配マップ28に、ブレーキB−1が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する係合油圧PB1の割合が、スイープ開始時の割合から入力軸10の回転変化の開始が予測される割合に向けて徐々に勾配が小さくなるように定めておくことで、随時勾配の演算を行うことなく、スイープ開始時に係合油圧PB1の勾配を大きくし、かつ入力軸の回転変化の開始が近づくに連れて係合油圧PB1の勾配を小さくすることを可能にすることができる。
さらに、上記勾配マップ28に設定されている勾配は、変速後推定入力回転数が高いほど勾配が大きくなるように設定されているため、入力軸回転数Nが高い場合は、ブレーキB−1による係合ショックをドライバーが感じ難いため、入力軸回転数Nが高いほど係合油圧PB1の勾配を大きくすることで、変速時間の短縮化を図ることができ、反対に、変速後の入力軸回転数Nが低い場合は、係合油圧PB1の勾配を小さくすることで、ブレーキB−1の係合ショックの緩和を図ることができる。
さらに、上記勾配マップ28に設定されている勾配を、変速後推定入力回転数がエンジン回転数、即ちアイドル回転数に近いほど勾配が大きくなるように設定した際は、変速後の入力軸回転数Nがエンジン回転数Nに近い場合は、回転数差が小さいことに起因して係合するブレーキB−1による係合ショックが生じ難くいため、変速後の入力軸回転数Nがエンジン回転数Nに近いほど係合油圧PB1の勾配を大きくすることで、変速時間の短縮化を図ることができ、反対に、変速後の入力軸回転数Nがエンジン回転数Nと遠い場合は、係合油圧PB1の勾配を小さくすることで、ブレーキB−1の係合ショックの緩和を図ることができる。
なお、以上説明した係合制御は、1−2パワーオフアップシフトを一例に説明したが、言うまでもなく、本発明に係る係合制御は、どのようなアップシフトにあっても、係合側摩擦係合要素の油圧制御として用いることができる。
また、以上説明した実施の形態においては、本自動変速機の制御装置1を前進6速段、及び後進1速段を可能とする自動変速機3に適用する場合を一例として説明したが、勿論これに限るものではなく、有段式の自動変速機であればどのようなものにも適用できる。
本発明に係る自動変速機の制御装置を示すブロック図。 本発明を適用し得る自動変速機構を示すスケルトン図。 本自動変速機構の係合表。 本自動変速機構の速度線図。 本発明に係る2−1ダウンシフト変速を示すタイムチャート。 本発明に係る解放油圧算出制御を示すフローチャート。 本発明に係る勾配マップを示す図。 本発明に係る1−2アップシフト変速を示すタイムチャート。 従来の2−1ダウンシフト変速を示すタイムチャート。 従来の解放油圧算出制御のフローチャート 従来の解放油圧勾配を示す表。
符号の説明
1 自動変速機の制御装置
2 内燃エンジン
3 自動変速機
4 流体伝動装置(トルクコンバータ)
10 入力軸
11 出力軸(カウンタギヤ)
23 油圧指令制御手段
27 回転変化前勾配設定手段
28 勾配マップ
B−1 摩擦係合要素(ブレーキ)
F−1 ワンウェイクラッチ
入力軸回転数(タービン回転数)
エンジン回転数
B1 油圧指令値(解放油圧)
B1・n サンプリングされた油圧指令値(解放油圧値)
ΔPB1・n 油圧指令値の勾配

Claims (6)

  1. 入力軸及び出力軸間のギヤ比を変更する変速時に、摩擦係合要素の油圧サーボの油圧を油圧指令値に応じて調圧することで、前記摩擦係合要素の解放制御又は係合制御を行う自動変速機の制御装置において、
    前記入力軸の回転変化が生じる実際の変速前にあって前記油圧指令値をスイープする際に、前記油圧指令値をサンプリングし、前記入力軸に入力される入力トルクと前記サンプリングされた油圧指令値とに基づき油圧指令値の勾配を、スイープ開始時に大きくなるように設定し、かつ予測される前記入力軸の回転変化の開始が近づくほど小さくなるように設定する油圧指令制御手段を備えた、
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記入力軸の回転変化の開始は、前記入力トルクに基づき前記摩擦係合要素が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する油圧指令値の割合から予測されてなり、
    前記油圧指令制御手段は、前記入力トルクに基づき前記摩擦係合要素が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する前記サンプリングされた油圧指令値の割合を随時算出し、該割合に基づき前記油圧指令値の勾配を設定する回転変化前勾配設定手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記摩擦係合要素が係合状態を維持するのに必要な油圧に対する油圧指令値の割合が、前記スイープ開始時の割合から前記入力軸の回転変化の開始が予測される割合に向けて徐々に小さくなるように、前記勾配が定められた勾配マップを備え、
    前記回転変化前勾配設定手段は、変速後の入力軸回転数を推定すると共に、該推定された変速後の入力軸回転数と前記割合とに基づき前記勾配マップを参照して、前記油圧指令値の勾配を設定してなる、
    ことを特徴とする請求項2記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記勾配マップは、変速後の入力軸回転数が高いほど大きくなるように定められてなる、
    ことを特徴とする請求項3記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記勾配マップは、変速後の入力軸回転数がエンジン回転数に近いほど大きくなるように定められてなる、
    ことを特徴とする請求項3記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記自動変速機は、内燃エンジンと前記入力軸との間に回転数差を吸収し得る流体伝動装置を備え、
    前記変速は、前記入力軸の回転数が前記流体伝動装置を介してアイドル回転数以下の状態におけるコーストダウンシフトであって、前記摩擦係合要素を解放制御すると共にワンウェイクラッチが係合する変速である、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021113595A (ja) * 2020-01-20 2021-08-05 トヨタ自動車株式会社 四輪駆動車両

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